JP2004322579A - 感圧複写紙用原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色性能に優れ、印刷時の印刷適性に適合した感圧複写紙原紙を提供する。
【解決手段】原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように、感圧複写紙用原紙を構成する全パルプ組成中に市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有してなる原紙を使用するようにしたことにより、ケミカルパルプ100%からなる紙と比較して、原紙の圧縮弾性率が低くなるが、再生パルプの含有率を10%以上としている公知例のものと比較すると、原紙の圧縮弾性率は高くなり、発色能力と発色汚れとの双方のバランスが向上し、印刷適性に優れたものとなる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、古紙を利用した感圧複写紙用原紙に関し、さらに詳しくは、発色性能に優れ、印刷時の印刷適性に適合した感圧複写紙用原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感圧複写紙には、原料の片面に電子供与性染料を含有するマイクロカプセルを含む層を塗布した「上用紙」、電子供与性染料と接触反応して呈色する電子受容性化合物(即ち、顕色剤)を含む層を塗布した「下用紙」、原紙の片面にマイクロカプセルを含む層を塗布し、他面に顕色剤を含む層を塗布した「中用紙」、原紙の同一面にマイクロカプセルと顕色剤とを積層又は混在させた「自己発色紙」などがあり、これらを適宜組み合わせて使用されている。
【0003】
しかしながら、上記感圧複写紙の場合、筆記用具やタイプライター等の打圧以外の不用意な摩擦によって、顕色剤塗布面に発色汚れが生じるという不具合がある。該不具合を解消するために、水溶性高分子、ラテックス、滑剤等を添加する方法が提案されているが、発色汚れの改良に伴って発色能力が低下するなどの新たな不具合が発生するおそれがあり、必ずしも満足する結果が得られていない。
【0004】
また、感圧複写紙に印刷する場合、上用紙や下用紙の塗料が塗布されていない面(即ち、原紙面)に印刷すると、印刷インキの受理性が悪化してしまい、十分な印刷効果が得られないなどの不具合もある。
【0005】
一方、資源保護の観点から、都市ゴミに含まれる紙類(即ち、古紙)を回収して紙原料として再利用することが望まれている。
【0006】
ところが、古紙の感圧複写紙への利用は、複写紙表面の平滑性を低下させ、発色汚れを悪化させる等の不具合を有するため、未だ実用化されていないのが現状である。
【0007】
そこで、古紙の含有量および原紙の平滑性を改良することにより、発色能力および発色汚れの改善を図るようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されている技術は、全パルプ組成中に古紙(即ち、市中回収古紙)を原料とする再生パルプを10重量%以上含有し、且つ正反射型平滑度計による測定値(測定圧:20kg/cm)が8%以上である原紙を使用するようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】
特許第2756161号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知例の技術では、全パルプ中における市中回収古紙の含有量が多すぎるため、発色性や印刷適性の改善、発色汚れの改良が不十分となるおそれがある。
【0010】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、発色性能に優れ、印刷時の印刷適性に適合した感圧複写紙用原紙を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、感圧複写紙用原紙において、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように、感圧複写紙用原紙を構成する全パルプ組成中に市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有するようにしている。
【0012】
上記のように構成したことにより、地汚れや、不用意な加圧による発色汚れが低減され、ケミカルパルプ100%からなる紙と比較して、原紙の圧縮弾性率が低くなるが、再生パルプの含有率を10%以上としている公知例のものと比較すると、原紙の圧縮弾性率は高くなる。従って、発色能力と発色汚れとの双方のバランスが向上し、印刷適性に優れたものとなる。
【0013】
また、上記原紙は、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように製造されているため、不用意な摩擦による発色汚れを改良できる。なお、くぼみの平均深さに比例した物理量は、東洋精機製のマイクロトポグラフにより測定でき、くぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP以上となるように製造した場合、不用意な摩擦による発色汚れを改良することができない。
【0014】
感圧複写紙は、物理的圧力により染料前駆体が内包されたマイクロカプセルが破損し、染料と顕色剤が反応することで発色し、情報の複写、記録を成し得る構造からなっており、地汚れや、不用意な発色は、前記物理的圧力が極めて低い状態における原紙の表面性の影響が極めて大きいことを知見し、本発明を成し得るに至ったものである。
【0015】
なお、5kg/cmを超える加圧条件下では、原紙表面の表面性よりも加圧による物理的変形の影響が大きく、地汚れや、不用意な発色の原因となる弱加圧下での表面性を正確に把握できない。
【0016】
ところで、市中からの回収古紙からなる再生パルプは、パルプ中に顕色効果を醸し出す。例えば、シリカ等の無機物微粒子の残存が認められ、5重量%を超える市中回収古紙からなる再生パルプの配合は、残存する無機物微粒子により地汚れや、不用意な発色の原因となる場合がある。
【0017】
しかしながら、一旦紙となったブロークパルプは、紙層形成段階における物理的影響、熱の影響により圧縮弾性率が低くなっているため、ケミカルパルプ100%からなる紙と比較して、ケミカルパルプのように意図的に圧縮弾性率を低く調整する必要が殆どなく、表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように製造可能であり、好適に使用できる。
【0018】
【発明の効果】
本願発明によれば、感圧複写紙用原紙において、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように、感圧複写紙用原紙を構成する全パルプ組成中に市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有するようにしているので、ケミカルパルプ100%からなる紙と比較して、原紙の圧縮弾性率が低くなるが、再生パルプの含有率を10%以上としている公知例のものと比較すると、原紙の圧縮弾性率は高くなり、地汚れや、不用意な発色を抑えながら、発色能力と発色汚れとの双方のバランスが向上し、印刷適性に優れたものとなるという効果がある。しかも、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように調整されているため、更に不用意な摩擦による発色汚れを改良できるという効果もある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本願発明を具体的に説明する。
【0020】
本願発明の感圧複写紙用原紙は、感圧複写紙用原紙を構成する全パルプ組成中に市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有しており、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように調整した原紙を使用することを特徴としている。ここで、ドライブロークンパルプおよびウェットブロークンパルプとは、製紙工程において工場内で生ずるドライ状態あるいはウェット状態の端切れを原料とするパルプのことである。
【0021】
上記構成により、ケミカルパルプ100%からなる紙と比較して、原紙の圧縮弾性率が低くなるが、再生パルプの含有率を10%以上としている公知例のものと比較すると、原紙の圧縮弾性率は高くなる。従って、発色能力と発色汚れとの双方のバランスが向上し、印刷適性に優れたものとなるという効果がある。しかも、上記原紙は、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように調整されているため、不用意な摩擦による発色汚れを改良できる。なお、くぼみの平均深さに比例した物理量は、東洋精機製のマイクロトポグラフにより測定でき、くぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP以上となるように製造した場合、不用意な摩擦による発色汚れを改良することができない。
【0022】
上記再生パルプにおけるブローク以外の原料の具体例としては、例えば上白、罫白、クリーム上白、カード、特白、中白、模造、色上、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌等(古紙標準品質規格表:(財)古紙再生促進センターまとめ)が挙げられる。
【0023】
再生パルプは、一般的には、離解工程、粗選工程、精選工程、脱墨工程、漂白工程を適宜組み合わせることによって得られる。離解工程では、低濃度パルパー、高濃度パルパー等、粗選工程および精選工程では、スクリーン、クリーナー等、脱墨工程では、浮選法、水洗法および折衷法等が、再生パルプの原料の種類および再生パルプの品質によって選択される。
【0024】
なお、得られた再生パルプを未処理で配合すると、原料表面の平滑性や原紙の紙力が低下するおそれがある。そのため、工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有させるのが好ましい。95重量%未満の含有では、十分な平滑性の改良効果が得難く、逆に全量を、工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプとしたのでは、得られる原紙の圧縮弾性率が高くなって、本願発明の所望の効果が小さくなってしまうおそれがある。
【0025】
工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプとしては、ワイヤートリムやリールにおける耳損部分等が使用されるが、原料の確保を考慮すると、マシン下パルパーにより離解・分散させた原料がより好ましい。
【0026】
本願発明の感圧複写紙用原料は、上記したように、市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有しており、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように調整されている。
【0027】
上記した原紙表面のくぼみの深さに比例した物理量の測定原理は、基準面に圧着された紙の接触率を光学的に求めるものであって、光学系に特殊プリズムの底面を基準面として紙に圧着する点ではチャップマン方式に似ているが、基準面に対して、全反射角より大きな角度で平行光線を入射させ、正反射角で受光する点でチャップマン方式とは基本的に異なるものである。この際、圧着面からの反射光が、接触部分と非接触部分とで、拡散正反射を異にする点を利用して、その接触面積比から物理量を算出できる。RPは、紙の印刷平滑性を示す尺度であり、紙のくぼみの総容量あるいはくぼみの深さに比例した物理量である。
【0028】
上記原理を用いた測定装置としては、東洋精機製のマイクロトポグラフがある。
【0029】
原紙表面の平滑化処理には、長網や丸網抄紙機の最後部に設けられた金属ロールのみで構成されるマシンカレンダーも使用できるが、金属ロールと弾性ロールで構成されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等をオンマシンやオフマシンで使用するのが効果的である。
【0030】
金属ロールとしては、例えばチルドロール、合金リルドロール、鋼鉄製ロール、更にはロール表面を硬質クロムメッキした金属ロール等が適宜選択使用され、弾性ロールとしては、例えば天然ゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化エチレンゴム、ブチルゴム、多硫化ゴム、シリコンゴム、弗素ゴム、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの各種プラスチック樹脂、コットン、ペーパー、ウール、テトロン、(商標登録)ナイロン、あるいはこれらの混合物などからなる弾性ロールが適宜選択される。
【0031】
なお、効率的にはオンマシンでの平滑化処理が好ましく、その際42〜98度のショアーD硬度(ASTM規格、D−2240)を有する弾性ロールで構成されるカレンダーが特に好ましく用いられる。中でもウレタンゴム、芳香族ポリアミド樹脂、ペーパーとウールの混合物、ウールとテトロンの混合物、ウールとナイロンの混合物、ペーパーとウールとテトロンの混合物、ペーパーとウールとナイロンの混合物などからなる弾性ロールは好ましく、とりわけウレタンゴムと芳香族ポリアミド樹脂を用いた弾性ロールは取り扱いが容易であり、ロール寿命も長く、しかも本願発明の所望の効果を効率良く発揮するため最も好ましく用いられる。
【0032】
上記のような弾性ロールは、通常の弾性ロールよりも柔らかく、安定操業条件下でも発熱現象を起こし易く、特にウレタンゴムを用いた弾性ロールではその傾向が顕著である。発熱現象により弾性体の物理的性質は不安定となり、極端な場合には弾性体自体が蓄積された熱によって溶融損傷を起こすおそれもあるため、ロール内部に冷媒を導入して冷却するのが好ましい実施態様であり、外部からの冷却、ロール径の変更、弾性体の肉厚変更など各種の対応が適宜採用される。
【0033】
又、抄紙機のドライヤーとしてドライヤー表面を硬質クロムメッキ等で鏡面処理したヤンキードライヤーを使用することによって、原紙表面の平滑化処理をすることも可能であるが、いずれにしろ原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるようにする必要がある。
【0034】
かくして得られた原紙には、常法に従ってマイクロカプセル含有塗液が塗布され「上用紙」、「下用紙」、「中用紙」、「自己発色紙」等として仕上げられるが、塗液の塗布方法については特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、カーテンコーターなどの適当な塗布装置によって乾燥重量で2〜10kg/m程度の塗液が塗布乾燥される。
【0035】
マイクロカプセル含有塗液は、一般的には、トリアリールメタンラクトン類、スピロピラン類、フルオラン類、ジフェニルメタン類、アジン類などの塩基性染料をアルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル化ターフェニルなどの合成油、木綿油、ヒマシ油などの植物油、動物油、鉱物油あるいはこれらの混合物などからなる溶媒に溶解し、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ法などの各種カプセル製造法によりマイクロカプセル中に含有させ、バインダー中に分散させる方法などで調製される。
【0036】
また、顕色剤含有塗液は、一般的には、酸性白土、活性白土、アタパルガイドなどの無機顕色剤、各種脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、フェノール樹脂のような有機顕色剤、更にはこれらの有機顕色剤と例えば亜鉛、マグネシウムなどの多価金属との塩からなる各種顕色剤をバインダー中に分散させる方法などで調製される。
【0037】
なお、バインダーとしては、例えばデンプン類、セルロース類、蛋白質類、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、スチレンー無水マレイン酸共重合体塩、スチレンーブタジエン共重合体エマルジョン、ポリアクリル酸塩などが適宜選択して用いられる。
【0038】
また、本願発明の感圧複写紙用原紙は、所定量以上のブロークパルプを含有する特定量の再生パルプを含み、且つ特定の平滑度を有する原紙を使用するものであるが、上用紙、中用紙および下用紙を適宜組み合わせて使用する転移型感圧複写紙の場合には、その一部にのみかかる特定の原紙を用いて所望の効果が得られるものである。
【0039】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例により詳細に説明するが、本願発明は、これに限定されるものではない。なお、例中の部および%は、特に断らない限りそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0040】
実施例1
新聞を原料としたフリーネス240mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、100mlのフリーネスとした。この再生パルプ5部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したドライブロークパルプにウェットブロークパルプを含むブローク95部を配合してパルプサスペンションを得た。このパルプサスペンションに、タルクを紙灰分が6%となるように添加し、さらにサイズ剤としてロジンサイズ剤を絶乾パルプに対して1.4%添加した。
【0041】
このパルプスラリーのpHを硫酸バンドで4.6に調整した後、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、酸化澱粉の水溶液を1.5g/mとなるようにサイズプレスし、マシンカレンダーで処理して坪量40g/m、マイクロトポグラフで測定した原紙のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、3.8RPである感圧複写紙用原紙を得た。
【0042】
ついで、ビニルスルホン酸15モル%、スチレン5モル%、アクリル酸70モル%、アクリル酸エチル10モル%からなる共重合体の20%水溶液37.5部を、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH4.6に調整したものをカプセル製造用水性媒体とした。
【0043】
これにクリスタルバイオレットラクトン5部を溶解したジイソプロピルナフタレン105部を添加し、平均粒径が5μmとなるように乳化分散した後、乳化液の温度を70℃に昇温した。
【0044】
次に、系中にメチル化メチロールメラミン初期縮合物20部を加え、撹拌を継続しながら系の温度を70℃で1時間保持した後、冷却して乳白色のカプセル分散液を得た。
【0045】
このカプセル分散液に小麦澱粉70部、溶解酸化澱粉10部(固形分)を加えて調成したカプセル塗布液を前記の原紙に乾燥重量が4g/mとなるように塗布乾燥して感圧複写紙用上用紙を作成した。
【0046】
次に、3,5−ジ(αーメチルベンジル)サリチル酸亜鉛(軟化点72℃)100gおよびトルエン100gを70℃で混合溶解させ、トルエン溶液を調成した。
【0047】
別に、重合度1700、鹸化度98%のポリビニルアルコール6gを含む水300gを内容積1000mlのステンレススチール製のビーカーに入れ、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を毎分3000回転で撹拌しながら上記トルエン溶液をこれに加えた。
【0048】
トルエン溶液を加え終わった時点で回転数を毎分10000回転に上げ2分間撹拌した。この分散液を撹拌機、温度計および蒸留口のついた内容積1000mlの硬質ガラス製三つ口フラスコに移した。撹拌機をゆっくり回転させながらフラスコを加熱して蒸留口からトルエンと水が流出するようにした。100℃で約1時間この操作を続けると分散液は殆どトルエンを含まなくなった。これを冷却して顕色剤約33%を含有する水分散液を得た。得られた顕色剤分散粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
【0049】
次に、この水分散液をサンドグラインダー(五十嵐機械(株)製、MODELNO.OSG−8G)で毎分2kgの条件で処理し、平均粒径が0.97μmの顕色剤分散液を調成した。
【0050】
上記の処理で得られた33%の顕色剤分散液15部、炭酸カルシウム70部、酸化亜鉛10部、水100部を混合分散し、さらにバインダーとして10%のポリビニルアルコール水溶液100部、50%のカルボキシ変性SBRラテックス20部、水200部を混合分散して顕色剤塗液を調成した。
【0051】
上記顕色剤塗液を前記の原紙の片面に乾燥重量が6g/mとなるように塗布乾燥して感圧複写紙用下用紙を作成した。
【0052】
次に、上記下用紙の顕色剤塗布面の反対面に前記カプセル塗布液を乾燥重量が4g/mとなるように塗布乾燥して感圧複写紙用紙中用紙を作成した。
【0053】
かくして得られた上用紙、中用紙、下用紙を用いて性能比較試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0054】
実施例2
模造を原料としたフリーネス400mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、250mlのフリーネスとした。この再生パルプ5部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したドライブロークパルプにウェットブロークパルプを含むブローク95部を配合してパルプサスペンションを得た。このパルプサスペンションに、タルクを紙灰分が6%となるように添加し、さらにサイズ剤としてロジンサイズ剤を絶乾パルプに対して1.4%添加した。
【0055】
このパルプスラリーのpHを硫酸バンドで4.6に調整した後、長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、酸化澱粉の水溶液を1.5g/mとなるようにサイズプレスし、金属ロールと弾性ロール(ショアーD硬度91度)で構成されるオンマシンカレンダーで処理して坪量40g/m、マイクロトポグラフで測定した原紙のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、3.5RPである感圧複写紙用原紙を得た。
【0056】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0057】
実施例3
新聞を原料としたフリーネス200mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、150mlのフリーネスとした。この再生パルプ5部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したドライブロークパルプにウェットブロークパルプを含むブローク95部を配合してパルプサスペンションを得た。このパルプサスペンションに、重質炭酸カルシウムを紙灰分が6%となるように添加し、カチオン澱粉を絶乾パルプに対して0.5%添加し、中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを絶乾パルプに対して0.2%添加した後、調網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、酸化澱粉の水溶液を1.5g/mとなるようにサイズプレスし、金属ロールと弾性ロール(ショアーD硬度91度)で構成されるオンマシンカレンダーで処理して坪量40g/m、マイクロトポグラフで測定した原紙のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、3.4RPである感圧複写紙用原紙を得た。
【0058】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0059】
比較例1
それぞれフリーネス500mlに叩解したLBKP80部とNBKP20部からなるパルプサスペンションを使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用原紙を得た。この原紙のマイクロトポグラフで測定したくぼみの平均深さに比例した物理量は、5kg/cmの加圧条件下で、4.5RPであった。
【0060】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0061】
比較例2
新聞を原料としたフリーネス240mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、100mlのフリーネスとした。この再生パルプ15部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したLBKP65部、NBKP20部を配合して得たパルプサスペンションを使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用原紙を得た。この原紙のマイクロトポグラフで測定したくぼみの平均深さに比例した物理量は、5kg/cmの加圧条件下で、5.0RPであった。
【0062】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0063】
比較例3
新聞を原料としたフリーネス240mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、100mlのフリーネスとした。この再生パルプ15部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したLBKP70部、NBKP15部を配合して得たパルプサスペンションを使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用原紙を得た。この原紙のマイクロトポグラフで測定したくぼみの平均深さに比例した物理量は、5kg/cmの加圧条件下で、4.4RPであった。
【0064】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0065】
比較例4
新聞を原料としたフリーネス240mlの再生パルプをダブルディスクリファイナーで叩解し、100mlのフリーネスとした。この再生パルプ10部に、それぞれフリーネス500mlに叩解したドライブロークパルプにウエットブロークパルプを含むブローク80部、NBKP10部を配合して得たパルプサスペンションを使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用原紙を得た。この原紙のマイクロトポグラフで測定したくぼみの平均深さに比例した物理量は、5kg/cmの加圧条件下で、4.2RPであった。
【0066】
この原紙を使用した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙を作成し、その性能比較試験を行って結果を表1に記載した。
【0067】
<発色性テスト>
中用紙のカプセル塗布面と下用紙の顕色剤塗布面とが対向するように、中用紙と下用紙とを重ね合わせ、600kg/cmの荷重をかけて得られた発色像の濃度をマクベス濃度計(RD−914型、フィルター;ビジュアル)で測定した。
【0068】
<発色汚れテスト>
中用紙のカプセル塗布面と下用紙の顕色剤塗布面とが対向するように、中用紙と下用紙とを重ね合わせ、4kg/cmの荷重をかけた状態で5回擦り合わせて顕色剤塗布面の発色汚れの程度を判定した。
【0069】
「評価基準」
◎;殆ど汚れていない
○;わずかに汚れている
×;著しく汚れている
<印刷適性>
上用紙の原紙面にRIテスター(明製作所製)を用いて大日本インキ社製のニューチャンピオン墨インキを0.1cc印刷し、インキの受理性を判定した。
【0070】
「評価基準」
◎;極めて良い
○;良好
×;悪い
【0071】
【表1】
Figure 2004322579
【0072】
上記表1の結果から明らかなように、本願発明の実施例で得られた古紙5%に95%以上のドライブロークパルプにウェットブロークパルプを含むブロークを利用して得られた原紙から製造された感圧複写紙は、発色汚れと発色能力との双方が極めてバランス良く改良されており、印刷インキの受理性にも優れていた。

Claims (1)

  1. 感圧複写紙用原紙において、原紙表面のくぼみの平均深さに比例した物理量が、5kg/cmの加圧条件下で、4.0RP未満となるように、感圧複写紙用原紙を構成する全パルプ組成中に市中回収古紙を原料とする再生パルプを5重量%以下含有し、更に工場内において生ずるウェットブロークパルプ及び/又は工場内において生ずるドライブロークパルプを合わせて95重量%以上含有してなることを特徴とする感圧複写紙用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010222754A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Daio Paper Corp 感圧複写紙用原紙

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