JPH1132507A - トラクタ - Google Patents

トラクタ

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JPH1132507A
JPH1132507A JP20733197A JP20733197A JPH1132507A JP H1132507 A JPH1132507 A JP H1132507A JP 20733197 A JP20733197 A JP 20733197A JP 20733197 A JP20733197 A JP 20733197A JP H1132507 A JPH1132507 A JP H1132507A
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武二 田中
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辰彦 野島
Shigeharu Kimura
重治 木村
Tomoshi Tamura
智志 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフトアーム制御において、安定性を保ちつ
つ、制御精度を向上させる。 【解決手段】 作業機3を昇降させるリフトアーム5
(リフトシリンダ7)を、耕深目標値と耕深検出値との
偏差、もしくはポジション目標値とリフトアーム検出値
との偏差に基づいて自動的に制御するにあたり、不感帯
に隣接する偏差範囲に、所定のタイマ時間が経過するま
で昇降作動を遅延させる称呼遅延範囲を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リフトアームを備
えるトラクタの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種トラクタにおいては、作
業機を昇降させるリフトアームを備えると共に、リフト
アーム(もしくは作業機)が設定高さ(もしくは設定耕
深)を維持するようにリフトアームを自動制御するもの
が知られているが、この様なものでは、目標位置に対す
る検出位置の偏差が不感帯設定値を越えるまでリフトア
ーム作動を停止させる所謂不感帯を設定し、制御の安定
性を確保することが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記不感帯
を設定するにあたり、不感帯設定値が大きすぎる場合に
は制御精度が低下する一方、小さすぎる場合には頻繁な
作動を阻止できないことになるため、曖昧な中間設定値
を設定せざるを得ないのが実状であった。そこで、リフ
トアーム作動状態では、小さな不感帯設定値を用いて良
好な制御精度を確保する一方、リフトアーム停止状態で
は、大きな不感帯設定値を用いて頻繁な作動を阻止する
ことが提案されているが、このものでは、偏差が小不感
帯設定値と大不感帯設定値との間に位置する状態で長時
間停止することが許されるため、制御誤差を長時間に亘
って容認し、作業精度を低下させる可能性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、作業機を昇降させるリフトアーム
と、該リフトアームを自動制御する自動制御部とを備
え、さらに自動制御部には、目標位置と検出位置との偏
差を演算する偏差演算手段と、偏差が不感帯設定値を越
える場合にリフトアーム作動指令を出力する作動指令出
力手段とを設けてなるトラクタにおいて、前記自動制御
部に、作動停止状態の偏差が不感帯設定値を越え、かつ
遅延処理範囲設定値以内のとき、所定のタイマ時間が経
過するまでリフトアーム作動指令の出力制限をする遅延
処理手段を設けたものである。つまり、作動停止時に
は、偏差が不感帯設定値を越えても、遅延処理範囲設定
値を越えなければ、リフトアームを停止状態に維持する
ため、頻繁な作動を阻止して良好な安定性を確保するこ
とができ、しかも、この状態が所定時間続いた場合に
は、リフトアームを不感帯に向けて作動させるため、不
感帯から外れた状態を長時間に亘って容認するものに比
して制御精度を向上させることができる。また、複数の
遅延処理範囲を多段状に設定すると共に、不感帯に近い
遅延処理範囲ほど遅延タイマ時間を長くしたものであ
る。つまり、偏差が小さい場合には、長く遅延して安定
性を重視する一方、偏差が大きい場合には、短く遅延し
て制御精度を重視するため、安定性を確保しつつ制御精
度の向上を計ることができる。また、作動停止状態の偏
差が不感帯設定値を越えたとき、全遅延タイマのカウン
トを開始するものである。つまり、偏差が不感帯から外
れたときを基準にして各遅延処理範囲の遅延処理を解除
するため、不感帯を中心とする絶対的な遅延処理を行う
ことができ、その結果、偏差の小さなふらつき(ノイズ
等)を許容して安定した制御を行うことができる許りで
なく、偏差が大きくふらついた場合には、遅延処理を迅
速に解除して良好な制御精度を確保することができる。
また、作動停止状態の偏差が各遅延処理範囲に入ったと
き、対応する遅延タイマのカウントを開始するものであ
る。つまり、偏差が各遅延処理範囲に入ったときを基準
にして各遅延処理範囲の遅延処理を解除するため、各遅
延処理範囲で相対的な遅延処理を行うことができ、その
結果、偏差のふらつきを可及的に許容して安定性を重視
した制御を行うことができる。また、現在位置する遅延
処理範囲よりも不感帯に近い遅延処理範囲の遅延タイマ
時間が経過したとき、少なくとも現在位置する遅延処理
範囲を解除するものである。つまり、偏差が各遅延処理
範囲に入ったときを基準にして各遅延処理範囲の遅延処
理を解除するにあたり、遅延時間が必要以上に長くなる
ことを回避して制御精度の向上を計ることができる。ま
た、現在位置する遅延処理範囲よりも不感帯に近い遅延
処理範囲を解除するものである。つまり、偏差が不感帯
側の遅延処理範囲に戻ろうとしたとき、直ちにリフトア
ームを作動させるため、遅延時間が必要以上に長くなる
ことを回避して制御精度の向上を計ることができる。ま
た、各遅延処理範囲で遅延タイマ時間が経過したとき、
偏差に応じたデューティ指令を出力するにあたり、不感
帯に隣接する遅延処理範囲で遅延タイマ時間が経過した
場合には、最小デューティ指令を出力するものである。
つまり、不感帯に近い遅延処理範囲では、リフトアーム
をゆっくりと作動させるため、所謂ハンチング現象を防
止して安定性を向上させることができる。また、各遅延
処理範囲で遅延タイマ時間が経過したとき、偏差に応じ
たデューティ指令を出力するにあたり、遅延タイマ時間
が経過した後、偏差に応じたデューティまで徐々に上昇
させるものである。つまり、リフトアームの急激な作動
を防止できるため、作動時に生じるショックを可及的に
小さくすることができる。また、作業機の種類に応じて
各遅延処理範囲または各遅延処理時間を切換えるもので
ある。つまり、作業機毎に偏差のふらつき具合が相違し
たとしても、予め適正な遅延処理範囲または遅延処理時
間を設定しておけば、作業機の種類に拘わらず、良好な
安定性および制御精度を兼ね備えた制御を行うことがで
きる。また、作業機の目標耕深を設定する耕深設定器が
操作されたとき、遅延処理範囲を解除するものである。
つまり、耕深設定器を操作した場合に、直ちにリフトア
ームが作動するため、耕深設定操作時の操作性および設
定精度を向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、1はトラク
タの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降
リンク機構2を介してロータリ等の作業機3が昇降自在
に連結されている。そして、前記作業機3は、リフトロ
ッド4を介して昇降リンク機構2を吊持するリフトアー
ム5の上下揺動に伴って昇降作動する一方、左右何れか
のリフトロッド4に介設されるリフトロッドシリンダ6
の伸縮に伴って左右傾斜するが、これらの基本構成は何
れも従来通りである。
【0006】7は前記リフトアーム5を昇降作動させる
リフトシリンダであって、該リフトシリンダ7は、リフ
トアーム用電磁切換バルブ8のバルブ切換作動に伴って
伸縮作動するが、リフトアーム用電磁切換バルブ8を切
換える伸長用ソレノイド8aおよび縮小用ソレノイド8
bは、インチングパルスに基づく間欠駆動が可能である
ため、インチングパルスのデューティ設定(ON時間/
周期)に基づいてリフトシリンダ7の作動速度を制御す
ることができるようになっている。
【0007】9はマイクロコンピュータを用いて構成さ
れる制御部であって、該制御部9の入力側には、リフト
アーム5の位置を検出するリフトアームセンサ10、リ
ヤカバー3aの揺動角に基づいて耕深を検出する耕深セ
ンサ11、ポジションレバー(作業機対機高さ設定器)
12の操作位置を検出するポジションセンサ13、耕深
自動制御をON−OFFする耕深自動スイッチ14、耕
深自動制御の目標耕深を設定する耕深設定ボリューム
(作業機対地高さ設定器)15、耕深自動制御等の感度
を作業機の種類等に応じて設定する昇降感度設定スイッ
チ16等が入力インタフェース回路を介して接続される
一方、出力側には、リフトアーム用電磁切換バルブ8の
伸長用および縮小用ソレノイド8a、8b等が出力イン
タフェース回路を介して接続されている。
【0008】そして、前記制御部9のメインルーチンに
おいては、後述する昇降遅延タイマのセット、昇降遅延
タイマ経過フラグのリセット、昇降遅延範囲通過フラグ
のリセット等を行う「初期設定」を実行した後、昇降感
度設定スイッチ16の切換位置に応じて昇降遅延タイマ
の設定時間、昇降遅延範囲の幅、比較出力データセット
の制御モード等を切換える「感度セット」、ポジション
センサ値に基づいてポジション目標値をセットする「ポ
ジション制御」、耕深設定ボリューム値に基づいて耕深
目標値をセットする「耕深制御」、耕深設定ボリューム
15の操作をチェックする「耕深設定ボリュームチェッ
ク」、リフトアームセンサ値とポジション目標値との偏
差に応じてリフトアーム昇降指令を出力する「ポジショ
ン比較出力データセット」、耕深センサ値と耕深目標値
との偏差に応じてリフトアーム昇降指令を出力する「耕
深比較出力データセット」等のサブルーチンを繰り返し
実行するようになっており、以下、これらのサブルーチ
ンのうち、「耕深設定ボリュームチェック」、「ポジシ
ョン比較出力データセット」(モード1〜4)および
「耕深比較出力データセット」(モード1〜4)をフロ
ーチャートに基づいて説明する。尚、「ポジション比較
出力データセット」と「耕深比較出力データセット」
は、比較データが相違するものの、基本的な制御概念は
が略同じであるため、ポジション制御の比較データを括
弧書きすることでフローチャートおよび説明を共通化す
る。また、上昇作動時と下降作動時の制御概念は略同一
であるため、下降作動時のフローチャートおよび説明は
省略する。
【0009】「耕深設定ボリュームチェック」では、現
在の耕深設定ボリュームデータと、所定時間毎に耕深設
定ボリュームデータが格納される耕深設定記憶データと
の差を演算すると共に、その演算結果がボロー(負)で
あるか否かを判断し、該判断がYESの場合には演算結
果を2の補数に変換する。そして、前記演算結果を操作
確認データと比較し、その結果、操作確認データよりも
演算結果が大きいと判断した場合には、「耕深比較出力
データセット」の全ての昇降遅延範囲通過フラグをセッ
トするようになっている。つまり、耕深設定ボリューム
15が操作された場合には、後述する昇降遅延処理を解
除して直ちにリフトアーム5を作動させるため、耕深設
定時において良好な応答性、操作性および設定精度を確
保することができるようになっている。
【0010】「比較出力データセット(モード1)」で
は、まず、耕深センサ値と耕深目標値との偏差(リフト
アームセンサ値とポジション目標値との偏差)に基づい
てシリンダ作動方向を判断すると共に、偏差が不感帯か
ら外れているか否かを判断する。そして、偏差が不感帯
内である場合には、昇降遅延タイマ、昇降遅延タイマ経
過フラグおよび昇降遅延範囲通過フラグをリセット(も
しくはクリア)した後、昇降停止指令を出力するが、作
動方向が上昇側で、かつ偏差が不感帯外である場合に
は、下降遅延タイマ、下降遅延タイマ経過フラグおよび
下降遅延範囲通過フラグをリセットした後、上昇側処理
を実行する一方、作動方向が下降側で、かつ偏差が不感
帯外である場合には、上昇遅延タイマ、上昇遅延タイマ
経過フラグおよび上昇遅延範囲通過フラグをリセットし
た後、下降側処理を実行するようになっている。
【0011】前記上昇側処理では、まず、偏差が遅延範
囲(1〜3)であるのか、もしくは遅延範囲外であるの
かを判断する。つまり、不感帯に隣接する偏差範囲に遅
延範囲を設定し、該遅延範囲では、所定の遅延タイマ時
間が経過するまで昇降作動処理(リフトアーム上昇指令
出力)を制限する一方、遅延範囲外では、直ちに昇降作
動処理を実行するため、作動停止時の偏差が不感帯から
外れても、遅延範囲内であればリフトアーム5を停止状
態に維持して頻繁な昇降作動を阻止することができ、ま
た、この状態が所定のタイマ時間継続すると、リフトア
ーム5を不感帯方向に作動させるため、不感帯から外れ
た状態を長時間に亘って容認する不都合を解消すること
ができるようになっている。
【0012】前記遅延範囲は、範囲上限偏差H1〜H3
(H1<H2<H3)が段階的に相違する複数の遅延範
囲1〜3に分割されると共に、不感帯に近い遅延範囲ほ
ど遅延タイマ時間が長く設定されている。即ち、不感帯
から外れても、偏差が比較的小さい場合には、昇降作動
処理を長く遅延して頻繁な昇降作動を阻止する一方、偏
差が大きい場合には、比較的早い段階で遅延処理を解除
して制御精度を確保するようになっている。
【0013】ところで、「比較出力データセット(モー
ド1)」では、偏差が不感帯内のとき、各遅延範囲1〜
3の遅延タイマをクリア(セット)し、偏差が不感帯か
ら外れた状態では、遅延タイマのクリアを実行しないよ
うになっている。つまり、偏差が不感帯から外れたとき
全遅延タイマのカウントを開始するため、偏差が不感帯
から外れたときを基準にして各遅延範囲1〜3の遅延処
理を解除することになる。従って、不感帯を中心とする
絶対的な遅延処理を行うため、偏差の小さなふらつきを
許容して頻繁な作動を阻止することができる一方、偏差
が大きくふらついた場合には、遅延処理を迅速に解除し
て良好な制御精度を確保することができ、その結果、モ
ード1では、制御精度を重視する作業に適した耕深自動
制御(ポジション制御)を実行することができるように
なっている。
【0014】また、前記各遅延範囲1〜3では、対応す
る遅延タイマの経過を判断して遅延タイマ経過フラグを
セットし、以降は遅延タイマ経過フラグの内容を参照し
て遅延解除状態を維持するが、さらに、各遅延範囲1〜
3および遅延範囲外では、通過した遅延範囲1〜3を確
認するための遅延範囲通過フラグをセットするようにな
っている。そして、遅延範囲1では、縮遅延タイマ1が
経過した場合と、縮遅延範囲3の通過フラグがセットさ
れている場合と、縮遅延範囲2の通過フラグがセットさ
れ、かつ縮遅延タイマ2もしくは3の経過フラグがセッ
トされている場合と、縮遅延範囲1の通過フラグがセッ
トされ、かつ縮遅延タイマ2の経過フラグがセットされ
ている場合とに縮遅延タイマ1経過フラグをセットし、
また、遅延範囲2では、縮遅延タイマ2が経過した場合
と、縮遅延タイマ1の経過フラグがセットされている場
合と、縮遅延範囲3の通過フラグがセットされている場
合と、縮遅延範囲2の通過フラグがセットされ、かつ縮
遅延タイマ2の経過フラグがセットされている場合とに
縮遅延タイマ2経過フラグをセットし、またさらに、遅
延範囲3では、縮遅延タイマ3が経過した場合と、縮遅
延タイマ2の経過フラグがセットされている場合と、縮
遅延タイマ1の経過フラグがセットされている場合と、
縮遅延範囲3の通過フラグがセットされている場合とに
縮遅延タイマ2経過フラグをセットするようになってい
る。つまり、偏差が遅延範囲外に達した場合や、遅延タ
イマの経過に基づいて何れかの遅延範囲が解除された場
合には、全ての遅延範囲1〜3を解除するため、不感帯
に向けてリフトアーム5を一旦作動させた後は、偏差の
ふらつき等に拘わらず、偏差が不感帯に入るまで昇降作
動を継続することができるようになっている。
【0015】また、前記各遅延範囲1〜3では、遅延タ
イマが経過した場合に、遅延範囲毎に設定される昇降作
動処理を実行するが、昇降作動処理1では、予め設定さ
れる最小駆動デューティ(使用デューティ範囲の最小
値)を出力するようになっている。つまり、不感帯に近
い遅延範囲1では、リフトアーム5をゆっくりと作動さ
せて所謂ハンチング現象を防止するようになっている。
【0016】一方、遅延範囲2、3において遅延タイマ
が経過した場合には、偏差に基づいて演算される駆動デ
ューティ(偏差に比例)を出力するが、該駆動デューテ
ィを直ちに出力した場合には、作動開始ショックが発生
するため、最小駆動デューティから一定の増加率で増加
する駆動デューティラインと、偏差に基づいて演算され
る駆動デューティラインとを比較し、低い方の駆動デュ
ーティを選択的に出力するようになっている。
【0017】次に、「比較出力データセット(モード
1)」と「比較出力データセット(モード2)」との相
違点を説明する。前記「比較出力データセット(モード
1)」では、前述した様に、偏差が不感帯から外れたと
きに全ての遅延タイマ1〜3のカウントを開始するが、
「比較出力データセット(モード2)」では、偏差が各
遅延範囲1〜3に入るとき、対応する遅延タイマ1〜3
のカウントを開始するようになっている。つまり、偏差
が各遅延範囲1〜3に入ったときを基準にして各遅延範
囲1〜3の遅延処理を解除するため、各遅延範囲1〜3
で相対的な遅延処理を行って偏差のふらつきを可及的に
許容することができ、その結果、モード2では、安定性
を重視する作業に適した耕深自動制御(ポジション制
御)を実行することができるようになっている。
【0018】次に、「比較出力データセット(モード
2)」と「比較出力データセット(モード3)」との相
違点を説明する。前記「比較出力データセット(モード
2)」では、「比較出力データセット(モード1)」と
同様の遅延解除条件を採用しているが、「比較出力デー
タセット(モード3)」では、現遅延範囲よりも不感帯
に近い遅延範囲の遅延タイマが経過したとき、現遅延範
囲を解除するという遅延解除条件が追加されている。つ
まり、偏差が各遅延範囲に入ったときを基準にして各遅
延範囲を解除するにあたり、遅延時間が必要以上に長く
なることを回避することができるため、モード3では、
モード2に比して制御精度を重視する作業に適した耕深
自動制御(ポジション制御)を実行することができるよ
うになっている。
【0019】次に、「比較出力データセット(モード
2)」と「比較出力データセット(モード4)」との相
違点を説明する。前記「比較出力データセット(モード
2)」では、「比較出力データセット(モード1)」と
同様、遅延タイマが経過するまでリフトアーム5を停止
状態に維持するが、「比較出力データセット(モード
4)」では、遅延タイマが経過するまでのあいだ、不感
帯に近い隣接遅延範囲の昇降作動処理を実行するように
なっている。つまり、遅延処理中でも一段階遅い速度で
リフトアーム5を作動させるため、モード4では、モー
ド2に比して制御精度を重視する作業に適した耕深自動
制御(ポジション制御)を実行することができるように
なっている。尚、「比較出力データセット」の各モード
1〜4では、感度(制御精度と安定性とのバランス)が
相違する耕深自動制御(ポジション制御)を実行するこ
とになるが、各モード1〜4において、不感帯幅、遅延
範囲数、遅延範囲幅、遅延タイマ時間、遅延範囲出力デ
ューティ等を調節すれば、作業機、作業条件等に応じて
極めて細やかな感度調節を行うことができるようになっ
ている。
【0020】叙述の如く構成されたものにおいて、作業
機3を昇降させるリフトアーム5を、耕深目標値と耕深
センサ値との偏差(ポジション目標値とポジションセン
サ値との偏差)に基づいて自動的に昇降制御するもので
あるが、作動停止状態の偏差が不感帯から外れても、遅
延範囲内である場合には、所定のタイマ時間が経過する
まで昇降作動を制限するため、頻繁な作動を阻止して良
好な安定性を確保することができ、しかも、タイマ時間
が経過した場合には、リフトアーム5を不感帯に向けて
作動させるため、不感帯から外れた状態を長時間に亘っ
て容認するものに比して制御精度を向上させることがで
きる。
【0021】また、複数の遅延範囲1〜3を多段状に設
定し、不感帯に近い遅延範囲ほど遅延タイマ時間を長く
したため、偏差が小さい場合には、長く遅延して頻繁な
シリンダ作動を阻止することができる一方、偏差が大き
い場合には、短く遅延して良好な制御精度を確保するこ
とができる。
【0022】また、モード1においては、作動停止状態
の偏差が不感帯から外れたときに全遅延タイマ1〜3の
カウントを開始するため、不感帯を中心とする絶対的な
遅延処理を行うことができ、その結果、偏差の小さなふ
らつきを許容して安定した制御を行うことができる許り
でなく、偏差が大きくふらついた場合には、遅延処理を
迅速に解除して良好な制御精度を確保することができ
る。
【0023】また、モード2〜4においては、作動停止
状態の偏差が各遅延範囲1〜3に入るときに対応する遅
延タイマ1〜3のカウントを開始するため、各遅延範囲
1〜3で相対的な遅延処理を行うことができ、その結
果、偏差のふらつきを可及的に許容して安定性を重視し
た制御を行うことができる。
【0024】また、モード3においては、現遅延範囲
2、3よりも不感帯に近い遅延範囲1、2の遅延タイマ
1、2が経過したときに現遅延範囲を解除するため、偏
差が各遅延範囲1〜3に入ったときを基準にして各遅延
範囲1〜3の遅延処理を解除するものでありながら、遅
延時間が必要以上に長くなることを回避して制御精度の
向上を計ることができる。
【0025】また、モード1〜4の遅延範囲1において
は、遅延タイマ1が経過した場合に最小駆動デューティ
を出力するため、リフトアーム5をゆっくりと作動させ
て所謂ハンチング現象を防止することができる。
【0026】また、モード1〜4の遅延範囲2、3にお
いては、遅延タイマ2、3が経過した場合に、偏差に応
じた駆動デューティまで徐々に上昇させるため、作動開
始時のショックを可及的に抑えることができる。
【0027】また、モード4においては、現遅延範囲1
〜3の遅延タイマ1〜3が経過するまで、不感帯に近い
隣接遅延範囲1、2の昇降作動処理を実行するため、遅
延処理中でも一段階遅い速度でリフトアーム5を作動さ
せることができ、その結果、安定性を確保しつつ制御精
度の向上を計ることができる。
【0028】また、作業機3の種類に応じて各遅延範囲
幅や各遅延時間を切換えることが可能であるため、作業
機3毎に偏差のふらつき具合が相違したとしても、予め
適正な遅延範囲幅や遅延時間を設定しておけば、作業機
3の種類に拘わらず、良好な安定性および制御精度を兼
ね備えた制御を行うことができる。
【0029】また、耕深設定ボリューム15が操作され
たとき、全ての遅延範囲1〜3を解除するため、耕深設
定操作時の応答性、操作性および設定精度を向上させる
ことができる。
【0030】尚、本発明は、前記実施形態に限定されな
いものであることは勿論であって、例えば現遅延範囲よ
りも不感帯に近い遅延範囲(通過した遅延範囲)を解除
するようにしてもよい。そしてこの場合には、偏差が不
感帯側の遅延範囲に戻ろうとしたとき、直ちにリフトア
ームを作動させることができるため、遅延時間が必要以
上に長くなることを回避して制御精度の向上を計ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図3】メインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】「耕深設定ボリュームチェック」を示すフロー
チャートである。
【図5】「比較出力データセット(モード1)」を示す
フローチャートである。
【図6】「比較出力データセット(モード1)」の作用
を示すタイミングチャートである。
【図7】「比較出力データセット(モード2)」を示す
フローチャートである。
【図8】「比較出力データセット(モード2)」の作用
を示すタイミングチャートである。
【図9】「比較出力データセット(モード3)」を示す
フローチャートである。
【図10】「比較出力データセット(モード3)」の作
用を示すタイミングチャートである。
【図11】「比較出力データセット(モード4)」を示
すフローチャートである。
【図12】出力デューティを示すタイミングチャートで
ある。
【符号の説明】
1 走行機体 3 作業機 5 リフトアーム 7 リフトシリンダ 8 リフトアーム用電磁切換バルブ 9 制御部 10 リフトアームセンサ 11 耕深センサ 13 ポジションセンサ 15 耕深設定ボリューム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 重治 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 (72)発明者 田村 智志 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機を昇降させるリフトアームと、該
    リフトアームを自動制御する自動制御部とを備え、さら
    に自動制御部には、目標位置と検出位置との偏差を演算
    する偏差演算手段と、偏差が不感帯設定値を越える場合
    にリフトアーム作動指令を出力する作動指令出力手段と
    を設けてなるトラクタにおいて、前記自動制御部に、作
    動停止状態の偏差が不感帯設定値を越え、かつ遅延処理
    範囲設定値以内のとき、所定のタイマ時間が経過するま
    でリフトアーム作動指令の出力制限をする遅延処理手段
    を設けたトラクタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、複数の遅延処理範囲
    を多段状に設定すると共に、不感帯に近い遅延処理範囲
    ほど遅延タイマ時間を長くしたトラクタ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、作動停止状態の偏差
    が不感帯設定値を越えたとき、全遅延タイマのカウント
    を開始するトラクタ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、作動停止状態の偏差
    が各遅延処理範囲に入ったとき、対応する遅延タイマの
    カウントを開始するトラクタ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、現在位置する遅延処
    理範囲よりも不感帯に近い遅延処理範囲の遅延タイマ時
    間が経過したとき、少なくとも現在位置する遅延処理範
    囲を解除するトラクタ。
  6. 【請求項6】 請求項2において、現在位置する遅延処
    理範囲よりも不感帯に近い遅延処理範囲を解除するトラ
    クタ。
  7. 【請求項7】 請求項2において、各遅延処理範囲で遅
    延タイマ時間が経過したとき、偏差に応じたデューティ
    指令を出力するにあたり、不感帯に隣接する遅延処理範
    囲で遅延タイマ時間が経過した場合には、最小デューテ
    ィ指令を出力するトラクタ。
  8. 【請求項8】 請求項2において、各遅延処理範囲で遅
    延タイマ時間が経過したとき、偏差に応じたデューティ
    指令を出力するにあたり、遅延タイマ時間が経過した
    後、偏差に応じたデューティまで徐々に上昇させるトラ
    クタ。
  9. 【請求項9】 請求項2において、作業機の種類に応じ
    て各遅延処理範囲または各遅延処理時間を切換えるトラ
    クタ。
  10. 【請求項10】 請求項1において、作業機の目標耕深
    を設定する耕深設定器が操作されたとき、遅延処理範囲
    を解除するトラクタ。
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