【発明の詳細な説明】
スキンケア製剤とその方法 序論
本発明は皮膚障害の治療法に関する。より詳しくは、本発明は、ある極性脂質
の移送により、角質細胞間の細胞間空隙内にある表皮脂質層板(ラメラ)の形成
を助長し維持することに関する。従来技術の記述
皮膚の主要な機能は身体に保護障壁を付与することである。例えば、皮膚は、
身体の外側組織に機械的な保護を与え、外部環境から侵入する化学薬品や微生物
に対する障壁として作用し、身体から水が蒸発するのを防止する。水の蒸発に関
して、成人における皮膚の平均面積は約2m2あるが、この大きな表面積を通過
する水の蒸発は約300g/日にすぎない。水の蒸発の抑制は恐らく皮膚の最も
重要な機能であろう。この水の障壁なくしては、生体は生存できないであろう。
皮膚の外層すなわち表皮は、4つの主要な細胞層から構成されている。基底層
は、円柱状の幹細胞により皮膚の表面層に移行する娘細胞の子孫を提供する表皮
の増殖成分である。有棘層は、分化した多面体形状の細胞からなり、隣接する細
胞との合着を媒介する接着性蛋白質である、デスモプラキン、デスモプグレイン
およびデスモコリンの巨大分子複合体の多量の接着斑の存在により棘のある外観
を呈する。顆粒層は、様々な分化による平坦な多角形状の細胞、脂質充填膜で被
膜された顆粒を含む特異的な生成物、および、天然湿潤化剤前駆蛋白質すなわち
プロフィラグリン中に豊むケラトヒアリン顆粒からなっている。最後に、角質層
は、、すなわち極性脂質に分類されるバルクの細胞間脂質の複合体の層板(ラメ
ラ)マトリックスによって離てられている、密に充填された平坦な無核細胞又は
角質細胞から構成される不透過性表皮の外側の細胞層である。
角質層は表皮の最も外側にある細胞層であり、身体と環境の間の保護障壁とし
て機能する層である。角質層は、多数の脂質二重層から構成された層板(ラメラ
)により互いに細胞外に離間した角質細胞から形成されている。一般に、表面角
質層の脂質の組成物は、皮脂腺由来脂質と表皮由来脂質との混合物である。角質
層
脂質は、著しく大量に存在するセラミド,脂肪酸,コレステロール,硫酸コレス
テロール,少量のリン脂質およびグルコシルセラミドからなる。
角質細胞と離間した細胞間の空間にある脂質二重層は層板(ラメラ)構造をな
す。各二重層は、分子スペーサにより離間した親水性末端基と疎水性末端基を有
する分子の整列配置からなると考えられている。さらに、水性層は整列した親水
性の極性頭部基が整列したように組み合わされており、油性脂質層は疎水性末端
基が整列したように組み合わされていると考えられている。かかる構造にかかわ
らず、層板(ラメラ)状二重層の配置は、角質細胞間に滑らかさを付与し、角質
層全体を柔軟かつしなやかに保持するのに不可欠である。表皮の組成および脂質
の役割に関する論文が、ラーソン著、「脂質分子の機構、物理的作用及びその応
用」第II章(1994年)(LarssonのLipids-Molecular Organization,Physi
cal Functions and Technical Applications,The Oily Press.Limited,Scotlan
d,1994,Chapter II);ハミルトン著、「ワックス:化学、分子生物学及び作用
」第6章(1995年)(Hamilton,Waxes:Chemistry,Molecular Biology and F
unctions,The Oily Press.Limited,Scotland,1995,Chapter 6)、およびフィツ
パトリック著「一般薬における皮膚科学」第14章(1993年)(Fitzpatric
k,et alのDermatology in General Medicine,McGraw-Hill,Inc.,New York,1993,
Volume 1,Chapter 14)にみられ、本明細書では各記載内容の全てを援用する。
角質層からの水の蒸発と損出が生じる多くの例がある。継続する低湿度;太陽
への過度の暴露;穿孔または擦り傷による表皮の外表層の攪乱と破壊;皮膚に対
する洗剤、塗料除去剤等の有機物のような溶媒の作用;加歳;特に必須脂肪酸を
含まないダイエット;過度の洗浄;および、乾癬、魚鱗癬、アトピー性湿疹等の
皮膚剥離障害などの結果として上記の事例が生じる。表皮から水の蒸発が起こる
と、角質細胞間の間隔が狭まり角質細胞間の滑らかさが失われると共に、患部か
ら皮膚のかけらまたは細胞が剥がれる。この症状は、不快であり美的に魅力的と
はみなされず、しかも感染経路を開放することになる。
局部的な投与に適した広範なスキンケア調合剤が、乾燥し薄片状になった皮膚
の治療に利用可能である。これらのスキンケア調合剤のある種のものは、角質層
に浸透することなく、しかも皮膚に化学的に影響を及ぼすことなく、角質層に保
護層を形成するものである。これらの調合剤が皮膚に保護層を形成すると、調合
剤により水の蒸発が減少する。保護層を形成する調合剤としては、顔料調合剤,
日焼け止め剤含有の調合剤,皮膚保護用クリーム等がある。上記調合剤のさらな
る例は米国特許第4,309,448号明細書,米国特許第4,534,981号明細書および米国
特許第4,661,343号明細書に開示されており、本明細書では各記載内容の全てを
援用する。これらの調合剤は、皮膚に浸透するように意図されておらず、脱水し
た層板(ラメラ)を増加させないため、角質細胞間に滑らかさを付与しない。も
う一方の類型に属するスキンケア調合剤は、皮膚に水と活性成分を浸透させるも
ので、主として角質層を滑らかにし角質層に水分を与えるよう予め意図している
。これらの調合剤は、グリセロール,糖類,乳酸やアミノ酸または尿素等の物質
を添加することにより、空気−皮膚界面から角質層に水を移送する駆動力として
浸透圧を利用している。上記調合剤のさらなる例は米国特許第4,971,800号明細
書,米国特許第5,045,317号明細書および米国特許第5,051,317号明細書に開示さ
れており、本明細書では各記載内容の全てを援用する。2つの類型の調合剤は、
それぞれ「外用」および「浸透性」調合剤として公知である。
しかしながら、外用および浸透性スキンケア調合剤に関しては共に問題がある
。外用調合剤は、活性成分を角質層に移送せず、したがって角質細胞を離間する
層板(ラメラ)を補給したり該層板(ラメラ)に影響を及ぼすことがない。浸透
性調合剤は、活性成分を角質層に移送するものの、この層に移送された成分は層
板(ラメラ)中の欠乏を修復しない。しかも、上記成分は、角質層中にまた該角
質層を通って表皮の深部にまで浸透するが、角質層中には長い間残留しない。し
たがって、外用および浸透性スキンケア調合剤は共に、角質細胞間に長い間滑ら
かさを付与することができず、細胞間の層板(ラメラ)を修復することができず
、乾燥した皮膚の症状を治癒することができない。発明の概要
そこで、本発明は、皮膚障害のための局所治療用組成物に向けられる。この組
成物は、薬学的に許容し得る担体中に、局所的投与により表皮表面に浸透して角
質層中に侵入する化合物からなり、滑らかさと水分の付与が保持される。本発明
は、皮膚に長い間滑らかさと水分を保持させるには、健康な皮膚に自然に生じる
二重層の層板(ラメラ)を人工的に複製し補給することが望ましいという発見に
基づくものである。
本明細書に記載の発明によれば局所治療用調合剤は、極性基と無極性基とが互
いにスペーサセグメント部で離間されており、1またはそれ以上の極性末端基と
、1またはそれ以上の無極性末端基とを有する無毒性の化合物を含有するしてな
る薬学的に許容し得る局所用担体からなる。便宜上、上記化合物を時折「二重層
成分」という。また、組成物は中性脂質を含有することが望ましい。
当該二重層成分は、表皮内、恐らくは角質層内の水層により互いに離間された
層板(ラメラ)(多数の二重層)を形成することが可能な化合物である。層板(
ラメラ)の形成に特に好適な二重層成分は、水性媒体に分散したリン脂質および
トリグリセライドである。というのは、これらの物質は、望ましい二重層を形成
し、しかも通常健康な皮膚に見い出されるからである。このように、上記物質は
ヒトに使用しても無毒性かつ安全である。
理論によって拘束されるものではないが、スキンケア調合剤における当該二重
層成分は、健康な皮膚に自然に生じる角質層内の多数の二重層構造の形成を高め
るものと考えられる。さらに、各二重層は、二重層における各層の無極性末端基
が互いに整列し、そして二重層の極性末端基が二重層薄膜から外側へ延びる二重
層成分から形成される整列配置した分子からなるものと考えられる。二重層から
なつ層板(ラメラ)は、ひとつの二重層の極性基側が、中間の水性層を介して別
の二重層の極性基と対面することにより形成される。このようにして形成される
層板(ラメラ)構造は、角質細胞間の全空隙が充填されるまで、頂部から底部ま
で、脂質二重層の頂部に水層の頂部が積層しまたその上に脂質二重層が積層する
といったように見える。さらに、層板(ラメラ)における頂部層と底部層は水素
結合により角質化した上皮細胞に結合していて、そのため全体の構造に安定性を
付与すると共に皮膚への水分の付与を長く持続するものと考えられる。最後に、
治療用組成物内に中性脂質を含有すると、中性脂質は二重層の無極性基間に整列
した層を形成するため、角質細胞間により大きな滑らかさを付与するものと考え
られる。
上述の仮説の構造は、通常健康な皮膚に見い出される層板(ラメラ)状構造を
複製するものと考えられる。したがって、本発明のスキンケア調合剤は、ヒトま
たは動物を問わず皮膚の治療に好適であり、乾燥した皮膚,炎症および他の慢性
的な皮膚病を長い間継続して治療するための治療剤を提供する。このスキンケア
調合剤は、特に炎症を起こした目の周りの皮膚の治療に有用である。図面の記述
図面において、
第1図は、本発明に従って形成された二重層の描写図であり、
第2図は、本発明のスキンケア調合剤で治療した皮膚の描写図であり、二重層
層板(ラメラ)が角質層内に形成されている。好ましい態様の記述
本発明の治療用組成物における主要な成分は、前述したように、二重層成分、
すなわち少なくとも1つの疎水性末端基と少なくとも1つの親水性末端基とを有
し、両基が互いにスペーサセグメント部で離間されている無毒性の化合物である
。二重層成分は表皮内に、恐らくは角質層内に組織化され整列した二重層構造を
形成し、隣接した二重層は水層で離間されている。図面の図1には二重層構造を
描写図として図示しており、同図に示す2つの二重層1、2はそれぞれ互いに水
層3により離間している。各二重層は、治療用組成物の双極性成分から形成され
、整列配置した分子4を有する。各分子は、末端に親水性頭部基5と疎水性基6
および両者間にスペーサ7を有する。末端疎水性基は、長鎖炭化水素の終端にお
ける1またはそれ以上のメチル基等のスペーサセグメント部の一部であってもよ
い。
スキンケア組成物の好ましい二重層成分は、健康な皮膚に自然に見い出され、
正味電荷として負電荷を帯びている、二重層に近接して二重層を形成する物質で
ある。皮膚に天然に見い出される物質を使用することにより、皮膚と相容れない
という問題が回避される。上記成分を含有するスキンケア組成物を皮膚に塗布す
ると、健康な皮膚に見い出されるはずの成分を人工的に複製する。正味電荷が負
の物質を使用することにより、二重層成分が急速に皮膚に浸透して所望の層板(
ラメラ)構造を形成する。
リン脂質は、本発明におけるスキンケア組成物に好適に使用できる二重層成分
のひとつの例となる物質である。リン脂質の例を下記の式により表す。
ここで、mおよびnは約8〜24の間にある整数であり、Rは使用する特定のリ
ン脂質化合物を定める燐酸基のエステル部分を示す。Rとしては、ポリオール類
、アミン類、水素、ヒドロキシカルボン酸類、糖類、第四級アミン類、アミノ酸
置換グリセロール類、燐酸化糖類、燐酸化ポリオール類、硫酸化糖類、硫酸化ポ
リオール類、アシル化糖類、アシル化ポリオール類等が挙げられる。
リン脂質は当業者にとって周知であり、リン脂質に関する文献としては、レー
ニンガー著、「生化学」第2版(LehningerのBiochemistry,第2版,Worth Publi
shers,New York,第279〜306頁);キーク;オスマー著、「コンサイス化学技術
辞典」(1985年)(Kirk-OthmerのConcise Encyclopedia of Chemical Tech nology
,John Wiley and Sons,New York,第458〜459頁,1985年)にみられる。当
該技術分野において公知であるように、リン脂質は大きさ,形状および極性頭部
基の電荷が異なる。それらは、負に帯電しても正に帯電していてもよく、また中
性であってもよい。リン脂質のうち、負に帯電したリン脂質が好ましい。
ホスホグリセライドは負に帯電したリン脂質であり、最も好ましい二重層成分
である。ホスホグリセライドは、グリセロールの基本的な1つの水酸基が燐酸に
よりエステル化され、他の2つの水酸基が脂肪酸でエステル化された化合物であ
る。したがって、一連の親化合物はグリセロールの燐酸エステルである。この親
化合物には不斉炭素原子があり、それ故にホスホグリセライドなる用語は立体異
性体を包含する。全てのホスホグリセライドはpH7で燐酸基に負電荷を有して
おり、燐酸基のpKaは1〜2の範囲にある。ホスファチジルイノシトール,ジ
ホスファチジルグリセロール(一般名カルディオリピン)を含むホスファチジル
グリセロールおよびホスファチジル糖類の頭部基は電荷を持たない。その高水酸
基含量のためいずれも極性がある。燐酸基の電荷が負であり頭部基に電荷がない
ため、上記各物質の正味電荷は負である。さらに、ホスファチジルセリンの頭部
基は、α−アミノ基(pKa10)とカルボキシル基(pKa3)を含む。上記分
子はpH7で2個の負電荷と1個の正電荷を含むので、正味電荷が負となる。
また、正味電荷が正のリン脂質錯体も本発明の範囲内にあるが、これらの物質
は価格と品不足の理由からあまり好ましくない。本発明の範囲内にある正に帯電
したリン脂質錯体の例としては、塩基性のアシルアミノ酸基を含むものかある。
かかる化合物は、O−アミノアシルホスファチジルグリセロール類群の下位グル
ープに属する。
ホスファチジルエタノールアミンにおけるエタノールアミンのようなリン脂質
の頭部基はpH7で正電荷を有しており、それ故にこれら2つのホスホグリセラ
イドは正味電荷を持たない双極性の双極イオンとなっている。かかる化合物も本
発明に従って使用することができる。
当業者にとっては公知であるが、リン脂質は卵黄や大豆等の種々の資源から入
手可能である。商業的に入手可能なリン脂質の1つの形態は、商標名レシチンと
して市販されている。これらリン脂質は、典型的には、グリセライド,コレステ
ロール,コレステロールエステル等の中性脂質、ホスファチジルコリン,ホスフ
ァチジルエタノールアミン等の正味電荷が0のリン脂質、各種不飽和および飽和
脂肋酸、ホスファチジルグリセロール,ホスファチジルイノシトール,ホスファ
チジン酸等の帯電したリン脂質などの成分からなる混合物である。帯電したリン
脂質は、通常は、使用する資源や抽出法に応じて全濃度が典型的には約1%〜1
00%の間にある様々な濃度で天然物中に含まれている。
二重層の形成に好適な他の種類の物質は、中性ではあるが極性のあるグリセラ
イド、特にトリグリセライドである。グリセライドはグリセロールと脂肪酸のエ
ステルである。スキンケア組成物の調製に二重層成分として用いられる好ましい
グリセライドは、下記の一般式で表されるトリグリセライドである。ここで、R、R’およびR”はそれぞれ脂肪酸残基である。脂肪酸は14〜28
の炭素原子数を有し、グリセロールとエステル化してモノ−,ジ−またはトリグ
リセライドを形成する代表的な脂肪酸としては、ミリスチン酸,パルミチン酸,
パルミトオレイン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,リ
シノール酸,ガドレイン酸,アラキドン酸,ベヘン酸,セトレイン酸,エルカ酸
等が挙げられる。
グリセライドの形成に用いられる脂肪酸の原料としては、ココナッツ油,パー
ム油,動物脂,オリーブ油,落花生油,ひまわり油,綿実油,亜麻仁油,ヒマシ
油,魚脂,菜種油等の油脂が挙げられる。これらの物質は当該技術分野において
周知である。
リン脂質とグリセライドは共に、スキンケア調合剤の調製時に単独でまたは互
いに組み合わせて用いることができる。これらの物質は、正常な皮膚中に存在す
る天然物であるため、副作用を心配することなく皮膚に塗布することができる。
しかも、これらの物質は、極性の頭部基を有するため親水性があり、この親水性
がリン脂質およびグリセライドを表皮に浸透させる駆動力を創り出し、角質層内
に二重層構造を形成する。負の正味電荷を輸送するリン脂質は、グリセライドよ
り実質的に速い速度で皮膚に浸透する。
二重層成分の他に、本発明のスキンケア組成物に中性脂質を含有させることが
望ましい。理論によって拘束されるものではないが、中性脂質は二重層における
無極性末端基に沿って整列した層6(図1参照)を形成すると考えられる。さら
に、この層は角質細胞間の滑らかさを高めるだけでなく、皮膚からの水の蒸発を
防止するのに役立つと考えられる。本発明の目的に好適である代表的な中性脂質
としては、ポリイソプレン類、コレステロール等のステロイド類、ワックス類や
他のモノエステル、コレステロールエステル類や他のステロールエステル類、重
合反応により合成される合成アルカン類、シメタコン(simethacone)等の珪素
含有オイルなどが挙げられる。好ましい中性脂質はオイルであり、最も好ましい
ものは無極性のオイルである。
当該技術分野において公知であるが、オイルは動物,植物,ナッツ,石油等か
ら由来してもよい。動物,植物の種子,ナッツ由来のものは、脂肪に類似してい
るため、非常に多くの極性の酸および/またはエステル基を含んでおり、故に本
発明の目的にはあまり好ましくない。一方、石油由来のオイルは、通常、本質的
に極性の置換基を含まない脂肪族または芳香族炭化水素であり、故にオイルを精
製した場合にヒトの組織に適合する限り、本発明の目的にとって好ましい。最も
好ましいオイルは炭素原子数10〜50の炭化水素油であり、特に炭素原子数1
4〜26の飽和n−アルカンまたはイソアルカン炭化水素である。不飽和アルケ
ン炭化水素も使用できるが、二重結合が酸化されやすいので、化学的にあまり安
定でない。
本発明に従って治療用組成物を皮膚に局所的に塗布した後には、図面の図2に
描写図として示すように、角質細胞間に層板(ラメラ)が形成すると考えられる
。図2には、水層12で離間された複数の二重層11からなる層板(ラメラ)に
よって離間された角質細胞10が図示されている。二重層と水層からなる層板(
ラメラ)は、前述した図面の図1に一層明瞭に図示されている。角質細胞間の空
隙を層板(ラメラ)が充填しているため、滑らかさが付与されることが分かるで
あろう。角質細胞と一緒に結合し、これにより皮膚表面から皮膚のかけらが剥が
れるのを防止する天然のセラミド13によって、構造に剛性が付加される。また
、先に記載したように、二重層の疎水性末端に沿って整列した二重層形成物中に
中性脂質(図面に示してないが)が存在すると考えられる。
スキンケア組成物における二重層成分および中性脂質を混合物として直接皮膚
に局所的に塗布すると、有益な結果が生じる。しかし、この天然の物質は、典型
的には粘稠な流体からどろどろした、更に非常に粘稠な半固体にまで及ぶ粘稠性
を有する。このような形態では、成分に美的な魅力がなく、皮膚に緩やかに拡散
する油性層が皮膚表面に形成される。したがって、局所スキンローションをベー
スとしたものまたは担体に上記物質を含有させることが望ましい。局所担体は、
医薬または化粧品を皮膚に局所的に塗布するに好適な担体物質として公知であり
、例えば液状または非液状担体、ケル、クリーム、軟膏、ローション、乳化剤、
溶剤、液状の希釈剤等の化粧品および医薬の分野において公知の物質を含有し、
生命のある動物組織に副作用を及ぼしたり有害な方法で組成物の他の成分と相互
に作用し合うことがないものである。
担体として用いられる特定の物質としては、水、液状アルコール、液状グリコ
ール、液状ポリアルキレングリコール、液状エステル、液状アミド、液状蛋白加
水分解物、液状アルキル化蛋白加水分解物、液状ラノリンとその誘導体、その他
の類似物質などがある。代表的な担体としては、水、例えばエタノール、イソプ
ロパノール、グリセロール、ソルビトール、2−メトキシエタノール、ジエチレ
ングリコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、マンニトール、セ
チルアルコール、プロピレングリコール等のモノおよび多価アルコール類、ジエ
チルエーテル,ジプロピルエーテル等のエーテル類、ポリエチレングリコール類
やメトキシポリオキシエチレン類、分子量が200〜20,000の範囲にあるカルボワ
ックス、ポリオキシエチレングリセロール類、ポリオキシエチレン、ソルビトー
ル類、ステアロイルジアセチン(stearoyl diacetin)などが挙げられる。親油
性成分と親水性成分を調整するために、アルコールと水の双方を含有する局所担
体が好ましい。
上記したものの他に、典型的な局所担体は、皮膚用および化粧品用の軟膏やロ
ーションに一般的に用いられている他の剤や成分が含まれる。例えば、水酸化ナ
トリウム,クエン酸ナトリウム,EDTA四ナトリウム等のpH調整剤や緩衝液
、賦形剤、メントール等の香料、酸化亜鉛、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、
酸化チタン等の不透明化剤(opacifiers)、ジクロロベンジルアルコール、安息
香酸、メチルパラベン、フェニルカルビノール等の保存剤、抗酸化剤、ワセリン
、ミネラルワックス等のゲル化剤、カルボキシメチルセルロース等の濃化剤、安
定剤、界面活性剤、軟化剤、着色剤、その他を担体に存在させることができる。
スキンケア製品に二重層成分および中性脂質を添加して、その他の目的に役立
てることができる。かかる物質には、日光遮断剤,日焼け止め剤,慣用の湿潤化
剤等がある。あるいは、エアゾールとしてあるいは当業者にとって明白と思われ
る他のいかなる形態で、上記成分を皮膚に塗布してもよい。
本発明の好ましい態様においては、水性の水中油型エマルジョン、クリームま
たはローションの形態をした局所担体中の二重層成分および中性脂質を、皮膚に
塗布する。
また、本発明の組成物には当該技術分野において公知の薬学的活性剤又は医薬
を含有させてもよく、該医薬は望ましい局所的作用または全身的作用を促す局所
的投与に好適な化学物質を意味する。かかる物質としては、通常身体表面および
皮膚等の膜を通じて投与される広範な種類のオイルまたは水可溶性化合物等があ
る。一般に、これらの化合物には、全ての主要な治療分野における治療薬が含ま
れ、特に限定されるものではないが、抗生物質や抗ウィルス剤等の抗感染剤、鎮
痛剤とその組合せ、食欲減退剤、抗リューマチ剤、抗喘息剤、鎮痙剤、抗うつ剤
、抗糖尿病剤、抗下痢剤、抗ヒスタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、抗偏頭痛剤、抗
乗物酔い剤、抗嘔気剤、抗腫瘍剤、抗パーキンソン薬、抗掻痒剤、抗精神病剤、
解熱剤、胃腸系および泌尿系抗痙彎剤、抗コリン剤、交感神経興奮剤、キサンチ
ン誘導体、カルシウムチャンネルブロッカー、β−ブロッカー等の冠状動脈系医
薬、抗不整脈剤、血圧低下剤、利尿剤、冠状動脈、末梢血管、大脳血管や一般の
血管に対する血管拡張剤、中枢神経興奮剤、咳や風邪の調剤、鬱血除去剤、診断
剤、ホルモン剤、催眠剤、免疫抑制剤、筋肉弛緩剤、副交感神経抑制剤、神経興
奮剤、鎮静剤、トランキライザー、麻酔剤、ビタミン剤などおよびこれらの組合
せが挙けられる。薬学的活性剤の量は、無毒性と定義される範囲内での有効量で
あるが、所望の箇所または全身の患部に与えて全ての医学的治療に付随する利益
と危険性の合理的な兼ね合いで治療成績を上げるに充分な量である。
この他に、局所担体は、薬学的活性剤を皮膚に投与させるために、皮膚の透過
性を高める物質として定義される浸透向上剤を1種またはそれ以上の活性剤に含
有していてもよい。皮膚の透過性を高める各種化合物は、当該技術分野において
公知である。例えば、米国特許第4,006,218号明細書,米国特許第3,551,554号明
細書および米国特許第3,472,931号明細書に、角質層に透過する局所塗布物質の
吸収性を高めるジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド
(DMF)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)の使用が、それぞれ
記載されている。皮膚透過性を高める他の化合物としては、デシルメチルスルホ
キシド(C10MSO)、ポリエチレングリコールモノラウレート(PEGML;
米国特許第4,568,343号明細書参照)、1−置換アザシクロヘプタン−2−オン
類、中でも1−n−ドデシルシクロアザシクロヘプタン−2−オン(商標名アゾ
ン(Azone)としてNelson Research & Development Co.,Irvine,Californiaか
ら入手可能;米国特許第3,989,816号明細書,米国特許第4,316,893号明細書およ
び米国特許第4,405,616号明細書参照)が使用されてきた。その他の添加剤とし
ては、浸透圧上昇剤および浸透圧低下剤を含んでもよい。
本明細書に記載のように、本発明のスキンケア組成物は、局所担体に含有され
る二重層成分と中性脂質の組合せからなることが好ましい。二重層成分の濃度は
、幅広い限度内で広範にわたり、健康な皮膚内に見い出される層板(ラメラ)を
複製するに充分な量で用いられ、この量は一般に、全組成物の重量に対して0.
05〜35重量%の範囲にあり、より好ましくは組成物中に1.0〜25重量%
の範囲である。中性脂質成分は、広範な濃度で組成物に含有させることができ、
全組成物の重量に対して0.1〜35重量%の範囲にあることが好ましく、組成
物中に1.0〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
本発明のスキンケア組成物は、従来の皮膚湿潤化剤と本質的に同様の方法で皮
膚の治療に使用される。そして、一日に少なくとも1回、より好ましくは朝とタ
方の2回、組成物を皮膚に擦り付けて使用する。皮膚障害がより深刻な場合には
より頻繁に塗布する必要がある。用いる局所担体に応じて、組成物は、通常、典
型的には患部を覆うのに充分な量で皮膚に塗布して、皮膚上に薄い被膜を形成す
る。過剰量は必ずしも必要でない。上記組成物は、用いる局所担体にもよるが、
徐々に、典型的には1〜10分内に皮膚内に推移する。
本発明は以下の実施例によって一層理解されるであろう。各実施例では、下記
の2つの調合剤のうちの1つを使用した。乳液調合剤では、リン脂質濃度は望ま
しいものより低くなっており、より高濃度のリン脂質を用いると一層良好な結果
が得られるであろう。
乳液調合剤
成 分 濃度(重量%)
ジミリスチルホスファチジルグリセロール 0.05
鉱油(Drakeol 35) 10.00
ポリオキシル40ステアレート(Myrj52) 0.15
エチレンジアミン四酢酸 0.10
塩化ナトリウム 0.67
水 残 量
pH 6.94
クリーム調合剤
成 分 濃度(重量%)
クリームのビヒクル
パルミチン酸イソプロピル 8.0
セチルアルコール 0.8
ステアリルアルコール 1.0
蜜鑞 0.4
ステアリン酸 2.0
グリセロールモノステアレート 2.0
水酸化ナトリウム 0.4
ミリスチン酸ミリスチル 2.4
プロピレングリコール 8.0
ベンジルアルコール 0.6
メチル−プロピルパラベン混合物 0.4
カーボポール934 0.6
オレイン酸 2.6
アルラセル(Arlacel)−60 1.6
トウィーン60 2.4
水 〜100(全体)
水素化トリグリセライド 30.00
実施例1
・診断:角眼瞼炎(angular blepharitis)
・病歴:過去5年間両瞼の外側の隅が慢性的に充血していた。
・患部の物理的外観:両眼の目尻側端部(側頭部側の両瞼接合部)が充血し、常
に鱗屑が付着している炎症がみられた。また、目尻側端部の皮膚および両眼の端
部から延びる窪み部分の皮膚に裂目と裂溝がある。
・過去の治療:クリームは効目がなかった。シナラー(Synalar:ステロイド)
を用いると治るが、常に症状がぶり返した。
・治療養生法:少量のクリーム調合剤を用い、一日3回患部に擦り付けた。
・結果:2週間で50%改善し、3週間で75%改善し、4週間で90%改善し
た。
・注釈:ステロイドしか効果がなく、一方でステロイドの継続的な使用は皮膚を
薄くすると考えられるため、一方の対照として片方に以前の薬物療法を採用する
ことを患者は望まなかった。
実施例2
・診断:角眼瞼炎(angular blepharitis)
・病歴:目の症状−瞼板腺機能障害により円錐角膜が酷く悪化して泡が出ていた
。泡は明らかに、脂肪酸の生成により目尻の外側の皮膚が角眼瞼炎(angular bl
epharitis)になり、そこに最終的に微生物が付着した結果である。角眼瞼炎(a
ngular blepharitis)の症状は2年間続いていた。
・患部の物理的外観:両眼の側頭部側端部(瞼が重なり合う外側の隅部)におけ
る皮膚が充血し、鱗屑が付着した炎症がみられた。眼の側頭部側端部の皮膚およ
び両眼の端部から延びる窪みに微小な裂溝と裂目があった。
・過去の治療:ステロイド以外全ての治療は失敗に終わった。
・治療養生法:必要に応じて乳液調合剤を一日2、3回患部に擦り付けた。
・結果:2、3週間で殆ど全ての充血が消え失せ、炎症が消散し、鱗屑がなくな
った。
実施例3
・診断:患部の治癒が不可能な前期癌様基底細胞の損傷
・病歴:長く日光に当たったため基底細胞が傷ついた。
・患部の物理的外観:頬骨の頂面に位置する、大きさ5〜8mmの頑固な紅斑が
患部全体に時折緩やかながら大量に出血した跡がある。
・過去の治療:一般的に用いられる多くのクリームを1年間利用した。症状が消
え失せないときは、デソウェン(Desowen)ステロイドクリーム(.05%)が
皮膚科医により処方された。一日3回、3ヶ月間にわたり使用したにもかかわら
ず、患部は完治しなかった。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日2回患部に塗布した。
・結果:塗布開始から6日目までは顕著な変化はなかった。7日目までに充血が
20%改善した。8〜14日間改善が継続した。20日目までに症状が90%解
消した。
実施例4
・診断:湿疹
・病歴:対立筋ポリシス(pollicis)上の右親指に再発性の皮疹斑点があった。
症状が3年間にわたり断続的に現れた。
・患部の物理的外観:色素沈着過度、紅斑、盛り上がり、鱗屑が見られる。滲出
や泡立ちはない。灼熱感と痒みの自覚症状がある。集中暖房により症状が悪化し
た。
・過去の治療:乾燥した皮膚用のコーテイド(cortaid:OTC局所ステロイド)
と他の湿潤化剤を使用した。ステロイドクリームは効果があったが、他のクリー
ムは効目がなかった。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日4回患部に塗布した。
・結果:灼熱感と痒みは24時間以内に収まった。紅斑と色素沈着過度はたった
2回の塗布後に著しく減少した。症状は4日後に殆ど完全に解消した。一日2回
の塗布を継続することにより再発を防止した。
実施例5
・診断:慢性的にかさかさした肘
・病歴:乾燥と露出による表皮の損傷が約2年間あった。
・患部の物理的外観:慢性的に露出されている肘の患部に対応した充血があり、
堅い(殆どセルロース化している)表皮に裂溝がある。痛むため肘が折り曲げら
れないという自覚症状がある。
・過去の治療:殆どがユーセリン(Eucerin)であるが、各種の乾燥皮膚クリー
ムを夜に塗布した。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日4回1週間患部に塗布した。
・結果:最初の2ヶ日問は変化がなかった。その後周囲の皮膚が柔らかくなった
。7ヶ日目に全ての充血が消え、皮膚にもはや裂溝がなくなり、血管の脈動に対
し
て柔らかく反応した。治療中止1週間後に症状が再発したが、程度は軽かった。
実施例6
・診断:かさかさした皮膚
・病歴:踵の裏側に慢性的な乾燥と皮膚の裂溝がみられた。その他、日光に当て
た後の皮膚の皮剥けが激しく、毛を剃り落とした後に大腿部内側に剃刀まけが生
じた。10年間にわたり毎年5月から10月にかけてこの症状が現れた。
・患部の物理的外観:踵−踵の裏側に荒れ、セルロース化および裂溝の症状が続
いている。毛を剃り落とした後に大腿部に皮疹がみられ、剃刀まけが生じていた
。太陽に当たると全身に重度の剥離が生じる。
・過去の治療:殆どがエリザベス・グレイディ(Elizabeth Grady)、ランコム
(Lancome),クリニーク(Clinique)等の高価なブランド品のスキンクリーム
を使用した。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日2回1週間塗布した。
・結果:踵−24時間以内に充血がとれた。一日3回の塗布で皮膚が柔らかくな
り治癒した。シャワーを浴びてクリームを投与すると、毛を剃り落とした後の大
腿部に変化がみられなかった。太陽に当たっても、クリームを塗布した皮膚部分
は皮が剥けなかった。
実施例7
・診断:眼瞼縁炎
・病歴:子供時代からの激しい痒みと不快感に関連した慢性的な悩みかあった。
症状は約20年間続いた。
・患部の物理的外観:瞼辺縁に炎症があり、睫毛と瞼辺縁に鱗屑と瘡蓋がある。
・過去の治療:瞼をよく洗い、OTCクリームとステロイド軟膏が眼科医により
処方された。
・治療養生法:乳液調合剤を一日3、4回塗布した。
・結果:3、4日後に著しい改善がみられた。10日後の検査では、消え失せ瞼
辺縁の90%が治り、OTCクリーム療法や同等のステロイド療法に対して劇的
な効果を示した。痒みと不快感からも完全に解放された。
実施例8
・診断:眼瞼縁炎(脂漏性)
・病歴:紅斑のある充血した瞼とこれに関連した不快感に長い間悩むと共に、約
10年間継続して慢性的に眼が充血していた。
・患部の物理的外観:瞼辺縁が酷く腫れ上がり、睫毛の基部および睫毛に沿って
多くの鱗屑と瘡蓋があった。また、瞼辺縁は血管が拡張し鱗屑を伴っていた。
・過去の治療:瞼の瘡蓋をとる特別な調合剤を含むあらゆる治療を試みた。脂漏
性眼瞼縁炎の慢性症状をコントロールするために、眼科医の処方したステロイド
が必要であった。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日3、4回塗布した。
・結果:1週間後の観察では有意な改善は見られなかった。2週間後に急性相の
劇的な改善が生じ、瞼の充血が消え失せ、炎症が認められなかった(予期した通
り、瞼辺縁上の血管の膨らみは残った)。自覚症状は全面的になくなった。
実施例9
・診断:苔癬化と皮膚の斑点の強弱とを伴った頑固で重度の湿疹
・病歴:激しい痒みを伴った全身の皮膚の苔癬化、鱗屑と赤斑状裂溝のある症状
が33年間続いた。この症状は相当重いので1年に1回以上入院する必要があっ
た。
・患部の物理的外観:試験筒所−脚の前表面(臑)。常に激しい痒みの兆候,大
量の鱗屑(剥離)の兆候,皮膚の赤斑,苔癬化および皮膚の斑点の強弱を含む症
状があった。症状は重く、ステロイドを頻繁に使用したため皮膚が薄くなってい
た。
・過去の治療:全身性ステロイド(プレドニソン)の経口投与とコールドタール
、(cold tars)軟膏の局所的塗布および吸蔵させた包帯による治療養生法を実施
した。
・治療養生法:開始から2週間、クリーム調合剤を一日2回塗布した。
・結果:治療開始から2週間後に鱗屑が完全になくなった。皮膚は滑らかになり
、ステロイドクリームで同時に治療した反対側の脚の裏側の皮膚と同程度となっ
た。皮膚の色ときめに変化はなかった。皮膚の斑点の強弱も変化はなかった。痒
みの兆候は両脚共なくなった。
実施例10
・診断:腕,脚および首の局部的な湿疹
・病歴:腕,脚および首に10年間にわたって湿疹が再発し、乾燥した冬に悪化
した。
・患部の物理的外観:湿疹(充血)に関連して典型的な鱗屑と皺が見られた。
・過去の治療:非ステロイド系クリーム療法により通常の治療を行ったが最低限
の効果しかなかった。ステロイドを用いると効果はあったが、皮膚科医は必要な
時に最低限使用するように患者に忠告した。
・治療養生法:クリーム調合剤を一日6回まで必要な時に左腕と左脚に擦り付け
て塗布した。右腕と右脚の治療−患者のそれまで用いていた非ステロイド系クリ
ームを用いた同じ方法で、右腕と右脚を治療した。
・結果:左腕と左脚−2週間後に25%改善した。4週間後に70%改善した。
対照−非ステロイド系クリームを用いて右腕と右脚を治療した。治療を2週間継
続して検査したところ、10%以下の改善が観察され、更に4週間治療を継続し
た。
実施例11
・診断:腕の局部的な乾癬
・病歴:特に重度なのは腕にみられるが、身体の大半の部分に10年以上にわた
り乾癬が再発した。症状は他の季節よりも冬に酷かった。
・患部の物理的外観:典型的な乾癬としては、血管が現れている小さな患部の皮
膚に外傷、充血および剥ぎ取りが見られる。
・過去の治療:何度か病院に通って皮膚科医からタール療法(tar treatment)
を受けた他に、非ステロイド系クリーム,ステロイドクリームを用いて治療した
長い経歴がある。
・治療養生法:クリーム調合剤を必要に応じて一日6回までに左腕に用いた。左
腕と同じ方法と同じ頻度で、カウンタークリーム上に以前用いた非ステロイド系
クリームを上塗りして右腕を治療した。
・結果:クリームを用いた左腕−2週間後に30%改善した。4週間後に50〜
70%改善した。対照クリームを用いた右腕−2週間後には著しい改善はな
かった。4週間後には最大25%改善した。
実施例12
・診断:眼の下の顔面と瞼の局部的な湿疹
・病歴:両眼下の頬上部の皮膚表面に湿疹の箇所が10年以上存在したとの報告
を受けた。症状は冬に、また塩素殺菌したプールで水泳した時に悪化した。
・患部の物理的外観:両眼下の患部はほぼ等しく、ほぼ幅が40mm高さが25
mmある。両眼と睫毛の直下の外側皮膚に湿疹の患部がある。皮膚の赤斑(充血
)に付随した患部および剥離と剥ぎ取りの斑な患部がある。瘡蓋の付いた小水泡
がある。
・過去の治療:眼科医により抗生物質とステロイドクリームを用いた治療が行わ
れた。症状はステロイドに部分的に反応した。
・治療養生法:左眼の下の患部に一日3回乳液調合剤を塗布して擦り付けた。対
照として右眼の下の患部を以前の抗生物質療法により治療した。
・結果:乳液による2週間の治療後に75%が消えた。4週間後に90%が消え
失せた。以前の抗生物質療法により治療した反対側は、2週間後にはさほど改善
されず、4週間後にほんの僅かの改善を示した。
実施例13
・診断:眼の下の皮膚の局部的な湿疹
・病歴:両眼の下の箇所に湿疹が5年間続いた。
・患部の物理的外観:ほぼ幅が30mm高さが10mmある薄い鱗状に乾燥した
皮膚が湿疹(充血)により悪化し、吹き出物と瘡蓋の付いた小水泡の患部が斑に
露出している。
・過去の治療:各種の抗生物質療法による治療が皮膚科医により行われたが、ほ
んの一部しか効かなかった。
・治療養生法:乳液調合剤を一日2、3回必要な時に左眼の患部に擦り付けた。
対照として同じ塗布頻度で一日2、3回右眼の下の患部を以前の抗生物質療法に
より治療した。
・結果:乳液による1週間の治療後に50%が消え失せた。2週間後に75%が
消え失せた。3週間後に左側の85%が消え失せた。対照として以前の療法によ
り治療した右側は、2、3週間に最低限の改善を示したが、一時的な改善に留ま
り日毎に改善と悪化を繰り返したとの報告が患者からあった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/00 617 A61K 31/00 617
31/661 31/661
47/44 47/44
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
(72)発明者 トーマス・グロネック
アメリカ合衆国、60304、イリノイ州オー
ク・パーク ハイランド・アベニュー
803
(72)発明者 ジャック・ブイ・グレイナー
アメリカ合衆国、01890−1435、マサチュ
ーセッツ州 ウインチェスター、ハイラン
ド・アベニュー 149