JPH1122696A - 軸流ファンのブレード - Google Patents

軸流ファンのブレード

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JPH1122696A
JPH1122696A JP9175732A JP17573297A JPH1122696A JP H1122696 A JPH1122696 A JP H1122696A JP 9175732 A JP9175732 A JP 9175732A JP 17573297 A JP17573297 A JP 17573297A JP H1122696 A JPH1122696 A JP H1122696A
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JP
Japan
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blade
composite material
wing
reinforced plastic
plastic composite
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Application number
JP9175732A
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English (en)
Inventor
Nozomi Kawasetsu
川節  望
Katsuhiko Takita
勝彦 田北
Mitsunari Gotou
充成 後藤
Masanori Koga
正憲 古閑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐食性に優れ、しかも安価な軸流ファ
ンのブレードを提供する。 【解決手段】 この軸流ファンのブレードは翼部1と翼
根フランジ部2とからなる。翼部1はガラス繊維強化プ
ラスチック複合材で構成された外皮3とウレタンフォー
ムなどの樹脂発泡体からなる内部充填材4とから構成さ
れている。翼根フランジ部2はガラス繊維強化プラスチ
ック複合材でつくられている。翼根フランジ部2には、
機械加工によるボルト穴をあけて、ネジ止めと接着によ
り固定した、ロータ軸への取り付け用の金属ボルト5が
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば火力発電
用の軸流送風機あるいは風洞用の軸流送風機などの軸流
ファンに適用する軽量の複合材ブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電用の大型の軸流ファン
(送風機)用のブレードには、アルミ合金、炭素鋼ある
いは合金鋼製のものが多く用いられている。中でも排煙
脱硫装置用の軸流送風機のブレードには、耐食性、耐摩
耗性の観点から高級ステンレス鋼又はインコネル62
5、ハステロイなどのNi基合金が使用されている。
【0003】軸流ファンは、ロータ(回転子)に取り付
けたブレードを数百rpmという高速で回転させるた
め、ブレードの重量が、装置全体の重量及び構造に直接
関与してくる。すなわち、ブレードを取り付けるロータ
あるいはロータを支える軸受は、ブレードの重量が軽量
であればあるほど小型、軽量化が可能となる。
【0004】また、ロータに取り付けたブレードの角度
を気流量に応じて変える機構(可変ピッチ機構)は、ブ
レードを歯車等の機構を介して油圧装置で回転させる構
造となっており、ブレードを軽量化することによりこの
可変ピッチ機構の構造の簡略化、小型化が可能となって
くる。
【0005】近年、軸流ファンの小型、コンパクト化及
び装置全体の大幅なコスト低減が強く要求されつつあ
り、この要求に対して、現用の金属材料製のブレードで
対応するには限界があり、ブレードの軽量化を達成する
ための材料及び構造が必要とされていた。
【0006】一方、排煙脱硫装置用の軸流ファンの場
合、耐食性、耐摩耗性の観点からブレード材料には、前
記したように高級ステンレス鋼又はインコネル625、
ハステロイなどの非常に高価なNi基合金が使用されて
いる。
【0007】しかしながら、特に腐食環境の厳しい位置
ではこのような耐食材料を用いても腐食を起こす場合が
あり、必要に応じて耐食性に優れた樹脂コーティングを
施している。さらに、用いている材料が非常に高価な材
料であるため、ブレードの価格が装置全体の価格を押し
上げており、低コストで耐食性に優れたブレード材料の
開発が必要とされていた。
【0008】
【開発が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の軸流ファンのブレードに見られた問題点に鑑み、軽
量で耐食性に優れ、しかも安価な軸流ファンのブレード
を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、翼部と翼根フランジ部とからなる軸流ファン
のブレードにおいて、前記翼部と翼部フランジ部とを繊
維強化プラスチック複合材で一体的に形成した軸流ファ
ンのブレードを提供する。
【0010】前記繊維強化プラスチック複合材として
は、ガラス繊維強化プラスチック複合材またはカーボン
繊維強化プラスチック複合材のどちらか一方または両方
を積層したものを用いることができる。
【0011】本発明のブレードを構成する繊維強化プラ
スチック複合材は金属材料に比して密度が小さく、従っ
て、本発明によるブレードは大幅な重量軽減ができる。
また、繊維強化プラスチック複合材は強度も大きく、更
にその繊維の量や配向を調整することによって軸流ファ
ンのブレードとして構造設計を最適のものとすることが
可能である。
【0012】また、本発明による軸流ファンのブレード
では、前記翼部を繊維強化プラスチック複合材からなる
外皮と、同外皮の内部に充填された内部充填材とからな
る構成とすることができる。
【0013】この内部充填材として樹脂発泡体などを用
いることにより更なる軽量化が達成できる。
【0014】本発明による軸流ファンのブレードでは、
前記した翼根フランジ部に、ブレードをロータに取り付
けるための手段を設けた構造とすることができる。その
取り付け手段としては、金属ボルト、または金属ナッ
ト、または翼根フランジ部に埋め込まれた金属平板など
を採用してよい。
【0015】また、本発明による軸流ファンのブレード
では、翼部の表面の少くとも一部、例えば翼の前縁部に
金属薄板または高分子系被覆材料を付着させた構造にし
て翼部の耐摩耗性、耐エロージョン性を改善したものと
することができる。
【0016】更にまた、本発明による軸流ファンのブレ
ードにおいては、翼根フランジを設けず、翼部に直接一
体化された取り付け治具を設けた構成とすることも可能
である。このような構成とすることによりブレード構造
が更に簡単になると共に製造工程が簡素化され、更なる
コスト低減が可能となる。
【0017】この場合、翼部に一体化される取り付け治
具としては、金属製またはカーボン繊維強化複合材料製
のものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による軸流ファンの
ブレードを図1〜図8に示した実施の形態に基づいて具
体的に説明する。なお、以下の各実施形態において、同
じ構成部分には同一符号を付し、それらについての重複
する説明は省略する。
【0019】(実施の第1形態)まず、図1に示した実
施の第1形態によるブレードについて説明する。図1に
示すブレードは、翼部1とロータに取り付ける翼根フラ
ンジ部2で構成され、これらは共にガラス繊維強化プラ
スチック複合材でできている。また、翼部1は外皮3と
内部充填材4から構成されている。
【0020】このブレードを構成する翼部1と翼根フラ
ンジ部2は、ガラス繊維強化プラスチック複合材製の一
体構造とすることができる。
【0021】このブレードを構成するガラス繊維強化プ
ラスチック複合材は、密度が1.5〜1.8g/cm3
と鉄鋼材料の約1/5で、またアルミ合金に対しても4
割程度小さく、従って、同じ形状のブレードとすると、
大幅な重量軽減が可能となる。また、本材料はコスト面
では、複合材の中でも最も安価な材料の部類に入る。
【0022】ガラス繊維強化プラスチック複合材は、材
料強度的には少なくともアルミ合金と同等以上の強度を
有しており、必要な特性に応じてガラス繊維の量及び配
向を調整でき、最適構造設計が可能である。また、ガラ
ス繊維強化プラスチック複合材は、用いる樹脂を選定す
ることにより、耐熱性及び耐食性を容易に付与すること
ができ、腐食環境の厳しい排煙脱硫装置用の軸流ファン
のブレードなどへの適用も可能である。
【0023】ガラス繊維の形態は、一方向に引き揃えら
れた繊維布や、縦糸と横糸で形成された織物(平織りク
ロス)、短い繊維(ガラスチョップ)あるいはこれをマ
ット状にしたチョップドマットが用いられるが、強度を
必要とする場合は一方向クロスや平織りクロス等を多く
含む構成とする。
【0024】短い繊維をマット状にしたガラスチョップ
は、内部充填材4として用いることができる。なお、図
1のブレード構造で内部充填材4の部分は、場合によっ
ては空洞あるいは軽量の樹脂発泡体(たとえばウレタン
フォームなど)としてもよいし、外皮3と同じ構成とし
てもよい。
【0025】翼部1から翼根フランジ部2にかけての外
皮3は、ガラス繊維が連続になるように配することが重
要となる。特に翼部1と翼根フランジ部2の境界部分は
曲げ力及び引張力ともに最大となる部分であり、ガラス
繊維を連続に積層すると同時に、構造的に滑らかにする
必要がある。
【0026】価格的な問題がなければ、カーボン繊維強
化プラスチック複合材を使用した一体構造としてもよ
い。得られる効果は同様であるが、カーボン繊維強化プ
ラスチック複合材の方がガラス繊維強化プラスチック複
合材よりも強度特性が大幅に優れていることから、ブレ
ードのより一層の重量軽減が可能となる。
【0027】次に、実際に試作した本実施形態のブレー
ドの構造とその構成材料の例について説明する。素材と
しては、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を、ガラ
ス繊維として平織りロービングクロス(320g/
2 )とガラスチョップ(繊維長:2〜3cm)を用い
た。
【0028】翼部1から翼根フランジ部2にかけての外
皮3は、必要な枚数の平織りロービングクロスを、複合
材としてのガラス含有量が50〜53wt%になるよう
に、翼部1から翼根フランジ部2まで連続に配した。内
部充填材4は、ガラスチョップをガラス含有量が50〜
55wt%になるように配した。
【0029】ブレードの製造方法は、成形型に所定の形
態のガラス繊維を必要な量だけ充填し、その後にエポキ
シ樹脂を注入する手法で、室温で樹脂注入まで行い、あ
る程度硬化した後に、100〜120℃の高温加熱硬化
を行い、ガラス繊維強化プラスチック複合材製の複合材
ブレードを得た。
【0030】なお、本ブレードのロータ(回転子)軸へ
の取り付けは、翼根フランジ部の所定の位置に機械加工
でボルト穴を明け、金属ボルト5をネジ止めと接着によ
り固定し、このボルトを介してロータ軸に締めつける手
法とした。
【0031】製造した複合材ブレードについて、切断調
査による性状確認試験を実施したところ、樹脂の未充填
部などの欠陥はほとんどなく材質的には良好であり、物
性的にも翼部の外皮で、密度:1.68〜1.75g/
cm3 、引張強度:28〜30kgf/mm2 と目標を
満足する値が得られた。
【0032】また、実翼を用い曲げ試験、引張試験など
の翼構造強度試験を実施したが、必要強度の3倍の付加
力でも翼部は破壊することはなく、翼根フランジ部の金
属ボルトをねじ止めした複合材部分に若干のき裂が生じ
た程度で、製品への適用が十分に可能であることが証明
できた。さらに、得られた複合材ブレードの重量は従来
の金属製ブレードの1/4と大幅な重量軽減が達成され
た。
【0033】なお、排煙脱硫装置用の軸流ファンのブレ
ード(高級ステンレス鋼又はインコネル625、ハステ
ロイなどのNi基合金を使用)と比較すると、ブレード
1体あたり約30%のコストダウンが可能である。
【0034】以上説明した例において特にコストの問題
がなければ、カーボン繊維強化プラスチック複合材を使
用した一体構造としても良い。本材料にすることによ
り、ブレードの重量がより一層低減できることから、軸
流ファン装置全体の大幅な小型・コンパクト化、軽量化
が可能となる。
【0035】(実施の第2形態)次に図2に示した実施
の第2形態によるブレードについて説明する。図2に示
したブレードは翼部1とロータに取り付ける翼根フラン
ジ部2で構成され、ガラス繊維強化プラスチック複合材
でできている。また、翼部は外皮3と内部充填材4から
構成される。
【0036】翼根フランジ部2には、ブレードをロータ
に取り付けるための金属製のナット15が配される穴が
所定の位置に機械加工され、金属製のナット15が接着
材6で固定される。このような構造とすることで、ロー
タ軸への強固で確実な取り付けが可能な軽量の複合材ブ
レードが得られる。
【0037】次に、実際に試作した本実施形態によるブ
レードの例について説明する。先の実施の第1形態にお
ける試作例の場合と同様の素材及び製造方法で、ガラス
繊維強化プラスチック複合材製のブレードを製造後に、
翼根フランジ部2に金属製のナット15を設置するため
の段付き穴を、所定の位置に機械加工で明け、金属製
(クロム−モリブデン鋼)ナット15をエポキシ系の室
温硬化接着材6で接着固定した。
【0038】製造した翼の翼根フランジ部2の強度と破
壊状況を確認するために、引張試験装置にボルト締めで
翼根フランジ部2を固定し、翼部を引っ張る引張試験を
実施した。
【0039】その結果、実施の第1形態の場合の実験例
と同様の必要強度の3倍の付加力でも、翼部及び翼根フ
ランジ部のいずれにもき裂の発生等は全く認められず、
翼根フランジ部の金属ボルトをネジ止めした複合材部分
のき裂は見られず実施の第1形態の場合の翼構造よりも
さらに高い強度を有することが確認された。
【0040】以上説明したように、この実施の第2形態
によるブレードにおいては、翼根フランジ部の構造強度
が向上してブレードの更なる薄肉化、小型化が可能とな
る。特に、本実施の第2形態の場合は、翼根フランジ部
のガラス繊維強化プラスチック複合材にネジ止め用の穴
加工が必要でないため製造コストが一段と低減される。
【0041】また、本実施の第2形態の場合、ブレード
取付けは金属ナットと金属ボルト間での締めつけとなる
ため、通常のトルク管理で容易に強固で確実な取り付け
が可能である。
【0042】(実施の第3形態)次に、図3に示した実
施の第3形態によるブレードについて説明する。図3に
示すブレードも翼部1とロータに取り付ける翼根フラン
ジ部2で構成され、ガラス繊維強化プラスチック複合材
でできている。また、翼部は外皮3と内部充填材4から
構成される。
【0043】翼根フランジ部2の内部には、ブレードを
ロータに取り付けるために、製造時にあらかじめ必要な
大きさの金属製の平板25を所定の位置に埋め込んでお
く構造とする。このような構造とすることで、ロータ軸
へのより強固な固定が可能な軽量の複合材ブレードが得
られる。なお、金属平板25の代りに必要な個数の金属
製のナットを所定の位置に埋め込む構造としてもよい。
【0044】次に、実際に試作した本実施形態によるブ
レードの例について説明する。実施の第1形態の場合と
同様の素材及び製造方法で、ガラス繊維強化プラスチッ
ク複合材製のブレードを製造するが、翼根フランジ部2
の内部には、ガラス繊維積層時にあらかじめ必要な大き
さの金属製(クロム−モリブデン鋼)の平板25を所定
の位置に埋め込み、その後にエポキシ樹脂を注入し一体
硬化する手法をとった。
【0045】翼製造後に、翼根フランジ部2の所定の位
置に、翼をロータ軸に締めつけるためのネジ止め穴を加
工した。製造した翼の翼根フランジ部2の強度と破壊状
況を確認するために、引張試験装置に翼根フランジ部2
をボルトで固定し、翼部を引っ張る引張試験を実施し
た。
【0046】その結果、実施の第1形態の場合と同様の
必要強度の3倍の付加力でも、翼部及び翼根フランジ部
のいずれにもき裂の発生等は全く認められず、翼根フラ
ンジ部の金属ボルトをネジ止めした複合材部分のき裂は
見られず実施の第1形態による翼構造よりもさらに高い
強度を有することが確認された。
【0047】(実施の第4形態)次に図4に示した実施
の第4形態によるブレードについて説明する。図4に示
したブレードも外皮3と内部充填材4から構成されてお
り、外皮3は、さらにカーボン繊維強化複合材料部7と
ガラス繊維強化複合材部8の複数層で形成される。
【0048】このようにカーボン繊維強化プラスチック
複合材とガラス繊維強化プラスチック複合材からなる複
合材ブレードの構造とすることで、小型コンパクト化、
軽量化あるいは大型化等の効果が期待できる。カーボン
繊維強化複合材料部とガラス繊維強化複合材部の層構
成、配置及び厚みは、ブレードとしての必要特性に応じ
て任意に決められる。
【0049】次に、実際に試作した本実施形態によるブ
レードの構造とその構成材料の具体的な実験例について
説明する。素材としては、マトリックス樹脂はエポキシ
樹脂を、ガラス繊維は平織りロービングクロス(320
g/m2 )とガラスチョップ(繊維長:2〜3cm)
を、カーボン繊維は平織りロービングクロス(200g
/m2 )を用いた。
【0050】使用したガラス繊維の素線の材種はEガラ
スで、引張強度は250〜300kgf/mm2 、弾性
率は7,500kgf/mm2 である。また、カーボン
繊維の素線はPAN系繊維で引張強度は350〜400
kgf/mm2 、弾性率は24,000kgf/mm2
である。
【0051】翼部1から翼根フランジ部2にかけての外
皮3には、運転時の発生応力が大きい翼表面層に強度、
剛性の優れたカーボン繊維の平織りロービングクロスを
層配し、その内側層には必要な枚数の平織りロービング
クロスを、翼部1から翼根フランジ部2まで連続で積層
した。内部充填材4は、ガラスチョップ材を充填した。
【0052】外皮3の表面層に用いた強度、剛性の優れ
たカーボン繊維製のクロス材は、ガラス繊維製のクロス
材と比較すると密度が小さい(ガラス繊維の密度:2.
6g/cm3 、カーボン繊維の密度:1.8g/c
3 )ため軽量化の効果も期待できるが、材料コストが
高いため、基本的には必要最小限の量で使用することが
望ましい。
【0053】ブレードの製造方法は、成形型に所定の形
態でガラス繊維とカーボン繊維を必要な量だけ充填し、
その後にエポキシ樹脂を注入する手法で、室温で樹脂注
入まで行いある程度硬化した後に、100〜120℃の
高温加熱硬化を行い複合材ブレードを得た。なお、製造
した複合材ブレードについて、切断調査による性状確認
試験を実施し、樹脂の未充填部などの欠陥がなく、カー
ボン繊維クロス材とガラス繊維クロス材の積層界面も良
好であることを確認した。
【0054】本実施形態によるブレードは先の実施形態
の複合材ブレードの効果に加え、さらに素材強度の向上
による翼全体の薄肉化、小型化が可能となる。また、よ
り大型で軽量な複合材ブレードの製造が可能となり、軸
流ファンの大幅な性能向上が期待できる。
【0055】(実施の第5形態)次に、図5に示した実
施の第5形態によるブレードについて説明する。本実施
形態によるブレードは、繊維強化プラスチック複合材製
の翼部1とその翼部に埋め込まれた金属製の取り付け治
具12で構成される。また、翼部は外皮3と内部充填材
4からなる。
【0056】翼部1は、繊維強化プラスチック複合材製
とし、翼をロータ軸に固定するための金属製の取り付け
治具12を翼の内部に埋め込んだ構造とする。取り付け
治具12の翼内部への固定は、翼部製造時に一体成型の
構造で埋め込む手法と、翼部製造後に接合処理を施す手
法である。
【0057】取り付け治具12の形状及び数は、翼の形
状、発生応力等により異なる。その例を以下に列記す
る。 a)1本又は複数本の棒状(角状、丸状、楕円状)また
は中空パイプ状のものを用いる。 b)翼内部への埋め込み部が、2本以上の複数の棒状に
別れたものを用いる。 c)翼内部への埋め込み部が、テーパ状に加工されたも
のを用いる。 d)翼内部への埋め込み部に、引き抜け防止の目的で突
起物を設けたものを用いる。
【0058】次に、実際に試作した本実施形態による複
合材ブレードの構造とその構成材料の具体的な実験例に
ついて説明する。素材としては、マトリックス樹脂とし
てエポキシ樹脂を、ガラス繊維として平織りロービング
クロス(320g/m2 )とガラスチョップ(繊維長:
2〜3cm)を用いた。翼部1の外皮3は平織りロービ
ングクロスの積層とし、内部充填材4はガラスチョップ
材とした。
【0059】ブレードの製造方法は、翼の成形型に所定
の形態のガラス繊維を必要な量だけ充填し、同時に金属
製(クロム−モリブデン鋼)の取り付け治具12を配
し、その後にエポキシ樹脂を注入する手法で、室温で樹
脂注入まで行いある程度硬化した後に、100〜120
℃の高温加熱硬化を行い、ガラス繊維強化プラスチック
複合材製の複合材ブレードを得た。
【0060】なお、本実験例での取り付け治具12は、
1本の棒状治具とし、翼内部への埋め込み部は引き抜け
防止の目的からテーパを設け、ロータ(回転子)軸への
取り付け部は、ネジ締めつけ構造とした。
【0061】製造した翼の強度と破壊状況を確認するた
めに、引張試験装置に取り付け治具12を固定し、翼部
を引っ張る引張試験を実施した。その結果、必要強度の
3倍の付加力でも、翼部及び翼取り付け部のいずれにも
き裂の発生等は全く認められず、製品への適用が十分に
可能であることが確認できた。
【0062】(実施の第6形態)次に、図6に示した実
施の第6形態によるブレードについて説明する。本実施
形態によるブレードは繊維強化プラスチック複合材製の
翼部1とその翼部に埋め込まれたカーボン繊維強化複合
材料製の取り付け治具22で構成される。また、翼部は
外皮3と内部充填材4からなる。
【0063】取り付け治具22の翼内部への固定は、翼
部製造時に一体成型の構造で埋め込む手法と、翼部製造
後に接合処理を施す手法である。
【0064】取り付け治具22の形状及び数は、翼の形
状、発生応力等により異なる。その例を以下に列記す
る。 a)1本又は複数本の棒状(角状、丸状、楕円状)また
は中空パイプ状のものを用いる。 b)翼内部への埋め込み部が、2本以上の複数の棒状に
別れたものを用いる。 c)翼内部への埋め込み部が、テーパ状に加工されたも
のを用いる。 d)翼内部への埋め込み部に、引き抜け防止の目的で突
起物を設けたものを用いる。
【0065】次に、実際に試作した本実施態様による複
合材ブレードの構造とその構成材料の具体的な実験例に
ついて説明する。翼本体の素材としては、マトリックス
樹脂としてエポキシ樹脂を、ガラス繊維として平織りロ
ービングクロス(320g/m2 )とガラスチョップ
(繊維長:2〜3cm)を用いた。翼部1の外皮3は平
織りロービングクロスの積層とし、内部充填材4はガラ
スチョップ材とした。
【0066】取り付け治具22は、PAN系繊維で引張
強度が350〜400kgf/mm 2 、弾性率が24,
000kgf/mm2 のカーボン繊維を、エポキシ樹脂
と複合化してパイプ状(先端は2分割構造)に成形した
カーボン繊維強化複合材料を用いた。なお、翼内部に埋
め込む部分(2分割構造)の先端には、引き抜け防止の
目的で太径の部分を設けた。
【0067】ブレードの製造方法は、翼の成形型に所定
の形態のガラス繊維を必要な量だけ充填し、同時にあら
かじめ製造しておいたカーボン繊維強化複合材料製の取
り付け治具22を配し、その後にエポキシ樹脂を注入す
る手法で、室温で樹脂注入まで行いある程度硬化した後
に、100〜120℃の高温加熱硬化を行い、ガラス繊
維強化プラスチック複合材製の複合材ブレードを得た。
【0068】製造した翼の強度と破壊状況を確認するた
めに、引張試験装置に取り付け治具22を固定し、翼部
を引っ張る引張試験を実施した。その結果、必要強度の
3倍の付加力でも、翼部及び翼取り付け部のいずれにも
き裂の発生等は全く認められず、製品への適用が十分に
可能であることが確認できた。
【0069】本実施形態によるブレードでは、カーボン
繊維強化複合材料製の取付治具を用いているので、実施
の第5形態の場合の金属製の取り付け治具構造の複合材
ブレードと比較すると大幅な軽量化が可能である。
【0070】(実施の第7形態)次に、図7に示した実
施の第7形態によるブレードについて説明する。図7に
示したブレードの翼部1は、繊維強化プラスチック複合
材製で、一部(この場合は翼の前縁部)に金属薄板9
(この場合はSUS304製)を張り付けた複合材ブレ
ードの構造となっている。
【0071】金属薄板9は、翼部の耐摩耗性、耐エロー
ジョン性を改善し、耐久性を向上する(寿命延長)ため
に配するもので、その目的から主に翼の前縁部に張り付
ける。ただし、場合によっては、翼面全面に張り付ける
場合もある。
【0072】金属薄板9を張り付ける方法は、複合材ブ
レード製造時に同時に一体成型して組み込む方法、複合
材ブレード製造後に機械的に取り付ける(たとえばネジ
による取り付け)方法、複合材ブレード製造後に接着剤
で接着する方法、あるいは機械的接合と接着接合を併用
する方法などがある。
【0073】金属薄板9の板厚は特に限定はしないが、
耐摩耗性、耐エロージョン性の効果が得られる厚さと
し、同時に加工性、コストを考慮し決定される。
【0074】次に実際に試作した本実施形態による複合
材ブレードの構造とその構成材料の具体的な例について
説明する。翼本体の素材としては、マトリックス樹脂と
してエポキシ樹脂を、ガラス繊維として平織りロービン
グクロス(320g/m2 )とガラスチョップ(繊維
長:2〜3cm)を用いた。翼部1の外皮3は平織りロ
ービングクロスの積層とし、内部充填材4はガラスチョ
ップ材とした。
【0075】複合材ブレードの製造方法は、翼の成形型
に所定の形態のガラス繊維を必要な量だけ充填し、その
後にエポキシ樹脂を注入する手法で、室温で樹脂注入ま
で行いある程度硬化した後に、100〜120℃の高温
加熱硬化を行いガラス繊維強化プラスチック複合材製の
複合材ブレードを得た。
【0076】次に、SUS304製の薄板(幅30×長
300×板厚0.5mm)9を翼の前縁部形状に合うよ
うに曲げ加工を施し、エポキシ樹脂接着剤で張り付け、
さらに6個所(腹側3個所、背側3個所)をSUS30
4製のネジで止めた。本実施形態によるブレードは耐摩
耗性と耐エロージョン性が一段と向上される。
【0077】(実施の第8形態)最後に、図8に示した
実施の第8形態によるブレードについて説明する。図8
に示したブレードの翼部1は、繊維強化プラスチック複
合材製で、一部(この場合は翼の前縁部)に容易に施工
(塗布あるいは接着)可能な耐摩耗性、耐エロージョン
性の優れた高分子系被覆材料10を配した複合材ブレー
ドの構造としている。
【0078】高分子系被覆材料10は、翼の耐摩耗性、
耐エロージョン性を改善し、耐久性を向上する(寿命延
長)ために配するもので、その目的から主に翼の前縁部
に施工する。ただし、場合によっては、翼面全面に施工
する場合もある。
【0079】高分子系被覆材料10の施工は、複合材ブ
レード製造後に容易に施工可能な塗布法あるいは接着法
とし、場合によっては補修にも対応可能な手法とするの
が望ましい。
【0080】耐摩耗性、耐エロージョン性に優れた高分
子系被覆材料10の種類としては、ゴム系材料、フッ素
系樹脂またはガラスフレーク入りプラスチック、セラミ
ックス粒子あるいは金属粒子入りプラスチック材料があ
る。
【0081】次に、実際に試作した本実施形態によるブ
レードの構造とその構成材料の具体的な例について説明
する。翼本体の素材としては、マトリックス樹脂として
エポキシ樹脂を、ガラス繊維として平織りロービングク
ロス(320g/m2 )とガラスチョップ(繊維長:2
〜3cm)を用いた。翼部1の外皮3は平織りロービン
グクロスの積層とし、内部充填材4はガラスチョップ材
とした。
【0082】複合材ブレードの製造方法は、翼の成形型
に所定の形態のガラス繊維を必要な量だけ充填し、その
後にエポキシ樹脂を注入する手法で、室温で樹脂注入ま
で行いある程度硬化した後に、100〜120℃の高温
加熱硬化を行いガラス繊維強化プラスチック複合材製の
複合材ブレードを得た。
【0083】次に、高分子材料の中で接着強度が最も優
れているエポキシ樹脂に、ガラスフレークを体積含有量
で20%混合し、複合材ブレードの前縁側(背側幅15
mm、腹側幅15mm)にはけ塗りで塗布した。他の高
分子系被覆材料についても同様の施工法になる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による軸流
ファンのブレードは、翼部と翼根フランジ部とからなる
軸流ファンのブレードにおいて、前記翼部と翼根フラン
ジ部とをガラス繊維強化プラスチック複合材またはカー
ボン繊維強化プラスチック複合材などの繊維強化プラス
チック複合材で一体的に形成したもので次の効果を奏す
る。
【0085】すなわち、この構造によれば、ブレードの
重量が大幅に低減できることから軸流ファン装置全体の
小型・コンパクト化、軽量化が可能となる。従って、フ
ァン起動時の応答性が良くなるとともに、電力費低減に
寄与し、必要であればロータの回転数を増すことも可能
であり、ファンの大幅な性能向上が期待できる。
【0086】また、ブレードを歯車等の機構を介して油
圧装置で回転させる可変ピッチ機構の構造の簡略化、小
型化が可能となり、軸流ファン全体の大幅なコストダウ
ンが達成できる。
【0087】また、本発明は、前記した構成に加え、翼
根フランジ部に対し、ブレードをロータに取り付ける手
段、例えば金属ボルト、金属ナットまたは金属平板など
を設けた軸流ファンのブレードをも提供する。
【0088】このブレード構造によると前記して効果に
加え、さらに翼根フランジ部の構造強度が向上すること
から、薄肉化、小型化などの構造のコンパクト化が可能
である。特に、翼製造時にその取り付け手段を埋め込み
一体成形すれば、ロータに対しブレードを取り付ける為
の翼根フランジ部の繊維強化プラスチック複合材にネジ
止め用などの穴加工を必要としないので製造コストが低
減可能である。
【0089】更にまた、本発明による軸流ファンのブレ
ードにおいて、前記した構成に加え、翼部表面の少くと
も一部に金属薄板または高分子系被覆材料を付着させた
構造としたものではさらに耐摩耗性、耐エロージョン性
が良好で、耐久性に優れた複合材ブレードが得られる。
【0090】また、本発明の軸流ファンのブレードにお
いて、前記した翼根フランジ部に替えて、翼部に直接一
体化された金属製またはカーボン繊維強化複合材料製な
どの取り付け治具を設けた構造としたものではブレード
構造が更に簡単になると共に製造工程が簡素化されコス
ト低減が一段と促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図2】本発明の実施の第2形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図3】本発明の実施の第3形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図4】本発明の実施の第4形態に係る軸流ファンのブ
レードにおいて、翼部を横断面図とした平面図で一部を
拡大して示してある。
【図5】本発明の実施の第5形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図6】本発明の実施の第6形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図7】本発明の実施の第7形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【図8】本発明の実施の第8形態に係る軸流ファンのブ
レードを示す図面で、(a)はその翼部を横断面図とし
た平面図、(b)は側面図。
【符号の説明】
1 翼部 2 翼根フランジ部 3 外皮 4 内部充填材 5 金属ボルト 6 接着剤 7 カーボン繊維強化複合材 8 ガラス繊維強化複合材 9 金属製の薄板 10 高分子系被覆材料 12 金属製取付治具 15 金属ナット 22 カーボン繊維強化複合材料製取付治具 25 金属製の平板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】翼部1から翼根フランジ部2にかけての外
皮3には、運転時の発生応力が大きい翼表面層に強度、
剛性の優れたカーボン繊維の平織りロービングクロスを
層配し、その内側層には必要な枚数のガラス繊維の平織
りロービングクロスを、翼部1から翼根フランジ部2ま
で連続で積層した。内部充填材4は、ガラスチョップ材
を充填した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7:06 7:14) (72)発明者 古閑 正憲 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼部と翼根フランジ部とからなる軸流フ
    ァンのブレードにおいて、前記翼部と翼部フランジ部と
    を繊維強化プラスチック複合材で一体的に形成したこと
    を特徴とする軸流ファンのブレード。
  2. 【請求項2】 前記翼部が、繊維強化プラスチック複合
    材からなる外皮と、同外皮の内部に充填された内部充填
    材とからなることを特徴とする請求項1に記載の軸流フ
    ァンのブレード。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化プラスチック複合材が、ガ
    ラス繊維強化プラスチック複合材またはカーボン繊維強
    化プラスチック複合材のどちらか一方または両方を積層
    したものであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の軸流ファンのブレード。
  4. 【請求項4】 前記翼部フランジ部に、ブレードをロー
    タに取り付ける手段が設けられていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の軸流ファンのブレー
    ド。
  5. 【請求項5】 前記ブレードをロータに取り付ける手段
    が、金属ボルト、または金属ナット、または翼根フラン
    ジ部に埋め込まれた金属平板であることを特徴とする請
    求項4に記載の軸流ファンのブレード。
  6. 【請求項6】 前記翼部の表面の少なくとも一部に金属
    薄板または高分子系被覆材料を付着させたことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の軸流ファンのブレ
    ード。
  7. 【請求項7】 前記翼根フランジ部に替えて、翼部に直
    接一体化された取り付け治具を設けたことを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の軸流ファンのブレー
    ド。
  8. 【請求項8】 前記取り付け治具が、金属製またはカー
    ボン繊維強化複合材料製であることを特徴とする請求項
    7に記載の軸流ファンのブレード。
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