JP3664183B2 - 内装用化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建装材、特に内装材として使用する発泡壁紙等の化粧材に関するもので、建築基準法の準不燃(2級)及び不燃(1級)に合格する無公害性の高い内装用化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内装材として使用される壁紙としては、主に軟質ポリ塩化ビニルが用いられている。しかし、このポリ塩化ビニルを用いた壁紙は、燃焼時に有毒ガスである塩酸ガス及び大量の黒煙が発生するため、人体やまわりの環境に与える悪影響の点で問題があった。
【0003】
このようなポリ塩化ビニル樹脂を用いた壁紙の欠点を改良するため、アクリル系、オレフィン系等の水性エマルジョンを用いた壁紙が開発された。水性エマルジョンを用いることにより、ポリ塩化ビニル壁紙のような有毒ガスの発生は無くなるが、従来、発泡壁紙の表面に凹凸模様を形成するための発泡抑制インキを用いた発泡抑制技術をこの水性エマルジョン壁紙に適用しようとすると、発泡抑制効果が十分得られず、表面の凹凸模様による意匠性の高いものが得られないという問題があった。
【0004】
本発明者らは、このような問題が起こる原因について検討したところ、発泡樹脂層に用いられる樹脂成分の重合度が影響していることが判明した。従来の水性エマルジョン壁紙に使用されている発泡樹脂層の樹脂成分は、重合度が3000を超える比較的重合度の高いものが用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、発泡抑制技術を可能にし、且つ、燃焼時の有毒ガスの発生や発煙の少ない無公害性に優れた内装用化粧材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の内装用化粧材は、難燃性の基材上に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル単量体と、1個以上の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜9のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の単量体とから得られる重合度1000〜3000のアルキルアクリレート系共重合体樹脂、および、発泡剤を少なくとも含有するアルキルアクリレート系樹脂層を設け、発泡抑制インキで所望の柄を印刷した後、発泡させてなることを特徴としている。
【0007】
以下、本発明の構成について更に詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施例の構成による発泡壁紙の断面図である。
【0009】
図1に示す発泡壁紙は、難燃性の基材1上に、アルキルアクリレート系樹脂層2を設け、その表面に一般インキ3と発泡抑制インキ4で所望の柄を印刷した後、発泡させたものである。
【0010】
本発明の上記アルキルアクリレート系樹脂層2は、樹脂成分として重合度1000〜3000のアルキルアクリレート系共重合体樹脂を使用し、少なくとも発泡剤を添加し、通常はこれに更に可塑剤、無機質充填剤、安定剤、希釈剤等を混合して得られるプラスチゾルを基材1上に塗布することにより形成される。
【0011】
樹脂成分として用いられるアルキルアクリレート系共重合体樹脂は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル単量体と、1個以上の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜9のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の単量体とから得られる。
【0012】
炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
1個以上の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜9のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸などが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
このような炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル単量体と、1個以上の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜9のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の単量体とから公知の重合法によりアルキルアクリレート系共重合体樹脂を得ることが出来るが、本発明では、このようなアルキルアクリレート系共重合体樹脂のうち、重合度が1000〜3000のものを使用する。重合度が1000未満のものでは、強度等の物性面で問題があり、重合度が3000を超えるものでは、発泡抑制インキを用いたときの発泡抑制効果が十分に得られないという問題がある。重合度が1000〜3000の共重合体を得る方法としては、通常、乳化重合或いは微細懸濁液重合で反応する際、連鎖移動剤を添加して分子量調整を行う等の重合条件を調整したり、あるいは、重合調整剤などを用いたりする。
【0015】
本発明に用いる発泡剤としては、例えばアゾジカルボン酸アミド系の有機発泡剤が好ましい。具体的には、従来ポリ塩化ビニル系発泡壁紙に用いられている発泡剤などが全て使用可能である。発泡開始温度は180〜200℃の範囲のものが好ましい。発泡剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対して3〜7重量部が好ましい。配合量が3重量部未満では発泡抑制効果が劣り、7重量部を超えると発泡セルが粗野な状態となる。
【0016】
本発明に用いる可塑剤としては、例えば分子量が360〜480のフタル酸アルキルエステル系可塑剤が好ましく、具体的には、ジブチルフタレート、ジ−n−ノニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−ノニルフタレート等が挙げられる。可塑剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対して50〜80重量部が好ましい。配合量が50重量部未満ではゾルの粘度が高すぎて塗布が良好に行えず、80重量部を超えると余分な可塑剤が表面に滲み出してくるブリード現象が起こるようになる。
【0017】
本発明に用いる無機質充填剤としては、例えば水酸化アルミニウムなどが好適である。粒径としては3〜10μmのものが好ましく、3μm未満の場合は粘度が上昇し、10μmを超える場合は、沈降分離を起こす可能性がある。水酸化アルミニウムの配合量は、樹脂固形分100重量部に対して50〜150重量部が好ましい。配合量が50重量部未満では難燃性が不足し、150重量部を超えると粘度、強度に対して悪影響を与え好ましくない。また、水酸化アルミニウムの代わりに周期律表I〜III族に属する金属の水酸化物や炭酸カルシウムなどを使用することもでき、配合量のトータルが150重量部以下であれば、これらの化合物を2種以上併用することも可能である。
【0018】
本発明に用いる安定剤としては、例えばZnOを中心としてNa、Ca、K、Ba等の金属イオンを有するものが好適であり、一般的にポリ塩化ビニルのケミカルエンボス用に用いられているものは使用可能である。安定剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対して2〜5重量部が好ましい。配合量が2重量部未満では発泡抑制効果が不十分であり、5重量部を超えると発泡状態が粗野になりやすい。
【0019】
また、本発明では、上記の他に、各種顔料の使用も可能であり、とくに酸化チタン顔料が好ましく使用される。配合量は樹脂固形分100重量部に対して10〜20重量部程度が適当である。
【0020】
本発明では、この他に塗布適性を向上させる目的で通常は希釈剤が使用される。希釈剤としては、特に脂肪族系炭化水素が好ましい。芳香族系の炭化水素は粘度が経時で上昇するためあまり望ましくない。希釈剤の配合量は、樹脂固形分100重量部に対して10〜20重量部が好ましい。配合量が10重量部未満では高速塗布が困難であり、20重量部を超えるとプラスチゾルの粘度が高剪断力下でダイラタントな傾向になる。
【0021】
以上の各成分を混合して得られるプラスチゾルを基材1上に塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えばコンマコーター、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター等を用いて行うことが可能である。したがって、上記プラスチゾルの混合及び塗布はポリ塩化ビニル樹脂の場合と同様の装置を使用することも可能である。塗布後は、乾燥炉等を通して、発泡剤が発泡しない程度の温度で塗布層を乾燥させる。
【0022】
上記プラスチゾルの塗布量は本発明では特に限定されるわけではないが、得られる化粧材のボリューム感を考えると、200〜300g/m2程度の範囲が適当である。
【0023】
なお、本発明に用いられる難燃性の基材1としては、通常使用される難燃紙、無機紙等が適当であり、ポリ塩化ビニル壁紙の場合と同様の裏打紙が使用可能である。
【0024】
こうして、基材1上にアルキルアクリレート系樹脂層を形成した後、一般インキ3及び発泡抑制インキ4を用いて、グラビア印刷等により所望の柄を印刷した後、加熱発泡或いは抑制させることにより、図1の発泡壁紙が得られる。加熱発泡は、原反を乾燥炉を通して熱風により加熱することにより行う。
【0025】
発泡抑制インキ4としては、ポリ塩化ビニル壁紙のケミカルエンボスに用いられる発泡抑制インキは全て使用可能である。本発明では、特に、抑制剤としてトリメリット酸またはベンゾトリアゾールを含むインキが好ましい。
【0026】
【作用】
本発明によると、難燃性の基材上に、特定の範囲の重合度を持つアルキルアクリレート系樹脂層を設けることにより、発泡抑制インキによる良好な発泡抑制効果が得られ、表面の凹凸模様による意匠性の高い発泡化粧材が得られる。
【0027】
また、本発明によると、難燃性の基材上にアルキルアクリレート系樹脂層を設けた非塩ビ系の化粧材が得られるため、塩ビ系化粧材のような燃焼時の有毒ガスの発生がなく、発煙も少ないので、無公害性の環境にやさしい化粧材が得られる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0029】
先ず、アクリレート系単量体としてメチルメタクリレート70重量部及びブチルメタクリレート27重量部と、不飽和カルボン酸単量体としてメタクリル酸3重量部とから公知の懸濁重合法により重合度2000のアルキルアクリレート系樹脂を得た。
【0030】
次に、上記で得られたアルキルアクリレート系樹脂に対して以下の配合を行った後、コンマコーターを用いて難燃紙(80g/m2)上に乾燥後の厚さが0.15mmとなるように塗布を行い、150〜170℃の乾燥炉で乾燥を行った。
【0031】
配合(単位は重量部)
・アルキルアクリレート系樹脂 100
・可塑剤 DOP 70
・発泡剤AZ-S(大塚化学社製) 4
・安定剤KF-80A-8(共同薬品社製) 1
・安定剤2C-M(共同薬品社製) 3
・難燃剤B-143(日本軽金属社製) 80
・酸化チタン1035(白)(日弘ビックス社製) 15
・希釈剤D-40(エクソン化学社製) 15
次に、グラビア印刷機で、一般インキ並びにトリメリット酸含有の発泡抑制インキを用いてそれぞれ所定の柄を印刷した後、200〜220℃の乾燥炉で加熱発泡を行い、凹凸模様の発泡壁紙を得た。
【0032】
このようにして得られた発泡壁紙の燃焼性試験を建設省公示第1372号に従い、「JIS A 1321−1975」に準拠して行った。すなわち、得られた発泡壁紙を不燃石膏ボード基材に設け、塩酸ガスの発生量をNBS法により測定したところ、発熱量(tdθ)=46、発煙量(CA)=6であり、塩酸ガスは検知されなかった。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、難燃性の基材上に、特定の範囲の重合度を持つアルキルアクリレート系樹脂層を設けることにより、発泡抑制インキによる良好な発泡抑制効果が得られ、表面の凹凸模様による意匠性の高い発泡化粧材を提供することができる。
【0034】
また、本発明によれば、難燃性の基材上にアルキルアクリレート系樹脂層を設けた非塩ビ系の化粧材が得られるため、塩ビ系化粧材のような燃焼時の有毒ガスの発生がなく、発煙も少ないので、無公害性の高い環境にやさしい化粧材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成による発泡壁紙の断面図である。
【符号の説明】
1 難燃性基材
2 アルキルアクリレート系樹脂層
3 一般インキ
4 発泡抑制インキ

Claims (1)

  1. 難燃性の基材上に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル単量体と、1個以上の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜9のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の単量体とから得られる重合度1000〜3000のアルキルアクリレート系共重合体樹脂、および、発泡剤を少なくとも含有するアルキルアクリレート系樹脂層を設け、発泡抑制インキで所望の柄を印刷した後、発泡させてなることを特徴とする内装用化粧材。
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