JP3661274B2 - インクジェット記録体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録体に関し、特に優れたインク吸収性を有し、高速で印字されても画像品位に優れるインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタによる記録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易なために多方面で利用されている。インクジェット記録体としては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用されている。また、最近になり表面に光沢層を設けた光沢タイプのインクジェット記録体も開発されてきている。
さらに、インクジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった用途の拡大に伴い、高速印字適性に優れたインクジェット記録体が希求されている。
このような要求を満たすには、インクの吸収速度を高める必要があるが、従来技術、例えば単にシリカ、アルミナ等の多孔性に富む顔料を用いた記録層を設けただけでは十分でないことが明らかになってきた。
【0003】
インクの吸収性を規定した従来技術としては、▲1▼インク吸収容量を規定(特開昭60−122188号)したものがある。ここでは、インクの付着した記録用紙にその1秒後に吸取紙を押し当てて、吸取紙にインクが転移しない最大インク量をインク吸収容量としているが、インクの吸収速度と吸収容量には必ずしも相関が無く、また吸取紙を押し当ててインクの転移をみる場合、記録用紙の平滑性等にも影響を受け、測定値自体も信頼性に欠ける恐れがある。また▲2▼インク受理層中に吸収される溶液の重量を規定した例(特開昭61−3777号)もあるが、10秒という過剰の時間に溶液を吸収させ、余分の溶液を取り除いて吸収量を測定するものであり、実際に記録する際のインクの吸収速度を議論できるものではない。また▲3▼インク吸収性をインクの乾燥性より規定し、インクジェット記録後、記録部を指で触り、インクが付着しなくなる時間を測定した例(特開昭62−140878号)もあるが、正確性に欠け、高速印字適性を評価するのには不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高速印字に対応し、優れたインク吸収性と画質が得られるインクジェット記録体を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の態様を含む。
[1] 基材と、該基材上に設けられた少なくとも1層の記録層と、該記録層上に設けられた光沢層とからなるインクジェット記録体において、
前記記録層は、無定形シリカ又は酸化アルミニウムを含む顔料と、該顔料に対して2〜20重量%のポリビニルアルコールとを含有し、
前記光沢層は、ガラス転移点が40〜100℃の重合体樹脂を含有する塗工液を前記記録層に塗工し、80〜90℃に加熱した鏡面ドラムに圧接、乾燥して形成されており、
前記光沢層表面に水/ジエチレングリコールを70:30の比率で混合した溶液を滴下した際の吸収速度が、100nl/sec以上であることを特徴とするインクジェット記録体。
[2] 前記光沢層の重合体樹脂が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂である[1]記載のインクジェット記録体。
[3]基材と、該基材上に設けられた少なくとも1層の記録層とからなるインクジェット記録体において、
前記記録層は、無定形シリカ又は酸化アルミニウムを含む顔料と、該顔料に対して2〜20重量%のポリビニルアルコールとを含有し、
前記記録層表面に水/ジエチレングリコールを70:30の比率で混合した溶液を滴下した際の吸収速度が、100nl/sec以上であることを特徴とするインクジェット記録体。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記したように、本発明者等は、高速印字適性を備えるインクジェット記録体につき鋭意検討を重ねた結果、基材上に顔料および接着剤を含有する記録層を少なくとも1層設けたインクジェット記録体において、インクジェット記録体の記録面上に、水/ジエチレングリコールを重量比で70:30の比率で混合した溶液を滴下した際の吸収速度が、100nl(ナノリットル)/sec以上、より好ましくは200nl(ナノリットル)/sec以上とすることにより、画質に優れ、にじみがなく、記録濃度の高いインクジェット記録体が得られることを見出した。上限は特にないが10000nl(ナノリットル)/sec程度までは吸収速度は上げられる。
【0007】
ここで、吸収速度とは、インクジェット記録体の記録面上に水/ジエチレングリコールを重量比で70:30の比率で混合した溶液を滴下し、液滴の記録面への吸収に伴う記録面上での体積の減少より、単位時間当たりに減少した体積として表わされる。本発明では、FIBRO system ab社から販売されている動的液体吸収試験器(ファイブロ1100DAT ダイナミック・アブソープション・テスター,総発売元 松坂貿易株式会社)を使用し測定した。具体的測定方法としては、精密液体ポンプによりシリンジを通じて液滴を3μl(マイクロリットル)滴下し、滴下された液滴を真横からビデオカメラにて拡大観察し、液滴が記録面上に接触した時点より20msec間隔で撮影し液滴の体積変化を追跡した。吸収速度は、液滴が記録面上に接触した時点より1秒後から5秒後までの間の液滴の体積変化より算出した。本発明では以上の様にして吸収速度を求めたが、測定装置としては同様の原理で測定できるものであれば、上記のものに限定されるものではない。
【0008】
本発明の吸収速度測定に用いる、水/ジエチレングリコールを重量比で70:30の比率で混合した溶液は、インクジェット記録用の水性インクの組成をモデル化したものであり、各種のインクジェットプリンターで使用される水性インクの吸収性を把握するのに適している。さらに本発明で規定した吸収速度は特に高速印字を行うプリンターで重要な特性となることが判った。本発明の吸収速度が100nl/sec未満では、水性インクの吸収が遅くなり、インクが表面であふれてにじんだり、吸収ムラが生じ、画質のベタ印字の均一性が低下するようになる。
本発明で規定した吸収速度は、記録層の顔料と接着剤の種類および両者の配合比率等により調整される。インクジェットプリンター用の水性インクは、記録層の顔料間の隙間および顔料内の微孔に吸収・保持されると考えられ、多孔性に富む顔料を使用し、顔料間は十分に接着されているが、顔料間の隙間が埋め尽くされず十分な空間が形成される程度に接着剤の量を制御すると、本発明で規定した吸収速度を高めることができる。
【0009】
記録層の顔料としては、例えばカオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、コロイダルシリカ、ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が使用できるが、上記の顔料の中でも、記録層の構造をポーラスでインク吸収性の優れたものにする意味で、無定形シリカや酸化アルミニウム等の顔料が特に好ましく使用される。
【0010】
接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗被紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
なお接着剤の配合量は特に限定しないが顔料に対し、1〜40重量%、より好ましくは2〜20重量%程度の範囲で調節される。ここで接着剤の量が少ないと、記録層の強度が弱くなり表面が傷つきやすくなったり、粉落ちが発生する場合がある。逆に接着剤の量が多いと、インク吸収性が低下し、所望のインクジェット記録適性が得られなくなる場合がある。
【0011】
記録層にはポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等のカチオン性の樹脂を印字画像耐水性を向上させる目的で顔料100重量部に対し、1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で添加することができる。
【0012】
その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。上記材料をもって構成される記録層用組成物は、一般に固形分濃度を5〜65重量%程度に調整し、坪量が約20〜400g/m2 程度の基材上に乾燥重量で1〜50g/m2 程度、より好ましくは2〜20g/m2 程度になるように塗工される。ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥できる。さらに、必要に応じて記録層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
なお、ベースとなる基材は、特に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材、合成紙、さらにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等の合成樹脂よりなる透明または不透明のプラスチックフィルム、金属箔類、さらに紙とプラスチックフィルム等のラミネート紙等が適宜使用される。
【0013】
記録層の塗工量を比較的少なくし、基材にもインクを吸収させるように設計することもできる。特に紙基材を用いた場合は、紙基材のインク吸収性が重要になる。紙基材のインク吸収性はサイズ度を調整することにより制御することが可能である。記録層の塗工量が比較的少ない場合、例えば5g/m2 程度以下の場合、サイズ度が低い方がインク吸収性が向上する傾向がある。サイズ度は、原紙のパルプの種類、パルプの叩解度、紙力増強剤、内添サイズ剤、表面サイズ剤等により影響される。プラスチックフィルムやラミネート紙等のインク吸収性に乏しい基材を用いる場合、記録層自体が十分なインク吸収容量を持つ必要があり、記録層の塗工量をある程度多くする(例えば5g/m2 程度以上)とよい。上記した顔料と接着剤を含有する記録層上にさらに光沢層を設け、光沢タイプのインクジェット記録体を得ることができる。この態様では写真調の高品位画像が得られる。光沢層は、樹脂および必要に応じて顔料を添加して構成される。光沢層はインクが速やかに通過できるよう、光沢を阻害しない範囲で多孔性もしくは通液性にするのが好ましい。このようにするためには、光沢を落とさない範囲で、樹脂が完全に成膜しないような乾燥条件を選択すると良い。また、顔料を配合する場合、透明性や光沢を低下させないために、粒径の小さい、例えば300nm程度以下のものを選択するのが良い。このような顔料としては、コロイダルシリカ、アルミナゾル、シリカゾル等が挙げられる。
【0014】
重合体樹脂としては、エチレン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチレン性モノマーという)を重合してなる重合体樹脂が好適に使用され、この様な重合体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレートブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体が挙げられる。なお、重合体樹脂は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても良いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えばカルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性にしたもの等が例示される。また、上記のエチレン性モノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合によって複合体になった形で使用することも可能である。
【0015】
光沢層を設ける方法も限定しないが、上記のエチレン性モノマーを重合してなる重合体樹脂あるいは共重合体樹脂(以下一括して共重合体樹脂と称する)を主成分として含有する塗工液を塗工して、塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェットキャスト方式)が、キャスト方式の中でも優れた光沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記録体が得られるため好ましい。この場合は、基材を通過して水分が蒸発し乾燥できる様、通気性を有する基材例えば紙基材を用いるのが望ましい。上記の共重合体樹脂は、そのガラス転移点が40℃以上のものが好ましく、50〜100℃の範囲であるものがより好ましい。ガラス転移点が低いと乾燥の際に成膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの吸収速度が低下するおそれが生じる。また、乾燥温度が重要であり、乾燥温度が高すぎると成膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの吸収速度が低下する場合がある。逆に乾燥温度が低すぎると、光沢に乏しくなる傾向が有り、生産性も低下する。また、光沢層用塗工液中には白色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やインクジェット記録体に使用されている顔料、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤及び上記した以外の分散剤・増粘剤等の各種助剤が適宜添加される。
【0016】
前述した光沢層用塗工液を記録層上に塗工する場合、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。また、好ましくは前述したように塗工層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げを行う。この場合の光沢層用塗工液の塗工量は、乾燥固形分で0.2〜30g/m2 、好ましくは、1〜10g/m2 である。塗工量が少ないと光沢が十分に出ない場合があり、多いとインク乾燥性が劣ったり、記録濃度が低下する恐れがある。
光沢層を設けた後で、さらにスーパーカレンダー等により平滑化処理を行うこともできる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0018】
実施例1顔料として酸化アルミニウム90部、スメクタイト粘土10部、接着剤として、ポリビニルアルコール10部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の記録層用組成物(塗工液)を調成した。この記録層用塗工液を、坪量100g/m2 の原紙に乾燥重量で8g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥しインクジェット記録体を得た。
【0019】
実施例2顔料として酸化アルミニウム90部、スメクタイト粘土10部、接着剤として、ポリビニルアルコール5部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂10部、分散剤としてポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の記録層用組成物(塗工液)を調成した。この記録層用組成物(塗工液)を、坪量100g/m2 の原紙に乾燥重量で8g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し記録層を設けた。一方、ガラス転移点75℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカは、重量比で50:50)100部、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0020】
実施例3実施例2と同様にして記録層を形成させ、さらに実施例2と同様の光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が90℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0021】
実施例4実施例2と同様にして記録層を形成させ、さらに実施例2と同様の光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が80℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0022】
実施例5顔料として無定形シリカ90部、ゼオライト10部、接着剤として、ポリビニルアルコール5部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の記録層用組成物(塗工液)を調成した。この記録層用組成物(塗工液)を、坪量100g/m2 の原紙に乾燥重量で8g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し記録層を設けた。一方、ガラス転移点75℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカは、重量比で50:50)100部、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0023】
比較例1顔料として酸化アルミニウム90部、スメクタイト粘土10部、接着剤として、ポリビニルアルコール5部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の記録層用組成物(塗工液)を調成した。この記録層用組成物(塗工液)を、坪量100g/m2 の原紙に乾燥重量で8g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し記録層を設けた。一方、ガラス転移点30℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体100部、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0024】
比較例2実施例2と同様にして記録層を形成させ、さらに実施例2と同様の光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0025】
比較例3顔料として無定形シリカ90部、ゼオライト10部、接着剤として、ポリビニルアルコール30部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分濃度18%の記録層用塗工液を調成した。この記録層用塗工液を、坪量100g/m2 の原紙に乾燥重量で8g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し記録層を設けた。一方、ガラス転移点75℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカは、重量比で50:50)100部、増粘・分散剤としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録体を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、8g/m2 であった。
【0026】
比較例4
市販の光沢塗工タイプのインクジェット用紙(NS−101;キヤノン(株)製)を用いた。
【0027】
比較例5
市販の光沢塗工タイプのインクジェット用紙(スーパーファイン専用光沢ハガキ;セイコーエプソン(株)製)を用いた。
比較例6
市販のインクジェット用紙(インクジェット専用紙スタンダード;花王(株)製)を用いた。
【0028】
このようにして得られたインクジェット記録体の吸収速度、インクジェット記録適性、白紙光沢を表1にまとめて示した。なお、上記の評価については下記の如き方法で評価を行った。
[吸収速度]動的液体吸収試験器 FIBRO 1100 DAT(FIBRO system ab社製)を使用し、インクジェット記録用紙の記録面上に、水(蒸留水)/ジエチレングリコール=70/30(重量比)からなる混合液を3μl滴下し、1秒後から5秒後までの間の吸収速度を20msec毎に測定し、平均値を求めた。(単位はnl/sec)
【0029】
[インクジェット記録適性]
高速印字タイプのインクジェットプリンターである、ラベルプリンターP−400L(キヤノンアプテックス(株)製)を用いて印字を行なった。
(ベタ印字部の均一性)
シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視にて評価した。
◎:印字ムラはほとんど無く良好なレベル。
○:印字ムラは若干あるが、実用上問題とならないレベル。
△:印字ムラがやや目立ち、実用上問題となるレベル。
×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
【0030】
(インクの乾燥性)
シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性を評価した。
○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
×:印字直後に指で触れると汚れる。
(インクジェット記録後の印字濃度)
黒ベタ印字部分の印字濃度をマクベスRD−914で測定。
〔白紙光沢〕
JIS−P8142に準じて測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明は、高速印字に対応し、優れたインク吸収性と画質が得られるインクジェット記録体であった。またベタ均一性、インク乾燥性に優れ、記録濃度が高く、にじみがない画像が得られる。また光沢層を設けた態様では一層優れた画像と写真調の高品位性が得られた。
Claims (3)
- 基材と、該基材上に設けられた少なくとも1層の記録層と、該記録層上に設けられた光沢層とからなるインクジェット記録体において、
前記記録層は、無定形シリカ又は酸化アルミニウムを含む顔料と、該顔料に対して2〜20重量%のポリビニルアルコールとを含有し、
前記光沢層は、ガラス転移点が40〜100℃の重合体樹脂を含有する塗工液を前記記録層に塗工し、80〜90℃に加熱した鏡面ドラムに圧接、乾燥して形成されており、
前記光沢層表面に水/ジエチレングリコールを70:30の比率で混合した溶液を滴下した際の吸収速度が、100nl/sec以上であることを特徴とするインクジェット記録体。 - 前記光沢層の重合体樹脂が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂である請求項1記載のインクジェット記録体。
- 基材と、該基材上に設けられた少なくとも1層の記録層とからなるインクジェット記録体において、
前記記録層は、無定形シリカ又は酸化アルミニウムを含む顔料と、該顔料に対して2〜20重量%のポリビニルアルコールとを含有し、
前記記録層表面に水/ジエチレングリコールを70:30の比率で混合した溶液を滴下した際の吸収速度が、100nl/sec以上であることを特徴とするインクジェット記録体。
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