JP4354164B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーを溶解又は膨潤させる定着液をトナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着装置及びこれを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録材上のトナーを加熱して融解し、これを加圧することでトナーを記録材上に定着させる熱定着方式を採用した画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、その消費電力の50%以上が定着部での加熱処理のために消費される。よって、定着部での電力消費を抑えることが画像形成装置全体の省エネ対策として有効である。従来、熱定着方式を採用しない定着方式も、種々提案されている。その中には、トナーを溶解又は膨潤させる定着液を用いて定着処理を行う湿式定着方式が知られている。この湿式定着方式は、トナーに定着液を付与してこれを溶解又は膨潤することで、トナーを記録材上に定着させるものである。この方式においては、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となるため、省エネ対策として優れた定着方式であると言える。また、熱定着方式のようなウォームアップ時間も不要であるため、クイックスタートが可能である。上記湿式定着方式を採用する画像形成装置としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第3290513号公報
【特許文献2】
特開平8−72386号公報
【特許文献3】
特開平9−78039号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の湿式定着方式では、トナーが付着した状態の記録材表面全域に定着液を付与するため、トナーが付着していない記録材表面部分にも定着液が付与されていた。そのため、記録材内部に多くの定着液が浸入し、記録材がカールしたり、記録材にシワが入ったりしやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、省エネ対策のために湿式定着方式を採用しても、記録材のカールやシワの発生を抑制できる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録材上に転写されるトナー像を担持するトナー像担持体と、該トナー像担持体上のトナーを記録材上に転写させる転写手段と、記録材上に該トナー像を定着させるための定着液を、該トナー像を担持したトナー像担持体表面に供給する定着液供給手段とを備えた画像形成装置において、上記定着液として、界面活性剤を含有したものを用い、上記トナー像担持体は、その表面が上記定着液に対して撥液性を有するように撥液処理され、かつ、上記定着液供給手段により定着液が付与される表面部分が重力方向に対して傾斜するように配置されたものであり、上記定着液供給手段は、該トナー像担持体上のトナー像を上記記録材上に転写させる前に、上記定着液を泡状にして上記表面部分に供給するものであり、上記トナー像担持体上のトナー像を上記記録材上に転写させる前に、該トナー像担持体表面にエアーを吹き付けることにより、該トナー像担持体表面に供給された泡状の定着液の余剰分を除去するエアー供給手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着液として、熱を加えることで上記トナーを溶解又は膨潤させる作用が促進されるものを用い、上記トナー像担持体上のトナーに付着した上記定着液を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記加熱手段として、上記トナー像担持体表面に温風を吹き付ける温風供給手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記加熱手段として、上記トナー像担持体の裏面側から該トナー像担持体を加熱するものであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記定着液として、上記トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いたことを特徴とするものである。
本発明においては、トナーにのみ定着液を付着させ、トナーが担持されていない記録材表面部分には定着液を付着させないように定着液を付与する。これにより、従来のように記録材全体に定着液を付与する場合に比べて、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくすることができる。
特に、本発明では、トナー像担持体表面を定着液に対して撥液性を有するように撥液処理しておき、トナー像を担持した状態のトナー像担持体表面に定着液を付与する。これによれば、トナーが付着していない部分に付与された定着液は、トナー像担持体表面からはじかれた状態となる。よって、定着液付与後のトナー像担持体表面が記録材に接触する前に、トナーが付着していない部分に定着液が付着するのを抑制できる。また、トナーが付着していない部分に定着液が多少付着したとしても、その定着液はその周囲にあるトナーに引き寄せられて集まり、その部分の定着液はなくなる結果となる。したがって、トナーが担持されていない記録材表面部分には定着液を付着させずに、トナーにのみ定着液を付与することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のカラー複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。なお、本実施形態の複写機は、トナー像担持体である中間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム型のカラー画像形成装置である。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
【0008】
図3は、複写機本体100部分の構成を示す拡大図である。複写機本体100には、トナー像担持体としての中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持部材である支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの上方には、図2に示すように、露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に表面移動部材としての転写部材である無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を記録材としての転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻き付いた中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラを用いた構成としてもよい。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
【0009】
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18BKを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。なお、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKは、少なくとも感光体ドラム20と、画像形成ユニットを構成する構成部品や構成装置の全部又は一部とを備えたプロセスカートリッジとして構成することができる。この場合、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKを複写機本体100に対して着脱自在に構成できるので、メンテナンス性が向上する。
【0010】
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18BKの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「BK」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63及び除電装置64が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
【0011】
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0012】
また、上記現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を使用している。本実施形態で使用する各色トナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、後述する定着液によって溶解又は膨潤可能なもので形成されている。この現像装置61は、攪拌部66と現像部67に大別できる。攪拌部66では、現像剤が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュ68が設けられており、2本のスクリュ68の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置内の現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。一方、現像部67では、現像スリーブ65に付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム20に転移される。この現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体ドラム20と対向する現像スリーブ65が設けられており、その現像スリーブ65内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ65に先端が接近するようにドクタブレード73が設けられている。
【0013】
この現像装置61では、現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクタブレード73により適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。このようにして感光体ドラム20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻される。
このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
【0014】
また、上記1次転写装置62は、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20に押し当てるようにして設置されている。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。また、各1次転写装置62の間には、中間転写ベルト10の裏面すなわち内周面側に接触する導電性ローラ74が設けられている。この導電性ローラ74は、1次転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中間転写ベルト10の内周面側の層を通じて隣接する画像形成ユニットに流れ込むことを阻止するものである。
【0015】
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、後述するトナーリサイクル装置80を通じて現像装置61へと戻され、再利用する。
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
【0016】
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0017】
次に、本実施形態における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにしいて原稿の画像情報を読み取る。
【0018】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK及び2次転写装置22の2次転写ベルト24も回転駆動する。なお、これら中間転写ベルト10、感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK及び2次転写ベルト24は、これらの間で一定の相対速度が維持されるように、後述する同期制御がなされている。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づき、露光装置21から、各画像形成ユニットの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61Y,61C,61M,61BKにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62C,62M,62BKにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0019】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、分離ローラ52で1枚に分離した後、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
【0020】
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。その印加バイアスには、DC電圧が用いられるが、転写紙をより均一に帯電させるためにDCオフセット成分をもったAC電圧を用いてもよい。なお、このようにバイアスが印加されたレジストローラ49を通過した後の転写紙表面は、若干ながら負極性に帯電する。よって、この場合、中間転写ベルト10から転写紙への2次転写時にはレジストローラ49にバイアスが印加されなかった転写紙とは転写条件が変わるため、適宜転写条件を変更する必要が生じる。
【0021】
レジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に形成される2次転写ニップに送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。ここで、本実施形態では、この2次転写前に、後述するように、中間転写ベルト10上の合成トナー像に定着液を付与する。そして、定着液が付与された合成トナー像が2次転写ニップにおいて転写紙に押しつけられることで、その合成トナー像は、転写紙に2次転写されると同時に、転写紙上に定着される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で排紙ローラ56まで搬送され、排紙トレイ57に排出されスタックされる。
【0022】
次に、本発明の特徴部分である定着工程について説明する。
図1は、本実施形態1の参考例に係る複写機の定着手段としての定着装置を含む部分の概略構成図である。
本参考例の複写機は、中間転写ベルト10の表面移動方向において2次転写部の上流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、中間転写ベルト10の表面と微小間隔を開けて対向するように配置される定着液供給手段としての供給ローラ91を備えている。定着装置90は、供給ローラ91が中間転写ベルト10の表面に対して近接したり離間したりできるように、図示しない駆動機構によって移動可能な構成となっている。また、定着装置90の定着液タンク93の内部には定着液92が収容されており、この定着液92に供給ローラ91が浸った状態で配置されている。供給ローラ91は、トナーに定着液92を付与する際には図中矢印の方向に回転駆動する。これにより、供給ローラ91の表面に定着液92が汲み上げられる。このようにして汲み上げられた定着液92は、メータリングブレード94によって規制され、供給ローラ91の表面に付着する定着液が適量に調整される。そして、供給ローラ91上の定着液は、供給ローラ91の回転に伴って中間転写ベルト10の表面との対向位置まで搬送され、中間転写ベルト10の表面に定着液を供給する。
【0023】
本実施形態で使用する定着液92は、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料(以下、「溶解・膨潤成分」という。)と水とからなる液である。この溶解・膨潤成分は水との親和性をもつ材料であるのが望ましい。この溶解・膨潤成分の具体例としては、高級グリコールエーテル、エチレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル、エチレングリコール、モノメチルエーテル=2−メトキシエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ブチルセロソルブエチルカルビトール、脂肪族二塩基酸エステル、DBE(二塩基酸エステル)、エステル系高沸点混合剤、直鎖二塩基酸エステル(マレイン酸エステル)、イタコン酸エステル、トリメリットエステル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
また、上記溶解・膨潤成分を水に分散させるために界面活性剤を用いてもよい。この界面活性剤の具体例としては、脂肪酸誘導体硫酸エステル、スルホン酸型、リン酸エステルなどの陰イオン(アニオン)界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体などの陽イオン(カチオン)界面活性剤やアミノ酸エステル、アミノ酸、スルホベタインなどの両性イオン(ノニオン)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
本実施形態では、上記溶解・膨潤成分と上記界面活性剤を水に対し20%以下の濃度で混合した液を定着液92として用いている。
【0024】
また、本実施形態の中間転写ベルト10の表面は、撥液処理としてフッ素処理等が施されており、これにより撥水性が付与されている。この処理は、水に対する接触角が60°以上になるようにするのが好ましい。このような撥水処理が施された中間転写ベルト10の表面に供給ローラ91上の定着液92が接触すると、その定着液92は、中間転写ベルト10の表面に付着しないまま供給ローラ91上に残存することになる。すなわち、中間転写ベルト10の表面に定着液92を供給しても、中間転写ベルト10の表面には定着液92がほとんど付着しない。
【0025】
次に、本参考例における定着工程の流れについて説明する。
中間転写ベルト10上に各色トナー像が重なり合って合成トナー像が形成されると、その合成トナー像は、中間転写ベルト10の表面移動に伴って、定着装置90の供給ローラ91と対向する位置に搬送される。定着装置90は、合成トナー像が搬送されてくるまでは、中間転写ベルト10と離間した状態で待機している。そして、定着装置90は、合成トナー像の先端が供給ローラ91との対向位置に到達する直前に、上記駆動機構によって供給ローラ91が中間転写ベルト10の表面に近接する位置に移動する。これにより、供給ローラ91上の定着液92が中間転写ベルト10の表面に供給されることになる。
【0026】
図5(a)〜図5(d)は、中間転写ベルト10の表面に担持されたトナーT及びこれに付与された定着液92の経時的な状態変化を示す説明図である。
図5(a)は、中間転写ベルト10と供給ローラ91とが対向する対向位置(液供給位置)における中間転写ベルト10上のトナーT及び定着液92の状態を示している。この液供給位置では、中間転写ベルト10と供給ローラ91との間は定着液92で充満し、トナー付着の有無にかかわらず中間転写ベルト10上に定着液92が接触する。そして、図5(a)に示す中間転写ベルト10の表面部分が液供給位置を通過すると、図5(b)に示す状態となる。すなわち、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面は、上述のように撥水処理されているために水を主成分とする定着液92をはじくことになる。そのため、その表面部分に接触していた定着液92は、その表面部分に付着せずに、供給ローラ91上に付着したまま定着装置90内に回収される。一方、中間転写ベルト10の表面上に担持されたトナーTに接触していた定着液92は、供給ローラ91上ではなくトナーTに付着する。よって、液供給位置を通過した中間転写ベルト10上では、トナーTを担持した部分にだけ定着液92が付着し、トナーTが担持されていない表面部分には定着液92が付着しない状態となる。
【0027】
このようにしてトナーTに定着液92が付与されると、トナーTの樹脂成分は定着液92の溶解・膨潤成分と反応する。これにより、トナーTは、図5(c)に示すように、膨潤、溶解することになる。その後、トナーTは、粘着性を持った状態となり、図5(d)に示すように、膨潤時に内部に含侵した定着液92の余剰分を表面に吐き出してフィルム状に変化する。このようにフィルム状に変化したトナーTは、中間転写ベルト10の表面移動に伴い、これと2次転写装置22の2次転写ベルト24とによりニップが形成された2次転写部に搬送される。そして、この2次転写部において、中間転写ベルト10上のトナーTは、転写紙Pの表面に押しつけられることで、その粘着性により転写紙P上に転写されるとともに定着される。
【0028】
以上、本参考例によれば、中間転写ベルト10の表面上の定着液92はトナーTの部分にだけ存在する。そのため、中間転写ベルト10の表面を転写紙Pに押しつけて転写、定着を行ったときに転写紙P上に付着する定着液92は、トナーTの部分にだけ存在することになる。よって、従来のように転写紙全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。
また、本参考例によれば、従来に比べて、転写紙1枚当たりに消費する定着液92の量も少なくなるため、定着液92の無駄な消費を抑えることができるという利点もある。
更に、転写紙P上における定着液92の付着量が減る結果、本参考例のように、その定着液92を強制的に乾燥させる機構を設けない構成を実現することが可能となる。したがって、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略でき、省エネ化を図ることができる。
【0029】
〔参考例1〕
次に、本実施形態1の定着装置の他の参考例(以下、「参考例1」という。)について説明する。
図6は、本参考例1の定着装置190を示す概略構成図である。この定着装置190は、供給ローラ191によって中間転写ベルト10の表面に定着液92を供給する点では上記参考例の定着装置90と共通する。しかし、本参考例1の定着装置190では、供給ローラ191の表面に付着する定着液の量の計量方法が上記参考例と異なっている。すなわち、上記参考例では、メータリングブレード94によって供給ローラ191上の定着液量を計量していたのに対し、本参考例1では、塗布ローラ195によって計量する。
【0030】
図7は、塗布ローラ195を示す正面図である。図示のように、塗布ローラ195の表面には、均一パターンの微細な溝が形成されている。この塗布ローラ195は、定着液タンク193内の定着液92に浸った状態で、供給ローラ191の表面に接触するように配置されている。塗布ローラ195は、トナーに定着液92を付与する際には図中矢印の方向に回転駆動する。これにより、塗布ローラ195の表面に定着液92が汲み上げられる。このようにして汲み上げられた定着液92は、塗布ローラ195の表面上の溝内部に入り込んだ状態で担持され、その溝外部に付着した定着液92は、掻き取りブレード194によって掻き取られる。そして、塗布ローラ195上の定着液92は、塗布ローラ195の回転に伴って供給ローラ191との接触位置まで搬送される。この接触位置では、供給ローラ191と塗布ローラ195とがカウンター方向に表面移動しており、塗布ローラ195の溝内部の定着液92が供給ローラ191の表面に付着することになる。したがって、塗布ローラ195の表面に設けられる溝の内部容積を調節することで供給ローラ191上の定着液量を適量に調整することができる。
【0031】
なお、本参考例1では、塗布ローラ195の表面に形成される溝は、図7に示すように、多数のスパイラル状に延びる溝であるが、他のパターンで構成された溝であってもよい。例えば、逆円錐又は逆角錐状の穴を塗布ローラ195の表面に多数均一に配置した溝パターンを採用することもできる。
【0032】
以上、本参考例1によれば、塗布ローラ195に設けられた溝によって、供給ローラ191の表面に定着液92をμmオーダーの層厚で均一に塗布することが可能となる。したがって、中間転写ベルト10の表面には非常に薄い定着液92の層を接触させることができ、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができる。これにより、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を更に少なくし、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることもできる。
【0033】
〔構成例2〕
次に、上記実施形態1の定着装置の構成例(以下、「構成例2」という。)について説明する。
図8は、本構成例2の定着装置290を示す概略構成図である。この定着装置290は、中間転写ベルト10の表面に定着液92を供給する方法が上記参考例や上記参考例1とは異なっている。すなわち、本構成例2では、定着液92を泡状にして中間転写ベルト10の表面に供給する。定着液92を泡状にする方法は種々考えられる。例えば、界面活性剤を含んだ定着液92にコンプレッサからの圧縮空気を供給することで泡立たせる方法が挙げられる。また、より微細な泡を作る方法としては、微小径の穴を有する多孔質状のフィルタ、例えばセラミックスやスポンジ状のものに定着液92を通して噴出させる方法が挙げられる。
【0034】
本構成例2では、定着液供給手段としてのノズル291のヘッド291aが中間転写ベルト10の幅方向にわたって開口しており、ヘッド291aの内部には図示しない多孔質フィルタが配置されている。そして、図示しないポンプによって定着液タンク293内の定着液92がノズル291の吸引管291bから汲み上げる。汲み上げられた定着液92は、ノズル291内を通ってヘッド291aから噴出される。噴出された定着液92は、多孔質フィルタを通過する際に泡状になり、これが中間転写ベルト10の表面に供給される。なお、本構成例2では、中間転写ベルト10の幅方向にわたって延びるヘッド291aを採用しているが、幅の狭いヘッドを中間転写ベルト10の軸方向にわたって往復移動させるような構成であってもよい。
なお、定着液92を効率よく泡状にするために、定着液92に界面活性剤を含ませてよい。この場合、その界面活性剤の含有比率は20%以下であるのが好ましい。この範囲内であれば、本発明者らの研究によって、界面活性剤を含ませたことによるトナーTの定着性の変化がないことが確認されている。
【0035】
以上、本構成例2によれば、定着液92を泡状にして供給することで、少量の液量で広範囲に定着液92を供給することができる。このとき、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分にも泡状の定着液92が付着することがある。しかし、この定着液92は、中間転写ベルト10の撥水作用により容易に移動可能な状態にあるため、中間転写ベルト10に加わる振動や重力の作用を受けることで、最終的には周囲にあるトナーTに付着した定着液92と一体化する。そして、2次転写部に達するまでには、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分からは定着液がほとんど除去されることになる。したがって、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができる。これにより、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を更に少なくし、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することが可能となる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることも可能となる。
【0036】
〔参考例3〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の参考例(以下、「参考例3」という。)について説明する。
図9は、本参考例3の定着装置390を示す概略構成図である。この定着装置390は、中間転写ベルト10の表面に定着液92を供給する方法が上記参考例、上記参考例1及び上記構成例2とは異なっている。すなわち、本参考例3では、定着液92を霧状にして中間転写ベルト10の表面に供給する。定着液92を霧状にする方法は種々考えられる。例えば、コンプレッサからの圧縮空気を定着液92にノズルにより供給することで霧状に噴出させるいわゆるスプレー方式を採用した方法が挙げられる。
【0037】
本参考例3では、定着液供給手段としてのノズル391のヘッド391aが中間転写ベルト10の幅方向にわたって開口している。そして、図示しないポンプによって定着液タンク393内の定着液92がノズル391の吸引管391bから汲み上げる。汲み上げられた定着液92は、ノズル391内を通ってヘッド391aから霧状に噴出され、これが中間転写ベルト10の表面に供給される。なお、本参考例3では、中間転写ベルト10の幅方向にわたって延びるヘッド391aを採用しているが、幅の狭いヘッド391aを中間転写ベルト10の軸方向にわたって往復移動させるような構成であってもよい。
【0038】
以上、本参考例3によれば、定着液92を霧状にして供給することで、少量の液量で広範囲に定着液92を供給することができる。このとき、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分にも霧状の定着液92が付着することがある。しかし、上記構成例2の場合と同様に、2次転写部に達するまでにはその表面部分からほとんど除去されることになる。したがって、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができる。これにより、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を更に少なくし、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることもできる。
【0039】
〔参考例4〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の参考例(以下、「参考例4」という。)について説明する。
中間転写ベルト10上において、定着液92が付与されたトナーTは、図5(c)に示したように膨潤した後、図5(d)に示したように内部に含侵した定着液92の余剰分を表面に吐き出してフィルム状に変化する。フィルム状に変化した後に残る定着液92は、もはや定着には寄与しない不要物である。このまま放置してその定着液92が転写紙Pに付着しても、その付着量は従来に比べて少量であるため、転写紙Pがカールしたりシワになったりする度合いは小さい。しかし、転写紙Pのカールやシワをより抑制するためには、この不要となった定着液92を積極的に除去する方が望ましい。
また、画像面積率が高い画像を転写紙P上に形成する場合には、転写紙P上におけるトナーTの占有率も高くなり、これに比例して転写紙Pに付着する定着液92の量も多くなる。この場合、上記定着装置90,190,290,390による中間転写ベルト10への定着液92の供給量が多すぎると、転写紙Pがカールしたりシワになったりする度合いが実用的な範囲を超えるおそれがある。したがって、この点からも、不要となった定着液92を積極的に除去するのが望ましいといえる。
そこで、本参考例4では、これを除去する機構を付加した具体例について説明する。
【0040】
図10は、本参考例4の定着装置490を示す概略構成図である。この定着装置490の本体部分は、図6に示した上記参考例1の定着装置190と同じ構成となっている。しかし、この定着装置490には、上記参考例、上記参考例1、上記構成例2及び上記参考例3とは異なり、余剰液除去手段としての余剰液回収ローラ496aが設けられている。この余剰液回収ローラ496aは、上記液供給位置と上記2次転写部との間で、中間転写ベルト10の表面に接触するように配置されている。この余剰液回収ローラ496aは、その接触位置において中間転写ベルト10の表面と同じ線速でかつ同方向に回転駆動するように構成されている。この余剰液回収ローラ496aとしては、アルマイト処理などがなされた金属ローラが好ましい。また、ゴムなどで形成されたローラであってもよいが、この場合には、粘着性を持ったトナーTが容易に付着しないように、シリコンゴムなどの撥油性材料で表面が形成されたものであるのが望ましい。
【0041】
本参考例4においては、定着液92とトナーTを担持した中間転写ベルト10の表面部分が余剰液回収ローラ496aとの接触位置に到達すると、中間転写ベルト10と余剰液回収ローラ496aとの間に不要となった定着液92が挟み込まれる。そして、その中間転写ベルト10の表面部分が上記接触位置を通過するとき、中間転写ベルト10上の定着液92は余剰液回収ローラ496aの表面側に付着する。これにより、不要となった定着液92は、余剰液回収ローラ496aによって回収され、中間転写ベルト10の表面から除去される。なお、余剰液回収ローラ496aによって回収された定着液92は、クリーニングブレード496bによって掻き取られる。
【0042】
以上、本参考例4によれば、中間転写ベルト10上のトナーTが転写紙P上に2次転写される前に、既に定着には不要となった定着液92を除去することができる。これにより、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量が更に少なくなり、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
また、中間転写ベルト10の表面は上述のように撥水処理がなされているが、その撥水作用が経時的に衰える場合がある。この場合、トナーが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分に、僅かながら定着液92が水滴状に付着してしまうおそれがある。しかし、本参考例4によれば、このような水滴状の定着液92も、余剰液回収ローラ496aによって同様にして回収することができる。よって、本参考例4によれば、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワも効果的に抑制することができる。
【0043】
なお、本参考例4では、余剰液回収ローラ496aを中間転写ベルト10の表面に接触させて不要な定着液92を回収しているが、この余剰液回収ローラ496aを用いた他の構成を採用することもできる。例えば、余剰液回収ローラ496aを中間転写ベルト10の表面に微小間隔を開けて配置し、その対向位置において余剰液回収ローラ496aの表面が中間転写ベルト10の表面に対してカウンター方向に移動するように回転駆動させる。このような構成とすれば、余剰液回収ローラ496aをいわゆるスクイズローラとして機能させることができる。これにより、その微小間隙を中間転写ベルト10上の定着液92が通過する際、その定着液92は、余剰液回収ローラ496aの表面にスクイズされ、回収される。この構成によれば、上述した余剰液回収ローラ496aを接触させて定着液を除去する場合に比べ、定着液の除去の際にトナーTに加わる外力を少なくできる。よって、定着液92を除去する際に、中間転写ベルト10上に担持されたトナーTによるトナー像が乱れるのを抑制することができる。
【0044】
〔参考例5〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の参考例(以下、「参考例5」という。)について説明する。
図11は、本参考例5の定着装置590を示す概略構成図である。この定着装置590も、上記参考例4と同様に、本体部分が図6に示した上記参考例1の定着装置190と同じ構成であり、余剰液除去手段を備えている。しかし、本参考例5は、余剰液除去手段がエアーナイフ596である点で上記参考例4と相違する。
【0045】
本参考例5の定着装置590は、上記参考例4の余剰液回収ローラ496aと同じ位置にエアーナイフ596が配置されている。このエアーナイフ596は、中間転写ベルト10の幅方向にわたって開口するスリット状のエアー吹出口596aを備えている。また、エアーナイフ596は、吸気ファン596bを備えており、その吸気ファン596bで吸引したエアーがエアー吹出口596aから噴出するように構成されている。エアー吹出口596aは、中間転写ベルト10の表面移動方向に対してカウンター方向に、エアーを中間転写ベルト10の表面に吹き付けるように配置されている。中間転写ベルト10上の定着液92は、エアー吹出口596aからのエアーによって、中間転写ベルト10の表面移動方向とは逆方向に戻され、最終的には重力によって下方に滴下し、エアーナイフ596の回収ケース596c内に回収される。
【0046】
なお、本参考例5では、定着装置本体190からエアーナイフ596に向けて中間転写ベルト10の部分が鉛直方向下方に傾斜しているため、エアーナイフ596に回収ケース596cを設けているが、これを設けない構成とすることもできる。例えば、図12に示すように、トナー像担持体としての中間転写ドラム110に対して鉛直方向上方に2次転写装置122を配置する。そして、図示のように定着装置本体190とエアーナイフ596を配置することで、定着装置本体190からエアーナイフ596に向けて中間転写ベルト10の部分が鉛直方向上方に傾斜するように構成できる。この構成においては、エアー吹出口596aからのエアーによって、不要な定着液92を上記液供給位置まで戻すことができ、その定着液92を定着装置本体190内に回収することができる。
【0047】
以上、本参考例5によれば、上記参考例4と同様に、中間転写ベルト10上のトナーTが転写紙P上に2次転写される前に、既に定着には不要となった定着液92を除去することができる。よって、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができ、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、上記参考例4と同様に、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワも効果的に抑制することができる。
特に、本参考例5では、エアーによって不要な定着液92を除去するので、上記参考例4のように余剰液回収ローラ496aを接触させる場合に比べて、トナーTに加わる外力が少ない。したがって、不要な定着液92を除去する処理により、中間転写ベルト10上に担持されたトナーTによるトナー像が乱れるのを抑制することができる。
【0048】
〔参考例6〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の参考例(以下、「参考例6」という。)について説明する。
中間転写ベルト10上において定着液92が付与されたトナーTは、その定着液92と反応することで、図5(d)に示したようにフィルム状に変化し、粘着性をもつようになる。そして、この反応は、熱を与えることによって促進されることが知られている。そこで、本参考例6では、中間転写ベルト10上のトナーに付着した定着液92を加熱するための機構を付加した具体例について説明する。
【0049】
図13は、本参考例6の定着装置690を示す概略構成図である。この定着装置690の本体部分は、図6に示した上記参考例1の定着装置190と同じ構成となっているが、この定着装置690には、加熱手段としてのヒータ697が設けられている。このヒータ697は、上記液供給位置と上記2次転写部との間で、中間転写ベルト10の表面に対向するように配置されている。
【0050】
以上、本参考例6によれば、トナーTに付着した定着液92をヒータ697によって加熱することで、トナーTの樹脂成分の溶解反応が促進され、トナーTの定着性の向上を図ることができる。また、このように溶解反応を促進することで、上記液供給位置と上記2次転写部との間における中間転写ベルト10の部分の長さを短くできるため、装置の小型化を図ることもできる。更に、本参考例6のようにヒータ697によって加熱することで、トナーTに付着した余分な定着液の水分を蒸発させることもできるので、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
【0051】
なお、本参考例6のヒータ697を、上記参考例4や上記参考例5の定着装置490,590に付加してもよい。この場合、ヒータ697は、余剰液回収ローラ496a又はエアーナイフ596等の余剰液除去手段よりも、中間転写ベルト10の表面移動方向下流側に配置するのが望ましい。この場合、余剰液除去手段によって十分に余剰液が除去された状態で熱を加えることができるので、定着液92及びトナーTに熱が伝わりやすくなる。その結果、トナーTの樹脂成分の溶解反応をより効率よく促進させることができ、また、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。
また、本参考例6のヒータ697の代わりに、他の構成を採用することもできる。例えば、このヒータ697とともに、トナーT及び定着液92が付着した中間転写ベルト10の表面に温風を吹き付けるためのファンを備えた温風供給手段としての温風供給装置を用いることもできる。この場合、加熱手段がヒータ697のみの場合に比べて、より効率よく中間転写ベルト10上のトナーT及び定着液92を加熱することができる。特に、このようなヒータとファンを備えた構成であれば、上記参考例4や上記参考例5で例示した余剰液除去手段と上記加熱手段の両方の機能を併せ持つ手段を実現することができる。これにより、装置の省スペース化及び低コスト化を図ることが可能となる。
また、本参考例6のヒータ697の代わりに、図14に示すような加熱手段を採用することもできる。この加熱手段は、中間転写ベルト10の裏面に接触する加熱ローラ797である。この加熱ローラ797は、その内部にヒータ797aを備えており、中間転写ベルト10を裏面側から加熱するものである。中間転写ベルト10が加熱ローラ797によって加熱されることで、その表面に付着するトナーT及び定着液92が加熱される。この構成によれば、中間転写ベルト10の周囲に配置される部材数を減らすことができ、装置の小型化を図ることができる。
【0052】
〔参考例7〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に複写機に適用した他の参考例(以下、本参考例を「参考例7」という。)について説明する。なお、本参考例の複写機の基本構成や画像形成動作は、上記実施形態1とほぼ同様であるので、以下、上記実施形態1とは異なる定着工程に関してのみ説明する。
【0053】
図15は、本参考例7における定着工程を実行する主要な構成を示すブロック図である。
本参考例7における定着装置890は、インクジェット方式の画像形成装置に採用されているインクヘッドと同様の構成を有する液噴出ヘッド891を備えている。なお、この液噴出ヘッド891は、ヘッドコントローラ892による制御の下、中間転写ベルト10の表面に担持されたトナーTに向けて、定着液92を打ち出す。ヘッドコントローラ892は、本複写機全体を制御する制御部800に接続されており、その制御部800の命令に従って液噴出ヘッド891による定着液92の打ち出しを制御する。
【0054】
上述したように、ユーザーがスタートスイッチを押すと、コンタクトガラス32上の原稿の画像情報がスキャナ300の読取センサ36によって読み取られる。この画像情報がスキャナ300から制御部800に送られると、制御部800は、その画像情報に基づいて各部を制御し、画像形成動作が実行される。このとき、制御部800は、その画像情報から、形成すべき画像を構成するドット位置を各色ごとに把握し、そのドット情報を露光装置21に送ることで、露光装置21により、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上にそれぞれの色に対応したドット状の静電潜像が形成される。制御部800は、露光装置21に出力するドット情報を、定着装置890のヘッドコントローラ892にも出力する。これにより、ヘッドコントローラ892は、中間転写ベルト10の表面にドット状に付着するトナーTの位置を把握することができる。そして、トナーTが付着した中間転写ベルト10の表面が液噴出ヘッド891の対向位置に到達すると、ヘッドコントローラ892によって制御される液噴出ヘッド891から、中間転写ベルト10上のトナーTにのみ定着液92が打ち出される。すなわち、液噴出ヘッド891から打ち出される定着液92は、中間転写ベルト10上のトナーTの部分にのみ付着し、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分には付着しない。
【0055】
以上、本参考例7によれば、中間転写ベルト10の表面上の定着液92はトナーTの部分にだけ存在することになる。したがって、上述した実施形態1と同様に、従来のように転写紙全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。また、本参考例7によれば、上記実施形態1と同様に、従来に比べて、定着液92の無駄な消費を抑えることができるとともに、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略することが可能で省エネ化を図ることもできる。
また、本参考例7によれば、上記実施形態1のように中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワの問題は生じないという利点もある。
【0056】
なお、本参考例7で使用する液噴出ヘッド891の構成は、各ドットのトナーTを転写紙Pに定着させるために必要な微少量の定着液92を打ち出すことができるものであれば、公知のインクジェット方式の画像形成装置で採用されているものに限らない。
また、本参考例7に係る複写機に、上記参考例4及び上記参考例5で例示した余剰液除去手段や、上記参考例6で例示した加熱手段を付加してもよい。その場合、これらの参考例について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0057】
〔参考例8〕
次に、本発明を、上記実施形態1及び上記参考例7と同様に複写機に適用した他の参考例(以下、本参考例を「参考例8」という。)について説明する。なお、本参考例の複写機の基本構成や画像形成動作は、上記実施形態1及び上記参考例7とほぼ同様であるので、以下、これらとは異なる定着工程に関してのみ説明する。
【0058】
図16は、本参考例8に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図である。本参考例8で用いる定着装置990は、上記参考例7で用いた定着装置90と同じ構成を有する。すなわち、本参考例8の定着装置990も、制御部800からドット情報を受け取ることで、液噴出ヘッドからトナーTにだけ定着液92を打ち出すものである。しかし、本参考例8の定着装置990は、転写紙P上のトナーTに対して定着液92を打ち出す点で、中間転写ベルト10上のトナーTに対して定着液92を打ち出す上記参考例7とは異なっている。すなわち、本参考例8では、転写紙Pに2次転写される前のトナーTではなく、転写紙Pに2次転写された後のトナーTに対して定着液92を付与する。
【0059】
以上、本参考例8によれば、転写紙P上のトナーTの部分にだけ定着液92を付与し、トナーTが付着していない転写紙Pの表面には定着液を付与しない。そのため、上記実施形態1及び上記参考例7と同様に、従来のように転写紙全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。また、本参考例8によれば、上記実施形態1及び上記参考例7と同様に、従来に比べて、定着液92の無駄な消費を抑えることができるとともに、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略することが可能で省エネ化を図ることもできる。
また、本参考例8によれば、上記実施形態1や上記参考例7のように中間転写ベルト10の表面に撥水処理を施す必要がないため、中間転写ベルト10の表面材質が制限されることがないという利点もある。
【0060】
なお、本参考例8に係る複写機に、上記参考例6で例示した加熱手段を付加してもよい。その場合、これらの参考例について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0061】
以上、上記各複写機が備える定着装置90,190,290,390,490,590,690,890,990は、トナーを溶解又は膨潤させる定着液92をトナーTに付与して、そのトナーTを記録材としての転写紙P上に定着させるものである。よって、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となり、大幅な省エネ化を図ることができる。また、これらの定着装置では、トナーTにのみ付着し、トナーTが担持されていない転写紙Pの表面部分には付着しないように、定着液92を付与する。よって、従来のように転写紙Pの全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。また、従来に比べて、転写紙Pの1枚当たりに消費する定着液92の量も少なくなるため、定着液92の無駄な消費を抑えることもできる。更に、転写紙P上における定着液92の付着量が減る結果、定着液92を強制的に乾燥させる機構を設けない構成を実現することが可能となる。したがって、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略でき、更なる省エネ化を図ることができる。
また、上記実施形態1及び上記参考例7では、転写紙P上に転写される前のトナー像を担持するトナー像担持体としての中間転写ベルト10上におけるトナーTにのみ定着液92を付着させ、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分には定着液92を付着させないように定着液92を付与する。その後、定着液92が付与されたトナーTを2次転写部において転写紙P上に転移させることで定着を行う。これにより、トナー像が2次転写された転写紙Pの搬送経路上に定着装置を配置する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
また、上記参考例7における定着装置890は、中間転写ベルト10の表面上におけるトナー担持位置を示す位置情報であるドット情報に基づいて、中間転写ベルト10の表面に担持されたトナーTにのみ定着液92を供給する定着液供給手段としての液噴出ヘッド891及びヘッドコントローラ892を備えている。この構成によれば、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分には定着液92が接触することがないため、中間転写ベルト10の撥水性が経時的に劣化しても、その表面部分に定着液92が付着することはない。したがって、上記参考例7では、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワの問題は生じないという利点がある。
また、上記参考例7では、上記実施形態1の参考例6のように、定着液92として、熱を加えることでトナーを溶解又は膨潤させる作用が促進されるものを用い、中間転写ベルト10上のトナーTに付着した定着液92を加熱する加熱手段としてのヒータ697又は加熱ローラ797を設けてもよい。これにより、定着液92によるトナーTの樹脂成分の溶解反応が促進され、トナーTの定着性の向上を図ることができる。また、このように溶解反応を促進することで、上記液供給位置と上記2次転写部との間における中間転写ベルト10の部分の長さを短くできるため、装置の小型化を図ることもできる。更に、本参考例6を採用すれば、トナーTに付着した余分な定着液の水分を蒸発させることもできるので、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
特に、上記参考例7において上記実施形態1の参考例6を採用し、上記参考例6の部分で説明したように、上記加熱手段として、中間転写ベルト10の表面に温風を吹き付ける温風供給手段としての温風供給装置を用いることができる。この場合、加熱手段がヒータ697である場合に比べて、より効率よく中間転写ベルト10上のトナーT及び定着液92を加熱することができる。特に、このような温風供給装置であれば、上記余剰液除去手段と上記加熱手段の両方の機能を併せ持つ手段を実現することができる。これにより、装置の省スペース化及び低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記参考例7において上記実施形態1の参考例6を採用し、上記参考例6の部分で説明したように、上記加熱手段として、中間転写ベルト10の裏面側から中間転写ベルト10を加熱する加熱ローラ797を用いることもできる。この場合、中間転写ベルト10の周囲に配置される部材数を減らすことができ、装置の小型化を図ることができる。
また、上記参考例8における定着装置990は、転写紙P上に担持されたトナーTに対して定着液92を付与するものである。すなわち、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙P上に転写させた後に、転写紙P上に担持されたトナーTにのみ付着し、トナーTが担持されていない転写紙Pの部分には付着しないように、定着液92を付与するものである。この定着装置によれば、上記実施形態1や上記参考例7のように中間転写ベルト10の表面に撥水処理を施す必要がない。そのため、中間転写ベルト10の表面材質が制限されることがないという利点がある。
特に、上記参考例8では、転写紙P上におけるトナー担持位置を示す位置情報としてのドット情報に基づいて、転写紙P上に担持されたトナーTにのみ定着液92を供給する定着液供給手段としての液噴出ヘッド891及びヘッドコントローラ892を備えている。この構成によれば、トナーTが担持されていない転写紙Pの部分に定着液92を接触させることなく、トナーTにのみ定着液92を供給することを実現できる。
また、上記参考例8の定着装置990にも、上述したような加熱手段を設けてもよい。この場合、上記実施形態1の参考例6と同様に、定着液92によるトナーTの樹脂成分の溶解反応を促進し、トナーTの定着性の向上を図ることができる。また、このように溶解反応を促進することで、上記2次転写部と排紙部との間における搬送経路長を短くできるため、装置の小型化を図ることもできる。
また、上記各実施形態では、定着液92として、トナーTを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いている。これにより、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)等を定着液として用いる場合に比べて、環境面を配慮した装置を提供することができる。
また、上記実施形態1では、中間転写ベルト10として、その表面が撥液処理である撥水処理されたものを用い、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙P上に転写させる前に、トナー像を担持した中間転写ベルト10の表面に定着液92を供給する定着液供給手段としての供給ローラ91,191又はノズル291,391を設けている。これにより、トナーTが担持されていない中間転写ベルト10の表面では、その撥液処理によって定着液92がはじかれることになる。そのため、その表面部分に接触していた定着液92はその表面部分に付着せず、定着液92をトナーTにのみ付着させることができる。
また、上記実施形態1の参考例1では、上記定着液供給手段が、上記トナー像担持体表面に接触し又は所定間隔を開けて対向するように設置される供給ローラ191と、その供給ローラ表面に接触してその表面に定着液92を塗布する塗布ローラ195とで構成されている。塗布ローラ195の表面には、均一パターンの溝が形成されており、その溝の内部に収容された定着液92が供給ローラ191の表面に塗布されることになる。したがって、中間転写ベルト10の表面に非常に薄い定着液92の層を接触させることができ、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができる。これにより、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を更に少なくし、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることもできる。
また、上記実施形態1の構成例2では、定着液供給手段が、泡状の定着液92を中間転写ベルト10の表面に供給するノズル291を採用している。このように泡状の定着液92を供給することで、少量の液量で広範囲に定着液92を供給することができる。したがって、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができ、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することが可能となる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることも可能となる。
特に、上記構成例2では、定着液92に界面活性剤を含有させているため、定着液92を効率よく泡立てることができる。
また、上記実施形態1の参考例3では、定着液供給手段として、霧状の定着液92を中間転写ベルト10表面に供給するノズル391を用いている。このように霧状の定着液92を供給することで、少量の液量で広範囲に定着液92を供給することができる。したがって、中間転写ベルト10の表面に供給する定着液92の液量を少量に抑えることができ、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することが可能となる。また、定着液92の無駄な消費をより抑えることも可能となる。
また、上記実施形態1の参考例4及び参考例5では、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙P上に転写させる前に、中間転写ベルト10の表面に供給された定着液92の余剰分を除去する余剰液除去手段としての余剰液回収ローラ496a又はエアーナイフ596を設けている。これにより、中間転写ベルト10上における既に定着には不要となった定着液92を除去することができる。よって、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができ、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワも効果的に抑制することができる。
特に、上記実施形態1の参考例5では、余剰液除去手段として、中間転写ベルト10の表面にエアーを吹き付けることにより定着液92の余剰分を除去するエアー供給手段としてのエアーナイフ596を用いている。このようにエアーによって不要な定着液92を除去するので、上記参考例4のように余剰液回収ローラ496aを接触させる場合に比べて、トナーTに加わる外力が少ない。したがって、不要な定着液92を除去する処理により、中間転写ベルト10上に担持されたトナーTによるトナー像が乱れるのを抑制することができる。
一方で、上記実施形態1の参考例4では、余剰液除去手段として、中間転写ベルト10の表面と接触し又は所定間隙を開けて対向して配置され、定着液92の余剰分を表面に付着させて回収する回収ローラとしての余剰液回収ローラ496aを用いている。この構成によれば、上記参考例5のようにエアーによって不要な定着液92を除去する場合に比べて、構成が簡単であり、その設置スペースも小さくて済む。
また、上記実施形態1の参考例6では、定着液92として、熱を加えることでトナーを溶解又は膨潤させる作用が促進されるものを用いている。そして、中間転写ベルト10上のトナーTに付着した定着液92を加熱する加熱手段としてのヒータ697又は加熱ローラ797を設けている。これにより、定着液92によるトナーTの樹脂成分の溶解反応が促進され、トナーTの定着性の向上を図ることができる。また、このように溶解反応を促進することで、上記液供給位置と上記2次転写部との間における中間転写ベルト10の部分の長さを短くできるため、装置の小型化を図ることもできる。更に、本参考例6では、トナーTに付着した余分な定着液の水分を蒸発させることもできるので、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
特に、上記参考例6の部分で説明したように、上記加熱手段として、中間転写ベルト10の表面に温風を吹き付ける温風供給手段としての温風供給装置を用いることができる。この場合、加熱手段がヒータ697である場合に比べて、より効率よく中間転写ベルト10上のトナーT及び定着液92を加熱することができる。特に、このような温風供給装置であれば、上記余剰液除去手段と上記加熱手段の両方の機能を併せ持つ手段を実現することができる。これにより、装置の省スペース化及び低コスト化を図ることが可能となる。
また、上記参考例6の部分で説明したように、上記加熱手段として、中間転写ベルト10の裏面側から中間転写ベルト10を加熱する加熱ローラ797を用いることもできる。この場合、中間転写ベルト10の周囲に配置される部材数を減らすことができ、装置の小型化を図ることができる。
また、上記実施形態1では、上述のように、定着液92として、トナーTを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いている。これにより、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)等を定着液として用いる場合に比べて、環境面を配慮した装置を提供することができる。
【0062】
尚、上記実施形態では、定着液として、トナーTを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いているが、これに限らず、公知であるすべての定着液を用いることができる。
また、上記実施形態では、中間転写体を用いたカラー複写機を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、中間転写ベルト10の代わりにドラム状やローラ状の中間転写体を用いてもよい。また、単一の潜像担持体上に順次各色トナー像を形成してこれらを中間転写体上に順次転写してカラー画像を形成するいわゆる1ドラム型の画像形成装置であってもよい。
また、中間転写体を用いずに感光体ドラム等の潜像担持体から直接転写紙Pに転写を行うものであってもよい。この場合、その潜像担持体上のトナーに対して定着液を供給する構成としてもよい。
もちろん、画像形成装置としては複写機に限らず、プリンタやファクシミリでもよいことは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のように記録材全体に定着液を付与する場合に比べて、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくすることができるので、省エネ対策のために湿式定着方式を採用しても記録材のカールやシワの発生を抑制することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図。
【図2】 同複写機全体の概略構成図。
【図3】 同複写機の本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】 同複写機の隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。
【図5】 (a)〜(d)は、中間転写ベルト表面に担持されたトナー及びこれに付与された定着液の経時的な状態変化を示す説明図。
【図6】 参考例1の定着装置を示す概略構成図。
【図7】 同定着装置の塗布ローラを示す正面図。
【図8】 構成例2の定着装置を示す概略構成図。
【図9】 参考例3の定着装置を示す概略構成図。
【図10】 参考例4の定着装置を示す概略構成図。
【図11】 参考例5の定着装置を示す概略構成図。
【図12】 同定着装置の他の配置例を示す概略構成図。
【図13】 参考例6の定着装置を示す概略構成図。
【図14】 同定着装置の他の構成を示す概略構成図。
【図15】 参考例7に係る複写機の定着工程を実行する主要な構成を示すブロック図。
【図16】 参考例8に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト
14,15,16 支持ローラ
18Y,18C,18M,18BK 画像形成ユニット
20Y,20C,20M,20BK 感光体ドラム
21 露光装置
22 2次転写装置
90,190,290,390,490,590,690,890,990 定着装置
91,191 供給ローラ
92 定着液
93,193,293,393 定着液タンク
94 メータリングブレード
110 中間転写ドラム
122 2次転写装置
194 掻き取りブレード
195 塗布ローラ
291,391 ノズル
291a,391a ヘッド
291b,391b 吸引管
300 スキャナ
496a 余剰液回収ローラ
496b クリーニングブレード
596 エアーナイフ
596a エアー吹出口
596b 吸気ファン
596c 回収ケース
697,797a ヒータ
797 加熱ローラ
800 制御部
891 液噴出ヘッド
892 ヘッドコントローラ
P 転写紙
T トナー
Claims (5)
- 記録材上に転写されるトナー像を担持するトナー像担持体と、
該トナー像担持体上のトナーを記録材上に転写させる転写手段と、
記録材上に該トナー像を定着させるための定着液を、該トナー像を担持したトナー像担持体表面に供給する定着液供給手段とを備えた画像形成装置において、
上記定着液として、界面活性剤を含有したものを用い、
上記トナー像担持体は、その表面が上記定着液に対して撥液性を有するように撥液処理され、かつ、上記定着液供給手段により定着液が付与される表面部分が重力方向に対して傾斜するように配置されたものであり、
上記定着液供給手段は、該トナー像担持体上のトナー像を上記記録材上に転写させる前に、上記定着液を泡状にして上記表面部分に供給するものであり、
上記トナー像担持体上のトナー像を上記記録材上に転写させる前に、該トナー像担持体表面にエアーを吹き付けることにより、該トナー像担持体表面に供給された泡状の定着液の余剰分を除去するエアー供給手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記定着液として、熱を加えることで上記トナーを溶解又は膨潤させる作用が促進されるものを用い、
上記トナー像担持体上のトナーに付着した上記定着液を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記加熱手段として、上記トナー像担持体表面に温風を吹き付ける温風供給手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記加熱手段として、上記トナー像担持体の裏面側から該トナー像担持体を加熱するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記定着液として、上記トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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