JPH1150146A - エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法 - Google Patents
エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法Info
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- JPH1150146A JPH1150146A JP22202497A JP22202497A JPH1150146A JP H1150146 A JPH1150146 A JP H1150146A JP 22202497 A JP22202497 A JP 22202497A JP 22202497 A JP22202497 A JP 22202497A JP H1150146 A JPH1150146 A JP H1150146A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 画像の局部的な鮮明度の低下をもたらすスジ
むら等のエッチング不良が発生せず、かつ高精度のエッ
チング加工が可能な電子部品用低熱膨張合金の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 Ni:30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金からなり、造塊法で溶製された角柱状鋼塊
または連続鋳造法で溶製された角柱状スラブの断面形状
を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向の辺
の長さbの比b/aが0.6以上となるようにし、圧下
率が50%以上の分塊圧延または鍛造を行い、その後熱
間圧延および冷間圧延する。
むら等のエッチング不良が発生せず、かつ高精度のエッ
チング加工が可能な電子部品用低熱膨張合金の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 Ni:30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金からなり、造塊法で溶製された角柱状鋼塊
または連続鋳造法で溶製された角柱状スラブの断面形状
を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向の辺
の長さbの比b/aが0.6以上となるようにし、圧下
率が50%以上の分塊圧延または鍛造を行い、その後熱
間圧延および冷間圧延する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスクや
リードフレーム等の微細なエッチング加工を施す電子部
品に使用される低熱膨張合金薄板に関し、特に、コンピ
ューターディスプレイに使用される高精細用シャドウマ
スクとして好適なエッチング性に優れた低熱膨張合金の
製造方法に関する。
リードフレーム等の微細なエッチング加工を施す電子部
品に使用される低熱膨張合金薄板に関し、特に、コンピ
ューターディスプレイに使用される高精細用シャドウマ
スクとして好適なエッチング性に優れた低熱膨張合金の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスクやリードフレーム等の電
子部品は一般にエッチング加工が施されて使用される。
この際に、エッチング速度が速く、かつエッチング後の
孔の端部形状と寸法精度に優れたエッチング性の高い材
料が要求されている。
子部品は一般にエッチング加工が施されて使用される。
この際に、エッチング速度が速く、かつエッチング後の
孔の端部形状と寸法精度に優れたエッチング性の高い材
料が要求されている。
【0003】以下、シャドウマスクを例にとって説明す
る。シャドウマスクはテレビジョンのブラウン管に使用
されており、電子銃から発射された電子ビームをガラス
体によって支持された蛍光面上の所定の位置に正確に照
射して特定の色調を与えるための多数の細孔を有してい
る。この場合に、発射された電子ビームのうち細孔を通
過して蛍光体に照射されるのは約2割であり、残りの8
割はシャドウマスクに衝突するため、シャドウマスクは
蛍光面を支持するガラス体に比較して高温になる。その
上、シャドウマスク用素材として従来より用いられてき
た底炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼等の軟鋼板
は、蛍光面を支持するガラス体に比べて熱膨張率がはる
かに大きいため、これらの間に位置ずれが生じて電子ビ
ームを蛍光面上の所定の位置へ正確に照射することがで
きなくなり、画像が不鮮明になることが多かった。
る。シャドウマスクはテレビジョンのブラウン管に使用
されており、電子銃から発射された電子ビームをガラス
体によって支持された蛍光面上の所定の位置に正確に照
射して特定の色調を与えるための多数の細孔を有してい
る。この場合に、発射された電子ビームのうち細孔を通
過して蛍光体に照射されるのは約2割であり、残りの8
割はシャドウマスクに衝突するため、シャドウマスクは
蛍光面を支持するガラス体に比較して高温になる。その
上、シャドウマスク用素材として従来より用いられてき
た底炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼等の軟鋼板
は、蛍光面を支持するガラス体に比べて熱膨張率がはる
かに大きいため、これらの間に位置ずれが生じて電子ビ
ームを蛍光面上の所定の位置へ正確に照射することがで
きなくなり、画像が不鮮明になることが多かった。
【0004】画像が不鮮明になることを防止するため
に、シャドウマスクの懸架位置となる支持体の構造を工
夫して、上記位置ずれを補償することも試みられている
が、必ずしも十分とはいえない。さらに近年は、テレビ
ジョン画面の大型化、高品位化や高輝度化に伴って、こ
れらの位置ずれの問題が顕在化している。
に、シャドウマスクの懸架位置となる支持体の構造を工
夫して、上記位置ずれを補償することも試みられている
が、必ずしも十分とはいえない。さらに近年は、テレビ
ジョン画面の大型化、高品位化や高輝度化に伴って、こ
れらの位置ずれの問題が顕在化している。
【0005】そこで、シャドウマスク用素材として、低
熱膨張材料である36wt%Niを含有するFe−Ni
系合金の使用が拡大している。この合金は従来の低炭素
鋼に比べて熱膨張係数が約1/10と小さく、高輝度画
面における電子ビームの加熱に対してもその低膨張性は
維持されるため、この材料を素材として作製されたシャ
ドウマスクでは、熱膨張による色ずれは生じにくい。
熱膨張材料である36wt%Niを含有するFe−Ni
系合金の使用が拡大している。この合金は従来の低炭素
鋼に比べて熱膨張係数が約1/10と小さく、高輝度画
面における電子ビームの加熱に対してもその低膨張性は
維持されるため、この材料を素材として作製されたシャ
ドウマスクでは、熱膨張による色ずれは生じにくい。
【0006】シャドウマスク用Fe−Ni系合金薄板
は、通常、連続鋳造法または造塊法によって合金鋼塊を
調整し、次いで分塊圧延、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍を
施して製造される。この合金薄板にフォトエッチング加
工により電子ビームの通過孔を形成した後、焼鈍、成型
加工および黒化処理等の各工程を施すことによりシャド
ウマスクが製造される。
は、通常、連続鋳造法または造塊法によって合金鋼塊を
調整し、次いで分塊圧延、熱間圧延、冷間圧延、焼鈍を
施して製造される。この合金薄板にフォトエッチング加
工により電子ビームの通過孔を形成した後、焼鈍、成型
加工および黒化処理等の各工程を施すことによりシャド
ウマスクが製造される。
【0007】しかし、Fe−Ni系合金薄板を素材とす
るシャドウマスクは、優れた低熱膨張特性を有する一方
で、エッチング性に劣るため、フォトエッチング加工で
良好な孔形状を得ることは困難であり、エッチング不良
により局部的に画像の鮮明度不良を生じることがある。
そこで、このFe−Ni系合金薄板についてエッチング
性を改善する試みがなされている。
るシャドウマスクは、優れた低熱膨張特性を有する一方
で、エッチング性に劣るため、フォトエッチング加工で
良好な孔形状を得ることは困難であり、エッチング不良
により局部的に画像の鮮明度不良を生じることがある。
そこで、このFe−Ni系合金薄板についてエッチング
性を改善する試みがなされている。
【0008】例えば、特公昭59−32859号公報で
は、フォトエッチング加工後の孔形状をシャドウマスク
全面にわたって均一にするためには、エッチング面の結
晶方位の不揃いを防いで、エッチング速度を一定にする
必要があるとして{100}結晶面の配向度を35%以
上とすることによって改善を図っている。
は、フォトエッチング加工後の孔形状をシャドウマスク
全面にわたって均一にするためには、エッチング面の結
晶方位の不揃いを防いで、エッチング速度を一定にする
必要があるとして{100}結晶面の配向度を35%以
上とすることによって改善を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
テレビジョン画面の大型化およびコンピューターのディ
スプレイへの適用拡大にともない画像のきめ細かさや高
輝度化への要求が一段と高まってきており、このために
電子ビームの通過孔をより高輝度に穿孔するようなエッ
チング加工が必要となってきている。
テレビジョン画面の大型化およびコンピューターのディ
スプレイへの適用拡大にともない画像のきめ細かさや高
輝度化への要求が一段と高まってきており、このために
電子ビームの通過孔をより高輝度に穿孔するようなエッ
チング加工が必要となってきている。
【0010】特に、コンピューターディスプレイに使用
される高精細のシャドウマスクでは主として板厚0.1
5mm以下の素材が使用され、例えば直径120μm
の孔が270μmピッチで穿孔されており、さらなるフ
ァインピッチ化も試行されている。
される高精細のシャドウマスクでは主として板厚0.1
5mm以下の素材が使用され、例えば直径120μm
の孔が270μmピッチで穿孔されており、さらなるフ
ァインピッチ化も試行されている。
【0011】このような微細な孔をエッチング面内にお
いて精度よく穿孔するために、エッチング技術の向上と
ともに、素材の材質の向上が図られてきたが、依然とし
て局部的なエッチング不良に起因する孔形状の不良が発
生しており、画像の局部的な鮮明度不良の一因となって
いる。
いて精度よく穿孔するために、エッチング技術の向上と
ともに、素材の材質の向上が図られてきたが、依然とし
て局部的なエッチング不良に起因する孔形状の不良が発
生しており、画像の局部的な鮮明度不良の一因となって
いる。
【0012】このエッチング不良は、マスク部において
合金薄板の圧延方向に沿った微細な線状のむらとして観
察され、「スジむら」と呼ばれている。このスジむらの
多くは数十μm〜数mmの幅を有し、マスク部の一辺か
ら対辺に達する。これまでNiの偏析あるいは不純物の
偏析によりスジむらが発生することが知られており、ス
ジむらを抑制するために均熱による偏析拡散処理に関し
ていくつかの技術が提案されている。
合金薄板の圧延方向に沿った微細な線状のむらとして観
察され、「スジむら」と呼ばれている。このスジむらの
多くは数十μm〜数mmの幅を有し、マスク部の一辺か
ら対辺に達する。これまでNiの偏析あるいは不純物の
偏析によりスジむらが発生することが知られており、ス
ジむらを抑制するために均熱による偏析拡散処理に関し
ていくつかの技術が提案されている。
【0013】例えば、特開平2−5474号公報では、
スジむらがC、Si、Mn、Cr等の不純物元素の偏
析、あるいは鋳造時の凝固組織により発生するものと
し、0.001〜0.03wt%のBを添加するととも
に、特定条件でスラブを加熱することにより偏析を阻止
し、柱状晶組織を低減してスジむらの抑制を図ってい
る。しかし、実際には、例えばシャドウマスクのように
微細なエッチング加工と低熱膨張が要求される材料で
は、特性を劣化させないためにC、Si、Mn、Cr等
の元素は合計しても1wt%に満たない量に極力低減し
ており、このような偏析によるスジむらは生じ得ず、こ
の技術はFe−36%Ni合金薄板で発生するスジむら
を解消するものではない。一方で、シャドウマスクの黒
化処理では0.02wt%を超えてBが存在すると、黒
化むらが発生して局部的な色ずれが生じる。
スジむらがC、Si、Mn、Cr等の不純物元素の偏
析、あるいは鋳造時の凝固組織により発生するものと
し、0.001〜0.03wt%のBを添加するととも
に、特定条件でスラブを加熱することにより偏析を阻止
し、柱状晶組織を低減してスジむらの抑制を図ってい
る。しかし、実際には、例えばシャドウマスクのように
微細なエッチング加工と低熱膨張が要求される材料で
は、特性を劣化させないためにC、Si、Mn、Cr等
の元素は合計しても1wt%に満たない量に極力低減し
ており、このような偏析によるスジむらは生じ得ず、こ
の技術はFe−36%Ni合金薄板で発生するスジむら
を解消するものではない。一方で、シャドウマスクの黒
化処理では0.02wt%を超えてBが存在すると、黒
化むらが発生して局部的な色ずれが生じる。
【0014】また特開昭60−128253号公報で
は、スジむらの発生原因はNiの成分偏析であり、Fe
−Ni系合金鋼塊を850℃〜融点以下の温度で加熱
し、1ヒートまたは2ヒート以上で40%以上の断面減
少率で鍛造することによりNi偏析を改善することで、
エッチング孔形状を良くし、スジむらをなくす方法を提
案している。しかし、より微細なエッチング孔を高密度
に穿孔する必要のあるコンピューターディスプレイ用の
シャドウマスクでは、単に断面現象率を40%以上とす
るだけではスジむらを解消することができない。
は、スジむらの発生原因はNiの成分偏析であり、Fe
−Ni系合金鋼塊を850℃〜融点以下の温度で加熱
し、1ヒートまたは2ヒート以上で40%以上の断面減
少率で鍛造することによりNi偏析を改善することで、
エッチング孔形状を良くし、スジむらをなくす方法を提
案している。しかし、より微細なエッチング孔を高密度
に穿孔する必要のあるコンピューターディスプレイ用の
シャドウマスクでは、単に断面現象率を40%以上とす
るだけではスジむらを解消することができない。
【0015】また特公平06−68128号公報では、
スジむらの発生原因は成分偏析が最も支配的であると
し、1350℃以下の温度範囲でlogt≧8.28−
6.09×10−3T(ただしtは保定時間(hr)、
Tは材料温度)で熱処理することを提案している。しか
し、この技術では、鋼塊あるいはスラブの形状および断
減少率を考慮しておらず、この技術において扁平な鋼塊
またはスラブを使用すると、鋼板の幅をwとした場合に
1/2w〜1/4wでスジむらが発生する。
スジむらの発生原因は成分偏析が最も支配的であると
し、1350℃以下の温度範囲でlogt≧8.28−
6.09×10−3T(ただしtは保定時間(hr)、
Tは材料温度)で熱処理することを提案している。しか
し、この技術では、鋼塊あるいはスラブの形状および断
減少率を考慮しておらず、この技術において扁平な鋼塊
またはスラブを使用すると、鋼板の幅をwとした場合に
1/2w〜1/4wでスジむらが発生する。
【0016】以上述べたように、上記いずれの技術を用
いてもFe−36%Ni合金薄板で発生するようなエッ
チング加工によるスジむらを克服することができず、む
しろ画像の高品位化に伴って、スジむら等のエッチング
不良は増加する傾向にあり、その対策が求められてい
る。
いてもFe−36%Ni合金薄板で発生するようなエッ
チング加工によるスジむらを克服することができず、む
しろ画像の高品位化に伴って、スジむら等のエッチング
不良は増加する傾向にあり、その対策が求められてい
る。
【0017】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、画像の局部的な鮮明度の低下をもたらすス
ジむら等のエッチング不良が発生せず、かつ高精度のエ
ッチング加工が可能な電子部品用低熱膨張合金の製造方
法を提供することを目的とする。
のであって、画像の局部的な鮮明度の低下をもたらすス
ジむら等のエッチング不良が発生せず、かつ高精度のエ
ッチング加工が可能な電子部品用低熱膨張合金の製造方
法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Fe−N
i系低熱膨張合金薄板のエッチング性について種々検討
を行った結果、上述のスジむらをはじめとするエッチン
グ不良が、Niミクロ偏析の濃度変動量だけでなく、鋼
板内部での柱状晶の形態にも影響されることを見出し
た。
i系低熱膨張合金薄板のエッチング性について種々検討
を行った結果、上述のスジむらをはじめとするエッチン
グ不良が、Niミクロ偏析の濃度変動量だけでなく、鋼
板内部での柱状晶の形態にも影響されることを見出し
た。
【0019】図1は、板厚3.0mmの熱延板におい
て、圧延方向と垂直断面のミクロ組織を示したものであ
る。腐食液として10%塩化第二鉄溶液を使用した。鋼
Aは、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向の
辺の長さbの比b/a=0.13の角形鋼塊を1250
℃×40時間で均熱処理し、圧下率20%で分塊圧延し
た場合の代表例であるが、板圧方向に斜めに延びた柱状
晶組織が存在する。一方、鋼Bは、b/a=0.91の
角形鋼塊を同一条件で均熱処理し、圧下率75%で分塊
圧延した場合の代表例であるが、柱状晶組織は平行とな
る。鋼Aと鋼Bに熱間圧延、冷間圧延および焼鈍を施
し、調質圧延、歪み取り焼鈍し、板厚0.12mmの薄
板としたものをエッチング加工すると、鋼Aではスジむ
らが発生したのに対し、鋼Bではスジむらは発生しなか
った。
て、圧延方向と垂直断面のミクロ組織を示したものであ
る。腐食液として10%塩化第二鉄溶液を使用した。鋼
Aは、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向の
辺の長さbの比b/a=0.13の角形鋼塊を1250
℃×40時間で均熱処理し、圧下率20%で分塊圧延し
た場合の代表例であるが、板圧方向に斜めに延びた柱状
晶組織が存在する。一方、鋼Bは、b/a=0.91の
角形鋼塊を同一条件で均熱処理し、圧下率75%で分塊
圧延した場合の代表例であるが、柱状晶組織は平行とな
る。鋼Aと鋼Bに熱間圧延、冷間圧延および焼鈍を施
し、調質圧延、歪み取り焼鈍し、板厚0.12mmの薄
板としたものをエッチング加工すると、鋼Aではスジむ
らが発生したのに対し、鋼Bではスジむらは発生しなか
った。
【0020】熱延板の断面で認められる柱状晶組織は、
消えることはなく、熱延以降の冷間圧延と焼鈍を経て、
薄い板状の偏析組織が積み重ねられたものとして存在す
る。この柱状晶組織の樹枝はFe濃化であり、樹間はN
i濃化となり、エッチングの際に溶解量が異なるため孔
界面に凹凸を生じ、光の反射状態が変化するため、スジ
ムラとして認識されることとなる。
消えることはなく、熱延以降の冷間圧延と焼鈍を経て、
薄い板状の偏析組織が積み重ねられたものとして存在す
る。この柱状晶組織の樹枝はFe濃化であり、樹間はN
i濃化となり、エッチングの際に溶解量が異なるため孔
界面に凹凸を生じ、光の反射状態が変化するため、スジ
ムラとして認識されることとなる。
【0021】すなわち、扁平な鋼塊またはスラブを用い
ると、たとえ断面減少率を高くしたとしても、柱状晶組
織が斜めに残存してスジむらが発生しやすくなるのであ
って、柱状晶組織を平行に残存させるためには、用いる
鋼塊またはスラブの形状と圧下率の両方を制御する必要
がある。
ると、たとえ断面減少率を高くしたとしても、柱状晶組
織が斜めに残存してスジむらが発生しやすくなるのであ
って、柱状晶組織を平行に残存させるためには、用いる
鋼塊またはスラブの形状と圧下率の両方を制御する必要
がある。
【0022】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであり、第1に、Ni:30〜45wt%を
含有するFe−Ni系合金からなり、造塊法で溶製され
た角柱状鋼塊または連続鋳造法で溶製された角柱状スラ
ブの断面形状を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する
圧延方向の辺の長さbの比b/aが0.6以上となるよ
うにし、圧下率が50%以上の分塊圧延または鍛造を行
い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特徴とす
る、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製
造方法を提供するものである。
されたものであり、第1に、Ni:30〜45wt%を
含有するFe−Ni系合金からなり、造塊法で溶製され
た角柱状鋼塊または連続鋳造法で溶製された角柱状スラ
ブの断面形状を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する
圧延方向の辺の長さbの比b/aが0.6以上となるよ
うにし、圧下率が50%以上の分塊圧延または鍛造を行
い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特徴とす
る、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製
造方法を提供するものである。
【0023】第2に、Ni:20〜40wt%、Co:
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%であるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で
溶製された角柱状鋼塊または連続鋳造法で溶製された角
柱状スラブの断面形状を、圧延方向に垂直な辺の長さa
に対する圧延方向の辺の長さbの比b/aが0.6以上
となるようにし、圧下率が50%以上の分塊圧延または
鍛造を行い、その後熱間圧延および冷間圧延することを
特徴とする、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張
合金の製造方法を提供するものである。
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%であるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で
溶製された角柱状鋼塊または連続鋳造法で溶製された角
柱状スラブの断面形状を、圧延方向に垂直な辺の長さa
に対する圧延方向の辺の長さbの比b/aが0.6以上
となるようにし、圧下率が50%以上の分塊圧延または
鍛造を行い、その後熱間圧延および冷間圧延することを
特徴とする、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張
合金の製造方法を提供するものである。
【0024】第3に、Ni:30〜45wt%を含有す
るFe−Ni系合金からなり、造塊法で円柱状鋼塊を溶
製し、圧下率が20%以上の分塊圧延または鍛造を行
い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特徴とす
る、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製
造方法を提供するものである。
るFe−Ni系合金からなり、造塊法で円柱状鋼塊を溶
製し、圧下率が20%以上の分塊圧延または鍛造を行
い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特徴とす
る、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製
造方法を提供するものである。
【0025】第4に、Ni:20〜40wt%、Co:
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%であるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で
円柱状鋼塊を溶製し、圧下率が20%以上の分塊圧延ま
たは鍛造を行い、その後熱間圧延および冷間圧延するこ
とを特徴とする、エッチング性に優れた電子部品用低熱
膨張合金の製造方法を提供するものである。
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%であるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で
円柱状鋼塊を溶製し、圧下率が20%以上の分塊圧延ま
たは鍛造を行い、その後熱間圧延および冷間圧延するこ
とを特徴とする、エッチング性に優れた電子部品用低熱
膨張合金の製造方法を提供するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、電子部品の性能を低下させる
寸法変化や位置ずれが生じないような十分な低熱膨張性
を得るために、Niを30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金を用いる。このような合金を用いることに
より、室温〜100℃の平均熱膨張係数が2.0×10
-6/℃以下の低熱膨張が実現される。
する。本発明においては、電子部品の性能を低下させる
寸法変化や位置ずれが生じないような十分な低熱膨張性
を得るために、Niを30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金を用いる。このような合金を用いることに
より、室温〜100℃の平均熱膨張係数が2.0×10
-6/℃以下の低熱膨張が実現される。
【0027】また、本発明の他の形態においては、7w
t%以下のCoを添加したFe−Ni−Co系合金を用
いる。この場合には、Ni:20〜40wt%、Co:
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%である。このような組成の合金を用いることによ
り、上記Fe−Ni系合金と同様の低熱膨張性を得るこ
とができる。Coが7wt%を超えるとエッチング性が
著しく低下するため、Co量の上限を7wt%とする。
t%以下のCoを添加したFe−Ni−Co系合金を用
いる。この場合には、Ni:20〜40wt%、Co:
7wt%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40w
t%である。このような組成の合金を用いることによ
り、上記Fe−Ni系合金と同様の低熱膨張性を得るこ
とができる。Coが7wt%を超えるとエッチング性が
著しく低下するため、Co量の上限を7wt%とする。
【0028】本発明の合金は、上記元素の他に、本発明
の効果が損なわれない範囲であればSi、Mn、B、
N、Oを含有してもよいが、Si≦0.07wt%、M
n≦0.5wt%、B≦0.02wt%、N≦0.00
5wt%、O≦0.002wt%の範囲に制限すること
が望ましい。
の効果が損なわれない範囲であればSi、Mn、B、
N、Oを含有してもよいが、Si≦0.07wt%、M
n≦0.5wt%、B≦0.02wt%、N≦0.00
5wt%、O≦0.002wt%の範囲に制限すること
が望ましい。
【0029】これらの元素のうち、Siは溶鋼の脱酸元
素として使用することができるが、過剰に存在すると黒
化処理において板表層に濃化し、均質で黒色の酸化膜形
成を阻害するため0.07wt%以下であることが望ま
しい。Mnは良好な熱間加工性を確保する上で有用であ
るが、過剰に存在するとエッチング性を低下させ、また
黒化処理において板の表層に濃化し、均質で黒色の酸化
膜形成を阻害するため、0.5wt%以下であることが
望ましい。Bは熱間加工性の向上やスケール生成を抑制
する効果があるが、過剰に存在すると黒化処理において
板の表層に濃化し、均質で黒色の酸化膜形成を阻害する
ため、0.02wt%以下とすることが望ましい。Nは
プレス加工性の劣化やエッチング性の劣化をもたらすた
め、0.005wt%以下とすることが望ましい。Oは
プレス前の軟質化焼鈍時に結晶粒の成長を阻害し、プレ
ス成形性を劣化させるので、0.002wt%以下であ
ることが望ましい。
素として使用することができるが、過剰に存在すると黒
化処理において板表層に濃化し、均質で黒色の酸化膜形
成を阻害するため0.07wt%以下であることが望ま
しい。Mnは良好な熱間加工性を確保する上で有用であ
るが、過剰に存在するとエッチング性を低下させ、また
黒化処理において板の表層に濃化し、均質で黒色の酸化
膜形成を阻害するため、0.5wt%以下であることが
望ましい。Bは熱間加工性の向上やスケール生成を抑制
する効果があるが、過剰に存在すると黒化処理において
板の表層に濃化し、均質で黒色の酸化膜形成を阻害する
ため、0.02wt%以下とすることが望ましい。Nは
プレス加工性の劣化やエッチング性の劣化をもたらすた
め、0.005wt%以下とすることが望ましい。Oは
プレス前の軟質化焼鈍時に結晶粒の成長を阻害し、プレ
ス成形性を劣化させるので、0.002wt%以下であ
ることが望ましい。
【0030】上記成分組成の低熱膨張合金薄板を得るた
めに、本発明においては、まず、上記成分組成の合金を
転炉または電気炉で溶解し、連続鋳造法あるいは造塊法
でスラブ(連続鋳造法の場合)または鋼塊(造塊法の場
合)を製造する。この場合に、スラブまたは鋼塊の断面
形状を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向
の辺の長さbの比b/aが0.6以上となるようにし、
圧下率が50%以上とすの分塊圧延または鍛造を行って
厚さ120〜300mmとする。また、分塊圧延または
鍛造に先立って、均熱処理を行うことが好ましく、その
際の条件は加熱温度1150℃以上、保持時間10時間
以上が好ましい。
めに、本発明においては、まず、上記成分組成の合金を
転炉または電気炉で溶解し、連続鋳造法あるいは造塊法
でスラブ(連続鋳造法の場合)または鋼塊(造塊法の場
合)を製造する。この場合に、スラブまたは鋼塊の断面
形状を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向
の辺の長さbの比b/aが0.6以上となるようにし、
圧下率が50%以上とすの分塊圧延または鍛造を行って
厚さ120〜300mmとする。また、分塊圧延または
鍛造に先立って、均熱処理を行うことが好ましく、その
際の条件は加熱温度1150℃以上、保持時間10時間
以上が好ましい。
【0031】図2はエッチング加工の孔ピッチが300
μm以下の薄板について、造塊法によって溶製された鋼
塊および連続鋳造法によって溶製されたスラブのb/a
および分塊圧延あるいは鍛造の際の圧下率が、製造した
マスクのスジむらの発生の有無に及ぼす影響を示す図で
ある。なお、均熱処理条件は1150℃以上10時間以
上である。
μm以下の薄板について、造塊法によって溶製された鋼
塊および連続鋳造法によって溶製されたスラブのb/a
および分塊圧延あるいは鍛造の際の圧下率が、製造した
マスクのスジむらの発生の有無に及ぼす影響を示す図で
ある。なお、均熱処理条件は1150℃以上10時間以
上である。
【0032】図2から、鋼塊およびスラブの寸法比b/
aが0.6以上、かつ分塊圧延あるいは鍛造での圧下率
50%以上の範囲内が、板厚0.10〜0.25mmの
薄板においてスジむらが発生しない領域であることが確
認される。
aが0.6以上、かつ分塊圧延あるいは鍛造での圧下率
50%以上の範囲内が、板厚0.10〜0.25mmの
薄板においてスジむらが発生しない領域であることが確
認される。
【0033】このようにb/aが0.6以上で良好な結
果が得られるのは、b/aが0.6未満の場合には柱状
晶が冷間圧延後も板厚方向に対して斜めに存在し、スジ
むらが発生しやすくなるのに対し、b/aが0.6以上
ではこのようなことが生じないからである。なお、本発
明の趣旨からは必ずしもb/aの上限は規定する必要は
ないが、設備的制約からb/a=1.5程度がほぼ上限
となる。
果が得られるのは、b/aが0.6未満の場合には柱状
晶が冷間圧延後も板厚方向に対して斜めに存在し、スジ
むらが発生しやすくなるのに対し、b/aが0.6以上
ではこのようなことが生じないからである。なお、本発
明の趣旨からは必ずしもb/aの上限は規定する必要は
ないが、設備的制約からb/a=1.5程度がほぼ上限
となる。
【0034】b/aが0.6以上であっても、分塊圧延
あるいは鍛造での圧下率が50%未満では、柱状晶が冷
間圧延後も板厚に対して斜めに存在し、スジむらを発生
しやすくなるため、分塊圧延あるいは鍛造での圧下率を
50%以上とする。
あるいは鍛造での圧下率が50%未満では、柱状晶が冷
間圧延後も板厚に対して斜めに存在し、スジむらを発生
しやすくなるため、分塊圧延あるいは鍛造での圧下率を
50%以上とする。
【0035】冷間圧延後に柱状晶が斜めに存在すること
を防止する観点からは、造塊法で円柱状鋼塊を溶製し
て、これに圧下率が20%以上の分解圧延または鍛造を
施すようにしてもよい。
を防止する観点からは、造塊法で円柱状鋼塊を溶製し
て、これに圧下率が20%以上の分解圧延または鍛造を
施すようにしてもよい。
【0036】図3は、鋼塊またはスラブ形状、柱状晶の
状態、および分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を模式
的に示す図であり、(a)角柱状の鋼塊またはスラブ、
(b)は円柱状の鋼塊またはスラブを示すものである。
図中、ハッチングは柱状晶を模式的に示すものであり、
中の四角形は分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を示す
ものである。
状態、および分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を模式
的に示す図であり、(a)角柱状の鋼塊またはスラブ、
(b)は円柱状の鋼塊またはスラブを示すものである。
図中、ハッチングは柱状晶を模式的に示すものであり、
中の四角形は分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を示す
ものである。
【0037】Ni偏析の拡散を促進する観点から、上述
したように、分塊圧延または鍛造に先だって均熱処理す
ることが好ましく、その際に加熱温度1150℃以上、
保持時間10時間以上とすることが好ましい。1150
℃未満あるいは10時間未満ではNi偏析の拡散効果が
小さく、スジむらの発生を防止する観点から好ましくな
い。なお、分塊圧延または鍛造後に1150℃以上で1
0時間以上の均熱処理を行っても、偏析拡散の効果は損
なわれない。
したように、分塊圧延または鍛造に先だって均熱処理す
ることが好ましく、その際に加熱温度1150℃以上、
保持時間10時間以上とすることが好ましい。1150
℃未満あるいは10時間未満ではNi偏析の拡散効果が
小さく、スジむらの発生を防止する観点から好ましくな
い。なお、分塊圧延または鍛造後に1150℃以上で1
0時間以上の均熱処理を行っても、偏析拡散の効果は損
なわれない。
【0038】その後、1050〜1250℃で30分間
以上の熱処理を施し、熱間圧延により厚さ2〜3mmの
熱延鋼板を得る。この熱延鋼板について、冷間圧延と7
50℃以上での焼鈍を2回以上繰り返し、板厚0.10
〜0.25mmの薄板を製造する。この際に、鋼塊から
薄板までの累積圧下率は99.9%以上とする。これに
より、目的とする電子部品用低熱膨張合金薄板が得られ
る。
以上の熱処理を施し、熱間圧延により厚さ2〜3mmの
熱延鋼板を得る。この熱延鋼板について、冷間圧延と7
50℃以上での焼鈍を2回以上繰り返し、板厚0.10
〜0.25mmの薄板を製造する。この際に、鋼塊から
薄板までの累積圧下率は99.9%以上とする。これに
より、目的とする電子部品用低熱膨張合金薄板が得られ
る。
【0039】本発明は、エッチング加工される電子部品
用の合金薄板全般を対象とするが、特に高精度のエッチ
ング加工と低熱膨張性が要求されるエッチング加工によ
る孔ピッチが300μm以下のシャドウマスク用素材の
製造方法として好適である。本発明における低熱膨張特
性を有するFe−Ni系またはFe−Ni−Co系合金
薄板を素材とするシャドウマスクは、熱膨張による位置
ずれが少ないので、これを用いたブラウン管の画像は一
段と鮮明になる。
用の合金薄板全般を対象とするが、特に高精度のエッチ
ング加工と低熱膨張性が要求されるエッチング加工によ
る孔ピッチが300μm以下のシャドウマスク用素材の
製造方法として好適である。本発明における低熱膨張特
性を有するFe−Ni系またはFe−Ni−Co系合金
薄板を素材とするシャドウマスクは、熱膨張による位置
ずれが少ないので、これを用いたブラウン管の画像は一
段と鮮明になる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の合金薄板をシャドウマスク用
素材として使用する場合の実施例について説明する。表
1に本実施例で用いた鋼の化学成分組成を示す。ここで
はシャドウマスク用素材として必要な低熱膨張特性、黒
化処理性およびプレス成形性が得られるA〜Dの3種類
を溶製した。
素材として使用する場合の実施例について説明する。表
1に本実施例で用いた鋼の化学成分組成を示す。ここで
はシャドウマスク用素材として必要な低熱膨張特性、黒
化処理性およびプレス成形性が得られるA〜Dの3種類
を溶製した。
【0041】
【表1】
【0042】これらの鋼を溶製した鋼塊およびスラブに
対して1100〜1300℃で5〜60時間の均熱処理
を施し、その後分塊圧延あるいは鍛造を行った。引き続
き1050〜1150℃で1〜5時間の熱処理を行い、
その後熱間圧延して厚さ2.0〜4.0mmの熱延鋼板
を得た。さらに冷間圧延と700℃以上の温度での焼鈍
を2〜4回行い、板厚0.10〜0.25mmの表2に
示す薄板No.1〜24を製造した。なお、No.1〜
18が本発明例であり、No.19〜24が比較例であ
る。
対して1100〜1300℃で5〜60時間の均熱処理
を施し、その後分塊圧延あるいは鍛造を行った。引き続
き1050〜1150℃で1〜5時間の熱処理を行い、
その後熱間圧延して厚さ2.0〜4.0mmの熱延鋼板
を得た。さらに冷間圧延と700℃以上の温度での焼鈍
を2〜4回行い、板厚0.10〜0.25mmの表2に
示す薄板No.1〜24を製造した。なお、No.1〜
18が本発明例であり、No.19〜24が比較例であ
る。
【0043】これらNo.1〜24の薄板を製造した際
の、鋼塊およびスラブの寸法および圧延方向に垂直な辺
の長さaに対する圧延方向の辺の長さbの比b/aを表
2に示し、分塊圧延または鍛造の際の圧下率および均熱
条件を表3に示す。これらの鋼塊およびスラブを使用し
て製造した薄板についてエッチング不良の有無を評価し
た。その結果も表3に示す。
の、鋼塊およびスラブの寸法および圧延方向に垂直な辺
の長さaに対する圧延方向の辺の長さbの比b/aを表
2に示し、分塊圧延または鍛造の際の圧下率および均熱
条件を表3に示す。これらの鋼塊およびスラブを使用し
て製造した薄板についてエッチング不良の有無を評価し
た。その結果も表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】エッチング性の評価は電子ビーム通過孔の
孔径が120μmφ、孔ピッチ270μmであるフォト
マスクを使用してフォトエッチング穿孔試験を行い、加
工後のシャドウマスクの外観についてスジむら等のエッ
チング不良の有無と加工精度を判定した。このときのフ
ォトエッチングは、液温60℃、47ボーメ濃度の塩化
第二鉄水溶液をスプレー圧2.0kgf/cm2でスプ
レー処理する条件で行った。エッチング不良の有無は、
一方向光源を用いた透過光および反射光による目視観察
によって判定した。
孔径が120μmφ、孔ピッチ270μmであるフォト
マスクを使用してフォトエッチング穿孔試験を行い、加
工後のシャドウマスクの外観についてスジむら等のエッ
チング不良の有無と加工精度を判定した。このときのフ
ォトエッチングは、液温60℃、47ボーメ濃度の塩化
第二鉄水溶液をスプレー圧2.0kgf/cm2でスプ
レー処理する条件で行った。エッチング不良の有無は、
一方向光源を用いた透過光および反射光による目視観察
によって判定した。
【0047】表3に示すように、本発明例であるNo.
1〜18ではエッチング不良が発生せず、高い加工精度
が得られた。これに対して、比較例であるNo.19〜
24はいずれも、Ni成分の濃度変動による相対的なエ
ッチング速度の差が助長されてスジむらを生じた。
1〜18ではエッチング不良が発生せず、高い加工精度
が得られた。これに対して、比較例であるNo.19〜
24はいずれも、Ni成分の濃度変動による相対的なエ
ッチング速度の差が助長されてスジむらを生じた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定組成のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系
合金を素材として用い、造塊鋼塊または連続鋳造スラブ
の形状および圧下率を規定することにより、スジむら等
のエッチング不良が発生しない電子部品用低熱膨張合金
を製造することができる。本発明の方法によって製造さ
れた電子部品用低熱膨張合金薄板は、特に高精度の加工
が必要なコンピューターディスプレイに使用されるシャ
ドウマスクとして好適である。
特定組成のFe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系
合金を素材として用い、造塊鋼塊または連続鋳造スラブ
の形状および圧下率を規定することにより、スジむら等
のエッチング不良が発生しない電子部品用低熱膨張合金
を製造することができる。本発明の方法によって製造さ
れた電子部品用低熱膨張合金薄板は、特に高精度の加工
が必要なコンピューターディスプレイに使用されるシャ
ドウマスクとして好適である。
【図1】b/a=0.13およびb/a=0.91の角
形鋼塊を圧下率75%で分塊圧延した場合の結晶組織を
示す顕微鏡写真。
形鋼塊を圧下率75%で分塊圧延した場合の結晶組織を
示す顕微鏡写真。
【図2】エッチング加工の孔ピッチが300μm以下の
薄板について、造塊法によって溶製された鋼塊および連
続鋳造法によって溶製されたスラブのb/aおよび分塊
圧延あるいは鍛造の際の圧下率が、製造したマスクのス
ジむらの発生の有無に及ぼす影響を示す図。
薄板について、造塊法によって溶製された鋼塊および連
続鋳造法によって溶製されたスラブのb/aおよび分塊
圧延あるいは鍛造の際の圧下率が、製造したマスクのス
ジむらの発生の有無に及ぼす影響を示す図。
【図3】鋼塊またはスラブ形状、柱状晶の状態、および
分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を模式的に示す図。
分塊圧延または鍛造後のスラブ形状を模式的に示す図。
フロントページの続き (72)発明者 大村 雅紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 彰 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 尾崎 大介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山村 直一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 Ni:30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金からなり、造塊法で溶製された角柱状鋼塊
または連続鋳造法で溶製された角柱状スラブの断面形状
を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対する圧延方向の辺
の長さbの比b/aが0.6以上となるようにし、圧下
率が50%以上の分塊圧延または鍛造を行い、その後熱
間圧延および冷間圧延することを特徴とする、エッチン
グ性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法。 - 【請求項2】 Ni:20〜40wt%、Co:7wt
%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40wt%で
あるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で溶製さ
れた角柱状鋼塊または連続鋳造法で溶製された角柱状ス
ラブの断面形状を、圧延方向に垂直な辺の長さaに対す
る圧延方向の辺の長さbの比b/aが0.6以上となる
ようにし、圧下率が50%以上の分塊圧延または鍛造を
行い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特徴と
する、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の
製造方法。 - 【請求項3】 Ni:30〜45wt%を含有するFe
−Ni系合金からなり、造塊法で円柱状鋼塊を溶製し、
圧下率が20%以上の分塊圧延または鍛造を行い、その
後熱間圧延および冷間圧延することを特徴とする、エッ
チング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法。 - 【請求項4】 Ni:20〜40wt%、Co:7wt
%以下を含有し、かつNi+Coが27〜40wt%で
あるFe−Ni−Co系合金からなり、造塊法で円柱状
鋼塊を溶製し、圧下率が20%以上の分塊圧延または鍛
造を行い、その後熱間圧延および冷間圧延することを特
徴とする、エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合
金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22202497A JPH1150146A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22202497A JPH1150146A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1150146A true JPH1150146A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16775911
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22202497A Pending JPH1150146A (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1150146A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000077269A1 (fr) * | 1999-06-10 | 2000-12-21 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Materiau a base de fe-ni pour masque perfor |
| CN112496219A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-16 | 苏州市吴中不锈钢有限公司 | 一种4j32合金环件的制造及处理方法 |
-
1997
- 1997-08-05 JP JP22202497A patent/JPH1150146A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000077269A1 (fr) * | 1999-06-10 | 2000-12-21 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Materiau a base de fe-ni pour masque perfor |
| US6547893B1 (en) | 1999-06-10 | 2003-04-15 | Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. | Fe-Ni based material for shadow mask |
| KR100509579B1 (ko) * | 1999-06-10 | 2005-08-22 | 니폰야긴고오교오가부시기가이샤 | Fe-Ni계 섀도우마스크용 재료 |
| CN112496219A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-16 | 苏州市吴中不锈钢有限公司 | 一种4j32合金环件的制造及处理方法 |
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