JP4359727B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重合後、更に固相重合して得られるポリアミドを主成分とする耐白化性に優れたポリアミド樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を成形して得られるフィルム、シート、中空容器などのポリアミド成形体に関する。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重合して得られるポリアミド(以下「ポリアミドMXD6」という)は、ガスバリヤー性及び溶融時の熱安定性に優れており、更にポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ポリエチレン及びポリプロピレン等の熱可塑性樹脂との共押出や共射出成形が可能であることから、ガスバリヤー性多層構造物としての利用が積極的に進められている。
【0003】
しかしながら、ポリアミドMXD6は、非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態では、ガラス転移温度以上に加熱された際、高湿度雰囲気下での保存中、あるいは水や沸騰水に接触した際に白化・結晶化し、透明性が低下する。
このため、高湿度雰囲気下での利用あるいは水に接触する状態での利用に制約があった。
特に、フィルムやシート用に使用するために溶融重合後、更に固相重合したポリアミドMXD6は、結晶化速度が遅くなるため、白化・結晶化し易く、白化・結晶化したポリアミドMXD6は機械的性能、特に耐衝撃性が低下するという問題があった。
【0004】
本発明者らは、先に特開平4−198329号公報において、ポリアミドMXD6に結晶化速度の速い特定の他のポリアミド(例えばポリアミド6)を混合した組成物を開示した。このポリアミド樹脂組成物より得られるフィルム、シートは、高湿度雰囲気下においても優れた透明性を保つという優れた特徴を有するが、一方、他のポリアミドを混合することによりポリアミドMXD6単独の場合と比較し、ガスバリヤー性が低下するという問題点があった。
また、固相重合したポリアミドMXD6を単独使用しても透明性を維持するという目的の達成には至らなかった。
【0005】
また、「新素材」誌1996年12月号17頁には、ポリアミド6中に粘土鉱物が分子サイズで分散し、かつポリアミド6と粘土がイオン結合している複合材料、いわゆるポリアミド6−粘土ハイブリッドにおいては、球晶の成長が粘土の層により妨げられて球晶の大きさが可視光の波長以下に制御されるため、可視光の透過率が通常のポリアミドより増大すると記載されている。同じ結晶性ポリアミドであるポリアミドMXD6においても同様な効果が期待できるが、その効果発現のためには粘土鉱物を1%添加する必要がある。しかし、粘土鉱物を1%以上添加したポリアミドMXD6から成形されたフィルム、シート等は衝撃強度が低下するなど機械的性能が不充分である。
【0006】
本発明者らは、先に特開平10−147711号公報において、ポリアミドの成形時の押出性を改良するために、特に吐出ムラを抑制し押出所要動力を低減するために、ポリアミドにエチレンビスステアリルアミド、高級脂肪酸金属塩などの滑剤と特定の展着剤を付着したポリアミド樹脂組成物を開示した。しかし、当該公報には、溶融重合して得られたポリアミドを更に固相重合したポリアミドが白化し易いこと、及び当該白化防止の課題を解決する手段については開示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の課題を解消し、高湿度雰囲気下で保存した際、水や沸騰水と接触した際、あるいはガラス転移温度以上に加熱した際に白化が増大しにくく、かつ耐衝撃性などの機械的性能にも優れた、固相重合して得られたポリアミドMXD6からなる非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態であるポリアミド成形体、及びこのようなポリアミド成形体を成形するのに必要な樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、固相重合して得られたポリアミドMXD6にジアミド化合物およびジエステル化合物からなる群より選ばれた化合物を一定量添加混合することにより得られる樹脂組成物を成形して得たフィルム、シート、中空容器等の成形体は、非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態であっても、高湿度雰囲気下で保存した際、水や沸騰水と接触した際、あるいはガラス転移温度以上に加熱した際に白化の増大が小さく、かつ耐衝撃性などの機械的性能にも優れることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重合して得たポリアミドを更に固相重合することにより得られた固相重合ポリアミド100重量部に対し、炭素数8から30の脂肪酸と炭素数2から10のジアミンもしくはジオールから得られるジアミド化合物またはジエステル化合物から選ばれる1種以上を0.005〜1.0重量部添加してなるポリアミド樹脂組成物を成形して得られた非晶で無延伸又は非晶で面積延伸倍率1〜1.5倍の状態であるフィルム、シート、中空容器等のポリアミド成形体に関する発明である。
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明で使用するポリアミドは、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを溶融重合し、更に固相重合して得られる。ジアミン成分には、メタキシリレンジアミンが70モル%以上含まれることが必要である。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミンが70モル%以上であると、優れたガスバリヤー性が維持できる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとして、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
ジカルボン酸成分中には、アジピン酸は70モル%以上含まれることが必要である。ジカルボン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上であると、ガスバリヤー性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸成分として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、本ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
【0012】
上記のポリアミドは、溶融重縮合法により製造される。たとえば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
【0013】
溶融重合により得られる比較的低分子量のポリアミドの相対粘度(ポリアミド1gを96%硫酸水溶液100mlに溶解し、25℃で測定した値、以下同じ)は、通常、2.28程度である。溶融重合後の相対粘度が2.28以下であると、ゲル状物質の生成が少なく、色調が良好な高品質のポリアミドが得られる。
溶融重合により得られた比較的低分子量のポリアミドは次いで固相重合される。固相重合は、溶融重合により得られた比較的低分子量のポリアミドをペレットあるいは粉末状にし、これを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下に、150℃からポリアミドの融点の範囲の温度に加熱することにより、実施される。固相重合ポリアミドの相対粘度は2.3〜4.2が望ましい。この範囲であるとフィルム、シート、中空容器への成形が良好で、且つ得られるフィルム、シート、中空容器の性能、特に耐衝撃性を含む機械的性能が良好である。溶融重合後の比較的低分子量のポリアミドにおいても本発明の効果は一部得られるが、機械的強度、特に耐衝撃性が十分ではなく、フィルム、シート、中空容器用材料として実用的ではない。
【0014】
本発明では、上記の固相重合ポリアミドに特定のジアミド化合物、およびジエステル化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物が添加される。
【0015】
本発明で用いるジアミド化合物は、炭素数8から30の脂肪酸と炭素数2から10のジアミンから得られるジアミド化合物である。脂肪酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上で白化防止効果が期待できる。又、脂肪酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下で脂組成物中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。好ましくは炭素数8から30の脂肪酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物または主としてモンタン酸から成る脂肪酸と炭素数2から10のジアミンから得られるジアミド化合物である。
【0016】
本発明に用いられるジアミド化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。本発明に用いられるジアミド化合物のジアミン成分として、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が本発明に用いられる。ジアミド化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。特に好ましくは主としてステアリン酸から成る脂肪酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物である。
【0017】
本発明に用いられるジエステル化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。本発明に用いられるジエステル化合物のジオール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が本発明に用いられる。ジエステル化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。特に好ましくは主としてモンタン酸から成る脂肪酸と主としてエチレングリコールおよび/または1,3−ブタンジオールから成るジオールから得られるジエステル化合物である。
本発明において用いられるジアミド化合物とジエステル化合物は単独で用いても良いし、併用しても良い。
【0018】
本発明において、ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量は、固相重合ポリアミド100重量部に対して0.005〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。固相重合ポリアミド100重量部に対して0.005重量部以上添加することにより白化防止効果が期待できる。また、添加量が固相重合ポリアミド100重量部に対して1.0重量部以下であると、本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体の曇価を低く保つことが可能となる。
【0019】
尚、本発明のポリアミド組成物には本発明の目的、すなわち透明性を損なわない限り、他の樹脂、具体的にはナイロン6やナイロン66等の他のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマーやポリアミドエラストマー等の各種エラストマー、アイオノマー等を添加してもよい。また、滑剤、離型剤、安定剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えることもできる。
【0020】
固相重合ポリアミドへのジアミド化合物およびジエステル化合物の少なくとも一の化合物(以下「白化防止剤」と記載することがある)の添加は従来から公知の混合法を適用できる。たとえば、高濃度の白化防止剤を含有する組成物を製造した後、白化防止剤を含有しない固相重合ポリアミドペレットで所定の濃度に希釈し、これらを溶融混練する方法、溶融混練後、引続き、射出成形などにより成形体を得る方法などが採用される。また,回転容器内に固相重合ポリアミドペレットと白化防止剤を投入することにより添加しても良い。
【0021】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド成形体を製造した直後においても、また、白化しないか白化が増大しない条件で長期保存した後においても良好な白化抑制効果を示す。すなわち、白化防止剤を添加しなくとも白化しないか薄荷が増大しない条件、たとえば温度23℃で、湿度50%RH雰囲気下に長期保存した後に、高湿度にさらしたり、水や沸騰水と接触させたり、あるいはガラス転移温度以上に加熱しても成形直後と同様に白化が抑制される。
【0022】
本発明のポリアミド成形体は、非晶で無延伸又は非晶で低延伸倍率の状態であれば白化抑制効果を示し、成形体の形状、成形方法は問わない。従って、本発明のポリアミド組成物を成形して得られる成形体は、フィルム、シート、及び中空容器であっても本発明の白化抑制効果を示す。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例等における評価方法等について記す。
(1)曇価の測定方法
ASTM D−1003に準じて測定し、フィルム厚み70μmに換算した値で表示した。
測定装置:日本電色工業(株)製色差計、形式:Z−Σ80
【0024】
(2)示差走査熱量計(DSC)の測定条件
機種:(株)島津製作所製熱流束示差走査熱量計DSC−50
標準物質:α−アルミナ
試料量:10mg
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:25〜300℃
雰囲気:窒素ガス 30ml/分
【0025】
(3)衝撃穴開け強度の測定方法
装置は、東測精密工業(株)製フィルムインパクト試験機(型式:ITF−60)を使用し、衝撃子の先端形状を12.7mm半球とした。
測定条件は、23℃、相対湿度50%とした。
【0026】
(4)使用した材料、及び白化防止剤(ジアミド化合物、及びジエステル化合物)の略号を以下に記す。
a)MXD6:ポリアミドMXD6
b)EBS:エチレンビスステアリルアミド(日本油脂(株)製、商品名:アルフローH−50T)
c)WH−215:変性エチレンビスステアリルアミド(共栄社化学(株))
d)WH−255:変性エチレンビスステアリルアミド(共栄社化学(株))
e)EBM:エチレングリコール、1,3−ブタンジオール−モンタン酸エス
ル(クラリアントジャパン(株)製、商品名:ヘキストワックスOP)
【0027】
表1〜9中の曇価の測定条件の項目の略号を以下に記す。
a)23℃の蒸留水中に24時間浸漬後の曇価
b)60℃の温水中に30分浸漬後の曇価
c)沸騰水中に30分浸漬後の曇価
d)40℃、80%RHの環境で3週間保存後の曇価
e)100℃の熱風乾燥機中で30分熱処理後の曇価
f)30℃で80%RHの環境で3カ月保存後の曇価
【0028】
実施例1
アジピン酸とメタキシリレンジアミンを原料とし、溶融重合させして得られたポリアミドMXD6(相対粘度:2.05)のペレット状製品100kgを熱媒加熱の外套を有する内容積250リットルのタンブラー(回転式の真空槽)に、室温で仕込んだ。ペレット温度が120℃を越えてポリアミドMXD6が結晶化するまで熱媒を170℃に保った。その後、熱媒温度を230℃まで上げ、槽内のペレットの温度を200℃まで上昇させた。この間、ペレット温度が140℃を越えたところで槽内を減圧状態(0.5〜10Torr)とし、そのまま200℃で40分間過加熱を続けた。
その後、再び窒素を導入して常圧にし、冷却を開始した。ペレットの温度が90℃以下になったところで、槽からペレットを取り出した。固相重合後のペレットを分析した結果、相対粘度は2.60であった。
【0029】
得られた固相重合ポリアミドMXD6ペレット100重量部(以下重量部を「部」と略記する)に対して、エチレンビスステアリルアミド(商品名:アルフローH−50T)5.0部を加えて押出機中で溶融混練し、ペレットとした。
得られたエチレンビスステアリルアミドを5.0部含有するペレットに対し、エチレンビスステアリルアミドを含有しないペレットを混合して、100部の固相重合ポリアミドMXD6に対してエチレンビスステアリルアミドが0.1部含まれるように調整した。
【0030】
得られたペレットを20mmφ単軸押出機により、スクリュー回転数50rpm、引き取り速度3.0m/minで製膜し、巾120mm、厚み60〜70μmの無延伸フィルムを作製した。得られた無延伸フィルムの一部をDSCで測定したところ、実質的に非晶状態であり、ガラス転移温度は80℃であった。得られたフィルムを、直ちに23℃で50%RHの環境で2週間調湿した。調湿されたフィルムを、23℃蒸留水中24時間浸漬、60℃温水中30分浸漬、沸騰水中30分浸漬、40℃で80%RHの条件下で3週間保存の各処理前後の曇価を測定した。結果を表1に示す。
各処理後のフィルムを再び23℃で50%RHの環境で2週間調湿した後の各フィルムの衝撃穴開け強さを測定したところ、いずれも1〜1.5kgf・cmであった。
【0031】
比較例1、2
エチレンビスステアリルアミドを加えなかった(比較例1)あるいは0.002部添加(比較例2)した以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様な処理を施し、処理前後の曇価を測定した。結果を表6に示す。
各処理後のフィルム(比較例1)を再び23℃で50%RHの環境で2週間調湿した後の各フィルムの衝撃穴開け強さを測定したところ、高湿度処理フィルム(c)の処理をしたフィルム)は1.0kgf・cm、その他の処理フィルム(a)、b)、及びc)の処理)はいずれも1〜1.5kgf・cmであった。
【0032】
実施例2〜7
エチレンビスステアリルアミドの添加量を変えた以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様な処理を施し、処理前後の曇価を測定した。結果を表1〜表3に示す。
実施例1〜7および比較例1より、エチレンビスステアリルアミドが優れた白化抑制効果を示すことがわかる。
【0033】
実施例8〜10
エチレンビスステアリルアミドの代わりに変性エチレンビスステアリルアミド(商品名:WH−215)を用いて添加量を変えた以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様な処理を施し、処理前後の曇価を測定した。結果を表3及び表4に示す。
【0034】
実施例11〜13
エチレンビスステアリルアミドの代わりに変性エチレンビスステアリルアミド(商品名:WH−255)を用いて添加量を変えた以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様な処理を施し、処理前後の曇価を測定した。結果を表4に示す。
【0035】
実施例14〜16
エチレンビスステアリルアミドの代わりにエチレングリコール、1,3−ブタンジオール−モンタン酸エステルを用いて添加量を変えた以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製し、実施例1と同様な処理を施し、処理前後の曇価を測定した。結果を表5に示す。
【0036】
比較例3
エチレンビスステアリルアミドの添加量を1.5部とした以外は実施例1と同様にして、非晶無延伸フィルムを作製したが、発泡が著しく良好な状態のフィルムが得られなかった。
【0037】
実施例17〜18
実施例4および実施例6で得た非晶無延伸フィルムを23℃で50%RH環境で2週間調湿し、100℃の熱風乾燥機中で30分熱処理し、処理前後の曇価を測定した。結果を表7に示す。
【0038】
比較例4
比較例1で得た非晶無延伸フィルムを23℃で50%RH環境で2週間調湿し、100℃の熱風乾燥機中で30分熱処理し、処理前後の曇価を測定した。結果を表7に示す。
実施例17および18と比較例4より、本発明のジアミド化合物は乾熱時の白化抑制にも効果を発揮することがわかる。
【0039】
実施例19
実施例1と同様にして得られた固相重合ポリアミドMXD6のペレット(相対粘度:2.6)100部に対して、エチレンビスステアリルアミド(商品名:アルフローH−50T)を0.1部含有するペレットを得た。このペレットから作製した厚さ70μmの非晶無延伸フィルムを23℃の蒸留水に24時間漬積後の曇価は、3.9%であった。このエチレンビスステアリルアミドを含む固相重合ポリアミドMXD6とポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、商品名:RT543C、以下「PET」と記すことがある)を使用して、2―シリンダー型射出成形機で、PET、ポリアミドMXD6、PETの順にタイミングをずらして射出して、PET層3層とポリアミドMXD6層2層とが交互に積層された5層パリソンを成形した。
【0040】
パリソンの形状は外径25mm、長さ110mm、肉厚4.5mmであり、固相重合ポリアミドMXD6の使用量は、全パリソン重量の10重量%であった。次いで、上記で得られたパリソンを延伸ブロー成形機を用いて、内容積700mlのボトル状多層中空容器を得た。
上記で得たボトル状多層中空容器をただちに30℃/80%RH雰囲気下に3ヶ月間保存した後、容器の低延伸倍率部分(面積延伸倍率1〜1.5倍)よりフィルム状の固相重合ポリアミドMXD6層を取り出し、曇価を測定した。結果を表8に示す。
【0041】
比較例5
エチレンビスステアリルアミドを添加しなかった以外は実施例19と同様にして、ボトル状多層中空容器を作製し、30℃/80%RH雰囲気下に3ヶ月間保存した後、容器の低延伸倍率部分(面積延伸倍率1〜1.5倍)より固相重合ポリアミドMXD6層を取り出し、曇価を測定した。結果を表8に示す。
実施例19と比較例5とより、本発明のジアミド化合物あるいはジエステル化合物は多層中空容器においても白化抑制の効果を発揮することがわかる。
【0042】
比較例6
固相重合により得られた相対粘度2.60のポリアミドMXD6の代わりに溶融重合により得られた相対粘度2.05のポリアミドMXD6を用いた以外は、実施例1と同様にして、100部のポリアミドMXD6に対してエチレンビスステアリルアミドを0.1部含有するペレットを得た。
得られたペレットを20mmφ単軸押出機により、スクリュー回転数50rpm、引き取り速度3.0m/minで製膜し、巾120mm、厚み60〜70μmの無延伸フィルムを作製した。得られた無延伸フィルムの一部をDSCで測定したところ、実質的に非晶状態であり、ガラス転移温度は80℃であった。
【0043】
得られたフィルムを、直ちに23℃で50%RHの環境で2週間調湿した。調湿されたフィルムを、23℃蒸留水中24時間浸漬、60℃温水中30分浸漬、沸騰水中30分浸漬、40℃で80%RHの条件下で3週間保存の各処理前後の曇価を測定した。曇価は、処理前1.0%、23℃蒸留水中24時間浸漬後3.7%、60℃温水中30分浸漬後3.3%、40℃で80%RHの条件下で3週間保存後1.7%であった。
各処理後のフィルムを再び23℃で50%RHの環境で2週間調湿した後の各フィルムの衝撃穴開け強さを測定したところ、いずれも0.5kgf・cmであった。
【0044】
比較例7
実施例1で得られた固相重合ポリアミドMXD6ペレット100部に対し、有機処理をしたモンモリロナイト(白石工業(株)製、商品名:オルベン)3部を加えてタンブラー中で混合した。得られた混合物を20mmφ二軸押出機により、押出機温度270℃、スクリュー回転数80rpm、引き取り速度3.0m/minで製膜し、巾120mm、厚み60〜70μmの無延伸フィルムを作製した。得られた無延伸フィルムの一部をDSCで測定したところ、実質的に非晶状態であり、ガラス転移温度は80℃であった。
得られたフィルムを、直ちに23℃で50%RHの環境で2週間調湿した。調湿後の曇価は、1.5%であった。
調湿されたフィルムの23℃蒸留水中24時間浸漬後4.5%であった。
処理後のフィルムを再び23℃で50%RHの環境で2週間調湿した後のフィルムの衝撃穴開け強さを測定したところ、0.5kgf・cmであった。
【0045】
【発明の効果】
ポリアミドMXD6に特定の脂肪酸と特定のジアミンあるいは特定のジオールから得られるジアミド化合物あるいはジエステル化合物を特定量添加混合した組成物から得たフィルム、シート及び中空容器は、非晶で無延伸または非晶で低倍率の延伸状態であっても、高湿度雰囲気下での保存中や、水、特に沸水との接触の際の白化が少なく、透明性を維持できる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
Claims (5)
- メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重合して得たポリアミドを更に固相重合することによって得られた固相重合ポリアミド樹脂100重量部に対し、炭素数8から30の脂肪酸と炭素数2から10のジアミンもしくはジオールから得られるジアミド化合物またはジエステル化合物から選ばれる1種以上を0.005〜1.0重量部添加してなるポリアミド樹脂組成物を成形して得られ、非晶で無延伸又は非晶で面積延伸倍率1〜1.5倍の状態であるポリアミド成形体。
- メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重合して得たポリアミドを更に固相重合することによって得られた固相重合ポリアミド100重量部に対し、炭素数8から30の脂肪酸と炭素数2から10のジアミンもしくはジオールから得られるジアミド化合物またはジエステル化合物から選ばれる1種以上を0.005〜1.0重量部添加してなるポリアミド樹脂組成物から形成され、非晶で無延伸又は非晶で面積延伸倍率1〜1.5倍の状態である層を少なくとも1層含むことを特徴とする多層ポリアミド成形体。
- 前記固相重合ポリアミドの相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸水溶液100mlに溶解し、25℃で測定した値)が2.3〜4.2である請求項1または請求項2のいずれかに記載のポリアミド成形体。
- 前記固相重合ポリアミド100重量部に対し、炭素数8から30の脂肪酸と炭素数2から10のジアミンもしくはジオールから得られるジアミド化合物又はジエステル化合物から選ばれる1種以上を0.12〜0.5重量部添加してなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリアミド成形体。
- 前記成形体がフィルム、シート又は中空容器である請求項1ないし請求項4記載のポリアミド成形体。
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