JP2000248461A - セルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法 - Google Patents

セルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法

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JP2000248461A JP11047501A JP4750199A JP2000248461A JP 2000248461 A JP2000248461 A JP 2000248461A JP 11047501 A JP11047501 A JP 11047501A JP 4750199 A JP4750199 A JP 4750199A JP 2000248461 A JP2000248461 A JP 2000248461A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 無緊張状態による液体アンモニア処理に
より20%以上収縮するセルロース系繊維からなる織編
物を、無緊張状態で液体アンモニア処理し、その後高温
水処理もしくはスチーム処理又はアルカリ処理すること
を特徴とするセルロース系繊維よりなるストレッチ織編
物の製造方法、及び、セルロース系繊維からなる強撚糸
を製織又は製編した織編物をリラックス処理した後、無
緊張状態又は若干の緊張状態で液体アンモニア処理し、
その後高温水処理もしくはスチーム処理又はアルカリ処
理することを特徴とするセルロース系繊維よりなるスト
レッチ織編物の製造方法。 【効果】 セルロース系繊維よりなる織編物にセルロー
ス系繊維の持つ独特の風合い、肌触りの良さを保持した
まま、優れたストレッチ性を付与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系繊維
より構成される織編物に、優れたストレッチ性能を付与
することができるセルロース系繊維よりなるストレッチ
織編物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロース系繊維より構成される
織編物にストレッチ性を付与する方法としては、下記の
方法が知られている。
【0003】(1)ポリウレタン等の弾性糸とセルロー
ス系繊維との複合糸を使用した織編物及び交織、交編し
た織編物であり、弾性糸を伸長した状態で糸、織物、編
物を作成し、この弾性糸の伸長性及び収縮性を利用する
方法。 (2)合成繊維とセルロース系繊維との複合糸を使用し
た織編物であり、合成繊維の捲縮、トルクを利用する方
法であり、合成繊維としては、一般的にはポリエステル
等の長繊維の仮撚加工糸、及びコンジュゲート糸を使用
する方法。 (3)綿等のセルロース系繊維の強撚糸より構成された
糸を使用した織編物であり、織編物を染色加工する際、
強撚糸のトルクが発現し、糸がスパイラルな形状となる
性質を利用する方法。 (4)綿等のセルロース系繊維より構成された糸を使用
した織編物を、苛性ソーダで処理すると、セルロース繊
維が膨潤収縮する性質を利用したものであり、スラック
マーセライズ(通称ケミカルストレッチ)と呼ばれる手
法による方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)のポリウレタン等の弾性糸とセルロース系繊維と
の複合糸を使用した織編物、及び上記(2)の合成繊維
とセルロース系繊維との複合糸を使用した織編物では、
綿等のセルロース系繊維の持つ独特な触感、物性は得難
い、という問題がある。
【0005】また、上記(3),(4)の方法によるセ
ルロース系繊維のストレッチ織編物は、伸長性及び収縮
性は有するものの、ストレッチバック力(キックバック
力)が悪く、しかも市場評価が低いという問題がある。
【0006】即ち、上記(3),(4)の方法によれ
ば、セルロース系繊維の織編物に、伸長性及び収縮性は
付与されるが、これらは伸長後の回復率が低く商品価値
が低いものであり、この欠点を解決するため、糸が収縮
した状態、又はトルクが発現し、スパイラルな形状にな
った状態で、高温高圧下で熱処理、又はグリオキザール
系の樹脂加工を行って糸の形状を固定しているが、いず
れも十分なものではない、という問題がある。
【0007】また、上記(4)のスラックマーセライズ
手法によるストレッチ性を付与する方法は、緯方向に無
緊張状態で苛性ソーダ処理するものであるが、苛性ソー
ダは水溶系であり、セルロース系繊維への浸透が悪く、
しかもセルロース系繊維の膨潤効果も小さく、収縮性を
十分付与できない、という問題がある。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、セルロース系繊維より構成される織編物に、セルロ
ース系繊維の持つ独特の風合い、肌触りの良さを保持し
たまま、優れたストレッチ性を付与することができるセ
ルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、無緊張状態による液体アンモニア処理により20%
以上収縮するセルロース系繊維からなる織編物を、無緊
張状態で液体アンモニア処理することにより、結晶変換
と同時にセルロース系繊維中にアンモニアが浸透して繊
維が膨潤し、繊維の直径が太くなると共に、繊維が長さ
方向に収縮し、その結果、織編物が大きく収縮し、優れ
たストレッチ性を付与し得ること、また、このように収
縮した状態のセルロース系繊維に対して高温水処理もし
くはスチーム処理又はアルカリ処理を施すことにより、
収縮した状態がより安定な形状として固定され、織編物
に応力が加わり伸長しても収縮した形状に戻ろうとする
性質(回復力)が効果的に働き、高い伸長率と伸長後の
高い回復率を備え、かつ耐久性のある、今までにない優
れたストレッチ性能を有するセルロース系繊維よりなる
ストレッチ織編物が得られることを見出し、本発明をな
すに至った。
【0010】従って、本発明は、第1に、無緊張状態に
よる液体アンモニア処理により20%以上収縮するセル
ロース系繊維からなる織編物を、無緊張状態で液体アン
モニア処理することを特徴とするセルロース系繊維より
なるストレッチ織編物の製造方法、第2に、無緊張状態
による液体アンモニア処理により20%以上収縮するセ
ルロース系繊維からなる織編物を、無緊張状態で液体ア
ンモニア処理し、その後高温水処理又はスチーム処理す
ることを特徴とするセルロース系繊維よりなるストレッ
チ織編物の製造方法、及び、第3に、無緊張状態による
液体アンモニア処理により20%以上収縮するセルロー
ス系繊維からなる織編物を、無緊張状態で液体アンモニ
ア処理し、その後アルカリ処理することを特徴とするセ
ルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法を
提供する。
【0011】この場合、第1〜3発明の液体アンモニア
処理における無緊張状態が織編物に対して緯方向である
ことが生産性を向上させる点から好ましい。
【0012】また、本発明者は、更に鋭意検討を進めた
結果、別の手法により、同様に優れたストレッチ性能を
付与できることを知見した。
【0013】即ち、セルロース系繊維からなる強撚糸を
製織又は製編した織編物を、リラックス処理することに
より、強撚糸の撚りが緩んでトルクが発現し、糸がスパ
イラルな形状に変化しようとするトルク力が生じ、この
トルク力により織編物が強く収縮し、この収縮した状態
(糸がスパイラルな形状になった状態)の織編物を無緊
張状態又は若干の緊張状態で液体アンモニア処理するこ
とにより、優れたストレッチ性を付与し得ること、ま
た、このように収縮した状態で液体アンモニア処理した
織編物に対して高温水処理もしくはスチーム処理又はア
ルカリ処理することにより、収縮した状態がよりしっか
りと固定され、収縮した長さだけ伸長可能となり、織編
物に応力が加わり伸長しても収縮した形状に戻ろうとす
る性質(回復力)が効果的に働き、高い伸長率と伸長後
の高い回復率を備え、かつ耐久性のある、今までにない
優れたストレッチ性能を有するセルロース系繊維よりな
るストレッチ織編物が得られることを見出し、本発明を
なすに至った。
【0014】従って、本発明は、第4に、セルロース系
繊維からなる強撚糸を製織又は製編した織編物をリラッ
クス処理した後、無緊張状態又は若干の緊張状態で液体
アンモニア処理することを特徴とするセルロース系繊維
よりなるストレッチ織編物の製造方法、第5に、セルロ
ース系繊維からなる強撚糸を製織又は製編した織編物を
リラックス処理した後、無緊張状態又は若干の緊張状態
で液体アンモニア処理し、その後高温水処理又はスチー
ム処理することを特徴とするセルロース系繊維よりなる
ストレッチ織編物の製造方法、及び第6に、セルロース
系繊維からなる強撚糸を製織又は製編した織編物をリラ
ックス処理した後、無緊張状態又は若干の緊張状態で液
体アンモニア処理し、その後アルカリ処理することを特
徴とするセルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の
製造方法を提供する。
【0015】この場合、第4〜6発明の液体アンモニア
処理における無緊張状態又は若干の緊張状態が織編物に
対して緯方向であることが生産性を向上させる点から好
ましい。
【0016】更に、本発明者は、上記第1〜6発明の製
造方法のいずれか1つを行い、優れたストレッチ性を付
与した織編物に対して、樹脂加工を施すことにより、よ
り優れたストレッチ性を付与できることを見出した。
【0017】従って、本発明は、第7に、上記第1発明
乃至第6発明のいずれか1項記載の方法を行い、その後
樹脂加工を施すことを特徴とするセルロース系繊維より
なるストレッチ織編物の製造方法を提供する。
【0018】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の第1〜3の発明に係るセルロース系繊維よりな
るストレッチ織編物の製造方法は、無緊張状態による液
体アンモニア処理により20%以上収縮するセルロース
系繊維からなる織編物を、無緊張状態で液体アンモニア
処理すること、又はその後高温水処理もしくはスチーム
処理又はアルカリ処理するものである。
【0019】ここで、セルロース系繊維としては、綿、
麻等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセル等の再
生セルロース繊維又はアセテート等の半合成繊維が挙げ
られ、これらは単独又は混用したものであっても構わな
い。この場合、セルロース系繊維は綿繊維を通常50%
以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは綿1
00%のものが、優れたストレッチ性付与の観点から好
ましい。なお、これら天然、再生セルロース繊維又は半
合成繊維にポリエステル、ポリアミド等の合成繊維など
の他の繊維を本発明の目的を損なわない範囲で混合して
用いても差し支えない。
【0020】上記セルロース系繊維を通常の紡績方法に
より撚りを与えて糸とし、該糸を通常の方法により製織
又は製編してセルロース系繊維からなる織編物を得る。
このセルロース系繊維からなる糸は普通撚糸又は強撚糸
のいずれでも構わないが、ストレッチ性付与の観点から
は強撚糸が好ましい。
【0021】本発明の第1〜3発明に用いるセルロース
系繊維からなる織編物は、後述する無緊張状態での液体
アンモニア処理により、織編物を構成するセルロース系
繊維中にアンモニアが速やかに浸透して膨潤し、繊維の
直径が太くなると共に、繊維の長さ方向に縮まり、その
結果、織編物が20%以上収縮するものである。収縮率
が20%未満では無緊張状態での液体アンモニア処理に
よる収縮が少ないために、ストレッチ性の発現が不十分
となる。この場合、上記織編物の収縮率は織密度、織組
織等を適宜調整することにより達成することができる。
【0022】まず、本発明の第1発明に係るセルロース
系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法は、上記無
緊張状態による液体アンモニア処理により20%以上収
縮するセルロース系繊維からなる織編物を、無緊張状態
で液体アンモニア処理する。
【0023】この液体アンモニア処理は、無緊張状態で
行うものであるが、特に、無緊張状態が織編物に対して
緯方向であることが好ましい。これは、織編物を緯方向
に無緊張状態で、かつ経方向に緊張状態でアンモニア処
理することにより、全ての方向に無緊張状態でアンモニ
ア処理する場合に比べて連続的に大量処理が可能とな
り、生産性を向上させることができるからである。
【0024】上記液体アンモニア処理は、例えば、織編
物を−33℃以下の温度に保持した液体アンモニア中に
含浸する方法、液体アンモニアをスプレー又はコーティ
ングする方法等が採用できる。この場合、液体アンモニ
アの含浸時間は適宜選択されるが、通常5〜40秒程度
が好適である。
【0025】なお、液体アンモニア処理は、液体アンモ
ニアを用いるのが最も一般的であるが、場合によって
は、メチルアミン、エチルアミン等の低級アルキルアミ
ンを使用することもできる。液体アンモニア処理された
織編物は、付着しているアンモニアを加熱により除去す
る。
【0026】このように、無緊張状態で液体アンモニア
処理することにより、セルロース系繊維からなる織編物
は20%以上収縮した状態となり、優れたストレッチ性
が付与される。
【0027】次に、本発明の第2,3発明に係るセルロ
ース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法は、上
記第1発明の方法により無緊張状態で液体アンモニア処
理した織編物に対して、高温水処理、スチーム処
理、又はアルカリ処理を行う。
【0028】上記高温水処理又はスチーム処理は、
セルロース系繊維よりなる織編物を通常90〜150℃
の高温水に浸漬するか、又はスチーム雰囲気下において
緊張又は無緊張状態で行う。なお、ここでの緊張状態
は、織編物の収縮した形状をできるだけ保つ程度の強さ
の若干の緊張状態であることが好ましい。
【0029】具体的には、緊張状態で行うには、高温水
処理の場合は、高圧ビーム染色機、高圧ジッガー染色機
等の装置を用いることができる。また、スチーム処理の
場合は、連続式高温高圧スチーマー等の装置を用いて行
うことができる。
【0030】一方、無緊張状態で行うには、高温水処理
の場合は、高圧液流染色機、高圧ドラム染色機、高圧パ
ドル染色機等の装置を用いることができる。また、スチ
ーム処理の場合は、バッチ式のスチーマー等の装置を用
いて行うことができる。
【0031】この場合、高温水処理又はスチーム処理の
時間は、高温水又はスチームの温度などにより異なり一
概に規定することはできないが、通常5分〜5時間であ
る。
【0032】更に、より具体的な高温水処理又はスチー
ム処理の条件は、下記の通りであることが好ましい。
【0033】<高温水処理の場合> (a)90℃以上98℃未満:2時間以上、好ましくは
2〜5時間 (b)98℃以上105℃未満:1.5時間以上、好ま
しくは2〜5時間 (c)105℃以上115℃未満:1時間以上、好まし
くは1.5〜5時間 (d)115℃以上125℃未満:40分以上、好まし
くは1〜5時間 (e)125℃以上135℃未満:30分以上、好まし
くは1〜5時間 (f)135℃以上150℃未満:20分以上、好まし
くは1〜5時間
【0034】<スチーム処理の場合> (a)90℃以上98℃未満:1.5時間以上、好まし
くは1.5〜5時間 (b)98℃以上105℃未満:1時間以上、好ましく
は1〜5時間 (c)105℃以上115℃未満:40分以上、好まし
くは40分〜4時間 (d)115℃以上125℃未満:25分以上、好まし
くは25分〜2.5時間 (e)125℃以上135℃未満:15分以上、好まし
くは15分〜1.5時間 (f)135℃以上150℃未満:5分以上、好ましく
は5分〜1時間
【0035】また、上記アルカリ処理は、セルロース
系繊維よりなる織編物を緊張又は無緊張状態で行い、ア
ルカリ剤としては水酸化リチウム、苛性ソーダ、苛性カ
リ等の強アルカリ剤、或いは炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ
等の弱アルカリ剤を用いることができるが、作業性、コ
ストの面から苛性ソーダが好適である。なお、必要に応
じて他のアルカリ性の薬品を用いても構わない。
【0036】本発明ではアルカリ剤を水溶液等として用
いる。アルカリ水溶液としては、アルカリ濃度0.1〜
40重量%のものを使用し、−10℃〜150℃の温度
にて20秒〜24時間浸漬することにより行うことがで
きる。
【0037】更に、具体的なアルカリ処理の条件は、苛
性ソーダ等の強アルカリ剤を用いる場合と炭酸ソーダ等
の弱アルカリ剤を用いる場合とで異なり、それぞれ下記
の通りであることが好ましい。
【0038】<強アルカリ剤を用いる場合> (a)アルカリ濃度が0.1以上10重量%未満、好ま
しくは0.2〜5重量%の場合は、処理温度は90℃〜
150℃、好ましくは98℃〜150℃、より好ましく
は110℃〜140℃である。また、処理時間は、用い
るアルカリ剤の濃度、処理温度等により異なり一概に規
定することはできないが、通常1分〜5時間、好ましく
は10分〜5時間、より好ましくは20分〜3時間であ
る。 (b)アルカリ濃度が10〜40重量%、好ましくは1
5〜30重量%の場合は、処理温度は−10℃〜90
℃、好ましくは10℃〜40℃である。また、処理時間
は、用いるアルカリ剤の濃度、処理温度等により異なり
一概に規定することはできないが、通常20秒〜24時
間、好ましくは1分〜12時間、より好ましくは3分〜
5時間である。
【0039】<弱アルカリ剤を用いる場合>アルカリ濃度
が0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%
の場合は、処理温度が90℃〜150℃、好ましくは9
8℃〜150℃、より好ましくは110℃〜140℃で
ある。また、処理時間は、用いるアルカリ剤の濃度、処
理温度等により異なり一概に規定することはできない
が、通常10分〜5時間、好ましくは20分〜3時間で
ある。
【0040】なお、上記いずれのアルカリ処理の場合で
もアルカリ濃度が低すぎると、アルカリ処理の効果が十
分に得られない場合があり、一方、アルカリ濃度が高す
ぎると、それ以上の効果の向上が見られず、却って後工
程の中和処理でアルカリを除去するのに時間とコストが
かかるという欠点が生じる場合がある。
【0041】上記アルカリ処理は、セルロース系繊維よ
りなる織編物を緊張又は無緊張状態で行うことができ
る。なお、ここでの緊張状態は、収縮した織編物の形状
をできるだけ保つ程度の強さの若干の緊張状態であるこ
とが好ましい。
【0042】アルカリ処理を緊張状態で行う場合、具体
的な装置としては、処理温度が90℃以上の場合は、高
圧ビーム染色機、高圧ジッガー染色機等の装置を用いる
ことができる。また、処理温度が90℃未満の場合は、
シルケット加工機、通常のビーム染色機、ジッガー染色
機等の装置を用いて行うことができるが、通常、シルケ
ット加工機が好ましい。
【0043】一方、アルカリ処理を無緊張状態で行う場
合、処理温度が90℃以上の場合は、高圧液流染色機、
高圧ドラム染色機、高圧パドル染色機等の装置を用いる
ことができる。また、処理温度が90℃未満の場合は、
通常の液流染色機、ドラム染色機、パドル染色機等の装
置を用いて行うことができる。
【0044】上記アルカリ処理した織編物に対して中和
処理、水洗を行う。中和処理は、硫酸、塩酸等の無機
酸、又は酢酸、蟻酸等の有機酸を使用して行うことがで
きる。
【0045】このようにして液体アンモニア処理後、高
温水処理もしくはスチーム処理又はアルカリ処理を行う
ことにより、液体アンモニア処理で収縮した状態の織編
物の形状がよりしっかりと固定され、高い伸長率と伸長
後の高い回復率を備えた優れたストレッチ性能が付与さ
れる。
【0046】次に、本発明の第4〜6発明に係るセルロ
ース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法は、セ
ルロース系繊維からなる強撚糸を製織又は製編した織編
物をリラックス処理した後、無緊張状態又は若干の緊張
状態で液体アンモニア処理すること、又はその後高温水
処理もしくはスチーム処理又はアルカリ処理するもので
ある。
【0047】ここで、セルロース系繊維としては、上記
第1〜3発明と同様のものを使用することができ、この
セルロース系繊維を通常の紡績方法により撚りを与えて
強撚糸とする。紡績方法としてはリング紡績、オープン
エンド紡績等が使用できる。ここで、強撚糸の番手は適
宜用途により設定されるが、一般に綿糸では5〜140
番手であり、撚係数は好ましくは4〜9、より好ましく
は6〜8である。撚係数が4未満ではリラックス処理し
た時のトルクの発現が不十分となる場合がある。一方、
撚係数が9を超えると糸撚りトルクが強すぎるという問
題が生じる場合がある。なお、セルロース系繊維は、必
要に応じて、毛焼、精錬、漂白、シルケット加工などの
前処理を施してもよく、また、該糸は染色又はプリント
されていても構わない。
【0048】上記セルロース系繊維からなる強撚糸を通
常の方法により製織又は製編してセルロース系繊維から
なる織編物を得る。
【0049】本発明の第4発明に係るセルロース系繊維
よりなるストレッチ織編物の製造方法は、まず、セルロ
ース系繊維からなる織編物をリラックス処理する。この
リラックス処理は強撚糸使用織編物を高温水中で無緊張
状態で緩ませることにより、強撚糸のトルクを発現させ
て織編物を十分に収縮させる(スパイラルな形状にす
る)処理であり、このため、リラックス処理における無
緊張状態は方向性を問わず、緯方向及び経方向のいずれ
の方向にも無緊張状態であることが好ましい。この場
合、リラックス処理の条件は、特に制限されないが、温
度は通常80〜100℃、処理時間は通常1〜30分程
度である。
【0050】上記リラックス処理を施すことにより強撚
糸が緩み、強撚糸がスパイラル形状になった状態(織編
物が十分収縮した状態)の織編物に対して無緊張状態又
は若干の緊張状態で液体アンモニア処理を行う。なお、
ここでの若干の緊張状態とは収縮した織編物の形状を保
つ程度の強さの緊張状態をいう。
【0051】この場合、液体アンモニア処理における無
緊張状態又は若干の緊張状態が織編物に対して緯方向で
あることが好ましい。このように織編物を緯方向に無緊
張状態又は若干の緊張状態でアンモニア処理することに
より、連続的に大量処理が可能となり、生産性を向上さ
せることができる。なお、液体アンモニア処理の条件は
上記第1〜3発明の場合と同様である。
【0052】上記リラックス処理後、無緊張状態又は若
干の緊張状態で液体アンモニア処理を施すことにより、
セルロース系繊維からなる織編物に優れたストレッチ性
が付与される。
【0053】次に、本発明の第5,6発明に係るセルロ
ース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法は、上
記第4発明の方法により液体アンモニア処理した織編物
に対して、高温水処理、スチーム処理、又はアル
カリ処理を行う。これら高温水処理、スチーム処
理、又はアルカリ処理の条件は上記第1〜3発明の場
合と同様である。
【0054】このようにして本発明の第1〜第6発明の
製造方法により、得られるセルロース系繊維よりなる織
編物は、高い伸長率と伸長後の高い回復率を備え、かつ
優れたストレッチ性を有するものであるが、本発明の第
7発明に係るセルロース系繊維よりなるストレッチ織編
物の製造方法は、これら第1発明〜第6発明から選ばれ
るいずれか一つの製造方法を行った後、更に、樹脂加工
を施すことにより、高い伸長率と伸長後のより高い回復
率を備え、かつ優れたストレッチ性を有するものであ
る。
【0055】この場合、樹脂加工に用いる樹脂として
は、繊維素反応型N-メチロール化合物等のセルロース
系繊維を架橋結合させ、形態を保持する性質を付与でき
るものであれば制限なく用いることができる。例えばホ
ルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド
等のアルデヒド類、ジグリシジルエーテル等のエポキシ
化合物、テトラブタンカルボン酸等のポリカルボン酸
類、ジメチロール尿素、トリメチロールメラミン、ジメ
チロールエチレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエチ
レン尿素等の繊維素反応型N−メチロール化合物などが
挙げられる。これらの中でもジメチロールエチレン尿
素、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等のグリオ
キザール系樹脂が好ましい。なお、樹脂加工の条件、方
法などは、樹脂加工において通常行われている方法、条
件を採用することができる。
【0056】このようにして得られるセルロース系繊維
よりなる織編物は、必要に応じて、幅出し、風合調節等
の目的としてシリコーン系などの最終仕上げ加工を施す
ことができる。
【0057】本発明の製造方法により得られるセルロー
ス系繊維よりなる織編物は、セルロース系繊維の持つ独
特の風合い、肌触りの良さを有すると共に、優れたスト
レッチ性、特に高い伸長率と伸長後の高い回復率を有
し、市場評価が高いものである。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0059】[実施例1]経糸及び緯糸に綿100%の
60番手単糸(撚係数3.4)を用い、織密度を経82
本/吋×緯80本/吋とし、織組織を平織りとした織物
に、通常の精錬、漂白を行った後、−34℃の液体アン
モニア中に緯方向に無緊張状態で15秒間浸漬し、緯方
向に収縮させた。その後、下記処方のグリオキザール系
の樹脂加工を行い、シリコーン系の仕上げ加工を施し
た。得られた織物の収縮率、緯ストレッチ性能を下記方
法により測定した。結果を表1に示す。
【0060】グリオキザール系樹脂組成 LNB20*1 10g/100ml ホウ弗化亜鉛水溶液*2 1g/100ml FW*3 2g/100ml PE−140*4 1g/100ml PEG200*5 3g/100ml *1:リケンレジンLNB20(グリオキザール系樹
脂、固形分40%、三木理研工業製) *2:ホウ弗化亜鉛水溶液(濃度45%、森田化学製) *3:スミテックスバッファーFW(ホルマリンキャッ
チャー、住友化学製) *4:メイカテックスPE−140(ポリエチレン系柔
軟剤、明成化学工業製) *5:PEG200(ポリエチレングリコール、三洋化
成工業製) なお、樹脂加工剤は上記薬剤に水を加えて100mlと
したものである。
【0061】収縮率 下記式により、収縮率を算出した。
【数1】 緯ストレッチ性能 JIS L 1095法に準拠し測定した。
【0062】[比較例1]実施例1と同じ織物に精錬、
漂白を行った後、緯方向に無緊張状態のスラックマーセ
ライズ手法より、緯方向に収縮させた。その後、グリオ
キザール系の樹脂加工(実施例1と同じ)を行い、シリ
コーン系の仕上げ加工を施した。得られた織物の収縮
率、緯ストレッチ性能を実施例1と同じ方法で測定し
た。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】[実施例2]経緯先染め綿糸60番手双糸
(撚係数3.5)、密度経86本/吋、幅138cmの
規格で製織されたドビー組織の綿100%織物に通常の
精錬、漂白を行った後、−34℃の液体アンモニア中に
緯方向に無緊張状態で15秒間浸漬し、20℃の苛性ソ
ーダ(重量比20%)で40秒間のシルケット処理し、
中和処理を行った。次に、グリオキザール系の樹脂加工
(実施例1と同じ)を行い、シリコーン系の仕上げ加工
を施した。得られた織物の収縮率、緯ストレッチ性能を
実施例1と同じ方法で測定した。結果を表2に示す。
【0065】[比較例2]実施例2と同様の経緯先染め
綿糸60番手双糸(撚係数3.5)、密度経86本/
吋、幅138cmの規格で製織されたドビー組織の綿1
00%織物を、液体アンモニア処理を行わず、シルケッ
ト処理を緯方向に無緊張状態のスラックマーセライズ手
法で行った以外は実施例2と同様に処理した。得られた
織物の収縮率、緯ストレッチ性能を実施例1と同じ方法
で測定した。結果を表2に示す。
【0066】[比較例3]実施例2と同様の経緯先染め
綿糸60番手双糸(撚係数3.5)、密度経86本/
吋、幅138cmの規格で製織されたドビー組織の綿1
00%織物を、液体アンモニア処理を行ない以外は実施
例2と同様に処理した。得られた織物の収縮率、緯スト
レッチ性能を実施例1と同じ方法で測定した。結果を表
2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】表2の結果から、比較例2は実施例2に比
べて収縮率、伸長後の回復率が劣るものであり、比較例
3は収縮率、伸長率がともに著しく劣り、伸長後の回復
がなく、ストレッチ性が付与されていないことが認めら
れた。これに対して、実施例2は収縮率、伸長率、回復
率のいずれも高く、特に伸長後の回復率が82%と極め
て高く、比較例2のように伸長率が大きくても回復率が
やや低い(75%)とストレッチ織物としての評価は低
く、この観点からも実施例2は優れたストレッチ織物で
あることが確認できた。
【0069】[実施例3]経糸及び緯糸に綿100%の
強撚105番手双糸(撚係数7.0)を用い、織密度を
経64本/吋×緯70本/吋とし、織組織を平織りとし
た織物に、通常の精錬、漂白を行った後、−34℃の液
体アンモニア中に緯方向に無緊張状態で15秒間浸漬
し、緯方向に収縮させた。その後、グリオキザール系の
樹脂加工(実施例1と同じ)を行い、シリコーン系の仕
上げ加工を施した。得られた織物の収縮率、緯ストレッ
チ性能を実施例1と同じ方法により測定した。結果を表
3に示す。
【0070】[比較例4]実施例3と同じ織物に精錬、
漂白を行った後、緯方向に無緊張状態のスラックマーセ
ライズ手法により、緯方向に収縮させた。その後、グリ
オキザール系の樹脂加工(実施例1と同じ)を行い、シ
リコーン系の仕上げ加工を施した。得られた織物の収縮
率、緯ストレッチ性能を実施例1と同じ方法で測定し
た。結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】[実施例4]経緯綿精紡強撚交撚50番手
単糸(撚係数7.5)、密度経69本/吋・緯70本/
吋、幅160cmの規格で製織された平組織の綿100
%織物を90℃の高温水で5分間のリラックス処理を施
した後、通常の精錬、漂白を行った。その後、−34℃
の液体アンモニア中に緯方向に無緊張状態で15秒間浸
漬し、20℃の苛性ソーダ(重量比20%)で40秒間
シルケット処理し、中和処理を行った。次に、グリオキ
ザール系の樹脂加工(実施例1と同じ)を行い、シリコ
ーン系の仕上げ加工を施した。得られた織物の収縮率、
緯ストレッチ性能を実施例1と同じ方法で測定した。結
果を表4に示す。
【0073】[比較例5]実施例4と同様の経緯綿精紡
強撚交撚50番手単糸(撚係数7.5)、密度経69本
/吋・緯70本/吋、幅160cmの規格で製織された
平組織の綿100%織物を、リラックス処理及び液体ア
ンモニア処理を行わず、シルケット処理を緯方向に無緊
張状態のスラックマーセライズ手法で行った以外は実施
例4と同様の処理を施した。得られた織物の収縮率、緯
ストレッチ性能を実施例1と同じ方法で測定した。結果
を表4に示す。
【0074】
【表4】 表4の結果から、実施例4は比較例5と比べて収縮率、
伸長率、回復率のいずれも高く、優れたストレッチ性を
備えていることが確認できた。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、セルロース系繊維より
なる織編物にセルロース系繊維の持つ独特の風合い、肌
触りの良さを保持したまま、優れたストレッチ性を付与
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 101:06 (72)発明者 内山 博之 大阪府大阪市中央区北久宝寺町2−4−2 日清紡績株式会社大阪支社内 (72)発明者 大場 正義 愛知県岡崎市美合町字入込45 日清紡績株 式会社美合工場内 Fターム(参考) 4L002 AA02 AB01 AB03 AC01 DA01 DA03 DA05 EA06 4L031 AA02 AB01 AB24 AB32 AB33 BA16 CA01 CA06 CA07 DA00 DA01 4L048 AA08 AB01 AB14 BA01 BA02 CA04 CA15 EB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無緊張状態による液体アンモニア処理に
    より20%以上収縮するセルロース系繊維からなる織編
    物を、無緊張状態で液体アンモニア処理することを特徴
    とするセルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 無緊張状態による液体アンモニア処理に
    より20%以上収縮するセルロース系繊維からなる織編
    物を、無緊張状態で液体アンモニア処理し、その後高温
    水処理又はスチーム処理することを特徴とするセルロー
    ス系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法。
  3. 【請求項3】 無緊張状態による液体アンモニア処理に
    より20%以上収縮するセルロース系繊維からなる織編
    物を、無緊張状態で液体アンモニア処理し、その後アル
    カリ処理することを特徴とするセルロース系繊維よりな
    るストレッチ織編物の製造方法。
  4. 【請求項4】 液体アンモニア処理における無緊張状態
    が織編物に対して緯方向である請求項1乃至3のいずれ
    か1項記載のストレッチ織編物の製造方法。
  5. 【請求項5】 セルロース系繊維からなる強撚糸を製織
    又は製編した織編物をリラックス処理した後、無緊張状
    態又は若干の緊張状態で液体アンモニア処理することを
    特徴とするセルロース系繊維よりなるストレッチ織編物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 セルロース系繊維からなる強撚糸を製織
    又は製編した織編物をリラックス処理した後、無緊張状
    態又は若干の緊張状態で液体アンモニア処理し、その後
    高温水処理又はスチーム処理することを特徴とするセル
    ロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法。
  7. 【請求項7】 セルロース系繊維からなる強撚糸を製織
    又は製編した織編物をリラックス処理した後、無緊張状
    態又は若干の緊張状態で液体アンモニア処理し、その後
    アルカリ処理することを特徴とするセルロース系繊維よ
    りなるストレッチ織編物の製造方法。
  8. 【請求項8】 液体アンモニア処理における無緊張状態
    又は若干の緊張状態が織編物に対して緯方向である請求
    項5乃至7のいずれか1項記載のストレッチ織編物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項記載の方
    法を行い、その後樹脂加工を施すことを特徴とするセル
    ロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法。
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