JP2004200533A - デバイスの放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】面発光素子等の表面に放熱部材を載置できないデバイスであっても、ファンや電子冷却器を使わないで、小型軽量で安価な放熱構造を提供する。
【解決手段】デバイス4の裏面がプリント基板6の表面に対向し、デバイス4の表面が大気に接してプリント基板6に実装されたデバイス4の放熱構造であって、デバイス4を取り囲むように大気と連通する孔8が設けられた凸部1を有する上部放熱板2と、断面略L字形状または略コ字形状の下部放熱板3とを設け、凸部1と下部放熱板3とで前記プリント基板1を密着するように挟み込み、上部放熱板2と下部放熱板3を連結した。
【選択図】 図2
【解決手段】デバイス4の裏面がプリント基板6の表面に対向し、デバイス4の表面が大気に接してプリント基板6に実装されたデバイス4の放熱構造であって、デバイス4を取り囲むように大気と連通する孔8が設けられた凸部1を有する上部放熱板2と、断面略L字形状または略コ字形状の下部放熱板3とを設け、凸部1と下部放熱板3とで前記プリント基板1を密着するように挟み込み、上部放熱板2と下部放熱板3を連結した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の放熱構造、特に、デバイスの表面に直接ヒートシンクを取り付けて放熱するができない場合にデバイスが実装されているプリント基板から放熱させるデバイスの放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板に実装されるデバイスからの放熱は、主に以下の4つの方法が用いられている。
(1)デバイスの表面から直接熱を大気へ逃がす方法。
(2)デバイスの表面から熱の良導体である金属等へ熱伝導させ、熱を大気へ逃がす方法(例えば、特許文献1参照。)。
(3)デバイスが実装されたプリント基板へ熱伝導させ、プリント基板から直接熱を大気に逃がす方法。
(4)デバイス表面から輻射させて大気へ熱を逃がす方法。
【0003】
しかし、上記の方法のそれぞれに対し、以下の問題がある。
上記(1)については、狭い装置筐体内の空間で、大気の流動性が悪い場合、放熱効果は期待できないという問題を有する。
また、上記(2)については、ヒートシンク等をデバイスの表面に貼り付ければ効果的に放熱を行うことができるが、デバイス表面が発光面等の場合、金属等により直接熱を逃がすためには、特殊なハウジングおよび金属ケースが必要であるという問題を有する(例えば、特許文献2参照。)。
また、上記(3)については、一般的にプリント基板の熱伝導率は低く、特に薄板、低層構成の場合は、熱の良導体としては期待できないという問題を有する。
さらに、上記(4)については、デバイス表面の輻射率に大きく影響され、光沢のある表面からは、輻射による熱移動は少ないという問題を有する。
【0004】
そこで、前記した問題に対処するため、筐体空間を大きくする、ファン等の強制空冷を用いる、または基板下に電子冷却器を取り付けて放熱させる方法が一般的に用いられている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−196598号公報
【特許文献2】
特開平5−3330号公報
【特許文献3】
特開平5−95062号公報
【特許文献4】
特開平7−287130号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、装置筐体の空間を大きくすると、筐体自体が大型、高重量になり、コストが高くなるという問題があった。また、ファン、電子冷却器等の強制冷却装置を用いた場合も、同様に、装置筐体の空間を大きくする必要があり、大型、高重量および高コストという問題があった。
【0007】
また、デバイスの表面が発光面等の場合、該デバイスの放熱を行うためには、デバイスのほぼ全体を取り囲む特殊なハウジングおよび金属ケースを必要とするという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、かかる問題を解決するために、デバイスの表面を大気に接した状態で、該デバイスの放熱を小型、低重量および安価に行う放熱構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデバイスの放熱構造は、デバイスの裏面がプリント基板の表面に対向し、前記デバイスの表面が大気に接して前記プリント基板に実装されたデバイスの放熱構造において、前記デバイスを取り囲むように大気と連通する孔が設けられた凸部を有する上部放熱板と、断面略L字形状または略コ字形状の下部放熱板とを設け、前記凸部と前記下部放熱板とで前記プリント基板を密着するように挟み込み、前記上部放熱板と前記下部放熱板を連結したものである。この構成により、表面に直接放熱構造を付することができないデバイス、例えば面発光素子であっても、軽量、小型、安価で、しかも効率的にデバイスの放熱をすることができる。
【0010】
請求項2に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板と前記プリント基板の間、および/または前記下部放熱板と前記プリント基板の間に、放熱シートを設けたものである。この構成により、デバイスの熱を、プリント基板を介して上部放熱板および/または下部放熱板に効率的に伝えることができ、表面に直接放熱構造を付することができないデバイス、例えば面発光素子であっても、軽量、小型、安価で、しかも効率的にデバイスの放熱をすることができる。
【0011】
請求項3に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板が装置筐体の上面の一部または全部となり、前記下部放熱板が前記装置筐体の下面および側面の一部または全部となるものである。この構成により、上部放熱板および下部放熱板がそのまま装置の筐体となることから、装置筐体のコストの低減、すなわち、デバイスを搭載した装置のコストを低減することができる。
【0012】
請求項4に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板が装置筐体の上面および側面の一部または全部となり、前記下部放熱板が前記装置筐体の下面の一部または全部となるものである。この構成により、上部放熱板および下部放熱板がそのまま装置の筐体となることから、装置筐体のコストの低減、すなわち、デバイスを搭載した装置のコストを低減することができる。
【0013】
請求項5に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および前記下部放熱板の材質は、銅または黒アルマイト処理されたアルミニウムであるものである。この構成により、デバイスから伝わってきた熱を効率的に大気に逃がすことができる。また、金属等の基台の上に本放熱構造をもつ装置が載置された場合は、下部放熱板が銅または黒アルマイト処理されたアルミニウムからなることから、デバイスから伝わった熱を下部放熱板から前記基台に逃がすことができる。
【0014】
請求項6に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記プリント基板が前記凸部と密着する部分および/または前記プリント基板が前記下部放熱板と密着する部分において、前記プリント基板の表面および/または裏面に銅箔ベタパターンが設けられているものである。この構成により、デバイスからプリント基板に伝わってきた熱を、上部放熱板および/または下部放熱板に伝え易くできる。
【0015】
請求項7に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および/または前記下部放熱板にヒートシンクが取り付けられているものである。この構成により、上部放熱板および/または下部放熱板の表面積が大きくなるため、上部放熱板および/または下部放熱板に溜まった熱を大気に放出し易くなる。
【0016】
請求項8に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および/または前記下部放熱板に複数の凹部を設け、ヒートシンクの機能を持たせたものである。この構成により、上部放熱板および/または下部放熱板の表面積が大きくなるため、上部放熱板および/または下部放熱板に溜まった熱を大気に放出し易くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の放熱構造を示す斜視図であり、図2はその分解図である。図1および図2に示すように、凸部1を有する上部放熱板2と略L字形状の下部放熱板3の間に、デバイス4およびそのドライバ等の電子部品5を実装したプリント基板6を挟み込んで密着させ、前記上部放熱板2および前記下部放熱板3を2本のボルト7で固定させている。
前記上部放熱板2には、前記デバイス4の大きさよりも若干大きい孔8があけられており、前記デバイス4の表面41が大気と連通されている。
【0019】
前記デバイス4は、例えばデバイスの表面41から光を発光させる面発光素子等の発熱温度が高い素子である。このようなデバイス4の裏面がプリント基板と対向して実装され、なおかつ、デバイス4の表面41に直接ヒートシンク等を取り付けて放熱することができない素子を放熱させるためには、プリント基板6を介して放熱させる方法を採らざるを得ない。
【0020】
前記デバイス4により生じた熱は、一部は孔8により大気に放熱するが、その大半はプリント基板6に伝わる。図1の断面図である図4に示すように、前記デバイス4の熱が最も伝わりやすいのは、デバイス4の真下に位置している下部放熱板3である。この下部放熱板3を略L字形状にし、空気に接する側面31を設けることにより、効率良く放熱することができる。なぜなら、側面31に面した大気が下方から上方に向かって対流するためである。
また、前記下部放熱板3を上部放熱板2にボルト7等で連結することにより、下部放熱板3の熱を上部放熱板2に伝えて、大気と接する面積の大きい上部放熱板2から効率的に放熱させることができる。
【0021】
プリント基板6とデバイス4および電子部品5のみにした状態で、デバイス4および電子部品5を連続して動作させた場合のデバイス4の温度は102度であったが、本実施形態に示した放熱構造では、デバイス4の温度は64.7度となり、約38度の温度低減効果があった。
尚、上部本熱板だけの場合のデバイス4の温度は75度であり、下部放熱板だけの場合のデバイス4の温度は74.7度であった。
【0022】
本実施例では、図3に示すように、デバイス4を用いた装置、例えば発光装置の筐体の一部として、上部放熱板2および下部放熱板3を用いているため、発光装置の小型軽量化および低コスト化を行うことができる。
また、前記上部放熱板2および下部放熱板3の材料として熱伝導率の高いアルミニウムまたは銅を採用することができる。アルミニウムについては、黒アルマイト処理を施すことにより、放熱効果を一層高めることができる。
【0023】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0024】
図5に示すように、上部放熱板2とプリント基板6の間と、下部放熱板3とプリント基板6の間に放熱シート13を設けた点が第1実施形態との相違点である。該放熱シートは、柔らかく、放熱板とプリント基板の密着を向上させるものであれば良く、例えば、低硬度のシリコーンゴムを採用することができる。この放熱シート13を用いることにより、上部放熱板2、下部放熱板3とプリント基板6の密着が向上するため、第1実施形態に示した以上に放熱効果を高めることができる。
また、放熱シート13の代わりに、シリコーンを主成分とした放熱接着剤を採用しても同様の効果を得ることができる。
本実施形態においては、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3を固定するために、図1に示したボルト7に加えて、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3を貫通する上下方向の穴を2個あけ、ボルト等でとも締めすることが適している。なぜなら、前記放熱シートまたは放熱接着剤は弾性体であるため、上下方向にボルト等で締めることにより、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3との密着度が向上するからである。
【0025】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0026】
図6に示すように、上部放熱板2に複数の凹部21と、下部放熱板3の側面31に複数の凹部32を設けることにより、上部放熱板2および下部放熱板3の表面積が大きくなり、放熱板自体がヒートシンクの働きをするため、さらに放熱効果を高めることができる。
ここで、下部放熱板3については、図7に示したように、前記した空気の対流ができやすいように凹部を上下方向に設ける方が、左右方向に設けるよりも放熱効果を大きくすることができる。
【0027】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0028】
図7に示すように、上部放熱板2に複数のヒートシンク10を設けることにより、上部放熱板2表面積が実質的に大きくなり、放熱効果を大きくすることができる。
ヒートシンクは市販されているものを採用することができ、ヒートシンク10の下面に前記した放熱シートまたは放熱接着剤を付けることにより上部放熱板2に固定する。
尚、図示を省略したが、下部放熱板3の側面31にも同様にヒートシンクを貼り付けることにより、さらに放熱効果を向上させることができる。
【0029】
(第5実施形態)
図8および図9は、第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0030】
図8は、第1実施形態におけるプリント基板6を下方から見た斜視図であり、プリント基板6に伝わった熱を下部放熱板3に伝えやすいように、プリント基板6の裏面に銅箔ベタパターン11を設けたものである。
この銅箔ベタパターン11は、プリント基板6が下部放熱板3と密着する部分の面積よりも大きい方が適している。プリント基板6の裏面に配線パターンが無ければ、プリント基板7の全面を銅箔ベタパターンにしても良い。
【0031】
図9は、第1実施形態におけるプリント基板6を上方から見た斜視図であり、プリント基板6に伝わった熱を上部放熱板2に伝えやすいように、プリント基板6の表面に銅箔ベタパターン12を設けたものである。
図9では、放熱効率を上げるためにデバイス4の周囲を全て囲んだロ字状の銅箔ベタパターンを例示したが、電子部品5との配線パターンを設けるため、コ字状の銅箔ベタパターンにしても良い。図9に示したロ字状の銅箔ベタパターンの場合は、プリント基板6を多層にし、中間にある層の配線パターンを用いてデバイス4と電子部品5を電気的に接続することになる。
【0032】
図8および図9に示した銅箔ベタパターンを用いることにより、プリント基板6の熱の伝導を良くすることができる。また、プリント基板6の裏面全体に銅箔ベタパターンを設けた場合は、プリント基板自体も放熱機能を持たせることができるため、さらに放熱効率を向上させることができる。
また、銅箔ベタパターンの上にはレジストが無い方が放熱効果を高めることができる。
【0033】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0034】
図10は、第6実施形態における放熱構造を上方から見た斜視図であり、下部放熱板3が略コ字形状である点が第1実施形態との相違点である。プリント基板6の裏面全体を銅箔ベタパターンにし、プリント基板6の裏面全体に放熱シートを貼り付けて下部放熱板3に密着させることにより、さらに放熱効果を高めることができる。
【0035】
前記した実施例1〜6に示したデバイス4の放熱構造は、実際には、外部からのノイズによる影響を無くすため、図3に示した金属等の導電性のあるカバー9で囲った装置として使われることになる。各実施例においては、説明を容易にするため、カバー9の説明を省略した。
尚、カバー9には、装置内部の空気を大気と連通させるための孔91を少なくとも2つ設けることが好ましい。
【0036】
前記した発明の実施の形態は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0037】
例えば、図11に示すように、上部放熱板2が装置筐体の上面および側面になっても良い。
また、例えば、図12に示すように、上部放熱板2が凸部1を有する略T字形状であっても良い。該凸部1に、複数の孔8を設け、該孔8に複数のデバイス4を設けても良い。さらに、図示しないが、上部放熱板2の凸部1は複数であっても良い。
尚、実施例では、デバイスとして面発光素子を例示して説明したが、本発明はこれに限られることはなく、発熱する素子であれば適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
デバイスの表面に直接放熱構造を取り付けることができないデバイスであっても、小型で安価に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する断面図である。
【図5】第2実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する断面図である。
【図6】第3実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図7】第4実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図8】第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図9】第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図10】第6実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図11】本発明に係る他の実施形態を説明する斜視図である。
【図12】本発明に係る他の実施形態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 凸部
2 上部放熱板
3 下部放熱板
4 デバイス
5 電子部品
6 プリント基板
7 ボルト
8 孔
9 カバー
10 ヒートシンク
11 銅箔ベタパターン
12 銅箔ベタパターン
13 放熱シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の放熱構造、特に、デバイスの表面に直接ヒートシンクを取り付けて放熱するができない場合にデバイスが実装されているプリント基板から放熱させるデバイスの放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板に実装されるデバイスからの放熱は、主に以下の4つの方法が用いられている。
(1)デバイスの表面から直接熱を大気へ逃がす方法。
(2)デバイスの表面から熱の良導体である金属等へ熱伝導させ、熱を大気へ逃がす方法(例えば、特許文献1参照。)。
(3)デバイスが実装されたプリント基板へ熱伝導させ、プリント基板から直接熱を大気に逃がす方法。
(4)デバイス表面から輻射させて大気へ熱を逃がす方法。
【0003】
しかし、上記の方法のそれぞれに対し、以下の問題がある。
上記(1)については、狭い装置筐体内の空間で、大気の流動性が悪い場合、放熱効果は期待できないという問題を有する。
また、上記(2)については、ヒートシンク等をデバイスの表面に貼り付ければ効果的に放熱を行うことができるが、デバイス表面が発光面等の場合、金属等により直接熱を逃がすためには、特殊なハウジングおよび金属ケースが必要であるという問題を有する(例えば、特許文献2参照。)。
また、上記(3)については、一般的にプリント基板の熱伝導率は低く、特に薄板、低層構成の場合は、熱の良導体としては期待できないという問題を有する。
さらに、上記(4)については、デバイス表面の輻射率に大きく影響され、光沢のある表面からは、輻射による熱移動は少ないという問題を有する。
【0004】
そこで、前記した問題に対処するため、筐体空間を大きくする、ファン等の強制空冷を用いる、または基板下に電子冷却器を取り付けて放熱させる方法が一般的に用いられている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−196598号公報
【特許文献2】
特開平5−3330号公報
【特許文献3】
特開平5−95062号公報
【特許文献4】
特開平7−287130号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、装置筐体の空間を大きくすると、筐体自体が大型、高重量になり、コストが高くなるという問題があった。また、ファン、電子冷却器等の強制冷却装置を用いた場合も、同様に、装置筐体の空間を大きくする必要があり、大型、高重量および高コストという問題があった。
【0007】
また、デバイスの表面が発光面等の場合、該デバイスの放熱を行うためには、デバイスのほぼ全体を取り囲む特殊なハウジングおよび金属ケースを必要とするという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、かかる問題を解決するために、デバイスの表面を大気に接した状態で、該デバイスの放熱を小型、低重量および安価に行う放熱構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデバイスの放熱構造は、デバイスの裏面がプリント基板の表面に対向し、前記デバイスの表面が大気に接して前記プリント基板に実装されたデバイスの放熱構造において、前記デバイスを取り囲むように大気と連通する孔が設けられた凸部を有する上部放熱板と、断面略L字形状または略コ字形状の下部放熱板とを設け、前記凸部と前記下部放熱板とで前記プリント基板を密着するように挟み込み、前記上部放熱板と前記下部放熱板を連結したものである。この構成により、表面に直接放熱構造を付することができないデバイス、例えば面発光素子であっても、軽量、小型、安価で、しかも効率的にデバイスの放熱をすることができる。
【0010】
請求項2に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板と前記プリント基板の間、および/または前記下部放熱板と前記プリント基板の間に、放熱シートを設けたものである。この構成により、デバイスの熱を、プリント基板を介して上部放熱板および/または下部放熱板に効率的に伝えることができ、表面に直接放熱構造を付することができないデバイス、例えば面発光素子であっても、軽量、小型、安価で、しかも効率的にデバイスの放熱をすることができる。
【0011】
請求項3に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板が装置筐体の上面の一部または全部となり、前記下部放熱板が前記装置筐体の下面および側面の一部または全部となるものである。この構成により、上部放熱板および下部放熱板がそのまま装置の筐体となることから、装置筐体のコストの低減、すなわち、デバイスを搭載した装置のコストを低減することができる。
【0012】
請求項4に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板が装置筐体の上面および側面の一部または全部となり、前記下部放熱板が前記装置筐体の下面の一部または全部となるものである。この構成により、上部放熱板および下部放熱板がそのまま装置の筐体となることから、装置筐体のコストの低減、すなわち、デバイスを搭載した装置のコストを低減することができる。
【0013】
請求項5に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および前記下部放熱板の材質は、銅または黒アルマイト処理されたアルミニウムであるものである。この構成により、デバイスから伝わってきた熱を効率的に大気に逃がすことができる。また、金属等の基台の上に本放熱構造をもつ装置が載置された場合は、下部放熱板が銅または黒アルマイト処理されたアルミニウムからなることから、デバイスから伝わった熱を下部放熱板から前記基台に逃がすことができる。
【0014】
請求項6に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記プリント基板が前記凸部と密着する部分および/または前記プリント基板が前記下部放熱板と密着する部分において、前記プリント基板の表面および/または裏面に銅箔ベタパターンが設けられているものである。この構成により、デバイスからプリント基板に伝わってきた熱を、上部放熱板および/または下部放熱板に伝え易くできる。
【0015】
請求項7に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および/または前記下部放熱板にヒートシンクが取り付けられているものである。この構成により、上部放熱板および/または下部放熱板の表面積が大きくなるため、上部放熱板および/または下部放熱板に溜まった熱を大気に放出し易くなる。
【0016】
請求項8に記載のデバイスの放熱構造は、請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、前記上部放熱板および/または前記下部放熱板に複数の凹部を設け、ヒートシンクの機能を持たせたものである。この構成により、上部放熱板および/または下部放熱板の表面積が大きくなるため、上部放熱板および/または下部放熱板に溜まった熱を大気に放出し易くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の放熱構造を示す斜視図であり、図2はその分解図である。図1および図2に示すように、凸部1を有する上部放熱板2と略L字形状の下部放熱板3の間に、デバイス4およびそのドライバ等の電子部品5を実装したプリント基板6を挟み込んで密着させ、前記上部放熱板2および前記下部放熱板3を2本のボルト7で固定させている。
前記上部放熱板2には、前記デバイス4の大きさよりも若干大きい孔8があけられており、前記デバイス4の表面41が大気と連通されている。
【0019】
前記デバイス4は、例えばデバイスの表面41から光を発光させる面発光素子等の発熱温度が高い素子である。このようなデバイス4の裏面がプリント基板と対向して実装され、なおかつ、デバイス4の表面41に直接ヒートシンク等を取り付けて放熱することができない素子を放熱させるためには、プリント基板6を介して放熱させる方法を採らざるを得ない。
【0020】
前記デバイス4により生じた熱は、一部は孔8により大気に放熱するが、その大半はプリント基板6に伝わる。図1の断面図である図4に示すように、前記デバイス4の熱が最も伝わりやすいのは、デバイス4の真下に位置している下部放熱板3である。この下部放熱板3を略L字形状にし、空気に接する側面31を設けることにより、効率良く放熱することができる。なぜなら、側面31に面した大気が下方から上方に向かって対流するためである。
また、前記下部放熱板3を上部放熱板2にボルト7等で連結することにより、下部放熱板3の熱を上部放熱板2に伝えて、大気と接する面積の大きい上部放熱板2から効率的に放熱させることができる。
【0021】
プリント基板6とデバイス4および電子部品5のみにした状態で、デバイス4および電子部品5を連続して動作させた場合のデバイス4の温度は102度であったが、本実施形態に示した放熱構造では、デバイス4の温度は64.7度となり、約38度の温度低減効果があった。
尚、上部本熱板だけの場合のデバイス4の温度は75度であり、下部放熱板だけの場合のデバイス4の温度は74.7度であった。
【0022】
本実施例では、図3に示すように、デバイス4を用いた装置、例えば発光装置の筐体の一部として、上部放熱板2および下部放熱板3を用いているため、発光装置の小型軽量化および低コスト化を行うことができる。
また、前記上部放熱板2および下部放熱板3の材料として熱伝導率の高いアルミニウムまたは銅を採用することができる。アルミニウムについては、黒アルマイト処理を施すことにより、放熱効果を一層高めることができる。
【0023】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0024】
図5に示すように、上部放熱板2とプリント基板6の間と、下部放熱板3とプリント基板6の間に放熱シート13を設けた点が第1実施形態との相違点である。該放熱シートは、柔らかく、放熱板とプリント基板の密着を向上させるものであれば良く、例えば、低硬度のシリコーンゴムを採用することができる。この放熱シート13を用いることにより、上部放熱板2、下部放熱板3とプリント基板6の密着が向上するため、第1実施形態に示した以上に放熱効果を高めることができる。
また、放熱シート13の代わりに、シリコーンを主成分とした放熱接着剤を採用しても同様の効果を得ることができる。
本実施形態においては、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3を固定するために、図1に示したボルト7に加えて、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3を貫通する上下方向の穴を2個あけ、ボルト等でとも締めすることが適している。なぜなら、前記放熱シートまたは放熱接着剤は弾性体であるため、上下方向にボルト等で締めることにより、上部放熱板2、プリント基板6および下部放熱板3との密着度が向上するからである。
【0025】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0026】
図6に示すように、上部放熱板2に複数の凹部21と、下部放熱板3の側面31に複数の凹部32を設けることにより、上部放熱板2および下部放熱板3の表面積が大きくなり、放熱板自体がヒートシンクの働きをするため、さらに放熱効果を高めることができる。
ここで、下部放熱板3については、図7に示したように、前記した空気の対流ができやすいように凹部を上下方向に設ける方が、左右方向に設けるよりも放熱効果を大きくすることができる。
【0027】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0028】
図7に示すように、上部放熱板2に複数のヒートシンク10を設けることにより、上部放熱板2表面積が実質的に大きくなり、放熱効果を大きくすることができる。
ヒートシンクは市販されているものを採用することができ、ヒートシンク10の下面に前記した放熱シートまたは放熱接着剤を付けることにより上部放熱板2に固定する。
尚、図示を省略したが、下部放熱板3の側面31にも同様にヒートシンクを貼り付けることにより、さらに放熱効果を向上させることができる。
【0029】
(第5実施形態)
図8および図9は、第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0030】
図8は、第1実施形態におけるプリント基板6を下方から見た斜視図であり、プリント基板6に伝わった熱を下部放熱板3に伝えやすいように、プリント基板6の裏面に銅箔ベタパターン11を設けたものである。
この銅箔ベタパターン11は、プリント基板6が下部放熱板3と密着する部分の面積よりも大きい方が適している。プリント基板6の裏面に配線パターンが無ければ、プリント基板7の全面を銅箔ベタパターンにしても良い。
【0031】
図9は、第1実施形態におけるプリント基板6を上方から見た斜視図であり、プリント基板6に伝わった熱を上部放熱板2に伝えやすいように、プリント基板6の表面に銅箔ベタパターン12を設けたものである。
図9では、放熱効率を上げるためにデバイス4の周囲を全て囲んだロ字状の銅箔ベタパターンを例示したが、電子部品5との配線パターンを設けるため、コ字状の銅箔ベタパターンにしても良い。図9に示したロ字状の銅箔ベタパターンの場合は、プリント基板6を多層にし、中間にある層の配線パターンを用いてデバイス4と電子部品5を電気的に接続することになる。
【0032】
図8および図9に示した銅箔ベタパターンを用いることにより、プリント基板6の熱の伝導を良くすることができる。また、プリント基板6の裏面全体に銅箔ベタパターンを設けた場合は、プリント基板自体も放熱機能を持たせることができるため、さらに放熱効率を向上させることができる。
また、銅箔ベタパターンの上にはレジストが無い方が放熱効果を高めることができる。
【0033】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態に係るデバイスの放熱構造を示す。以下、第1実施形態との相違点のみ説明し、第1実施形態と同一の事項については、説明を省略する。
【0034】
図10は、第6実施形態における放熱構造を上方から見た斜視図であり、下部放熱板3が略コ字形状である点が第1実施形態との相違点である。プリント基板6の裏面全体を銅箔ベタパターンにし、プリント基板6の裏面全体に放熱シートを貼り付けて下部放熱板3に密着させることにより、さらに放熱効果を高めることができる。
【0035】
前記した実施例1〜6に示したデバイス4の放熱構造は、実際には、外部からのノイズによる影響を無くすため、図3に示した金属等の導電性のあるカバー9で囲った装置として使われることになる。各実施例においては、説明を容易にするため、カバー9の説明を省略した。
尚、カバー9には、装置内部の空気を大気と連通させるための孔91を少なくとも2つ設けることが好ましい。
【0036】
前記した発明の実施の形態は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0037】
例えば、図11に示すように、上部放熱板2が装置筐体の上面および側面になっても良い。
また、例えば、図12に示すように、上部放熱板2が凸部1を有する略T字形状であっても良い。該凸部1に、複数の孔8を設け、該孔8に複数のデバイス4を設けても良い。さらに、図示しないが、上部放熱板2の凸部1は複数であっても良い。
尚、実施例では、デバイスとして面発光素子を例示して説明したが、本発明はこれに限られることはなく、発熱する素子であれば適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
デバイスの表面に直接放熱構造を取り付けることができないデバイスであっても、小型で安価に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する断面図である。
【図5】第2実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する断面図である。
【図6】第3実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図7】第4実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図8】第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図9】第5実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図10】第6実施形態に係るデバイスの放熱構造を説明する斜視図である。
【図11】本発明に係る他の実施形態を説明する斜視図である。
【図12】本発明に係る他の実施形態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 凸部
2 上部放熱板
3 下部放熱板
4 デバイス
5 電子部品
6 プリント基板
7 ボルト
8 孔
9 カバー
10 ヒートシンク
11 銅箔ベタパターン
12 銅箔ベタパターン
13 放熱シート
Claims (8)
- デバイスの裏面がプリント基板の表面に対向し、前記デバイスの表面が大気に接して前記プリント基板に実装されたデバイスの放熱構造において、
前記デバイスを取り囲むように大気と連通する孔が設けられた凸部を有する上部放熱板と、
断面略L字形状または略コ字形状の下部放熱板とを設け、
前記凸部と前記下部放熱板とで前記プリント基板を密着するように挟み込み、
前記上部放熱板と前記下部放熱板を連結したことを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項に1記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板と前記プリント基板の間、および/または前記下部放熱板と前記プリント基板の間に、放熱シートを設けたことを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板が装置筐体の上面の一部または全部となり、
前記下部放熱板が前記装置筐体の下面および側面の一部または全部となることを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板が装置筐体の上面および側面の一部または全部となり、
前記下部放熱板が前記装置筐体の下面の一部または全部となることを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板および前記下部放熱板の材質は、銅または黒アルマイト処理されたアルミニウムであることを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、
前記プリント基板が前記凸部と密着する部分および/または前記プリント基板が前記下部放熱板と密着する部分において、前記プリント基板の表面および/または裏面に銅箔ベタパターンが設けられていることを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板および/または前記下部放熱板にヒートシンクが取り付けられていることを特徴とするデバイスの放熱構造。 - 請求項1に記載のデバイスの放熱構造において、
前記上部放熱板および/または前記下部放熱板に複数の凹部を設け、ヒートシンクの機能を持たせたことを特徴とするデバイスの放熱構造。
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2002
- 2002-12-20 JP JP2002369217A patent/JP2004200533A/ja not_active Abandoned
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