JPS631183B2 - - Google Patents
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- JPS631183B2 JPS631183B2 JP4130780A JP4130780A JPS631183B2 JP S631183 B2 JPS631183 B2 JP S631183B2 JP 4130780 A JP4130780 A JP 4130780A JP 4130780 A JP4130780 A JP 4130780A JP S631183 B2 JPS631183 B2 JP S631183B2
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Description
〔〕 発明の背景
技術分野
本発明は、合成紙として使用するのに適した印
刷性の優れた熱可塑性樹脂フイルムに関する。さ
らに具体的には、本発明は、印刷、折りたたみ、
貼り合せ等の二次加工において配合充填剤の脱落
によるトラブル、すなわち所謂紙粉末トラブル、
のない充填剤配合熱可塑性樹脂フイルムに関す
る。 微細充填剤を配合した熱可塑性樹脂フイルムを
適当な温度で一軸または二軸に延伸することによ
り、不透明な熱可塑性樹脂フイルムが得られる。
このフイルムはその不透明性、白さ、風合および
感触の点でパルプ紙に類似しており、このフイル
ムのみからなる単層構造物としてあるいはこのフ
イルムを表面層に有する多層構造物として従来の
パルプ紙の各種の用途に使用可能であることが知
られている。 充填剤配合熱可塑性樹脂の延伸フイルムが不透
明および白色であるのは、フイルム延伸時に樹脂
と充填剤との界面に剥離が起り、さらに延伸が進
行するにつれて樹脂/充填剤間に微細な隙間が生
まれて、延伸終了時には充填剤粒子をその内部に
含んだ微細なボイドがフイルム内部に形成される
こと、ならびにフイルム表面附近では閉鎖された
ボイドの形状が保たれないので微小な亀裂が表面
に形成されることから、光がフイルム表面および
内部に散乱されるためである。そして、この表面
亀裂および内部ボイドによつて、フイルムはパル
プ紙に類似した性質をもつようになるのである。 しかし、このような不透明フイルムに印刷、折
り、製本、製袋等の二次加工を行なう場合には、
表面附近のボイドがその閉鎖構造を破壊されて表
面亀裂となつたために表面に遊離ないし半遊離状
態で存在するに到つた充填剤粒子が二次加工機の
ロール・ブランケツト等に附着し、加工に障害が
生じることが多く、二次加工の能率が著るしく低
下する。 先行技術 このような紙粉トラブルの防止に関して、充填
剤粒子の脱落を防止すべく表面にパルプ紙と同様
のピグメントコートを施す方法、表面に糊状物質
をコーテイングする方法、充填剤と樹脂との界面
接着力を向上させるべく添加剤を配合する方法、
などがある。 しかし、これらの方法は満足すべきものではな
い。すなわち、ピグメントコート法はフイルムと
コート層とが剥離しやすいことおよびフイルム縁
端部からの紙粉の発生が避け難いことの点で、糊
状物質のコーテイングによる方法は糊状物質が印
刷性を低下させることおよび工程が複雑であるこ
との点で、それぞれ問題があるからである。これ
に対して樹脂/充填剤粒子界面接着力を向上させ
る方法は、工程上は単純であるが接着力向上のた
めの添加剤の価格が高くて多量に使用できないと
いう難点があるうえ、フイルム製造の場合の延伸
に際して重大な問題が生じる。すなわち樹脂/充
填剤粒界面接着力が強固となるため、フイルム延
伸に際して大きな延伸力が必要となつて、延伸装
置によつては厚手のフイルムが生産できないこと
があること、あるいはフイルム延伸時に破断トラ
ブルが頻発して安定な生産が行なえないこと、等
の問題があるのである。 ところで、本発明者の一部は、紙粉トラブルの
点で改良された合成紙に関して既に一つの提案を
なしている(特願昭48―139674号)。この先行発
明による合成紙は、無機充填剤配合ポリオレフイ
ン組成物の延伸フイルムからなる紙状層を有する
合成紙において、このポリオレフインの一部がエ
チレン性不飽和カルボン酸等をグラフト共重合さ
せたものである。この先行発明による合成紙の一
つの具体例は基材層とこの紙状層とからなる多層
構造のものであるが、この場合の紙状層の厚さ
(延伸後)は表裏層の合計で多層構造体の40〜50
%を占めている(基材層50〜60ミクロン、紙状層
25ミクロン×2)。従つて、この先行発明による
合成紙には、上記した延伸に関する問題点があつ
た。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は上記の点、特に樹脂/充填剤粒子界面
接着力向上の場合に認められた問題点、を解決す
ることを目的とし、界面接着力向上のための添加
剤を薄い表面層にのみ配合して積層構造体とする
ことによつてこの目的を達成しようとするもので
ある。 従つて、本発明による印刷性の優れた熱可塑性
樹脂フイルムは、基材層とその少なくとも片面に
設けられた無機充填剤配合ポリプロピレン組成物
の延伸フイルムからなる印刷可能な表面層とから
なる多層構造フイルムにおいて、この表面層が下
記の通りに定義されるものであること、を特徴と
するものである。 (1) 表面層の厚さはこの多層構造フイルムの厚さ
の1/6以下でありかつ3ミクロン以上であるこ
と。 (2) 微細な空隙を有すること。 (3) 表面層を形成する無機充填剤配合ポリプロピ
レン組成物は、ポリプロピレンとエチレン性不
飽和カルボン酸またはその無水物とが共重合し
た改質ポリプロピレンを含有するものであるこ
と。 効 果 樹脂/充填剤粒子界面接着力向上剤としての改
質ポリプロピレンを表面層にのみ配合ししかもこ
の表面層を充分に薄くしたので、二次加工時の充
填剤の脱落のない熱可塑性樹脂フイルムを安定に
かつ経済的に生産することが可能となつた。 本発明による印刷性の優れた熱可塑性樹脂フイ
ルムは、合成紙として使用するのに特に適したも
のである。 〔〕 発明の具体的説明 本発明による印刷性の優れた熱可塑性樹脂フイ
ルムは、基材層と表面層とからなる多層構造フイ
ルムであり、この表面層が特定化されていること
によつて従来のこの種フイルムないし合成紙と区
別される。 1 表面層 表面層は、基材層の少なくとも片面、好ましく
は両面、に設けられた無機充填剤配合ポリプロピ
レン組成物の延伸フイルムからなる。このフイル
ムは前記の機構によつて紙状性を有しており、ま
た本発明の特色の一つに従つて改質ポリプロピレ
ンを含有している。 なお、本発明で「表面層」というのは、基材層
との関係においてその表面に存在する無機充填剤
と改質ポリプロピレンを含有する層を意味する。 従つて、このような基材層と表面層とからなる
本発明多層構造フイルムがその表面層上にさらに
何らかの層を有していてこの表面層が埋没してい
る場合にも、この層を表面層という。 1 改質ポリプロピレン 本発明で樹脂/充填剤粒子界面接着力向上剤と
して使用する改質ポリプロピレンは、ポリプロピ
レンとエチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物(以下、改質単量体ということがある)とが
共重合したものである。 この場合のポリプロピレンとしては、プロピレ
ンホモ重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素
数が4〜8のα―オレフインとの共重合体、ある
いはそれらの混合物、が具体例の一部として挙げ
られる。このポリプロピレンは、少量(ポリプロ
ピレンの15重量%まで程度)の相溶性ないし相容
性の熱可塑性樹脂例えば高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合
体等とのブレンドであつてもよい。 エチレン性不飽和カルボン酸(およびその無水
物)としては、マレイン酸、イタコン酸、ハイミ
ツク酸(およびそれぞれの酸無水物)、アクリル
酸、その他がありうる。本発明に従つて充填剤粒
子の脱離防止に特に有効なものは、マレイン酸お
よび無水マレイン酸である。 重合体であるポリプロピレンと単量体であるエ
チレン性不飽和カルボン酸またはその無水物との
共重合であるから、この反応は所謂グラフト共重
合の範疇に属する。グラフト共重合技術は既に公
知であつて、本発明用改質ポリプロピレンはその
いずれの方法によつても得ることができるが、グ
ラフト共重合技術の代表的なものを重合開始の型
によつて分類して示せば、たとえば下記の通りで
ある。 (i) ラジカル開始剤の存在下に無水マレイン酸と
ポリプロピレンとを水溶液中で懸濁重合に付す
方法。 (ii) 混練機中でラジカル開始剤を配合した樹脂組
成物を熱と剪断力とにより溶融混練する方法。 このようにして製造された改質ポリプロピレン
は、グラフト共重合したポリプロピレンとグラフ
ト共重合に関与しなかつたポリプロピレンと場合
により改質単量体の重合体との混合物である(改
質単量体がマレイン酸のような所謂e値の絶対値
の大きい単量体の場合にはそれ自身の重合体は殆
んど生成しないであろう)。このような場合に、
改質ポリプロピレン中のグラフト共重合体の重量
%をもつて改質ポリプロピレン中のカルボン酸残
基の量を規定することは事実上不可能であるうえ
その実益もないから、改質ポリプロピレン中の重
合した改質単量体の含量でカルボン酸残基の量を
規定することにする。また、表面層用ポリプロピ
レン組成物中の改質ポリプロピレンの含量も、こ
の重合した改質単量体の量で規定することにする
(詳細後記)。 本発明で使用する改質ポリプロピレンは、この
ような重合した改質単量体の含量が0.01〜5重量
%、特に0.02〜2重量%、であるものが好まし
い。 2 無機充填剤 本発明表面層用無機充填剤としては、ポリプロ
ピレンに配合しうる微細なものであればいずれも
が使用可能である。このような無機充填剤の具体
例を挙げれば、たとえば、クレー、酸化チタン、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、ケイ酸塩、炭酸マグネシウム、亜硫酸カルシ
ウム、ケイソウ土、石コウ、等がある。これらの
うちで炭酸カルシウムは印刷効果もよく、白色度
も高くまた摩耗性も少ないので本発明で使用する
のに特に好ましいものであるが、また炭酸カルシ
ウムはその性質上ポリプロピレンとの接着性が特
に不良で延伸フイルムからの脱落が著しく多いの
で、本発明による改質ポリプロピレンの接着性向
上効果が特に顕著に認められるものでもある。 無機充填剤は、粒状であつて平均粒径が0.3〜
20ミクロン、特に0.5〜5ミクロン、のものであ
ることが好ましい。0.3ミクロン未満ではボイド
が有効に生成しないので白化が不良であり、また
充填剤が二次凝集を起して樹脂中への分散が不良
となる。20ミクロンを超すと、成形品(フイル
ム)の表面がざらつき、また充填剤単位重量当り
のボイド生成率が小となる。無機充填剤の粒子の
形状は基本的には任意であつて、粒状といえる範
囲でたとえば球形、棒状形、円錐形、角錐形その
他の形状でありうる。しかし、特にボイド生成と
いう観点からは平板状ではないものが好ましい。 充填剤の配合量は、得べきフイルムの使用目的
に応じて適宜選定される(詳細後記)。 3 表面層用ポリプロピレン組成物 表面層は無機充填剤配合ポリプロピレン組成物
からなり、しかしてこの組成物は前記のような改
質ポリプロピレンを含有するものである。 ここで、この表面層ポリプロピレン組成物が改
質ポリプロピレンを含有するということは、この
組成物が樹脂分としてこの改質ポリプロピレンの
みからなる場合の外に「非改質」ポリプロピレン
との混合物である場合をも包含するものである。
この場合の非改質ポリプロピレンの種類について
は、改質ポリプロピレンについて前記した説明が
あてはまる。 表面層用ポリプロピレン組成物は、改質ポリプ
ロピレンと無機充填剤の二必須成分(および必要
に応じて配合する非必須ないし補助成分)からな
るものである。 無機充填剤の配合量は、得べきフイルムの使用
目的に応じて適宜選定される。印刷ないし筆記が
行なわれることの多い印刷用紙および筆記用紙の
用途に使うことを目的とするフイルム(合成紙と
呼ばれることがある)の場合には、表面層用ポリ
プロピレン組成物中の含量は12〜70重量%、特に
30〜70重量%、であることが好ましい。12%未満
では印刷性ないし筆記性が充分ではなく、70%を
超えると表面の平滑性が低くかつ表面強度が低い
ので不都合だからである。なお、本発明多層構造
フイルムを合成紙として使用する場合には、この
多層構造フイルム全体としての充填剤含量にも好
ましい範囲がある。すなわち、8〜40重量%、特
に15〜40重量%、である。8%未満では得られる
多層構造フイルムの合成紙としての品質が劣悪と
なるので、合成紙の白さ、不透明度、筆記性、印
刷性等を最低限満足させるためには少なくとも8
%が必要である。40%を超えると、紙としての強
度および表面特性が不充分となる。 改質ポリプロピレンの配合量は、配合目的が充
填剤の脱離防止にあるところから、充填剤量を基
準にして規定するのが合理的である。表面層用ポ
リプロピレン組成物中の無機充填剤100重量部に
対して、改質ポリプロピレン中の重合した改質単
量体の量が0.01〜5重量部、特に0.03〜0.15重量
部、となるような改質ポリプロピレン量が好まし
い。0.01部未満では充填剤接着効果が少なくて、
紙粉トラブル防止が不充分である。5部を超す
と、このポリプロピレン組成物の熱による色相変
化および劣化が大きくて、実用上印刷用途に供す
ることができない。 このような必須二成分からなる組成物はポリプ
ロピレンを樹脂主成分とする熱可塑性樹脂組成物
であり、従つて熱可塑性樹脂組成物が通常含みう
る各種の非必須ないし補助成分を含むことができ
る。このような補助としては、たとえば、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、染顔料、螢光増白剤等があ
る。 4 表面層厚さ 表面層の厚さは、延伸後の多層構造フイルム中
の厚さとして少なくとも3ミクロンであるべきで
ある。3ミクロン未満では、目的とする充填剤脱
落防止効果が充分ではない。 一方、表面層の厚さが過大であると、そのよう
な表面層を持つ多層構造フイルムを得べく延伸工
程を実施するときに成形安定性が不良であつて、
しばしば延伸中に破断が起る。従つて、表面層の
厚さは、延伸後の厚さとして多層構造フイルムの
厚さの1/6以下、であるべきである。 なお、ここでいう表面層の厚さは表面層一層に
ついてのそれであり、従つて基材層の両面に表面
層が存在する場合にはその合計厚さは多層構造フ
イルムの厚さの1/3以下ということになる。表裏
二層が存在する場合の好ましい厚さは1/5以下で
ある。 5 延伸 前記した通りに表面亀裂が生成したものである
ためには、表面層は延伸されたものであるべきで
ある。延伸は一軸延伸であつても二軸延伸であつ
てもよいが、後記する好ましい製造法による場合
には一軸延伸であることがふつうである(延伸倍
率については後記)。 6 ボイド このように延伸されたものであるところより、
表面層の表面には亀裂が、表面層の内部にはボイ
ドが生じている。筆記性および印刷性の面からは
表面層のボイド率は、10%以上であることが好ま
しい。なお、ボイド率は、下式で定義されたもの
である。 ボイド率(%)=延伸前のフイルムの比重−延伸後
のフイルムの比重/延伸前のフイルムの比重 2 基材層 上記のようなポリプロピレン組成物からなる表
面層をその片面または両面に有すべき基材層とし
ては、各種のフイルム材料が使用可能である。こ
の基材層はまた、それ自身が多層構造を持つもの
であつてもよい(詳細後記)。 基材層用材料は合目的的な任意のものでよい
が、後記する好ましい製造法に従う場合には延伸
可能なものであることがふつうである。 基材層用材料として延伸可能なものとしては各
種の熱可塑性樹脂が使用できるが、それらのうち
で好ましいものはポリオレフインである。ポリオ
レフインとしては、ポリプロピレン、高密度ポリ
エチレン中低密度ポリエチレン等が挙げられ、表
面層主体樹脂のポリプロピレンと同種のものおよ
び異種のもののいずれも使用可能である。 基材層は延伸性が良好なものであることが好ま
しく、従つて使用すべき樹脂は前記の改質ポリプ
ロピレンを実質的に含まないものであることが好
ましい。前記のように基材層も無機充填剤を含む
ことが好ましいところ、充填剤と改質ポリプロピ
レンとが共に含まれていると延伸性が悪化するか
らである。 基材層も、一軸または二軸に延伸されたもので
あることが好ましい。また基材層も、表面層につ
いて前記したような補助成分を含有していてもよ
い。また、内部に微細な空隙を多数有していた方
が紙的風合に優れる。 基材層がそれ自身多層構造のものでもよいこと
は前記したところである。そのような多層構造の
例として、二軸延伸された層とその好ましくは両
面に接合された一軸延伸層とからなるものがあ
る。この場合の両層は充填剤の含量および(また
は)使用樹脂の種類(樹脂種または融解特性によ
る差)の点で相異するが、この相異は延伸フイル
ムの製造の観点から合目的的に決定される。 3 製造 本発明多層構造フイルムを製造する好ましい方
法のいくつかを例示すれば、たとえば、下記の通
りである。 (1) 基材層用材料たとえばポリプロピレンおよび
必要に応じて使用する無機充填剤および補助成
分を混合し、押出機で混練してからシート状に
成形する。このシートを縦方向に少なくとも
1.3倍延伸したのち、その片面または両面に、
表面層用材料すなわち改質ポリプロピレン、無
機充填剤および必要により未改質のポリプロピ
レンを混合し、押出機で混練してからシート状
に押出したものを溶融時にラミネートする。こ
の多層シートを横方向に少なくとも3.5倍に延
伸する。 (2) 上記のような基材層用シートの片面または両
面に表面層用シートを押出ラミネートする際
に、両シートの間にポリオレフイン、好ましく
はポリプロピレン(改質していないもの)、と
無機充填剤との混合物を別の押出機で溶融混練
後に表面層用シートと同じダイから共押出しし
て三層ないし五層シートをつくり、これを上記
と同様に延伸する。 この(2)の態様によるときは、基材層自身が多層
構造を有している。すなわち、二軸延伸された層
とこの層と表面層(改質ポリプロピレンを含む
層)との間に存在する一軸延伸層(表面層の形成
と同時に形成されたもの)とからなる多層構造で
ある。(2)の態様によつて基材層をこのような多層
構造とする場合には、基材層に対する拮抗的な要
請、すなわち二軸延伸性が良好であるうえしかも
充填剤含量がある程度高いものであること、を巧
みに満たすことができる。すなわち、比較的二軸
延伸し易い樹脂および(または)充填剤含量の比
較的少ない組成物から二軸延伸層をつくり、比較
的二軸延伸し難い樹脂および(または)充填剤含
量の比較的多い組成物から一軸延伸層をつくつて
多層構造とすることによつて、二軸延伸フイルム
が持つ良好な機械的特性および等方性と高充填剤
含量延伸フイルムが持つ高白色度ないし不透明性
とを併有する基材層が容易に得られるからであ
る。 4 実施例 本発明を更に理解しやすくするため、以下の実
施例によつて説明する。これらの実施例は本発明
の一態様をなすものであり、本発明の範囲内で任
意に変更可能である。 実施例1および比較例1 (1) メルトインデツクス(MI)0.8のポリプロピ
レンに平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム
5重量%を混合し、270℃に設定した押出機に
て混練後、シート状に押出し、冷却装置により
冷却して、無延伸シートを得た。このシート
を、140℃に加熱後、縦方向に5倍延伸した。 (2) MI0.6のポリプロピレン100部、無水マレイ
ン酸10部、および過酸化ベンゾイル(BPO)
5部をキシレン600部(いずれも重量部)の中
で120℃、5時間反応させ、大過剰のアセトン
で再沈させて、無水マレイン酸により改質され
た粉末状のポリプロピレンを得た。このポリマ
ーの無水マレイン酸を赤外吸収スペクトルにて
定量したところ、0.5重量%の無水マレイン酸
がグラフト共重合していた。 (3) ここで得られた改質ポリプロピレン6重量%
とMI4.0のポリプロピレン49重量%と平均粒径
1.5ミクロンの炭酸カルシウム45重量%とを混
合した組成物(A)(充填剤100重量部当りの改質
単量体量0.07重量部)を、270℃に設定した押
出機により溶融混練したものと、MI4.0のポリ
プロピレン55重量%と平均粒径1.5ミクロンの
炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物(B)
を、270℃に設定した別の押出機で溶融混練し
たものとをダイ内で積層し、上記(1)にて得られ
た縦方向に5倍に延伸したシートの両面に共押
出しし、改質ポリプロピレンを含む層が外側と
なるようにした。次いでこの五層積層物を155
℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行な
つて、五層のフイルムを得た。 また、比較例1として、(A)の組成物として改質
ポリプロピレン無添加のものを使用して同様にし
て得たフイルムも同条件にて成形した。
刷性の優れた熱可塑性樹脂フイルムに関する。さ
らに具体的には、本発明は、印刷、折りたたみ、
貼り合せ等の二次加工において配合充填剤の脱落
によるトラブル、すなわち所謂紙粉末トラブル、
のない充填剤配合熱可塑性樹脂フイルムに関す
る。 微細充填剤を配合した熱可塑性樹脂フイルムを
適当な温度で一軸または二軸に延伸することによ
り、不透明な熱可塑性樹脂フイルムが得られる。
このフイルムはその不透明性、白さ、風合および
感触の点でパルプ紙に類似しており、このフイル
ムのみからなる単層構造物としてあるいはこのフ
イルムを表面層に有する多層構造物として従来の
パルプ紙の各種の用途に使用可能であることが知
られている。 充填剤配合熱可塑性樹脂の延伸フイルムが不透
明および白色であるのは、フイルム延伸時に樹脂
と充填剤との界面に剥離が起り、さらに延伸が進
行するにつれて樹脂/充填剤間に微細な隙間が生
まれて、延伸終了時には充填剤粒子をその内部に
含んだ微細なボイドがフイルム内部に形成される
こと、ならびにフイルム表面附近では閉鎖された
ボイドの形状が保たれないので微小な亀裂が表面
に形成されることから、光がフイルム表面および
内部に散乱されるためである。そして、この表面
亀裂および内部ボイドによつて、フイルムはパル
プ紙に類似した性質をもつようになるのである。 しかし、このような不透明フイルムに印刷、折
り、製本、製袋等の二次加工を行なう場合には、
表面附近のボイドがその閉鎖構造を破壊されて表
面亀裂となつたために表面に遊離ないし半遊離状
態で存在するに到つた充填剤粒子が二次加工機の
ロール・ブランケツト等に附着し、加工に障害が
生じることが多く、二次加工の能率が著るしく低
下する。 先行技術 このような紙粉トラブルの防止に関して、充填
剤粒子の脱落を防止すべく表面にパルプ紙と同様
のピグメントコートを施す方法、表面に糊状物質
をコーテイングする方法、充填剤と樹脂との界面
接着力を向上させるべく添加剤を配合する方法、
などがある。 しかし、これらの方法は満足すべきものではな
い。すなわち、ピグメントコート法はフイルムと
コート層とが剥離しやすいことおよびフイルム縁
端部からの紙粉の発生が避け難いことの点で、糊
状物質のコーテイングによる方法は糊状物質が印
刷性を低下させることおよび工程が複雑であるこ
との点で、それぞれ問題があるからである。これ
に対して樹脂/充填剤粒子界面接着力を向上させ
る方法は、工程上は単純であるが接着力向上のた
めの添加剤の価格が高くて多量に使用できないと
いう難点があるうえ、フイルム製造の場合の延伸
に際して重大な問題が生じる。すなわち樹脂/充
填剤粒界面接着力が強固となるため、フイルム延
伸に際して大きな延伸力が必要となつて、延伸装
置によつては厚手のフイルムが生産できないこと
があること、あるいはフイルム延伸時に破断トラ
ブルが頻発して安定な生産が行なえないこと、等
の問題があるのである。 ところで、本発明者の一部は、紙粉トラブルの
点で改良された合成紙に関して既に一つの提案を
なしている(特願昭48―139674号)。この先行発
明による合成紙は、無機充填剤配合ポリオレフイ
ン組成物の延伸フイルムからなる紙状層を有する
合成紙において、このポリオレフインの一部がエ
チレン性不飽和カルボン酸等をグラフト共重合さ
せたものである。この先行発明による合成紙の一
つの具体例は基材層とこの紙状層とからなる多層
構造のものであるが、この場合の紙状層の厚さ
(延伸後)は表裏層の合計で多層構造体の40〜50
%を占めている(基材層50〜60ミクロン、紙状層
25ミクロン×2)。従つて、この先行発明による
合成紙には、上記した延伸に関する問題点があつ
た。 〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は上記の点、特に樹脂/充填剤粒子界面
接着力向上の場合に認められた問題点、を解決す
ることを目的とし、界面接着力向上のための添加
剤を薄い表面層にのみ配合して積層構造体とする
ことによつてこの目的を達成しようとするもので
ある。 従つて、本発明による印刷性の優れた熱可塑性
樹脂フイルムは、基材層とその少なくとも片面に
設けられた無機充填剤配合ポリプロピレン組成物
の延伸フイルムからなる印刷可能な表面層とから
なる多層構造フイルムにおいて、この表面層が下
記の通りに定義されるものであること、を特徴と
するものである。 (1) 表面層の厚さはこの多層構造フイルムの厚さ
の1/6以下でありかつ3ミクロン以上であるこ
と。 (2) 微細な空隙を有すること。 (3) 表面層を形成する無機充填剤配合ポリプロピ
レン組成物は、ポリプロピレンとエチレン性不
飽和カルボン酸またはその無水物とが共重合し
た改質ポリプロピレンを含有するものであるこ
と。 効 果 樹脂/充填剤粒子界面接着力向上剤としての改
質ポリプロピレンを表面層にのみ配合ししかもこ
の表面層を充分に薄くしたので、二次加工時の充
填剤の脱落のない熱可塑性樹脂フイルムを安定に
かつ経済的に生産することが可能となつた。 本発明による印刷性の優れた熱可塑性樹脂フイ
ルムは、合成紙として使用するのに特に適したも
のである。 〔〕 発明の具体的説明 本発明による印刷性の優れた熱可塑性樹脂フイ
ルムは、基材層と表面層とからなる多層構造フイ
ルムであり、この表面層が特定化されていること
によつて従来のこの種フイルムないし合成紙と区
別される。 1 表面層 表面層は、基材層の少なくとも片面、好ましく
は両面、に設けられた無機充填剤配合ポリプロピ
レン組成物の延伸フイルムからなる。このフイル
ムは前記の機構によつて紙状性を有しており、ま
た本発明の特色の一つに従つて改質ポリプロピレ
ンを含有している。 なお、本発明で「表面層」というのは、基材層
との関係においてその表面に存在する無機充填剤
と改質ポリプロピレンを含有する層を意味する。 従つて、このような基材層と表面層とからなる
本発明多層構造フイルムがその表面層上にさらに
何らかの層を有していてこの表面層が埋没してい
る場合にも、この層を表面層という。 1 改質ポリプロピレン 本発明で樹脂/充填剤粒子界面接着力向上剤と
して使用する改質ポリプロピレンは、ポリプロピ
レンとエチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物(以下、改質単量体ということがある)とが
共重合したものである。 この場合のポリプロピレンとしては、プロピレ
ンホモ重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素
数が4〜8のα―オレフインとの共重合体、ある
いはそれらの混合物、が具体例の一部として挙げ
られる。このポリプロピレンは、少量(ポリプロ
ピレンの15重量%まで程度)の相溶性ないし相容
性の熱可塑性樹脂例えば高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合
体等とのブレンドであつてもよい。 エチレン性不飽和カルボン酸(およびその無水
物)としては、マレイン酸、イタコン酸、ハイミ
ツク酸(およびそれぞれの酸無水物)、アクリル
酸、その他がありうる。本発明に従つて充填剤粒
子の脱離防止に特に有効なものは、マレイン酸お
よび無水マレイン酸である。 重合体であるポリプロピレンと単量体であるエ
チレン性不飽和カルボン酸またはその無水物との
共重合であるから、この反応は所謂グラフト共重
合の範疇に属する。グラフト共重合技術は既に公
知であつて、本発明用改質ポリプロピレンはその
いずれの方法によつても得ることができるが、グ
ラフト共重合技術の代表的なものを重合開始の型
によつて分類して示せば、たとえば下記の通りで
ある。 (i) ラジカル開始剤の存在下に無水マレイン酸と
ポリプロピレンとを水溶液中で懸濁重合に付す
方法。 (ii) 混練機中でラジカル開始剤を配合した樹脂組
成物を熱と剪断力とにより溶融混練する方法。 このようにして製造された改質ポリプロピレン
は、グラフト共重合したポリプロピレンとグラフ
ト共重合に関与しなかつたポリプロピレンと場合
により改質単量体の重合体との混合物である(改
質単量体がマレイン酸のような所謂e値の絶対値
の大きい単量体の場合にはそれ自身の重合体は殆
んど生成しないであろう)。このような場合に、
改質ポリプロピレン中のグラフト共重合体の重量
%をもつて改質ポリプロピレン中のカルボン酸残
基の量を規定することは事実上不可能であるうえ
その実益もないから、改質ポリプロピレン中の重
合した改質単量体の含量でカルボン酸残基の量を
規定することにする。また、表面層用ポリプロピ
レン組成物中の改質ポリプロピレンの含量も、こ
の重合した改質単量体の量で規定することにする
(詳細後記)。 本発明で使用する改質ポリプロピレンは、この
ような重合した改質単量体の含量が0.01〜5重量
%、特に0.02〜2重量%、であるものが好まし
い。 2 無機充填剤 本発明表面層用無機充填剤としては、ポリプロ
ピレンに配合しうる微細なものであればいずれも
が使用可能である。このような無機充填剤の具体
例を挙げれば、たとえば、クレー、酸化チタン、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、ケイ酸塩、炭酸マグネシウム、亜硫酸カルシ
ウム、ケイソウ土、石コウ、等がある。これらの
うちで炭酸カルシウムは印刷効果もよく、白色度
も高くまた摩耗性も少ないので本発明で使用する
のに特に好ましいものであるが、また炭酸カルシ
ウムはその性質上ポリプロピレンとの接着性が特
に不良で延伸フイルムからの脱落が著しく多いの
で、本発明による改質ポリプロピレンの接着性向
上効果が特に顕著に認められるものでもある。 無機充填剤は、粒状であつて平均粒径が0.3〜
20ミクロン、特に0.5〜5ミクロン、のものであ
ることが好ましい。0.3ミクロン未満ではボイド
が有効に生成しないので白化が不良であり、また
充填剤が二次凝集を起して樹脂中への分散が不良
となる。20ミクロンを超すと、成形品(フイル
ム)の表面がざらつき、また充填剤単位重量当り
のボイド生成率が小となる。無機充填剤の粒子の
形状は基本的には任意であつて、粒状といえる範
囲でたとえば球形、棒状形、円錐形、角錐形その
他の形状でありうる。しかし、特にボイド生成と
いう観点からは平板状ではないものが好ましい。 充填剤の配合量は、得べきフイルムの使用目的
に応じて適宜選定される(詳細後記)。 3 表面層用ポリプロピレン組成物 表面層は無機充填剤配合ポリプロピレン組成物
からなり、しかしてこの組成物は前記のような改
質ポリプロピレンを含有するものである。 ここで、この表面層ポリプロピレン組成物が改
質ポリプロピレンを含有するということは、この
組成物が樹脂分としてこの改質ポリプロピレンの
みからなる場合の外に「非改質」ポリプロピレン
との混合物である場合をも包含するものである。
この場合の非改質ポリプロピレンの種類について
は、改質ポリプロピレンについて前記した説明が
あてはまる。 表面層用ポリプロピレン組成物は、改質ポリプ
ロピレンと無機充填剤の二必須成分(および必要
に応じて配合する非必須ないし補助成分)からな
るものである。 無機充填剤の配合量は、得べきフイルムの使用
目的に応じて適宜選定される。印刷ないし筆記が
行なわれることの多い印刷用紙および筆記用紙の
用途に使うことを目的とするフイルム(合成紙と
呼ばれることがある)の場合には、表面層用ポリ
プロピレン組成物中の含量は12〜70重量%、特に
30〜70重量%、であることが好ましい。12%未満
では印刷性ないし筆記性が充分ではなく、70%を
超えると表面の平滑性が低くかつ表面強度が低い
ので不都合だからである。なお、本発明多層構造
フイルムを合成紙として使用する場合には、この
多層構造フイルム全体としての充填剤含量にも好
ましい範囲がある。すなわち、8〜40重量%、特
に15〜40重量%、である。8%未満では得られる
多層構造フイルムの合成紙としての品質が劣悪と
なるので、合成紙の白さ、不透明度、筆記性、印
刷性等を最低限満足させるためには少なくとも8
%が必要である。40%を超えると、紙としての強
度および表面特性が不充分となる。 改質ポリプロピレンの配合量は、配合目的が充
填剤の脱離防止にあるところから、充填剤量を基
準にして規定するのが合理的である。表面層用ポ
リプロピレン組成物中の無機充填剤100重量部に
対して、改質ポリプロピレン中の重合した改質単
量体の量が0.01〜5重量部、特に0.03〜0.15重量
部、となるような改質ポリプロピレン量が好まし
い。0.01部未満では充填剤接着効果が少なくて、
紙粉トラブル防止が不充分である。5部を超す
と、このポリプロピレン組成物の熱による色相変
化および劣化が大きくて、実用上印刷用途に供す
ることができない。 このような必須二成分からなる組成物はポリプ
ロピレンを樹脂主成分とする熱可塑性樹脂組成物
であり、従つて熱可塑性樹脂組成物が通常含みう
る各種の非必須ないし補助成分を含むことができ
る。このような補助としては、たとえば、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、染顔料、螢光増白剤等があ
る。 4 表面層厚さ 表面層の厚さは、延伸後の多層構造フイルム中
の厚さとして少なくとも3ミクロンであるべきで
ある。3ミクロン未満では、目的とする充填剤脱
落防止効果が充分ではない。 一方、表面層の厚さが過大であると、そのよう
な表面層を持つ多層構造フイルムを得べく延伸工
程を実施するときに成形安定性が不良であつて、
しばしば延伸中に破断が起る。従つて、表面層の
厚さは、延伸後の厚さとして多層構造フイルムの
厚さの1/6以下、であるべきである。 なお、ここでいう表面層の厚さは表面層一層に
ついてのそれであり、従つて基材層の両面に表面
層が存在する場合にはその合計厚さは多層構造フ
イルムの厚さの1/3以下ということになる。表裏
二層が存在する場合の好ましい厚さは1/5以下で
ある。 5 延伸 前記した通りに表面亀裂が生成したものである
ためには、表面層は延伸されたものであるべきで
ある。延伸は一軸延伸であつても二軸延伸であつ
てもよいが、後記する好ましい製造法による場合
には一軸延伸であることがふつうである(延伸倍
率については後記)。 6 ボイド このように延伸されたものであるところより、
表面層の表面には亀裂が、表面層の内部にはボイ
ドが生じている。筆記性および印刷性の面からは
表面層のボイド率は、10%以上であることが好ま
しい。なお、ボイド率は、下式で定義されたもの
である。 ボイド率(%)=延伸前のフイルムの比重−延伸後
のフイルムの比重/延伸前のフイルムの比重 2 基材層 上記のようなポリプロピレン組成物からなる表
面層をその片面または両面に有すべき基材層とし
ては、各種のフイルム材料が使用可能である。こ
の基材層はまた、それ自身が多層構造を持つもの
であつてもよい(詳細後記)。 基材層用材料は合目的的な任意のものでよい
が、後記する好ましい製造法に従う場合には延伸
可能なものであることがふつうである。 基材層用材料として延伸可能なものとしては各
種の熱可塑性樹脂が使用できるが、それらのうち
で好ましいものはポリオレフインである。ポリオ
レフインとしては、ポリプロピレン、高密度ポリ
エチレン中低密度ポリエチレン等が挙げられ、表
面層主体樹脂のポリプロピレンと同種のものおよ
び異種のもののいずれも使用可能である。 基材層は延伸性が良好なものであることが好ま
しく、従つて使用すべき樹脂は前記の改質ポリプ
ロピレンを実質的に含まないものであることが好
ましい。前記のように基材層も無機充填剤を含む
ことが好ましいところ、充填剤と改質ポリプロピ
レンとが共に含まれていると延伸性が悪化するか
らである。 基材層も、一軸または二軸に延伸されたもので
あることが好ましい。また基材層も、表面層につ
いて前記したような補助成分を含有していてもよ
い。また、内部に微細な空隙を多数有していた方
が紙的風合に優れる。 基材層がそれ自身多層構造のものでもよいこと
は前記したところである。そのような多層構造の
例として、二軸延伸された層とその好ましくは両
面に接合された一軸延伸層とからなるものがあ
る。この場合の両層は充填剤の含量および(また
は)使用樹脂の種類(樹脂種または融解特性によ
る差)の点で相異するが、この相異は延伸フイル
ムの製造の観点から合目的的に決定される。 3 製造 本発明多層構造フイルムを製造する好ましい方
法のいくつかを例示すれば、たとえば、下記の通
りである。 (1) 基材層用材料たとえばポリプロピレンおよび
必要に応じて使用する無機充填剤および補助成
分を混合し、押出機で混練してからシート状に
成形する。このシートを縦方向に少なくとも
1.3倍延伸したのち、その片面または両面に、
表面層用材料すなわち改質ポリプロピレン、無
機充填剤および必要により未改質のポリプロピ
レンを混合し、押出機で混練してからシート状
に押出したものを溶融時にラミネートする。こ
の多層シートを横方向に少なくとも3.5倍に延
伸する。 (2) 上記のような基材層用シートの片面または両
面に表面層用シートを押出ラミネートする際
に、両シートの間にポリオレフイン、好ましく
はポリプロピレン(改質していないもの)、と
無機充填剤との混合物を別の押出機で溶融混練
後に表面層用シートと同じダイから共押出しし
て三層ないし五層シートをつくり、これを上記
と同様に延伸する。 この(2)の態様によるときは、基材層自身が多層
構造を有している。すなわち、二軸延伸された層
とこの層と表面層(改質ポリプロピレンを含む
層)との間に存在する一軸延伸層(表面層の形成
と同時に形成されたもの)とからなる多層構造で
ある。(2)の態様によつて基材層をこのような多層
構造とする場合には、基材層に対する拮抗的な要
請、すなわち二軸延伸性が良好であるうえしかも
充填剤含量がある程度高いものであること、を巧
みに満たすことができる。すなわち、比較的二軸
延伸し易い樹脂および(または)充填剤含量の比
較的少ない組成物から二軸延伸層をつくり、比較
的二軸延伸し難い樹脂および(または)充填剤含
量の比較的多い組成物から一軸延伸層をつくつて
多層構造とすることによつて、二軸延伸フイルム
が持つ良好な機械的特性および等方性と高充填剤
含量延伸フイルムが持つ高白色度ないし不透明性
とを併有する基材層が容易に得られるからであ
る。 4 実施例 本発明を更に理解しやすくするため、以下の実
施例によつて説明する。これらの実施例は本発明
の一態様をなすものであり、本発明の範囲内で任
意に変更可能である。 実施例1および比較例1 (1) メルトインデツクス(MI)0.8のポリプロピ
レンに平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム
5重量%を混合し、270℃に設定した押出機に
て混練後、シート状に押出し、冷却装置により
冷却して、無延伸シートを得た。このシート
を、140℃に加熱後、縦方向に5倍延伸した。 (2) MI0.6のポリプロピレン100部、無水マレイ
ン酸10部、および過酸化ベンゾイル(BPO)
5部をキシレン600部(いずれも重量部)の中
で120℃、5時間反応させ、大過剰のアセトン
で再沈させて、無水マレイン酸により改質され
た粉末状のポリプロピレンを得た。このポリマ
ーの無水マレイン酸を赤外吸収スペクトルにて
定量したところ、0.5重量%の無水マレイン酸
がグラフト共重合していた。 (3) ここで得られた改質ポリプロピレン6重量%
とMI4.0のポリプロピレン49重量%と平均粒径
1.5ミクロンの炭酸カルシウム45重量%とを混
合した組成物(A)(充填剤100重量部当りの改質
単量体量0.07重量部)を、270℃に設定した押
出機により溶融混練したものと、MI4.0のポリ
プロピレン55重量%と平均粒径1.5ミクロンの
炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物(B)
を、270℃に設定した別の押出機で溶融混練し
たものとをダイ内で積層し、上記(1)にて得られ
た縦方向に5倍に延伸したシートの両面に共押
出しし、改質ポリプロピレンを含む層が外側と
なるようにした。次いでこの五層積層物を155
℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行な
つて、五層のフイルムを得た。 また、比較例1として、(A)の組成物として改質
ポリプロピレン無添加のものを使用して同様にし
て得たフイルムも同条件にて成形した。
【表】
比較例 2
実施例1の(1)で得た縦方向に5倍延伸したシー
トの両面上に、同じく(2)で得た改質ポリプロピレ
ン6重量%とMI4.0のポリプロピレン49重量%と
平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム45重量%
とを混合した組成物(A)(充填剤100重量部当りの
改質単量体量0.07重量部)を、270℃に設定した
押出機により溶融混練したものを押出ラミネート
し、次いで横方向に7.5倍延伸して下記第2表に
示す三層フイルムを得た。
トの両面上に、同じく(2)で得た改質ポリプロピレ
ン6重量%とMI4.0のポリプロピレン49重量%と
平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム45重量%
とを混合した組成物(A)(充填剤100重量部当りの
改質単量体量0.07重量部)を、270℃に設定した
押出機により溶融混練したものを押出ラミネート
し、次いで横方向に7.5倍延伸して下記第2表に
示す三層フイルムを得た。
【表】
実施例 2
(1) MI1.0のポリプロピレン75重量%とMI1.5の
高密度ポリエチレン(HD/PE)10重量%と平
均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム15重量%
とを混合し、押出機で混練後、シート状に押出
し、冷却して、無延伸シートを得た。この無延
伸シートを、140℃に加熱後、縦方向に5倍延
伸して、縦延伸フイルムを得た。 (2) 実施例1で得られた改質ポリプロピレン(マ
レイン酸含量0.6重量%)を下記の割合にて混
合したものを作つた。
高密度ポリエチレン(HD/PE)10重量%と平
均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム15重量%
とを混合し、押出機で混練後、シート状に押出
し、冷却して、無延伸シートを得た。この無延
伸シートを、140℃に加熱後、縦方向に5倍延
伸して、縦延伸フイルムを得た。 (2) 実施例1で得られた改質ポリプロピレン(マ
レイン酸含量0.6重量%)を下記の割合にて混
合したものを作つた。
【表】
この混合物を実施例1と同様にMI4.0のポリプ
ロピレン55重量%と平均粒径1.5μの炭酸カルシウ
ム45重量%とを混合した組成物と一緒に共押出し
し、(1)にて得られたシートの両面にラミネート
し、ついで横方向に158℃で7.5倍の延伸を行なつ
て印刷可能なフイルムを得た。このフイルムの評
価結果は第4表に示す通りである。
ロピレン55重量%と平均粒径1.5μの炭酸カルシウ
ム45重量%とを混合した組成物と一緒に共押出し
し、(1)にて得られたシートの両面にラミネート
し、ついで横方向に158℃で7.5倍の延伸を行なつ
て印刷可能なフイルムを得た。このフイルムの評
価結果は第4表に示す通りである。
【表】
* 比較例
実施例 3 実施例1と同様にして得られた一軸延伸シート
の片面に、実施例1と同様に組成物(A)と(B)とを、
種々の厚さにして共押出し、ついで横方向に積層
シートを延伸して、三層のフイルムを得た。この
フイルムの評価結果は、第5表に示す通りであ
る。
実施例 3 実施例1と同様にして得られた一軸延伸シート
の片面に、実施例1と同様に組成物(A)と(B)とを、
種々の厚さにして共押出し、ついで横方向に積層
シートを延伸して、三層のフイルムを得た。この
フイルムの評価結果は、第5表に示す通りであ
る。
【表】
【表】
* 比較例
実施例 4 実施例3において、各層の肉厚を第6表に示す
様に変えた他は同様にして第6表に示す三層構造
の積層フイルムを得た。
実施例 4 実施例3において、各層の肉厚を第6表に示す
様に変えた他は同様にして第6表に示す三層構造
の積層フイルムを得た。
【表】
【表】
* 比較例
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 基材層とその少なくとも片面に設けられた無
機充填剤配合ポリプロピレン組成物の延伸フイル
ムからなる印刷可能な表面層とからなる多層構造
フイルムにおいて、この表面層が下記の通りに定
義されるものであることを特徴とする、印刷性の
優れた熱可塑性樹脂フイルム。 (1) 表面層の厚さはこの多層構造フイルムの厚さ
の1/6以下でありかつ3ミクロン以上であるこ
と。 (2) 微細な空隙を有すること。 (3) 表面層を形成する無機充填剤配合ポリプロピ
レン組成物は、ポリプロピレンとエチレン性不
飽和カルボン酸またはその無水物とが共重合し
た改質ポリプロピレンを含有するものであるこ
と。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4130780A JPS56137960A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Thermoplastic resin film having excellent printing property |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4130780A JPS56137960A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Thermoplastic resin film having excellent printing property |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56137960A JPS56137960A (en) | 1981-10-28 |
| JPS631183B2 true JPS631183B2 (ja) | 1988-01-11 |
Family
ID=12604829
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4130780A Granted JPS56137960A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Thermoplastic resin film having excellent printing property |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56137960A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61209129A (ja) * | 1985-03-01 | 1986-09-17 | Tokuyama Soda Co Ltd | 部分的に微多孔性を有するシ−トの製造方法 |
-
1980
- 1980-03-31 JP JP4130780A patent/JPS56137960A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56137960A (en) | 1981-10-28 |
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