JP2509846B2 - 速硬化接着剤と接着方法 - Google Patents

速硬化接着剤と接着方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二液分別塗布型の速硬化
接着剤とその接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近木材工業等では、生産工程をコンベ
アーシステムで連続的に量産する試みがあり、接着速度
の早い接着剤が要望されている。この目的にシアノアク
リレート系瞬間接着剤が考えられるが、価格が高く実用
的でない。また二液分別塗布型の速硬化接着剤として
は、ユリア樹脂系接着剤をA成分とし、ポリビニルアル
コール(PVA)などの高分子化合物の水溶液に燐酸な
どの強酸を混合してB成分とした製品が、かなり以前か
ら市販されている。しかしこの強酸は、ユリア樹脂系の
老化性を助長し、木材自身の強度を劣化させる欠点があ
り、広く普及していない。
【0003】また、分子内にアミド結合を有する可溶性
蛋白質の水溶液、あるいはイミド基を有する合成高分子
化合物の水溶液と水性エマルジョンからなる第1液と水
溶性ジアルデヒド化合物の水溶液の第2液からなる速硬
化接着剤組成物(特公昭63−17871号公報)も開
示されている。
【0004】また、分子内にアセトアセチル基を有する
高分子化合物の水性溶液および/または水性エマルジョ
ンからなる第1液と、アルデヒド化合物の水性溶液から
なる第2液からなる急硬化水性接着剤と接着方法(特公
平1−60190号公報)も開示されている。
【0005】また、分子内にアセトアセチル基を有する
高分子化合物との水性溶液および/または水性エマルジ
ョンからなる第1液と、ヒドラジン化合物の水性溶液か
らなる第2液からなる瞬硬化水性接着剤と接着方法(特
公平1−60192号公報)も開示されている。
【0006】しかし、上記の如き、二液分別塗布型接着
剤には次の様な欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】シアノアクリレート系
瞬間接着剤は価格が高く現実的でなく、ユリア樹脂系接
着剤をA成分とし、高分子化合物の水溶液に燐酸などの
強酸を混合してB成分とした製品においては、強酸が、
ユリア樹脂系の老化性を助長し、木材自身の強度を劣化
させる欠点があり、広く普及していない。また、分子内
にイミド基を有した高分子とジアルデヒドとの架橋反応
を利用した2液分別塗布型の接着剤組成物においては、
その架橋反応が熱による可逆反応のため耐久性に問題が
ある。また、分子内にアセトアセチル基を有した高分子
化合物は水溶液としての保存安定性やPHによる架橋反
応の依存性が高いことに問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内にヒド
ラジト基および/またはヒドラジン基を有する高分子化
合物の水溶液および/または水性エマルジョンからなる
A液と、アルデヒド化合物の水性溶液からなるB液との
二液からなる速硬化接着剤であり、また、このA液とB
液との二液を分別塗布して被着体を貼合わせる接着方法
である。
【0009】本発明での分子内にヒドラジド基および/
またはヒドラジン基を有する高分子化合物とは、重合性
のα、β−不飽和化合物類と無水マレイン酸との多元共
重合体にヒドラジンを反応せしめて、分子内の無水マレ
イン酸の一部をヒドラジド化および/またはヒドラジン
化することによって得ることができる高分子化合物であ
り、そのまま水に溶解せしめるか、または塩基性物質
(アルカリ金属の炭酸塩、炭酸アンモニウム、燐酸アン
モニウム、硼砂の如きアルカリ性の弱酸塩、アルカリ土
類金属の水酸化物、あるいはアンモニア、エタノールア
ミン類、モルホリン等の水溶性の塩基性の有機化合物な
ど)を添加して水可溶化して水溶液とする。もしくは、
上記多元共重合体を水可溶化して水溶液としたのちに、
ヒドラジド化および/またはヒドラジン化することによ
っても得ることができる。
【0010】また、これらの多元共重合体としては、酢
酸ビニル−無水マレイン酸、スチレン−無水マレイン
酸、イソブチレン−無水マレイン酸、アクリル酸エステ
ル類−無水マレイン酸、メタクリル酸エステル類−無水
マレイン酸などが挙げられる。
【0011】また、水性エマルジョンとしては、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなど
のビニル系単量体を主体に単独乳化重合したエマルジョ
ンや、エチレン−酢酸ビニルまたはアクリル酸エステル
類などの乳化重合した共重合体エマルジョン、などの合
成樹脂エマルジョン及び天然ゴム、イソプレンゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどのゴム乳化重
合物であるゴムラテックスやこれらのカルボキシル基な
どの官能基を導入した変性ゴムラテックスなどがあり、
これら合成樹脂エマルジョンやゴムラテックスを単独な
いしは2種類以上を混合して用いることもできる。
【0012】本発明におけるA液の調整に当っては、前
記の如くして得られた分子内にヒドラジド基および/ま
たはヒドラジン基を有する高分子化合物の1〜60重量
%の水溶液、通常は10〜50%濃度で、水性エマルジ
ョンに混入してA液とする。
【0013】次に、本発明におけるB液となるアルデヒ
ド化合物の水性溶液としては、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデ
ヒド、ベンズアルデヒドなどのモノアルデヒド類、グリ
オキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド、
ピメリンジアルデヒド、スベリンジアルデヒド、ジアル
デヒドでん粉などのジアルデヒドの水性溶液が好適であ
る。水性溶液の濃度としては通常1〜50%が適当であ
る。
【0014】本発明の接着剤は、上記の如き必須成分の
外に、必要に応じて充填剤(炭酸カルシウム、カオリ
ン、クレーなど)、可塑剤、防腐剤、着色剤、界面活性
剤、粘度調整剤、などを適宜添加することができる。
【0015】次に、本発明の速硬化接着剤を使用して被
着体を貼合わせる接着方法としては、被接着物の接着面
にA液とB液とを夫々別々に塗布し接着面を接触させ圧
締する方法、例えば、A液を木材などの表面に塗布し、
B液をスレート板などの表面に塗布し、直ちにこの両面
を合わせて接触させ圧締し接着する方法。
【0016】また、A液とB液を、各々同時に噴霧域が
重なる様にして被着体へ噴霧する方法、例えばエアスプ
レー、エアレススプレーのいずれでもよいが、2個のス
プレーガンを用いたり、双頭スプレーガンを用いること
ができる。
【0017】また、一方の被着体にA液とB液を分別重
ね塗布した面に、他方の被着体を貼り付ける方法、例え
ば、木材、合板、パーチクルボード、スレート板などの
多孔質板体にスプレーまたは刷毛などの塗布具でA液を
塗布した面に、発泡体や紙などの多孔質被着体を貼り付
ける方法。接着剤の塗布量は、A液10〜300g/m
2(固形分)、B液1〜50g/m2(アルデヒド化合物
として)が適当である。
【0018】
【発明の効果】一般に水系の接着剤は室温ではかなり長
時間圧締を行わないと十分な最終接着強度が得られない
が、本発明の速硬化接着剤は短時間圧締するだけで、放
置養生後十分な最終接着強度が得られる。この場合大切
なことは2液を混合することなく別々に塗布することで
ある。
【0019】ヒドラジド基またはヒドラジン基とアルデ
ヒド化合物との反応は非常に速いので、混合して塗布す
ると、混合中にゲル化してしまい、ゲル化物は接着性を
示さないからである。次に本発明を実施例により説明す
る。
【0020】
【実施例】
実施例1 還流冷却器つき四つ口フラスコに、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体(商品名「イソバン06」、クラレ
イソプレンケミカル株式会社製)54重量部(以下、部
と記す)、可溶化剤としての工業用25%アンモニア水
6部、水246部の配合で仕込み、撹拌下で90℃、5
時間反応して、水溶性のイソブチレン−無水マレイン酸
共重合体とし、さらに適下ロートにより、ヒドラジン水
和物(80%水加ヒドラジン、日本ヒドラジン工業株式
会社製)6.7部を適下して1時間反応させることによ
り、ヒドラジド基および/またはヒドラジン基を有する
共重合体の20%水溶液を得た。この水溶液100部
に、樹脂分58%アクリルエマルジョン接着剤(商品名
「アイカアイボンRAX−70」、アイカ工業株式会社
製)150部と充填剤として炭酸カルシウム50部を加
え、撹拌混合してA液とした。また、グリオキザールの
12%水溶液をB液とした。上記のA液とB液との二液
を実施例1の接着剤とした。
【0020】実施例2 A液としては実施例1と同一のA液を使用した。B液と
して、グリオキザールの12%水溶液50部とグリセリ
ンジグリシジルエーテル2.5部との混合物を使用した
合物を使用した。上記のA液とB液との二液を実施例2
の接着剤とした。
【0021】比較例1 実施例1のA液のみを用いて比較例1の接着剤とした。
【0022】比較試験 実施例1と2及び比較例1の接着剤を用い、JIS K
6853「接着剤の割裂接着強さ試験方法」に示された
方法に準じて、接着強さを測定した結果を表1に示す。
【0023】試験方法の概略は次の如くである。パーチ
クルボード(80mm×80mm×10mm)と中比重繊維板
(MDF)(85mm×80mm×2mm)の2片の被着体
で、パーチクルボード側にA液を塗布量約150g/m
2塗布し、MDF側にB液を塗布量約30g/m2塗布
し、両面を密着貼合わせて、直ちに約2Kg/cm2で5秒
間圧締し、解圧直後、および24時間後(経時)の割裂
強度を測定した。なお、試験における雰囲気温度は20
℃であった。
【0024】
【表1】

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にヒドラジド基および/またはヒ
    ドラジン基を有する高分子化合物の水溶液および/また
    は水性エマルジョンからなるA液と、アルデヒド化合物
    の水性溶液からなるB液との二液からなることを特徴と
    する速硬化接着剤。
  2. 【請求項2】 分子内にヒドラジド基および/またはヒ
    ドラジン基を有する高分子化合物の水溶液および/また
    は水性エマルジョンからなるA液と、アルデヒド化合物
    の水性溶液からなるB液との二液を分別塗布して被着体
    を貼合わせることを特徴とする接着方法。
  3. 【請求項3】 分別塗布して被着体を貼合わせる方法
    が、被接着物の接着面にA液とB液を夫々別々に塗布
    し、ついで接着面を接触させる請求項2記載の接着方
    法。
  4. 【請求項4】 分別塗布する方法が、A液とB液を各
    々、同時に噴霧し、霧滴状態で混合して被着体に塗布す
    る請求項2記載の接着方法。
  5. 【請求項5】 分別塗布して被着体を貼合わせる方法
    が、一方の被着体にA液とB液を分別重ね塗布した面
    に、他方の被着体を貼付ける請求項2記載の接着方法。
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