JPH11348073A - 電子モジュール内蔵樹脂成形体及びその成形方法 - Google Patents

電子モジュール内蔵樹脂成形体及びその成形方法

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JPH11348073A
JPH11348073A JP17963098A JP17963098A JPH11348073A JP H11348073 A JPH11348073 A JP H11348073A JP 17963098 A JP17963098 A JP 17963098A JP 17963098 A JP17963098 A JP 17963098A JP H11348073 A JPH11348073 A JP H11348073A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時に電子モジュールの位置ずれや損傷を
生じず、残留応力によるカードのそり変形が発生せず、
100℃の環境に耐えて変形せず、1ショットで4個取
り以上を行うことができる電子モジュール内蔵樹脂成形
体の成形方法及びそれにより得られる電子モジュール内
蔵樹脂成形体、特に薄肉のICカード又はICタグを提
供する。 【解決手段】 樹脂基体内に電子モジュールを内蔵する
樹脂成形体の成形方法で、金型の少なくとも片側のキャ
ビティ内面にフィルムを敷設し、金型内の所定位置に電
子モジュールを載置し、金型キャビティ内にメルトイン
デックスが80〜200のポリブチレンテレフタレート
樹脂またはポリブチレンテレフタレート共重合体樹脂を
射出して上記電子モジュールを該樹脂により一体成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メルトインデック
スが80〜200のポリブチレンテレフタレート樹脂ま
たはその共重合体樹脂を使用して樹脂基体内に電子モジ
ュールを内蔵する電子モジュール内蔵樹脂成形体の成形
方法及びそれにより得られる電子モジュール内蔵樹脂成
形体、特にICカード又はICタグに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】以下、電子モジュール内蔵樹脂成形体と
してICカードを例にとり説明する。ICカードは、カ
ードの樹脂基体内に電子モジュール(メモリIC、CP
U、その他の半導体チップ、配線、アンテナ等の部品が
プリント基板上に組み立てられ、樹脂により封止されて
1チップになっている)を内蔵するものであり、従来の
磁気ストライプ付きカードに比べて著しく記憶容量が大
きく、また高度のコンピューター機能を有する。
【0003】図2は、従来技術によるICカード成形時
の金型及び成形されたICカードの断面構成図である。
図2において、ICカード(1)は、ICカード基体
(2)とその内部に電子モジュール(3)が内蔵されて
おり、(4)及び(5)は上記ICカード基体(2)の
外面にラミネートされたフィルムである。従来、ICカ
ードの射出成形による製造において金型キャビティ(1
3)及び(14)の両内面に樹脂製フィルム(4)、
(5)をセットした後、溶融した樹脂をICカード基体
(2)を形成するために金型キャビティ(13)及び
(14)内の0.3〜0.9mmの狭い空隙に射出す
る。この際、4個取り以上の多数個取りの金型では、樹
脂の注入口(16)からICカード基体(2)の末端、
電子モジュール(3)の折れ曲がり等に迄溶融樹脂を充
填する必要があり、溶融樹脂の流動距離が長くなった
り、加えて細隙部、折れ曲がり部等への樹脂の充填が完
全に、また安定して行われるためには、ABSやPET
のような樹脂では流動性が不足し、完全に樹脂が充填し
ないという問題が発生する。これを補うため成形機の射
出圧力を増加させていくが、フィルムの内面には電子モ
ジュールがマウントされているため過大な圧力をかける
と電子モジュールの位置ずれや損傷を生じてしまう。ま
た、過大な圧力により樹脂に残留応力が発生し、カード
にそり変形が発生するなどの問題も起こる。そのため安
定して運転できるのは1ショットで2個取りまでであ
り、4個取り以上を行うと規格外品が増えるという結果
になってしまう。また、カード使用において、盛夏の自
動車等の車内を考慮すると100℃の環境に耐えて変形
しないことが要求される。ところが従来から用いられて
いるPVC樹脂、フィラー入りPVC樹脂では、高温時
の変形に問題があり、またABS樹脂にしてもこの温度
に長時間さらされると変形の問題が発生する。このよう
に、4個取り以上が可能な適切な成形方法が知られてい
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】成形時に電子モジュー
ルの位置ずれや損傷を生じず、残留応力によるカードの
そり変形が発生せず、100℃の環境に耐えて変形せ
ず、1ショットで4個取り以上を行うことができる電子
モジュール内蔵樹脂成形体の成形方法及びそれにより得
られる電子モジュール内蔵樹脂成形体、特に薄肉のIC
カード又はICタグを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、メルトインデックスが80〜200のポリブ
チレンテレフタレート樹脂またはその共重合体樹脂を使
用することにより、かかる問題点を解決しうることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の第1は、樹脂基体内に電
子モジュールを内蔵する樹脂成形体の成形方法であっ
て、金型の少なくとも片側のキャビティ内面にフィルム
を敷設し、金型内の所定位置に電子モジュールを載置
し、金型キャビティ内にメルトインデックスが80〜2
00のポリブチレンテレフタレート樹脂またはポリブチ
レンテレフタレート共重合体樹脂を射出して上記電子モ
ジュールを該樹脂により一体成形することを特徴とする
電子モジュール内蔵樹脂成形体の成形方法を提供する。
本発明の第2は、一体成形が、樹脂を射出後、金型もし
くは金型キャビティの一部または全体を移動させる射出
圧縮成形により行われる本発明の第1に記載の電子モジ
ュール内蔵樹脂成形体の成形方法を提供する。本発明の
第3は、電子モジュールが予めフィルムの片面に固着さ
れている本発明の第1又は2に記載の電子モジュール内
蔵樹脂成形体の成形方法を提供する。本発明の第4は、
電子モジュール内蔵樹脂成形体が1ショットの射出成形
により4個以上得られる金型を使用して行われる本発明
の第1〜3のいずれかに記載の電子モジュール内蔵樹脂
成形体の成形方法を提供する。本発明の第5は、本発明
の第1〜4のいずれかにより得られた電子モジュール内
蔵樹脂成形体を提供する。本発明の第6は、電子モジュ
ール内蔵樹脂成形体がICカード又はICタグである本
発明の第5に記載の電子モジュール内蔵樹脂成形体を提
供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子モジュール内
蔵樹脂成形体の成形方法を多数個取りICカードの成形
方法を例にして、詳しく説明する。図1は、本発明の一
実施例による多数個取り(1ショットの射出成形により
4個以上得られる)ICカードの成形例を示す図であ
る。図2は従来技術によるICカード成形時の金型及び
成形されたICカードの断面構成図であるが、本発明の
成形方法における一例として、簡単のためにICカード
の1個の部分については図2を使用して説明することが
できる。また図2では、簡単のために1枚のICカード
中に1個の電子モジュールを内蔵する例を示すが、複数
個を内蔵してもよい。
【0008】図2において、上金型(11)及び下金型
(12)はぞれぞれその中央部に凹部上金型キャビティ
(13)及び下金型キャビティ(14)を有し、該両金
型を型合わせしたとき、その両キャビティ(13)及び
(14)によりICカード(1)と同形状の空間が形成
されるようになっている。上金型キャビティ(13)及
び下金型キャビティ(14)の内面にフィルム(4)及
び(5)を敷設し、フィルム(5)の上に電子モジュー
ル(3)が載置される。上記上金型(11)及び/又は
下金型(12)には、フィルム(4)及び(5)あるい
は電子モジュール(3)の載置される個所に吸脱着用の
孔(17)が設けられており、この吸脱着用の孔は真空
ポンプ(図示せず)に接続されており、吸引により、樹
脂を注入する際にフィルム(4)及び(5)あるいは電
子モジュール(3)が所定の位置からずれないようにす
る。カード基体(2)の成形用の樹脂(6)は射出成形
機(15)から注入口(16)を経て、金型キャビティ
内に射出注入される。この場合には、カード基体(2)
の中に電子モジュール(3)が内蔵され、フィルム
(4)及び(5)がラミネートされたICカード(1)
が一体成形される。冷却後、前記吸脱着用孔(17)を
介して圧縮空気を送気し、型から一体成形されたICカ
ード(1)が4枚繋がった成形体(図1の多数個取りに
相当する)を取り出し、切り離して4枚のICカード
(1)が得られる。射出圧縮成形における一例を、同じ
く図2により説明することができる。樹脂を射出する前
に、上金型キャビティ(13)を構成するキャビティの
一部(13a)を移動させて所望の厚みより大きい空間
を準備し、その空間に樹脂を射出後金型のキャビティが
小さくなるように、キャビティの一部(13a)を移動
させることにより、成形体が所望の厚みになるように一
体成形される。この方法によれば、厚みの大きな電子モ
ジュールを一体成形する時にも充填不良のない一体成形
品を得ることができる。
【0009】本発明では、電子モジュール(3)を、例
えば予めフィルム(5)上の所定位置に、接着または融
着等により固着したものを、下金型キャビティ(12)
内の所定位置に敷設してもよい。この場合には、電子モ
ジュールの内蔵されたフィルム(5)がラミネートされ
たICカード(4)が一体成形される。また、上金型又
は下金型のどちらか一方のみキャビティを有する金型を
用いることもできる。また、予めキャビティ毎にフィル
ムを施設するのではなく、1枚もしくは数枚のフィルム
を多数個並べられたキャビティに施設することもでき
る。
【0010】また、本発明では、金型キャビティの内面
にフィルムを敷設せず、電子モジュール(3)を下金型
キャビティ(12)内の所定位置に直接載置して、樹脂
を注入し、電子モジュールの内蔵されたカード基体
(2)を成形した後、カード基体(2)の片面及び/又
は両面にフィルムをラミネートしてもよい。
【0011】上記射出成形用樹脂としては、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)樹脂またはポリブチレンテ
レフタレート共重合体樹脂が好ましい。しかしながら単
に流動性がよいのみでは不十分で、成形中又はICカー
ドを使用中に力がかかったときに、変形しないように、
機械強度が必要となるため分子量分布の範囲が限られ
る。特にメルトインデックス(MI:235℃で荷重
2.16kgを加えた場合の、径2.095mmのノズ
ルからの10分間の樹脂の押出量g)が80〜200の
ポリブチレンテレフタレート樹脂またはポリブチレンテ
レフタレート共重合体樹脂が好ましい。ポリブチレンテ
レフタレート共重合体樹脂としては、テレフタール酸、
及び必要に応じて、イソフタール酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸と、グリコ
ール成分として1,4−ブタンジオール、及び必要に応
じて、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなジオ
ールからなる共重合体樹脂が挙げられる。このような樹
脂を使用することにより、流れが良く、載置されたIC
チップやアンテナ等からなる電子モジュールの位置ずれ
を生じず、また成形樹脂の残留応力による変形も起こさ
ずに、多数個取りの金型に安定して充填することができ
る。特に、フィルム上に電子モジュールを固着させたも
のを使用する場合にはこのような樹脂を使用することが
好ましい。また、この樹脂は前述の100℃の環境でも
問題ない。よってメルトインデックスが80〜200の
ポリブチレンテレフタレート樹脂またはその共重合体を
用いることにより成形時の変形も生じず多数個取りの安
定した成形ができ、かつ成形品の耐熱性や機械強度も満
足できる。
【0012】実際には、一つの金型には、1ショット
で、例えば4個のICカードが成形できるようになって
いる。従来のものでは、高々2個取りが限界であったの
に比べて、本発明では3個取り〜36個取りまで、好ま
しくは4個取り〜16個取りまで行うことができる。
【0013】上記カード基体の片面又は両面にフィルム
をラミネートする時のフィルムとしては適切なあらゆる
種類のものが使用できるが、例えば、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート共重合体
樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート共重合体樹脂、ポリブチレン
ナフタレート(PBN)樹脂またはポリブチレンナフタ
レート共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、
ポリカーボネート(PC)、各種ナイロン、ポリイミ
ド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアリレート等が挙げら
れる。フィルムの材質は電子モジュールのプリント基板
に融着される場合、プリント基板と融着しやすい樹脂が
好ましい。また、フィルム上に電子モジュールを固着さ
せたものを使用する場合には、フィルムの材質は、上記
樹脂が使用できるとともに、カード基体と同一の種類の
樹脂であるポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート共重合体樹脂を含む樹脂、例えばP
BT単独又はABSとPBTとの混合樹脂も使用でき
る。この場合はフィルム構成樹脂のメルトインデックス
は特には制限されない。
【0014】以上、本発明をICカードを例にして説明
したが、ICカードのみならず、例えばICタグのよう
に、電子モジュールを樹脂と一体成形する場合には、本
発明が使用できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】[実施例1〜2、及び比較例1〜3]射出成
形機、4個取りの金型、表1に示す種類の電子モジュー
ル内蔵用樹脂、ICカード用電子モジュール(長さ5m
m×横5mm×厚さ0.2mm)、表1に示す種類の厚
さ0.1mmのフィルム2枚を上下金型キャビティ内に
敷設し、220℃、90kgf/cm2で樹脂を注入し
てICカードを成形した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、1ショットでICカー
ドのような電子モジュール内蔵樹脂成形体を4個取り以
上で射出成形することができて、成形時に電子モジュー
ルが位置ずれや損傷を起こさず、成形時の残留応力によ
るカードのそり変形が発生せず、100℃×24時間の
環境に耐えて変形しない電子モジュール内蔵樹脂成形体
の成形方法及びそれにより得られる電子モジュール内蔵
樹脂成形体、特に薄肉のICカードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一例による多数個取りICカ
ードの成形例を示す図である。
【図2】図2は従来技術によるICカード成形時の金型
及び成形されたICカードの断面構成図である。
【符号の説明】 1 ICカード 2 カード基体 3 電子モジュール 4 フィルム 5 フィルム 6 樹脂 11 上金型 12 下金型 13 上金型キャビティ 13a 金型キャビティの一部 14 下金型キャビティ 15 射出成形機 16 注入口 17 吸脱着用孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基体内に電子モジュールを内蔵する
    樹脂成形体の成形方法であって、金型の少なくとも片側
    のキャビティ内面にフィルムを敷設し、金型内の所定位
    置に電子モジュールを載置し、金型キャビティ内にメル
    トインデックスが80〜200のポリブチレンテレフタ
    レート樹脂またはポリブチレンテレフタレート共重合体
    樹脂を射出して上記電子モジュールを該樹脂により一体
    成形することを特徴とする電子モジュール内蔵樹脂成形
    体の成形方法。
  2. 【請求項2】 一体成形が、樹脂を射出後、金型もしく
    は金型キャビティの一部または全体を移動させる射出圧
    縮成形により行われる請求項1に記載の電子モジュール
    内蔵樹脂成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】 電子モジュールが予めフィルムの片面に
    固着されている請求項1又は2に記載の電子モジュール
    内蔵樹脂成形体の成形方法。
  4. 【請求項4】 電子モジュール内蔵樹脂成形体が1ショ
    ットの射出成形により4個以上得られる金型を使用して
    行われる請求項1〜3のいずれかに記載の電子モジュー
    ル内蔵樹脂成形体の成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにより得られた
    電子モジュール内蔵樹脂成形体。
  6. 【請求項6】 電子モジュール内蔵樹脂成形体がICカ
    ード又はICタグである請求項5に記載の電子モジュー
    ル内蔵樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AT506069B1 (de) * 2008-07-02 2009-06-15 Engel Austria Gmbh Spritzgiesseinrichtung mit einer öffen- und schliessbaren form
JP2010052271A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Mitsubishi Electric Corp 繊維強化樹脂成形体の製造装置及び製造方法
CN102814932A (zh) * 2012-09-03 2012-12-12 晟扬精密模具(昆山)有限公司 Sd卡成型模具
JP2013032014A (ja) * 2012-10-01 2013-02-14 Mitsubishi Electric Corp 繊維強化樹脂成形体の製造装置

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