JPS6144474B2 - - Google Patents
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- JPS6144474B2 JPS6144474B2 JP10206579A JP10206579A JPS6144474B2 JP S6144474 B2 JPS6144474 B2 JP S6144474B2 JP 10206579 A JP10206579 A JP 10206579A JP 10206579 A JP10206579 A JP 10206579A JP S6144474 B2 JPS6144474 B2 JP S6144474B2
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- Japan
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- phenylalanine
- ammonia
- cinnamic acid
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明は酵素法によるL―フエニルアラニンの
製法に関し、更に詳しくはL―フエニルアラニン
アンモニアリアーゼを含有する微生物の培養液あ
るいは該培養液から採取せる菌体又は該菌体処理
物を用いて桂皮酸とアンモニアもしくはアンモニ
ア供与体とからL―フエニルアラニンを効率よく
製造する方法に関する。 微生物の生産する酵素を用いて桂皮酸とアンモ
ニアもしくはアンモニア供与体とからL―フエニ
ルアラニンを製造する方法は、すでに英国特許第
1489468号公報によつて報告されている。この英
国特許方法は、ロドトルラ属またはフザリウム属
微生物の生産するL―フエニルアラニンアンモニ
アリアーゼを桂皮酸とアンモニアもしくはアンモ
ニア供与体とに作用させてL―フエニルアラニン
を製造するに際し、アンモニアもしくはアンモニ
ア供与体を、桂皮酸に対してモル比で2倍以上、
好ましくは8倍で使用することを特徴とし、この
ような特定条件下で、従来認められていなかつた
L―フエニルアラニンアンモニアリアーゼによる
桂皮酸からL―フエニルアラニンの生成を可能に
したものである。しかしながらこの方法による場
合。 (i) 使用した桂皮酸の最大20%をL―フエニルア
ラニンへ転換させることができるとしているに
もかかわらず、かかる転換率を達成することが
できる場合は酵素反応液中の桂皮酸濃度が
0.006モル濃度(0.1%)と非常に低濃度におい
てのみであり、同公報実施例に示されているよ
うに桂皮酸濃度が0.33〜0.66モル濃度(5〜10
%)と高濃度になると、そのL―フエニルアラ
ニンへの転換率は5%以下に低下してくる。そ
して (ii) 上記の如く桂皮酸からL―フエニルアラニン
への転換率が低いことからL―フエニルアラニ
ンの蓄積量も低くなり(わずかに2.5mg/ml以
下)このため (iii) 生成したL―フエニルアラニンをはるかに上
廻る、未反応桂皮酸が反応液中に存在すること
になり、L―フエニルアラニンの単離が著しく
困難となるばかりでなく、更に (iv) 未反応原料の回収、および再使用も工業的に
は必須となつてくる等の多くの問題があつた。 本発明者等は前記英国特許方法における酵素
反応について種々研究を重ねた結果、 (イ) 酵素反応液中のアンモニウムイオン濃度が
桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換に大
きく関与していること、および (ロ) 酵素反応液中の桂皮酸濃度が高いと該反応
を触媒するL―フエニルアラニンアンモニア
リアーゼが桂皮酸により基質阻害をうけるこ
と 等のアンモニウム濃度と反応平衡の関係お
よび桂皮酸濃度と基質阻害の関係について新
規な知見を得るに至つた。 本発明者等はかかる新規な知見にもとづいて更
に研究を進めた結果、該酵素反応に際して反応液
中にアンモニアもしくはアンモニア供与体を、そ
のアンモニウムイオン濃度が少なくとも3モル濃
度以上となるように、更に桂皮酸をその濃度が約
0.05〜0.2モル濃度となるようにそれぞれ添加す
れば、桂皮酸より約50%以上、80%程度の高転換
率でL―フエニルアラニンを製造することができ
るから、L―フエニルアラニンを反応液中に実用
的高濃度(4〜25mg/ml)で蓄積せしめることが
でき、更に該反応液中には未反応の桂皮酸量も少
なくなり生成したL―フエニルアラニンの単離操
作等が著しく改善されることを見出し、工業的に
有利なL―フエニルアラニンの製造法を完成する
に至つた。 すなわち、本発明はL―フエニルアラニンアン
モニアリアーゼを含有する微生物の培養液あるい
は該培養液から採取せる菌体又は該菌体処理物の
存在下に桂皮酸とアンモニアもしくはアンモニア
供与体とを酵素反応させてL―フエニルアラニン
を製造するに際し、該酵素反応をアンモニアもし
くはアンモニア供与体の濃度が少なくとも約3モ
ル濃度以上であり、桂皮酸の濃度が約0.05〜0.2
モル濃度である条件下に行なうことを特徴とする
酵素法によるL―フエニルアラニンの製法であ
る。 以下、本発明方法を詳細に説明する。 本発明において、L―フエニルアラニンアンモ
ニアリアーゼを含有する微生物としては、桂皮酸
とアンモニアもしくはアンモニア供与体とからL
―フエニルアラニンを生成せしめる能力を持つ微
生物であればいずれの微生物であつてもよいが、
とりわけ例えばスポロボロマイセス・ロゼウス
227(微工研菌寄第3852号)、スポロボロマイセ
ス・ロゼウス221(微工研菌寄第3853号)〔これら
2菌株の菌学的性状はザ・イースト・ア・トキソ
ノミツク・スタデイー,J・ロダーおよびN,
J,W.クレガー・バン・リツジ著,第2版,348
〜352頁(1967年),“ノース・オランダ・パブリ
ツシング・カンパニー,アムステルダム”に記載
されている〕,ロドスポリジウム・トルロイデス
IF00559,ロドトルラ・テゼンシスIF00932,ロ
ドトルラ・ルブラOUT6158等の微生物の培養
液・該培養液から遠心分離等により採取せる菌体
または該菌体の処理物(例えば洗浄菌体,乾燥菌
体,菌体磨砕物,菌体の自己消化物,菌体の超音
波処理物,菌体を例えばアクリルアミドゲル法ま
たはカラギーナンゲル法により固定化したもの)
等を好適に用いることができる。 本発明の酵素反応は、例えば上記微生物の培養
液、該培養液から遠心分離等により採取せる菌体
または該菌体処理物を桂皮酸とアンモニアもしく
はアンモニア供与体とに作用させることにより実
施することができる。上記酵素反応において使用
する一方の原料のアンモニアもしくはアンモニア
供与体としては、アンモニア水のほか例えば酢酸
アンモニウム,硫酸アンモニウユム,塩化アンモ
ニウム等の有機乃至無機アンモニウム塩があげら
れる。これらのアンモニアもしくはアンモニア供
与体は酵素反応液に対してアンモニウムイオン濃
度が少なくとも3モル濃度となるように添加する
のが必要であり、かくすることにより桂皮酸を50
%以上の高転換率でL―フエニルアラニンへ転換
することが可能となる。アンモニウムイオン濃度
が3モル濃度以下では実験例2で示される如く、
桂皮酸を高転換率でL―フエニルアラニンへ変換
することができない。また他方の原料の桂皮酸
は、反応液に対してその濃度が約0.05〜0.2モル
濃度(0.75〜3%)となるように添加するのが、
反応系に存在させるL―フエニルアラニンアンモ
ニアリアーゼ活性の基質阻害をできるだけ避け、
かつ実用的濃度以上でL―フエニルアラニンを蓄
積させるために必要である。反応液中の桂皮酸濃
度が0.2モル濃度以上では、後記実験例1に示さ
れる如く、酵素が基質阻害を受けてその活性が著
しく低下するので反応は殆んど進行しないか、も
しくは進行してもその速度は極端に低下し、また
0.05モル濃度以下では当該酵素活性が基質阻害を
受けることは全くないが、桂皮酸の仕込量が少な
くなるため、たとえ桂皮酸のL―フエニルアラニ
ンへの転換率が高いとしてもL―フエニルアラニ
ン自体の蓄積量が少なくなつて実用的濃度では得
られず、これらいずれの場合にも反応効率の低下
を避けることができない。 以上の如く反応液中のアンモニウムイオン濃度
と桂皮酸濃度は、それぞれ独立して桂皮酸のL―
フエニルアラニンへの転換に大きく関与するもの
であるが反応液におけるアンモニウムイオンおよ
び桂皮酸の好適濃度は上記実施可能範囲において
桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換率,蓄積
L―フエニルアラニンの濃度、L―フエニルアラ
ニンの単離操作等を考慮することにより実験的に
求めればよい。例えば後記実験例1〜2で示され
ている、スポロボロマイセス・ロゼウス221(微
工研菌寄第3853号)、ロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559の場合、それら実験結果からアン
モニウムイオン濃度が約8〜10モル濃度、また桂
皮酸濃度が0.15〜0.2モル濃度であるのが好まし
く、この場合L―フエニルアラニンを反応液に20
〜25mg/mlの著量を蓄積せしめることができる。 本発明の酵素反応は通常、水性媒質中で温度20
℃〜60℃、好ましくは30℃〜40℃程度、PH約9〜
10の条件下に実施するのが好ましい。反応時間は
静置、かくはん、流下等の手段、あるいは酵素の
形態および能力によつて異なるので一様ではない
が、バツチ法では通常1〜72時間程度である。
尚、本反応において酵素源として生菌体を用いる
場合、界面活性剤を添加することにより反応時間
を著しく短縮できる場合がある。 反応液中に生成蓄積したL―フエニルアラニン
の分離精製は、通常のイオン交換樹脂やその他公
知の方法を組み合せて容易に行なうことができ
る。 本発明方法によれば、桂皮酸のL―フエニルア
ラニンへの転換反応を50%以上、80%の転換率で
実施し得るので、原料基質である桂皮酸の使用量
を節減してL―フエニルアラニンを高収率で製造
することができ、更に反応液中の生成したL―フ
エニルアラニンの単離取得が極めて容易となるた
め本発明方法は前記英国特許方法に比し、経済的
にはるかに有利なL―フエニルアラニンの製造法
となるものである。 以下、実験例、実施例をあげて本発明方法を更
に具体的に説明するが、該実施例中L―フエニル
アラニンの確認および定量はペーパークロマトグ
ラフイーによるニンヒドリン発色位置、アミノ酸
オートアナライザー及びロイコノストツク・メセ
ンテロイデスP―60によるバイオアツセイ法によ
り行なつた。 実験例 1 (酵素反応における桂皮酸濃度の影響) 桂皮酸を第1表に示す如く変化させ、その桂皮
酸をそれぞれ28%アンモニア水(市販品)55mlに
溶解し、塩酸を適当量加えてPHを調整したのち蒸
留水を加えて全量80mlとする。これに酵素標品と
してスポロボロマイセス・ロゼウス221(微工研
菌寄第3853号)またはロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559の菌体けん濁液20mlを加えて100
mlとし、30℃で転換反応を行つてその初速度を測
定した。その結果は第1表に示す通りであり、桂
皮酸のL―フエニルアラニンへの転換反応の酵素
活性に対して桂皮酸濃度が大きく関与しているこ
とが認められた。
製法に関し、更に詳しくはL―フエニルアラニン
アンモニアリアーゼを含有する微生物の培養液あ
るいは該培養液から採取せる菌体又は該菌体処理
物を用いて桂皮酸とアンモニアもしくはアンモニ
ア供与体とからL―フエニルアラニンを効率よく
製造する方法に関する。 微生物の生産する酵素を用いて桂皮酸とアンモ
ニアもしくはアンモニア供与体とからL―フエニ
ルアラニンを製造する方法は、すでに英国特許第
1489468号公報によつて報告されている。この英
国特許方法は、ロドトルラ属またはフザリウム属
微生物の生産するL―フエニルアラニンアンモニ
アリアーゼを桂皮酸とアンモニアもしくはアンモ
ニア供与体とに作用させてL―フエニルアラニン
を製造するに際し、アンモニアもしくはアンモニ
ア供与体を、桂皮酸に対してモル比で2倍以上、
好ましくは8倍で使用することを特徴とし、この
ような特定条件下で、従来認められていなかつた
L―フエニルアラニンアンモニアリアーゼによる
桂皮酸からL―フエニルアラニンの生成を可能に
したものである。しかしながらこの方法による場
合。 (i) 使用した桂皮酸の最大20%をL―フエニルア
ラニンへ転換させることができるとしているに
もかかわらず、かかる転換率を達成することが
できる場合は酵素反応液中の桂皮酸濃度が
0.006モル濃度(0.1%)と非常に低濃度におい
てのみであり、同公報実施例に示されているよ
うに桂皮酸濃度が0.33〜0.66モル濃度(5〜10
%)と高濃度になると、そのL―フエニルアラ
ニンへの転換率は5%以下に低下してくる。そ
して (ii) 上記の如く桂皮酸からL―フエニルアラニン
への転換率が低いことからL―フエニルアラニ
ンの蓄積量も低くなり(わずかに2.5mg/ml以
下)このため (iii) 生成したL―フエニルアラニンをはるかに上
廻る、未反応桂皮酸が反応液中に存在すること
になり、L―フエニルアラニンの単離が著しく
困難となるばかりでなく、更に (iv) 未反応原料の回収、および再使用も工業的に
は必須となつてくる等の多くの問題があつた。 本発明者等は前記英国特許方法における酵素
反応について種々研究を重ねた結果、 (イ) 酵素反応液中のアンモニウムイオン濃度が
桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換に大
きく関与していること、および (ロ) 酵素反応液中の桂皮酸濃度が高いと該反応
を触媒するL―フエニルアラニンアンモニア
リアーゼが桂皮酸により基質阻害をうけるこ
と 等のアンモニウム濃度と反応平衡の関係お
よび桂皮酸濃度と基質阻害の関係について新
規な知見を得るに至つた。 本発明者等はかかる新規な知見にもとづいて更
に研究を進めた結果、該酵素反応に際して反応液
中にアンモニアもしくはアンモニア供与体を、そ
のアンモニウムイオン濃度が少なくとも3モル濃
度以上となるように、更に桂皮酸をその濃度が約
0.05〜0.2モル濃度となるようにそれぞれ添加す
れば、桂皮酸より約50%以上、80%程度の高転換
率でL―フエニルアラニンを製造することができ
るから、L―フエニルアラニンを反応液中に実用
的高濃度(4〜25mg/ml)で蓄積せしめることが
でき、更に該反応液中には未反応の桂皮酸量も少
なくなり生成したL―フエニルアラニンの単離操
作等が著しく改善されることを見出し、工業的に
有利なL―フエニルアラニンの製造法を完成する
に至つた。 すなわち、本発明はL―フエニルアラニンアン
モニアリアーゼを含有する微生物の培養液あるい
は該培養液から採取せる菌体又は該菌体処理物の
存在下に桂皮酸とアンモニアもしくはアンモニア
供与体とを酵素反応させてL―フエニルアラニン
を製造するに際し、該酵素反応をアンモニアもし
くはアンモニア供与体の濃度が少なくとも約3モ
ル濃度以上であり、桂皮酸の濃度が約0.05〜0.2
モル濃度である条件下に行なうことを特徴とする
酵素法によるL―フエニルアラニンの製法であ
る。 以下、本発明方法を詳細に説明する。 本発明において、L―フエニルアラニンアンモ
ニアリアーゼを含有する微生物としては、桂皮酸
とアンモニアもしくはアンモニア供与体とからL
―フエニルアラニンを生成せしめる能力を持つ微
生物であればいずれの微生物であつてもよいが、
とりわけ例えばスポロボロマイセス・ロゼウス
227(微工研菌寄第3852号)、スポロボロマイセ
ス・ロゼウス221(微工研菌寄第3853号)〔これら
2菌株の菌学的性状はザ・イースト・ア・トキソ
ノミツク・スタデイー,J・ロダーおよびN,
J,W.クレガー・バン・リツジ著,第2版,348
〜352頁(1967年),“ノース・オランダ・パブリ
ツシング・カンパニー,アムステルダム”に記載
されている〕,ロドスポリジウム・トルロイデス
IF00559,ロドトルラ・テゼンシスIF00932,ロ
ドトルラ・ルブラOUT6158等の微生物の培養
液・該培養液から遠心分離等により採取せる菌体
または該菌体の処理物(例えば洗浄菌体,乾燥菌
体,菌体磨砕物,菌体の自己消化物,菌体の超音
波処理物,菌体を例えばアクリルアミドゲル法ま
たはカラギーナンゲル法により固定化したもの)
等を好適に用いることができる。 本発明の酵素反応は、例えば上記微生物の培養
液、該培養液から遠心分離等により採取せる菌体
または該菌体処理物を桂皮酸とアンモニアもしく
はアンモニア供与体とに作用させることにより実
施することができる。上記酵素反応において使用
する一方の原料のアンモニアもしくはアンモニア
供与体としては、アンモニア水のほか例えば酢酸
アンモニウム,硫酸アンモニウユム,塩化アンモ
ニウム等の有機乃至無機アンモニウム塩があげら
れる。これらのアンモニアもしくはアンモニア供
与体は酵素反応液に対してアンモニウムイオン濃
度が少なくとも3モル濃度となるように添加する
のが必要であり、かくすることにより桂皮酸を50
%以上の高転換率でL―フエニルアラニンへ転換
することが可能となる。アンモニウムイオン濃度
が3モル濃度以下では実験例2で示される如く、
桂皮酸を高転換率でL―フエニルアラニンへ変換
することができない。また他方の原料の桂皮酸
は、反応液に対してその濃度が約0.05〜0.2モル
濃度(0.75〜3%)となるように添加するのが、
反応系に存在させるL―フエニルアラニンアンモ
ニアリアーゼ活性の基質阻害をできるだけ避け、
かつ実用的濃度以上でL―フエニルアラニンを蓄
積させるために必要である。反応液中の桂皮酸濃
度が0.2モル濃度以上では、後記実験例1に示さ
れる如く、酵素が基質阻害を受けてその活性が著
しく低下するので反応は殆んど進行しないか、も
しくは進行してもその速度は極端に低下し、また
0.05モル濃度以下では当該酵素活性が基質阻害を
受けることは全くないが、桂皮酸の仕込量が少な
くなるため、たとえ桂皮酸のL―フエニルアラニ
ンへの転換率が高いとしてもL―フエニルアラニ
ン自体の蓄積量が少なくなつて実用的濃度では得
られず、これらいずれの場合にも反応効率の低下
を避けることができない。 以上の如く反応液中のアンモニウムイオン濃度
と桂皮酸濃度は、それぞれ独立して桂皮酸のL―
フエニルアラニンへの転換に大きく関与するもの
であるが反応液におけるアンモニウムイオンおよ
び桂皮酸の好適濃度は上記実施可能範囲において
桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換率,蓄積
L―フエニルアラニンの濃度、L―フエニルアラ
ニンの単離操作等を考慮することにより実験的に
求めればよい。例えば後記実験例1〜2で示され
ている、スポロボロマイセス・ロゼウス221(微
工研菌寄第3853号)、ロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559の場合、それら実験結果からアン
モニウムイオン濃度が約8〜10モル濃度、また桂
皮酸濃度が0.15〜0.2モル濃度であるのが好まし
く、この場合L―フエニルアラニンを反応液に20
〜25mg/mlの著量を蓄積せしめることができる。 本発明の酵素反応は通常、水性媒質中で温度20
℃〜60℃、好ましくは30℃〜40℃程度、PH約9〜
10の条件下に実施するのが好ましい。反応時間は
静置、かくはん、流下等の手段、あるいは酵素の
形態および能力によつて異なるので一様ではない
が、バツチ法では通常1〜72時間程度である。
尚、本反応において酵素源として生菌体を用いる
場合、界面活性剤を添加することにより反応時間
を著しく短縮できる場合がある。 反応液中に生成蓄積したL―フエニルアラニン
の分離精製は、通常のイオン交換樹脂やその他公
知の方法を組み合せて容易に行なうことができ
る。 本発明方法によれば、桂皮酸のL―フエニルア
ラニンへの転換反応を50%以上、80%の転換率で
実施し得るので、原料基質である桂皮酸の使用量
を節減してL―フエニルアラニンを高収率で製造
することができ、更に反応液中の生成したL―フ
エニルアラニンの単離取得が極めて容易となるた
め本発明方法は前記英国特許方法に比し、経済的
にはるかに有利なL―フエニルアラニンの製造法
となるものである。 以下、実験例、実施例をあげて本発明方法を更
に具体的に説明するが、該実施例中L―フエニル
アラニンの確認および定量はペーパークロマトグ
ラフイーによるニンヒドリン発色位置、アミノ酸
オートアナライザー及びロイコノストツク・メセ
ンテロイデスP―60によるバイオアツセイ法によ
り行なつた。 実験例 1 (酵素反応における桂皮酸濃度の影響) 桂皮酸を第1表に示す如く変化させ、その桂皮
酸をそれぞれ28%アンモニア水(市販品)55mlに
溶解し、塩酸を適当量加えてPHを調整したのち蒸
留水を加えて全量80mlとする。これに酵素標品と
してスポロボロマイセス・ロゼウス221(微工研
菌寄第3853号)またはロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559の菌体けん濁液20mlを加えて100
mlとし、30℃で転換反応を行つてその初速度を測
定した。その結果は第1表に示す通りであり、桂
皮酸のL―フエニルアラニンへの転換反応の酵素
活性に対して桂皮酸濃度が大きく関与しているこ
とが認められた。
【表】
但し、酵素活性は桂皮酸50mMの場合の活性を
それぞれ100とした。 又、表中SおよびRは下記を表わす。 以下同。 S:スポロボロマイセス・ロゼウスの菌体 R:ロドスポリジウム・トルロイデスの菌体 実験例 2 (酵素反応におけるアンモニウムイオン濃度の
影響) 桂皮酸1000mgまたは3000mgを28%アンモニア水
(市販品)の適当量に溶解し、塩酸でPHを10.0に
調整したのち蒸留水を加えて全量80mlとする。こ
れに実験例1と同一の菌体けん濁液20mlを加えて
100mlとし、30℃で18時間反応せしめた。反応
後、桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換率を
算出し、その転換率に及ぼすアンモニウムイオン
濃度の影響を調べた。その結果は第2表に示す通
りであり、桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転
換に対してアンモニウムイオン濃度が大きく関与
していることが認められた。
それぞれ100とした。 又、表中SおよびRは下記を表わす。 以下同。 S:スポロボロマイセス・ロゼウスの菌体 R:ロドスポリジウム・トルロイデスの菌体 実験例 2 (酵素反応におけるアンモニウムイオン濃度の
影響) 桂皮酸1000mgまたは3000mgを28%アンモニア水
(市販品)の適当量に溶解し、塩酸でPHを10.0に
調整したのち蒸留水を加えて全量80mlとする。こ
れに実験例1と同一の菌体けん濁液20mlを加えて
100mlとし、30℃で18時間反応せしめた。反応
後、桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転換率を
算出し、その転換率に及ぼすアンモニウムイオン
濃度の影響を調べた。その結果は第2表に示す通
りであり、桂皮酸のL―フエニルアラニンへの転
換に対してアンモニウムイオン濃度が大きく関与
していることが認められた。
【表】
但し、表中AおよびBは下記を表わす。
A:桂皮酸1000mg/100ml
B:桂皮酸3000mg/100ml
実施例 1
(1) 下記組成の培地(PH6.5)100mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、スポロボロマイセス・ロゼ
ウス221(微工研寄菌第3853号)を1白金耳接
種する。25℃にて40時間しんとう培養する。培
養終了後・培養液100mlを遠心分離し、スポロ
ボロマイセス・ロゼウス221の菌体を集める。 培地組成(100ml中) ペプトン 0.5g 酵母エキス 2.5g 食 塩 0.5g (2) 桂皮酸3000gを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPHを10.0に調整したの
ち、上記(1)で得たスポロボロマイセス・ロゼウ
ス221の菌体をけん濁する。この菌体けん濁液
に水を加えて全量100mlとし、30℃で18時間反
応する。反応後、反応液中の桂皮酸の80%がL
―フエニルアラニンへ転換され、約2500mgのL
―フエニルアラニンが蓄積していることが認め
られた。この反応液から菌体を遠心分離により
除去し、上澄液を塩酸でPH2.0にして桂皮酸を
ろ去した。このろ液をエーテルで洗浄し、残つ
た桂皮酸を除去し、上澄液を濃縮してPHを5.5
にして、L―フエニルアラニンを沈殿させた。 L―フエニルアラニン2325mg(収率75%)を
得た。 実施例 2 (1) 実施例1と同一組成の培地100mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、これにスポロボロマイセ
ス・ロゼウス227(微工研菌寄第3852号)を1
白金耳接種する。以下実施例1と同様に処理し
てスポロボロマイセス・ロゼウス227菌体を集
める。 (2) 桂皮酸2220mgを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPHを10.0に調整したのち
上記(1)で得たスポロボロマイセス・ロゼウス
227の菌体をけん濁する。この菌体けん濁液に
水を加えて全量100mlとし、30℃で24時間反応
する。反応後、反応液中の桂皮酸の80%がL―
フエニルアラニンへ転換され、約2040mgのL―
フエニルアラニンが蓄積されていることが認め
られた。 実施例 3 (1) 下記組成の培地(PH6.5)100mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、ロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559を1白金耳接種する。30℃にて
16時間しんとう培養したのち、遠心分離してロ
ドスポリジウム・トルロイデスの菌体を集め
る。 培地組成(100ml中) ペプトン 3g 酵母エキス 0.5g 食 塩 0.5g (2) 桂皮酸2220mgを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPH10.0に調整したのち、
上記(1)で得たロドスポリジウム・トルロイデス
の菌体をけん濁する。以下実施例2と同様に処
理すると、反応液中の桂皮酸の80%がL―フエ
ニルアラニンへ転換され、約2040mgのL―フエ
ニルアラニンが蓄積されていることが認められ
た。
口フラスコに入れ、スポロボロマイセス・ロゼ
ウス221(微工研寄菌第3853号)を1白金耳接
種する。25℃にて40時間しんとう培養する。培
養終了後・培養液100mlを遠心分離し、スポロ
ボロマイセス・ロゼウス221の菌体を集める。 培地組成(100ml中) ペプトン 0.5g 酵母エキス 2.5g 食 塩 0.5g (2) 桂皮酸3000gを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPHを10.0に調整したの
ち、上記(1)で得たスポロボロマイセス・ロゼウ
ス221の菌体をけん濁する。この菌体けん濁液
に水を加えて全量100mlとし、30℃で18時間反
応する。反応後、反応液中の桂皮酸の80%がL
―フエニルアラニンへ転換され、約2500mgのL
―フエニルアラニンが蓄積していることが認め
られた。この反応液から菌体を遠心分離により
除去し、上澄液を塩酸でPH2.0にして桂皮酸を
ろ去した。このろ液をエーテルで洗浄し、残つ
た桂皮酸を除去し、上澄液を濃縮してPHを5.5
にして、L―フエニルアラニンを沈殿させた。 L―フエニルアラニン2325mg(収率75%)を
得た。 実施例 2 (1) 実施例1と同一組成の培地100mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、これにスポロボロマイセ
ス・ロゼウス227(微工研菌寄第3852号)を1
白金耳接種する。以下実施例1と同様に処理し
てスポロボロマイセス・ロゼウス227菌体を集
める。 (2) 桂皮酸2220mgを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPHを10.0に調整したのち
上記(1)で得たスポロボロマイセス・ロゼウス
227の菌体をけん濁する。この菌体けん濁液に
水を加えて全量100mlとし、30℃で24時間反応
する。反応後、反応液中の桂皮酸の80%がL―
フエニルアラニンへ転換され、約2040mgのL―
フエニルアラニンが蓄積されていることが認め
られた。 実施例 3 (1) 下記組成の培地(PH6.5)100mlを500ml容坂
口フラスコに入れ、ロドスポリジウム・トルロ
イデスIF00559を1白金耳接種する。30℃にて
16時間しんとう培養したのち、遠心分離してロ
ドスポリジウム・トルロイデスの菌体を集め
る。 培地組成(100ml中) ペプトン 3g 酵母エキス 0.5g 食 塩 0.5g (2) 桂皮酸2220mgを28%アンモニア水(市販品)
55mlに溶解し、塩酸でPH10.0に調整したのち、
上記(1)で得たロドスポリジウム・トルロイデス
の菌体をけん濁する。以下実施例2と同様に処
理すると、反応液中の桂皮酸の80%がL―フエ
ニルアラニンへ転換され、約2040mgのL―フエ
ニルアラニンが蓄積されていることが認められ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 桂皮酸とアンモニアもしくはアンモニア供与
体とをL―フエニルアラニンアンモニアリアーゼ
を含有する微生物の培養液あるいは該培養液から
採取せる菌体又は該菌体処理物の存在下に酵素反
応させてL―フエニルアラニンを製造するに際
し、該酵素反応をアンモニアもしくはアンモニア
供与体の濃度が少なくとも3モル濃度以上であ
り、桂皮酸濃度が0.05〜0.2モル濃度である条件
下に行うことを特徴とする酵素法によるL―フエ
ニルアラニンの製法。 2 L―フエニルアラニンアンモニアリアーゼが
スポロボロマイセス属またはロドトルラ属微生物
の生産するL―フエニルアラニンアンモニアリア
ーゼである特許請求の範囲第1項記載の製法。 3 L―フエニルアラニンアンモニアリアーゼ源
としてスポロボロマイセス属またはロドトルラ属
微生物の培養液あるいは該培養液から採取せる菌
体または該菌体処理物を使用する特許請求の範囲
第2項記載の製法。 4 スポロボロマイセス属微生物がスポロボロマ
イセス・ロゼウス221(微工研菌寄第3853号)で
ある特許請求の範囲第2項記載の製法。 5 スポロボロマイセス属微生物がスポロボロマ
イセス・ロゼウス227(微工研菌寄第3852号)で
ある特許請求の範囲第2項記載の製法。 6 ロドトルラ属微生物がロドトルラ・グルチニ
スIF00599である特許請求の範囲第3項記載の製
法。 7 アンモニアもしくはアンモニア供与体の濃度
が約8〜10モル濃度である特許請求の範囲第2
項,第3項,第4項,第5項または第6項記載の
製法。 8 桂皮酸濃度が約0.15〜0.20モル濃度である特
許請求の範囲第2項,第3項,第4項,第5項,
第6項または第7項記載の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10206579A JPS5626197A (en) | 1979-08-09 | 1979-08-09 | Preparation of l-phenylalanine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10206579A JPS5626197A (en) | 1979-08-09 | 1979-08-09 | Preparation of l-phenylalanine |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5626197A JPS5626197A (en) | 1981-03-13 |
| JPS6144474B2 true JPS6144474B2 (ja) | 1986-10-02 |
Family
ID=14317355
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10206579A Granted JPS5626197A (en) | 1979-08-09 | 1979-08-09 | Preparation of l-phenylalanine |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5626197A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA1206435A (en) * | 1982-10-01 | 1986-06-24 | Wayne E. Swann | Method for the production of l-phenylalanine through the reuse of phenylalanine ammonia lyase |
| JPS6043393A (ja) * | 1983-08-19 | 1985-03-07 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | L−フエニルアラニンの製法 |
| IT1174140B (it) * | 1984-05-31 | 1987-07-01 | Erba Farmitalia | Metodo per l' estrazione di fenilalanina da brodi di bioconversione |
| US5981239A (en) * | 1997-09-24 | 1999-11-09 | Great Lakes Chemical Corp. | Synthesis of optically active phenylalanine analogs using Rhodotorula graminis |
| DE10061539C1 (de) | 2000-12-11 | 2002-07-11 | Haarmann & Reimer Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Zimtsäureester |
-
1979
- 1979-08-09 JP JP10206579A patent/JPS5626197A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5626197A (en) | 1981-03-13 |
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