JPH11131021A - コーティング用組成物およびその積層体 - Google Patents

コーティング用組成物およびその積層体

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JPH11131021A
JPH11131021A JP9299224A JP29922497A JPH11131021A JP H11131021 A JPH11131021 A JP H11131021A JP 9299224 A JP9299224 A JP 9299224A JP 29922497 A JP29922497 A JP 29922497A JP H11131021 A JPH11131021 A JP H11131021A
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oxide
meth
coating
film
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JP9299224A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kinoshita
淳 木下
Katsuyoshi Takeshita
克義 竹下
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コート被膜自体の充分な染色性と耐久性、およ
びコート被膜表面に無機物質からなる反射防止膜を設け
たときの耐久性の双方を満足するコーティング用組成物
に関する。 【解決手段】酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウムか
ら構成される複合金属酸化物、シラン化合物およびエポ
キシ(メタ)アクリレートを主成分とするコーティング
用組成物により、コート膜自体の充分な染色性と耐久
性、およびコート被膜表面に無機物質からなる反射防止
膜を設けたときの耐久性の双方を充分に満足することに
成功した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率が1.52
以上の合成樹脂製レンズ表面に、基材と同程度の屈折率
を有し、耐摩耗性、耐薬品性、耐温水性、耐熱性、耐候
性等の各種耐久性に優れた透明被膜を提供するコーティ
ング用組成物に関する。さらにはその被膜上に無機物質
からなる反射防止膜(以後無機蒸着膜とする)設けた積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂レンズ、特にジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)レンズ
は、ガラスレンズに比べ、安全性、易加工性、ファッシ
ョン性などにおいて優れており、さらに近年、反射防止
技術、ハードコート技術、ハードコート+反射防止技術
の開発により急速に普及してきた。しかし、CR−39
樹脂の屈折率は1.50とガラスレンズに比べ低く、近
視用レンズでは外周部がガラスレンズに比べ厚くなると
いう欠点を有している。そこで、合成樹脂製眼鏡レンズ
の分野では、高屈折率樹脂材料によって薄型化を図る技
術開発が積極的に行われている。そのための技術提案と
して、特開昭59−133211号公報、特開昭63−
46213号公報、特開平2−270859号公報など
では1.60、さらにはそれ以上の屈折率を有する高屈
折率樹脂材料が提案されている。
【0003】一方、プラスチック眼鏡レンズは傷が付き
易いとういう欠点があるため、シリコン系のハードコー
ト被膜をプラスチックレンズ表面に設ける方法が一般的
に行われている。しかし、屈折率が1.52以上の高屈
折率樹脂レンズに同様の方法を適用した場合、樹脂レン
ズとコーティング膜の屈折率差による干渉縞が発生し、
外観不良となる。この問題を解決するための技術提案と
して、特公昭61−54331号公報、特公昭63−3
7142号公報のように、シリコン系コーティング組成
物に使用されている二酸化ケイ素微粒子のコロイド状分
散体を高屈折率を有するAl,Ti,Zr,Sn,Sb
の酸化物微粒子のコロイド状分散体に置き換えるといっ
たコーティング技術が開示されている。また、特開平1
−301517号公報では二酸化チタンと二酸化セリウ
ムの複合系ゾルの製造方法が開示されており、特開平2
−264902号公報ではTi、CeおよびSiの複合
酸化物を有機ケイ素化合物で処理した微粒子をコーティ
ング組成物に用いる技術が開示されている。
【0004】しかし、先述の高屈折率コーティング用組
成物にはコート被膜自体の十分な染色性および各種耐久
性を充分に満足させるものは得られていない。そこで特
開平8−311402には高屈折率コーティング用組成
物に染色性および各種耐久性を付与する技術が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−31140
2の高屈折率コーティング用組成物は、実用上問題無い
レベルの耐久性および染色性は確保される。しかしなが
ら、これらコーティング用組成物を塗布した製品の寿命
をさらに延ばすためには、耐候性に関してレベルアップ
を図りたいのが実状であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題点を解決するため鋭意検討を行ったところ、酸化錫、
酸化チタンおよび酸化ジルコニウムから構成される複合
酸化物微粒子、重合可能な反応基を有するシラン化合物
およびグリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを同時
に有するエポキシ(メタ)アクリレート[(メタ)アク
リレートとは、メタクリレートとアクリレートとを表
す。]を主成分とする組成物を熱硬化もしくは、光硬化
と熱硬化を併用して得られるコーティング被膜におい
て、透明性に優れ、かつ染色性および各種耐久性、無機
蒸着膜をその被膜表面に設けた時の各種耐久性に優れた
性能が得られ、特に耐候性に関しては従来技術より大幅
なレベルアップを可能とする事を見いだした。
【0007】すなわち本発明は、少なくとも下記の成分
(A)、(B)および(C)を主成分とすることを特徴
とするコーティング用組成物である。 (A).酸化錫、酸化チタン、および酸化ジルコニウム
から構成される複合酸化物微粒子。 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
るシラン化合物。 (C).一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイ
ル基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート。
【0008】また、本発明は前記(A)の複合酸化物微
粒子中の重量%比が、酸化錫60〜85、酸化チタン1
0〜30、酸化ジルコニウム1〜10であることを特徴
とするコーティング用組成物である。
【0009】さらに、被膜の屈折率の調整または被膜の
耐久性を更に向上させるために下記(D)成分を含有す
ることも可能である。 (D)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子およ
び/または一般式がSi(OR14で表される有機ケイ
素化合物の加水分解物および/または部分縮合物(ここ
でR1は炭素数1〜8の炭化水素基、アルキル基を表
す)。
【0010】また、本発明は前記コーティング用組成物
からなるコート膜表面に無機物質からなる反射防止膜
(無機蒸着膜)を設けたことを特徴とする積層体であ
る。
【0011】本発明で使用する(A)成分は酸化錫、酸
化チタンおよび酸化ジルコニウムから構成される複合酸
化物微粒子を分散媒、例えば水、アルコール系、もしく
はその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものであ
る。これらのコーティング液中での分散安定性を高める
ためにこれらの微粒子表面を有機ケイ素化合物、アミン
系化合物および/またはカルボン酸で処理したものを使
用することも可能である。この際用いられる有機ケイ素
化合物としては、単官能性シラン、あるいは二官能性シ
ラン、三官能性シラン、四官能性シラン等がある。処理
に際しては加水分解性基を未処理で行っても、あるいは
加水分解して行っても良い。また処理後は加水分解性基
が微粒子の−OH基と反応した状態が好ましいが、一部
残存した状態でも安定性には何ら問題がない。またアミ
ン系化合物としてはアンモニウムまたはエチルアミン、
トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピル
アミン等のアルキルアミン、ベンジルアミン等のアラル
キルアミン、ピペリジン等の脂環式アミン、モノエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールア
ミンがある。これらの有機ケイ素化合物とアミン化合
物、カルボン酸の添加量は微粒子の重量に対して1〜1
5%程度の範囲内で加える必要がある。いずれも粒子径
は約1〜300mμが好適であり、本発明のコーティン
グ組成物への適用種および使用量は目的とする被膜性能
により決定されるものであるが使用量は固形分の20〜
60重量%であることが望ましい。すなわち、20重量
%未満では、無機蒸着膜との密着性が不十分となるか、
もしくは、塗膜の耐擦傷性が不十分となる。また60重
量%を越えると、塗膜にクラックが生じ、染色性も不十
分となる。
【0012】続いて、(B)成分はビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプ
ト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能
な反応基を有するシラン化合物であり、その具体例とし
て、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、
アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピル
トリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジア
ルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルト
リアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプ
ロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジアルコキシシラン等がある。
【0013】この(B)成分は、2種類以上混合して用
いてもかまわない。また、加水分解を行ってから用いる
か、もしくは硬化した後の被膜に酸処理を行うか、どち
らかの方法を取った方がより有効である。
【0014】(B)成分の使用量は、全組成物の30〜
70重量%であることが望ましい。すなわち、30重量
%未満であると、無機蒸着膜との密着性が不十分となり
やすい。また70重量%を越えると、硬化被膜にクラッ
クを生じさせる原因となり好ましくない。
【0015】続いて、(C)成分の一分子中にグリシジ
ル基と(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メ
タ)アクリレートとは、一分子中に2個以上のグリシジ
ル基を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との
グリシジル基開環反応により得られる。一分子中に2個
以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物の具体例と
しては1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノ
ナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、グリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロー
ルトリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、
ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテト
ラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラ
グリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエ
ーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートのトリグリシジルエーテル、等の脂肪族エポキシ化
合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス
−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシ
ジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエ
ール、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジグ
リシジルエステル、フェノールノボラックポリグリシジ
ルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエー
テル等の芳香族エポキシ化合物などが挙げられる。
【0016】本発明では(C)成分である(メタ)アク
リレートは染色成分として用いるため、上記の中でも、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジ
ルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ト
リス(2ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグ
リシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物が特に好ま
しい。これらエポキシ化合物と反応させるモノカルボン
酸含有化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、の
ほかに、グリシジル(メタ)アクリレートとO−無水フ
タル酸のような酸無水物との反応によって得られるモノ
カルボン酸含有(メタ)アクリレート化合物がある。
【0017】エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メ
タ)アクリレートとの反応は、上記を混合し、触媒とし
て例えばジメチルアミノエチルメタクリレート等の3級
アミン化合物、またはベンジルトリメチルアンモニウム
クロリド等の4級アミン塩を加え、60〜110℃に加
熱することにより得られる。
【0018】本発明ではコーティング被膜を強靭にする
他にも、一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイ
ル基を同時の有するエポキシ(メタ)アクリレートとす
るのがより好ましい。
【0019】この化合物は、例えばグリセロールトリグ
リシジルエーテル1モルとアクリル酸1.5モルとを反
応させることにより得られる。
【0020】(C)成分の使用量は、全組成物の2〜3
0重量%であることが必要である。すなわち2重量%未
満であると染色性が不十分となる。また、30重量%を
越えると無機蒸着膜との密着性が不十分となりやすく、
好ましくない。
【0021】(D)成分の粒径1〜100ミリミクロン
のシリカ微粒子の効果的な例としては、シリカゾルおよ
びシリカ微粒子がある。シリカゾルとは分散媒例えば
水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒に、高分子
量無水ケイ酸をコロイド状に分散させたものである。ま
た粉末状シリカ微粒子は、コロイド状シリカの表面を疎
水処理した粉末であり、いずれも市販されているもので
ある。この発明の目的のためには平均粒子径1〜100
ミリミクロンのものが使用されるが、好ましくは5〜3
0ミリミクロンの径のものが使用される。粒子径が1ミ
リミクロン以下であると微粒子状シリカが安定に存在せ
ず、一定した品質が得られない。また100ミリミクロ
ン以上であるとコーティング被膜が白濁するという問題
が生じる。
【0022】また、一般式がSi(OR44で表される
四官能シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラア
セトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラキス
(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エ
チルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシ
ロキシ)シラン等があげられる。これらは単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは
無機溶媒下またはアルコール等の有機溶媒中で、酸存在
下で加水分解して使用するのが好ましい。
【0023】このようにして得られるコーティング用組
成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができ
る。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン
類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。
【0024】なお、本発明のコーティング用組成物は上
記成分のほかに必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電
防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油用染
料、蛍光染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダ
ードアミン・ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定
剤などを添加し、コーティング液の塗布性および硬化後
の被膜性能を改良することもできる。
【0025】さらに、本発明のコーティング組成物の塗
布にあたっては、基材レンズと被膜の密着性を向上させ
る目的で、基材表面をあらかじめアルカリ処理、酸処
理、界面活性剤処理、無機あるいは有機物の微粒子によ
る研磨処理、プライマー処理またはプラズマ処理を行う
ことが効果的である。
【0026】また、塗布・硬化方法としては、ディッピ
ング法、スピンナー法、スプレー法あるいはフロー法に
よりコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温
度で数時間加熱乾燥することにより、被膜を形成するこ
とができる。特に熱変形温度が100℃未満の基材に対
しては治工具でレンズ基材を固定する必要のないスピン
ナー法が好適である。
【0027】また、シラノールあるいは、エポキシ化合
物の硬化触媒を添加することも有用である。
【0028】好ましい硬化触媒としては、化塩素酸、化
塩素酸アンモニウム、化塩素酸マグネシウム等の化塩素
酸類、Cu(II),Zn(II),Co(II),Ni(II),Be
(II),Ce(III) ,Ta(III) ,Ti(III) ,Mn(II
I) ,La(III) ,Cr(III) ,V(III) ,Ci(III)
,Fe(III) ,Al(III) ,Ce(IV),Zr(IV),V
(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトネート、ア
ミン、グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩
等が挙げられる。この中でも好ましい硬化触媒として
は、化塩素酸マグネシウム、Al(III) ,Fe(III) の
アセチルアセトネートが挙げられる。添加量は、固形分
の0.01〜5.0%の範囲が望ましい。
【0029】また、硬化被膜の膜厚としては、0.05
〜30μmであることが望ましい。すなわち、0.05
μm未満では、基本となる性能がでず、30μmを越え
ると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪が発生す
るため好ましくない。
【0030】その塗布方法としては、浸せき法、スプレ
ー法、ロールコート法、スピンコート法、フローコート
法などが挙げられる。
【0031】本発明における無機物質からなる反射防止
膜(無機蒸着膜)を形成する被膜化方法としては、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法な
どが挙げられる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオ
ンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用
いても良い。また、膜構成としては、単層反射防止膜も
しくは多層反射防止膜のどちらを用いてもかまわない。
【0032】使用される無機物の具体例としては、Si
2,SiO,ZrO2,TiO2,TiO,Ti23
Ti25,Al23,Ta25,CeO2,MgO,Y2
3,SnO2,MgF2,WO等が挙げられる。これら
の無機物は単独で用いるかもしくは2種以上の混合物を
用いる。
【0033】また、反射防止膜を形成する際には、ハー
ドコート膜の表面処理を行うことが望ましい。この蒸面
処理の具体例としては、酸処理、アルカリ処理、紫外線
照射処理、アルゴンもしくは酸素雰囲気中での高周波放
電によるプラズマ処理、アルゴンや酸素もしくは窒素な
どのイオンビーム照射処理等が挙げられる。以下、実施
例により更に詳細に説明する。
【0034】
【発明の実施の形態】実施例により本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定される物ではな
い。 実施例−1 (1)エポキシアクリレートの合成 温度計、環流器を取り付けた1lのフラスコにグリセロ
ールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製;
商品名「デナコールEX−313」)754g、アクリ
ル酸187g、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリ
ド4g、ハイドロキノンメチルエーテル0.5g、ブチ
ルセロソルブ235gを入れ撹拌を行いながら、70℃
で2時間、80℃で6時間反応させてエポキシアクリレ
ート(EA−1)を得た。得られたエポキシアクリレー
トはAPHA150、酸化0.05であった。
【0035】(2)塗膜の調整 メチルセロソルブ513.5g、メタノール分散酸化錫
−酸化チタン−酸化ジルコニウム複合微粒子ゾル(重量
%比:76.5/20.5/3、固形分濃度20重量
%、日産化学工業(株)製HITシリーズ)531gを
混合した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン163gを混合した。この混合液に0.05N塩酸
水溶液45.5gを撹拌しながら滴下を行い3時間撹拌
後、一昼夜熟成させた。この液にEA−1を45g添加
した後アルミニウムアセチルアセトネート2.6gシリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製;商品名「L
−7001)」0.4g及びフェノール系酸化防止剤
(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタ
ル」)0.9gを添加し2時間撹拌後一昼夜熟成させて
塗液とした。
【0036】(3)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、アルカリ処理を施した
屈折率1.67眼鏡レンズ(セイコーエプソン(株)
製、セイコースーパーソブリン用レンズ生地)に浸漬法
にて塗布を行った。引き上げ速度は25cm/minと
した。塗布後、80℃で20分間乾燥した後110℃で
180分間焼成を行った。このようにして得られた硬化
被膜の厚みは約2ミクロンであり、外観、染色性共に優
れた物であった。
【0037】実施例−2 実施例−1で得られたレンズに、それぞれ以下の方法で
無機物質からなる反射防止コート被膜の形成を行った。 (1)反射防止被膜の形成 実施例−1で得られたレンズをプラズマ処理(アルゴン
プラズマ400W×60秒)を行った後、基板から大気
に向かって順に、ZrO2,Si02,ZrO2,SiO2
の4層からなる反射防止多層膜を真空蒸着法(真空器械
工業(株)製;BMC−1000)にて形成を行った。
各層の光学的膜厚は、最初のZrO2層とSiO2層の等
価膜層および次のZrO2層、最上層のSiO2層がそれ
ぞれγ/4となる様に形成した。なお、設計波長γは5
20nmとした。得られた多層膜の反射干渉色は緑色を
呈し、全光線透過率は98%であった。
【0038】(2)試験および評価結果 実施例−1で得られたレンズ(以下ハードコートレンズ
と呼ぶ)および実施例−2で得られたレンズ(以下ハー
ドマルチコートレンズと呼ぶ)をそれぞれ次に述べる方
法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0039】(a)耐摩耗性:ボンスター#0000ス
チールウール(日本スチールウール(株)製)で1kg
の荷重をかけ、10往復、表面を摩擦し、傷ついた程度
を目視で次の段階に分けて評価した。 A:1cm*3cmの範囲に全く傷がない。 B:上記範囲内に1〜10本の傷がある。 C:上記範囲内に10〜100本の傷がある。 D:無数の傷が付いているが、平滑な表面が残ってい
る。 E:表面に付いた傷のため、平滑な表面が残っていな
い。
【0040】(b)耐水・耐薬品性:水、アルコール、
灯油中に48時間浸漬し、表面状態に変化のない物を良
とした。
【0041】(C)耐酸・耐洗剤性:0.1N塩酸およ
び1%ママレモン(ライオン油脂(株)製)水溶液に1
2時間浸漬し、表面状態に変化のない物を良とした。
【0042】(d)密着性:基材とハードコート膜およ
びハードコート膜とマルチコート膜との密着性は、JI
SD−0202に準じてクロスカットテープ試験により
行った。即ち、ナイフを用い、基材表面に1mm間隔に
切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成す
る。次に、その上にセロファン粘着テープ(ニチバン
(株)製 商品名「セロテープ」)を強く押しつけた
後、表面から90度方向へ急に引っ張り、剥離した後コ
ート被膜の残っているマス目をもって密着性指標とし
た。
【0043】(e)耐候性:キセノンランプによるサン
シャインウェザーメータに400時間暴露した後の表面
状態に変化のないものを良とした。
【0044】(f)耐候性後の耐摩耗性:キセノンラン
プによるサンシャインウェザーメーターに400時間暴
露後、(a)と同様の試験を実施。
【0045】(g)耐久性:耐久性は本質的に密着性の
接続であると考え、(a)から(f)の試験を行ったも
のについて、上記のクロスカットテープ試験を行い、コ
ート膜に剥離のないものを良とした。
【0046】(h)染色性(ハードコートレンズの
み):92℃の純水1リットルに、セイコープラックス
ダイヤコート用染色剤アンバーDを2g分散させ、染色
液を調整した。この染色液にレンズを5分間浸漬し、染
色を行い染色ムラがなく、かつ全光線透過率が染色前と
染色後の差が30%以上のものを良とした。
【0047】実施例−3 (1)エポキシアクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、トリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
工業(株)製;商品名「デナコールEX−921」49
2g、メタクリル酸103.2gベンジルトリメチルア
ンモニウムクロリド3g、ハイドロキノンメチルエーテ
ル0.3g、ブチルセロソルブ255.2gを入れ攪拌
を行いながら、70℃で2時間、80℃で2時間、続い
て90℃で6時間反応させてエポキシメタクリレート
(EA−2)を得た。得られたエポキシメタクリレート
は、APHA200,酸化0.05であった。
【0048】(2)塗液の調整 イソプロピルセロソルブ1114.9g、メタノール分
散酸化錫−酸化チタン−酸化ジルコニウム複合微粒子ゾ
ル(重量%比:80/15/5、固形分濃度20重量
%、日産化学工業(株)製HITシリーズ)1392.
1g、メタノール分散コロイド状シリカ(触媒化成工業
(株)製商品名「オスカル1132」、固形分濃度30
重量%)155.1gを混合した後、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン515.3gを混合した。
この混合液に0.05N塩酸水溶液101gを攪拌しな
がら滴下し、さらに4時間攪拌後一昼夜熟成させた。こ
の液にEA−2を251.7g添加後、化塩素酸マグネ
シウム8.2g、シリコン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製、商品名「L−7001」)1.5gおよびヒ
ンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名「サ
ノールLS−770」)3.7gを添加し、4時間攪拌
後一昼夜熟成させて塗膜とした。
【0049】(3)塗布および硬化 このようにして得られた塗液でアルカリ処理を施した屈
折率1.60眼鏡レンズ(セイコーエプソン(株)製、
セイコースーパールーシャス用レンズ生地)に浸漬方に
て塗布を行った。引き上げ速度は23cm/minとし
た。塗布後80℃で20分間風乾した後110℃で18
0分間焼成を行った。このようにして得られた硬化被膜
の厚みは2ミクロンであり、外観、染色性共に優れたも
のであった。
【0050】(4)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行い、その結果を表1に示した。 実施例−4 (1)反射防止膜の形成 実施例−3で得られたレンズをプラズマ処理(アルゴン
プラズマ400w×60秒)を行った後、基板から大気
に向かって順に、 SiO2,ZrO2,Si02,ZrO
2,SiO2の5層からなる反射防止多層膜を真空蒸着法
(真空器械工業(株)製;BMC−1000)にて形成
を行った。各層の光学的膜厚は、最初のSiO2層、次
のZrO2とSi02の等価膜層および次のZrO2層、
最上層のSiO2層がそれぞれγ/4となる様に形成し
た。なお、設計波長γは520nmとした。得られた多
層膜の反射干渉色は緑色を呈し、全光透過率は98%で
あった。このようにして得られたレンズは実施例−2と
同様の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0051】実施例−5 (1)エポキシメタクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
工業(株)製;商品名「デナコールEX−212」)5
40g、メタクリル酸170g、ジメチルアミノエチル
メタクリレート3g、ハイドロキノンメチルエーテル
0.3g、ブチルセロソルブ305gを入れ、攪拌しな
がら、70℃で2時間、80℃で2時間、続いて90℃
で6時間反応させてエポキシメタクリレート(EA−
3)を得た。得られたエポキシメタクリレートはAPH
A180、酸化0.05であった。
【0052】(2)塗液の調整 イソプロピルセロソルブ322.3gおよびメタノール
分散酸化錫−酸化チタン−酸化ジルコニウム複合微粒子
ゾル(重量%比:80/15/5、固形分濃度30重量
%、日産化学工業(株)製HITシリーズ)201gを
混合した後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン38.4gおよびγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン43.8gおよびテトラメトキシシラン
11.8gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水
溶液29.1gを攪拌しながら滴下し、さらに3時間攪
拌後一昼夜熟成させた。この液にEA−3を53.4
g、アセチルアセトンFe(III)塩1.1gおよびシリコ
ン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製;商品名「L−
7604」0.2gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成さ
せて塗液とした。
【0053】(3)塗布および硬化 このようにして得られた塗液で、屈折率1.56眼鏡レ
ンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコープラックス
IIGX用レンズ生地)にスピンナー法にて塗布を行っ
た。塗布後120℃で20分風乾後、135℃で2時間
焼成を行った。このようにして得られた硬化被膜の厚み
は2.2ミクロンであり、外観、染色性共に優れたもの
であった。
【0054】(4)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0055】実施例−6 (1)反射防止膜の形成 実施例−5で得られたレンズを酸素ガスによるイオンビ
ーム照射処理(加速電圧500V×60秒)を行った
後、基板から大気に向かって順番に、 Si02,ZrO
2,Si02,TiO2,SiO2の5層からなる反射防止
多層膜を真空蒸着法(真空器械工業(株)製;BMC−
1000)にて形成を行った。各層の光学的膜厚は、最
初のSiO2層、次のZrO2層とSiO2層の等価膜層
がγ/4、TiO2層がγ/2、最上層のSiO2層がγ
/4となるように形成した。なお、設計波長γは520
nmとした。得られた多層膜の反射干渉膜は緑色を呈
し、全光線透過率は99%であった。
【0056】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0057】比較例−1 実施例−1において、EA−1を添加しないこと以外は
全て同様な方法でレンズに塗布を行った。このようにし
て得られたレンズを同様の方法で試験を行い、その結果
を表1に示した。
【0058】比較例−2 実施例−5において、メタノール分散酸化錫−酸化チタ
ン−酸化ジルコニウム複合微粒子ゾルの代わりにメチル
セロソルブ分散酸化セリウム−酸化チタン−酸化ケイ素
複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名「オプ
トレイク1832」固形分濃度20重量%)を使用した
こと以外は全て実施例−5と同様の方法でレンズに塗布
を行った。このようにして得られたレンズを実施例−1
と同様の方法で試験を行い、その結果を表1に示した。
【0059】比較例−3 比較例−2で得られたレンズを実施例−6と同様の方法
で反射防止膜を形成した。このようにして得られたレン
ズを実施例−2と同様の方法で試験を行い、その結果を
表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、
1.52以上の合成樹脂レンズと同程度の屈折率を有
し、基材表面に塗布、硬化させることにより得られた塗
膜が透明性に優れ、かつ染色性および各種耐久性、無機
蒸着膜をその被膜表面に設けたときの各種耐久性に優れ
た性能が得られ、特に耐候性に関しては従来技術より大
幅なレベルアップを可能にすることができた。
【0062】優れた耐擦傷性と良好な染色性および良好
な無機質からなる反射防止膜との密着性と耐久性を兼ね
備えたプラスチック材料は、眼鏡レンズ、カメラレンズ
などの民生用、あるいは産業用に広く応用することがで
き、得られる効果は多大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記の成分(A)、(B)およ
    び(C)を主成分とすることを特徴とするコーティング
    用組成物。 (A).酸化錫、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムか
    ら構成される複合酸化物微粒子 (B).少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有す
    るシラン化合物 (C).一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイ
    ル基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート
  2. 【請求項2】前記(A)の複合酸化物微粒子中の重量%
    比が、酸化錫60〜85、酸化チタン10〜30、酸化
    ジルコニウム1〜10であることを特徴とする請求項1
    記載のコーティング用組成物。
  3. 【請求項3】下記(D)成分を含有することを特徴とす
    る請求項1または2記載のコーティング用組成物。 (D)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子およ
    び/または一般式がSi(OR14で表される有機ケイ
    素化合物の加水分解物および/または部分縮合物(ここ
    でR1は炭素数1〜8の炭化水素基、アルキル基を表
    す)
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載のコ
    ーティング用組成物からなるコート膜表面に無機物質か
    らなる反射防止膜を設けたことを特徴とする積層体。
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