JPS6261675B2 - - Google Patents
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- JPS6261675B2 JPS6261675B2 JP57092196A JP9219682A JPS6261675B2 JP S6261675 B2 JPS6261675 B2 JP S6261675B2 JP 57092196 A JP57092196 A JP 57092196A JP 9219682 A JP9219682 A JP 9219682A JP S6261675 B2 JPS6261675 B2 JP S6261675B2
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Description
本発明は、低過電圧を示し、また充分な耐久
性、耐食性を有す電極の製造法に関するものであ
り、さらに詳しくは、クロム、ニツケル又はこれ
らを含む合金相を表面組成として持つ金属基体表
面上にメツキ法により上記電極を製造する方法に
関するものである。 本発明により得られる電極は、水素発生用電
極、酸素発生用電極等、種々の電極としての用途
に適しているが、特にアルカリ溶液中の水素発生
反応を主反応とする陰極としての用途に適する。 従来、水素発生反応を陰極の主反応とする水電
解あるいは塩化アルカリ水溶液の電解において
は、主に鉄陰極が使用されてきた。鉄は、陰極材
料としてコスト的にも安価でありまたかなり低い
水素過電圧を示すものであるが、近年さらにこれ
を改良する必要性が生じている。 特に、陽イオン交換膜法食塩電解技術の発展と
共に、省エネルギーの面から水素過電圧の一層の
低下が望まれ、また高温、高アルカリ濃度という
電解条件のため、鉄の耐食性等が問題視されてい
る。このため、鉄陰極に比べて低い水素過電圧を
示し、経済的でしかも充分な耐久性、耐食性を有
する新しい陰極の出現が望まれ、各所で種々の検
討がなされており、いくつかの方法が提案されて
いる。 この中で、従来の水電解技術の発展の過程で提
案されてきた低水素過電圧を与えるニツケルメツ
キ、例えば、硫黄を含むニツケルメツキ(例えば
特公昭25−2305、あるいは吉沢四郎・渡辺信淳共
著「電気化学」共立全書出版の水電解の章、
P69)が古くより知られており、白金族等を被覆
した電極に比べコスト的にも安価であり、注目さ
れている。 本発明者らは、上記手法により得られるメツキ
被膜につき詳細な検討を行つた結果、これらのメ
ツキ被膜のもついくつかの欠点、即ち、基材との
密着性が不良であること、表面被膜がもろく弱い
こと、更には水素過電圧の低下が未だ不充分であ
ること、等の欠点を克服した電解用陰極の製法を
見出し先に特許出願を行つた(特願昭55−
092295、同56−000305)。しかしながら、硫黄を
含むニツケルメツキは、内部にピンホールが存在
するため、メツキを施す基体材料は、電極として
用いられる条件下で耐久性、耐食性を示すことが
必要となる。例えば、鉄を基体材料として用い、
その上に直接硫黄を含むニツケルメツキを施した
電極を、イオン交換膜法食塩電解の陰極として用
いた場合、高温、高アルカリ濃度という条件のた
めに、電解時あるいは切電時に基材中の鉄の溶解
がおこる。このように基材と被膜界面が侵食され
てくると、電解により発生したガスにより被膜の
ふくれ、更には被膜の剥離がおこる場合があり、
また基材より溶出した鉄イオンが電極に付着する
等々の理由により電極性能が劣化してくる。更
に、基材より溶出した鉄イオンがイオン交換膜の
膜性能を劣化させたり、更には得られる苛性ソー
ダの製品品質を低下させるおそれがある。 このような問題を解決するためには、硫黄を含
むニツケルメツキが施される基材表面は、電極と
して用いられる条件下で、耐食性、耐久性を示す
ことが要求される。本発明者らは、従来の知見に
加えて、いくつかの検討を行つたところ、高価な
白金属族金属を除いて、クロム、ニツケル又はこ
れらを含む合金相を表面組成として持つ金属基体
表面が、鉄に比較して優れた耐食性、耐久性を示
すことを確認した。 このような理由により、本発明者らは、クロ
ム、ニツケル又はこれらを含む合金相を表面組成
として持つ金属基体表面上の、硫黄を含むニツケ
ルメツキについて種々検討したところ、これらの
表面には必ずしも満足のいく密着性の良い被膜が
得られないことがわかつた。 本発明者らは、先に硫黄を含むニツケルメツキ
の下地メツキとして、アンモニウムイオンを含む
ニツケルメツキが良好な密着性を示すことを見い
出し、先に特許出願を行つた(特願昭57−
027510)。この方法を更に詳細に検討したとこ
ろ、クロム又はクロムを含む合金、例えばステン
レスのような表面組成をもつ基材には、中性領域
のPH(PH4前後よりPH6までの範囲)を示すアン
モニウムイオンを含むニツケルメツキは、密着不
良を生じ、メツキが剥離するという問題があるこ
とがわかつた。更に、ニツケル又はニツケルを含
む合金を表面組成として持つ基材においても、ク
ロム又はクロムを含む合金相ほど極端な密着不良
を生ずることはないが、時折、充分な密着性が得
られないことがわかつた。 これは、上記表面組成を持つ金属基体表面が不
働態皮膜を形成するためである。クロム又はクロ
ムを含む合金、例えばステンレスのような表面が
不働態皮膜を形成することはよく知られている
が、ニツケルの場合も又、不働態皮膜を形成する
場合がある。従つて、この不働態皮膜を除去しな
いと密着性の良いメツキを得ることはできない。 本発明者らは、このような問題点を解決するた
めに、上記表明組成を持つ金属基体表面上に硫黄
を含むニツケルメツキを行うために、その下地メ
ツキについて詳細な検討を続け、特に工業的な見
地から経済的で、確実かつ連続的な電極製造プロ
セスに適した下地メツキ浴並びに下地メツキ法に
ついて検討した結果、以下の二つの方法を取るこ
とにより、充分な密着性を示し、その結果、良好
な耐食性、耐久性を示し、かつ、優れた特性を有
す電極を得ることに成功した。 本発明により得られる電極は、以下の二つの方
法により製作される。 一つの方法は、上記基体表面にアンモニウムイ
オンを含み、かつPH2.5以下のニツケルメツキ浴
を用いて下地ニツケルメツキを行い、さらにその
上に硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツケ
ルメツキを施してなる電極の製造法である。 本発明者らは、アンモニウムイオンを含む下地
ニツケルメツキ浴のPHについて種々検討した結
果、下地ニツケルメツキ浴のPHを2.5以下の酸性
領域とすることにより、上記基体表面と下地ニツ
ケルメツキと硫黄を含むニツケルメツキとの密着
性が良好となることを見い出し本方法を確立し
た。 今一つの方法は、上記基体表面にアンモニウム
イオンを含まず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケ
ルメツキ浴を用いて、第一の下地ニツケルメツキ
を行い、さらにその上にアンモニウムイオンを含
むニツケルメツキ浴を用いて第二の下地ニツケル
メツキを行い、さらにその上に硫黄を含むニツケ
ルメツキ浴を用いてニツケルメツキを施してなる
電極の製造法である。 この第一の下地ニツケルメツキのための、塩酸
酸性のニツケルメツキ浴の典型はストライクニツ
ケルと呼ばれる塩化ニツケルと塩酸よりなるメツ
キ浴である。不働態皮膜を形成する表面にメツキ
をつける場合、下地メツキとしてストライクニツ
ケルを用いることは公知である。確かに、このス
トライクニツケルメツキは、上記表面組成を持つ
金属基体表面と充分な密着性を示す皮膜を得るこ
とができるが、本発明者らの検討によると、その
上層の硫黄を含むニツケルメツキとの密着性が不
良である。 本発明者らは、この問題について種々検討した
結果、上記のアンモニウムイオンを含むニツケル
メツキ浴を用いた第二の下地ニツケルメツキは、
ストライクニツケルとも良好な密着性を示し、か
つ、上層の硫黄を含むニツケルメツキとも良好な
密着性を示すことを見い出し本方法を確立した。 従つて、本発明は、クロム、ニツケル又はこれ
らを含む合金相を表面組成として持つ金属基体表
面に、アンモニウムイオンを含み、かつPH2.5以
下のニツケルメツキ浴を用いて下地ニツケルメツ
キを施すか、あるいはアンモニウムイオンを含ま
ず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケルメツキ浴を
用いて第一の下地ニツケルメツキを行い、さらに
その上にアンモニウムイオンを含むニツケルメツ
キ浴を用いて第二の下地ニツケルメツキを施した
後に、硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツ
ケルメツキを行うことを特徴とする電極の製造法
に関し、特に優れた耐食性、耐久性を有し、かつ
長期間にわたり低い水素過電圧を維持する電極を
与えることを特徴とするものである。 本発明で示す、クロム、ニツケル又はこれらを
含む合金相を表面組成として持つ金属基体表面と
は、クロム、ニツケル、クロム合金、ニツケル合
金又はクロム、ニツケルを含む合金、例えばステ
ンレス等の基体材料表面、あるいは金属表面にメ
ツキ法、溶射法、蒸着法等によりクロム、ニツケ
ル又はこれらを含む合金を緻密に被覆した金属基
体材料表面を意味する。これらの基体材料は、例
えば、高温、高アルカリ濃度の条件で電極基材と
して用いた場合、良好な耐食性、耐久性を示し、
かつ経済的な材料である。さらに、基体形状につ
いては、平板、メツシユ状、多孔状等、いかなる
形状のものでも良いが、高電流密度での水素発生
電極として用いる場合、特にエキスパンドメタ
ル、パンチングメタル、金網状等の基体形状を用
いることが好ましい。 本発明の電極の製造法は、上記基体表面上に、
前記した二つの方法により、下地ニツケルメツキ
を施すことが必要である。この二つの方法の効果
はほとんど同じであり、実際のメツキ作業におい
て都合の良い方法を選択することが可能である。
下地ニツケルメツキを行う一つの方法は、アンモ
ニウムイオンを含み、かつPH2.5以下のニツケル
メツキ浴を用いて下地ニツケルメツキを行う方法
である。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、塩化ニ
ツケル、硫酸ニツケル、酢酸ニツケル,スルフア
ミン酸ニツケル等が用いられ、その濃度は特に制
限を受けないが、通常0.05モル濃度から2.0モル
濃度の範囲で用いられる。 アンモニウムイオンは、塩化物、硫酸塩等の可
溶性アンモニウム塩、あるいは水酸化アンモニウ
ム、その他のアンモニウム塩によつてメツキ浴中
に加えられる。アンモニウムイオンを加えること
により、下地メツキ層と硫黄を含むニツケルメツ
キ層との密着性は著しく向上する。メツキ浴中に
加えられるアンモニウムイオン濃度は、0.05モル
濃度以上、上限は特に制限されず、飽和濃度まで
許される。アンモニウムイオン濃度が上記濃度以
下の場合は、得られるニツケルメツキ層と硫黄を
含むニツケルメツキ層との密着性は不充分とな
る。下地ニツケルメツキ浴のPHは2.5以下に制限
される。下地ニツケルメツキ浴のPHが2.5を越え
ると、クロム、ニツケル又はこれらを含む合金相
を表面組成として持つ金属基体表面と、下地ニツ
ケルメツキ層との密着性が不充分となる。PHの調
整は、塩酸、硫酸等の酸により容易に行われる。
なお、下地メツキ層を与えるメツキ浴中には得ら
れる表面被膜を不都合ならしめない限り、上記成
分の他に他の可溶性塩を加えることも許される。
例えば、通常のニツケルメツキに用いられる界面
活性剤やホウ酸等の緩衝剤を使用しても良い。さ
らに、下地メツキ層を形成するためのメツキの操
作条件は、特に厳密な制限を受けないが、好まし
くは、室温より70℃程度の温度範囲、0.1/
10A/dm2程度の電流密度範囲で撹拌下のもとで
メツキを行うことが望ましい。 下地ニツケルメツキを行う今一つの方法は、ア
ンモニウムイオンを含まず、かつPH1以下の塩酸
酸性ニツケルメツキ浴を用いて第一の下地ニツケ
ルメツキを行い、さらにその上にアンモニウムイ
オンを含むニツケルメツキ浴を用いて第二の下地
ニツケルメツキを行う方法である。 第一の下地ニツケルメツキ浴の組成は、一般に
塩酸と塩化ニツケルを含む。塩化ニツケルの濃度
は特に制限を受けないが、一般に1モル濃度前後
の範囲で用いられる。さらに塩酸を添加してPH1
以下の範囲、好ましくはPH0以下の範囲までPHを
低下させる。又、この第一の下地メツキの操作条
件は、特に厳密な制限を受けないが、一般に室温
下で数A/dm2〜10A/dm2程度の電流密度範囲
で行われる。 第二の下地ニツケルメツキは、アンモニウムイ
オンを含むニツケルメツキ浴を用いることが必要
である。なお、この場合のメツキ浴のPHは特に制
限を受けず、通常の建浴時のPH3.5〜6の範囲で
用いられる。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、塩化ニ
ツケル、硫酸ニツケル、酢酸ニツケル、スルフア
ミン酸ニツケル等が用いられ、その濃度は特に制
限を受けないが、通常0.05モル濃度から2.0モル
濃度の範囲が用いられる。 アンモニウムイオンは塩化物、硫酸塩等の可溶
性アンモニウム塩、あるいは水酸化アンモニウ
ム、その他のアンモニウム塩によつてメツキ浴中
に加えられる。アンモニウムイオンを加えること
により、この第二の下地メツキ層と硫黄を含むニ
ツケルメツキ層との密着性は著しく向上し、か
つ、第一の下地メツキ層とも良好な密着性を示
す。 メツキ浴中に加えられるアンモニウムイオンの
濃度は0.05モル濃度以上、上限は特に制限されず
飽和濃度まで許される。アンモニウムイオン濃度
が上記濃度以下の場合は、得られるニツケルメツ
キ層と硫黄を含むニツケルメツキ層との密着性は
不充分となる。 なお、第二の下地メツキ層を与えるメツキ浴中
には、得られる表面被膜を不都合ならしめない限
り、上記成分の他に他の可溶性塩を加えることも
許される。例えば、通常のニツケルメツキに用い
られる界面活性剤やホウ酸等の緩衝剤を使用して
も良い。さらに、下地メツキ層を形成するための
メツキの操作条件は、特に厳密な制限を受けない
が、好ましくは室温より70℃程度の温度範囲、
0.1〜10A/dm2程度の電流密度範囲で撹拌下の
もとでメツキを行うことが望ましい。 本発明の電極を与えるためには、上記二つのい
ずれかの方法により施した下地ニツケルメツキ層
の上に、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成する
ことが必要である。 硫黄を含むニツケルメツキは、可溶性のニツケ
ル塩と適量の可溶性含硫黄化合物を含むニツケル
メツキ浴により与えられる。さらに好ましくは、
ニツケルメツキ浴に適量のアンモニウムイオンを
加えることが望ましい。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、通常、
0.1モル濃度から2.0モル濃度の範囲で用いること
が望ましい。 メツキ浴中に用いられる可溶性含硫黄化合物
は、チオシアン酸塩、チオ尿素、硫黄の酸化数が
5以下のオキソ酸塩を意味し、特に低水素過電圧
を示すメツキ被膜を与えるという効果をもつ。 硫黄の酸化数が5以下のオキソ酸塩とは、例え
ば、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、亜ジチオン酸
等の塩を意味する。 メツキ浴中に加えられるチオシアン酸塩,チオ
尿素硫黄の酸化数が5以下のオキソ酸塩の濃度
は、化合物中の硫黄の量で0.01モル濃度以上、
1.0モル濃度以下、好ましくは0.05モル濃度以上
1モル濃度以下の範囲で用いることが望ましい。 硫黄化合物の濃度が0.01モル濃度未満の場合
は、得られるニツケルメツキ表面の水素過電圧の
低下が不充分であり、また1.0モル濃度をこえる
と下地メツキとメツキ被膜との密着性が不良とな
る。さらに、硫黄を含むニツケルメツキを与える
ニツケルメツキ浴中に適量のアンモニウムイオン
を加えることにより、得られるメツキ被膜の密着
性は良好となり、またメツキの被覆力も増大し、
さらに強固な特性をもつ被膜表面を得ることがき
る。メツキ浴中に加えられるアンモニウムイオン
の濃度は、チオシアン酸塩、チオ尿素、硫黄の酸
化数が5以下のオキソ酸塩等の硫黄化合物中の硫
黄の量に対し少なくとも0.5倍モル濃度以上用い
ることが好ましく、上限は特に制限されず、飽和
濃度まで許される。 メツキ浴のPHは6以下が好ましく、PHが6をこ
えると得られるメツキ表面は、もろい電析になり
やすく、剥離しやすい傾向を持つ。 なお、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成する
際に用いられるメツキ浴中には、上記の成分の他
に、得られる表面被膜を不都合ならしめない限り
通常のメツキで用いられる界面活性剤や他の可溶
性塩を加えることも許される。例えば、ニツケル
メツキ浴によく用いられるホウ酸等の緩衝剤の使
用は、本発明で用いるニツケルメツキ被膜の特性
を一層良好ならしめる場合もあり、好適成分とし
て本発明で用いるメツキ浴に加えられる場合もあ
る。また、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成す
るためのメツキの操作条件は、特に厳密な制限を
受けないが、好ましくは室温より70℃程度の温度
範囲、0.1〜10A/dm2程度の電流密度範囲で撹
拌下のもとでメツキを行うことが望ましい。 さらに、本発明の電極を与えるために、メツキ
後の処理として適当な加熱処理を行うことはメツ
キの密着性を一層良好ならしめる場合もあり、表
面被膜の持つ特性を失わない範囲においてこれら
の処理を行つても良い。 以上のように、クロム、ニツケル又はこれらを
含む合金相を表面組成として持つ金属基体表面
に、アンモニウムイオンを含み、かつPH2.5以下
のニツケルメツキ浴を用いて下地ニツケルメツキ
を施すか、あるいはアンモニウムイオンを含ま
ず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケルメツキ浴を
用いて第一の下地ニツケルメツキを行い、さらに
その上にアンモニウムイオンを含むニツケルメツ
キ浴を用いて第二の下地ニツケルメツキを施した
後に、硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツ
ケルメツキを行うことにより、優れた耐食性、耐
久性を有し、特に低い水素過電圧を長期間にわた
り維持することにより、水電解、食塩電解用陰極
としてエネルギー効率の極めて高い電極を与える
ことができる。 以下、実施例を述べるが、本発明はこれに限定
されるものではない。 実施例1、比較例1〜3 基体材料としてクロムを含む合金であるステン
レス(SUS304)の平板(3mm×5mm)を用い、
脱脂酸洗等の通常の前処理の後に、表1に示すメ
ツキ浴組成を用いて下地ニツケルメツキを行い、
その上に硫黄を含むニツケルメツキを行つた。こ
れらの試料につき密着度試験として良く知られた
90゜曲げ試験の測定結果もあわせて表1に示す。 表より明らかなように、アンモニウムイオンを
含み、PH2.5以下の下地ニツケルメツキ浴を用い
た本発明の実施例1は良好な密着性を示す。一
方、下地メツキを行わない比較例3、下地ニツケ
ルメツキ浴中にアンモニウムイオンを含まない比
較例2、下地ニツケルメツキ浴中のPHが2.5を越
えている比較例1は、いずれも密着性が不良であ
ることがわかる。 次に、この実施例1の試料を30wt%NaOH溶液
中で白金を陽極とし、温度90℃、15A/dm2の電
解条件で100日間陰極として使用し、陰極電位を
測定した。
性、耐食性を有す電極の製造法に関するものであ
り、さらに詳しくは、クロム、ニツケル又はこれ
らを含む合金相を表面組成として持つ金属基体表
面上にメツキ法により上記電極を製造する方法に
関するものである。 本発明により得られる電極は、水素発生用電
極、酸素発生用電極等、種々の電極としての用途
に適しているが、特にアルカリ溶液中の水素発生
反応を主反応とする陰極としての用途に適する。 従来、水素発生反応を陰極の主反応とする水電
解あるいは塩化アルカリ水溶液の電解において
は、主に鉄陰極が使用されてきた。鉄は、陰極材
料としてコスト的にも安価でありまたかなり低い
水素過電圧を示すものであるが、近年さらにこれ
を改良する必要性が生じている。 特に、陽イオン交換膜法食塩電解技術の発展と
共に、省エネルギーの面から水素過電圧の一層の
低下が望まれ、また高温、高アルカリ濃度という
電解条件のため、鉄の耐食性等が問題視されてい
る。このため、鉄陰極に比べて低い水素過電圧を
示し、経済的でしかも充分な耐久性、耐食性を有
する新しい陰極の出現が望まれ、各所で種々の検
討がなされており、いくつかの方法が提案されて
いる。 この中で、従来の水電解技術の発展の過程で提
案されてきた低水素過電圧を与えるニツケルメツ
キ、例えば、硫黄を含むニツケルメツキ(例えば
特公昭25−2305、あるいは吉沢四郎・渡辺信淳共
著「電気化学」共立全書出版の水電解の章、
P69)が古くより知られており、白金族等を被覆
した電極に比べコスト的にも安価であり、注目さ
れている。 本発明者らは、上記手法により得られるメツキ
被膜につき詳細な検討を行つた結果、これらのメ
ツキ被膜のもついくつかの欠点、即ち、基材との
密着性が不良であること、表面被膜がもろく弱い
こと、更には水素過電圧の低下が未だ不充分であ
ること、等の欠点を克服した電解用陰極の製法を
見出し先に特許出願を行つた(特願昭55−
092295、同56−000305)。しかしながら、硫黄を
含むニツケルメツキは、内部にピンホールが存在
するため、メツキを施す基体材料は、電極として
用いられる条件下で耐久性、耐食性を示すことが
必要となる。例えば、鉄を基体材料として用い、
その上に直接硫黄を含むニツケルメツキを施した
電極を、イオン交換膜法食塩電解の陰極として用
いた場合、高温、高アルカリ濃度という条件のた
めに、電解時あるいは切電時に基材中の鉄の溶解
がおこる。このように基材と被膜界面が侵食され
てくると、電解により発生したガスにより被膜の
ふくれ、更には被膜の剥離がおこる場合があり、
また基材より溶出した鉄イオンが電極に付着する
等々の理由により電極性能が劣化してくる。更
に、基材より溶出した鉄イオンがイオン交換膜の
膜性能を劣化させたり、更には得られる苛性ソー
ダの製品品質を低下させるおそれがある。 このような問題を解決するためには、硫黄を含
むニツケルメツキが施される基材表面は、電極と
して用いられる条件下で、耐食性、耐久性を示す
ことが要求される。本発明者らは、従来の知見に
加えて、いくつかの検討を行つたところ、高価な
白金属族金属を除いて、クロム、ニツケル又はこ
れらを含む合金相を表面組成として持つ金属基体
表面が、鉄に比較して優れた耐食性、耐久性を示
すことを確認した。 このような理由により、本発明者らは、クロ
ム、ニツケル又はこれらを含む合金相を表面組成
として持つ金属基体表面上の、硫黄を含むニツケ
ルメツキについて種々検討したところ、これらの
表面には必ずしも満足のいく密着性の良い被膜が
得られないことがわかつた。 本発明者らは、先に硫黄を含むニツケルメツキ
の下地メツキとして、アンモニウムイオンを含む
ニツケルメツキが良好な密着性を示すことを見い
出し、先に特許出願を行つた(特願昭57−
027510)。この方法を更に詳細に検討したとこ
ろ、クロム又はクロムを含む合金、例えばステン
レスのような表面組成をもつ基材には、中性領域
のPH(PH4前後よりPH6までの範囲)を示すアン
モニウムイオンを含むニツケルメツキは、密着不
良を生じ、メツキが剥離するという問題があるこ
とがわかつた。更に、ニツケル又はニツケルを含
む合金を表面組成として持つ基材においても、ク
ロム又はクロムを含む合金相ほど極端な密着不良
を生ずることはないが、時折、充分な密着性が得
られないことがわかつた。 これは、上記表面組成を持つ金属基体表面が不
働態皮膜を形成するためである。クロム又はクロ
ムを含む合金、例えばステンレスのような表面が
不働態皮膜を形成することはよく知られている
が、ニツケルの場合も又、不働態皮膜を形成する
場合がある。従つて、この不働態皮膜を除去しな
いと密着性の良いメツキを得ることはできない。 本発明者らは、このような問題点を解決するた
めに、上記表明組成を持つ金属基体表面上に硫黄
を含むニツケルメツキを行うために、その下地メ
ツキについて詳細な検討を続け、特に工業的な見
地から経済的で、確実かつ連続的な電極製造プロ
セスに適した下地メツキ浴並びに下地メツキ法に
ついて検討した結果、以下の二つの方法を取るこ
とにより、充分な密着性を示し、その結果、良好
な耐食性、耐久性を示し、かつ、優れた特性を有
す電極を得ることに成功した。 本発明により得られる電極は、以下の二つの方
法により製作される。 一つの方法は、上記基体表面にアンモニウムイ
オンを含み、かつPH2.5以下のニツケルメツキ浴
を用いて下地ニツケルメツキを行い、さらにその
上に硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツケ
ルメツキを施してなる電極の製造法である。 本発明者らは、アンモニウムイオンを含む下地
ニツケルメツキ浴のPHについて種々検討した結
果、下地ニツケルメツキ浴のPHを2.5以下の酸性
領域とすることにより、上記基体表面と下地ニツ
ケルメツキと硫黄を含むニツケルメツキとの密着
性が良好となることを見い出し本方法を確立し
た。 今一つの方法は、上記基体表面にアンモニウム
イオンを含まず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケ
ルメツキ浴を用いて、第一の下地ニツケルメツキ
を行い、さらにその上にアンモニウムイオンを含
むニツケルメツキ浴を用いて第二の下地ニツケル
メツキを行い、さらにその上に硫黄を含むニツケ
ルメツキ浴を用いてニツケルメツキを施してなる
電極の製造法である。 この第一の下地ニツケルメツキのための、塩酸
酸性のニツケルメツキ浴の典型はストライクニツ
ケルと呼ばれる塩化ニツケルと塩酸よりなるメツ
キ浴である。不働態皮膜を形成する表面にメツキ
をつける場合、下地メツキとしてストライクニツ
ケルを用いることは公知である。確かに、このス
トライクニツケルメツキは、上記表面組成を持つ
金属基体表面と充分な密着性を示す皮膜を得るこ
とができるが、本発明者らの検討によると、その
上層の硫黄を含むニツケルメツキとの密着性が不
良である。 本発明者らは、この問題について種々検討した
結果、上記のアンモニウムイオンを含むニツケル
メツキ浴を用いた第二の下地ニツケルメツキは、
ストライクニツケルとも良好な密着性を示し、か
つ、上層の硫黄を含むニツケルメツキとも良好な
密着性を示すことを見い出し本方法を確立した。 従つて、本発明は、クロム、ニツケル又はこれ
らを含む合金相を表面組成として持つ金属基体表
面に、アンモニウムイオンを含み、かつPH2.5以
下のニツケルメツキ浴を用いて下地ニツケルメツ
キを施すか、あるいはアンモニウムイオンを含ま
ず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケルメツキ浴を
用いて第一の下地ニツケルメツキを行い、さらに
その上にアンモニウムイオンを含むニツケルメツ
キ浴を用いて第二の下地ニツケルメツキを施した
後に、硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツ
ケルメツキを行うことを特徴とする電極の製造法
に関し、特に優れた耐食性、耐久性を有し、かつ
長期間にわたり低い水素過電圧を維持する電極を
与えることを特徴とするものである。 本発明で示す、クロム、ニツケル又はこれらを
含む合金相を表面組成として持つ金属基体表面と
は、クロム、ニツケル、クロム合金、ニツケル合
金又はクロム、ニツケルを含む合金、例えばステ
ンレス等の基体材料表面、あるいは金属表面にメ
ツキ法、溶射法、蒸着法等によりクロム、ニツケ
ル又はこれらを含む合金を緻密に被覆した金属基
体材料表面を意味する。これらの基体材料は、例
えば、高温、高アルカリ濃度の条件で電極基材と
して用いた場合、良好な耐食性、耐久性を示し、
かつ経済的な材料である。さらに、基体形状につ
いては、平板、メツシユ状、多孔状等、いかなる
形状のものでも良いが、高電流密度での水素発生
電極として用いる場合、特にエキスパンドメタ
ル、パンチングメタル、金網状等の基体形状を用
いることが好ましい。 本発明の電極の製造法は、上記基体表面上に、
前記した二つの方法により、下地ニツケルメツキ
を施すことが必要である。この二つの方法の効果
はほとんど同じであり、実際のメツキ作業におい
て都合の良い方法を選択することが可能である。
下地ニツケルメツキを行う一つの方法は、アンモ
ニウムイオンを含み、かつPH2.5以下のニツケル
メツキ浴を用いて下地ニツケルメツキを行う方法
である。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、塩化ニ
ツケル、硫酸ニツケル、酢酸ニツケル,スルフア
ミン酸ニツケル等が用いられ、その濃度は特に制
限を受けないが、通常0.05モル濃度から2.0モル
濃度の範囲で用いられる。 アンモニウムイオンは、塩化物、硫酸塩等の可
溶性アンモニウム塩、あるいは水酸化アンモニウ
ム、その他のアンモニウム塩によつてメツキ浴中
に加えられる。アンモニウムイオンを加えること
により、下地メツキ層と硫黄を含むニツケルメツ
キ層との密着性は著しく向上する。メツキ浴中に
加えられるアンモニウムイオン濃度は、0.05モル
濃度以上、上限は特に制限されず、飽和濃度まで
許される。アンモニウムイオン濃度が上記濃度以
下の場合は、得られるニツケルメツキ層と硫黄を
含むニツケルメツキ層との密着性は不充分とな
る。下地ニツケルメツキ浴のPHは2.5以下に制限
される。下地ニツケルメツキ浴のPHが2.5を越え
ると、クロム、ニツケル又はこれらを含む合金相
を表面組成として持つ金属基体表面と、下地ニツ
ケルメツキ層との密着性が不充分となる。PHの調
整は、塩酸、硫酸等の酸により容易に行われる。
なお、下地メツキ層を与えるメツキ浴中には得ら
れる表面被膜を不都合ならしめない限り、上記成
分の他に他の可溶性塩を加えることも許される。
例えば、通常のニツケルメツキに用いられる界面
活性剤やホウ酸等の緩衝剤を使用しても良い。さ
らに、下地メツキ層を形成するためのメツキの操
作条件は、特に厳密な制限を受けないが、好まし
くは、室温より70℃程度の温度範囲、0.1/
10A/dm2程度の電流密度範囲で撹拌下のもとで
メツキを行うことが望ましい。 下地ニツケルメツキを行う今一つの方法は、ア
ンモニウムイオンを含まず、かつPH1以下の塩酸
酸性ニツケルメツキ浴を用いて第一の下地ニツケ
ルメツキを行い、さらにその上にアンモニウムイ
オンを含むニツケルメツキ浴を用いて第二の下地
ニツケルメツキを行う方法である。 第一の下地ニツケルメツキ浴の組成は、一般に
塩酸と塩化ニツケルを含む。塩化ニツケルの濃度
は特に制限を受けないが、一般に1モル濃度前後
の範囲で用いられる。さらに塩酸を添加してPH1
以下の範囲、好ましくはPH0以下の範囲までPHを
低下させる。又、この第一の下地メツキの操作条
件は、特に厳密な制限を受けないが、一般に室温
下で数A/dm2〜10A/dm2程度の電流密度範囲
で行われる。 第二の下地ニツケルメツキは、アンモニウムイ
オンを含むニツケルメツキ浴を用いることが必要
である。なお、この場合のメツキ浴のPHは特に制
限を受けず、通常の建浴時のPH3.5〜6の範囲で
用いられる。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、塩化ニ
ツケル、硫酸ニツケル、酢酸ニツケル、スルフア
ミン酸ニツケル等が用いられ、その濃度は特に制
限を受けないが、通常0.05モル濃度から2.0モル
濃度の範囲が用いられる。 アンモニウムイオンは塩化物、硫酸塩等の可溶
性アンモニウム塩、あるいは水酸化アンモニウ
ム、その他のアンモニウム塩によつてメツキ浴中
に加えられる。アンモニウムイオンを加えること
により、この第二の下地メツキ層と硫黄を含むニ
ツケルメツキ層との密着性は著しく向上し、か
つ、第一の下地メツキ層とも良好な密着性を示
す。 メツキ浴中に加えられるアンモニウムイオンの
濃度は0.05モル濃度以上、上限は特に制限されず
飽和濃度まで許される。アンモニウムイオン濃度
が上記濃度以下の場合は、得られるニツケルメツ
キ層と硫黄を含むニツケルメツキ層との密着性は
不充分となる。 なお、第二の下地メツキ層を与えるメツキ浴中
には、得られる表面被膜を不都合ならしめない限
り、上記成分の他に他の可溶性塩を加えることも
許される。例えば、通常のニツケルメツキに用い
られる界面活性剤やホウ酸等の緩衝剤を使用して
も良い。さらに、下地メツキ層を形成するための
メツキの操作条件は、特に厳密な制限を受けない
が、好ましくは室温より70℃程度の温度範囲、
0.1〜10A/dm2程度の電流密度範囲で撹拌下の
もとでメツキを行うことが望ましい。 本発明の電極を与えるためには、上記二つのい
ずれかの方法により施した下地ニツケルメツキ層
の上に、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成する
ことが必要である。 硫黄を含むニツケルメツキは、可溶性のニツケ
ル塩と適量の可溶性含硫黄化合物を含むニツケル
メツキ浴により与えられる。さらに好ましくは、
ニツケルメツキ浴に適量のアンモニウムイオンを
加えることが望ましい。 ニツケル塩は可溶性の塩であれば良く、通常、
0.1モル濃度から2.0モル濃度の範囲で用いること
が望ましい。 メツキ浴中に用いられる可溶性含硫黄化合物
は、チオシアン酸塩、チオ尿素、硫黄の酸化数が
5以下のオキソ酸塩を意味し、特に低水素過電圧
を示すメツキ被膜を与えるという効果をもつ。 硫黄の酸化数が5以下のオキソ酸塩とは、例え
ば、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、亜ジチオン酸
等の塩を意味する。 メツキ浴中に加えられるチオシアン酸塩,チオ
尿素硫黄の酸化数が5以下のオキソ酸塩の濃度
は、化合物中の硫黄の量で0.01モル濃度以上、
1.0モル濃度以下、好ましくは0.05モル濃度以上
1モル濃度以下の範囲で用いることが望ましい。 硫黄化合物の濃度が0.01モル濃度未満の場合
は、得られるニツケルメツキ表面の水素過電圧の
低下が不充分であり、また1.0モル濃度をこえる
と下地メツキとメツキ被膜との密着性が不良とな
る。さらに、硫黄を含むニツケルメツキを与える
ニツケルメツキ浴中に適量のアンモニウムイオン
を加えることにより、得られるメツキ被膜の密着
性は良好となり、またメツキの被覆力も増大し、
さらに強固な特性をもつ被膜表面を得ることがき
る。メツキ浴中に加えられるアンモニウムイオン
の濃度は、チオシアン酸塩、チオ尿素、硫黄の酸
化数が5以下のオキソ酸塩等の硫黄化合物中の硫
黄の量に対し少なくとも0.5倍モル濃度以上用い
ることが好ましく、上限は特に制限されず、飽和
濃度まで許される。 メツキ浴のPHは6以下が好ましく、PHが6をこ
えると得られるメツキ表面は、もろい電析になり
やすく、剥離しやすい傾向を持つ。 なお、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成する
際に用いられるメツキ浴中には、上記の成分の他
に、得られる表面被膜を不都合ならしめない限り
通常のメツキで用いられる界面活性剤や他の可溶
性塩を加えることも許される。例えば、ニツケル
メツキ浴によく用いられるホウ酸等の緩衝剤の使
用は、本発明で用いるニツケルメツキ被膜の特性
を一層良好ならしめる場合もあり、好適成分とし
て本発明で用いるメツキ浴に加えられる場合もあ
る。また、硫黄を含むニツケルメツキ層を形成す
るためのメツキの操作条件は、特に厳密な制限を
受けないが、好ましくは室温より70℃程度の温度
範囲、0.1〜10A/dm2程度の電流密度範囲で撹
拌下のもとでメツキを行うことが望ましい。 さらに、本発明の電極を与えるために、メツキ
後の処理として適当な加熱処理を行うことはメツ
キの密着性を一層良好ならしめる場合もあり、表
面被膜の持つ特性を失わない範囲においてこれら
の処理を行つても良い。 以上のように、クロム、ニツケル又はこれらを
含む合金相を表面組成として持つ金属基体表面
に、アンモニウムイオンを含み、かつPH2.5以下
のニツケルメツキ浴を用いて下地ニツケルメツキ
を施すか、あるいはアンモニウムイオンを含ま
ず、かつPH1以下の塩酸酸性ニツケルメツキ浴を
用いて第一の下地ニツケルメツキを行い、さらに
その上にアンモニウムイオンを含むニツケルメツ
キ浴を用いて第二の下地ニツケルメツキを施した
後に、硫黄を含むニツケルメツキ浴を用いてニツ
ケルメツキを行うことにより、優れた耐食性、耐
久性を有し、特に低い水素過電圧を長期間にわた
り維持することにより、水電解、食塩電解用陰極
としてエネルギー効率の極めて高い電極を与える
ことができる。 以下、実施例を述べるが、本発明はこれに限定
されるものではない。 実施例1、比較例1〜3 基体材料としてクロムを含む合金であるステン
レス(SUS304)の平板(3mm×5mm)を用い、
脱脂酸洗等の通常の前処理の後に、表1に示すメ
ツキ浴組成を用いて下地ニツケルメツキを行い、
その上に硫黄を含むニツケルメツキを行つた。こ
れらの試料につき密着度試験として良く知られた
90゜曲げ試験の測定結果もあわせて表1に示す。 表より明らかなように、アンモニウムイオンを
含み、PH2.5以下の下地ニツケルメツキ浴を用い
た本発明の実施例1は良好な密着性を示す。一
方、下地メツキを行わない比較例3、下地ニツケ
ルメツキ浴中にアンモニウムイオンを含まない比
較例2、下地ニツケルメツキ浴中のPHが2.5を越
えている比較例1は、いずれも密着性が不良であ
ることがわかる。 次に、この実施例1の試料を30wt%NaOH溶液
中で白金を陽極とし、温度90℃、15A/dm2の電
解条件で100日間陰極として使用し、陰極電位を
測定した。
【表】
陰極電位の測定は、酸化水銀電極に、照合して
ルギン毛管法で測定した。この測定の間、陰極電
位は、−1.07〜−1.09Vvs.Hg/HgOでほぼ一定の
値を示し、剥離の問題もなく、密着性も良好であ
つた。なお、基材として用いたステンレス平板の
陰極電位は、同一の条件で、−1.42Vvs.Hg/HgO
であり、本発明の実施例1の試料は基材に比較し
て約340mVも低い水素過電圧を示すことがわか
る。 以上のように本発明の実施例1は、極めて低い
水素過電圧を長期間維持しており、優れた耐久
性、耐食性を示すことがわかる。 実施例2、比較例4 実施例1で示した基体材料を用い、脱脂、酸洗
等の通常の前処理の後に表2に示すメツキ浴組成
を用いて下地ニツケルメツキを行い、さらにその
上に実施例1と同様の浴組成の硫黄を含むニツケ
ルメツキを行つた。これらの試料につき密着度試
験として良く知られた90゜曲げ試験の測定結果も
あわせて表2に示す。 表より明らかなように、PH0以下の塩酸酸性ニ
ツケルメツキ浴を用い第一の下地メツキを行い、
その後アンモニウムイオンを含むニツケルメツキ
浴を用い第二の下地メツキを行い、さらにその上
に硫黄を含むニツケルメツキを施した本発明の実
施例2は良好な密着性を示す。一方、第一の下地
メツキを行い、第二の下地メツキを行わず、直接
に硫黄を含むニツケルメツキを施した比較例4
は、密着性が不良であることがわかる。
ルギン毛管法で測定した。この測定の間、陰極電
位は、−1.07〜−1.09Vvs.Hg/HgOでほぼ一定の
値を示し、剥離の問題もなく、密着性も良好であ
つた。なお、基材として用いたステンレス平板の
陰極電位は、同一の条件で、−1.42Vvs.Hg/HgO
であり、本発明の実施例1の試料は基材に比較し
て約340mVも低い水素過電圧を示すことがわか
る。 以上のように本発明の実施例1は、極めて低い
水素過電圧を長期間維持しており、優れた耐久
性、耐食性を示すことがわかる。 実施例2、比較例4 実施例1で示した基体材料を用い、脱脂、酸洗
等の通常の前処理の後に表2に示すメツキ浴組成
を用いて下地ニツケルメツキを行い、さらにその
上に実施例1と同様の浴組成の硫黄を含むニツケ
ルメツキを行つた。これらの試料につき密着度試
験として良く知られた90゜曲げ試験の測定結果も
あわせて表2に示す。 表より明らかなように、PH0以下の塩酸酸性ニ
ツケルメツキ浴を用い第一の下地メツキを行い、
その後アンモニウムイオンを含むニツケルメツキ
浴を用い第二の下地メツキを行い、さらにその上
に硫黄を含むニツケルメツキを施した本発明の実
施例2は良好な密着性を示す。一方、第一の下地
メツキを行い、第二の下地メツキを行わず、直接
に硫黄を含むニツケルメツキを施した比較例4
は、密着性が不良であることがわかる。
【表】
【表】
次に、この実施例2の試料を実施例1と同一の
条件で50日間陰極として使用し、陰極電位を測定
した。この測定の間、陰極電位は−1.08〜
1.10Vvs.Hg/HgOで、ほぼ実施例1と同一の結
果を示した。 以上のように、本発明の実施例2は極めて低い
水素過電圧を維持しており、優れた耐久性、耐食
性を示すことがわかる。 実施例3、比較例5 基体材料として鉄平板(5cm×3cm)上に、カ
ニゼン社のブルーシユーマー液を用いて緻密な無
電解ニツケルメツキを施したものを用い、以下の
ような試料を作成した。即ち、実施例3において
は表3に示したニツケルメツキ浴を用いて表4に
示した条件で下地ニツケルメツキを行つた。 表3 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 0.5M/ 塩化アンモニウム 0.5M/ 塩酸(36%) 2ml/ PH 約1.5 表4 ニツケルメツキ条件 温度 40℃ 電流密度 2A/dm2 時間 10分 その後、表5に示したニツケルメツキ浴を用い
て表6に示した条件で、硫黄を含むニツケルメツ
キを行つた。 表5 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 0.5M/ チオシアン酸ナトリウム 0.2M/ 塩化アンモニウム 1.0M/ ホウ酸 0.49M/ 表6 ニツケルメツキ条件 温度 60℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 2時間 一方、比較例5においては、無電解ニツケルメ
ツキした試料上に下地ニツケルメツキを行わず、
直接実施例3と同一のメツキ浴、メツキ条件で、
硫黄を含むニツケルメツキを行つた。 これらの試料を陰極として実施例1に示した条
件で10日間使用した。表7に各例の陰極電位の測
定結果、並びに10日後の表面状態を示す。なお、
基材として用いた無電解ニツケルメツキを行つた
試料の陰極電位は−1.48Vvs.Hg/HgOであつ
た。
条件で50日間陰極として使用し、陰極電位を測定
した。この測定の間、陰極電位は−1.08〜
1.10Vvs.Hg/HgOで、ほぼ実施例1と同一の結
果を示した。 以上のように、本発明の実施例2は極めて低い
水素過電圧を維持しており、優れた耐久性、耐食
性を示すことがわかる。 実施例3、比較例5 基体材料として鉄平板(5cm×3cm)上に、カ
ニゼン社のブルーシユーマー液を用いて緻密な無
電解ニツケルメツキを施したものを用い、以下の
ような試料を作成した。即ち、実施例3において
は表3に示したニツケルメツキ浴を用いて表4に
示した条件で下地ニツケルメツキを行つた。 表3 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 0.5M/ 塩化アンモニウム 0.5M/ 塩酸(36%) 2ml/ PH 約1.5 表4 ニツケルメツキ条件 温度 40℃ 電流密度 2A/dm2 時間 10分 その後、表5に示したニツケルメツキ浴を用い
て表6に示した条件で、硫黄を含むニツケルメツ
キを行つた。 表5 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 0.5M/ チオシアン酸ナトリウム 0.2M/ 塩化アンモニウム 1.0M/ ホウ酸 0.49M/ 表6 ニツケルメツキ条件 温度 60℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 2時間 一方、比較例5においては、無電解ニツケルメ
ツキした試料上に下地ニツケルメツキを行わず、
直接実施例3と同一のメツキ浴、メツキ条件で、
硫黄を含むニツケルメツキを行つた。 これらの試料を陰極として実施例1に示した条
件で10日間使用した。表7に各例の陰極電位の測
定結果、並びに10日後の表面状態を示す。なお、
基材として用いた無電解ニツケルメツキを行つた
試料の陰極電位は−1.48Vvs.Hg/HgOであつ
た。
【表】
上表に示したように、本発明の実施例3は良好
な密着性を示し、極めて低い水素過電圧を維持し
ている。一方、比較例5においては、密着性が不
良であり、メツキ被膜が剥離し、電極性能も劣化
している。さらにこの実施例3の試料を100日間
連続して同一の条件で電解試験を行つたところ、
陰極電位はほぼ一定であり、かつメツキ層が剥離
するような問題もなかつた。 以上のように本発明の実施例3は、極めて低い
水素過電圧を長期間維持しており、優れた耐食
性、耐久性を示す電極を与えることがわかる。 実施例 4 基体材料としてクロム平板(3mm×5mm)を用
い、脱脂、酸洗等の通常の前処理の後に、実施例
2と同様のメツキ浴、メツキ条件にて第一、第二
の下地ニツケルメツキを行い、その上に表8に示
したニツケルメツキ浴を用い、表9に示した条件
で硫黄を含むニツケルメツキを行つた。 表8 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.57M/ チオシアン酸ナトリウム 0.20M/ 塩化アンモニウム 0.50M/ ホウ酸 0.24M/ 表9 ニツケルメツキ条件 温 度 50℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 2時間 この試料を実施例1で示した条件で30日間陰極
として使用し、陰極電位を測定した。この測定の
間、陰極電位は−1.09〜−1.10Vvs.Hg/HgOで
ほぼ一定であり、かつメツキ層が剥離するような
問題もなかつた。なお、基材として用いたクロム
の陰極電位は−1.49Vvs.Hg/HgOであつた。 以上のように本発明の実施例4は極めて低い水
素過電圧を維持しており、優れた耐食性、耐久性
を示す電極を与えることがわかる。 実施例5、比較例6 基材としてニツケル製で14cm×14cmの大きさの
半インチサイズのエキスパンドメタル(短径7.0
mm、長径12.7mm)を用いて、実施例5として表10
に示したニツケルメツキ浴を用いて、表11に示し
た条件で第一の下地メツキを行い、さらに表12に
示したニツケルメツキ浴を用いて、表13に示した
条件で第二の下地メツキを行い、その後に表14に
示したニツケルメツキ浴を用いて、表15に示した
条件で硫黄を含むニツケルメツキを施した。 表10 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 1.2M/ 塩 酸 120ml/ PH 0以下 表11 ニツケルメツキ条件 温 度 25℃ 電流密度 2A/dm2 メツキ時間 10分 表12 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.91M/ 塩化ニツケル 0.19M/ ホウ酸 0.49M/ 塩化アンモニウム 0.15M/ 表13 ニツケルメツキ条件 温 度 40℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 1時間 表14 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.91M/ 塩化ニツケル 0.19M/ チオ尿素 0.10M/ ホウ酸 0.49M/ 表15 ニツケルメツキ条件 温 度 50℃ 電流密度 0.5A/dm2 メツキ時間 4時間 一方、比較例6として第二の下地ニツケルメツ
キ浴の浴組成、即ち表12に示したニツケルメツキ
浴組成から塩化アンモニウムを除いたメツキ浴を
用いた他は、全く実施例5と同様の方法で、第一
の下地ニツケルメツキ、第二の下地ニツケルメツ
キ、さらに硫黄を含むニツケルメツキを施した。
これらの試料を陰極として30wt%NaOH溶液中
で、同一の基体形状のニツケル極を陽極として、
温度90℃、試料の外周面積に対し20A/dm2の電
流密度で100日間、水電解を行つた。表16に各例
の陰極電位の測定結果並びに100日後の表面状態
を示す。なお、基材として用いたニツケル極の陰
極電位は−1.30Vvs.Hg/HgOであつた。
な密着性を示し、極めて低い水素過電圧を維持し
ている。一方、比較例5においては、密着性が不
良であり、メツキ被膜が剥離し、電極性能も劣化
している。さらにこの実施例3の試料を100日間
連続して同一の条件で電解試験を行つたところ、
陰極電位はほぼ一定であり、かつメツキ層が剥離
するような問題もなかつた。 以上のように本発明の実施例3は、極めて低い
水素過電圧を長期間維持しており、優れた耐食
性、耐久性を示す電極を与えることがわかる。 実施例 4 基体材料としてクロム平板(3mm×5mm)を用
い、脱脂、酸洗等の通常の前処理の後に、実施例
2と同様のメツキ浴、メツキ条件にて第一、第二
の下地ニツケルメツキを行い、その上に表8に示
したニツケルメツキ浴を用い、表9に示した条件
で硫黄を含むニツケルメツキを行つた。 表8 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.57M/ チオシアン酸ナトリウム 0.20M/ 塩化アンモニウム 0.50M/ ホウ酸 0.24M/ 表9 ニツケルメツキ条件 温 度 50℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 2時間 この試料を実施例1で示した条件で30日間陰極
として使用し、陰極電位を測定した。この測定の
間、陰極電位は−1.09〜−1.10Vvs.Hg/HgOで
ほぼ一定であり、かつメツキ層が剥離するような
問題もなかつた。なお、基材として用いたクロム
の陰極電位は−1.49Vvs.Hg/HgOであつた。 以上のように本発明の実施例4は極めて低い水
素過電圧を維持しており、優れた耐食性、耐久性
を示す電極を与えることがわかる。 実施例5、比較例6 基材としてニツケル製で14cm×14cmの大きさの
半インチサイズのエキスパンドメタル(短径7.0
mm、長径12.7mm)を用いて、実施例5として表10
に示したニツケルメツキ浴を用いて、表11に示し
た条件で第一の下地メツキを行い、さらに表12に
示したニツケルメツキ浴を用いて、表13に示した
条件で第二の下地メツキを行い、その後に表14に
示したニツケルメツキ浴を用いて、表15に示した
条件で硫黄を含むニツケルメツキを施した。 表10 ニツケルメツキ浴組成 塩化ニツケル 1.2M/ 塩 酸 120ml/ PH 0以下 表11 ニツケルメツキ条件 温 度 25℃ 電流密度 2A/dm2 メツキ時間 10分 表12 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.91M/ 塩化ニツケル 0.19M/ ホウ酸 0.49M/ 塩化アンモニウム 0.15M/ 表13 ニツケルメツキ条件 温 度 40℃ 電流密度 1A/dm2 メツキ時間 1時間 表14 ニツケルメツキ浴組成 硫酸ニツケル 0.91M/ 塩化ニツケル 0.19M/ チオ尿素 0.10M/ ホウ酸 0.49M/ 表15 ニツケルメツキ条件 温 度 50℃ 電流密度 0.5A/dm2 メツキ時間 4時間 一方、比較例6として第二の下地ニツケルメツ
キ浴の浴組成、即ち表12に示したニツケルメツキ
浴組成から塩化アンモニウムを除いたメツキ浴を
用いた他は、全く実施例5と同様の方法で、第一
の下地ニツケルメツキ、第二の下地ニツケルメツ
キ、さらに硫黄を含むニツケルメツキを施した。
これらの試料を陰極として30wt%NaOH溶液中
で、同一の基体形状のニツケル極を陽極として、
温度90℃、試料の外周面積に対し20A/dm2の電
流密度で100日間、水電解を行つた。表16に各例
の陰極電位の測定結果並びに100日後の表面状態
を示す。なお、基材として用いたニツケル極の陰
極電位は−1.30Vvs.Hg/HgOであつた。
【表】
【表】
以上のように、本発明の実施例5は、わずかな
劣化はあるが極めて低い水素過電圧を100日間維
持しており、メツキ層の剥離の問題もなく、良好
な密着性を示し、優れた耐食性、耐久性を有する
ことがわかる。一方、比較例6においては、電極
電位が明らかに卑方向にずれ、電極性能が著しく
劣化している。100日経過後、この電極は端部よ
り剥離しており、又、少しこすると全てのメツキ
が剥離した。 以上のように、本発明の実施例5は極めて低い
水素過電圧を維持しており優れた耐食性、耐久性
を示すことがわかる。 実施例 6 電極基材として、SUS304製で14cm×14cmの大
きさの半インチサイズのエキスパンドメタル(短
径7.0mm、長径12.7mm)を用い、実施例1に示し
た方法で下地ニツケルメツキ、硫黄を含むニツケ
ルメツキを行つた。なお硫黄を含むニツケルメツ
キは4時間メツキを行つた。 この試料を陰極として陽イオン交換膜を使用
し、陽極としてTi上にRuO2―TiO2被膜を有する
DSAタイプのエキスパンドメタルを用いて、下
記の条件で食塩水を電解した。なお比較のため陰
極としてSUS304製エキスパンドメタルを用いて
同一の条件で電解を行つた。 電解条件; 温度 90℃ 電流密度 30A/dm2(電極外周面積) 陰極室NaOH濃度 32〜33wt% 表17に基材として用いたSUS304製陰極の場合
と、本発明の陰極について通電初の陰極電位値と
1年間経過後の陰極電位値、さらには浴電圧の値
を示す。
劣化はあるが極めて低い水素過電圧を100日間維
持しており、メツキ層の剥離の問題もなく、良好
な密着性を示し、優れた耐食性、耐久性を有する
ことがわかる。一方、比較例6においては、電極
電位が明らかに卑方向にずれ、電極性能が著しく
劣化している。100日経過後、この電極は端部よ
り剥離しており、又、少しこすると全てのメツキ
が剥離した。 以上のように、本発明の実施例5は極めて低い
水素過電圧を維持しており優れた耐食性、耐久性
を示すことがわかる。 実施例 6 電極基材として、SUS304製で14cm×14cmの大
きさの半インチサイズのエキスパンドメタル(短
径7.0mm、長径12.7mm)を用い、実施例1に示し
た方法で下地ニツケルメツキ、硫黄を含むニツケ
ルメツキを行つた。なお硫黄を含むニツケルメツ
キは4時間メツキを行つた。 この試料を陰極として陽イオン交換膜を使用
し、陽極としてTi上にRuO2―TiO2被膜を有する
DSAタイプのエキスパンドメタルを用いて、下
記の条件で食塩水を電解した。なお比較のため陰
極としてSUS304製エキスパンドメタルを用いて
同一の条件で電解を行つた。 電解条件; 温度 90℃ 電流密度 30A/dm2(電極外周面積) 陰極室NaOH濃度 32〜33wt% 表17に基材として用いたSUS304製陰極の場合
と、本発明の陰極について通電初の陰極電位値と
1年間経過後の陰極電位値、さらには浴電圧の値
を示す。
【表】
【表】
以上のように本発明の実施例6は優れた耐久
性、耐食性を示し、極めて低い水素過電圧を長期
間維持し、比較SUS304製の陰極に比べて300mV
程、低い水素過電圧、さらには浴電圧を示しエネ
ルギー効率の高い、優れた陰極であることがわか
る。 実施例 7 電極基材として実施例5で用いたニツケル製の
エキスパンドメタル(半インチサイズ、14cm×14
cm角)を用い、これをSUS304製の陰極室に取に
つけ、陰極室内全面、電極部全面に実施例2で示
した第一の下地メツキ、第二の下地メツキ、さら
に硫黄を含むニツケルメツキを施した。なお、硫
黄を含むニツケルメツキは4時間行つた。 この試料を陰極として実施例6と同様の条件で
食塩水を電解した。表18にニツケル製陰極の場合
と、本発明の陰極について通電初期の陰極電位値
と1年間経過後の陰極電位値、さらには浴電圧の
値を示す。
性、耐食性を示し、極めて低い水素過電圧を長期
間維持し、比較SUS304製の陰極に比べて300mV
程、低い水素過電圧、さらには浴電圧を示しエネ
ルギー効率の高い、優れた陰極であることがわか
る。 実施例 7 電極基材として実施例5で用いたニツケル製の
エキスパンドメタル(半インチサイズ、14cm×14
cm角)を用い、これをSUS304製の陰極室に取に
つけ、陰極室内全面、電極部全面に実施例2で示
した第一の下地メツキ、第二の下地メツキ、さら
に硫黄を含むニツケルメツキを施した。なお、硫
黄を含むニツケルメツキは4時間行つた。 この試料を陰極として実施例6と同様の条件で
食塩水を電解した。表18にニツケル製陰極の場合
と、本発明の陰極について通電初期の陰極電位値
と1年間経過後の陰極電位値、さらには浴電圧の
値を示す。
【表】
以上のように本発明の実施例7は、優れた耐久
性、耐食性を示し、極めて低い水素過電圧を長期
間維持し、比較ニツケル製の陰極に比べて
250mV〜300mV程、低い水素過電圧、さらには
浴電圧を示し、エネルギー効率の高い優れた陰極
であることがわかる。
性、耐食性を示し、極めて低い水素過電圧を長期
間維持し、比較ニツケル製の陰極に比べて
250mV〜300mV程、低い水素過電圧、さらには
浴電圧を示し、エネルギー効率の高い優れた陰極
であることがわかる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クロム、ニツケル又はこれらを含む合金相を
表面組成として持つ金属基体表面に、アンモニウ
ムイオンを含み、かつPH2.5以下のニツケルメツ
キ浴を用いてニツケルメツキを施し、次いで硫黄
を含むニツケルメツキ浴を用いてニツケルメツキ
を施すことを特徴とする電極の製造法。 2 0.05モル濃度以上のアンモニウムイオンを含
むニツケルメツキ浴を用いてニツケルメツキを行
なう特許請求の範囲第1項に記載の電極の製造
法。 3 硫黄を含むニツケルメツキ浴が、(イ)ニツケル
塩及び(ロ)チオ尿素、チオシアン酸塩及び硫黄の酸
化数が5以下のオキソ酸塩からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の硫黄含有化合物を含む特許請
求の範囲第1又は2項に記載の電極の製造法。 4 硫黄を含むニツケルメツキ浴が、(イ)ニツケル
塩,(ロ)チオ尿素、チオシアン酸塩及び硫黄の酸化
数が5以下のオキソ酸塩からなる群から選ばれた
少なくとも一種の硫黄含有化合物及び(ハ)アンモニ
ウムイオンを含む特許請求の範囲第1から3項の
いずれかの項に記載の電極の製造法。 5 クロム、ニツケル又はこれらを含む合金相に
表面組成として持つ金属基体表面に、PH1以下の
塩酸酸性ニツケル浴を用いて第一の下地にニツケ
ルメツキを行ない、さらにその上にアンモニウム
イオンを含むニツケルメツキ浴を用いて第二の下
地ニツケルメツキを施した後、硫黄を含むニツケ
ルメツキ浴を用いてニツケルメツキを施すことを
特徴とする電極の製造法。 6 硫黄を含むニツケルメツキ浴が、(イ)ニツケル
塩及び(ロ)チオ尿素、チオシアン酸塩及び硫黄の酸
化数が5以下のオキソ酸塩からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の硫黄含有化合物を含む特許請
求の範囲第5項に記載の電極の製造法。 7 硫黄を含むニツケルメツキ浴が、(イ)ニツケル
塩、(ロ)チオ尿素、チオシアン酸塩及び硫黄の酸化
数が5以下のオキソ酸塩からなる群から選ばれた
少なくとも一種の硫黄含有化合物及び(ハ)アンモニ
ウムイオンを含む特許請求の範囲第5又は6項に
記載の電極の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57092196A JPS58210185A (ja) | 1982-06-01 | 1982-06-01 | 電極の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57092196A JPS58210185A (ja) | 1982-06-01 | 1982-06-01 | 電極の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58210185A JPS58210185A (ja) | 1983-12-07 |
| JPS6261675B2 true JPS6261675B2 (ja) | 1987-12-22 |
Family
ID=14047686
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57092196A Granted JPS58210185A (ja) | 1982-06-01 | 1982-06-01 | 電極の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58210185A (ja) |
-
1982
- 1982-06-01 JP JP57092196A patent/JPS58210185A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58210185A (ja) | 1983-12-07 |
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