JPS6310959B2 - - Google Patents
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- JPS6310959B2 JPS6310959B2 JP55109854A JP10985480A JPS6310959B2 JP S6310959 B2 JPS6310959 B2 JP S6310959B2 JP 55109854 A JP55109854 A JP 55109854A JP 10985480 A JP10985480 A JP 10985480A JP S6310959 B2 JPS6310959 B2 JP S6310959B2
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- hydroxyl
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
本発明は半合成アミノ配糖体として有用な殺菌
性の新規化合物である1−N−(ω−アミノ−α
−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンB、又は1−N−(ω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBに関し、
またそれらの化合物を製造する方法に関する。さ
らに、また、本発明は新規化合物として5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBおよびそ
の製造法も包含する。 本発明者らが発見したジベカシン(3′,4′−ジ
デオシカナマイシンB:特公昭50−7595号、特許
第794612号、米国特許第3753973号)は各種の耐
性菌に有効な化学療法剤として、既に細菌感染症
の治療に広く用いられている。さらに本発明者ら
によつて合成されたハベカシン(すなわち1−N
−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕
ジベカシン:特公昭52−33629号、米国特許第
4107424号)はジベカシン耐性菌にも有効な化学
療法剤として開発研究が行なわれている。最近、
本発明者らは、ジベカシンまたはハベカシンの残
存水酸基をさらにデオキシ化する研究を進め、そ
れらの6″−デオキシ、または4″,6″−ジデオキシ
誘導体が、それぞれジベカシンまたはハベカシン
と同程度の抗菌力を示す有用な化合物であること
を確認した(特願昭54−119323号)。そこで、本
発明者らはさらに、5位の水酸基をデオキシ化し
た種々化合物を合成し、中でも5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンBの1位アミノ基にω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を結合させた1
−N−アシル誘導体、および5,3′,4′,6″−テ
トラデオキシカナマイシンBの1位アミノ基にω
−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を結合させ
た1−N−アシル誘導体は感受性菌および耐性菌
にきわめて強く、かつ広く有効な殺菌性を示す新
規化合物であることを確認して本発明を完成し
た。 従つて、第一の本発明によると、一般式() 〔式中、Rは水酸基または水素原子を示し、nは
1、2または3の整数を示す〕で表わされる1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB又は
1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノ
イル)−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンB並びに次式 で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンB、およびそれらの酸付加塩から選ば
れる化合物が提供される。 第一の本発明による化合物の理化学的および生
物学的性状は次のとおりである。 (i) 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナ
マイシンB一炭酸塩一水和物は白色粉末で、分
解点163−166℃、〔α〕26 D=+87゜(c1、水)を示
す。元素分析値はC22H44N6O9・H2CO3・H2O
の理論値(C44.80%、H7.85%、N13.63%)に
合致した。シリカゲルの薄層クロマトグラフイ
ーで、ブタノール・エタノール・クロロホル
ム・17%アンモニア水(4:5:2:5)およ
びクロロホルム・メタノール・濃アンモニア水
(1:4:2:1)の混液を展開溶媒として、
それぞれRf0.05および0.09に単一スポツト(ニ
ンヒドリン発色)を示す。 (ii) 1−N−〔3−アミノ−2−ヒドロキシプロ
ピオニル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマ
イシンB一炭酸塩は白色粉末で、分解点113−
116℃、〔α〕27 D=+120゜(c1、水)を示す。元素
分析値はC21H42N6O9・H2CO3の理論値
(C42.85%、H7.19%、N13.63%)に合致した。
前述のシリカゲルの薄層クロマトグラフイー
で、Rf0.12および0.35を示す。 (iii) 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′,6″−テトラデオキシ
カナマイシンB二炭酸塩は白色粉末で、分解点
131−135℃、〔α〕27 D=+90゜(c1、水)を示す。
元素分析値はC22H44N6O8・2H2CO3の理論値
(C44.71%、H7.50%、N13.04%)に合致した。
前述のシリカゲルの薄層クロマトグラフイー
で、Rf0.07および0.23を示す。 (iv) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンB二炭酸塩一水和物は白色粉末で、分解点
128−136℃、〔α〕23 D=+102゜(c1、水)を示す。
元素分析値はC18H37N5O6・2H2CO3・H2Oの
理論値(C42.77%、H7.72%、N12.47%)に合
致した。前述のシリカゲルの薄層クロマトグラ
フイーでRf0.42および0.56を示す。 本発明で得られた一般式()の化合物に属す
る1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマイ
シンB(AHB−トリデオキシKMBと略す)、1
−N−〔3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニ
ル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
(AHP−トリデオキシKMB)および1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
(AHB−テトラデオキシKMB)の抗菌スペクト
ルをハベカシン(1−N−〔(S)−4−アミノ−
2−ヒドロキシブチリル〕−3′,4′−ジデオキシ
カナマイシンB)と比較して第1表に示した。な
お、式()の新規化合物5,3′,4′,6″−テト
ラデオキシカナマイシンB(テトラデオキシカナ
マイシンB)の抗菌スペクトルも第1表に示す。
性の新規化合物である1−N−(ω−アミノ−α
−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンB、又は1−N−(ω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBに関し、
またそれらの化合物を製造する方法に関する。さ
らに、また、本発明は新規化合物として5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBおよびそ
の製造法も包含する。 本発明者らが発見したジベカシン(3′,4′−ジ
デオシカナマイシンB:特公昭50−7595号、特許
第794612号、米国特許第3753973号)は各種の耐
性菌に有効な化学療法剤として、既に細菌感染症
の治療に広く用いられている。さらに本発明者ら
によつて合成されたハベカシン(すなわち1−N
−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕
ジベカシン:特公昭52−33629号、米国特許第
4107424号)はジベカシン耐性菌にも有効な化学
療法剤として開発研究が行なわれている。最近、
本発明者らは、ジベカシンまたはハベカシンの残
存水酸基をさらにデオキシ化する研究を進め、そ
れらの6″−デオキシ、または4″,6″−ジデオキシ
誘導体が、それぞれジベカシンまたはハベカシン
と同程度の抗菌力を示す有用な化合物であること
を確認した(特願昭54−119323号)。そこで、本
発明者らはさらに、5位の水酸基をデオキシ化し
た種々化合物を合成し、中でも5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンBの1位アミノ基にω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を結合させた1
−N−アシル誘導体、および5,3′,4′,6″−テ
トラデオキシカナマイシンBの1位アミノ基にω
−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を結合させ
た1−N−アシル誘導体は感受性菌および耐性菌
にきわめて強く、かつ広く有効な殺菌性を示す新
規化合物であることを確認して本発明を完成し
た。 従つて、第一の本発明によると、一般式() 〔式中、Rは水酸基または水素原子を示し、nは
1、2または3の整数を示す〕で表わされる1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB又は
1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノ
イル)−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンB並びに次式 で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンB、およびそれらの酸付加塩から選ば
れる化合物が提供される。 第一の本発明による化合物の理化学的および生
物学的性状は次のとおりである。 (i) 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナ
マイシンB一炭酸塩一水和物は白色粉末で、分
解点163−166℃、〔α〕26 D=+87゜(c1、水)を示
す。元素分析値はC22H44N6O9・H2CO3・H2O
の理論値(C44.80%、H7.85%、N13.63%)に
合致した。シリカゲルの薄層クロマトグラフイ
ーで、ブタノール・エタノール・クロロホル
ム・17%アンモニア水(4:5:2:5)およ
びクロロホルム・メタノール・濃アンモニア水
(1:4:2:1)の混液を展開溶媒として、
それぞれRf0.05および0.09に単一スポツト(ニ
ンヒドリン発色)を示す。 (ii) 1−N−〔3−アミノ−2−ヒドロキシプロ
ピオニル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマ
イシンB一炭酸塩は白色粉末で、分解点113−
116℃、〔α〕27 D=+120゜(c1、水)を示す。元素
分析値はC21H42N6O9・H2CO3の理論値
(C42.85%、H7.19%、N13.63%)に合致した。
前述のシリカゲルの薄層クロマトグラフイー
で、Rf0.12および0.35を示す。 (iii) 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′,6″−テトラデオキシ
カナマイシンB二炭酸塩は白色粉末で、分解点
131−135℃、〔α〕27 D=+90゜(c1、水)を示す。
元素分析値はC22H44N6O8・2H2CO3の理論値
(C44.71%、H7.50%、N13.04%)に合致した。
前述のシリカゲルの薄層クロマトグラフイー
で、Rf0.07および0.23を示す。 (iv) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンB二炭酸塩一水和物は白色粉末で、分解点
128−136℃、〔α〕23 D=+102゜(c1、水)を示す。
元素分析値はC18H37N5O6・2H2CO3・H2Oの
理論値(C42.77%、H7.72%、N12.47%)に合
致した。前述のシリカゲルの薄層クロマトグラ
フイーでRf0.42および0.56を示す。 本発明で得られた一般式()の化合物に属す
る1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマイ
シンB(AHB−トリデオキシKMBと略す)、1
−N−〔3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニ
ル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
(AHP−トリデオキシKMB)および1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
(AHB−テトラデオキシKMB)の抗菌スペクト
ルをハベカシン(1−N−〔(S)−4−アミノ−
2−ヒドロキシブチリル〕−3′,4′−ジデオキシ
カナマイシンB)と比較して第1表に示した。な
お、式()の新規化合物5,3′,4′,6″−テト
ラデオキシカナマイシンB(テトラデオキシカナ
マイシンB)の抗菌スペクトルも第1表に示す。
【表】
【表】
本発明で得られた1−N−〔(S)−4−アミノ
−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンB、1−N−(3−アミノ
−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,4′−
トリデオキシカナマイシンB、1−N−〔(S)−
4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBおよび
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
のマウス静脈内投与による急性毒性は、いずれも
LD5025−50mg/Kgであつた。 第一の本発明による1−N−〔(S)−4−アミ
ノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンB、1−N−(3−アミ
ノ−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンB、1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
および5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンBは通常遊離塩基または水和物または炭酸塩
として得られるが通常の方法により薬学的に許容
できる酸を加えて任意の無毒性の酸付加塩とする
ことができる。付加すべき酸としては塩酸、臭
酸、硫酸、燐酸、硝酸などの無機酸、リンゴ酸、
クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸な
どの有機酸が用いられる。 第一の本発明による1−N−〔(S)−4−アミ
ノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンBまたは1−N−(3−
アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBは、既知化合物
である5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
(ジヤパニーズ−ジヤーナル・オブ・アンチビオ
チクス、32巻、S−178頁、1979年)を出発原料
として用い、これの1位アミノ基に対応のω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を縮合させるこ
とにより合成でき、また1−N−〔(S)−4−ア
ミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′,
6″−テトラデオキシカナマイシンBは、本発明で
得られる前記の5,3′,4′,6″−テトラデオキシ
カナマイシンBを出発原料として用い、これの1
位アミノ基に対応のω−アミノ−α−ヒドロキシ
アルカン酸を縮合させることにより合成できる。 従つて、第二の本発明の要旨とするところは、
次の一般式() 〔式中Rは水酸基または水素原子を示す〕で表わ
される5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
〔一般式()でRが水酸基の場合〕または5,
3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB〔一般
式()でRが水素原子の場合〕の1位のアミノ
基以外の4個のアミノ基の一部または全部を公知
のアミノ保護基で保護した次式(′) 〔式中Rは水酸基または水素原子を示し、Aは水
素原子で、Bは少くとも一個が1価のアミノ基保
護基で残余のBが水素原子であるか、またはAお
よびBの少くとも一対が共同して一個の2価のア
ミノ基保護基をなすものであり、残余のA、Bは
水素原子を示し、また、A、Bで示した各アミノ
保護基はそれぞれ異なるアミノ基保護基である場
合を含む〕で表わされる部分保護体を用い、その
1位のアミノ基を、次式() 〔式中nは1、2または3の整数であり、アミノ
基は必要ならばアミノ保護基で保護される〕で表
わされるω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸
又はこれのアミノ保護基、またはこれの反応性誘
導体と作用させてアシル化し、次式(′) 〔式中R、A、B、nは前記に同じである〕で表
わされる1−N−アシル化生成物を生成し、所要
ならば、続いて常法によつてそれらのアミノ保護
基を脱離することを特徴とする一般式() 〔式中R、nは前記に同じである〕で表わされる
1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノ
イル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B(Rが水酸基の場合〕、または1−N−(ω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB〔Rが水
素原子の場合〕およびそれらの酸付加塩の製造法
にある。 次に第二の本発明の方法について詳しく述べ
る。 一般式()の化合物の1位のアミノ基以外の
4個のアミノ基のすべてまたは一部を公知のアミ
ノ保護基で保護した部分保護体すなわち一般式
(′)の保護誘導体は、カナマイシンBのデオキ
シ誘導体の合成に際して用いられているような
種々の既知の保護方法で一般式()の化合物に
保護基を導入することにより得ることができる。
例えば、米国特許第3781268号明細書(1973年12
月25日)又は米国特許第3929762号明細書に述べ
られているカナマイシンBの6′−N−ベンジルオ
キシカルボニル体、また英国特許第1426908号明
細書(1973年10月4日)および米国特許第
3939143号明細書(1976年2月17日)に述べられ
ているカナマイシンBの2′,6′−ジ−N−第三ブ
トキシカルボニル体、6′−N−ベンジルオキシカ
ルボニル体のモノまたはジ−N−第三ブトキシカ
ルボニル体、およびモノ、ジまたはトリ−N−第
三ブトキシカルボニル体の混合物、およびベルギ
ー特許第817546号明細書(1975年1月13日)に述
べられている2′,3,3″,6′−テトラ−N−ホル
ミル体の調製に当つて用いられたアミノ保護法を
利用することができる。 一般的には、素原料としての一般式()の化
合物のアミノ基のうちの一部を保護するアミノ保
護基としては、通常のアミノ保護基が使用され
る。第三ブトキシカルボニル基、第三アミロキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロア
ルキルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基、
トリフロロアセチル基、オルトニトロフエノキシ
アセチル基などのアシル基、ジフエニルホスフイ
ノチオイル基、ジメチルホスフイノチオイル基な
どのホスフイノチオイル基、ジフエニルホスフイ
ニル基などのホスフイニル基などがあげられ、ま
た二価のアミノ保護基としてフタロイル基を用い
ることができ、また例えばサリチリデン基で保護
してシツフ塩基の形にして保護することにもでき
る。これらのアミノ保護基の導入はペプチド合成
等で公知の方法により、例えば酸ハライド、酸ア
ジド、活性エステル、酸無水物などの形で公知の
アミノ保護基導入剤を用いることができる。これ
らのアミノ保護基導入剤を0.5−6モル当量比の
範囲で用いることにより、化合物()の各アミ
ノ基の反応性の差異により種々の部分アミノ保護
誘導体を任意の比率で製造することができる。 第二の本発明の方法においては、1位のアミノ
基以外のアミノ基がすべてまたは一部分保護され
たアミノ保護誘導体、例えば3,2′,6′,3″−テ
トラ−N−保護体、3,2′,6′−および2′,6′,
3″−トリ−N−保護体、2′,6′−ジ−N−保護体
および6′−モノ−N−保護体が使用できる。さら
にこれらの部分アミノ保護体の混合物も精製する
ことなく1位のアミノ基のアシル化のために用い
られる。 第二の本発明の方法において一般式()の目
的化合物を高い収率で製造するためには一般式
()の化合物、すなわち5,3′,4′−トリデオ
キシカナマイシンBまたは5,3′,4′,6″−テト
ラデオキシカナマイシンBの1位のアミノ基のみ
を選択的に式()で表わされるω−アミノ−α
−ヒドロキシアルカン酸でアシル化すれば良いの
であるから、1位アミノ基以外のすべてのアミノ
基が保護基で閉塞されている化合物()の保護
誘導体、すなわち3,2′,6′,3″−テトラ−N−
保護誘導体を本法の出発物質として用いるのが最
も好ましいことは明らかである。 一般式()の化合物の3,2′,6′,3″−テト
ラ−N−保護誘導体(′)を調製するには、例
えば次の方法を利用できる。すなわち、カナマイ
シンBを二価遷移金属例えば銅()、ニツケル
()、コバルト()等のカチオンと反応させて
金属錯体を形成させ、この錯体にアミノ保護基導
入剤としてのアシル化剤を作用させてカナマイシ
ンB金属錯体のカナマイシンB部分の1位と3″位
の2個のアミノ基(これらは二価金属イオンと錯
結合して閉塞されている)以外のすべてのアミノ
基を保護基で保護し、その後に二価金属カチオン
を例えば硫化水素処理又はアンモニア水処理で脱
除することによつてカナマイシンBの3,2′,
6′−トリ−N−アシル化保護誘導体を作る特開昭
52−153944号の既知方法、若しくは前記の二価遷
移金属カチオンに代えて亜鉛イオンを用い以後は
前記既知方法と同様に処理してカナマイシンBの
3,2′,6′−トリ−N−アシル化保護誘導体を作
る本出願人の特願昭53−138402号(特開昭55−
64598号公報参照)の方法を応用することによつ
て、先づ化合物()の3,2′,6′−トリ−N−
保護誘導体を高収率で生成し、次いで、本発明者
らが最近開発した特願昭54−73064号(特開昭55
−164696号公報参照)による1位以外のアミノ基
が選択的に保護されたアミノグリコシド抗生物質
保護誘導体の製造法の応用によつて、前記3,
2′,6′−トリ−N−保護誘導体の3″位のアミノ基
を選択的にアシル化して保護すると、化合物
()の3,2′,6′,3″−テトラ−N−保護誘導体
を高収率で製造できる。この特願昭54−73064号
の方法においては、前記3,2′,6′−トリ−N−
保護誘導体にギ酸エステル、ジハロゲン化または
トリハロゲン化アルカン酸エステル、ホルミルイ
ミダゾール、あるいはN−アルカノイルイミダゾ
ールをアシル化剤として作用せしめることによつ
て、1位のアミノ基をアシル化することなく、
3″位のアミノ基を選択的に高収率にアシル化して
保護できる。これらの方法を適用して得られる
5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンBまたは
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
の、例えば3,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシ
カルボニル−3″−N−トリフロロアセチル体は、
本法においてω−アミノ−α−ヒドロキシアルカ
ン酸で選択的に1位のアミノ基をアシル化するの
に最も好ましい材料の一つである。 第二の本発明の方法において、次式() 〔式中nは1、2または3を示す〕で表わされる
ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸として3
−アミノ−2−ヒドロキシプロピオン酸〔nが1
の場合〕、4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸〔n
が2の場合〕および5−アミノ−2−ヒドロキシ
吉草酸〔nが3の場合〕が用いられ、これらのう
ちいずれもS異性体が好んで用いられる。 第二の本発明の方法においては、アミノ基を保
護した又はしてないω−アミノ−α−ヒドロキシ
アルカン酸で、上記の化合物()又はその部分
アミノ保護誘導体(′)のそれぞれ、または混
合物の1位のアミノ基をアシル化するのである。
このアシル化反応は、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド法、混合酸無水物法、アジド法、活性エス
テル法など、あらゆる既知のペプチド合成法によ
り、ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸をこ
のまゝ又はこれの反対誘導体(官能的均等物)の
形で作用させて実施できる。ω−アミノ−α−ヒ
ドロキシアルカン酸のアミノ基を保護するアミノ
保護基としては、化合物(′)のアミノ保護基
に用いられたと同じ、又は異なるアミノ保護基が
用いられる。特に、トリフロロ酢酸、酢酸などの
水溶液または塩酸などの希薄溶液中で処理して容
易に脱保護できる第三ブトキシカルボニル基やパ
ラメトキシベンジルオキシカルボニル基は、好ま
しく用いられる保護基である。また、パラジウ
ム、酸化白金などを触媒として使用する通常の接
触還元で脱保護できるベンジルオキシカルボニル
基も便利な保護基である。 本法でのアシル化反応は含水溶液中で活性エス
テル法を用いて行われることが好ましい。例え
ば、通常の方法で得られる活性エステルとしてL
−4−第三ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒド
ロキシ酪酸のN−ヒドロキシコハク酸イミドエス
テルを0.5−3モル当量、好ましくは1−1.5モル
当量の範囲で使用し、また水と混合しうる溶媒と
して、好ましくはジオキサン、ジメトキシエタ
ン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、トリエチルアミンなどが使用される。 なお、一般式(′)の保護誘導体のうち、
6′−N−保護体のように1位アミノ基以外のアミ
ノ基の1部のみが保護された誘導体を本法でアシ
ル化される出発物質として用いた場合には、1−
N−(L−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル)
−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの合成(特
公昭52−33629号公報参照)の場合と同様に、ア
シル化反応生成物を通常用いるシリカゲルなどの
塔クロマトグラフイーによつて精製し、未反応の
原料を除去してアシル化生成物の混合物を得るこ
とができる。しかし、一般には、この混成アシル
化生成物は精製することなしに脱保護して後に精
製して目的物を採取することができる。 本法においては、こうして生成されたアシル化
反応生成物に保護基が残存する場合に、これら保
護基を脱離せしめるが、この脱離は常法で行なわ
れる。すなわち、上記のアルキルオキシカルボニ
ル基型のアミノ保護基はトリフロロ酢酸、酢酸な
どの水溶液、または塩酸などの希薄溶液中で加水
分解により処理して脱離される。またベンジルオ
キシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボ
ニル基の場合には通常の接触還元(水添分解)に
よつて容易に脱離できる。また保護基にフタロイ
ル基を有する場合は抱水ヒドラジンのアルコール
溶液中で加熱により除去できる。 脱保護をしたアシル化生成物中には、目的とす
る1−N−アシル化物のほかに数種の異性体が存
在する場合が考えられるが、これらはカルボキシ
ル基を活性基としたアンバーライトCG50、CM
セフアデツクスC−25(スエーデン国フアルマシ
ア社製)などの陽イオン交換体を使用して、必要
ならば適当な感受性菌および耐性菌を試験菌とし
て抗菌力を測定することにより、目的とする1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
誘導体()をクロマトグラフイーで分離、精製
することが可能である。 本発明における1−N−(ω−アミノ−α−ヒ
ドロキシアルカノイル)−5,3′,4′,6″−テトラ
デオキシカナマイシンBの原料となる5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBは、本発
明者らによつて既に合成された3′,4′,6″−トリ
デオキシカナマイシンB(特願昭54−119323号又
は特開昭56−43297号公報参照)、またはその中間
体である次式() 〔式中Aは水素原子で、Bは1価のアミノ保護基
であるか、あるいはA、Bが一緒になつて2価の
アミノ保護基1個を示し、Dはアミノ基の形の1
価の水酸基保護基を示す〕で表わされる3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンB誘導体を出発原
料として合成することができる。 従つて、第三の本発明の要旨とするところは、
式() 〔式中、Aは水素原子でBは1価のアミノ保護基
であるか、またはAとBが一緒になつて1個の2
価のアミノ保護基を示す〕で表わされる5個のア
ミノ基がアミノ保護基で保護された3′,4′−ジデ
オキシカナマイシンBの4″位と6″位の2個の水酸
基を、同時に2価の水酸保護基1個で保護し、さ
らに2″位の水酸基を1価の水酸基保護基で保護し
て、次式() 〔式中、AとBは前述と同じ意味をもち、
−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−トリ
デオキシカナマイシンB、1−N−(3−アミノ
−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,4′−
トリデオキシカナマイシンB、1−N−〔(S)−
4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBおよび
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
のマウス静脈内投与による急性毒性は、いずれも
LD5025−50mg/Kgであつた。 第一の本発明による1−N−〔(S)−4−アミ
ノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンB、1−N−(3−アミ
ノ−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンB、1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
および5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンBは通常遊離塩基または水和物または炭酸塩
として得られるが通常の方法により薬学的に許容
できる酸を加えて任意の無毒性の酸付加塩とする
ことができる。付加すべき酸としては塩酸、臭
酸、硫酸、燐酸、硝酸などの無機酸、リンゴ酸、
クエン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸な
どの有機酸が用いられる。 第一の本発明による1−N−〔(S)−4−アミ
ノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンBまたは1−N−(3−
アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル)−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBは、既知化合物
である5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
(ジヤパニーズ−ジヤーナル・オブ・アンチビオ
チクス、32巻、S−178頁、1979年)を出発原料
として用い、これの1位アミノ基に対応のω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカン酸を縮合させるこ
とにより合成でき、また1−N−〔(S)−4−ア
ミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,4′,
6″−テトラデオキシカナマイシンBは、本発明で
得られる前記の5,3′,4′,6″−テトラデオキシ
カナマイシンBを出発原料として用い、これの1
位アミノ基に対応のω−アミノ−α−ヒドロキシ
アルカン酸を縮合させることにより合成できる。 従つて、第二の本発明の要旨とするところは、
次の一般式() 〔式中Rは水酸基または水素原子を示す〕で表わ
される5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
〔一般式()でRが水酸基の場合〕または5,
3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB〔一般
式()でRが水素原子の場合〕の1位のアミノ
基以外の4個のアミノ基の一部または全部を公知
のアミノ保護基で保護した次式(′) 〔式中Rは水酸基または水素原子を示し、Aは水
素原子で、Bは少くとも一個が1価のアミノ基保
護基で残余のBが水素原子であるか、またはAお
よびBの少くとも一対が共同して一個の2価のア
ミノ基保護基をなすものであり、残余のA、Bは
水素原子を示し、また、A、Bで示した各アミノ
保護基はそれぞれ異なるアミノ基保護基である場
合を含む〕で表わされる部分保護体を用い、その
1位のアミノ基を、次式() 〔式中nは1、2または3の整数であり、アミノ
基は必要ならばアミノ保護基で保護される〕で表
わされるω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸
又はこれのアミノ保護基、またはこれの反応性誘
導体と作用させてアシル化し、次式(′) 〔式中R、A、B、nは前記に同じである〕で表
わされる1−N−アシル化生成物を生成し、所要
ならば、続いて常法によつてそれらのアミノ保護
基を脱離することを特徴とする一般式() 〔式中R、nは前記に同じである〕で表わされる
1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノ
イル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B(Rが水酸基の場合〕、または1−N−(ω−ア
ミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)−5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB〔Rが水
素原子の場合〕およびそれらの酸付加塩の製造法
にある。 次に第二の本発明の方法について詳しく述べ
る。 一般式()の化合物の1位のアミノ基以外の
4個のアミノ基のすべてまたは一部を公知のアミ
ノ保護基で保護した部分保護体すなわち一般式
(′)の保護誘導体は、カナマイシンBのデオキ
シ誘導体の合成に際して用いられているような
種々の既知の保護方法で一般式()の化合物に
保護基を導入することにより得ることができる。
例えば、米国特許第3781268号明細書(1973年12
月25日)又は米国特許第3929762号明細書に述べ
られているカナマイシンBの6′−N−ベンジルオ
キシカルボニル体、また英国特許第1426908号明
細書(1973年10月4日)および米国特許第
3939143号明細書(1976年2月17日)に述べられ
ているカナマイシンBの2′,6′−ジ−N−第三ブ
トキシカルボニル体、6′−N−ベンジルオキシカ
ルボニル体のモノまたはジ−N−第三ブトキシカ
ルボニル体、およびモノ、ジまたはトリ−N−第
三ブトキシカルボニル体の混合物、およびベルギ
ー特許第817546号明細書(1975年1月13日)に述
べられている2′,3,3″,6′−テトラ−N−ホル
ミル体の調製に当つて用いられたアミノ保護法を
利用することができる。 一般的には、素原料としての一般式()の化
合物のアミノ基のうちの一部を保護するアミノ保
護基としては、通常のアミノ保護基が使用され
る。第三ブトキシカルボニル基、第三アミロキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基、シ
クロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロア
ルキルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基、
トリフロロアセチル基、オルトニトロフエノキシ
アセチル基などのアシル基、ジフエニルホスフイ
ノチオイル基、ジメチルホスフイノチオイル基な
どのホスフイノチオイル基、ジフエニルホスフイ
ニル基などのホスフイニル基などがあげられ、ま
た二価のアミノ保護基としてフタロイル基を用い
ることができ、また例えばサリチリデン基で保護
してシツフ塩基の形にして保護することにもでき
る。これらのアミノ保護基の導入はペプチド合成
等で公知の方法により、例えば酸ハライド、酸ア
ジド、活性エステル、酸無水物などの形で公知の
アミノ保護基導入剤を用いることができる。これ
らのアミノ保護基導入剤を0.5−6モル当量比の
範囲で用いることにより、化合物()の各アミ
ノ基の反応性の差異により種々の部分アミノ保護
誘導体を任意の比率で製造することができる。 第二の本発明の方法においては、1位のアミノ
基以外のアミノ基がすべてまたは一部分保護され
たアミノ保護誘導体、例えば3,2′,6′,3″−テ
トラ−N−保護体、3,2′,6′−および2′,6′,
3″−トリ−N−保護体、2′,6′−ジ−N−保護体
および6′−モノ−N−保護体が使用できる。さら
にこれらの部分アミノ保護体の混合物も精製する
ことなく1位のアミノ基のアシル化のために用い
られる。 第二の本発明の方法において一般式()の目
的化合物を高い収率で製造するためには一般式
()の化合物、すなわち5,3′,4′−トリデオ
キシカナマイシンBまたは5,3′,4′,6″−テト
ラデオキシカナマイシンBの1位のアミノ基のみ
を選択的に式()で表わされるω−アミノ−α
−ヒドロキシアルカン酸でアシル化すれば良いの
であるから、1位アミノ基以外のすべてのアミノ
基が保護基で閉塞されている化合物()の保護
誘導体、すなわち3,2′,6′,3″−テトラ−N−
保護誘導体を本法の出発物質として用いるのが最
も好ましいことは明らかである。 一般式()の化合物の3,2′,6′,3″−テト
ラ−N−保護誘導体(′)を調製するには、例
えば次の方法を利用できる。すなわち、カナマイ
シンBを二価遷移金属例えば銅()、ニツケル
()、コバルト()等のカチオンと反応させて
金属錯体を形成させ、この錯体にアミノ保護基導
入剤としてのアシル化剤を作用させてカナマイシ
ンB金属錯体のカナマイシンB部分の1位と3″位
の2個のアミノ基(これらは二価金属イオンと錯
結合して閉塞されている)以外のすべてのアミノ
基を保護基で保護し、その後に二価金属カチオン
を例えば硫化水素処理又はアンモニア水処理で脱
除することによつてカナマイシンBの3,2′,
6′−トリ−N−アシル化保護誘導体を作る特開昭
52−153944号の既知方法、若しくは前記の二価遷
移金属カチオンに代えて亜鉛イオンを用い以後は
前記既知方法と同様に処理してカナマイシンBの
3,2′,6′−トリ−N−アシル化保護誘導体を作
る本出願人の特願昭53−138402号(特開昭55−
64598号公報参照)の方法を応用することによつ
て、先づ化合物()の3,2′,6′−トリ−N−
保護誘導体を高収率で生成し、次いで、本発明者
らが最近開発した特願昭54−73064号(特開昭55
−164696号公報参照)による1位以外のアミノ基
が選択的に保護されたアミノグリコシド抗生物質
保護誘導体の製造法の応用によつて、前記3,
2′,6′−トリ−N−保護誘導体の3″位のアミノ基
を選択的にアシル化して保護すると、化合物
()の3,2′,6′,3″−テトラ−N−保護誘導体
を高収率で製造できる。この特願昭54−73064号
の方法においては、前記3,2′,6′−トリ−N−
保護誘導体にギ酸エステル、ジハロゲン化または
トリハロゲン化アルカン酸エステル、ホルミルイ
ミダゾール、あるいはN−アルカノイルイミダゾ
ールをアシル化剤として作用せしめることによつ
て、1位のアミノ基をアシル化することなく、
3″位のアミノ基を選択的に高収率にアシル化して
保護できる。これらの方法を適用して得られる
5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンBまたは
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
の、例えば3,2′,6′−トリ−N−第三ブトキシ
カルボニル−3″−N−トリフロロアセチル体は、
本法においてω−アミノ−α−ヒドロキシアルカ
ン酸で選択的に1位のアミノ基をアシル化するの
に最も好ましい材料の一つである。 第二の本発明の方法において、次式() 〔式中nは1、2または3を示す〕で表わされる
ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸として3
−アミノ−2−ヒドロキシプロピオン酸〔nが1
の場合〕、4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸〔n
が2の場合〕および5−アミノ−2−ヒドロキシ
吉草酸〔nが3の場合〕が用いられ、これらのう
ちいずれもS異性体が好んで用いられる。 第二の本発明の方法においては、アミノ基を保
護した又はしてないω−アミノ−α−ヒドロキシ
アルカン酸で、上記の化合物()又はその部分
アミノ保護誘導体(′)のそれぞれ、または混
合物の1位のアミノ基をアシル化するのである。
このアシル化反応は、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド法、混合酸無水物法、アジド法、活性エス
テル法など、あらゆる既知のペプチド合成法によ
り、ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸をこ
のまゝ又はこれの反対誘導体(官能的均等物)の
形で作用させて実施できる。ω−アミノ−α−ヒ
ドロキシアルカン酸のアミノ基を保護するアミノ
保護基としては、化合物(′)のアミノ保護基
に用いられたと同じ、又は異なるアミノ保護基が
用いられる。特に、トリフロロ酢酸、酢酸などの
水溶液または塩酸などの希薄溶液中で処理して容
易に脱保護できる第三ブトキシカルボニル基やパ
ラメトキシベンジルオキシカルボニル基は、好ま
しく用いられる保護基である。また、パラジウ
ム、酸化白金などを触媒として使用する通常の接
触還元で脱保護できるベンジルオキシカルボニル
基も便利な保護基である。 本法でのアシル化反応は含水溶液中で活性エス
テル法を用いて行われることが好ましい。例え
ば、通常の方法で得られる活性エステルとしてL
−4−第三ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒド
ロキシ酪酸のN−ヒドロキシコハク酸イミドエス
テルを0.5−3モル当量、好ましくは1−1.5モル
当量の範囲で使用し、また水と混合しうる溶媒と
して、好ましくはジオキサン、ジメトキシエタ
ン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、トリエチルアミンなどが使用される。 なお、一般式(′)の保護誘導体のうち、
6′−N−保護体のように1位アミノ基以外のアミ
ノ基の1部のみが保護された誘導体を本法でアシ
ル化される出発物質として用いた場合には、1−
N−(L−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル)
−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの合成(特
公昭52−33629号公報参照)の場合と同様に、ア
シル化反応生成物を通常用いるシリカゲルなどの
塔クロマトグラフイーによつて精製し、未反応の
原料を除去してアシル化生成物の混合物を得るこ
とができる。しかし、一般には、この混成アシル
化生成物は精製することなしに脱保護して後に精
製して目的物を採取することができる。 本法においては、こうして生成されたアシル化
反応生成物に保護基が残存する場合に、これら保
護基を脱離せしめるが、この脱離は常法で行なわ
れる。すなわち、上記のアルキルオキシカルボニ
ル基型のアミノ保護基はトリフロロ酢酸、酢酸な
どの水溶液、または塩酸などの希薄溶液中で加水
分解により処理して脱離される。またベンジルオ
キシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボ
ニル基の場合には通常の接触還元(水添分解)に
よつて容易に脱離できる。また保護基にフタロイ
ル基を有する場合は抱水ヒドラジンのアルコール
溶液中で加熱により除去できる。 脱保護をしたアシル化生成物中には、目的とす
る1−N−アシル化物のほかに数種の異性体が存
在する場合が考えられるが、これらはカルボキシ
ル基を活性基としたアンバーライトCG50、CM
セフアデツクスC−25(スエーデン国フアルマシ
ア社製)などの陽イオン交換体を使用して、必要
ならば適当な感受性菌および耐性菌を試験菌とし
て抗菌力を測定することにより、目的とする1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
誘導体()をクロマトグラフイーで分離、精製
することが可能である。 本発明における1−N−(ω−アミノ−α−ヒ
ドロキシアルカノイル)−5,3′,4′,6″−テトラ
デオキシカナマイシンBの原料となる5,3′,
4′,6″−テトラデオキシカナマイシンBは、本発
明者らによつて既に合成された3′,4′,6″−トリ
デオキシカナマイシンB(特願昭54−119323号又
は特開昭56−43297号公報参照)、またはその中間
体である次式() 〔式中Aは水素原子で、Bは1価のアミノ保護基
であるか、あるいはA、Bが一緒になつて2価の
アミノ保護基1個を示し、Dはアミノ基の形の1
価の水酸基保護基を示す〕で表わされる3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンB誘導体を出発原
料として合成することができる。 従つて、第三の本発明の要旨とするところは、
式() 〔式中、Aは水素原子でBは1価のアミノ保護基
であるか、またはAとBが一緒になつて1個の2
価のアミノ保護基を示す〕で表わされる5個のア
ミノ基がアミノ保護基で保護された3′,4′−ジデ
オキシカナマイシンBの4″位と6″位の2個の水酸
基を、同時に2価の水酸保護基1個で保護し、さ
らに2″位の水酸基を1価の水酸基保護基で保護し
て、次式() 〔式中、AとBは前述と同じ意味をもち、
【式】は2価の水酸基保護基であり、XとY
はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアルコキシ基であるか、または
たはアルコキシ基であるか、または
【式】が
シクロアルキリデン基又はテトラヒドロピラニリ
デン基であり、Dはアシル基の水酸基保護基を示
す〕で表わされる化合物を生成し、次いでこの化
合物に4″位と6″位の水酸基保護基を除去し、続い
て6″位の水酸基のみを選択的にスルホニル化剤で
スルホン酸エステル化して、次の式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味をもち、G
は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル
基を示す〕で表わされる化合物を生成し、その
6″位のスルホン酸エステル基(GSO3−)をアル
カリ金属の沃化物または臭化物で処理することに
よりヨードまたはブロム置換して誘導体またはブ
ロム誘導体〔式()でGSO3−がヨードまたは
ブロム原子になつた場合に相当する〕を生成し、
これを接触還元して脱ハロゲン化し、次式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味である〕で
表わされる3′,4′,6″−トリデオキシカナマイシ
ンB誘導体を生成し、続いて4″位の水酸基を、
2″位の水酸基を保護した保護基(D)と同じ種類の1
価の水酸基保護基で保護して、次式(′) 〔式中A、B、Dは前記に同じである〕で表わさ
れる化合物を生成し、次いで塩化スルフリルで処
理してその5位の水酸基を塩素で置換し、さらに
還元によつて5位から脱ハロゲン化し、次式
() 〔式中A、B、Dは前記に同じである〕で表わさ
れる化合物を生成し、次いで水酸基保護基とアミ
ノ保護基を脱離することを特徴とする次式() で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンBおよびその酸付加塩の製造法にあ
る。 次に第三の本発明の方法について詳しく述べ
る。 第三の本発明の方法の出発原料として用いる式
()の3′,4′−ジデオキシカナマイシンBのア
ミノ保護体の調製のために、3′,4′−ジデオキシ
カナマイシンBのアミノ基保護に用いるアミノ保
護基としては、第二の方法における式()の化
合物のアミノ基保護について先に説明したと同様
な種類のアミノ保護基を使用できる。このアミノ
保護基は常法で素原料の3′,4′−ジデオキシカナ
マイシンBに導入できる。 その後に式()の3′,4′−ジデオキシカナマ
イシンBアミノ保護体の4″と6″位の水酸基2個を
同時に保護するための2価の水酸基保護基として
は、従来、糖化学で1,3−グリコールの水酸基
の閉塞に多用されている保護基を使用しうるが、
第三の本発明の方法において適当な保護基
デン基であり、Dはアシル基の水酸基保護基を示
す〕で表わされる化合物を生成し、次いでこの化
合物に4″位と6″位の水酸基保護基を除去し、続い
て6″位の水酸基のみを選択的にスルホニル化剤で
スルホン酸エステル化して、次の式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味をもち、G
は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル
基を示す〕で表わされる化合物を生成し、その
6″位のスルホン酸エステル基(GSO3−)をアル
カリ金属の沃化物または臭化物で処理することに
よりヨードまたはブロム置換して誘導体またはブ
ロム誘導体〔式()でGSO3−がヨードまたは
ブロム原子になつた場合に相当する〕を生成し、
これを接触還元して脱ハロゲン化し、次式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味である〕で
表わされる3′,4′,6″−トリデオキシカナマイシ
ンB誘導体を生成し、続いて4″位の水酸基を、
2″位の水酸基を保護した保護基(D)と同じ種類の1
価の水酸基保護基で保護して、次式(′) 〔式中A、B、Dは前記に同じである〕で表わさ
れる化合物を生成し、次いで塩化スルフリルで処
理してその5位の水酸基を塩素で置換し、さらに
還元によつて5位から脱ハロゲン化し、次式
() 〔式中A、B、Dは前記に同じである〕で表わさ
れる化合物を生成し、次いで水酸基保護基とアミ
ノ保護基を脱離することを特徴とする次式() で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンBおよびその酸付加塩の製造法にあ
る。 次に第三の本発明の方法について詳しく述べ
る。 第三の本発明の方法の出発原料として用いる式
()の3′,4′−ジデオキシカナマイシンBのア
ミノ保護体の調製のために、3′,4′−ジデオキシ
カナマイシンBのアミノ基保護に用いるアミノ保
護基としては、第二の方法における式()の化
合物のアミノ基保護について先に説明したと同様
な種類のアミノ保護基を使用できる。このアミノ
保護基は常法で素原料の3′,4′−ジデオキシカナ
マイシンBに導入できる。 その後に式()の3′,4′−ジデオキシカナマ
イシンBアミノ保護体の4″と6″位の水酸基2個を
同時に保護するための2価の水酸基保護基として
は、従来、糖化学で1,3−グリコールの水酸基
の閉塞に多用されている保護基を使用しうるが、
第三の本発明の方法において適当な保護基
【式】としては、メチレン基、エチリデン
基、イソプロピリデン基の如きアルキリデン基又
はベンジリデン基の如きアラルキリデン基(環状
アセタールの形で保護する)、シクロヘキシリデ
ン基などのシクロアルキリデン基(環状ケタール
の形で保護する)又はアルコキシメチレン基、あ
るいはテトラヒドロピラニリデン基があげられ
る。これらの保護基を導入するには、公知の方
法、例えば、酸触媒の存在下アルデヒドまたはケ
トンと反応させることにより、またアセタール、
ケタールまたはオルトホーメートとの交換反応に
より容易に行なうことができる。 式()の化合物の2″位の水酸基を保護する1
価の保護基(D)としては、一般に用いられる水酸基
保護基であるアセチル基、ベンゾイル基などのア
シル基、特に低級アルカノイル基又はベンゾイル
基があげられる。このアシル型の保護基を導入す
るには、公知の方法、酸無水物、酸ハライド、活
性エステルなどの方法で容易に導入できる。 3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの5位の水
酸基は一般に反応性が低いので、式()の2″−
モノ−O−アシル化保護誘導体が主として得られ
る。 かくして、式()の化合物が得られ、これの
4″,6″位の水酸基の保護基
はベンジリデン基の如きアラルキリデン基(環状
アセタールの形で保護する)、シクロヘキシリデ
ン基などのシクロアルキリデン基(環状ケタール
の形で保護する)又はアルコキシメチレン基、あ
るいはテトラヒドロピラニリデン基があげられ
る。これらの保護基を導入するには、公知の方
法、例えば、酸触媒の存在下アルデヒドまたはケ
トンと反応させることにより、またアセタール、
ケタールまたはオルトホーメートとの交換反応に
より容易に行なうことができる。 式()の化合物の2″位の水酸基を保護する1
価の保護基(D)としては、一般に用いられる水酸基
保護基であるアセチル基、ベンゾイル基などのア
シル基、特に低級アルカノイル基又はベンゾイル
基があげられる。このアシル型の保護基を導入す
るには、公知の方法、酸無水物、酸ハライド、活
性エステルなどの方法で容易に導入できる。 3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの5位の水
酸基は一般に反応性が低いので、式()の2″−
モノ−O−アシル化保護誘導体が主として得られ
る。 かくして、式()の化合物が得られ、これの
4″,6″位の水酸基の保護基
【式】を次いで
選択的に脱離する。この脱離は、弱酸、例えば酢
酸水で処理する方法により容易に進行し、式
()の4″位及び6″位の水酸基が未保護の形に相
当する化合物が得られる。 次いで、この化合物の6″位の水酸基のみを除去
して6″−デオキシ化する。この6″−デオキシ化の
ためには、該化合物を無水ピリジンなどの溶媒中
で、一般式GSO2−X(Gは低級アルキル基、あ
るいはパラメチルフエニル基又はフエニル基の如
きアリール基、あるいはベンジル基の如きアラル
キル基を示し、Xは塩素又は臭素である)で示さ
れるスルホニル化剤、特に塩化メタンスルホニル
などのアルキルスルホニル化剤、塩化パラトルエ
ンスルホニルなどのアリールスルホニル化剤また
は塩化ベンジルスルホニルなどのアラルキルスル
ホニル化剤と反応させる。これにより、6″位の水
酸基がスルホン酸エステル化された式()の化
合物が得られる。特に、塩化パラトルエンスルホ
ニルを使用して室温で反応すると6″−モノ−O−
トシル誘導体(式においてGSO3−がp−
CH3C6H4SO3−基の場合)が収率良く得られる。 この式()のモノスルホン酸エステル誘導体
に、無水ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で沃
化アルカリ金属例えば沃化ナトリウム又は臭化ア
ルカリ金属例えば臭化ナトリウムを作用させる
と、その6″位のスルホン酸エステル基はヨード又
はブロム化されて、対応の6″−ヨード又はブロム
誘導体が得られる。 続いて、この6″−モード又はブロム誘導体をジ
オキサン、メタノールなどの溶媒中で、ラネ−ニ
ツケル、パラジウム、白金などを触媒として常法
で接触還元する。これにより脱ハロゲン化、すな
わち脱ヨード化又は脱ブロム化が行われる。この
ことにより、対応の6″−モノデオキシ体(式に
おいてGSO3−が水素原子になつた場合の化合物
に相当)が得られる。こうして、6″−デオキシ化
が達成されて式()の化合物が得られる。 次に、2″位の水酸基の保護基として使用したア
シル基(D)と同じ種類のアシル基を、式()の化
合物の4″位の水酸基に導入してこれを保護する。 この際、式()の化合物の4″位の水酸基の保
護に用いられる保護基(D)としては、これも、一般
に用いられるアセチル基、ベンゾイル基などのア
シル基、特に低級アルカノイル基またはアロイル
基があげられる。これらの保護基を導入するに
は、公知の方法、酸無水物、酸ハライド、活性エ
ステルなどの方法で容易に導入することができる
が、この際、のちの反応でデオキシ化を要する5
位の水酸基は一般に反応性が低く、これらの保護
基は導入されにくい。 かくして得られた式(′)で表わされる3′,
4′,6″−トリデオキシカナマイシンBの1,3,
2′,6′および3″位のアミノ基および2″と4″位の水
酸基を保護した保護体の5位の水酸基のデオキシ
化に当つては、文献(日本化学会誌英文誌51巻
2354頁1978年)記載の方法に従つて行われ、先づ
無水ピリジンなどの溶媒中で、1〜5当量の塩化
スルフリルを、室温以下の温度で2〜20時間撹拌
反応させることにより、容易に5−クロロ誘導体
を形成させる。 続いて、その5−クロロ誘導体の5位からの脱
ハロゲン化反応を行うが、この際、上記文献記載
の水素化トリブチル錫などの水素化金属による方
法のほかに常法による接触還元によつても実施さ
れる。これにより、式()の5−デオキシ化誘
導体が生成される。 次いで、脱保護処理を行うのであるが、本方法
で得られる5−デオキシ誘導体の1価の水酸基保
護基として使用したアシル基はアルカリ性で、例
えばアンモニア性メタノールなどにとかすことに
より室温で容易に脱離することができる。またア
ミノ保護基がアラルキルオキシカルボニル基であ
る場合は、上記の接触還元によつて同時にアミノ
保護基が脱離される。アミノ保護基がアラルキル
オキシカルボニル基以外のものであれば、通常の
方法、例えば一般に弱酸による加水分解によつて
容易に保護基を脱離せしめることができる。ま
た、エトキシカルボニル基などの低級アルコキシ
カルボニル基の場合には、水酸化バリウムなどに
よるアルカリ加水分解によつて、アミノ保護基を
脱離することができる。 次に実施例を示して本発明を説明する。実施例
1〜3は第一及び第二の本発明を、実施例4は第
三の本発明を例示するものである。 実施例 1 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマ
イシンBの合成: (イ) 5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B4.36g(10ミリモル)を無水ジメチルスルホ
キシド100mlにとかし、酢酸亜鉛〔Zn
(CH3CO2)2・2H2O〕10.5g(48ミリモル)を
加え、室温で20時間撹拌(5,3′,4′−トリデ
オキシカナマイシンBと亜鉛カチオンとの錯体
が形成する)後、パラメトキシベンジルS−
4,6−ジメチルピリミド−2−イルチオカー
ボネート(国産化学製)12.0g(39.5ミリモ
ル)を加え、50℃で7.5時間撹拌した。反応液
を1000mlの水中に投入し、アンモニア水でPH11
とすると、錯体が分解し、こうして生ずる沈澱
を取し、水洗(500ml)した。この沈澱をク
ロロホルム・メタノール・17%アンモニア水
(50:10:1)の混液60mlにとかし、シリカゲ
ル(ワコーゲルC−200)500gによるカラムク
ロマトグラフイーを行ない、上記と同じ混合溶
媒で展開して、3,2′,6′−トリ−N−パラメ
トキシベンジルオキシカルボニル−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBの無色粉末
4.1gを得た。収率44%。 3,2′,6′−トリ−N−パラメトキシベンジ
ルオキシカルボニル−5,3′,4′−トリデオキ
シカナマイシンB3.7g(4ミリモル)をジメ
チルスルホキシド50mlにとかし、トリフロロ酢
酸エチルエステル0.95ml(8ミリモル)を加
え、室温で5時間撹拌して3,2′,6′−トリ−
N−パラメトキシベンジルオキシカルボニル−
3″−N−トリフロロアセチル−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンBを生成せしめる。 (ロ) 上記の操作(イ)で得られた前記カナマイシンB
誘導体を含む反応液にトリエチルアミン0.6ml
(4.4ミリモル)、さらに(S)−4−第三ブトキ
シカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸のN
−ヒドロキシコハク酸イミドエステル1.9g
(6ミリモル)をジオキサン20mlにとかした溶
液を加え、室温で19時間撹拌した。反応液を
500mlの水中に投入し、生ずる沈澱を取し、
水洗(100ml)して無色の粉末10.9gを得た。
これを90%トリフロロ酢酸20mlにとかして室温
に45分間放置してアミノ保護基を脱離した後、
濃縮乾固し、さらにその残渣を100mlの水にと
かし、濃アンモニア水でPH10.5とし、室温で20
時間撹拌してトリフロロアセチル基を脱離し
た。反応液を約20mlまで濃縮したのち、PH7.5
とし、水で50mlに稀釈して、アンバーライト
CG−50樹脂NH4型150mlのカラムに通過吸着
せしめ、750mlの水、500mlの0.5Nアンモニア
水で順次洗浄したのち、0.8Nアンモニア水で
溶出した。目的とする1−N−〔(S)−4−ア
ミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBを含有する分
画を集めて濃縮乾固して1.76gの一炭酸塩一水
和物の白色粉末を得た。収率72%。全収率32
%。 実施例 2 1−N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピ
オニル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイ
シンBの合成: (イ) 5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B435.5mg(1ミリモル)を無水ジメチルスル
ホキシド10mlにとかし、酢酸亜鉛〔Zn
(CH3CO2)2・2H2O〕1.05g(4.8ミリモル)を
加え、室温で23時間撹拌後、第三ブチルS−
4,6−ジメチルピリミド−2−イルチオカー
ボネート937.3mg(3.9ミリモル)を5mlのジメ
チルスルホキシドにとかした溶液を加え、50℃
で24時間撹拌した。反応液に水15mlを加え、ア
ンモニア水でPH11とし、塩化ナトリウム6.4g
を加えてとかし、酢酸エチル15mlで2回抽出し
た。酢酸エチル層を合して、濃縮乾固し、残渣
をジメチルスルホキシド6mlにとかし、トリフ
ロロ酢酸エチルエステル0.125ml(1ミリモル)
を加え室温で4時間撹拌した。 (ロ) 上記の操作(イ)で生成された3,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3″−N−トリ
フロロアセチル−5,3′,4′−トリデオキシカ
ナマイシンBを含む反応液にトリエチルアミン
0.1ml(0.7ミリモル)とパラメトキシベンジル
オキシカルボニルイソセリンのN−ヒドロキシ
コハク酸イミドエステル384mg(1.05ミリモル)
を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に10ml
の水を加え、酢酸エチル10mlで2回抽出したの
ち、酢酸エチル層を濃縮し、3N塩酸−50%メ
タノール20mlを加え、室温で2時間撹拌して第
三ブトキシカルボニル基とパラメトキシベンジ
ルオキシカルボニル基の2種のアミノ保護基の
脱離を行ない、続いて反応液をアンモニア水で
PH10とし、室温で21時間撹拌してトリフロロア
セチル基の脱離を行なつた。反応液を濃縮して
次に水で希釈して水溶液とし、ダイヤイオン
WK−10S(三菱化成製)NH4型25mlを充填し
た塔に通過吸着せしめ、水洗(125ml)後、
0.4Nアンモニア水で溶離し、目的とする1−
N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニ
ル−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
の一炭酸塩の白色粉末257mgを得た。全収率42
%。 実施例 3 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンBの合成: (イ) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンB(2H2CO3・H2O)419.5mg(0.75ミリモル)
を無水ジメチルスルホキシド10mlにとかし、酢
酸亜鉛〔Zn(CH3CO2)2・2H2O〕1.05g(4.8ミ
リモル)を加え、室温で18時間撹拌後、第三ブ
チルS−4,6−ジメチルピリミド−2−イル
チオカーボネート1.44g(6.0ミリモル)を5
mlのジメチルスルホキシドにとかした溶液を加
え、50℃で25時間撹拌した。反応液に水15mlを
加え、アンモニア水でPH11とし、酢酸エチル15
mlで2回抽出を行なつた。水層はさらに塩化ナ
トリウム6.4gを加えたのち、再び20mlの酢酸
エチルで抽出した。すべての酢酸エチル抽出液
を合し、濃縮乾固し、残渣をジメチルスルホキ
シド6mlにとかし、トリフロロ酢酸エチルエス
テル0.125ml(1.0ミリモル)を加え、室温で4
時間撹拌した。 (ロ) 上記の操作(イ)で生成された3,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3″−N−トリ
フロロアセチル−5,3′,4′,6″−テトラデオ
キシカナマイシンBを含む反応液にトリエチル
アミン0.1ml(0.7ミリモル)と(S)−4−パ
ラメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ−
2−ヒドロキシ酪酸のN−ヒドロキシコハク酸
イミドエステル399.4mg(1.05ミリモル)を加
え、室温で18時間撹拌した。反応液に水10mlを
加え、酢酸エチル10mlで2回抽出したのち、酢
酸エチル層を濃縮し、3N塩酸−50%のメタノ
ール20mlを加え、室温で2時間撹拌して、第三
ブトキシカルボニル基とパラメトキシベンジル
オキシカルボニル基を脱離した。続いて反応液
をアンモニア水でPH10とし、室温で20時間撹拌
してトリフロロアセチル基を脱離した。次に水
で希釈して反応液を濃縮して水溶液とし、ダイ
ヤイオンWK−10S、NH4型25mlを充填した塔
に通過吸着せしめ、水洗(125ml)後、0.32N
アンモニア水で溶離し、目的とする1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕
−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンBの二炭酸塩の白色粉末303mgを得た。全収
率63%。 実施例 4 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシン
Bの合成: (イ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−3′,4′−ジデオキシカナマイシン
Bの製造: 3′,4′−ジデオキシカナマイシンB4.64g
(10.3ミリモル)を水45mlメタノール45mlの溶
液にとかし、炭酸水素ナトリウム8g(95.2ミ
リモル)を加え、氷冷下クロルギ酸エチル7.2
ml(75.6ミリモル)を徐々に加えたのち、室温
で18時間撹拌した。反応液に水500mlを加え、
生じた沈澱を取、水洗して標記化合物の白色
粉末6.49gを得た(78%)。 (ロ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−4″,6″−O−イソプロピリデン−
3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(イ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−3′,
4′−ジデオキシカナマイシンB4.83g(5.95ミ
リモル)をジメチルホルムアミド50mlにとか
し、パラトルエンスルホン酸30mg(0.16ミリモ
ル)と2,2−ジメトキシプロパン1.1ml(9.0
ミリモル)を加え、室温で25時間撹拌した。反
応液にトリエチルアミン1ml(7.2ミリモル)
を加え、濃縮乾固して5.1gの標記化合物の淡
黄色粉末を得た(100%)。 (ハ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−4″,6″−O−イソプロピリデン−
2″−O−ベンゾイル−3′,4′−ジデオキシカナ
マイシンBの製造: 上記の操作(ロ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−4″,
6″−O−イソプロピリデン−3′,4′−ジデオキ
シカナマイシンB5.1g(6.0ミリモル)をピリ
ジン75mlにとかし、塩化ベンゾイル1ml(8.6
ミリモル)を加え室温で5時間撹拌した。水10
mlを加え、15分間撹拌したのち、濃縮乾固し、
残渣を250mlのクロロホルムにとかし、0.2N塩
酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml
で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液200mlで順
次洗浄後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウ
ムで脱水して濃縮乾固し、標記化合物の淡黄色
粉末5.7gを得た(99%)。 (ニ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−3′,4′−ジ
デオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ハ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−4″,
6″−O−イソプロピリデン−2″−O−ベンゾイ
ル−3′,4′−ジデオキシカナマイシンB5.3g
(5.5ミリモル)を酢酸・メタノール・水(2:
1:1)の混液80mlにとかし、室温に21時間放
置したのち、濃縮乾固して4.9gの標記化合物
の淡黄色粉末を得た(97%)。 (ホ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−6″−O−ト
シル−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製
造: 上記の操作(ニ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−3′,4′−ジデオキシカナマイシ
ンB1.5g(1.63ミリモル)をピリジン28mlにと
かし、塩化パラトルエンスルホニル374mg
(1.96ミリモル)を加え、室温で28時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固し、得られた粉末(2.3
g)をジクロルメタン12.5mlにとかし、シリカ
ゲル(ワコーゲルC−200、200g)のカラムク
ロマトグラフイーにかけ、ジクロルメタン・エ
タノール(60:1)の混液1000mlで洗浄後、
(50:1)の混液で展開して精製し、標記化合
物の白色粉末1.0gを得た(60%)。 (ヘ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−6″−ヨード
−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ホ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−6″−O−トシル−3′,4′−ジデ
オキシカナマイシンB900mg(0.84ミリモル)
をジメチルホルムアミド18mlにとかし、ヨウ化
ナトリウム12.6g(84ミリモル)を加え、95℃
で2時間撹拌した。反応液を水250mlに投入し、
生ずる沈澱を取した。沈澱をクロロホルム
100mlにとかし、クロロホルム層を、20%チオ
硫酸ナトリウム水溶液100ml、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液100mlで洗浄し、クロロホルム層を
無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して、
標記化合物の白色粉末817mgを得た(95%)。 (ト) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ヘ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−6″−ヨード−3′,4′−ジデオキ
シカナマイシンB773mg(0.75ミリモル)をジ
オキサン20mlにとかし、ラネーニツケルW−2
少量を加え、パールの還元装置で加圧下(3.6
Kg/cm2)23.5時間水素添加し、反応液の触媒を
去後、濃縮乾固して、標記化合物の白色粉末
655mgを得た(97%)。 (チ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−
3′,4′,6″−トリデオキシカナマイシンBの製
造: 上記の操作(ト)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−3′,4′,6″−トリデオキシカナ
マイシンB622mg(0.69ミリモル)をピリジン
30mlにとかし、塩化ベンゾイル0.1ml(0.86ミ
リモル)を加え室温で25時間撹拌した。反応液
を濃縮乾固して、残渣をクロロホルム50mlにと
かし、10%硫酸水素カリウム水溶液30mlで2
回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで2
回、および飽和塩化ナトリウム水溶液30mlで順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮
乾固して標記化合物の白色粉末663mgを得た
(96%)。 (リ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−5
−クロロ−3′,4′,6″−トリデオキシカナマイ
シンBの製造: 上記の操作(チ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−3′,4′,6″−トリデ
オキシカナマイシンB600mg(0.6ミリモル)を
ピリジン12mlにとかし、塩化スルフリル0.1ml
(1.24ミリモル)を氷冷下加えて18時間撹拌し
た。反応液に100mlの水を加え、60mlのクロロ
ホルムで抽出した。クロロホルム層を10%硫酸
水素カリウム水溶液60ml、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液60ml、飽和塩化ナトリウム水溶液60
mlで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水
し、濃縮乾固して得られた粉末(572mg)をジ
クロルメタン5mlにとかし、シリカゲル(ワコ
ーゲルC−200、50g)のカラムクロマトグラ
フイーにかけ、ジクロルメタン500mlで洗浄後、
ジクロルメタン・エタノール(100:1)の混
液で展開し、標記化合物の白色粉末356mgを得
た(58%)。 (ヌ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシン
Bの製造: 上記の操作(リ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−5−クロロ−3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンB308mg(0.13ミ
リモル)をジオキサン5mlにとかし、ラネーニ
ツケルW−2を少量加えパールの還元装置で加
圧下(3.6Kg/cm2)20時間水素添加し、反応液
の触媒を去後、濃縮乾固して、標記化合物の
白色粉末295mgを得た(100%)。 (ル) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンBの製造: 上記の操作(ヌ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−5,3′,4′,6″−テ
トラデオキシカナマイシンB120mg(0.12ミリ
モル)をジオキサン1ml、水1mlの混液にとか
し、水酸化バリウム〔Ba(OH)2・8H2O〕400
mg(1.27ミリモル)を加え、110℃で15時間加
熱還流した。反応液に炭酸ガスを通じ、生じた
炭酸バリウムを去し、水30mlを加えて、アン
バーライトCG−50(ローム・アンド・ハース社
製)NH4型20mlの塔に通過吸着せしめ、100ml
の水、75mlの0.2Nアンモニア水で洗浄後、
0.3Nアンモニア水で溶離して、標記化合物の
白色粉末(−2H2CO3・H2O)19.5mgを得た
(29%)。
酸水で処理する方法により容易に進行し、式
()の4″位及び6″位の水酸基が未保護の形に相
当する化合物が得られる。 次いで、この化合物の6″位の水酸基のみを除去
して6″−デオキシ化する。この6″−デオキシ化の
ためには、該化合物を無水ピリジンなどの溶媒中
で、一般式GSO2−X(Gは低級アルキル基、あ
るいはパラメチルフエニル基又はフエニル基の如
きアリール基、あるいはベンジル基の如きアラル
キル基を示し、Xは塩素又は臭素である)で示さ
れるスルホニル化剤、特に塩化メタンスルホニル
などのアルキルスルホニル化剤、塩化パラトルエ
ンスルホニルなどのアリールスルホニル化剤また
は塩化ベンジルスルホニルなどのアラルキルスル
ホニル化剤と反応させる。これにより、6″位の水
酸基がスルホン酸エステル化された式()の化
合物が得られる。特に、塩化パラトルエンスルホ
ニルを使用して室温で反応すると6″−モノ−O−
トシル誘導体(式においてGSO3−がp−
CH3C6H4SO3−基の場合)が収率良く得られる。 この式()のモノスルホン酸エステル誘導体
に、無水ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で沃
化アルカリ金属例えば沃化ナトリウム又は臭化ア
ルカリ金属例えば臭化ナトリウムを作用させる
と、その6″位のスルホン酸エステル基はヨード又
はブロム化されて、対応の6″−ヨード又はブロム
誘導体が得られる。 続いて、この6″−モード又はブロム誘導体をジ
オキサン、メタノールなどの溶媒中で、ラネ−ニ
ツケル、パラジウム、白金などを触媒として常法
で接触還元する。これにより脱ハロゲン化、すな
わち脱ヨード化又は脱ブロム化が行われる。この
ことにより、対応の6″−モノデオキシ体(式に
おいてGSO3−が水素原子になつた場合の化合物
に相当)が得られる。こうして、6″−デオキシ化
が達成されて式()の化合物が得られる。 次に、2″位の水酸基の保護基として使用したア
シル基(D)と同じ種類のアシル基を、式()の化
合物の4″位の水酸基に導入してこれを保護する。 この際、式()の化合物の4″位の水酸基の保
護に用いられる保護基(D)としては、これも、一般
に用いられるアセチル基、ベンゾイル基などのア
シル基、特に低級アルカノイル基またはアロイル
基があげられる。これらの保護基を導入するに
は、公知の方法、酸無水物、酸ハライド、活性エ
ステルなどの方法で容易に導入することができる
が、この際、のちの反応でデオキシ化を要する5
位の水酸基は一般に反応性が低く、これらの保護
基は導入されにくい。 かくして得られた式(′)で表わされる3′,
4′,6″−トリデオキシカナマイシンBの1,3,
2′,6′および3″位のアミノ基および2″と4″位の水
酸基を保護した保護体の5位の水酸基のデオキシ
化に当つては、文献(日本化学会誌英文誌51巻
2354頁1978年)記載の方法に従つて行われ、先づ
無水ピリジンなどの溶媒中で、1〜5当量の塩化
スルフリルを、室温以下の温度で2〜20時間撹拌
反応させることにより、容易に5−クロロ誘導体
を形成させる。 続いて、その5−クロロ誘導体の5位からの脱
ハロゲン化反応を行うが、この際、上記文献記載
の水素化トリブチル錫などの水素化金属による方
法のほかに常法による接触還元によつても実施さ
れる。これにより、式()の5−デオキシ化誘
導体が生成される。 次いで、脱保護処理を行うのであるが、本方法
で得られる5−デオキシ誘導体の1価の水酸基保
護基として使用したアシル基はアルカリ性で、例
えばアンモニア性メタノールなどにとかすことに
より室温で容易に脱離することができる。またア
ミノ保護基がアラルキルオキシカルボニル基であ
る場合は、上記の接触還元によつて同時にアミノ
保護基が脱離される。アミノ保護基がアラルキル
オキシカルボニル基以外のものであれば、通常の
方法、例えば一般に弱酸による加水分解によつて
容易に保護基を脱離せしめることができる。ま
た、エトキシカルボニル基などの低級アルコキシ
カルボニル基の場合には、水酸化バリウムなどに
よるアルカリ加水分解によつて、アミノ保護基を
脱離することができる。 次に実施例を示して本発明を説明する。実施例
1〜3は第一及び第二の本発明を、実施例4は第
三の本発明を例示するものである。 実施例 1 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマ
イシンBの合成: (イ) 5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B4.36g(10ミリモル)を無水ジメチルスルホ
キシド100mlにとかし、酢酸亜鉛〔Zn
(CH3CO2)2・2H2O〕10.5g(48ミリモル)を
加え、室温で20時間撹拌(5,3′,4′−トリデ
オキシカナマイシンBと亜鉛カチオンとの錯体
が形成する)後、パラメトキシベンジルS−
4,6−ジメチルピリミド−2−イルチオカー
ボネート(国産化学製)12.0g(39.5ミリモ
ル)を加え、50℃で7.5時間撹拌した。反応液
を1000mlの水中に投入し、アンモニア水でPH11
とすると、錯体が分解し、こうして生ずる沈澱
を取し、水洗(500ml)した。この沈澱をク
ロロホルム・メタノール・17%アンモニア水
(50:10:1)の混液60mlにとかし、シリカゲ
ル(ワコーゲルC−200)500gによるカラムク
ロマトグラフイーを行ない、上記と同じ混合溶
媒で展開して、3,2′,6′−トリ−N−パラメ
トキシベンジルオキシカルボニル−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBの無色粉末
4.1gを得た。収率44%。 3,2′,6′−トリ−N−パラメトキシベンジ
ルオキシカルボニル−5,3′,4′−トリデオキ
シカナマイシンB3.7g(4ミリモル)をジメ
チルスルホキシド50mlにとかし、トリフロロ酢
酸エチルエステル0.95ml(8ミリモル)を加
え、室温で5時間撹拌して3,2′,6′−トリ−
N−パラメトキシベンジルオキシカルボニル−
3″−N−トリフロロアセチル−5,3′,4′−ト
リデオキシカナマイシンBを生成せしめる。 (ロ) 上記の操作(イ)で得られた前記カナマイシンB
誘導体を含む反応液にトリエチルアミン0.6ml
(4.4ミリモル)、さらに(S)−4−第三ブトキ
シカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ酪酸のN
−ヒドロキシコハク酸イミドエステル1.9g
(6ミリモル)をジオキサン20mlにとかした溶
液を加え、室温で19時間撹拌した。反応液を
500mlの水中に投入し、生ずる沈澱を取し、
水洗(100ml)して無色の粉末10.9gを得た。
これを90%トリフロロ酢酸20mlにとかして室温
に45分間放置してアミノ保護基を脱離した後、
濃縮乾固し、さらにその残渣を100mlの水にと
かし、濃アンモニア水でPH10.5とし、室温で20
時間撹拌してトリフロロアセチル基を脱離し
た。反応液を約20mlまで濃縮したのち、PH7.5
とし、水で50mlに稀釈して、アンバーライト
CG−50樹脂NH4型150mlのカラムに通過吸着
せしめ、750mlの水、500mlの0.5Nアンモニア
水で順次洗浄したのち、0.8Nアンモニア水で
溶出した。目的とする1−N−〔(S)−4−ア
ミノ−2−ヒドロキシブチリル〕−5,3′,
4′−トリデオキシカナマイシンBを含有する分
画を集めて濃縮乾固して1.76gの一炭酸塩一水
和物の白色粉末を得た。収率72%。全収率32
%。 実施例 2 1−N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピ
オニル)−5,3′,4′−トリデオキシカナマイ
シンBの合成: (イ) 5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B435.5mg(1ミリモル)を無水ジメチルスル
ホキシド10mlにとかし、酢酸亜鉛〔Zn
(CH3CO2)2・2H2O〕1.05g(4.8ミリモル)を
加え、室温で23時間撹拌後、第三ブチルS−
4,6−ジメチルピリミド−2−イルチオカー
ボネート937.3mg(3.9ミリモル)を5mlのジメ
チルスルホキシドにとかした溶液を加え、50℃
で24時間撹拌した。反応液に水15mlを加え、ア
ンモニア水でPH11とし、塩化ナトリウム6.4g
を加えてとかし、酢酸エチル15mlで2回抽出し
た。酢酸エチル層を合して、濃縮乾固し、残渣
をジメチルスルホキシド6mlにとかし、トリフ
ロロ酢酸エチルエステル0.125ml(1ミリモル)
を加え室温で4時間撹拌した。 (ロ) 上記の操作(イ)で生成された3,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3″−N−トリ
フロロアセチル−5,3′,4′−トリデオキシカ
ナマイシンBを含む反応液にトリエチルアミン
0.1ml(0.7ミリモル)とパラメトキシベンジル
オキシカルボニルイソセリンのN−ヒドロキシ
コハク酸イミドエステル384mg(1.05ミリモル)
を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に10ml
の水を加え、酢酸エチル10mlで2回抽出したの
ち、酢酸エチル層を濃縮し、3N塩酸−50%メ
タノール20mlを加え、室温で2時間撹拌して第
三ブトキシカルボニル基とパラメトキシベンジ
ルオキシカルボニル基の2種のアミノ保護基の
脱離を行ない、続いて反応液をアンモニア水で
PH10とし、室温で21時間撹拌してトリフロロア
セチル基の脱離を行なつた。反応液を濃縮して
次に水で希釈して水溶液とし、ダイヤイオン
WK−10S(三菱化成製)NH4型25mlを充填し
た塔に通過吸着せしめ、水洗(125ml)後、
0.4Nアンモニア水で溶離し、目的とする1−
N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニ
ル−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB
の一炭酸塩の白色粉末257mgを得た。全収率42
%。 実施例 3 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシ
ブチリル〕−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンBの合成: (イ) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンB(2H2CO3・H2O)419.5mg(0.75ミリモル)
を無水ジメチルスルホキシド10mlにとかし、酢
酸亜鉛〔Zn(CH3CO2)2・2H2O〕1.05g(4.8ミ
リモル)を加え、室温で18時間撹拌後、第三ブ
チルS−4,6−ジメチルピリミド−2−イル
チオカーボネート1.44g(6.0ミリモル)を5
mlのジメチルスルホキシドにとかした溶液を加
え、50℃で25時間撹拌した。反応液に水15mlを
加え、アンモニア水でPH11とし、酢酸エチル15
mlで2回抽出を行なつた。水層はさらに塩化ナ
トリウム6.4gを加えたのち、再び20mlの酢酸
エチルで抽出した。すべての酢酸エチル抽出液
を合し、濃縮乾固し、残渣をジメチルスルホキ
シド6mlにとかし、トリフロロ酢酸エチルエス
テル0.125ml(1.0ミリモル)を加え、室温で4
時間撹拌した。 (ロ) 上記の操作(イ)で生成された3,2′,6′−トリ
−N−第三ブトキシカルボニル−3″−N−トリ
フロロアセチル−5,3′,4′,6″−テトラデオ
キシカナマイシンBを含む反応液にトリエチル
アミン0.1ml(0.7ミリモル)と(S)−4−パ
ラメトキシベンジルオキシカルボニルアミノ−
2−ヒドロキシ酪酸のN−ヒドロキシコハク酸
イミドエステル399.4mg(1.05ミリモル)を加
え、室温で18時間撹拌した。反応液に水10mlを
加え、酢酸エチル10mlで2回抽出したのち、酢
酸エチル層を濃縮し、3N塩酸−50%のメタノ
ール20mlを加え、室温で2時間撹拌して、第三
ブトキシカルボニル基とパラメトキシベンジル
オキシカルボニル基を脱離した。続いて反応液
をアンモニア水でPH10とし、室温で20時間撹拌
してトリフロロアセチル基を脱離した。次に水
で希釈して反応液を濃縮して水溶液とし、ダイ
ヤイオンWK−10S、NH4型25mlを充填した塔
に通過吸着せしめ、水洗(125ml)後、0.32N
アンモニア水で溶離し、目的とする1−N−
〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル〕
−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンBの二炭酸塩の白色粉末303mgを得た。全収
率63%。 実施例 4 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシン
Bの合成: (イ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−3′,4′−ジデオキシカナマイシン
Bの製造: 3′,4′−ジデオキシカナマイシンB4.64g
(10.3ミリモル)を水45mlメタノール45mlの溶
液にとかし、炭酸水素ナトリウム8g(95.2ミ
リモル)を加え、氷冷下クロルギ酸エチル7.2
ml(75.6ミリモル)を徐々に加えたのち、室温
で18時間撹拌した。反応液に水500mlを加え、
生じた沈澱を取、水洗して標記化合物の白色
粉末6.49gを得た(78%)。 (ロ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−4″,6″−O−イソプロピリデン−
3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(イ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−3′,
4′−ジデオキシカナマイシンB4.83g(5.95ミ
リモル)をジメチルホルムアミド50mlにとか
し、パラトルエンスルホン酸30mg(0.16ミリモ
ル)と2,2−ジメトキシプロパン1.1ml(9.0
ミリモル)を加え、室温で25時間撹拌した。反
応液にトリエチルアミン1ml(7.2ミリモル)
を加え、濃縮乾固して5.1gの標記化合物の淡
黄色粉末を得た(100%)。 (ハ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−4″,6″−O−イソプロピリデン−
2″−O−ベンゾイル−3′,4′−ジデオキシカナ
マイシンBの製造: 上記の操作(ロ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−4″,
6″−O−イソプロピリデン−3′,4′−ジデオキ
シカナマイシンB5.1g(6.0ミリモル)をピリ
ジン75mlにとかし、塩化ベンゾイル1ml(8.6
ミリモル)を加え室温で5時間撹拌した。水10
mlを加え、15分間撹拌したのち、濃縮乾固し、
残渣を250mlのクロロホルムにとかし、0.2N塩
酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml
で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液200mlで順
次洗浄後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウ
ムで脱水して濃縮乾固し、標記化合物の淡黄色
粉末5.7gを得た(99%)。 (ニ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−3′,4′−ジ
デオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ハ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−4″,
6″−O−イソプロピリデン−2″−O−ベンゾイ
ル−3′,4′−ジデオキシカナマイシンB5.3g
(5.5ミリモル)を酢酸・メタノール・水(2:
1:1)の混液80mlにとかし、室温に21時間放
置したのち、濃縮乾固して4.9gの標記化合物
の淡黄色粉末を得た(97%)。 (ホ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−6″−O−ト
シル−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製
造: 上記の操作(ニ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−3′,4′−ジデオキシカナマイシ
ンB1.5g(1.63ミリモル)をピリジン28mlにと
かし、塩化パラトルエンスルホニル374mg
(1.96ミリモル)を加え、室温で28時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固し、得られた粉末(2.3
g)をジクロルメタン12.5mlにとかし、シリカ
ゲル(ワコーゲルC−200、200g)のカラムク
ロマトグラフイーにかけ、ジクロルメタン・エ
タノール(60:1)の混液1000mlで洗浄後、
(50:1)の混液で展開して精製し、標記化合
物の白色粉末1.0gを得た(60%)。 (ヘ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−6″−ヨード
−3′,4′−ジデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ホ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−6″−O−トシル−3′,4′−ジデ
オキシカナマイシンB900mg(0.84ミリモル)
をジメチルホルムアミド18mlにとかし、ヨウ化
ナトリウム12.6g(84ミリモル)を加え、95℃
で2時間撹拌した。反応液を水250mlに投入し、
生ずる沈澱を取した。沈澱をクロロホルム
100mlにとかし、クロロホルム層を、20%チオ
硫酸ナトリウム水溶液100ml、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液100mlで洗浄し、クロロホルム層を
無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して、
標記化合物の白色粉末817mgを得た(95%)。 (ト) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″−O−ベンゾイル−3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンBの製造: 上記の操作(ヘ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−6″−ヨード−3′,4′−ジデオキ
シカナマイシンB773mg(0.75ミリモル)をジ
オキサン20mlにとかし、ラネーニツケルW−2
少量を加え、パールの還元装置で加圧下(3.6
Kg/cm2)23.5時間水素添加し、反応液の触媒を
去後、濃縮乾固して、標記化合物の白色粉末
655mgを得た(97%)。 (チ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−
3′,4′,6″−トリデオキシカナマイシンBの製
造: 上記の操作(ト)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″−O
−ベンゾイル−3′,4′,6″−トリデオキシカナ
マイシンB622mg(0.69ミリモル)をピリジン
30mlにとかし、塩化ベンゾイル0.1ml(0.86ミ
リモル)を加え室温で25時間撹拌した。反応液
を濃縮乾固して、残渣をクロロホルム50mlにと
かし、10%硫酸水素カリウム水溶液30mlで2
回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで2
回、および飽和塩化ナトリウム水溶液30mlで順
次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮
乾固して標記化合物の白色粉末663mgを得た
(96%)。 (リ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−5
−クロロ−3′,4′,6″−トリデオキシカナマイ
シンBの製造: 上記の操作(チ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−3′,4′,6″−トリデ
オキシカナマイシンB600mg(0.6ミリモル)を
ピリジン12mlにとかし、塩化スルフリル0.1ml
(1.24ミリモル)を氷冷下加えて18時間撹拌し
た。反応液に100mlの水を加え、60mlのクロロ
ホルムで抽出した。クロロホルム層を10%硫酸
水素カリウム水溶液60ml、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液60ml、飽和塩化ナトリウム水溶液60
mlで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水
し、濃縮乾固して得られた粉末(572mg)をジ
クロルメタン5mlにとかし、シリカゲル(ワコ
ーゲルC−200、50g)のカラムクロマトグラ
フイーにかけ、ジクロルメタン500mlで洗浄後、
ジクロルメタン・エタノール(100:1)の混
液で展開し、標記化合物の白色粉末356mgを得
た(58%)。 (ヌ) 1,3,2′,6′,3″−ペンタ−N−エトキシ
カルボニル−2″,4″−ジ−O−ベンゾイル−
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシン
Bの製造: 上記の操作(リ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−5−クロロ−3′,4′,
6″−トリデオキシカナマイシンB308mg(0.13ミ
リモル)をジオキサン5mlにとかし、ラネーニ
ツケルW−2を少量加えパールの還元装置で加
圧下(3.6Kg/cm2)20時間水素添加し、反応液
の触媒を去後、濃縮乾固して、標記化合物の
白色粉末295mgを得た(100%)。 (ル) 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンBの製造: 上記の操作(ヌ)で得られた1,3,2′,6′,
3″−ペンタ−N−エトキシカルボニル−2″,
4″−ジ−O−ベンゾイル−5,3′,4′,6″−テ
トラデオキシカナマイシンB120mg(0.12ミリ
モル)をジオキサン1ml、水1mlの混液にとか
し、水酸化バリウム〔Ba(OH)2・8H2O〕400
mg(1.27ミリモル)を加え、110℃で15時間加
熱還流した。反応液に炭酸ガスを通じ、生じた
炭酸バリウムを去し、水30mlを加えて、アン
バーライトCG−50(ローム・アンド・ハース社
製)NH4型20mlの塔に通過吸着せしめ、100ml
の水、75mlの0.2Nアンモニア水で洗浄後、
0.3Nアンモニア水で溶離して、標記化合物の
白色粉末(−2H2CO3・H2O)19.5mgを得た
(29%)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() 〔式中、Rは水酸基または水素原子を示し、nは
1、2または3の整数を示す〕で表わされる1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンB又は
1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノ
イル)−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイ
シンB並びに次式 で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンB、およびそれらの酸付加塩から選ば
れる化合物。 2 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマ
イシンB〔一般式()においてRが水酸基でn
が2の場合〕である特許請求の範囲第1項記載の
化合物。 3 1−N−〔3−アミノ−2−ヒドロキシプロ
ピオニル〕−5,3′,4′−トリデオキシカナマイ
シンB〔一般式()においてRが水酸基でnが
1の場合〕である特許請求の範囲第1項記載の化
合物。 4 1−N−〔(S)−4−アミノ−2−ヒドロキ
シブチリル〕−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンB〔一般式()においてRが水素原
子でnが2の場合〕である特許請求の範囲第1項
記載の化合物。 5 5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシ
ンBおよびその酸付加塩である特許請求の範囲第
1項記載の化合物。 6 一般式() 〔式中、Rは水酸基または水素原子を示す〕で表
わされる5,3′,4′−トリデオキシカナマイシン
B〔一般式()でRが水酸基の場合〕、または
5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマイシンB
〔一般式()でRが水素原子の場合〕の1位の
アミノ基以外の四個のアミノ基の一部または全部
をアミノ保護基で保護し得られた保護体の1位の
アミノ基を、次式() 〔式中、nは1〜3の整数を示し、アミノ基は必
要ならばアミノ保護基で保護される〕で表わされ
るω−アミノ−α−ヒドロキシアルカン酸又はこ
れのアミノ保護体またはこれの反応性誘導体でア
シル化し、所要ならば、続いて常法によつてアミ
ノ保護基を脱離することを特徴とする、一般式
() 〔式中、Rは水酸基または水素原子を示し、nは
1、2または3の整数を示す〕で表わされる1−
N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカノイル)
−5,3′,4′−トリデオキシカナマイシンBまた
は1−N−(ω−アミノ−α−ヒドロキシアルカ
ノイル)−5,3′,4′,6″−テトラデオキシカナマ
イシンBの製造法。 7 式() 〔式中、Aは水素原子でBは1価のアミノ保護基
であるか、またはAとBが一緒になつて1個の2
価のアミノ保護基を示す〕で表わされる5個のア
ミノ基がアミノ保護基で保護された3′,4′−ジデ
オキシカナマイシンBの4″位と6″位の2個の水酸
基を、同時に2価の水酸基保護基1個で保護し、
さらに2″位の水酸基を1価の水酸基保護基で保護
して、次式() 〔式中、AとBは前述と同じ意味をもち、
【式】は2価の水酸基保護基であり、XとY はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアルコキシ基であるか、または【式】が シクロアルキリデン基又はテトラヒドロピラニリ
デン基であり、Dはアシル基の形の水酸基保護基
を示す〕で表わされる化合物を生成し、次いでこ
の化合物の4″位と6″位の水酸基保護基を除去し、
続いて6″位の水酸基のみを選択的にスルホニル化
剤で式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味をもち、G
は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル
基を示す〕で表わされる化合物を生成し、その
6″位のスルホン酸エステル基(GSO3−)をアル
カリ金属の沃化物または臭化物で処理することに
よりヨードまたはブロム置換してヨード誘導体ま
たはブロム誘導体〔式()でGSO3−がヨード
またはブロム原子になつた場合に相当する〕を生
成し、これを接触還元して脱ハロゲン化し、次式
() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味である〕で
表わされる3′,4′,6″−トリデオキシカナマイシ
ンB誘導体を生成し、続いて4″位の水酸基を、
2″位の水酸基を保護した保護基(D)と同じ種類の1
価の水酸基保護基で保護し、次いで塩化スルフリ
ルで処理して、その5位の水酸基を塩素で置換
し、さらに還元によつて5位から脱ハロゲン化
し、次式() 〔式中、A、B、Dは前述と同じ意味である〕で
表わされる化合物を生成し、次いで水酸基保護基
とアミノ保護基を脱離することを特徴とする次式
() で表わされる5,3′,4′,6″−テトラデオキシカ
ナマイシンBの製造法。
Priority Applications (14)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55109854A JPS5753496A (en) | 1980-08-12 | 1980-08-12 | 1-n-acyl derivative of 5,3',4'-trideoxykanamycin b or 5,3',4',6'- tetradeoxykanamycin b, and their preparation |
| KR1019810002784A KR850000979B1 (ko) | 1980-08-12 | 1981-07-31 | 5, 3', 4'-트리데옥시-또는 5, 3', 4'-트리데옥시-6'-N-메틸-또는 5, 3', 4', 6"-테트라데옥시-카나마이신 B의 1-N-(α-히드록시-ω-아미노알카노일)유도체의 제조방법 |
| NL8103639A NL8103639A (nl) | 1980-08-12 | 1981-07-31 | Nieuwe 1-n-(alfa-hydroxy-omega-aminoalkanoyl)-derivaten van 5,3',4'-trideoxy-,5,3',4'-trideoxy-6'-methyl-of 5,3',4',6"-tetradeoxykanamycine-b, en werkwijze voor het bereiden daarvan. |
| IT09493/81A IT1167959B (it) | 1980-08-12 | 1981-08-07 | 1-n-(alfa-idrossi-omega-amminoalcanoil) derivati della 5,3',4',-trideossi- 0 5,3',4'-trideossi-6'-n-metil- 0 5,3',4',6-tetradeossi-kanamicina b e produzione di essi |
| CH5133/81A CH648564A5 (de) | 1980-08-12 | 1981-08-10 | Gegebenenfalls 1-n-acyliertes 5,3,4-trideoxy- oder 5,3,4-trideoxy-6-n-methyl- oder 5,3,4,6-tetradeoxykanamycin-b und verfahren zu dessen herstellung. |
| FR8115781A FR2491073A1 (fr) | 1980-08-12 | 1981-08-10 | Nouveaux derives 1-n- (a-hydroxy-o-aminoalcanoyl des 5,3',4'-tridesoxy- ou 5,3',4'-tridesoxy-6'-n-methyl- ou 5,3',4',6''-tetradesoxykanamycine b, leurs procedes de production et les compositions antibacteriennes les renfermant |
| DE19813152755 DE3152755C2 (de) | 1980-08-12 | 1981-08-11 | 5,3'4,6a-Tetradesoxy-kanamycin b, dessen 1-N-Ä(s)-4-Amino-2-hydroxybutyrylderivat, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende antibakterielle Mittel |
| ES504697A ES8301486A1 (es) | 1980-08-12 | 1981-08-11 | Nuevos derivados 1-n-(x-hidroxi-w-aminoalcanoil)de 5,3'4'- tridesoxi-o 5,3,4'-tridesoxi-6'-n-metil-o 5,3',4',6 -tetra- desoxi-kanamicina b y produccion de los mismos |
| GB8124490A GB2082575B (en) | 1980-08-12 | 1981-08-11 | 1-n-(hydroxy-w-aminoalkanoyl) derivatives of deoxykanamycin b compounds |
| DE3131731A DE3131731C2 (de) | 1980-08-12 | 1981-08-11 | An der 6'- oder/und 1-Aminogruppe substituierte 5,3',4'-Tridesoxykanamycine B, Verfahren zu ihrer Herstellung und diese Verbindungen enthaltende antibakterielle Mittel |
| CA000383690A CA1175816A (en) | 1980-08-12 | 1981-08-12 | 1-N-(.alpha.-HYDROXY-.omega.-AMINOALKANOYL) DERIVATIVES OF 5, 3',4'-TRIDEOXY- OR 5,3',4'-TRIDEOXY-6'-N-METHYL- OR 5,3',4',6"-TETRADEOXY-KANAMYCIN B AND PRODUCTION THEREOF |
| ES514620A ES514620A0 (es) | 1980-08-12 | 1982-07-31 | "proceso para la produccion de una 1-n-(-hidroxi-aminoalcanoil)-5,3',4'-tridesoxi-6'-n-metilkanamicina b". |
| ES514622A ES8308334A1 (es) | 1980-08-12 | 1982-07-31 | "proceso para la produccion de 5,3',4'-tridesoxi-6'-n-metilkanamicina b". |
| ES514621A ES514621A0 (es) | 1980-08-12 | 1982-07-31 | "proceso para la produccion de 5,3',4',6"-tetradesoxikanamicina b". |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP55109854A JPS5753496A (en) | 1980-08-12 | 1980-08-12 | 1-n-acyl derivative of 5,3',4'-trideoxykanamycin b or 5,3',4',6'- tetradeoxykanamycin b, and their preparation |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5753496A JPS5753496A (en) | 1982-03-30 |
| JPS6310959B2 true JPS6310959B2 (ja) | 1988-03-10 |
Family
ID=14520865
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP55109854A Granted JPS5753496A (en) | 1980-08-12 | 1980-08-12 | 1-n-acyl derivative of 5,3',4'-trideoxykanamycin b or 5,3',4',6'- tetradeoxykanamycin b, and their preparation |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5753496A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| UA97245C2 (en) | 2006-06-02 | 2012-01-25 | Меиджи Сеика Фарма Ко., Лтд. | Aminoglycoside antibiotics |
-
1980
- 1980-08-12 JP JP55109854A patent/JPS5753496A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5753496A (en) | 1982-03-30 |
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