JPS6126836B2 - - Google Patents
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- JPS6126836B2 JPS6126836B2 JP14915079A JP14915079A JPS6126836B2 JP S6126836 B2 JPS6126836 B2 JP S6126836B2 JP 14915079 A JP14915079 A JP 14915079A JP 14915079 A JP14915079 A JP 14915079A JP S6126836 B2 JPS6126836 B2 JP S6126836B2
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
本発明は新規な触媒を用いる石炭類の水素化分
解による液状炭化水素油への転換方法に関する。
さらに詳しくは、石炭類を高温・高水素圧下、ヤ
グネシウムシリケートを主成分とする鉱物、就
中、セピオライト、パリゴルスカイトおよびアタ
パルジヤイトから選らばれた1種以上からなる担
体に遷移金属類および錫を担持してなる触媒と接
触せしめることを特徴とする石炭液化方法に関す
る。 近年、石油に対する需要が著しく増加している
のに対して新規油田の発見および開発が頭打ち傾
向を示していることから、世界的なエネルギー不
足が到来している。これに対して新エネルギーあ
るいは代替エネルギーに関する研究および開発が
活発に行なわれ、就中、化石エネルギー中最大の
埋蔵量を有する石炭類のガス化および液化による
代替燃料の製造については多数のプロセスが検討
されている。 石炭類のガス化による天然ガス代替燃料の製造
は、灰分等の多い、かつ広範囲の性状の石炭を原
料とすることができ、且古くから開発された石炭
ガス化技術を応用できるなどの理由から技術的に
は最も完成されており、かつ信頼度も高いとされ
ている。しかしながらガス化法による、あるいは
ガス化工程を経由する石炭類からの代替燃料の大
規模製造は(1)ガス化工程に高価な酸素を多量に消
費し、消費された酸素はエネルギー源として再利
用されない;(2)石炭類がN,O,Sなどの多量の
ヘテロ元素を含み、このために発生ガスに含まれ
るこれらの化合物を除去し、精製ガスを得るため
にきわめて繁雑かつ、技術的に困難な工程を要す
る;(3)ガス化を経由して液化するためにはさらに
繁雑な工程を要しながら、液化油の収率がきわめ
て低い;(4)製品が気体である場合には貯蔵および
長距離輸送に適さない、などの理由から技術的に
も経済的にも必ずしも有利とは考えられない。 他方、石炭類の水素化分解による直接液化法は
(1)大量の水素を消費する;(2)石炭類の水素化反応
性が小さく、かつ種類,産地などによつて大巾に
変動する;(3)液化油中の灰分がきわめて微細(数
μ〜数拾μ)であり、固液分離が技術的に困難で
ある;(4)反応条件が苛酷であり、しかも気,液,
固体からなる原料および生成物を同時に処理しな
ければならない、などの多くの欠点を持つことが
指摘されている。しかしながら、(1)現在、資源が
枯渇しつつある石油類と組成および性状において
最も近似した液体燃料が得られ、従つて精製・輸
送・貯蔵・消費などのあらゆる面において従来の
石油類に対するシステムがほとんどそのまま利用
できる。これによる社会的・経済的メリツトは膨
大であると考えられる;(2)石炭類は相当量の水素
を含むが(H/C原子比=0.5〜1.0)、水添液化工
程において消費された水素と共に、これらの相当
部分が液化油に移行するので、実質的にエネルギ
ー源として有効利用されることになる;(3)石炭の
ガス化工程を経由する間接的液化方法にくらべて
液化油の収率が2〜3倍高い;(4)石炭中のヘテロ
元素が、H2S,NH3,H2Oなどとして容易に脱離
され、精製油を直接得ることもできる;などの優
れた特長があり、このために少なくとも総合経済
性からみれば直接液化法はガス化法に較べて優れ
ていると考えられる。このために古くから石炭類
の直接液化法に関して多数のプロセスが提案さ
れ、一部はかつて既に工業的にも実施されたこと
がある。 石炭の直接水素化処理による液化法は大別して
無触媒法と触媒法に分類される。前者は触媒を用
いないこと、および水素消費量が少ないなどの特
長があるものの、(1)生成物(油)中に窒素、硫
黄、酸素、アスフアルテン類などが多く、残留炭
素もきわめて大きくこのために良質油への精製が
非常に難しい;(2)生成物はピツチ状の高沸点物の
比率が高く、留出油収率が低い、などの主として
生成物の性状に関する多くの欠点を有する。これ
らの欠点を補うべく、例えばSRC―法におい
ては液化生成物から分離した灰分の多い残渣分の
少なくとも1文を水素化分解工程に循環せしめる
ことによつて石炭灰分のもつ触媒作用を利用し、
脱硫・脱窒素率などを高め、液化油の収率の向上
をはかつている。またEDS法においては水素加
圧下、テトラリンの如き、いわゆる水素ドナー溶
剤を用いて石炭類を抽出液化せしめたのち、灰分
と未反応炭を固液分離し、かくして得た液化生成
油を、固定触媒層を用いて水素化処理している。
この2段水素化処理法では、水素ドナー溶剤は水
素化処理油から分離されて抽出液化工程にそのま
ま循環され使用することが出来ること、および触
媒が液化工程において間接的に用いられることの
ために、石炭中の灰分による触媒の劣化の問題は
全く起らずしかも比較的良質な液化油が得られる
等の利点を有する。しかしながら、これらの無触
媒法はいずれも液化油の収率および液化油の性状
などに関しては必ずしも充分と言えない。これに
対して、石炭類を触媒存在下に直接水素化処理す
る触媒法は、液化油の収率が高く、かつ良質油が
得られることが期待されることから、多くの提案
が行なわれている。H―石炭法では石炭粉末―媒
体油スラリーは沸騰触媒床を用いて水素化分解さ
れ、反応条件の苛酷度に応じて合成原油あるいは
重質燃料油に転換される。またシンソイル
(Synthoil)法では石炭―媒体油スラリーが高度
の乱流条件下、固定触媒床を用いて水素化分解さ
れる。これらの方法においてはいずれも通常の活
性アルミナにMo,Co,Niなどを担持した高価な
脱硫触媒が用いられているために良質油が得られ
る反面、触媒への炭素,鉄,チタンなどの堆積に
よる活性の低下、あるいは石炭微粉末などとの衝
突による摩耗のために、劣化した触媒を頻繁に新
触媒と交換しなければならず触媒の占めるコスト
の大巾な上昇をもたらしている。このためかかる
高価な触媒の代りに赤泥などのきわめて安価な微
粉末触媒を用いる方法が古くから提案されてい
る。しかし従来知られているこれらの安価な触媒
は活性が低く、石炭に対して多量に添加する必要
があり、また良質油が得られないなどの欠点が認
められている。即ち、赤泥は、触媒費用が安いも
のの、石炭への添加比率を高くしなければならな
いことによる種々の機械的トラブルが予想され、
さらに良質油が得られないなどの不都合が問題と
されている。 一方発明者らは長年にわたり重質油の水素化処
理方法、就中、脱メタル、アスフアルテン分解触
媒の開発に従事し、これらの成果を多数の特許出
願として公開している。特に脱メタル触媒に関し
ては多孔質マグネシウムシリケートを担体とする
新規触媒を見出し、特開昭52―73193,同52―
68033,同52―68890,同52―71403,同52―
92891,同52―95598,同53―7592,同53―
30996,同53―34691,同53―102888,同54―
31099および特願昭53―108122(特公昭57―
16859)などにその技術内容を開示している。こ
こに開示された触媒の担体には天然および合成の
多孔質マグネシウムシリケート鉱物が用いられ、
特にこれらの中で珪素結合がいわゆる複鎖結合か
らなる繊維状マグネシウムシリケート粘土鉱物
〔粘土ハンドブツク,日本粘土学会,1967〕が好
ましいことを認めている。具体的鉱物としては、
例えば特願昭53―108122に示した角閃石アスベス
ト鉱物,就中,直閃石のほか、セピオライト,ア
タパルジヤイトあるいはパリゴルスカイトのごと
き多孔質粘土鉱物である。これら鉱物ならびにそ
の変性物を担体(以下マグネシウムシリケート担
体という)とする触媒が、いわゆる脱硫活性が小
さいにも拘わらず、重質油の水素化処理、特に脱
メタル処理用触媒として高活性、長寿命であるこ
とは、前述の各特許出願の明細書にも詳しく述べ
てある。 発明者らは、これまでに行なつてきたマグネシ
ウムシリケート担体触媒に関する一連の実験結果
から、この触媒が従来の触媒にはない全く特異な
性質を有することに着目し、これを石炭の液化に
使用したところ、マグネシウムシリケートを担体
とし、これに遷移金属および錫から選ばれる1種
以上の成分を担持した触媒が、極めて高活性、長
寿命であり、従来の何れの触媒による方法と比較
しても、良質の液化油が極めて大きい収率で得ら
れることを得たものである。 石炭の液化反応は、固体の分解反応であり、重
質油の水素化処理とは全く別異の反応であり、し
かも使用する触媒は、いわゆる水添能の大きい触
媒でなければならないということが技術常識とな
つており、脱硫活性によつて代表されるいわゆる
水添能の小さいマグネシウムシリケート担体触媒
が、石炭の液化にこのような高い活性を示したこ
とは、将に驚異に値するものである。 本発明方法に係わる石炭類の水素化分解の特徴
は、金属を担持した多孔質マグネシウムシリケー
ト触媒を用いたところにある。ここで多孔質マグ
ネシウムシリケートとは、セピオライト,パリゴ
ルスカイト,およびアタパルジヤイトの様な多孔
質粘土鉱物と、これを粉砕、混練あるいは酸抽出
等の化学的あるいは物理的処理を加えて変成した
物、あるいは水酸化アルミニウムゾル、アルミナ
シリカゾル、チタニアゾルあるいは他の粘土鉱物
等添加物を加え成形した物等の全てを含むものを
言う。角閃石アスベスト鉱物はそのまゝでは細孔
容積が極めて小さいマグネシウムシリケート鉱物
であるが、公知の方法によつて容易に多孔質化す
ることが出来、本発明の目的を満足する担体の1
つである。最も望ましい多孔質マグネシウムシリ
ケートは、得られる触媒の性能あるいは触媒調整
の容易さを考慮するとセピオライト,パリゴルス
カイトおよびアタパルジヤイトということができ
る。これらはいずれも珪素の結合様式がいわゆる
複鎖構造を有する繊維状粘土鉱物として知られ、
セピオライトは、マグネシウムあるいは土類元素
の一部が、他の金属によつて置換されたものも知
られているが主としてマグネシアおよびシリカか
ら構成され、また、パリゴルスカイトおよびアタ
パルジヤイトは、いずれも多孔質粘土鉱物で、シ
リカの1部がアルミナに置換されてアルミナの多
いマグネシウムシリケートとなつている。更に、
これらのうちでは特にセピオライトが、担体とし
て優れた特徴を有し、最も望ましい。即ち(1)得ら
れる触媒が、比表面積および細孔容積が大きく、
高活性であり、しかも鉄,チタン等の金属類の堆
積によつて劣化しにくいこと;(2)セピオライト中
のマグネシウムの1部が他の金属によつて容易に
交換され易く、担持する金属の分散が極めて良好
であり、高活性触媒が安価に得られる、等を挙げ
ることができる。 多孔質マグネシウムシリケート触媒に、担持す
る金属類は、遷移金属類および錫からなる群から
選ばれた1種以上が用いられる。これらの金属類
のうちCu,Zn,Y,ランタニド,Sn,V,Cr,
Mo,W,Mn,Fe,CoおよびNiから選らばれた
1種以上を担持した触媒は、石炭類の水素化分解
活性が大きく、かつ比較的安価に得られるなどの
理由のために好適である。これらの担持金属類の
種類あるいは組合せは、マグネシウムシリケート
の種類、原料石炭の種類,性状あるいは反応方
法、条件などに応じて適宜選らばれる。また金属
担持量も多くの因子によつて決められ、きわめて
広範囲であるが、通常、金属として合計0.1重量
%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で任意に選
らばれる。これらの金属類は通常、硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、金属酸塩、錯塩あるいはその他の溶
媒可溶性化合物の形で使用される。溶媒としては
費用および安全性などの観点から通常、水が用い
られるが、メタノール、アセトンあるいは液体ア
ンモニアなどの非水溶媒を用いることもできる。
金属類の担持方法としては浸漬、スプレー散布
法、混練法などの公知の任意の方法が用いられ
る。また成形触媒では金属類の担持を成形工程前
の段階で行つてもよく又分割して行つてもよい。
発明者らはセピオライトなどのマグネシウムシリ
ケート担体にイオン交換法によつて担持された金
属がきわめて高度にかつ均一に分散しており、担
持量がきわめて少ない場合においても石炭類の水
素化分解反応に対して高活性を示すことを見出し
ている。担体にイオン交換法によつて担持できる
金属類としては周期律表b,b,aおよび
鉄族金属の他に、V,Cr,Snなどが挙げられ
る。これらの金属は塩化物,硫酸塩,硝酸塩など
の金属鉱酸塩,蟻酸塩,酢酸塩などの有機酸塩あ
るいはアンミン錯塩などの水溶液として用いられ
るが、必要に応じて任意の塩類あるいは酸を加え
てPHを1〜7に調整して使用する。 この方法による担持金属は担体を構成するマグ
ネシウム等と交換、担持されることが要件であ
り、担体中のマグネシウム等と置換されることな
く、単に付着あるいは吸着している金属は、置換
されている金属に比べて金属重量当り活性が低
い。従つてかかる付着あるいは吸着している金属
類は洗浄等によつて回収し、再使用して効果的に
置換せしめるのが望ましい。 イオン交換法によつて担持することができる金
属と、担持できない金属とを同一の担体に担持す
る場合には、多段工程によつて担持状態を変えて
担持することも可能である。例えばイオン交換法
によつて第1の金属群を担持したのち、第2の金
属群をアンモニアあるいはアミン水溶液などの塩
基性ないし、中性溶液として担持する方法であ
る。 発明者らの検討によると、多孔質マグネシウム
シリケート担体のうち、特にセピオライトは上記
のイオン交換法を用いて金属類を担持するのに最
も望ましい。これはセピオライトの比表面積およ
び細孔容積が大きいことの他に、パリゴスカイト
あるいはアタパルジヤイトなどの多孔質マグネシ
ウムシリケートに比べて、活性金属によつてイオ
ン交換されやすく、イオン交換によつて担持され
る金属量が多いことなどによると推測される。イ
オン交換によつてセピオライトに担持される金属
のうち、Fe,Ni,Co,Cu,Zn,V,Cr,Sn,
は、高活性触媒が得られるので特に好適である。
これらの金属類をイオン交換によつて担持したの
ち、Mo,Wなどをさらに担持してもよい。 本発明方法においては金属担持マグネシウムシ
リケート触媒を反応方法などに応じて任意の形態
で用いることができる。例えば天然に得られる多
孔質マグネシウムシリケートを充分に粉砕し、水
などの液体の存在下で混練したものをさらに任意
の形状に成形してから用いてもよくあるいは金属
類を担持した多孔質マグネシウムシリケートを適
当な粒度に粉砕した後、直接、石炭粉末に添加し
て用いてもよい。マグネシウムシリケート触媒を
微粉末として用いる場合には、原料石炭に対する
触媒の添加比率は反応方法、殊に使用触媒の循環
方式によつて大巾に異るが通常1〜20重量%でよ
い。反応工程において添加した触媒の1部を反応
生成物から回収し、再び水素化分解反応系に循環
せしめる場合には、原料石炭に対する微粉末触媒
の添加比率は微かな量で十分目的を達することが
できる。 本発明方法によると実質的にあらゆる固体有機
物、就中、石炭類を液状油に転換せしめることが
できる。しかし一般に、亜炭のように炭素含有率
の著しく少ないものでは液状油の収率が低く、か
つ液化油あたりの化学水素消費量が多くなるため
に必ずしも好適な液化原料とはされない。また、
逆に炭素含有率のきわめて多い、例えば無煙炭な
どは、これから液状油を得ることも不可能ではな
いが、一般に水素化反応性が著しく低いために好
ましい原料とはならない。本発明方法において処
理しうる好ましい石炭類としては、無水・無灰基
準での炭素含有率が60〜90%である瀝青炭,亜瀝
青炭および褐炭などである。これらの石炭類は、
いずれも相当量の水分および灰分を含み液化生成
物の固液分離操作を困難にし、あるいは水素化分
解工程において水素分圧を低下せしめるので、予
め乾燥および選炭処理などによつてこれら灰分な
らびに水分を除去しておくのが望ましい。予備処
理された石炭類は、通常100メツシユ篩通過ま
で、あるいは平均単粒子直径が150μ以下、好ま
しくは、30〜100μに微粉砕して水素化分解工程
に供給する。従つて触媒を粉末状態において使用
する場合には、石炭粉末と同様に150μ以下、好
ましくは30〜100μに微粉砕して用いる。石炭類
の粉砕処理は酸化あるいは粉塵爆発を避けるため
に、不活性気体雰囲気、あるいは水、又は油中で
行なう。最終微粉砕工程は特に危険であり、媒体
油と混合しながら混練・微粉砕するのが好まし
い。通常、石炭粉末は媒体油の存在下において水
素化分解・液化される。媒体油としては石炭液化
油、分解油、石油残渣油、コールタール、アント
ラセン油、アルキルナフタレン,テトラリンな
ど、公知の任意のものが選らばれるが、本発明の
方法で生成する石炭液化油、あるいはこれから分
離された留分は、同一系内の成分のみによつて処
理が行われるという面において特に好適である。 媒体油と石炭粉末との混合比率は、該混合物ス
ラリーの取扱いが可能である範囲内において任意
に決められる。しかし石炭の混合比率が小さいと
液化効率が低下し、大きな反応器容積を要するの
で必ずしも好ましくない。逆に石炭混合比率が高
いと液化効率も高くなるが、スラリーの流動性、
就中、予備加熱管内での流動性が低下し、さらに
反応器内部をコーキングなどによつて汚染するの
で必ずしも好ましい結果が得られない。従つて石
炭粉末と媒体油との重量混合比率は、無水・無灰
基準において通常0.05〜2:1、好ましくは0.2
〜0.6:1の範囲がよい。 反応条件は石炭の種類および反応方法などに応
じて広範囲に選ぶことができる。通常、水素圧50
〜500Kg/cm2、好ましくは100〜250Kg/cm2、温度400
〜500℃、好ましくは420〜470℃である。これら
の反応条件のうち、石炭転化率を向上させるため
には一般に、水素圧および温度が高いことが好ま
しいが、化学水素消費量の増加ならびに、メタン
などの軽質炭化水素収率が増加することから、工
業的には好ましくない。また水素圧が低いと反応
器内のコーキングを起しやすく、反応温度が低い
場合には軽質油の収率が小さく、あるいは大きな
反応器を要するなどの点から必ずしも好適とは言
えない。 反応方法も制限的でなく、粉末触媒を用いた懸
濁触媒法、H―石炭法と同様に流動触媒層に石炭
粉末と媒体油からなるスラリーを供給する法、シ
ンソイル法と同様にマグネシウムシリケート触媒
層に高度の乱流条件下で、石炭粉末と媒体油との
混合物を通じる法等を、任意に採用できる。また
液化生成物の処理についても特に制限はない。液
化生成物は固液分離工程で、固形分濃度の大きい
部分と少ない部分に分離し、少ない部分を更に水
素化処理により精製し、固形分濃度の大きい部分
を循環する方法;生成油を水素化処理により精製
した後媒体油を分離し、媒体油を循環する方法;
生成油から媒体油を分離して循環する法等生成油
の性状に応じた任意の方法によつて媒体油、固形
分の分離を行ない、液状分を回収することができ
る。 本発明の方法では、反応の苛酷度あるいは石炭
から液化油の転化率に応じた多量の水素が消費さ
れるが、これら水素源は、副生するメタン等の軽
質炭化水素を常法により水蒸気改良する方法、固
形分が濃縮した残渣分を部分酸化する方法、ある
いは原料石炭の選炭工程で派生するいわゆる2号
炭を部分酸化する方法等によつて製造してもよ
い。 次に本発明方法を実施例によりさらに詳しく説
明する。ここで特に断らない限り、%および
ppmは重量基準による。 実施例 1,2 下記表―1に性状を示した石炭を表―2に性状
を示した触媒を用い水素化分解した。触媒は特開
昭52―95598および52―113901号などに開示した
方法によつて、スペイン産セピオライトを原料と
して調整した。尚、実施例―1においては直径、
約0.8mmの成形触媒をそのまま用い、実施例―2
においてはこれを粉砕し石炭と同じく100メツシ
ユ篩を通過した粉末触媒として用いた。 反応は高圧オートクレーブを用い、媒体油にα
―メチルナフタレンを、石炭粉末に対して29:71
となるように加えた。反応中、水素は封じ込みで
行ない、烈しく撹拌を続けた。反応方法は実施例
―1においては撹拌プロペラの周辺にステンレス
製カゴを取付け、これに触媒粒子を詰めて反応を
行ない、また実施例―2においてはカゴを使用せ
ず石炭スラリー油に対して触媒粉末を約4%加え
て行なつた。表―3の反応条件を示す。 表―1 原料石炭性状 元素分析* 炭 素 81.2% 水 素 5.8% 窒 素 1.6% 硫 黄 0.62% 酸 素 10.8% 水素/炭素原子比 0.86 水 分 2.75% 灰 分 7.53% *無灰・無水基準による。 表―2 セピオライト触媒性状 比表面積 171m2/g 細孔容積(水銀圧入法) 0.79c.c./g 分析結果 MoO3 6.6 % CoO 1.9 % SiO2 48.8 % MgO 18.6 % 反応終了後、生成油を5μフイルターを用いて
固液分離し、石炭粉末仕込み量(および触媒量)
と、反応後のトルエン不溶固形分量から石炭転化
率を求めた。それによると無水・無灰基準での石
炭転化率は実施例―1においては78.3%、実施例
―2では90.6%であつた。 表―3 反応条件 水素圧(初圧) 200Kg/cm2 反応温度 430℃ 反応時間 3時間 実施例 3〜7 実施例―1,2で用いたものと同一の原料石炭
を、各種のマグネシウムシリケート担体触媒の存
在下において水素化分解した。反応は実施例―1
と同一オートクレーブを用い、また石炭および各
触媒は100メツシユ篩を通過する微粉末状とし
た。石炭粉末を分散させるための媒体油としては
初留点164℃,50%留出点321℃,終点391℃で窒
素を0.68%,硫黄を0.44%含むクレオソート油を
石炭粉末に対して4倍加えた。また反応条件はい
ずれも水素圧160Kg/cm2,反応温度440℃,反応時
間2時間,スラリー油に対する触媒添加率1%と
し、又石炭転化率は実施例―1,2と同様にして
求めた。 本実施例に用いた触媒性状を表―4に示す。実
施例―3において用いた触媒は、硫酸バナジルを
0.5モル%含む水溶液にセピオライトを約1昼夜
浸漬することによつてセピオライト中のマグネシ
ウムの1部をバナジウム(バナジル)によつて置
換し、蒸留水によつて充分に洗浄したのち、各々
200℃および500℃にて1時間づつ乾燥および焼成
して調整した。また実施例―4,5おいては、硫
酸ニツケルを0.5モル%含む、水溶液を用い実施
例―3と同様にして、イオン交換法によつてニツ
ケルを担持した。実施例―5においてはニツケル
を担持したものに、過剰のアンモニアを含むパラ
モリブデン酸アンモン水溶液をスプレーすること
によつて調製した。実施例6―6,7において
は、常法に従つて各担体に硫酸ニツケルおよびパ
ラモリブデン酸アンモンを含むアンモニア水溶液
を含浸させたのち、実施例―3と同様に乾燥・焼
成して調製した。 表―4に各触媒を用いた場合における石炭液化
率を示したが、特にセピオライト担体触媒が石炭
の水素化分解反応に対して高活性を示すことが認
められる。
解による液状炭化水素油への転換方法に関する。
さらに詳しくは、石炭類を高温・高水素圧下、ヤ
グネシウムシリケートを主成分とする鉱物、就
中、セピオライト、パリゴルスカイトおよびアタ
パルジヤイトから選らばれた1種以上からなる担
体に遷移金属類および錫を担持してなる触媒と接
触せしめることを特徴とする石炭液化方法に関す
る。 近年、石油に対する需要が著しく増加している
のに対して新規油田の発見および開発が頭打ち傾
向を示していることから、世界的なエネルギー不
足が到来している。これに対して新エネルギーあ
るいは代替エネルギーに関する研究および開発が
活発に行なわれ、就中、化石エネルギー中最大の
埋蔵量を有する石炭類のガス化および液化による
代替燃料の製造については多数のプロセスが検討
されている。 石炭類のガス化による天然ガス代替燃料の製造
は、灰分等の多い、かつ広範囲の性状の石炭を原
料とすることができ、且古くから開発された石炭
ガス化技術を応用できるなどの理由から技術的に
は最も完成されており、かつ信頼度も高いとされ
ている。しかしながらガス化法による、あるいは
ガス化工程を経由する石炭類からの代替燃料の大
規模製造は(1)ガス化工程に高価な酸素を多量に消
費し、消費された酸素はエネルギー源として再利
用されない;(2)石炭類がN,O,Sなどの多量の
ヘテロ元素を含み、このために発生ガスに含まれ
るこれらの化合物を除去し、精製ガスを得るため
にきわめて繁雑かつ、技術的に困難な工程を要す
る;(3)ガス化を経由して液化するためにはさらに
繁雑な工程を要しながら、液化油の収率がきわめ
て低い;(4)製品が気体である場合には貯蔵および
長距離輸送に適さない、などの理由から技術的に
も経済的にも必ずしも有利とは考えられない。 他方、石炭類の水素化分解による直接液化法は
(1)大量の水素を消費する;(2)石炭類の水素化反応
性が小さく、かつ種類,産地などによつて大巾に
変動する;(3)液化油中の灰分がきわめて微細(数
μ〜数拾μ)であり、固液分離が技術的に困難で
ある;(4)反応条件が苛酷であり、しかも気,液,
固体からなる原料および生成物を同時に処理しな
ければならない、などの多くの欠点を持つことが
指摘されている。しかしながら、(1)現在、資源が
枯渇しつつある石油類と組成および性状において
最も近似した液体燃料が得られ、従つて精製・輸
送・貯蔵・消費などのあらゆる面において従来の
石油類に対するシステムがほとんどそのまま利用
できる。これによる社会的・経済的メリツトは膨
大であると考えられる;(2)石炭類は相当量の水素
を含むが(H/C原子比=0.5〜1.0)、水添液化工
程において消費された水素と共に、これらの相当
部分が液化油に移行するので、実質的にエネルギ
ー源として有効利用されることになる;(3)石炭の
ガス化工程を経由する間接的液化方法にくらべて
液化油の収率が2〜3倍高い;(4)石炭中のヘテロ
元素が、H2S,NH3,H2Oなどとして容易に脱離
され、精製油を直接得ることもできる;などの優
れた特長があり、このために少なくとも総合経済
性からみれば直接液化法はガス化法に較べて優れ
ていると考えられる。このために古くから石炭類
の直接液化法に関して多数のプロセスが提案さ
れ、一部はかつて既に工業的にも実施されたこと
がある。 石炭の直接水素化処理による液化法は大別して
無触媒法と触媒法に分類される。前者は触媒を用
いないこと、および水素消費量が少ないなどの特
長があるものの、(1)生成物(油)中に窒素、硫
黄、酸素、アスフアルテン類などが多く、残留炭
素もきわめて大きくこのために良質油への精製が
非常に難しい;(2)生成物はピツチ状の高沸点物の
比率が高く、留出油収率が低い、などの主として
生成物の性状に関する多くの欠点を有する。これ
らの欠点を補うべく、例えばSRC―法におい
ては液化生成物から分離した灰分の多い残渣分の
少なくとも1文を水素化分解工程に循環せしめる
ことによつて石炭灰分のもつ触媒作用を利用し、
脱硫・脱窒素率などを高め、液化油の収率の向上
をはかつている。またEDS法においては水素加
圧下、テトラリンの如き、いわゆる水素ドナー溶
剤を用いて石炭類を抽出液化せしめたのち、灰分
と未反応炭を固液分離し、かくして得た液化生成
油を、固定触媒層を用いて水素化処理している。
この2段水素化処理法では、水素ドナー溶剤は水
素化処理油から分離されて抽出液化工程にそのま
ま循環され使用することが出来ること、および触
媒が液化工程において間接的に用いられることの
ために、石炭中の灰分による触媒の劣化の問題は
全く起らずしかも比較的良質な液化油が得られる
等の利点を有する。しかしながら、これらの無触
媒法はいずれも液化油の収率および液化油の性状
などに関しては必ずしも充分と言えない。これに
対して、石炭類を触媒存在下に直接水素化処理す
る触媒法は、液化油の収率が高く、かつ良質油が
得られることが期待されることから、多くの提案
が行なわれている。H―石炭法では石炭粉末―媒
体油スラリーは沸騰触媒床を用いて水素化分解さ
れ、反応条件の苛酷度に応じて合成原油あるいは
重質燃料油に転換される。またシンソイル
(Synthoil)法では石炭―媒体油スラリーが高度
の乱流条件下、固定触媒床を用いて水素化分解さ
れる。これらの方法においてはいずれも通常の活
性アルミナにMo,Co,Niなどを担持した高価な
脱硫触媒が用いられているために良質油が得られ
る反面、触媒への炭素,鉄,チタンなどの堆積に
よる活性の低下、あるいは石炭微粉末などとの衝
突による摩耗のために、劣化した触媒を頻繁に新
触媒と交換しなければならず触媒の占めるコスト
の大巾な上昇をもたらしている。このためかかる
高価な触媒の代りに赤泥などのきわめて安価な微
粉末触媒を用いる方法が古くから提案されてい
る。しかし従来知られているこれらの安価な触媒
は活性が低く、石炭に対して多量に添加する必要
があり、また良質油が得られないなどの欠点が認
められている。即ち、赤泥は、触媒費用が安いも
のの、石炭への添加比率を高くしなければならな
いことによる種々の機械的トラブルが予想され、
さらに良質油が得られないなどの不都合が問題と
されている。 一方発明者らは長年にわたり重質油の水素化処
理方法、就中、脱メタル、アスフアルテン分解触
媒の開発に従事し、これらの成果を多数の特許出
願として公開している。特に脱メタル触媒に関し
ては多孔質マグネシウムシリケートを担体とする
新規触媒を見出し、特開昭52―73193,同52―
68033,同52―68890,同52―71403,同52―
92891,同52―95598,同53―7592,同53―
30996,同53―34691,同53―102888,同54―
31099および特願昭53―108122(特公昭57―
16859)などにその技術内容を開示している。こ
こに開示された触媒の担体には天然および合成の
多孔質マグネシウムシリケート鉱物が用いられ、
特にこれらの中で珪素結合がいわゆる複鎖結合か
らなる繊維状マグネシウムシリケート粘土鉱物
〔粘土ハンドブツク,日本粘土学会,1967〕が好
ましいことを認めている。具体的鉱物としては、
例えば特願昭53―108122に示した角閃石アスベス
ト鉱物,就中,直閃石のほか、セピオライト,ア
タパルジヤイトあるいはパリゴルスカイトのごと
き多孔質粘土鉱物である。これら鉱物ならびにそ
の変性物を担体(以下マグネシウムシリケート担
体という)とする触媒が、いわゆる脱硫活性が小
さいにも拘わらず、重質油の水素化処理、特に脱
メタル処理用触媒として高活性、長寿命であるこ
とは、前述の各特許出願の明細書にも詳しく述べ
てある。 発明者らは、これまでに行なつてきたマグネシ
ウムシリケート担体触媒に関する一連の実験結果
から、この触媒が従来の触媒にはない全く特異な
性質を有することに着目し、これを石炭の液化に
使用したところ、マグネシウムシリケートを担体
とし、これに遷移金属および錫から選ばれる1種
以上の成分を担持した触媒が、極めて高活性、長
寿命であり、従来の何れの触媒による方法と比較
しても、良質の液化油が極めて大きい収率で得ら
れることを得たものである。 石炭の液化反応は、固体の分解反応であり、重
質油の水素化処理とは全く別異の反応であり、し
かも使用する触媒は、いわゆる水添能の大きい触
媒でなければならないということが技術常識とな
つており、脱硫活性によつて代表されるいわゆる
水添能の小さいマグネシウムシリケート担体触媒
が、石炭の液化にこのような高い活性を示したこ
とは、将に驚異に値するものである。 本発明方法に係わる石炭類の水素化分解の特徴
は、金属を担持した多孔質マグネシウムシリケー
ト触媒を用いたところにある。ここで多孔質マグ
ネシウムシリケートとは、セピオライト,パリゴ
ルスカイト,およびアタパルジヤイトの様な多孔
質粘土鉱物と、これを粉砕、混練あるいは酸抽出
等の化学的あるいは物理的処理を加えて変成した
物、あるいは水酸化アルミニウムゾル、アルミナ
シリカゾル、チタニアゾルあるいは他の粘土鉱物
等添加物を加え成形した物等の全てを含むものを
言う。角閃石アスベスト鉱物はそのまゝでは細孔
容積が極めて小さいマグネシウムシリケート鉱物
であるが、公知の方法によつて容易に多孔質化す
ることが出来、本発明の目的を満足する担体の1
つである。最も望ましい多孔質マグネシウムシリ
ケートは、得られる触媒の性能あるいは触媒調整
の容易さを考慮するとセピオライト,パリゴルス
カイトおよびアタパルジヤイトということができ
る。これらはいずれも珪素の結合様式がいわゆる
複鎖構造を有する繊維状粘土鉱物として知られ、
セピオライトは、マグネシウムあるいは土類元素
の一部が、他の金属によつて置換されたものも知
られているが主としてマグネシアおよびシリカか
ら構成され、また、パリゴルスカイトおよびアタ
パルジヤイトは、いずれも多孔質粘土鉱物で、シ
リカの1部がアルミナに置換されてアルミナの多
いマグネシウムシリケートとなつている。更に、
これらのうちでは特にセピオライトが、担体とし
て優れた特徴を有し、最も望ましい。即ち(1)得ら
れる触媒が、比表面積および細孔容積が大きく、
高活性であり、しかも鉄,チタン等の金属類の堆
積によつて劣化しにくいこと;(2)セピオライト中
のマグネシウムの1部が他の金属によつて容易に
交換され易く、担持する金属の分散が極めて良好
であり、高活性触媒が安価に得られる、等を挙げ
ることができる。 多孔質マグネシウムシリケート触媒に、担持す
る金属類は、遷移金属類および錫からなる群から
選ばれた1種以上が用いられる。これらの金属類
のうちCu,Zn,Y,ランタニド,Sn,V,Cr,
Mo,W,Mn,Fe,CoおよびNiから選らばれた
1種以上を担持した触媒は、石炭類の水素化分解
活性が大きく、かつ比較的安価に得られるなどの
理由のために好適である。これらの担持金属類の
種類あるいは組合せは、マグネシウムシリケート
の種類、原料石炭の種類,性状あるいは反応方
法、条件などに応じて適宜選らばれる。また金属
担持量も多くの因子によつて決められ、きわめて
広範囲であるが、通常、金属として合計0.1重量
%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で任意に選
らばれる。これらの金属類は通常、硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、金属酸塩、錯塩あるいはその他の溶
媒可溶性化合物の形で使用される。溶媒としては
費用および安全性などの観点から通常、水が用い
られるが、メタノール、アセトンあるいは液体ア
ンモニアなどの非水溶媒を用いることもできる。
金属類の担持方法としては浸漬、スプレー散布
法、混練法などの公知の任意の方法が用いられ
る。また成形触媒では金属類の担持を成形工程前
の段階で行つてもよく又分割して行つてもよい。
発明者らはセピオライトなどのマグネシウムシリ
ケート担体にイオン交換法によつて担持された金
属がきわめて高度にかつ均一に分散しており、担
持量がきわめて少ない場合においても石炭類の水
素化分解反応に対して高活性を示すことを見出し
ている。担体にイオン交換法によつて担持できる
金属類としては周期律表b,b,aおよび
鉄族金属の他に、V,Cr,Snなどが挙げられ
る。これらの金属は塩化物,硫酸塩,硝酸塩など
の金属鉱酸塩,蟻酸塩,酢酸塩などの有機酸塩あ
るいはアンミン錯塩などの水溶液として用いられ
るが、必要に応じて任意の塩類あるいは酸を加え
てPHを1〜7に調整して使用する。 この方法による担持金属は担体を構成するマグ
ネシウム等と交換、担持されることが要件であ
り、担体中のマグネシウム等と置換されることな
く、単に付着あるいは吸着している金属は、置換
されている金属に比べて金属重量当り活性が低
い。従つてかかる付着あるいは吸着している金属
類は洗浄等によつて回収し、再使用して効果的に
置換せしめるのが望ましい。 イオン交換法によつて担持することができる金
属と、担持できない金属とを同一の担体に担持す
る場合には、多段工程によつて担持状態を変えて
担持することも可能である。例えばイオン交換法
によつて第1の金属群を担持したのち、第2の金
属群をアンモニアあるいはアミン水溶液などの塩
基性ないし、中性溶液として担持する方法であ
る。 発明者らの検討によると、多孔質マグネシウム
シリケート担体のうち、特にセピオライトは上記
のイオン交換法を用いて金属類を担持するのに最
も望ましい。これはセピオライトの比表面積およ
び細孔容積が大きいことの他に、パリゴスカイト
あるいはアタパルジヤイトなどの多孔質マグネシ
ウムシリケートに比べて、活性金属によつてイオ
ン交換されやすく、イオン交換によつて担持され
る金属量が多いことなどによると推測される。イ
オン交換によつてセピオライトに担持される金属
のうち、Fe,Ni,Co,Cu,Zn,V,Cr,Sn,
は、高活性触媒が得られるので特に好適である。
これらの金属類をイオン交換によつて担持したの
ち、Mo,Wなどをさらに担持してもよい。 本発明方法においては金属担持マグネシウムシ
リケート触媒を反応方法などに応じて任意の形態
で用いることができる。例えば天然に得られる多
孔質マグネシウムシリケートを充分に粉砕し、水
などの液体の存在下で混練したものをさらに任意
の形状に成形してから用いてもよくあるいは金属
類を担持した多孔質マグネシウムシリケートを適
当な粒度に粉砕した後、直接、石炭粉末に添加し
て用いてもよい。マグネシウムシリケート触媒を
微粉末として用いる場合には、原料石炭に対する
触媒の添加比率は反応方法、殊に使用触媒の循環
方式によつて大巾に異るが通常1〜20重量%でよ
い。反応工程において添加した触媒の1部を反応
生成物から回収し、再び水素化分解反応系に循環
せしめる場合には、原料石炭に対する微粉末触媒
の添加比率は微かな量で十分目的を達することが
できる。 本発明方法によると実質的にあらゆる固体有機
物、就中、石炭類を液状油に転換せしめることが
できる。しかし一般に、亜炭のように炭素含有率
の著しく少ないものでは液状油の収率が低く、か
つ液化油あたりの化学水素消費量が多くなるため
に必ずしも好適な液化原料とはされない。また、
逆に炭素含有率のきわめて多い、例えば無煙炭な
どは、これから液状油を得ることも不可能ではな
いが、一般に水素化反応性が著しく低いために好
ましい原料とはならない。本発明方法において処
理しうる好ましい石炭類としては、無水・無灰基
準での炭素含有率が60〜90%である瀝青炭,亜瀝
青炭および褐炭などである。これらの石炭類は、
いずれも相当量の水分および灰分を含み液化生成
物の固液分離操作を困難にし、あるいは水素化分
解工程において水素分圧を低下せしめるので、予
め乾燥および選炭処理などによつてこれら灰分な
らびに水分を除去しておくのが望ましい。予備処
理された石炭類は、通常100メツシユ篩通過ま
で、あるいは平均単粒子直径が150μ以下、好ま
しくは、30〜100μに微粉砕して水素化分解工程
に供給する。従つて触媒を粉末状態において使用
する場合には、石炭粉末と同様に150μ以下、好
ましくは30〜100μに微粉砕して用いる。石炭類
の粉砕処理は酸化あるいは粉塵爆発を避けるため
に、不活性気体雰囲気、あるいは水、又は油中で
行なう。最終微粉砕工程は特に危険であり、媒体
油と混合しながら混練・微粉砕するのが好まし
い。通常、石炭粉末は媒体油の存在下において水
素化分解・液化される。媒体油としては石炭液化
油、分解油、石油残渣油、コールタール、アント
ラセン油、アルキルナフタレン,テトラリンな
ど、公知の任意のものが選らばれるが、本発明の
方法で生成する石炭液化油、あるいはこれから分
離された留分は、同一系内の成分のみによつて処
理が行われるという面において特に好適である。 媒体油と石炭粉末との混合比率は、該混合物ス
ラリーの取扱いが可能である範囲内において任意
に決められる。しかし石炭の混合比率が小さいと
液化効率が低下し、大きな反応器容積を要するの
で必ずしも好ましくない。逆に石炭混合比率が高
いと液化効率も高くなるが、スラリーの流動性、
就中、予備加熱管内での流動性が低下し、さらに
反応器内部をコーキングなどによつて汚染するの
で必ずしも好ましい結果が得られない。従つて石
炭粉末と媒体油との重量混合比率は、無水・無灰
基準において通常0.05〜2:1、好ましくは0.2
〜0.6:1の範囲がよい。 反応条件は石炭の種類および反応方法などに応
じて広範囲に選ぶことができる。通常、水素圧50
〜500Kg/cm2、好ましくは100〜250Kg/cm2、温度400
〜500℃、好ましくは420〜470℃である。これら
の反応条件のうち、石炭転化率を向上させるため
には一般に、水素圧および温度が高いことが好ま
しいが、化学水素消費量の増加ならびに、メタン
などの軽質炭化水素収率が増加することから、工
業的には好ましくない。また水素圧が低いと反応
器内のコーキングを起しやすく、反応温度が低い
場合には軽質油の収率が小さく、あるいは大きな
反応器を要するなどの点から必ずしも好適とは言
えない。 反応方法も制限的でなく、粉末触媒を用いた懸
濁触媒法、H―石炭法と同様に流動触媒層に石炭
粉末と媒体油からなるスラリーを供給する法、シ
ンソイル法と同様にマグネシウムシリケート触媒
層に高度の乱流条件下で、石炭粉末と媒体油との
混合物を通じる法等を、任意に採用できる。また
液化生成物の処理についても特に制限はない。液
化生成物は固液分離工程で、固形分濃度の大きい
部分と少ない部分に分離し、少ない部分を更に水
素化処理により精製し、固形分濃度の大きい部分
を循環する方法;生成油を水素化処理により精製
した後媒体油を分離し、媒体油を循環する方法;
生成油から媒体油を分離して循環する法等生成油
の性状に応じた任意の方法によつて媒体油、固形
分の分離を行ない、液状分を回収することができ
る。 本発明の方法では、反応の苛酷度あるいは石炭
から液化油の転化率に応じた多量の水素が消費さ
れるが、これら水素源は、副生するメタン等の軽
質炭化水素を常法により水蒸気改良する方法、固
形分が濃縮した残渣分を部分酸化する方法、ある
いは原料石炭の選炭工程で派生するいわゆる2号
炭を部分酸化する方法等によつて製造してもよ
い。 次に本発明方法を実施例によりさらに詳しく説
明する。ここで特に断らない限り、%および
ppmは重量基準による。 実施例 1,2 下記表―1に性状を示した石炭を表―2に性状
を示した触媒を用い水素化分解した。触媒は特開
昭52―95598および52―113901号などに開示した
方法によつて、スペイン産セピオライトを原料と
して調整した。尚、実施例―1においては直径、
約0.8mmの成形触媒をそのまま用い、実施例―2
においてはこれを粉砕し石炭と同じく100メツシ
ユ篩を通過した粉末触媒として用いた。 反応は高圧オートクレーブを用い、媒体油にα
―メチルナフタレンを、石炭粉末に対して29:71
となるように加えた。反応中、水素は封じ込みで
行ない、烈しく撹拌を続けた。反応方法は実施例
―1においては撹拌プロペラの周辺にステンレス
製カゴを取付け、これに触媒粒子を詰めて反応を
行ない、また実施例―2においてはカゴを使用せ
ず石炭スラリー油に対して触媒粉末を約4%加え
て行なつた。表―3の反応条件を示す。 表―1 原料石炭性状 元素分析* 炭 素 81.2% 水 素 5.8% 窒 素 1.6% 硫 黄 0.62% 酸 素 10.8% 水素/炭素原子比 0.86 水 分 2.75% 灰 分 7.53% *無灰・無水基準による。 表―2 セピオライト触媒性状 比表面積 171m2/g 細孔容積(水銀圧入法) 0.79c.c./g 分析結果 MoO3 6.6 % CoO 1.9 % SiO2 48.8 % MgO 18.6 % 反応終了後、生成油を5μフイルターを用いて
固液分離し、石炭粉末仕込み量(および触媒量)
と、反応後のトルエン不溶固形分量から石炭転化
率を求めた。それによると無水・無灰基準での石
炭転化率は実施例―1においては78.3%、実施例
―2では90.6%であつた。 表―3 反応条件 水素圧(初圧) 200Kg/cm2 反応温度 430℃ 反応時間 3時間 実施例 3〜7 実施例―1,2で用いたものと同一の原料石炭
を、各種のマグネシウムシリケート担体触媒の存
在下において水素化分解した。反応は実施例―1
と同一オートクレーブを用い、また石炭および各
触媒は100メツシユ篩を通過する微粉末状とし
た。石炭粉末を分散させるための媒体油としては
初留点164℃,50%留出点321℃,終点391℃で窒
素を0.68%,硫黄を0.44%含むクレオソート油を
石炭粉末に対して4倍加えた。また反応条件はい
ずれも水素圧160Kg/cm2,反応温度440℃,反応時
間2時間,スラリー油に対する触媒添加率1%と
し、又石炭転化率は実施例―1,2と同様にして
求めた。 本実施例に用いた触媒性状を表―4に示す。実
施例―3において用いた触媒は、硫酸バナジルを
0.5モル%含む水溶液にセピオライトを約1昼夜
浸漬することによつてセピオライト中のマグネシ
ウムの1部をバナジウム(バナジル)によつて置
換し、蒸留水によつて充分に洗浄したのち、各々
200℃および500℃にて1時間づつ乾燥および焼成
して調整した。また実施例―4,5おいては、硫
酸ニツケルを0.5モル%含む、水溶液を用い実施
例―3と同様にして、イオン交換法によつてニツ
ケルを担持した。実施例―5においてはニツケル
を担持したものに、過剰のアンモニアを含むパラ
モリブデン酸アンモン水溶液をスプレーすること
によつて調製した。実施例6―6,7において
は、常法に従つて各担体に硫酸ニツケルおよびパ
ラモリブデン酸アンモンを含むアンモニア水溶液
を含浸させたのち、実施例―3と同様に乾燥・焼
成して調製した。 表―4に各触媒を用いた場合における石炭液化
率を示したが、特にセピオライト担体触媒が石炭
の水素化分解反応に対して高活性を示すことが認
められる。
【表】
【表】
番 号 担 体 金属担持量 石炭液化率
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 マグネシウムシリケートを主成分とする多孔
質担体に遷移金属および錫からなる群から選ばれ
た1種以上の金属の化合物を担持してなる触媒の
存在下に、媒体油中の石炭類を水素圧50〜500Kg/
cm2,温度400〜500℃で水素化処理することを特徴
とする石炭類の水素化分解法。 2 触媒および石炭類が共に100メツシユ通過の
微粉砕物である特許請求の範囲第1項記載の方
法。 3 触媒担体がセピオライト,パリゴルスカイト
およびアタパルジヤイトから選ばれた1種以上か
らなり、金属類がCu,Zn,Y,ランタニド,
V,Cr,Mo,W,Mn,Sn,Fe,Co,Niから選
らばれた1種以上である特許請求の範囲第1ある
いは2項記載の方法。 4 担体がセピオライトからなり、金属類が
Fe,Ni,Co,Cu,Zn,V,Cr,Snから選らば
れる1種以上である特許請求の範囲第3項記載の
方法。 5 媒体油が石炭液化油,分解油,石油残渣油,
コールタール,アントラセン油,アルキルナフタ
レンあるいはテトラリンである特許請求の範囲第
1,2,3あるいは4項記載の方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14915079A JPS5672079A (en) | 1979-11-17 | 1979-11-17 | Hydrocracking of coal |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14915079A JPS5672079A (en) | 1979-11-17 | 1979-11-17 | Hydrocracking of coal |
Publications (2)
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| JPS5672079A JPS5672079A (en) | 1981-06-16 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14915079A Granted JPS5672079A (en) | 1979-11-17 | 1979-11-17 | Hydrocracking of coal |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5672079A (ja) |
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-
1979
- 1979-11-17 JP JP14915079A patent/JPS5672079A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02137425U (ja) * | 1989-04-18 | 1990-11-16 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5672079A (en) | 1981-06-16 |
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