JPH11140440A - 蛍光体およびその製造方法 - Google Patents

蛍光体およびその製造方法

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JPH11140440A
JPH11140440A JP30436897A JP30436897A JPH11140440A JP H11140440 A JPH11140440 A JP H11140440A JP 30436897 A JP30436897 A JP 30436897A JP 30436897 A JP30436897 A JP 30436897A JP H11140440 A JPH11140440 A JP H11140440A
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JP
Japan
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phosphor
iron
particles
pigment particles
phosphor particles
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Application number
JP30436897A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Yashima
博泰 八島
Masanori Otake
真典 大竹
Yoshinori Funayama
欣能 舩山
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体粒子表面に顔料粒子を均一かつ強固に付
着させた蛍光体であり、電子管の蛍光体層として用いた
場合に顔料粒子の剥離脱落が少なくコントラスト特性に
優れた電子管を実現し得る蛍光体およびその効果的な製
造方法を提供する。 【解決手段】希土類酸硫化物を母体とし、ユーロピウム
(Eu),テルビウム(Te)およびサマリウム(S
m)から選択される少なくとも1種を付活剤として含有
する蛍光体粒子2と、この蛍光体粒子2の表面に付着さ
れた顔料粒子3aとを具備する蛍光体において、上記顔
料粒子3aは蛍光体粒子2表面にて水酸化鉄から変換さ
れた酸化鉄から成るとともに、上記顔料粒子3aはアセ
タール反応によって形成した架橋膜4を介して上記蛍光
体粒子表面に付着されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光体およびその製
造方法に係り、特に蛍光体粒子表面に顔料粒子を均一か
つ強固に付着させた蛍光体であり、電子管の蛍光体層と
して用いた場合に顔料粒子の剥離脱落が少なくコントラ
スト特性に優れた電子管を実現し得る蛍光体およびその
効果的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラーテレビジョン受像機の受
像管(ブラウン管)やコンピューターディスプレー用陰
極線管(CRT)には、電子線励起によって発光する青
色(B),緑色(G),赤色(R)発光の蛍光体が用い
られている。
【0003】例えば、カラーテレビジョン用の青色発光
蛍光体としては、銀,塩素付活硫化亜鉛蛍光体(Zn
S:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛
蛍光体(ZnS:Ag,Al)、銀,金,アルミニウム
付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Au,Al)など
が用いられる一方、緑色発光蛍光体としては、銅,アル
ミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、
銅,金,アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:C
u,Au,Al)などが用いられる。また、赤色発光蛍
光体としては、ユーロピウム付活硫化イットリウム蛍光
体(Y2 2 :Eu)などが一般的に広く使用されてい
る。
【0004】特に上記のような電子管用赤色発光蛍光体
においては、一般に酸化第2鉄(α−Fe2 3 )から
成るべんがら等の有色顔料粒子によって蛍光体粒子表面
を被覆し、そのフィルター効果により一部の可視光をカ
ットして外光の吸収効果により反射光を減少させて電子
管のコントラストの向上が図られている。
【0005】例えば特公昭53−31831号公報によ
れば、上記顔料粒子の被覆方法として、ラテックスのコ
ロイド粒子を用いて、これを水性媒体中で顔料粒子と共
に凝固させることにより、顔料粒子を蛍光体粒子表面に
付着させる方法が開示されている。
【0006】一方、特開昭55−164283号公報に
よれば、ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸およびゼラ
チン溶液を用い、この溶液のpHを下げて凝集させるこ
とにより蛍光体粒子表面に顔料粒子を被覆する方法が記
載されている。また特開昭55−164282号公報に
は、非官能性モノマーとエポキシ基を有する化合物もし
くは複数の重合性二重結合を有する多官能性モノマー分
子とを共重合させ、この架橋構造によって顔料粒子を蛍
光体粒子表面に付着させる方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法で顔料粒子を付着させた従来の蛍光体にお
いては、いずれも蛍光体粒子に対する顔料粒子の付着力
が弱く、高粘性の蛍光体スラリー中における長時間の撹
拌によって顔料粒子が剥離脱落してしまい、顔料粒子に
よるフィルター効果が十分に発揮されない問題点があっ
た。
【0008】すなわち、電子管製造工程において上記電
子管用蛍光体は、ポリビニルアルコール(PVA),重
クロム酸アンモニウム(ADC)および数種類の界面活
性剤や分散剤を含む高粘性液体中に分散されて蛍光体ス
ラリーとなる。この蛍光体スラリーは20〜60時間に
亘る長時間の撹拌操作を経た後にブラウン管などの電子
管パネルに塗布される。しかしながら、上記長時間の撹
拌により顔料粒子の剥離脱落が顕著になり、顔料粒子の
フィルター効果によるコントラスト特性の改善が不十分
となっていた。
【0009】一方、ゼラチンを用いて顔料粒子を付着さ
せる従来方法においては、天然物であるゼラチンは品質
が安定したものを継続して入手することが困難であり、
製造管理上好ましくない問題がある。一方、ポリアクリ
ル酸やポリメタクリル酸を用いる方法においては、これ
ら化合物がカルボキシル基の存在により水溶液中で不安
定であり、重合度の変化など顔料粒子による被覆に影響
を及ぼす劣化が生じ易く、これによって同様に蛍光体ス
ラリー中で顔料粒子が剥離し易くなるという問題があっ
た。
【0010】さらに上記の3つの方法においては、いず
れも顔料として酸化第2鉄(α−Fe2 3 )から成る
べんがらを用いており、その付着状態は図2に示すよう
に蛍光体粒子2表面に顔料粒子3が不均一に付着してい
る状態であり、顔料粒子3によるフィルター効果が十分
発揮されず、電子管のコントラスト特性を向上させるこ
とが困難であった。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、蛍光体粒子表面に顔料粒子を均一かつ
強固に付着させた蛍光体であり、電子管の蛍光体層とし
て用いた場合に顔料粒子の剥離脱落が少なくコントラス
ト特性に優れた電子管を実現し得る蛍光体およびその効
果的な製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは蛍光体粒子表面に種々の顔料粒子を
付着させて、その顔料粒子の製法,種類,付着法が蛍光
体特性に及ぼす影響を実験により比較検討した。その結
果、顔料粒子を沈殿反応により生成せしめると共に、生
成した顔料粒子をアセタール反応によって形成した架橋
膜を介して蛍光体粒子表面に付着させたときに、蛍光体
粒子表面に顔料粒子を高い付着力で、かつ均一に付着さ
せることが可能になり、顔料粒子の剥離脱落が少なくフ
ィルター効果に優れた蛍光体が効果的に得られることが
判明した。本発明は上記知見に基づいて完成されたもの
である。
【0013】すなわち本発明に係る蛍光体は、希土類酸
硫化物を母体とし、ユーロピウム(Eu),テルビウム
(Te)およびサマリウム(Sm)から選択される少な
くとも1種を付活剤として含有する蛍光体粒子と、この
蛍光体粒子の表面に付着された顔料粒子とを具備する蛍
光体において、上記顔料粒子は蛍光体粒子表面にて水酸
化鉄から変換された酸化鉄から成るとともに、上記顔料
粒子はアセタール反応によって形成した架橋膜を介して
上記蛍光体粒子表面に付着されていることを特徴とす
る。また、水酸化鉄は、硝酸鉄,硫酸鉄および塩化鉄か
ら選択された少なくとも1種の鉄塩とアンモニア水との
沈殿反応によって生成した水酸化鉄であることを特徴と
する。さらに、酸化鉄は水酸化鉄のベーキング処理によ
って生成した酸化鉄であることを特徴とする。
【0014】本発明に係る蛍光体の製造方法は、希土類
酸硫化物を母体とし、ユーロピウム(Eu),テルビウ
ム(Te)およびサマリウム(Sm)から選択される少
なくとも1種を付活剤として含有する蛍光体粒子を鉄塩
水溶液中に分散させた後に、分散液にアンモニア水を添
加してpHを5.0以上7.0以下の範囲に調整するこ
とにより、前記蛍光体粒子表面に水酸化鉄を沈殿付着さ
せる工程と、上記蛍光体粒子表面に沈殿付着した水酸化
鉄を600〜800℃の温度範囲でベーキング処理して
水酸化鉄を酸化鉄に変換し顔料粒子とする工程と、ベー
キング処理した蛍光体粒子を純水中に分散させ、得られ
た分散液中にアルデヒドおよびアルコールを溶解させる
工程と、上記アルデヒドおよびアルコールを溶解した分
散液のpHを1.5〜3.0の範囲に調整し、アルコー
ルのアセタール反応による架橋膜を生成せしめ、上記架
橋膜を介して顔料粒子を蛍光体粒子表面に付着させる工
程とを備えることを特徴とする。
【0015】ここで上記製造方法においては、まずY2
3 Sのような希土類酸化物を母体とし、これにユーロ
ピウム(Eu),テルビウム(Tb)およびサマリウム
(Sm)から選択された少なくとも1種を付活剤として
含有させた蛍光体粒子を用意する。次に硝酸鉄(Fe
(NO3 3 ・9H2 O),硫酸鉄(FeSO4 ・7H
2 O)および塩化鉄(FeCl2 ・4H2 O)から選択
された少なくとも1種の鉄塩の水溶液中に上記蛍光体粒
子を分散させて分散液を調製する。次に、この分散液に
アンモニア水を添加してpHを5.0〜7.0の範囲に
調整することにより、蛍光体粒子表面に水酸化鉄(III
)を付着沈殿させる。
【0016】次いで、上記水酸化鉄が付着沈殿した蛍光
体粒子を600〜800℃の温度範囲でベーキング(焼
成)処理することにより、付着沈殿した水酸化鉄(III
)を酸化鉄(III )に変換する。ここで上記ベーキン
グ処理温度が600℃未満と低い場合には、生成する酸
化鉄(III )がγ型酸化鉄であり好ましくない。一方、
ベーキング処理温度が800℃を超える場合には蛍光体
の輝度劣化を引き起こすため好ましくない。したがっ
て、ベーキング処理温度は600〜800℃の範囲とさ
れる。
【0017】次に上記ベーキング処理工程を経た蛍光体
粒子を純水中に分散させ、この分散液中にポリビニルア
ルコール(PVA)を溶解させた後にアルデヒドを溶解
させる。ここでアルデヒドは一般にC2n+1CHOの
化学式で与えられる化合物であるが、本発明方法におい
ては、特に水溶液中における反応を利用するために、親
水性を有するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのよ
うに、直鎖の炭素数(n)が3以下の低級アルデヒドを
使用することが好ましい。上記炭素数(n)が3を超え
ると疎水性が高くなり後述するアセタール反応が進行し
にくくなり好ましくない。
【0018】そして上記PVAなどのアルコールおよび
アルデヒドを溶解させた分散液に塩酸などの酸を滴下し
て分散液のpHを1.5〜3.0の範囲に調整すること
により、アルコールとアルデヒドとのアセタール反応を
進行させる。このアセタール反応は分散液のpH調整の
みによって常温にて速かに進行する。このpH調整に用
いる酸としては、蛍光体母体である希土類酸硫化物にダ
メージを与えることがないような酸、例えば塩酸を用い
ることが好ましい。上記pH値が1.5未満の場合には
蛍光体粒子および顔料粒子の損傷が発生し易くなる一
方、pH値が3.0を超える場合にはアセタール反応の
進行が不十分であり、架橋膜の生成量が少なく蛍光体粒
子表面から顔料粒子が剥離し易くなる。
【0019】上記沈殿反応によって生成した水酸化鉄
(III )のベーキング処理によって酸化鉄(III )から
成る顔料粒子が生成し、さらにPVAなどのアルコール
とアルデヒドとのアセタール反応によって生成した架橋
膜により、顔料粒子が蛍光体粒子表面に均一に、かつ強
固に付着した蛍光体(顔料付き蛍光体)が得られる。こ
の蛍光体の分散性をさらに高めるために、上記反応後に
おいて、水中でビーズミーリング処理や超音波分散処理
を実施することも有効である。なお上記ビーズミーリン
グ等の処理時間は60分以上とする。
【0020】上記構成に係る蛍光体およびその製造方法
によれば、顔料粒子は蛍光体粒子表面にて水酸化鉄から
変換された酸化鉄から成り、アセタール反応によって形
成した架橋膜を介して蛍光体粒子表面に付着されている
ため、顔料粒子は蛍光体粒子表面に均一にかつ高い付着
強度で付着される。したがって、顔料粒子の剥離脱落が
少ない蛍光体が得られ、この蛍光体を電子管の蛍光体層
として使用した場合に顔料粒子によるフィルター効果が
十分に発揮でき、コントラスト特性に優れた電子管が得
られる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例に基づいて具体的に説明する。
【0022】実施例12 3 粉末に対してEu2 3 粉末をEu換算で4.
7重量%添加した共沈物1.5kgに、1050gの炭酸
ナトリウムと,750gの硫黄と,120gのリン酸カ
ルシウムとを混合し、この混合物をアルミナ製るつぼに
充填し、硫黄雰囲気にて温度1150℃で4時間焼成し
た。得られた焼成物を希硝酸で数回洗浄することによ
り、Y2 2 S:Eu蛍光体粒子を作製した。
【0023】一方、1.4gの硝酸鉄(Fe(NO3
3 ・9H2 O)を1000mlの純水中に十分に溶解させ
た後に、温度90℃まで加熱して水溶液を調製した。こ
の水溶液中に上記Y2 2 S:Eu蛍光体100gを懸
濁せしめ10分間撹拌して分散液とした。
【0024】次に、この分散液に希アンモニア水溶液を
添加して分散液のpH値を6.5に調製しながら60分
間撹拌することにより蛍光体粒子表面に水酸化鉄を付着
沈殿せしめた。この間、分散液の温度は90℃に保持し
た。さらに沈殿反応後の分散液を純水で洗浄し乾燥した
後に、温度600℃でベーキング処理することにより蛍
光体粒子表面の水酸化鉄(III )を酸化鉄(III )に変
換した。
【0025】次に、上記ベーキング処理後の蛍光体粒子
を300mlの純水中に懸濁させて10分間撹拌した。さ
らに得られた懸濁液に2.55gのPVA粉末を添加し
て10分間撹拌した。さらに、この懸濁液に15mlのホ
ルマリンを添加した後に、塩酸を添加してpHを1.5
に調整して60分間撹拌することによりアセタール反応
を生起せしめた。このアセタール反応後の分散液のpH
を希アンモニア水溶液にて6.0に調整して、反応物を
沈降させた後に、上澄み液を除去して純水にて3回洗浄
した。
【0026】しかる後に、上記洗浄した沈降物を500
mlの純水中に懸濁させ、この懸濁液に25%濃度の水ガ
ラス0.2mlと0.4 mol/l濃度のZnSO4 溶液2
mlとを加えて30分間撹拌して表面処理を実施した後
に、静置して上澄み液を除去し沈降物を純水にて3回洗
浄した。さらに洗浄した沈降物を濾過し濾渣ケーキを1
00℃で20時間乾燥した後に篩別を行うことにより実
施例1に係る蛍光体を調製した。
【0027】このようにして調製した実施例1に係る蛍
光体50gを純水65ml中に分散させ、さらに60gの
PVAと3mlのADCと0.5gのドデシル硫酸ナトリ
ウムと10mlのタモールとを添加して蛍光体スラリーと
し、この蛍光体スラリーを3時間強制撹拌した後に沈降
させ、蛍光体粒子表面における顔料粒子の付着状況を観
察したところ、顔料粒子は蛍光体粒子の全表面に均一に
付着しており、剥離脱落は観察されなかった。また、上
記蛍光体スラリーを乾燥して蛍光体層とし、波長450
nmの紫外線を照射して蛍光体層の体色反射率を測定した
ところ53.0%であり、顔料粒子の剥離が少ないこと
が判明した。さらに上記蛍光体スラリーを電子管のスク
リーンに塗布して蛍光体層とした場合においても、コン
トラスト特性が良好な電子管が得られた。
【0028】実施例2 1.4gの硫酸鉄(FeSO4 ・7H2 O)を1000
mlの純水中に十分に溶解させた後に、温度90℃まで加
熱して水溶液を調製した。この水溶液中に実施例1にお
いて作製したY2 2 S:Eu蛍光体粒子100gを懸
濁せしめ10分間撹拌して分散液とした。
【0029】次に、この分散液に希アンモニア水溶液を
添加して分散液のpH値を6.9に調製しながら60分
間撹拌することにより蛍光体粒子表面に水酸化鉄を付着
沈殿せしめた。この間、分散液の温度は90℃に保持し
た。さらに沈殿反応後の分散液を純水で洗浄し乾燥した
後に、温度600℃でベーキング処理することにより蛍
光体粒子表面の水酸化鉄(III )を酸化鉄(III )に変
換した。
【0030】次に、上記ベーキング処理後の蛍光体粒子
を300mlの純水中に懸濁させて10分間撹拌した。さ
らに得られた懸濁液に2.8gのPVA粉末を添加して
10分間撹拌した。さらに、この懸濁液に15mlのホル
マリンを添加した後に、塩酸を添加してpHを2.5に
調整して60分間撹拌することによりアセタール反応を
生起せしめた。このアセタール反応後の分散液のpHを
希アンモニア水溶液にて6.0に調整して、反応物を沈
降させた後に、上澄み液を除去して純水にて3回洗浄し
た。
【0031】しかる後に、上記洗浄した沈降物に対して
実施例1と同様な表面処理,洗浄,濾過,乾燥,および
篩別を行うことにより実施例2に係る蛍光体を調製し
た。
【0032】このようにして調製した実施例2に係る蛍
光体を用いて実施例1と同様な蛍光体スラリーを作成
し、この蛍光体スラリーを3時間強制撹拌した後に沈降
させ、蛍光体粒子表面における顔料粒子の付着状況を観
察したところ、顔料粒子は蛍光体粒子の全表面に均一に
付着しており、剥離脱落は観察されなかった。また、上
記蛍光体スラリーを乾燥して蛍光体層とし、波長450
nmの紫外線を照射して蛍光体層の体色反射率を測定した
ところ55.0%であり、顔料粒子の剥離が少ないこと
が判明した。さらに上記蛍光体スラリーを電子管のスク
リーンに塗布して蛍光体層とした場合においても、コン
トラスト特性が良好な電子管が得られた。実施例3 1.4gの塩化鉄(FeCl2 ・4H2 O)を1000
mlの純水中に十分に溶解させた後に、温度90℃まで加
熱して水溶液を調製した。この水溶液中に実施例1にお
いて作成したY2 2 S:Eu蛍光体粒子100gを懸
濁せしめ10分間撹拌して分散液とした。
【0033】次に、この分散液に希アンモニア水溶液を
添加して分散液のpH値を5.5に調製しながら60分
間撹拌することにより蛍光体粒子表面に水酸化鉄を付着
沈殿せしめた。この間、分散液の温度は90℃に保持し
た。さらに沈殿反応後の分散液を純水で洗浄し乾燥した
後に、温度650℃でベーキング処理することにより蛍
光体粒子表面の水酸化鉄(III )を酸化鉄(III )に変
換した。
【0034】次に、上記ベーキング処理後の蛍光体粒子
を300mlの純水中に懸濁させて10分間撹拌した。さ
らに得られた懸濁液に2.8gのPVA粉末を添加して
10分間撹拌した。さらに、この懸濁液に15mlのホル
マリンを添加した後に、塩酸を添加してpHを2.2に
調整して60分間撹拌することによりアセタール反応を
生起せしめた。このアセタール反応後の分散液のpHを
希アンモニア水溶液にて6.8に調整して、反応物を沈
降させた後に、上澄み液を除去して純水にて3回洗浄し
た。
【0035】しかる後に、上記洗浄した沈降物を濾過
し、得られた濾渣ケーキ100gとビーズ200gと純
水100mlと分散剤としてのタモール0.5mlとを1リ
ットル容量のポットに入れて60分間ビーズミーリング
処理を行った。しかる後に、実施例1と同様な表面処
理,洗浄,濾過,乾燥,篩別を行うことにより実施例3
に係る蛍光体を調製した。
【0036】このようにして調製した実施例3に係る蛍
光体を用いて実施例1と同様な蛍光体スラリーを作成
し、この蛍光体スラリーを3時間強制撹拌した後に沈降
させ、蛍光体粒子表面における顔料粒子の付着状況を観
察したところ、顔料粒子は蛍光体粒子の全表面に均一に
付着しており、剥離脱落は観察されなかった。また、上
記蛍光体スラリーを乾燥して蛍光体層とし、波長450
nmの紫外線を照射して蛍光体層の体色反射率を測定した
ところ54.6%であり、顔料粒子の剥離が少ないこと
が判明した。さらに上記蛍光体スラリーを電子管のスク
リーンに塗布して蛍光体層とした場合においても、コン
トラスト特性が良好な電子管が得られた。
【0037】比較例 実施例1において作製したY2 2 S:Eu蛍光体粒子
1kgを4リットルの純水中に懸濁させた。次に、この懸
濁液に濃度7.5重量%のべんがら分散液を12.5g
加えて10分間撹拌した。さらに、濃度45重量%のア
クリルエマルジョン溶液を0.5ml加えた後、希硫酸に
よりpHを1.9に調整して60分間撹拌した。さら
に、この分散液を静置して上澄み液を除去し沈降物を純
水にて3回洗浄した。しかる後に沈降物について実施例
1と同様な表面処理を実施することにより、従来製法に
よる比較例に係る蛍光体を調製した。
【0038】このように調製した比較例に係る蛍光体を
用いて実施例1と同様な蛍光体スラリーを作製した後
に、実施例1と同様な強制撹拌試験を行い、沈降した蛍
光体表面を観察したところ、蛍光体粒子表面から多数の
顔料粒子が剥離脱落していることが判明した。また、こ
の蛍光体スラリーを乾燥して蛍光体層とし、波長450
nmの紫外線を照射して蛍光体層の体色反射率を測定した
ところ、67.8%となり、顔料粒子の剥離が多いこと
が判明した。
【0039】上記実施例1〜3および比較例に係る各蛍
光体の波長450nmにおける体色反射率を下記表1にま
とめて示す。
【0040】
【表1】
【0041】また図1は実施例1〜3に係る蛍光体1a
の粒子構造を示す断面図である。各実施例に係る蛍光体
1aにおいては、蛍光体粒子2の表面に均一に顔料粒子
3aが配置されており、かつ各顔料粒子3aはアセター
ル反応によって生じた架橋膜4を介して蛍光体粒子2の
表面に強固に付着している。
【0042】一方、図2は従来製法によって調製した比
較例に係る蛍光体1の粒子構造を示す断面図である。こ
の比較例に係る蛍光体1においては、蛍光体粒子2の表
面に不均一に顔料粒子3が付着した構造を有し、各実施
例の場合と異なり、架橋膜が形成されないため顔料粒子
3の付着強度は小さくなる。
【0043】上記表1および図1〜2に示す結果から明
らかなように、各実施例に係る蛍光体は比較例に係る蛍
光体と比較して低い反射率を示しており、顔料粒子の剥
離脱落が少なく、有効に付着していることが確認でき
た。
【0044】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る蛍光体お
よびその製造方法によれば、顔料粒子は蛍光体粒子表面
にて水酸化鉄から変換された酸化鉄から成り、アセター
ル反応によって形成した架橋膜を介して蛍光体粒子表面
に付着されているため、顔料粒子は蛍光体粒子表面に均
一にかつ高い付着強度で付着される。したがって、顔料
粒子の剥離脱落が少ない蛍光体が得られ、この蛍光体を
電子管の蛍光体層として使用した場合に顔料粒子による
フィルター効果が十分に発揮でき、コントラスト特性に
優れた電子管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光体の一実施例を示す断面図。
【図2】従来製法によって製造された蛍光体を示す断面
図。
【符号の説明】
1,1a 蛍光体 2 蛍光体粒子 3,3a 顔料粒子 4 架橋膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩山 欣能 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類酸硫化物を母体とし、ユーロピウ
    ム(Eu),テルビウム(Te)およびサマリウム(S
    m)から選択される少なくとも1種を付活剤として含有
    する蛍光体粒子と、この蛍光体粒子の表面に付着された
    顔料粒子とを具備する蛍光体において、上記顔料粒子は
    蛍光体粒子表面にて水酸化鉄から変換された酸化鉄から
    成るとともに、上記顔料粒子はアセタール反応によって
    形成した架橋膜を介して上記蛍光体粒子表面に付着され
    ていることを特徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 水酸化鉄は、硝酸鉄,硫酸鉄および塩化
    鉄から選択された少なくとも1種の鉄塩とアンモニア水
    との沈殿反応によって生成した水酸化鉄であることを特
    徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】 酸化鉄は水酸化鉄のベーキング処理によ
    って生成した酸化鉄であることを特徴とする請求項1記
    載の蛍光体。
  4. 【請求項4】 希土類酸硫化物を母体とし、ユーロピウ
    ム(Eu),テルビウム(Te)およびサマリウム(S
    m)から選択される少なくとも1種を付活剤として含有
    する蛍光体粒子を鉄塩水溶液中に分散させた後に、分散
    液にアンモニア水を添加してpHを5.0以上7.0以
    下の範囲に調整することにより、前記蛍光体粒子表面に
    水酸化鉄を沈殿付着させる工程と、上記蛍光体粒子表面
    に沈殿付着した水酸化鉄を600〜800℃の温度範囲
    でベーキング処理して水酸化鉄を酸化鉄に変換し顔料粒
    子とする工程と、ベーキング処理した蛍光体粒子を純水
    中に分散させ、得られた分散液中にアルデヒドおよびア
    ルコールを溶解させる工程と、上記アルデヒドおよびア
    ルコールを溶解した分散液のpHを1.5〜3.0の範
    囲に調整し、アルコールのアセタール反応による架橋膜
    を生成せしめ、上記架橋膜を介して顔料粒子を蛍光体粒
    子表面に付着させる工程とを備えることを特徴とする蛍
    光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 鉄塩として、硝酸鉄,硫酸鉄および塩化
    鉄から選択された少なくとも1種の鉄塩を使用すること
    を特徴とする請求項4記載の蛍光体の製造方法。
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