JP3496206B2 - 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック成形品の製造方法Info
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Description
形品の製造方法に関し、さら詳しくは脱泡工程を経るこ
となしに層内の気泡や空洞の発生を抑制し、しかも表面
に繊維の毛羽立ちがなく外観品質に優れ、強度にも優れ
た成形品を得ることができる繊維強化プラスチック成形
品の製造方法に関する。
ク成形品の一製造法であるスプレイアップ成形法は、設
備費が安いことから広く採用されている。このスプレイ
アップ成形法は、あらかじめ製作した型の表面に、必要
に応じてゲルコート層を設け、その表面にガラス繊維等
の短繊維(繊維強化材)および不飽和ポリエステル等を
含む樹脂組成物を吹き付けて繊維補強層を形成する方法
であるが、形成された繊維補強層の層内に大小の気泡が
混入するため、繊維補強層の硬化にあたっては脱泡ロー
ルを用いて気泡を除去する脱泡作業が欠かせないものと
なっている。このようなスプレイアップ成形法において
は、繊維補強層を形成する際の繊維強化材や樹脂組成物
の飛散、樹脂組成物に含まれるスチレンモノマ等の溶剤
の発散などが生じるため、安全衛生上好ましくない環境
下での成形作業が強いられ、さらに脱泡作業の機械化が
困難で人手作業によらなければならず、成形に時間がか
かり、しかも脱泡作業には熟練を要するため、生産性、
品質確保等に問題があった。
昭63−293038号公報には、切断した繊維と樹脂
組成物の混練物である繊維強化プラスチック材料を、圧
送ポンプでホース内に圧送し、塗布ノズルで成形型の表
面に塗布することにより、脱泡作業を不要とした繊維強
化プラスチック成形品の製造法が提案されている。しか
しながら、上記方法では、12.5mm以上の長さに切断
した繊維では、繊維同士の絡みが発生してかたまりがで
きるため、繊維強化プラスチック材料を成形型の表面に
均一に塗布することが困難であり、またガラス含有量が
少ないため成形品の強度が低くなり、さらに混練した材
料の粘度が上昇して成形型に塗布する際に気泡が混入し
易いという問題があった。また特開平5−239259
号公報には、熱硬化性樹脂と球状の中空充填材及び又は
星状の充填材を含む樹脂組成物と、繊維強化材とをスプ
レイアップ機を用いて成形型の表面に塗布することによ
り、ローラ等の脱泡工程を不要とした繊維強化プラスチ
ック成形品の製造方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法では、繊維強化材の含有量が高い場合に
は、樹脂組成物と繊維強化材の濡れが低下して表面に繊
維の毛羽立ちの発生や成形品内部に大きな気泡が残存す
るためローラ等による脱泡工程が必要となる。また、繊
維強化材が少ない場合には、繊維の毛羽立ちや成形品内
部の大きな気泡が減少するが成形品の強度が低下する問
題があった。
技術の問題を解決し、脱泡工程を経ることなしに層内の
気泡や空洞の発生を抑制し、しかも表面に繊維の毛羽立
ちがなく外観品質に優れ、強度にも優れた成形品を得る
ことができる繊維強化プラスチック成形品の製造方法を
提供するものである。
る粘度が0.1〜0.4Pa・sで揺変度が1〜7の樹脂
組成物100重量部と、繊維長さが3〜25mmでウエッ
トアウト時間が40〜70秒の繊維強化材33〜67重
量部を、繊維シュータ及び2以上の樹脂吐出口を備えた
スプレイアップ機を用いて、成形型に塗布する前に繊維
強化材を樹脂組成物で上下から包み、次いでこれを成形
型表面に塗布するスプレイアップ法により樹脂組成物と
繊維強化材を成形型表面に塗布して硬化させることを特
徴とする繊維強化プラスチック成形品の製造方法に関す
る。
は、樹脂組成物と繊維強化材が含まれる。樹脂組成物に
は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を
含む樹脂組成物が用いられ、樹脂組成物と繊維強化材と
の濡れ及びスプレイパターン、成形品の形状の点から2
5℃における粘度は0.1〜0.4Pa・s、好ましくは
0.15〜0.25Pa・s、また揺変度は1〜7、好まし
くは3〜5とされる。粘度は、成形時のたれを防ぎ、成
形品の空洞率を下げるために上記の範囲とされ、揺変度
も成形時のたれを防ぐために上記の範囲とされる。本発
明における粘度および揺変度はJIS K6901 4.
4粘度および4.5揺変度によって測定される値であ
る。樹脂組成物は、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニ
ルトルエン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、α−メ
チルスチレン、ジアリルフタレート等の重合性単量体が
含まれる。また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じ
て、さらに、顔料、一般充填剤、揺変剤などを配合して
も良い。
繊維にシラン処理、クロム処理ボラン処理等を施したも
のなどが用いられる。その中でもシラン処理を施して下
記に示す方法で測定したウエットアウト時間が40〜7
0秒とされ、腰強さが30〜55gおよび嵩高性が10
〜22mmのガラス繊維が好ましい。繊維強化材の切断長
さは3〜25mmとされるが、本発明によってこの範囲の
繊維強化材の使用が可能とされる。また繊維強化材の使
用量は、上記の樹脂組成物100重量部に対して垂れお
よび含浸不良を防ぐために33〜67重量部、好ましく
は43〜54重量部とされる。
び嵩高性の測定方法を以下に示す。 (1):ウエットアウト時間(秒):繊維強化材を透明
板の上にセロテープで約20cmの長さ(0.92g/2
0cm)に固定する。次に1.0重量%の硬化剤、メチル
エチルケトンパーオキサイドを含むポリセット660P
−2(不飽和ポリエステル樹脂、日立化成工業社製商品
名)約30gを上記ロービング上に塗布し、上から透明
フィルムを載せる。その後、透明フィルム上に定規をあ
てて樹脂を均一に伸ばし、繊維強化材のフィラメント間
の結合剤に樹脂が完全に行きわたり、結合剤が透明にな
るまでの時間を測定する。 (2):腰強さ(g):図2に示すように所定の直径2
0mmのチタン製ガイド3中にガラス繊維2を引き抜き、
フック4を上方に移動させてガラス繊維2がガイド3を
通過する際の強さをオートグラフ(島津製作所製)で測
定する。 (3):嵩高性(mm):所定の長さに切断したガラス繊
維60gを200mm角の枠に手で均一に散らし、必要に
応じて一定の板をあて、そのときの高さを測定する。
プ機は、多頭ガンと呼ぶ樹脂組成物の吐出口を2個以上
備えたスプレイアップ機であり、これによって成形型に
付着する前に繊維強化材を樹脂組成物で上下から包み、
型に塗布することが可能である。このスプレイアップ機
の一例をあげれば東技研社製の多頭ガン、商品名サンド
イッチガンを備えた同社製のスプレイアップ機商品名H
L5000などがある。成形型の除去を容易にするため
に成形型表面に離型剤を塗布してもよい。またガラス繊
維の追従性が悪い場合は、ローラで軽く押さえてもよ
く、またスプレイ面の平滑をよくするために樹脂組成物
を単独でスプレイするトップコートを行ってもよい。
0重量部に対して繊維強化材が33〜67重量部であっ
ても気泡を混入させることなく、かつ表面に繊維の毛羽
を生じさせることなく均一に繊維強化プラスチック層を
形成することができるため、従来のように脱泡作業を行
う必要がなくなり、従来と同程度に優れた強度を有する
成形品を得ることができる。
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサ
イド、アセチルアセトンパーオキサイド、アセト酢酸エ
ステルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなど
の過酸化物系の触媒が用いられ、これらは単独で使用し
ても、2種以上を併用してもよい。
有機酸の金属塩類、就中、コバルト塩類、アミン類など
が用いられ、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバル
ト、アセチルアセトンコバルト、ジメチルアニリン、ジ
エチルアニリンなどがあげられ、これらは単独で用いて
も、2種以上を併用してもよい。
成形品の水漏れ発生を防止するため、成形型表面にコー
ティング層を形成した後、繊維強化プラスチック層を形
成することが好ましい。コーティング層は、不飽和ポリ
エステル樹脂又はビニルエステル樹脂100重量部と5
〜25重量部の平均粒径が10〜200μmの軽量フィ
ラー5〜25重量部を含むコーティング材を成形型表面
に塗布し、硬化させることにより得られる。
シリカバルーン、シラスバルーン、カーボンバルーン、
フェノールバルーン、アルミナバルーン等が用いられ
る。その平均粒径は、コーティング材の粘度および相分
離の防止の点から、10〜200μmとされる。軽量フ
ィラーの形状は真球体が好ましい。また不飽和ポリエス
テル樹脂またはビニルエステル樹脂の25℃におけるゲ
ル化時間は垂れ防止の点から3〜5分が好ましく、コー
ティング層の厚さは、通常、0.5〜1.0mmの範囲と
される。
ック成形品の外観を向上させるため、成形型表面にゲル
コート層を形成することが好ましい。ゲルコート層は公
知の材料を用いて公知の方法で形成され、通常、顔料入
の不飽和ポリエステル樹脂及び又はビニルエステル樹脂
が用いられる。ゲルコート層の上に繊維強化プラスチッ
ク層を形成してもよく、ゲルコート層の上にコーティン
グ層を形成し、その上に繊維強化プラスチック層を形成
してもよい。
発明はこれらに限定されるものではない。 製造例 プロピレングリコール/無水フタル酸/無水マレイン酸
をそれぞれ1.06モル/0.50モル/0.5モル配
合し、公知の方法で酸価35まで縮合を進めて不飽和ポ
リエステル(A)を得た。配合例の粘度および揺変度
は、JIS K6901 4.4粘度および4.5揺変度
にしたがって測定した。 配合例1 上記で製造した不飽和ポリエステル(A)100重量部
を、(A)に対してスチレンモノマ70重量部、重合抑
制剤ハイドロキノンを0.009重量部に溶解し、25
℃の粘度が0.18Pa・s、揺変度が1.0の樹脂組成物
UP−1を得た。 配合例2 不飽和ポリエステル(A)100重量部を、スチレン8
5重量部、重合抑制剤、ハイドロキノン0.009重量
部に溶解し、アエロジル200(日本アエロジル社製、
酸化珪素)2.8重量部添加して25℃の粘度が0.3
4Pa・s、揺変度が4.0の樹脂組成物UP−2を得た。 配合例3 不飽和ポリエステル(A)100重量部をスチレン11
0重量部、重合抑制剤ハイドロキノン0.009重量部
に溶解し、アエロジル200 3.8重量部添加して2
5℃の粘度が0.20Pa・s、揺変度が4.8の樹脂組成
物UP−3を得た。配合例1〜3の樹脂組成物に6%ナ
フテン酸コバルトを0.5重量部配合し、硬化剤として
メチルエチルケトンパーオキサイド55%を1重量部配
合した。
ガラス板に、表1に示す配合例1〜3の樹脂組成物10
0重量部と表1に示す配合量の繊維強化材(日東紡社製
商品名、2310TEX−S−673 上記の方法で測
定したウエットアウト時間60秒)を図3に示す東技研
社製多頭ガン商品名サンドイッチガンを備えた同社製ス
プレイアップ機商品名HL5000を用いて塗布し、室
温で硬化した後脱型して繊維強化プラスチック成形品を
得た。得られた成形品の繊維による毛羽立ちの有無を目
視により観察し、また成形品の平面部を切り出してJI
S K7055に準じて強度及びJIS K7053に準
じて空洞率を測定して、その結果を表1に示した。 比較例1 実施例に準じた方法で、樹脂組成物としてポリセットF
2150APT−S(日立化成工業製商品名、不飽和ポ
リエステル樹脂)を用いて繊維強化プラスチック成形品
を得た。繊維による毛羽立ち、強度、空洞率の結果を表
1に示した。
泡工程を行って室温で硬化した後脱型して繊維強化プラ
スチック成形品を得た。繊維による毛羽立ち、強度、空
洞率の結果を表1に示した。表1から、本発明の製造方
法によれば、脱泡工程を経ることなしに繊維の毛羽立ち
のない強度に優れた成形品が得られることが示される。 実施例5〜7および比較例3、4 図1に示す成形型1の表面に、表2に示す配合(重量
部)のコーティング材を東式スプレイアップ機HLL1
5000を用いて塗布し、室温で硬化させて0.6mmの
コーティング層を形成し、このコーティング層表面に実
施例3および比較例1の方法で同様の繊維強化プラスチ
ック層をそれぞれ形成して繊維強化プラスチック成形品
を得た。得られた成形品に水道水を入れ、翌日に成形品
の水漏れの有無を目視で確認し、結果を表2に示した。
表2から、成形型表面にコーティング層を形成した後、
繊維強化プラスチック層を形成することにより、水漏れ
のない成形品が得られることが示される。
(日立化成工業社製不飽和ポリエステル樹脂)を塗布
し、硬化させて0.3mmのゲルコート層を形成させた
後、実施例5および比較例2と同様の方法によりコーテ
ィング層および繊維強化プラスチック層を形成してそれ
ぞれ繊維強化プラスチック成形品を得た。これらの成形
品の部分断面図を図4、図5に示した。得られた成形品
のゲルコート層表面の繊維模様の凹凸を、脱型3日後に
目視で観察した。また成形品の冷熱サイクルによるクラ
ックおよびふくれの有無を、95〜100℃の煮沸を8
時間、外気温冷却16時間を1サイクルとして12サイ
クル行い、目視にて観察した。これらの結果を表3に示
した。
ーティング層および繊維強化プラスチック層を形成する
ことにより、成形品表面に凹凸のない、耐冷熱サイクル
に優れた成形品が得られることが示される。
において脱泡工程を経ることなしに気泡の混入を防ぎ、
繊維の毛羽立ちのない、強度に優れた成形品が得られる
ため、人手不足の解消、製造コストの大幅な削減、生産
性および品質の向上を図ることができる。また成形型表
面にコーティング層を形成することにより、さらに水漏
れのない成形品が得られ、成形型表面にゲルコート層お
よびコーティング層を形成することにより、さらに耐冷
熱サイクルに優れた成形品が得られる。
型の断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 25℃における粘度が0.1〜0.4Pa
・sで揺変度が1〜7の樹脂組成物100重量部と、繊
維長さが3〜25mmでウエットアウト時間が40〜70
秒の繊維強化材33〜67重量部を、繊維シュータ及び
2以上の樹脂吐出口を備えたスプレイアップ機を用い
て、成形型に塗布する前に繊維強化材を樹脂組成物で上
下から包み、次いでこれを成形型表面に塗布するスプレ
イアップ法により樹脂組成物と繊維強化材を成形型表面
に塗布して硬化させることを特徴とする繊維強化プラス
チック成形品の製造方法。 - 【請求項2】 成形型表面に、不飽和ポリエステル樹脂
又はビニルエステル樹脂100重量部と、平均粒径が1
0〜200μmの軽量フィラー5〜25重量部を含むコ
ーティング材を塗布し、硬化させてコーティング層を形
成した後、コーティング層の上に請求項1記載の組成物
を請求項1記載のスプレイアップ法により塗布して硬化
させる繊維強化プラスチック成形品の製造方法。 - 【請求項3】 成形型表面に、ゲルコート層を塗布して
硬化させた後、ゲルコート層の表面に請求項1記載の組
成物を請求項1記載のスプレイアップ法により塗布して
硬化させる繊維強化プラスチック成形品の製造方法。 - 【請求項4】 成形型表面に、ゲルコート層を塗布して
硬化させた後、ゲルコート層の表面に請求項2記載の方
法でコーティング層を形成した後、コーティング層の上
に請求項1記載の組成物を請求項1記載のスプレイアッ
プ法により塗布して硬化させる繊維強化プラスチック成
形品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08838694A JP3496206B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08838694A JP3496206B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07290584A JPH07290584A (ja) | 1995-11-07 |
| JP3496206B2 true JP3496206B2 (ja) | 2004-02-09 |
Family
ID=13941361
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08838694A Expired - Fee Related JP3496206B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3496206B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4792674B2 (ja) * | 2001-07-27 | 2011-10-12 | 日立化成工業株式会社 | 繊維強化プラスチック成形品の製造方法 |
-
1994
- 1994-04-26 JP JP08838694A patent/JP3496206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH07290584A (ja) | 1995-11-07 |
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