JPH1119363A - ミシンのかま - Google Patents

ミシンのかま

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JPH1119363A
JPH1119363A JP18275397A JP18275397A JPH1119363A JP H1119363 A JPH1119363 A JP H1119363A JP 18275397 A JP18275397 A JP 18275397A JP 18275397 A JP18275397 A JP 18275397A JP H1119363 A JPH1119363 A JP H1119363A
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hook
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JP18275397A
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Takateru Toshitake
能照 利武
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Hirose Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内かまと外かまの耐摩耗性を向上し、内かま
の軌条と外かまの軌溝との摺動を円滑にする。 【解決手段】 垂直全回転かま1の外かま3の軌溝11
には、内かま3の軌条13が回転自在に嵌まり込む。内
かま4の回り止め凹所9には、回り止め部材7が嵌まり
込み、外かま3の回転に伴う内かま4の回転が阻止され
る。内かまの軌条13には、チタン層20、窒化チタン
層21、シアン化チタン層22、炭化チタン層23およ
びDLC層24から成る被膜Aが形成され、外かま3
は、内かま4が回り止めされた状態で、円滑に回転する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ミシンのかまに関
する。
【0002】
【従来の技術】垂直全回転かまは、水平な軸線まわりに
回転駆動される外かまと、外かまに収納される内かまと
を備える。外かまには、内周面に軌溝が形成され、内か
まには、外周面に軌条が形成され、内かまは軌条が軌溝
に嵌まり込んだ状態で外かまに収納されており、内かま
が回り止め部材によって回転阻止された状態で、軌溝が
軌条に案内されて外かまが回転されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように外かまは、
軌溝と軌条とが接触した状態で案内されて、内かに対し
て回転駆動されており、ミシンの高速運転時には、軌溝
と軌条との接触面に生じる摩擦抵抗によって、軌溝と軌
条とが焼付きを起こすおそれがある。さらにその焼付き
によって内かまが外かまの回転方向に回転しようとし
て、内かまが回り止め部材に向かって大きな力で押圧さ
れ、縫製時に針糸の回り止め部材からの離脱が困難にな
る、または糸切れを生じるおそれがある。すなわち針糸
ループが内かまを円滑に糸越しすることができない場合
がある。
【0004】したがって本発明の目的は、外かの軌溝と
内かまの軌条との摩擦抵抗を小さくして、軌溝と軌条と
の焼付きを防止して、針糸ループが内かまを円滑に糸越
しすることができるミシンのかまを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、内かまの軌条の外表部および外かまの軌溝に臨む外
表部のうち少なくともいずれか一方に、基材の表面から
外部に向かってチタン層、窒化チタン層、シアン化チタ
ン層、炭化チタン層およびDLC層がこの順序で積層さ
れる被膜が形成されることを特徴とするミシンのかまで
ある。
【0006】本発明に従えば、内かまの軌条の外表部お
よび外かまの軌溝に臨む外表部のうち少なくともいずれ
か一方に、基材を被覆して被膜が形成され、この被膜
は、基材の表面から外部に向かってチタン層、窒化チタ
ン層、シアン化チタン層、炭化チタン層およびDLC
(ダイヤモンド・ライク・カーボン:diamond-likecarb
on)層がこの順序で積層される。このような被膜は、硬
度が高く、かつ平滑な表面を形成することができ、その
表面が摩耗しにくく、耐摩耗性に優れているとともに、
表面の摩擦抵抗が低い。これによって、ミシンを高速で
運転しても、軌溝と軌条とが焼付きを起こすことがな
く、内かまを回り止めした状態で外かまを円滑に回転さ
せることができ、針糸ループは内かまを円滑に糸越しす
ることができる。したがって針糸が糸切れするおそれが
なく、また針糸の糸締まりも良好であり、安定したきれ
いな縫目を形成することができる。またミシンは長時間
にわたって運転しても、耐摩耗性に優れているので、内
かまに対する外かまの安定した回転を長時間にわたって
持続させることができ、長時間の縫製作業において針糸
およびボビン糸の張力を一定に保って安定した縫目を形
成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の垂
直全回転かま1の軸線に沿う断面図であり、図2は垂直
全回転かま1の全体の構成を示す斜視図であり、図3は
外かま3の正面図であり、図4は内かま4の正面図であ
る。垂直全回転かま1は、下軸2に固定され、矢符Y方
向に回転駆動される外かま3と、この外かま3に収納さ
れる内かま4と、内かま3に着脱自在に装着されるボビ
ンケース5とを備える。
【0008】外かま3は、たとえば鋼鉄またはステンレ
ス鋼から成り、外かま3のボス14は、水平な軸線17
を有する下軸2に固定され、この下軸2から回転力が伝
達されて、外かま3が回転駆動される。この外かま3に
は、内周部に周方向全周にわたって延びる軌溝11が形
成されている。内かま4は、たとえば鋼鉄またはステン
レス鋼から成り、内かま4には、外周部に周方向に延び
る軌条13が形成され、内かま4は、軌条13が軌溝1
1に摺動自在に嵌まり込んだ状態で、外かま3に収納さ
れ、外かま3は、軌溝11が軌条13に案内されて内か
ま4に対して回転することができる。内かま4の開放端
側のフランジ6には、ミシンの機体に固定されている回
り止め部材7の遊端部に形成される突部8が嵌まり込む
回り止め凹所9が形成されており、この回り止め凹所9
に回り止め部材7の突部8が嵌まり込んで、外かま3の
回転に伴う内かま4の回転が阻止される。
【0009】ボビンケース5には、ボビン糸が巻回され
たボビン16が収納されており、このボビンケース5
は、ボビン16が収納された状態で内かま4に立設され
ているスタッド15を利用して内かま4に着脱自在に装
着される。また外かま3には、周壁に剣先18が形成さ
れており、この剣先18は、外かま3の回転と同期して
回転軸線17と垂直に上下に往復駆動される針50によ
ってもたらされる針糸を補足する。剣先18によって補
足された針糸のループは、外かま3の回転に伴って連れ
回され、内かま4を糸越し、これによって針糸とボビン
糸とが相互に巻き掛けられた状態となって、縫目が形成
される。
【0010】図5は、図1の内かま4の軌条13および
外かま3の軌溝11付近の拡大断面図である。内かま4
は、内かま本体4aと、軌条13とを有し、この軌条1
3は、内かま本体4aから突出する凸部4bおよびこの
凸部4bを被覆する皮膜Aから成る。このように軌条1
3の外表部には、被膜Aが形成される。内かま本体4a
と凸部4bとは前述のように鋼鉄またはステンレス鋼製
であり、一体に形成される。被膜Aは、前述のように基
材である凸部4bを被覆して形成され、基材である凸部
4bの表面30から外部に向かってチタン(Ti)層2
0、窒化チタン(TiN)層21、シアン化チタン(T
iCN)層22、炭化チタン(TiC)層23およびD
LC層24がこの順序で積層されて構成される。
【0011】このような被膜Aの最外層を形成するDL
C層24は、ダイヤモンドのような炭素(C)から成る
層であって、緻密なアモルファス(非晶質)構造であ
る。このDLC層24を有する被膜Aの硬度は、ビッカ
ース硬度で3000Hv以上であり、ダイヤモンドの硬
度に近い硬度を有し、緻密なアモルファス構造であるこ
とから表面が滑らかで平滑性に優れている。
【0012】図6は、DLC層24を有する被膜Aの摩
擦試験の結果を示すグラフである。横軸は測定時間
[秒]を示し、縦軸は摩擦係数μを示す。被膜Aを形成
したディスクにAl23(酸化アルミニウム)から成る
φ10mmの圧子を当接させるボールオンディスクによ
って摩擦係数が測定され、測定条件は、垂直荷重が10
00gfであり、回転数が100rpmであり、回転半
径が1.0cmである。このように、測定開始直後に
は、ばらつきが生じるけれども、安定した測定状態に至
った後は、ほぼ一定の値を取り、このときの摩擦係数μ
は0.15以下であり、窒化チタンなどと比較して摩擦
係数が低い。
【0013】このような機械的性質をもつDLC層24
を有する被膜Aを軌条13に形成することによって、表
面が滑らかであり、かつ摩擦係数が小さいので、軌条1
3によって軌溝11を円滑に案内することができ、ミシ
ンを高速で運転し、外かま3が高速、たとえば8000
〜9000rpmで回転されても、焼付きを生じること
なく、内かま4を回り止めした状態で、外かま3を円滑
に回転させることができ、従来のように針糸ループが回
り止め部材に引っ掛かるなどの不具合が生じることな
く、針糸ループは内かま4を円滑に糸越しすることがで
きる。したがって針糸が糸切れするおそれがなく、また
針糸の糸締まりも良好であり、安定したきれいな縫目を
形成することができる。またこのような皮膜Aは、硬度
が高く、かつ平滑な表面を形成することができ、その表
面が摩耗しにくく、耐摩耗性に優れている。したがって
軌条13の摩耗が防がれ、内かま4ひいては垂直全回転
かま10の耐久性が向上されるとともに、軌条13の摩
耗によって外かま3と内かま4との間にがたつきが生
じ、ボビン糸の張力に変化が生じて糸締まりにむらがで
きることが防がれ、長時間にわたって安定した縫目を形
成することができる。またこの被膜Aは、耐強酸性、耐
強アルカリ性および耐有機溶剤性などの耐薬品性を有
し、損傷しにくく、耐久性に優れている。
【0014】このような被膜Aは、たとえばマグネトロ
ンスパッタリング法とプラズマCVD法の併用式装置に
よって形成される。マグネトロンスパッタリング(magn
etoron sputtering)法は、マグネトロンで閉磁界をつ
くり、アルゴン(Ar)イオンを蒸着物質にたたきつけ
て飛び出させ、基材表面に堆積・成膜させるコーティン
グ法である。閉磁界中では高濃度イオン化領域が形成さ
れるので、コーティング速度が高く、均質で密着性に優
れたコーティング層が得ることができる。プラズマCV
D(化学蒸着)法は、成分元素をプラズマによって分解
・イオン化して成膜する方法であり、この方法を利用す
ることによって、最外層に緻密なDLC層24を形成す
ることができる。このようなマグネトロンスパッタリン
グ法とプラズマCVD法の併用式装置を用いることによ
って、低温処理によって被膜Aを形成することができ
る。
【0015】また被膜Aは、基材界面にミキシング層を
もつ傾斜組成コーティングされている。傾斜組成コーテ
ィングとは、膜組成の性質を徐々に変化させ、被膜Aの
機械的強度を格段に向上させるコーティングであり、こ
れによって被膜Aの耐久性が向上される。
【0016】またこのような被膜Aは、凸部4bにWP
C処理と呼ばれる表面処理をして形成される。この表面
処理は、高硬度な微粒子を強力にショットする処理であ
り、被膜Aが形成されるべき凸部4bの表面付近の組織
を大きく改善することができる。これよって、被膜Aの
凸部4bへの密着性が良好になり、被膜Aが凸部4bか
ら剥離しにくくなる。したがって耐久性に優れた被膜A
を形成することができ、長時間にわたって運転されるミ
シンのかまに好適に用いることができる。このようにミ
シンを長時間にわたって運転しても、被膜が剥離するこ
とがないので、ミシンを安定して運転することができ
る。すなわち部分的にでも被膜が剥離すると、摩擦係数
が変化し、内かま4に対する外かま3の回転が不安定に
なり、針糸およびボビン糸の張力に変化が生じ、糸締ま
りにむらが生じて、安定した縫目を形成することができ
ないけれども、被膜Aが安定して形成されるので、この
ような不具合を生じることなく、長時間にわたってミシ
ンを運転しても、安定した縫目を形成することができ
る。さらに被膜Aが剥離しにくいので、メンテナンス性
も良好になる。
【0017】図7は、本発明の実施の他の形態の軌溝1
1を示す断面図である。図1〜図5に示す上述の形態と
同様の構成を有する部分には同一の参照符号を付し、説
明は省略する。本形態では、内かま4の軌条13の外表
部に被膜Aが形成されるとともに、外かま3の凹溝11
に臨む外表部には、被膜Aと同様の層構成の被膜Bが形
成される。すなわち被膜Bは、基材31の表面32から
外部に向かってチタン層20、窒化チタン層21、シア
ン化チタン層22、炭化チタン層23およびDLC層2
4の順で積層されて構成される。この被膜Bは、軌条1
3の外表部に形成される被膜Aと同様にして形成され、
同様に作用する。このように軌条13の外表部および軌
溝11に臨む外表部に被膜A,Bを形成することによっ
て、軌条13による軌溝11の案内性を向上し、さらに
安定したミシンの高速運転を可能にするとともに、軌条
13および軌溝11に臨む外表部の両方の耐摩耗性を向
上し、垂直全回転かま10の耐久性を向上することがで
きる。これによってさらに長時間にわたって安定した縫
目を形成することができる。
【0018】また本発明の実施のさらに他の形態とし
て、軌溝11に臨む外表部にだけ被膜Bを形成するよう
にしてもよく、上述の形態と同様の効果を得ることが可
能である。さらにこのような被膜A,Bは、内かま4お
よび外かま3全体の外表面に形成して、内かま4および
外かま3全体の耐食性を向上するようにしてもよい。ま
た垂直全回転かまだけてなく、水平全回転かまに被膜
A,Bを形成するようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、内かま
の軌条の外表部および外かまの軌溝に臨む外表部のうち
少なくともいずれか一方に、基材を被覆して被膜が形成
され、この被膜は、基材の表面から外部に向かってチタ
ン層、窒化チタン層、シアン化チタン層、炭化チタン層
およびDLC層がこの順序で積層される。このような被
膜は、硬度が高く、かつ平滑な表面を形成することがで
き、その表面が摩耗しにくく、耐摩耗性に優れていると
ともに、表面の摩擦抵抗が低い。これによって、ミシン
を高速で運転しても、軌溝と軌条とが焼付きを起こすこ
とがなく、内かまを回り止めした状態で外かまを円滑に
回転させることができ、針糸ループは内かまを円滑に糸
越しすることができる。したがって針糸が糸切れするお
それがなく、また針糸の糸締まりも良好であり、安定し
たきれいな縫目を形成することができる。またミシンは
長時間にわたって運転しても、耐摩耗性に優れているの
で、内かまに対する外かまの安定した回転を長時間にわ
たって持続させることができ、長時間の縫製作業におい
て針糸およびボビン糸の張力を一定に保って安定した縫
目を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の垂直全回転かま1を示
す断面図である。
【図2】垂直全回転かま1の斜視図である。
【図3】外かま3を示す正面図である。
【図4】内かま4を示す正面図である。
【図5】図2の軌条13および軌溝11付近を拡大して
示す断面図である。
【図6】摩擦試験の結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の他の形態の軌条13および軌溝
11付近を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 垂直全回転かま 3 外かま 4 内かま 11 軌溝 13 軌条 18 剣先 20 チタン層 21 窒化チタン層 22 シアン化チタン層 23 炭化チタン層 24 ダイヤモンド・ライク・カーボン層 50 針 A,B 被膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内かまの軌条の外表部および外かまの軌
    溝に臨む外表部のうち少なくともいずれか一方に、基材
    の表面から外部に向かってチタン層、窒化チタン層、シ
    アン化チタン層、炭化チタン層およびDLC層がこの順
    序で積層される被膜が形成されることを特徴とするミシ
    ンのかま。
JP9-182753A 1997-07-08 ミシンのかま Expired - Lifetime JP2846304B2 (ja)

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