JPH11149632A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11149632A
JPH11149632A JP31698597A JP31698597A JPH11149632A JP H11149632 A JPH11149632 A JP H11149632A JP 31698597 A JP31698597 A JP 31698597A JP 31698597 A JP31698597 A JP 31698597A JP H11149632 A JPH11149632 A JP H11149632A
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magnetic
powder
layer
mnbi
thin film
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JP31698597A
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Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
Junichi Hirata
純一 平田
Toshio Kanzaki
壽夫 神崎
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Maxell Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MnBi磁性粉末を記録素子とした磁気記録
媒体において、高温多湿下での磁気特性の劣化を防ぎ、
もつて保存特性に格段にすぐれた磁気記録媒体を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 MnBi磁性粉末および結合剤樹脂を含
有する磁性層を備えた磁気記録媒体において、上記の磁
性層上に厚さが10〜1,000nmの錫またはアルミ
ニウム薄膜などからなる金属薄膜層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MnBi磁性粉末
および結合剤樹脂を含有する磁性層を備えた磁気カ―ド
などの磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、記録再生が容易である
ために、ビデオテ―プ、フロツピ―デイスク、クレジツ
トカ―ド、プリペイドカ―ドなどとして、広く普及して
いる。ところが、記録再生が容易であるという特徴は、
逆に、記録したデ―タが誤つて消去されやすく、またデ
―タの改ざんも容易に行えるという問題を有している。
たとえば、磁気カ―ドでは、最近、各種ドアやハンドバ
ツグなど我々の身近なところで使用されている強い磁界
の磁石で消去されたり、磁気カ―ドのデ―タが書き換え
られて不正使用されるなどの事故や犯罪が多発してい
る。
【0003】この対策として、たとえば、光カ―ドのよ
うにレ―ザ光により記録媒体に不可逆な変化を起こさせ
て一度記録すると書き換えができない記録媒体や、デ―
タの改ざんが困難でセキユリテイ―性の高いICカ―ド
などが提案されている。しかし、光カ―ドでは、これ専
用の高価な記録、再生装置を必要とし、また、ICカ―
ドでは、半導体を使用するため高コストになるという難
点があり、いずれも、世界中に普及している磁気カ―ド
の記録、再生装置と代替するに至つておらず、未だに期
待されているほど普及していない。
【0004】このため、磁気カ―ドの改ざんを防止する
方策が種々提案され、たとえば、磁気カ―ドにホログラ
ム印刷や高度な印刷技術を駆使した印刷を施すことが行
われている。この方法はカ―ドの外見上の偽造を防止す
る点では効力を発揮するが、改ざんが、たとえば不正な
手段で入手した正規のクレジツトカ―ドに他人のカ―ド
から読み取つたデ―タを書き込むなどの方法で行われた
場合、書き込まれたデ―タが正規のものであるため、こ
れを防止できない。
【0005】これに対し、MnBi磁性粉末を記録素子
として使用した磁気記録媒体は、一度信号を記録すると
室温では容易に消去されないという特徴を有しているこ
とが知られている(特公昭52−46801号、同54
−19244号、同54−33725号、同57−38
962号、同57−38963号、同59−31764
号などの各公報)。とくに、磁気カ―ド用のリ―ダが世
界の隅々まで普及している今日、デ―タが誤つて消去さ
れたり、故意に書き換えられるなどの事故や犯罪が多発
しているクレジツトカ―ドやキヤツシユカ―ドなどにお
いて、事故や不正使用を防止できるものとして、注目さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、MnBi
磁性粉末を記録素子とした磁気記録媒体によれば、一度
信号を記録すると、その後消去や書き換えが極めて困難
であるという、これまでの媒体では実現できなかつた画
期的な特性を発揮させることができるが、その反面、M
nBi磁性粉末が化学的に不安定であり、とくに高温多
湿下に長時間放置すると、磁化が低下しやすいという問
題を有していた。
【0007】この問題を解決するために、MnBi磁性
粉末の表面に特定構造の酸化物被膜を形成する方法や、
磁性層中にアミン基を有する添加剤を添加するなどの方
法が提案されている(特開平8−138921号公
報)。これらの方法は、磁性層に水蒸気が侵入すること
を前提としたうえで、MnBi磁性粉末の劣化を可及的
に防止するものである。一方、特開平8−138921
号公報には、MnBi磁性層上に撥水性の樹脂層を形成
して、上記磁性層への水蒸気の侵入を防ぎ、これにより
MnBi磁性粉末の劣化を防止することが提案されてい
る。
【0008】本発明は、これら既提案とは異なる手段に
より、MnBi磁性粉末を記録素子とした磁気記録媒体
の高温多湿下での磁気特性の劣化を防ぎ、もつて保存特
性に格段にすぐれた磁気記録媒体を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、まず、磁性層上に各種の保護膜を形成する
と、水蒸気の侵入を防止することはできるが、たとえ
ば、前記提案の樹脂層を形成したものや、樹脂層中に各
種の添加物を分散させた層では、樹脂層自体に微細な孔
が無数に存在するために、高温多湿下で劣化しやすいM
nBi磁性粉末を記録素子とした磁気記録媒体に対して
は、水蒸気の侵入防止効果がそれほど十分に得られない
ものと考えた。また、上記樹脂層の層厚を厚くすると、
水蒸気遮断効果が大きくなるものと期待されるが、この
場合、磁気ヘツドと磁性層との間隔が大きくなり、出力
が低下する問題を生じやすい。
【0010】本発明者らは、このような考えに基づき、
いかなる保護膜を設けるべきかについて、種々検討した
結果、MnBi磁性粉末を含有する磁性層上に金属薄膜
層を形成すれば、これが前記提案の樹脂層などに比べて
かなり薄いにもかかわらず、たとえば錫またはアルミニ
ウムの薄膜層を10〜1,000nmの厚さに形成する
ことで、水蒸気の侵入を効果的に遮断でき、これにより
出力の低下をほとんどみることなく高温多湿下での劣化
を防止でき、保存特性に格段にすぐれた磁気記録媒体が
得られることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0011】すなわち、本発明は、MnBi磁性粉末お
よび結合剤樹脂を含有する磁性層を備えた磁気記録媒体
において、上記の磁性層上に金属薄膜層を設けたことを
特徴とする磁気記録媒体(請求項1)に係るものであ
り、とくに金属薄膜層が錫またはアルミニウムのいずれ
かである上記構成の磁気記録媒体(請求項2)、金属薄
膜層の厚さが10〜1,000nmである上記構成の磁
気記録媒体(請求項3)、さらに磁性層がカ―ド状基板
の全面または部分的に設けられている上記構成の磁気記
録媒体(請求項4)を、提供できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いるMnBi磁性粉末
は、粉末治金法、ア―ク炉溶解法、高周波溶解法、溶融
急冷法などにより、MnBiインゴツトをつくり、これ
を粉砕することにより製造される。たとえば、粉末治金
法では、インゴツドを作製する工程、これを粉砕する工
程および安定化処理工程に分け、下記のように製造され
る。なお、必ずしも粉砕法によらずに、MnBi磁性粉
末を製造してもよい。
【0013】インゴツトを作製する工程においては、ま
ず、50〜300メツシユのMn粉およびBi粉を十分
に混合する。混合は、自動乳鉢、ボ―ルミルなどの任意
の手段で行うことができる。その際、不活性雰囲気中で
行うのが好ましいが、酸化雰囲気中で混合してもよい。
Mn粉とBi粉の混合比率(Mn/Bi)は、モル比で
45:55から65:35の範囲にするのが好ましい。
Biに比べてMnを多くすると、MnBi磁性粉末とし
たときに、その表面にMnの酸化物や水酸化物が形成さ
れ、MnBi磁性粉末の耐食性が向上し、良質な磁性粉
末が得られる。このため、Biに比べてMnを多くする
のが好ましい。
【0014】Mn粉およびBi粉は、不純物の含有量が
少ないものが好ましい。磁気特性の調整のため、Ni、
Al、Cu、Pt、Zn、Feなどの他の金属を添加し
てもよい。これら他の金属の添加量は、MnBiに対し
て、0.6原子%以上とすることにより、磁気特性を良
好に制御でき、また5.0原子%より少なくすることに
より、MnBiの結晶構造自体を良好に維持でき、Mn
Bi本来の特性を発揮できる。このため、これら他の金
属の添加量は、MnBiに対し、0.6〜5.0原子%
の範囲内とするのが好ましい。また、これら他の金属を
添加するには、あらかじめMnとこれらの金属との合金
をつくつておくのがよい。
【0015】Mn粉およびBi粉は、あらかじめ粉砕さ
れたものを用いてもよいし、フレ―ク状またはシヨツト
状などの塊を粉砕により微細化して用いてもよい。Mn
Bi磁性粉末を焼結反応で得る場合、MnとBiの接触
界面での拡散反応によりMnBiが生成するため、Mn
粉およびBi粉としては、50〜300メツシユに微細
化したものを用いると、上記の生成反応がスム―ズに進
行する。このように、原料粉の表面性に反応が大きく左
右されるため、原料であるMn粉およびBi粉の表面を
エツチングしたり、溶剤により脱脂するなど、粉末治金
法で行われている表面処理を施しておくのが好ましい。
【0016】このようにしてMn粉とBi粉とを混合し
たのち、加圧プレスして成型体とする。その際の加圧力
は、1〜8トン/cm2 の範囲とするのがよい。このよう
な加圧力で成型体とすると、焼結反応が促進されて均一
なインゴツトを生産性良好に作製できる。すなわち、加
圧力を1トン/cm2 以上とすることにより、MnBiイ
ンゴツトを均一に作製でき、また、加圧力を8トン/cm
2 以下とすることにより、MnBiインゴツトの生産性
を向上することができる。
【0017】つぎに、この成型体をガラス容器や金属容
器に密封する。容器内は真空または不活性ガス雰囲気と
し、熱処理中の酸化を防止する。不活性ガスには、水素
ガス、窒素ガス、アルゴンガスなどがあるが、コストの
点で窒素ガスが最適である。このように密封した容器を
電気炉に入れ、260〜271℃で2〜15日間熱処理
すると、MnBiインゴツトが作製される。熱処理温度
を260℃以上とすることにより、熱処理を短時間で行
うことができ、かつインゴツトの磁化量を高くできる。
また、271℃以下とすることにより、Biの溶解を抑
制し、均一なインゴツトが得られるため、Biの融点直
下で行うのが好ましい。
【0018】粉砕工程においては、上記のように作製さ
れるMnBiインゴツトを容器内から取り出し、自動乳
鉢などにより不活性ガス雰囲気中で粗粉砕し、粒子サイ
ズが100〜500μmに調整する。ついで、ボ―ルミ
ル、遊星ボ―ルミルなどを用いたボ―ルの衝撃を利用し
た湿式粉砕や、ジエツトミルなどの乾式粉砕により、粒
子間や容器の壁への粒子の衝突による衝撃にて、平均粒
子径が0.1〜20μmの範囲に微粒子化する。この粒
子径は、粉砕条件によりコントロ―ルできる。粒子径を
0.1μmより大きくするとMnBi磁性粉末の飽和磁
化を高くでき、また20μm以下とすると保磁力を十分
に大きくでき、また磁気記録媒体の表面平滑性が良好と
なり、十分な記録を行うことができる。
【0019】このような粉砕工程により、16KOeの
磁界を印加して測定される保磁力が300Kにおいて
3,000〜20,000Oeの範囲にあり、また80
Kにおいて50〜1,000Oeの範囲にあるととも
に、300Kにおいて16KOeの磁界を印加して測定
される飽和磁化量が20〜60emu/gの範囲にあ
る、本発明に用いるMnBi磁性粉末を得られる。
【0020】安定化処理工程においては、このようにし
て得られるMnBi磁性粉末を、100〜10,000
ppm程度の酸素を含有する窒素ガスやアルゴンガス中
で、20〜150℃の温度で加熱して、MnBi磁性粉
末の表面に酸化物被膜を形成し、これにより上記粉末の
安定性を向上させるものである。
【0021】本発明においては、上記の安定化処理を施
したMnBi磁性粉末を使用し、これと結合剤樹脂や有
機溶剤とを混合し、また通常使用される分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤などの各種の添加剤を添加混合して、磁
性塗料を調製する。この磁性塗料を、ポリエステルフイ
ルムなどの基体上に塗布、乾燥して、磁性層を設ける。
その際、磁性層面に対して平行に磁界配向を行うのが好
ましく、その磁界強度は1,000〜5,000Oe程
度とするのがよい。また、磁性層の厚さは、磁気カ―ド
などでは、通常2〜30μmとするのが望ましい。
【0022】結合剤樹脂としては、磁気記録媒体に一般
に用いられているものがいずれも使用でき、たとえば、
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラ
―ル樹脂、繊維素系樹脂、フツ素系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、イソシアネ―ト化合物、放射線硬化型樹脂など
が用いられる。これらの結合剤樹脂中にイミン、アミ
ン、アミド、チオ尿素、チオゾ―ル、アンモニウム塩ま
たはホスホニウム化合物などの塩基性官能基を含ませる
と、MnBi磁性粉末の化学的安定化に好結果が得られ
るため、好ましい。また、磁性塗料中に上記同様の塩基
性官能基を有する添加物を添加して、上記同様の安定化
をはかつてもよい。
【0023】このような磁性層を設けるにあたり、上記
のMnBi磁性粉末とともに、ガンマ酸化鉄磁性粉末、
マグネタイト磁性粉末、ガンマ酸化鉄マグネタイト中間
酸化鉄磁性粉末などの酸化鉄磁性粉末、二酸化クロム磁
性粉末、コバルトを含有させたコバルト含有酸化鉄磁性
粉末などや、バリウムフエライト磁性粉末、ストロンチ
ウムフエライト磁性粉末、鉛フエライト磁性粉末などの
六方晶フエライト磁性粉末、さらに鉄−ニツケル合金磁
性粉末、鉄−コバルト合金磁性粉末など金属磁性粉末、
またサマリウムコバルト磁性粉末やネオジウム鉄ボロン
磁性粉末などの他の各種の磁性粉末を併用することもで
きる。
【0024】これら他の磁性粉末を併用する場合、Mn
Bi磁性粉末を含有する磁性層中に一緒に含ませるか、
MnBi磁性粉末のみを含有する磁性層に上記他の磁性
粉末を含有する磁性層を積層すればよい。後者の場合、
他の磁性粉末を含有する磁性層がMnBi磁性粉末のみ
を含有する磁性層の上層となつても下層となつてもよ
く、磁性層の厚さは、それぞれの磁性層厚さを通常1〜
20μmとして、全体の磁性層厚さが通常2〜30μm
となるようにすればよい。
【0025】本発明においては、このように基体上に設
けられる磁性層の上にさらに金属薄膜層を形成すること
を特徴とする。この金属薄膜層の形成方法には、真空蒸
着法やスパツタ―法などの種々の方法があるが、真空蒸
着法は生産性にすぐれているため、好ましい。金属薄膜
層としては、錫またはアルミニウムが好ましい。金属薄
膜層の厚さは、通常10〜1,000nm、好ましくは
30〜500nmとするのがよい。このような薄い厚さ
とすることにより、スペ―シングによる出力低下をきた
さずに、大きな水蒸気遮断効果を得ることができる。
【0026】本発明の磁気記録媒体においては、上記の
金属薄膜層上に耐摺動性を付与するための各種の樹脂層
や隠蔽層を形成することができる。このようにして作製
される磁気記録媒体が磁気カ―ドなどである場合、カ―
ド状基板に設けられる磁性層(とその上の金属薄膜層な
ど)は、上記基板の全面または部分的(ストライプ状な
どを含む)に設けることができる。また、磁気カ―ドが
プリペ―ドカ―ドや磁気定期券などである場合、磁性層
上の金属薄膜層は、水蒸気遮断効果に加えて、感熱印字
層としての機能を兼ねさせることができる。
【0027】なお、クレジツトカ―ドやキヤツシユカ―
ドなどの作製は、転写用磁気テ―プを用いて行つてもよ
い。この場合、転写用のベ―スフイルム上に金属薄膜層
を形成し、この薄膜層上に直接または中間層を介してM
nBi磁性粉末を含有する磁性層を設けて、転写用磁気
テ―プを作製する。これをカ―ド状基板の全面または部
分的に加熱圧着し、ベ―スフイルムを引き剥がすと、上
記磁性層とその上の金属薄膜層などが転写され、所望の
上記カ―ドなどを作製される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載して、より具体
的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量
部を意味するものとする。
【0029】実施例1 <MnBi磁性粉末の合成>粒子サイズが200メツシ
ユになるように粉砕したMn粉末とBi粉末とを、Mn
とBiがモル比55:45になるように秤量し、ボ―ル
ミルにより十分に混合した。これを加圧プレス機で3ト
ン/cm2 の圧力で直径20mm、高さ10mmの円柱状に成
型した。この成型体を密閉式アルミ容器に入れ、真空に
引いたのち、窒素ガスを0.5気圧導入した。この容器
を電気炉に入れ、270℃の温度で10日間熱処理した
のち、MnBiインゴツトを空気中に取り出し、乳鉢で
軽く粉砕して磁気特性を測定した。300Kで最大磁界
16KOeの磁界を印加して測定した保磁力が840O
e、同磁化量が53.6emu/gであつた。
【0030】つぎに、上記粗粉砕したMnBi粉末を、
遊星ボ―ルミルにより微粉砕した。内容量1,000c
cのボ―ルミルポツトに、直径3mmのジルコニアボ―ル
を内容積の1/3を占めるように充填した。この中に、
粗粉砕したMnBi粉末500gと、溶媒としてトルエ
ンを500g入れ、回転数150rpmで4時間粉砕し
た。得られたMnBi磁性粉末を取り出し、トルエンを
蒸発させたのち、磁気特性を測定した。300Kで最大
磁界16KOeの磁界を印加して測定した保磁力が8,
600Oe、同磁化量が39.2emu/gであつた。
【0031】このようにして得たMnBi磁性粉末に、
以下の方法で安定化処理を施した。トルエンに浸した状
態でMnBi磁性粉末を取り出し、熱処理容器に移して
室温で約2時間真空乾燥した。同じ容器に入れたまま、
酸素を1,000ppm含有する窒素ガスを1気圧導入
し、40℃の温度において15時間熱処理を行つた。引
き続き第2段階の熱処理として、容器に充填されている
酸素混合ガスを真空引きして除去したのち、窒素ガスを
0.5気圧導入し、温度を330℃まで上昇させ、この
温度で2時間加熱処理した。この安定化処理後のMnB
i磁性粉末は、平均粒子径が1.8μm、300Kで最
大磁界16KOeの磁界を印加して測定した保磁力が
8,500Oe、同磁化量が46.3emu/gであつ
た。
【0032】<磁気カ―ドの作製>上記の方法で合成し
たMnBi磁性粉末(Hc:8,500Oe)100
部、VAGH(UCC社製の塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体)25部、メチルイソブチルケトン50部および
トルエン50部からなる組成物を、ボ―ルミルにより2
4時間分散させて、磁性塗料を調製した。
【0033】これとは別に、厚さが20μmのポリエチ
レンテレフタレ―トフイルムからなるベ―スフイルム上
に、塗布法により、厚さが約1μmの樹脂からなる剥離
層を形成し、この上に真空蒸着法により、厚さが100
nmの錫薄膜からなる金属薄膜層を形成した。この金属
薄膜層上に、上記のように調製した磁性塗料を、乾燥後
の磁性層の厚さが15μmになるように、3,000O
eの長手配向磁場を印加しながら塗布し、転写用磁気テ
―プを作製した。
【0034】ついで、この転写用磁気テ―プを、厚さが
0.76mmの磁気カ―ド用の塩化ビニル樹脂製基板に重
ね合わせ、上から加熱ロ―ラで押圧して塩化ビニル樹脂
製基板に接着した。この接着後、転写用磁気テ―プのベ
―スフイルムを引き剥がし、プレス板で加熱圧着して、
磁性層とその上の金属薄膜層などを塩化ビニル樹脂製基
板中に埋設し、カ―ドサイズに打ち抜いて、磁気カ―ド
を作製した。
【0035】実施例2 金属薄膜層を、厚さが100nmのアルミニウム薄膜に
変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気カ―ド作
製した。
【0036】実施例3 金属薄膜層(錫薄膜)の厚さを、50nmに変更した以
外は、実施例1と同様にして、磁気カ―ド作製した。
【0037】実施例4 実施例1で調製した磁性塗料を、厚さが188μmのポ
リエチレンテレフタレ―トフイルムからなるカ―ド状基
板上に、乾燥後の厚さが15μmとなるように3,00
0Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布して、磁性層
を形成した。この磁性層上に、真空蒸着法により、厚さ
が100nmの錫薄膜からなる金属薄膜層を形成し、さ
らにこの上に厚さが2μmの紫外線硬化樹脂層を形成し
たのち、カ―ドサイズに打ち抜いて、磁気カ―ドを作製
した。
【0038】実施例5 金属薄膜層を、厚さが100nmのアルミニウム薄膜に
変更した以外は、実施例4と同様にして、磁気カ―ドを
作製した。
【0039】実施例6 磁性塗料の調製に際して、MnBi磁性粉末100部に
代えて、MnBi磁性粉末50部およびバリウムフエラ
イト磁性粉末(平均粒子サイズ0.9μm、保磁力2,
800Oe、飽和磁化53.4emu/g)50部に変
更した以外は、実施例1と同様にして、磁気カ―ドを作
製した。
【0040】比較例1 磁性層上に錫薄膜からなる金属薄膜層を形成しなかつた
以外は、実施例1と同様にして、磁気カ―ドを作製し
た。
【0041】比較例2 磁性層上に錫薄膜からなる金属薄膜層を形成しなかつた
以外は、実施例4と同様にして、磁気カ―ドを作製し
た。
【0042】比較例3 磁性層上に錫薄膜からなる金属薄膜層を形成しなかつた
以外は、実施例6と同様にして、磁気カ―ドを作製し
た。
【0043】以上の実施例1〜6および比較例1〜3で
作製した各磁気カ―ドについて、下記の方法により、保
存特性試験を行い、再生出力の劣化の度合いを調べた。
この結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0044】<保存特性試験>磁気カ―ドを液体窒素中
に浸して冷却し、1,000Oeの交流磁界を印加して
初期化した。この磁気カ―ドに、磁気カ―ドリ―ダ―ラ
イタ(三和ニユ―テツク製の「CR−700」)によ
り、記録電流を200ミリアンペアにして、記録密度が
210FCIの信号を記録した。この直後に、同じ磁気
カ―ドリ―ダ―ライタにより、再生出力を測定し、これ
を初期の再生出力Aとした。つぎに、この磁気カ―ドを
温度60℃,相対湿度90%の雰囲気下に1週間保存し
たのち、再び再生出力を測定し、これを保存後の再生出
力Bとした。再生出力の劣化の度合いを、〔(A−B)
/A〕×100(%)として、求めた。
【0045】
【0046】上記の表1の結果から、MnBi磁性粉末
を含有する磁性層上に金属薄膜層を形成した本発明の実
施例1〜6の磁気カ―ドは、金属薄膜層を形成していな
い比較例1〜3の磁気カ―ドに比べて、温度60℃,相
対湿度90%の雰囲気下での再生出力の劣化が明らかに
小さくなつていることがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明は、MnBi磁性
粉末を含有する磁性層上に金属薄膜層を形成したことに
より、高温多湿下に長期期間保存しても出力の低下が少
ない、保存特性に格段にすぐれた磁気記録媒体を提供す
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnBi磁性粉末および結合剤樹脂を含
    有する磁性層を備えた磁気記録媒体において、上記の磁
    性層上に金属薄膜層を設けたことを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 金属薄膜層が錫またはアルミニウムのい
    ずれかである請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層の厚さが10〜1,000n
    mである請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁性層がカ―ド状基板の全面または部分
    的に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の磁
    気記録媒体。
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