JPH0132232B2 - - Google Patents
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- JPH0132232B2 JPH0132232B2 JP59230025A JP23002584A JPH0132232B2 JP H0132232 B2 JPH0132232 B2 JP H0132232B2 JP 59230025 A JP59230025 A JP 59230025A JP 23002584 A JP23002584 A JP 23002584A JP H0132232 B2 JPH0132232 B2 JP H0132232B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は新規な選択的に保護されたアミン誘導
体類に関する。 ポリアミノ有機化合物、特に炭水化物およびア
ミノシクリトール―アミノグリコシド分野におけ
る化合物の特定の化学的変換を行なう場合、所望
の生成物を高収率で得るためには、初めに、“遮
蔽”または“保護”基によつて分子中のアミノ官
能基誘導体を生成し、アミノ官能基が使用する化
合物と競争反応をおこさない様に保護しなければ
ならない。通常、使用される保護基はアシル保護
基である。この保護基はアミノ基に容易に付加
し、しかも、所望の変換が完了した後除去でき、
さらに使用される反応条件下で安定である。 アミノ官能基のうちの一つが反応部位である様
な、ポリアミノ有機化合物における化学的変換
は、一つおきのアミノ官能基が保護基によつて選
択的に保護されている様な中間体で理想的に行な
われる。さもなければ、各種のモノ―N―および
ポリ―N―誘導体の混合物が生成され、所望の変
換生成物を分離するために、長つたらしくあきあ
きするような分離技術(通常はクロマトグラフす
るかもしくは数回つづけてクロマトグラフする。)
が必要とされる。しかしながら、従来の方法によ
つては選択的に保護された理想的な中間体が常に
得られるとは限らないので、非保護アミノ官能基
の存在によつて、所望の変換生成物は極めて低収
率でしか生成されない。 ポリアミノ有機化合物が、立体因子および/ま
たはアミノ基の第1級性および/または第2級性
および/または第3級性のいずれかによる種々な
反応性度のアミン官能基を含有する場合、収率は
普通あるいは低いが、所望の反応を生起できる程
度に、他のアミノ官能基は保護されないまま残さ
れるけれども、いくつかのアミノ官能基を選択的
に保護できる場合もある。該方法は通常、各中間
体の分離と生成を必要とする多段階変換を含む。
例えば、二つのアミノ官能基の反応性が等しい場
合の様に、変換しようとするアミノ基以外の全て
のアミノ官能基を保護することはしばしば不可能
である。従つて、うまくいつても、極く若干のア
ミノ官能基が保護されるだけであり、所期の反応
中に生成される生成物の種類を最小にはするが、
しかしなお、混合生成物を生じ、この混合物から
は、かろうじて分離し、かつ精製できる様な目的
生成物を低収率でしか得られない。 本発明によつて、少なくとも一つのアミノ基が
利用可能な隣接水酸基を有する様な、ポリアミノ
有機化合物の選択的に保護されたアミノ誘導体を
高収率で容易に生成できる様になつた。本発明は
炭水化物およびアミノシクリトール―アミノグリ
コシド分野において極めて有用であることが発見
された。即ち、本発明によつて、従来、生成不能
であつたか、あるいは従来、極く少量しか生成で
きなかつたN―アシル化誘導体を高収率で容易に
生成できる様になつた。さらに、生成された、選
択的にN―アシル化されたポリアミノ有機化合物
は、N―アシル化ポリアミノ中間体の分離をせず
とも、後の反応を実施できるほど十分な純度を有
し、かつ定量的収量で与えられる。 本発明がなされる以前は、隣接するアミノおよ
び水酸基対の二価遷移金属塩錯体は未知であつ
た。従来技術(例えばBull.Chem.soc.Japan,39
巻、第6、1235―1248(1966))は不斉中心上のア
ミンと不斉中心上の隣接した隣位ヒドロキシル基
との間の銅―アンモニア錯体がその場所で希アン
モニア水溶液中に存在することを仮定している。
この銅―アンモニア錯体は隣接するアミノ/水酸
基対間の絶対的な立体配置関係を決定するための
分析手段として旋光性研究に使用される。 隣接するアミノ/水酸基対の二価遷移金属塩錯
体(化合物中、アミノ基および水酸基は隣接でき
あるいはできず、かつ、不斉中心上にあることが
でき、またはできない。)を生成でき、しかも、
さらに、遷移金属アンモニウムイオン(例えば、
銅―アンモニウムイオン)生成するのに水酸化ア
ンモニウムを使用する必要なしに、最小量の二価
の遷移金属イオンによつて有機溶剤中で生成でき
ることが発見された。同様に、本発明のポリアミ
ノ有機化合物―遷移金属塩錯体は、遊離アミノ基
をそれらのN―アシル化誘導体に変化させるアシ
ル化反応条件下で長く残存することが発見され
た。さらに、本発明の遷移金属塩錯体は錯化アミ
ノ/水酸基が反応に関与することを阻止すること
が発見された。 従つて、本発明は、少なくとも一個のアミノ基
が利用可能な隣位水酸基を有し、かつ、少なくと
も一個のアミノ基が利用可能な隣位水酸基を欠く
か、あるいは隣位水酸基の利用可能性が立体的に
低いものである様なポリアミノ有機化合物におけ
るアミノ基をアシル保護基(Y)によつて選択的
に保護する方法に関し、該方法は (i) 前記ポリアミノ有機化合物を、銅()、ニ
ツケル()、コバルト()、カドミウム
()から選択された二価の遷移金属カチオン
の塩、もしくはこれらの混合物と不活性有機溶
剤中で反応させて、前記遷移金属塩と利用可能
な隣位水酸基を有する前記アミノ基からなる少
なくとも一対の基との間で前記ポリアミノ有機
化合物の錯体を生成し; (ii) 次いで、得られたポリアミノ有機化合物―遷
移金属塩錯体をアシル保護基(Y)を有するア
ミン保護化合物と反応させ; (iii) 非錯化アミノ基上にアシル保護基(Y)を有
する得られたポリアミノ有機化合物―遷移金属
塩錯体を遷移金属沈殿化剤または水酸化アンモ
ニウムと反応させて、遷移金属カチオンを除去
することから成る。 本書で使用する用語“利用可能な水酸基を有す
る前記アミノ基の一つ”および“利用可能な隣位
アミノおよび水酸基対”とはシス―隣位状で、ま
たはジエカトリアルトランス―隣位状で隣接した
炭素原子上に位置する様なアミノおよび水酸官能
基を意味する。同様に、隣接した炭素原子上には
存在しないが、空間的に隣接しており(即ち、そ
れらは水素結合するのに十分なほど接近してい
る。)、従つて、互いに利用可能である様なアミノ
および水酸官能基を意味する。さらに、“利用可
能”なる用語は、互いに利用可能であることに加
えて、本発明の方法において有用であるべき隣接
したアミノおよび水酸官能基対が、二価の遷移金
属カチオンの様な導入化合物に空間的に利用可能
である様にポリアミノ―有機化合物分子中に位置
しなければならないことを意味する。従つて、例
えば、2′―アミノ基を有する4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―2―デオキシストレプト
アミン、例えばシソミシン、トプラミシン、ベル
ダミシンおよびゲンタミシンC1,C1aおよびC2に
おいて、2―デオキシストレプトアミン部分の5
―水酸基が隣接し、2′―アミノ基に利用可能では
あるが、5―水酸基は二価の遷移金属塩、例え
ば、酢酸第2銅が5―ヒドロキシル―2′―アミノ
対に十分に接近し、それらの遷移金属塩錯体を生
成できない様に立体的に障害されている。 本発明の方法で錯生成剤として有用な遷移金属
塩は銅()、ニツケル()、コバルト()お
よびカドミニウム()の任意の二価塩である。
最大の錯生成作用を有する様な錯生成剤は弱酸、
好ましくは弱有機酸、例えば安息香酸、プロピオ
ン酸および酢酸の二価遷移金属塩である。好まし
い二価遷移金属塩としては、銅()、ニツケル
()、コバルト()およびカドミニウム()
の酢酸塩およびこれらの混合物がある。特に有用
なものは、酢酸ニツケル()、酢酸第2銅およ
び酢酸コバルト()である。 一価の遷移金属塩、例えば酢酸第1銅を使用し
た場合、利用可能な隣接水酸およびアミノ基対の
酢酸第1銅錯体が低収率で生成され、かつ弱く結
合される。故に、Nアシル化工程が実施されたと
き、やや低速度であるにもかかわらず、弱く錯化
したアミノ基の位置および混合生成物中に生じる
非錯化アミノ基の位置でN―アシル化がおこり、
その結果、所望生成物の収率が低下される。 本発明の方法は不活性有機溶剤中で実施され
る。該不活性有機溶剤には、任意の有機溶剤が含
まれる。ただし、該有機溶剤にポリアミノ―有機
化合物、遷移金属塩および生成したポリアミノ―
有機化合物―遷移金属塩錯体中間体が相対的に可
溶であり、かつ、本方法の化合物とほとんど反応
しないものでなければならない。好ましい溶剤は
極性、中性有機溶剤、特に、ジアルキルアミド類
(例えば、ジメチルホルムアミド)およびジアル
キルスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキ
シド)である。同様に、極性プロトン性溶剤、例
えば低級アルカノール類、特にメタノールおよび
エタノールは、これらの溶剤が溶解性の理由で必
要とされるのであれば、本発明の方法で使用き
る。極性溶剤を使用する場合は、中性溶剤を使用
する場合よりも二価の遷移金属塩を多量に使用す
ることが望ましい。なぜなら、極性溶剤はポリア
ミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体中の錯化され
た官能基を弱める。 最大の収率を得るために実質的に無水の溶剤を
使用することが好ましい。しかしながら、水は約
25%以下またはこれ以上の量であつても、選択的
に保護されたNアシル化ポリアミノ生成物の収率
に悪影響を与えずに使用でき、しかも、溶解性の
理由によりしばしば存在することが望ましい。た
だし、水は極性溶剤であり、また、ポリアミノ―
有機化合物―遷移金属塩錯体中間体における錯化
官能基を弱めるので、追加の二価遷移金属塩を使
用しなければならない。 本発明の方法においては、少なくとも一つの利
用可能な隣接アミノ/水酸基対を有するポリアミ
ノ―有機化合物〔A〕、遷移金属塩(例えば、酢
酸第2銅、Cu(OAc)2)および溶剤との間に平衡
が存在する様に思われる。これらの平衡関係は下
記の様に示すことができる。 〔A〕+Cu(OAc)2+溶剤中性溶剤 ―――――→ ←―A′Cu(OAc)2 ・溶剤+Cu(OAc)2・溶剤+溶剤 〔A〕+Cu(OAc)2+溶剤極性溶剤 ←――――― ―→A′Cu(OAc)2 ・溶剤+Cu(OAc)2・溶剤+溶剤 中性溶剤を用いれば、平衡は利用可能な隣接ア
ミノ/水酸基対を有するポリアミノ―有機化合物
の遷移金属塩錯体を生成する方向に向つて移動す
る。これに対し、有機極性溶剤または有機中性溶
剤中に過剰量の水が存在する場合、平衡はポリア
ミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体を分解する方
向に向つて移動する。従つて、以下の事例におい
ては、溶液中にポリアミノ―有機化合物―塩錯体
を高収率で得るために、平衡を所望の方向に向わ
せるのに、実質的に無水の中性溶剤を使用する場
合に必要とされるよりも一層多量の遷移金属塩が
必要とされる。 通常、本発明の方法を実施する場合、本発明の
方法の第1工程で使用される遷移金属塩のモル量
は、ポリアミノ―有機化合物中の利用可能な隣接
アミノおよび水酸基対の数をかけたポリアミノ―
有機化合物のモル量に少なくとも等しい量であ
る。また、本発明の第2工程(好ましくはその場
で実施する。)で使用するアシル化剤のモル量は
分子中の非錯化アミノ官能基(これらは保護され
るべき基である)の数をかけたポリアミノ―有機
化合物のモル量におおよそ等しい。 しかしながら、非錯化アミン類の反応性が異な
る場合、高反応性アミンのみをN―アシル化した
いならば、少量のN―アシル化剤を使用すればよ
い。 ポリアミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体を反
応させ非錯化アミノ基をN―アシル化した後、遷
移金属カチオンを遷移金属沈殿化剤によつて、ま
たは水酸化アンモニウムによつてN―アシル化ポ
リアミノ有機化合物―遷移金属塩錯体から都合よ
く除去する。後者の場合、遷移金属カチオンは水
酸化アンモニウムと優先的に錯体を生成し除去さ
れる。該錯体は水酸化アンモニウムおよび水に可
溶である。遷移金属カチオンを除去するこの方法
は、選択的に保護されたN―アシルポリアミノ―
有機誘導体が有機溶剤に可溶性である場合に好都
合である。なぜなら、該誘導体はその後、水酸化
アンモニウム遷移金属塩錯体を含有する水性有機
溶剤混合物から抽出できる。 通常、当業界で公知の沈殿化剤によつて遷移金
属カチオンを除去するのがより好都合である。有
用な沈殿化剤はジメチルグリオキサルのジオキシ
ム、1,3―ジカルボニルアルカン類、例えばア
セチルアセトンおよびヘプタン―3,5―ジオ
ン、ならびに硫化物沈殿化剤、例えば、硫酸アン
モニウム、アルカリ金属硫化物類(例えば、硫化
ナトリウム)、アルカリ土類金属硫化物類(例え
ば、硫化カルシウム)、アルカリ土類金属水硫化
物類(例えば、ナトリウム水硫化物)および硫化
水素などがある。前記のもののうち、特に有用な
沈殿化剤はジメチルグリオキザルのジオキシム、
アセチルアセトンおよび硫化水素である。 遷移金属カチオンを除去する場合、硫化水素は
えり抜きの沈殿化剤である。なぜなら、単に硫化
水素を反応混合物中に吹き込むだけの簡単な操作
であり、また、生成する遷移金属硫化物は単時間
内に完全に沈殿し、かつ、ロ過することによつて
簡単に除去される。 アシル保護基(Y)および対応するアシル化剤
(これによつてアシル保護基が生成される。)は、
分子中の他の部位で所望の化学変換反応が行なわ
れた後にそれらアシル保護基を除去する方法と同
様に当業界で周知である。本書で使用する、ポリ
アミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体中間体中の
非錯化アミノ官能基へ向つて選択的に導入させ得
るアシル保護基(Y)にはベンジルオキシカルボ
ニルおよび置換ベンジルオキシカルボニル基、例
えば、p―ニトロベンジルオキシカルボニルおよ
びp―メトキシベンジルオキシカルボニル(これ
らは接解還元によつて容易に除去できる。);アリ
ールオキシカルボニル基類例えばフエノキシカル
ボニル;およびアルコキシカルボニル基類、例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等
(これらは塩基性加水分解によつて除去され
る。);トリクロロエトキシカルボニル基類(酢酸
中の亜鉛によつて除去できる。);t―アルコキシ
カルボニル基、例えばt―ブトキシカルボニルお
よびt―アミルオキシカルボニル基(緩酸加水分
解によつて除去できる。);ハロゲンアルキルカル
ボニル基、例えばクロロアセチル(塩基によつ
て、又はチオ尿素によつて、若しくは同様な化合
物によつて除去できる。)およびトリフルオロア
セチル(緩塩基性条件下で容易に除去される。);
サクシニイミドおよびフタルイミド基類(ヒドラ
ジンによつて容易に除去される。)、アルカノイル
基、例えばアセチル、プロピオニル等;およびア
ロイル基類、例えばベンゾイル(塩基性加水分解
によつて除去される。)などがある。遊離アミノ
官能基上に前記のいずれかのN―アシル誘導体も
導入するのに必要な反応条件は当業界で周知であ
る。 本発明の方法で出発化合物として有用なポリア
ミノ有機化合物には (1) 利用可能な隣位水酸基を有するアミノ官能基
を少なくとも1個有する様なポリアミノ―有機
化合物;および (ii) 利用可能な隣位水酸基を欠き、そのために、
遷移金属塩と錯体を生成できないか、若しくは
立体的に隣位水酸基に利用しにくく、その結
果、該部位で生成された塩錯体は強固に錯化し
た他のアミノ/水酸基対よりも安定性に劣り、
従つて、本発明の方法の第2工程におけるN―
アシル化に利用可能なアミノ官能基を与える様
なアミノ官能基を少なくとも1個有するポリア
ミノ有機化合物などである。 ポリアミノ―有機出発化合物は水酸基以外の基
によつて置換でき、かつ、ヘテロ原子を含有でき
る。ただし、それらは遷移金属塩類またはアシル
化剤と反応してはならない。従つて、本方法のポ
リアミノ―有機出発化合物はスルフイドリル基お
よびメルカプチル基を欠いていることが好まし
い。 本方法のポリアミノ―有機出発化合物としては
単環、複環および三環ポリアミノアリール水酸化
物類、例えば2,4―ジアミノフエノール、2,
4―ジアミノ―1―ナフトール、2,6―ジアミ
ノ―1―ナフトール、1,4―ジアミノ―2―ナ
フトールおよび5,8―ジアミノ―1―ナフトー
ル等;ポリアミノシクロアルカノール類例えば、
(シス、シス、シス)―2,4―ジアミノシクロ
ヘキサノールおよび(トランス、シス、トラン
ス)―2,4―ジアミノシクロヘキサノール等;
および非環式ポリアミノ化合物、例えば2,6―
ジアミノヘキサノールなどがある。 本方法の非環式有機出発化合物類において、ア
ミノ基と水酸基は隣接しており、その結果、互い
に利用可能である。これらの基はアミノ/水酸基
対を含有する炭素鎖(またはヘテロ炭素鎖)が遷
移金属カチオンと共に5,6,または7員環を形
成できる様に位置している。 本発明の方法は、偽二糖類、例えば4―O―
(6′―アミノ―6′―デオキシグルコシル)デオキ
シストレプトアミン、ネアミン、ガラミン、カナ
ミン、パロマミンおよびゲンタミン類(例えば、
C1,C1a,C2,C2b等)の化学的変換を行なう場合
に、炭水化物分野において特に有用である。 しかしながら、本発明の方法はアミノシクリト
ール―アミノグリコシド分野、即ち、アミノグリ
コシド抗生物質の化学的変換がたえず行なわれて
より強力な抗菌作用および/またはより好ましい
抗菌スペクトルを有する新規な誘導体を合成する
分野、においても最も有用であることが判明し
た。これら変換のほとんどは、多工程で、しかも
低収率方法である。この方法においては、いくつ
かの初期工程が所望の変換生成物の収率を改善し
ようとして、化学的変換の主工程を実施する前に
保護基によつてアミノおよび/または水酸官能基
類を単に保護せんとするものである。本発明の方
法によつて、保護する必要のあるアミノ基は簡単
な二工程一反応容器方法で優れた収率で選択的に
保護される。 本発明の方法の出発化合物として有用である、
デオキシストレプトアミンを含有する、4位と5
位が結合したアミノグリコシド抗生物質にはリボ
ストマイシン(この抗生物質中、1―アミノ―6
―ヒドロキシル基はその場で遷移金属塩錯体に変
換され、次いで全ての他のアミノ官能基がN―ア
シル化され、続いて遷移金属塩を除去し、その後
公知のメチル化法を用いて生成した1―N―非置
換―ポリ―N―アシルリボスタミジンをメチル化
し、抗菌作用を有する1―N―メチルリボスタミ
シンを生成する。);キシロスタミシン、3′―デオ
キシリボスタミシンおよび3′,4′,5″―トリデオ
キシリポスタミシンなどがある。その他の有用な
出発化合物としてはアミノシクリトール―アミノ
グリコシドを含有する4―O―結合―ストレプタ
ミン、例えば1,3―ジ―脱―N―アミジノジヒ
ドロストレプトマイシンなどがある。 本発明の方法の好ましい様式は、アミノ基を
4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3
―ジアミノシクリトール抗菌剤中で選択的に保護
するものである。本発明の新規な方法によれば、
選択的に保護されたアミノグリコシド抗生物質誘
導体、例えば4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトール誘導体類の
2′,6′―ジ―N―アシル、3,6′―ジ―N―アシ
ル、3,2′,6′―トリ―N―アシル、および1,
3,2′,6′―テトラ―N―アシル誘導体類を二工
程一反応容器法によつて高収率で容易に製造でき
る。これらの全てが従来全く知られておらず、し
かも、元のアミノグリコシドの抗菌活性性変換生
成物の製造における中間体として有用である。 特に有用な様式は、4,6―ジ―O―(アミノ
グリコシル)―1,3―ジアミノシクリテールの
3,2′,6′―トリ―N―アシル誘導体例えば、シ
ソミシン、トブラマイシン、ベルダミシン、ゲン
タミシンC1,ゲンタミシンC1aおよびゲンタミシ
ンC2等の生成である。これらは、3,2′位および
6位のN―アシル基を除去した後、米国特許第
4002742号明細書に開示された価値ある抗菌剤で
ある、対応する1―N―アルキルアミノグリコシ
ド類の生成用中間体として価値がある。前記の
3,2′,6′―トリ―N―アシルシソミシン類のう
ち、特に3,2′,6′―トリ―N―アセチルシソミ
シンは有効な抗菌剤である1―N―エチルシソミ
シンの生成用中間体として高い価値を有する。 本発明の方法を実施する場合、選択的にN―ア
シル化されたポリアミノ化合物を高収率で生成す
るには、往々にして、遷移金属塩錯体の混合物を
使用するのが好ましいことが判明した。これは、
ある遷移金属塩は他の遷移金属塩よりも、一層強
固に利用可能な隣位アミノ/水酸基対と結合した
遷移金属塩錯体類を生成することによるものと思
われる。例えば、3,2′,6′―トリ―N―アセチ
ルジソミシンを生成する場合、二価の遷移金属塩
として酢酸ニツケル()と酢酸第2銅の等モル
混合物(遷移金属塩類の全モル当量はシソミシン
のモル当量の4倍である。)を使用して本発明の
方法を実施することによつて高収率が得られる。
特に有用な様式は、遷移金属として酢酸コバルト
()を使用し、それによつて、ほぼ理論収量の
実質的に純粋な選択的に保護されたN―アシル化
誘導体類を得ることである。 遷移金属塩およびアシル化剤の量を変え、か
つ、(付随的に)溶剤を変えることによつて、3,
2′,6′―トリ―N―アセチルシソミシンのかわり
に1,3,2′,6′―テトラ―N―アセチルシソミ
シンが高収率で得られる。例えば、メタノール水
溶液中のシソミシン1モルあたり酢酸第2銅水和
物を1/2モル〜等モル量添加することによつて、 その場で、3″―アミノ―4″ヒドロキシ基対を含有
するシソミシン―酢酸第2銅錯体が得られる。こ
の化合物をその場で、約4モル当量の酢酸無水物
と反応させ、続いて第2銅カチオンを硫化物塩と
して沈殿せしめることによつて除去し、次いで、
公知の方法で単離し、かつ、精製することによつ
て、理論量のほぼ80%の収率で1,3,2′,6′―
テトラ―N―アセチルシソミシンが得られる。こ
の化合物は3″―アミノ基の変換が所望される場
合、有用な中間体として使用される。 同様に、本発明の方法によれば、化合物中のア
ミノ基類の反応性度が異なる場合、非錯化アミノ
基が残つている混合N―アシル誘導体類をその場
で段階的に生成することも可能である。分子中に
導入されるN―アシル基のタイプおよびそれらの
相対的な除去容易性に依存して、選択的にN―ア
シル化されたポリアミノ―有機化合物の所望の組
合わせをどの様にも生成できる。従つて、例えば
95%メタノール水溶液中のシソミシンと約等モル
量の酢酸第2銅とを反応させると、その場で、本
質的に3″―アミノおよび4″―ヒドロキシル基を含
有するシソミシン―酢酸第2銅錯体が得られる。
前記のシソミシン―酢酸第2銅錯体を約1モル当
量のエチルトリフルオロ酢酸と反応させると、最
も反応性に富む非錯化アミノ官能基、即ち、その
場で6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―
酢酸第2銅錯体を生成する様な6′―アミノ基を有
するモノアシル誘導体を生成する。続いて、約3
モル当量の酢酸無水物を前記誘導体にその場で添
加し、残つていた3個の非錯化アミノ基をN―ア
シル化し、1,3,2′―トリ―N―アセチル―
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―酢酸
第2銅錯体を生成する。酢酸第2銅錯体を分解し
た後、続いて1,3,2′―トリ―N―アセチル―
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシンを含有
する残留物を水酸化アンモニウムで処理してN―
アセチル基を撹乱せずに6―N―トリフルオロア
セチル基を加水分解し、1,3,2′―トリ―N―
アセチルシソミシンを公知の方法で単離する。
1,3,2′―トリ―N―アシルアミノグリコシド
類は抗菌剤として有用な6′―N―アルキルアミノ
グリコシド類の生成用中間体として価値がある。 さらに、ジメチルスルホキシド中にその場で
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―酢酸
第2銅酢酸ニツケル()錯体を生成し、そし
て、2当量の無水酢酸を添加することによつて、
第3位と第2′位に2個の高反応性非錯化アミノ官
能基を含有するジ―N―アセチル誘導体が生成さ
れる。この2個の高反応性非錯化アミノ官能基は
その場で3,2′―ジ―N―アセチル―6′―N―ト
リフルオロアセチルシソミシン―酢酸第2銅錯体
を生成する。しかして、硫化水素で錯体を除去
し、緩塩基性加水分解によつて6′―N―トリフル
オロアセチル基を加水分解した後、3,2′―ジ―
N―アセチルシソミシンが得られる。3,2′―ジ
―N―アセチルアミノシクリトール―アミノグリ
コシドは1,6′―ジ―N―アルキルアミノグリコ
シド類の生成用中間体として価値がある。なお、
1,6′―ジN―アルキルアミノグリコシドはベル
ギー特許第847900号明細書に開示された価値ある
抗菌剤である。 同様に、あるN―アシル誘導体類をその場でポ
リアミノ有機化合物遷移金属塩錯体に導入し、そ
の後錯体を分解し、続いて錯体の存在によつて以
前から不活性性を付与されているアミノ官能基を
N―アシル化することによつて、ポリアミノ有機
化合物の混合N―アシル誘導体類を生成できる。
本方法を使用することによつて、抗菌活性を有す
る2′,6′―ジ―N―アルキルシソミシンの様な2′,
6′―ジ―N―置換誘導体類の生成用中間体として
有用な1,3,3″―トリ―N―アセチルシソミシ
ン誘導体が得られる。従つて、例えば、シソミシ
ンをメタノール中で約2〜3モル当量の酢酸ニツ
ケル()で処理すると、3″―アミノ―4″―ヒド
ロキシル基対および1―アミノ―2″―ヒドロキシ
ル基対を含有するシソミシン―酢酸ニツケル
()錯体がその場で生成される。シソミシン―
酢酸ニツケル()をその場で約2モルのN―t
―ブトキシカルボニルオキシフタルイミドと反応
させると、非錯化3―アミノ基と比較して一層高
反応性で2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニ
ルシソミシン―酢酸ニツケル()錯体を生成す
る様な、非錯化2′および6′―アミノ基を含有する
ジ―N―アシル誘導体が生成される。硫化ニツケ
ルとしてニツケル()イオンを除去し、続い
て、得られた2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカル
ボニルシソミシンを含有するロ液をその場で無水
酢酸と反応させると、1,3,3″―トリ―N―ア
セチル―2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニ
ルシソミシンが得られる。これをその場で、テト
ラヒドロフラン中において、例えば5%トリフル
オロ酢酸などによつて制御された酸加水分解する
と、1,3,3″―トリ―N―アセチルシソミシン
が得られる。 別法として、前述の方法によつて生成された
2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニルシソミ
シン中間体は、それ自体単離することができ、テ
トラヒドロフラン中で水素化リチウムアルミニウ
ムによつて還元すると抗菌剤として有用な2′,
6′―ジ―N―メチルシソミシンが得られる。 選択的にN―アシル化されたシソミシン誘導体
類の生成、特に本方法によつて生成される価値あ
る中間体に関する前記の説明は本発明の方法およ
び該方法によつて得られる価値ある中間体の可変
性と多様性を例証している。 従つて、本発明はまた、新規な選択的に保護さ
れたアミノシクリトール―アミノグリコシド誘導
体類に関する。これら誘導体類は前記の方法によ
つて生成され、かつ、第3位、第2′位および第
6′位が選択的に保護されている4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシクリ
トール類として定義しえる。これらは下記の化合
物から選択される。 3,2′,6′―トリ―N―Y―シソミシン、3,
2′,6′―トリ―N―Y―ベルダミシン、 3,2′,6′―トリ―N―Y―トブラマイシン、
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC1、 3,2,6―トリ―N―Y―ゲンタミシンC1a
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC2、 3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミンC2a,
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC2b、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質66―40B、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生勾質66―40D、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質JI―20A、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質JI―20B、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質G―52 および前記化合物の5―エピ―および5―エピ
―アジド―5―デオキシ同族体; 3,2′,6′―トリ―N―Y―カナマイシンB、 3,2′―6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シカナマイシンB、 3,2′,6′―トリ―N―Y―ネブラマイシンフ
アクター4、 3,2,6―トリ―N―Y―ネブラマイシンフ
アクタ―5, 3,2′,6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シ―3′,4′―デヒドロカナマイシンB、 3,2′,6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シ―6′―N―メチルカナマイシンB、および 3,2′,6′―トリ―N―Y―5―デオキシシソ
ミシン; (前記、名称中、Yはアシル基、例えばアセチ
ル基、2,2,2―トリクロロエトキシカルボニ
ル基およびベンジルオキシカルボニル基である。) 中間体類として特に価値のあるのは、Yが低級
アルカノイル基、好ましくはアセチルである様な
化合物である。これらのうち、特に好ましいもの
は3,2′,6′―トリ―N―アセチル―シソミシン
である。 その他の価値ある3,2′,6′―トリ―N―アシ
ルアミノシクリトール―アミノグリコシド類はY
が2,2,2―トリクロロエトキシカルボニルで
ある様な化合物である。特に好ましいものは3,
2′,6′―トリ―N―(2,2,2―トリクロロエ
トキシカルボニル)シソミシンである。これは、
1―N―アシル―4,6―ジ―O―(アミノグリ
コシル)―1,3―ジアミノシクリトール類、特
にシソミシンの1―N―アシル誘導体類、例え
ば、1―N―アセチルシソミシン(抗菌剤とし
て、および、対応する1―N―アルキル誘導体類
の生成用中間体として価値がある。)の生成用中
間体として価値がある。 その他の新規中間体類は第2′位および第6′位が
選択的に保護された4,6―ジ―O―(アミノグ
リコシル)―1,3―ジアミノシクリトール類で
あり、下記のものから選ばれる: 2′,6′―ジ―N―Y―シソミシン、2′,6′―ジ
―N―Y―ベルダミシン、 2′,6′―ジ―N―Y―トブラマイシン、2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC1、 2′,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC1a,2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2、 2′,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2a,2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2b、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質66―40B,2′,
6′―ジ―N―Y―抗生物質66―40D、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質JI―20A,2′,
6′―ジ―N―Y―抗生物質JI―20B、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質G―52、 前記化合物の5―エピ―および5―エピ―アジ
ド―5―デオキシ同族体類、 2′,6′―ジ―N―Y―カナマイシンB,2′,
6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシカナマイシ
ンB、 2′,6′―ジ―N―Y―ネブラマイシンフアクタ
ー4、 2′,6′―ジ―N―Y―ネブラマイシンフアクタ
ー5、 2′,6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシ―3′
,
4′―デヒドロカナマイシンB、 2′,6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシ―6′
―
N―メチルカナマイシンB、および 2′,6′―ジ―N―Y―5―デオキシシソミシ
ン; (前記、名称中、Yはアシル基である。) 前記のもののうち特に価値ある誘導体類はYが
2,2,2―トリクロロエトキシカルボニル基ま
たはt―ブトキシカルボニル基である様な化合
物、特に2′,6′―ジ―N―(2,2,2―トリク
ロロエトキシカルボニル)シソミシンおよび2′,
6′―ジ―N―(t―ブトキシカルボニ))シソミ
シンである。これら化合物は抗菌活性を有する
2′,6′―ジ―N―アルキル―2,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノグクリ
トール類、例えば2′,6′―ジ―N―エチルシソミ
シンの生成用中間体として価値がある。 さらに他の新規中間体類は第3位および第6′位
が選択的に保護された4,6―ジ―O―(アミノ
グリコシル)―1,3―ジアミノシクリトール類
であり、これらは下記のものから選択される; 3,6′―ジ―N―Y―カナマイシンA、3,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンB、 3,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンB1、3,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンA3、 3,6′―ジ―N―Y―6′―N―メチルカナマイ
シンA (化合物中、Yはアシル基、好ましくはアセチ
ル、t―ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカ
ルボニルおよび2,2,2′―トリクロロエトキシ
カルボニルである。)Yがアセチルである場合、
前記誘導体類は主に、対応する1―N―アルキル
誘導体類の生成用中間体として価値がある。Yが
t―ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボ
ニルおよび2,2,2―トリクロロエトキシカル
ボニルの様な基である場合、前記化合物類は対応
する1―N―(γ―アミノ―α―ヒドロキシブチ
リル)、1―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシ
プロピオニル)および1―N―(δ―アミノ―α
―ヒドロキシワレリル)誘導体類の生成用中間体
類として特に価値のあるものである。また該誘導
体類は3,6′―ジ―N―アシル基が除去された場
合、当業界で公知の有効な抗菌剤となる。 本発明の方法で得られる様な前記誘導体類は
4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3
―ジ―アミノシクリトール類の生成加工中保護さ
れていないアミノ基位置に置換基を有する、該ジ
アミノシクリトール類の生成に有用である。分子
中の第1位における置換は特に好ましい化合物を
生成する。従つて、本発明はまた、4,6―ジ―
O―(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシ
クリトール類シソミシン、ベルダミシン、トブラ
マイシン、ゲンタミシンC1、ゲンタミシンC1a、
ゲンタミシンC2、ゲンタミシンC2a、ゲンタミシ
ンC2b、抗生物質66―40B、抗生物質66―40D、抗
生物質JI―20A、抗生物質JI―20B、抗生物質G
―52、これらの5―エピ―および5―エピ―アジ
ド―5―デオキシ同族体類;カナマイシンB、
3′,4′―ジデオキシカナマイシンB、ネブラマイ
シン フアクター4、ネブラマイシン フアクタ
ー5′、3′,4′―ジデオキシ―3′,4′―デヒドロカ
ナ
マイシンB、3′,4′―ジデオキシ―6′―N―メチ
ルカナマイシンB、5―デオキソシソミシン、ゲ
ンタミシンB、ゲンタミシンB1、ゲンタミシン
A3、カナマイシンA、6′―N―メチルカナマイシ
ンA、カナマイシンC、抗生物質G―418、ゲン
タミシンA、ゲンタミシンA1およびゲンタミシ
ンX2の1―N―置換誘導体類{分子中、1―N
―置換基は―CH2Xまたは【式】(式中、X は水素、アルキル、アルケニル、シクロアル守
ル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキ
ル、アミノアルキル、モノ―またはジ―N―アル
キルアミノアルキル、アミノヒドロキシアルキ
ル、モノ―またはジ―N―アルキルアミノヒドロ
キシアルキル、フエニル、ベンジルまたはトリル
であり、前記脂肪族基は炭素原子を7個以下有
し、かつ、アミノ基および水酸基で置換されてい
る場合は、該置換基を異なつた炭素原子上に有す
る。)である。}またはそれらの医学的に許容され
る酸付加塩の製造方法に関し、該方法は (i) 前記の4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトール類のうち
のいずれかを不活性有機溶剤中で、銅()、
ニツケル()、コバルト()およびカドミ
ニウム()から選択される二価の遷移金属の
塩と、またはこれら混合物と反応させて、前記
遷移金属塩とアミノおよび水酸基対との間で前
記4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―
1,3―ジアミノシクリトールの錯体を生成
し; (ii) 続いて、その場で生成した錯体をアシル保護
基を有するアミン保護化合物と反応させ; (iii) 次いで、非錯化アミノ基上にアシル保護基
(Y)を有する生成錯体を遷移金属沈殿化剤と、
または水酸化アンモニウムと反応させて、前記
遷移金属カチオンを除去し、そして、3,2′,
6′―トリN―Y―または3,6′―ジ―N―Yま
たは3,2′―ジ―N―Y―4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシク
リトールを生成し、 (iv) 続いて、1―N―置換基―CH2Xまたは
【式】(式中、Xは前記定義と同一の意義 を有する。)を導入し; (v) 次いで、分子中に存在する全てのアミノ保護
基を除去し、そして、1―N―置換誘導体をそ
のままで、若しくは医薬的に許容される酸付加
塩として単離する、 ことから成る。 1―N―置換基―CH2Xの導入は第1級アミノ
基のアシル化に関する当業界で公知の方法に従つ
て実施できる。例えば、該方法はベルギー特許第
818431号明細書に開示されている。特に好ましい
方法は、ジアルキルアミノボラン、テトラアルキ
ルアンモニウムシアノボロンヒドリド、アルカリ
金属シアノボロンヒドリドおよびアルカリ金属ボ
ロンヒドリドから成る群から選択される水素化物
供与還元剤約1当量を3,2′,6′―トリ―N―Y
―または3′,6′―ジ―N―Y―または3,2′―ジ
―N―Y―4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトールの酸付加塩
と不活性有機溶剤中で反応させ、かつ、式
XCHO(式中、Xは前記に定義したとうりであ
る。)で示されるアルデヒドの少なくとも1当量
と反応させることから成る。N―アシル保護基を
除去した後、1―N―アルキル誘導体が現在公知
の1―N―アルキルアミノグリコシド類の製造方
法による収率(通常20%以下)よりもはるかに高
い全収率(例えば普通50%以上)で純粋な生成物
として得られる。 例えば、本発明の方法によつて遷移金属塩錯体
を経由して、初めにシソミシンを3,2′,6′―ト
リ―N―アセチルシソミシンに変換し、続いて、
生成した3,2′,6′―トリ―N―アセチルシソミ
シンの硫酸付加塩をアセトアルデヒドと反応さ
せ、次いで、ナトリウムシアノボロヒドリドで還
元し、その後、塩基性加水分解によつて3,2′,
6′―トリ―N―アセチル官能基を除去することに
よつて1―N―エチルシソミシンを生成すると
き、約60%の収率で高純度な1―N―エチルシソ
ミシンが得られる。これに対し、第3位、第2′位
および第6′位をアセチル化せずに同じ方法でシソ
ミシンを1―N―エチルシソミシンに変換する
と、約11%の収率でしか1―N―エチルシソミシ
ンは生成されない。 【式】の導入は、カルボジイミ ドの存在下で、3,2′,6′―トリ―N―Y―また
は3,6′―ジ―N―Y―または3,2′―ジ―N―
Y―4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―
1,3―ジアミノシクリトール(分子中、Yは1
―N―アシル置換基に悪影響を与えずに除去でき
る保護基である。)を式【式】(式中、X は保護されていない任意の第1級または第2級ア
ミノ基を有する前記に定義した様な基である。)
で示される酸と、または該酸の反応性誘導体と反
応させることから成る。本方法の好ましい様式に
おいては、カナマイシンA、ゲンタミシンBおよ
びゲンタミシンB1の3,6′―ジ―N―Y誘導体類
(分子中、Yはt―ブトキシカルボニルまたはベ
ンジルオキシカルボニルである。)を使用し、か
つ、酸【式】のアシル部分はβ―アミノ― α―ヒドロキシプロピオニル、γ―アミノ―α―
ヒドロキシブチリルまたはδ―アミノ―α―ヒド
ロキシワレリル(分子中、アミノ基は保護されて
いる。)である。 前記の様にして得られた1―N―(アミノヒド
ロキシアルカノイル)アミノシクリトール―アミ
ノグリコシド類における1―N―(アミノヒドロ
キシアルカノイル)置換基はR,S―型またはR
―型またはS―型で存在する。本発明によれば三
種の型態全てが含まれる。 遷移金属錯体を経て生成されたゲンタミシンB
およびB1ならびにカナマイシンAの新規な3,
6′―ジ―N―アシル誘導体によつて、ゲンタミシ
ンBおよびB1ならびにカナマイシンAの各々は
高収率で対応する純粋な生成物1―N―アミノヒ
ドロキシアルカノイル誘導体類に変換できる。従
つて、例えば、カナマイシンAはクロマトグラフ
法により精製を要することなく、ジメチルスルホ
キシド中で酢酸二ニツケル()錯体を経て80%
以上の収率で結晶質の3,6′―ジ―N―ベンジル
オキシカルボニルカナマイシンAに変換できる。
前記の3,6′―ジ―N―アシル誘導体をN―(S
―γ―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒ
ドロキシブチリルオキシノサクシニイミドと反応
させ、続いて、生成した1―N―(S―γ―ベン
ジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロキシブ
チリル)―3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカル
ボニルカナマイシンAは水素と触媒で処理してベ
ンジルオキシカルボニル保護基を除去し50%以上
の素晴らしい全収率で高純度な1―N―(S―γ
―アミノ―α―ヒドロキシブチリル)カナマイシ
ンA(この物質は、また、アミカシンおよび抗生
物質BB―K―8として知られている。)を生成
する。 従つて、本発明はJ.Antibiotics 25,695―708
(1972)に開示された様なカナマイシンAをアミ
カシンに変換する従来方法を著しく改善するもの
である。即ち、従来方法によれば、カナマイシン
Aは初め45%の収率で6′―N―ベンジルオキシカ
ルボニル誘導体に変換されるが、前述の実質的に
同様な変換を終結したとき、精製されたアミカシ
ンは全収率10%以下でしか生成されない。同様
に、本発明の方法によれば、3,6′―ジ―N―ベ
ンジルオキシカルボニル中間体を経てカナマイシ
ンAは、米国特許第3939143号明細書に述べられ
た様な6′―N―t―ブトキシカルボニル中間体を
使用する従来方法によつて8%以下の全収率でし
か得られないのに比べて、50%以上の全収率で1
―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニ
ル)カナマイシンA(この物質はまた、1―N―
イソセリルカナマイシンAとして知られている。)
に変換できる。 同様に、ジメチルスルホキシド中でゲンタミシ
ンBと約3モル当量の酢酸第2銅を反応させるこ
とによつて、その場で、3″―アミノ―4″―ヒドロ
キシル基対および1―アミノ―2″―ヒドロキシル
基対を含有する対応するゲンタミシンB―酢酸第
2銅錯体が得られる。該錯体をその場で1モル当
量のN―t―ブトキシカルボニルオキシフタルイ
ミドと反応させると、対応する6′―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンB―酢酸二第2銅錯
体を生成する。一方、少なくとも2モルのN―t
―ブトキシカルボニルオキシフタルイミドと反応
させると、対応する3,6′――ジ―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンB―酢酸二第2銅錯
体が生成される。前記各錯体を硫化水素と反応さ
せ、続いて、生成した硫化第2銅をロ過すること
によつて分離すると、それぞれ6′―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンBまたは3,6′―ジ
―N―t―ブトキシカルボニルゲンタミシンBを
含有する溶液が得られる。前記各化合物は公知の
方法で、それらの各反応溶液から単離し、かつ精
製でき、また精製後、N―(S―γ―ベンジルオ
キシカルボニルアミノ―α―ヒドロキシブチリル
オキシ)サクシニイミドと、またはN―(S―β
―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロ
キシプロピオニルオキシ)サクシニイミドと、若
しくはN―(S―δ―アミノ―α―ヒドロキシワ
レリル)サクシニイミドと反応させて、それぞれ
1―N―(S―γ―アミノ―α―ヒドロキシブチ
リル)ゲンタミシンB、または1―N―(S―β
―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタ
ミシンB若しくは1―N―(S―δ―アミノ―α
―ヒドロキシワレリル)ゲンタミシンBを得るこ
とができる。これらは全て抗菌剤として価値があ
る。 別法として、3,6′―ジ―N―t―ブトキシカ
ルボニルゲンタミシンBを単離することなく、そ
の場でC―1位で化学的変換を行ない。約50%の
素晴らしい全収率で対応する1―N―(S―γ―
アミノ―α―ヒドロキシブチリル)ゲンタミシン
B、または1―N―(S―β―アミノ―α―ヒド
ロキシプロピオニル)ゲンタミシンB若しくは1
―N―(S―δ―アミノ―α―ヒドロキシワレリ
ル)ゲンタミシンBを生成できる。本発明の方法
はまた、P.J.L.Daniels等によつて J.
Antibiotic,27,889(1974)に開示された、前記
化合物の従来の製造方法を著しく改善するもので
ある。従来の方法によれば1―N―アミノヒドロ
キシアルカノイルゲンタミシンC1誘導体が15%
以下の収率でしか生成されない。 同様に、6′―N―t―ブトキシカルボニルゲン
タミシンBの収量はほぼ定量的であり、かつ、ク
ロマトグラフ法により精製を必要としない。これ
に対し、従来方法では約46%の収率しか得られ
ず、しかも、クロマトグラフ法による単離を必要
とする。 3,6′―ジ―N―アシル―ゲンタミシンB中間
体類、例えば3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカ
ルボニルゲンタミシンBをゲンタミシンBの1―
N―(アミノヒドロキシアルカノイル)誘導体、
例えば1―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシプ
ロピオニル)ゲンタミシンBへの変換に使用する
場合、3,6′―ジ―N―アシル誘導体をラセミ体
化合物、例えば、N―(β―ベンジルオキシカル
ボニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニルオキ
シ)サクシニイミドと反応させると、3,6′―ジ
―N―アシル―1―N―(R,S―アミノヒドロ
キシアルカノイル)ゲンタミシンBジアステレオ
異性体混合物(例えば、3,6′―ジ―N―(ベン
ジルオキシカルボニル)―1―N―(R,S―β
―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロ
キシプロピオニル)ゲンタミシンB)が生成され
る。驚ろくべきことには、この混合物はクロマト
グラフ法によつて各ジアステレオ異性体、例えば
3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカルボニル―1
―N―(R―β―ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタミシン
Bおよび3,6′―ジ―N―(ベンジルオキシカル
ボニル)―1―N―(S―β―ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)
ゲンタミシンBに容易に分別できる。これらの化
合物は3,6′―ジ―N―保護基を除去するとそれ
ぞれのジアステレオ異性体抗菌剤、例えば、1―
N―(R―β―アミノ―α―ヒドロキシプロピオ
ニル)ゲンタミシンBおよび1―N―(S―β―
アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタミ
シンBが各々生成される。別法として、保護基を
3,6′―ジ―N―(ベンジルオキシカルボニル)
―1―N―(R,S―B―ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲン
タミシンBから除去して、1―N―(R,S―β
―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタ
ミシンBを生成する。この化合物はシリカゲルで
クロマトグラフすることによつて不純物から純粋
な形で得ることができる。しかし、クロマトグラ
フ法によつては各々のジアステレオ異性体類に分
別することはできない。 この生成物の別の側面において、本発明はポリ
アミノ有機化合物―遷移金属塩錯体に関する。該
錯体は、少なくとも1個のアミノ基が利用可能な
隣位水酸基を有し、かつ、前記塩は銅()、ニ
ツケル()、コバルト()およびカドミニウ
ム()から選択される二価の遷移金属カチオン
の塩またはこれらの塩の混合物であり、前記ポリ
アミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体は前記二価
遷移金属塩と前記の利用可能な隣位アミノおよび
水酸基対との間に錯官能基を有し、錯官能基の数
は前記の利用可能な隣位アミノおよび水酸基対の
数よりも大きくはない。 ポリアミノ有機化合物―遷移金属錯体はそれら
が生成された溶剤媒質中において、その場で中間
体として好都合に使用される。従つて、通常、本
発明の遷移金属塩錯体は単離する必要がない。従
つて、本発明の重要な側面は不活性有機溶剤中の
ポリアミノ有機化合物―遷移金属塩錯体を含有す
る組成物に存する。しかしながら、遷移金属塩錯
体は真空中で溶剤媒質を蒸発させることによる
か、若しくはそれらの該溶液をエーテル中に注ぎ
込み錯体を沈殿せしめることによつて単離でき
る。かくして、不定形粉末状のポリアミノ有機化
合物―遷移金属塩錯体が生成され、この粉末は遷
移金属塩およびポリアミノ有機化合物先駆体と色
が相違することを特徴とする。また同様に、この
粉末は固形状でIRスペクトル分析されることを
特徴とする。 本発明の好ましい遷移金属塩錯体は酢酸第2
銅、酢酸ニツケル()、酢酸コバルト()ま
たはこれらの混合物からもたらされるものであ
る。特に、ポリアミノ有機化合物がアミノシクリ
トール―アミノグリコシド、好ましくは4,6―
ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3―ジアミ
ノシクリトールである様な錯体が好ましい。 本発明の好ましいポリアミノ有機化合物―遷移
金属塩錯体としてはシソミシン―酢酸二第2銅錯
体、シソミシン―酢酸二コバルト()錯体、シ
ソミシン―酢酸二ニツケル()錯体およびシソ
ミシン―酢酸第2銅―酢酸ニツケル()混合錯
体などがある。これらは全て、選択的に保護され
た化合物3,2′,6′―トリ―N―アシルシソミシ
ンの生成用中間体として価値がある。 本発明のその他の特に価値あるポリアミノ有機
化合物―遷移金属塩錯体はゲンタミシンB―酢酸
二第2銅錯体、ゲンタミシンB―酢酸二コバルト
()錯体およびカナマイシンA―錯酸二ニツケ
ル()錯体である。これらはゲンタミシンBお
よびカナマイシンAの3,6′―ジ―N―アシル誘
導体類、例えば3,6′―ジ―N―t―ブトキシカ
ルボニルゲンタミシンBおよび3,6′―ジ―N―
ベンジルオキシカルボニルカナマイシンAの生成
用中間体として価値がある。 以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。 実施例1 3,2′,6′―トリス―N―(ベンジルオキシカ
ルボニル)―3′,4′―ジデオキシカナマイシン
B 3′,4′―ジデオキシカナマイシンB100mgをジメ
チルスルホキシド2.0mlにとかして作つた溶液を
酢酸コバルト()・5水和物1.0gと共に室温で
一晩攪拌した。この反応混合物にN―ベンジルオ
キシカルボニルオキシフタルイミド0.216gを添
加し、この溶液を室温で1時間静置した。重質な
シロツプが得られるまでエーテルを添加した。エ
ーテルをデカントして除き、残留物を3Mアンモ
ニア150mlで洗浄した。生成した固形物を過し、
H2O10mlで洗浄した。この固形物をメタノール
に溶解し、溶離剤にクロロホルム/メタノール/
アンモニア(27:2:2.6)混液を用いて薄層ク
ロマトグラフした。純粋な画分を濃縮した(濃縮
の最終段階はCO2雰囲気中で行なつた)。斯くし
て標記の化合物を得た。 質量スペクトル(M+1):854 〔α〕26 D=+72.1゜ (C=0.5,H2O/THF,1:2) 元素分析:C42H55N5O14・H2CO3 ・H2Oとして、 理論値:C,55.30; H,6.32; N,7.65 実測値:C,54.49; H,6.18; N,7.49
体類に関する。 ポリアミノ有機化合物、特に炭水化物およびア
ミノシクリトール―アミノグリコシド分野におけ
る化合物の特定の化学的変換を行なう場合、所望
の生成物を高収率で得るためには、初めに、“遮
蔽”または“保護”基によつて分子中のアミノ官
能基誘導体を生成し、アミノ官能基が使用する化
合物と競争反応をおこさない様に保護しなければ
ならない。通常、使用される保護基はアシル保護
基である。この保護基はアミノ基に容易に付加
し、しかも、所望の変換が完了した後除去でき、
さらに使用される反応条件下で安定である。 アミノ官能基のうちの一つが反応部位である様
な、ポリアミノ有機化合物における化学的変換
は、一つおきのアミノ官能基が保護基によつて選
択的に保護されている様な中間体で理想的に行な
われる。さもなければ、各種のモノ―N―および
ポリ―N―誘導体の混合物が生成され、所望の変
換生成物を分離するために、長つたらしくあきあ
きするような分離技術(通常はクロマトグラフす
るかもしくは数回つづけてクロマトグラフする。)
が必要とされる。しかしながら、従来の方法によ
つては選択的に保護された理想的な中間体が常に
得られるとは限らないので、非保護アミノ官能基
の存在によつて、所望の変換生成物は極めて低収
率でしか生成されない。 ポリアミノ有機化合物が、立体因子および/ま
たはアミノ基の第1級性および/または第2級性
および/または第3級性のいずれかによる種々な
反応性度のアミン官能基を含有する場合、収率は
普通あるいは低いが、所望の反応を生起できる程
度に、他のアミノ官能基は保護されないまま残さ
れるけれども、いくつかのアミノ官能基を選択的
に保護できる場合もある。該方法は通常、各中間
体の分離と生成を必要とする多段階変換を含む。
例えば、二つのアミノ官能基の反応性が等しい場
合の様に、変換しようとするアミノ基以外の全て
のアミノ官能基を保護することはしばしば不可能
である。従つて、うまくいつても、極く若干のア
ミノ官能基が保護されるだけであり、所期の反応
中に生成される生成物の種類を最小にはするが、
しかしなお、混合生成物を生じ、この混合物から
は、かろうじて分離し、かつ精製できる様な目的
生成物を低収率でしか得られない。 本発明によつて、少なくとも一つのアミノ基が
利用可能な隣接水酸基を有する様な、ポリアミノ
有機化合物の選択的に保護されたアミノ誘導体を
高収率で容易に生成できる様になつた。本発明は
炭水化物およびアミノシクリトール―アミノグリ
コシド分野において極めて有用であることが発見
された。即ち、本発明によつて、従来、生成不能
であつたか、あるいは従来、極く少量しか生成で
きなかつたN―アシル化誘導体を高収率で容易に
生成できる様になつた。さらに、生成された、選
択的にN―アシル化されたポリアミノ有機化合物
は、N―アシル化ポリアミノ中間体の分離をせず
とも、後の反応を実施できるほど十分な純度を有
し、かつ定量的収量で与えられる。 本発明がなされる以前は、隣接するアミノおよ
び水酸基対の二価遷移金属塩錯体は未知であつ
た。従来技術(例えばBull.Chem.soc.Japan,39
巻、第6、1235―1248(1966))は不斉中心上のア
ミンと不斉中心上の隣接した隣位ヒドロキシル基
との間の銅―アンモニア錯体がその場所で希アン
モニア水溶液中に存在することを仮定している。
この銅―アンモニア錯体は隣接するアミノ/水酸
基対間の絶対的な立体配置関係を決定するための
分析手段として旋光性研究に使用される。 隣接するアミノ/水酸基対の二価遷移金属塩錯
体(化合物中、アミノ基および水酸基は隣接でき
あるいはできず、かつ、不斉中心上にあることが
でき、またはできない。)を生成でき、しかも、
さらに、遷移金属アンモニウムイオン(例えば、
銅―アンモニウムイオン)生成するのに水酸化ア
ンモニウムを使用する必要なしに、最小量の二価
の遷移金属イオンによつて有機溶剤中で生成でき
ることが発見された。同様に、本発明のポリアミ
ノ有機化合物―遷移金属塩錯体は、遊離アミノ基
をそれらのN―アシル化誘導体に変化させるアシ
ル化反応条件下で長く残存することが発見され
た。さらに、本発明の遷移金属塩錯体は錯化アミ
ノ/水酸基が反応に関与することを阻止すること
が発見された。 従つて、本発明は、少なくとも一個のアミノ基
が利用可能な隣位水酸基を有し、かつ、少なくと
も一個のアミノ基が利用可能な隣位水酸基を欠く
か、あるいは隣位水酸基の利用可能性が立体的に
低いものである様なポリアミノ有機化合物におけ
るアミノ基をアシル保護基(Y)によつて選択的
に保護する方法に関し、該方法は (i) 前記ポリアミノ有機化合物を、銅()、ニ
ツケル()、コバルト()、カドミウム
()から選択された二価の遷移金属カチオン
の塩、もしくはこれらの混合物と不活性有機溶
剤中で反応させて、前記遷移金属塩と利用可能
な隣位水酸基を有する前記アミノ基からなる少
なくとも一対の基との間で前記ポリアミノ有機
化合物の錯体を生成し; (ii) 次いで、得られたポリアミノ有機化合物―遷
移金属塩錯体をアシル保護基(Y)を有するア
ミン保護化合物と反応させ; (iii) 非錯化アミノ基上にアシル保護基(Y)を有
する得られたポリアミノ有機化合物―遷移金属
塩錯体を遷移金属沈殿化剤または水酸化アンモ
ニウムと反応させて、遷移金属カチオンを除去
することから成る。 本書で使用する用語“利用可能な水酸基を有す
る前記アミノ基の一つ”および“利用可能な隣位
アミノおよび水酸基対”とはシス―隣位状で、ま
たはジエカトリアルトランス―隣位状で隣接した
炭素原子上に位置する様なアミノおよび水酸官能
基を意味する。同様に、隣接した炭素原子上には
存在しないが、空間的に隣接しており(即ち、そ
れらは水素結合するのに十分なほど接近してい
る。)、従つて、互いに利用可能である様なアミノ
および水酸官能基を意味する。さらに、“利用可
能”なる用語は、互いに利用可能であることに加
えて、本発明の方法において有用であるべき隣接
したアミノおよび水酸官能基対が、二価の遷移金
属カチオンの様な導入化合物に空間的に利用可能
である様にポリアミノ―有機化合物分子中に位置
しなければならないことを意味する。従つて、例
えば、2′―アミノ基を有する4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―2―デオキシストレプト
アミン、例えばシソミシン、トプラミシン、ベル
ダミシンおよびゲンタミシンC1,C1aおよびC2に
おいて、2―デオキシストレプトアミン部分の5
―水酸基が隣接し、2′―アミノ基に利用可能では
あるが、5―水酸基は二価の遷移金属塩、例え
ば、酢酸第2銅が5―ヒドロキシル―2′―アミノ
対に十分に接近し、それらの遷移金属塩錯体を生
成できない様に立体的に障害されている。 本発明の方法で錯生成剤として有用な遷移金属
塩は銅()、ニツケル()、コバルト()お
よびカドミニウム()の任意の二価塩である。
最大の錯生成作用を有する様な錯生成剤は弱酸、
好ましくは弱有機酸、例えば安息香酸、プロピオ
ン酸および酢酸の二価遷移金属塩である。好まし
い二価遷移金属塩としては、銅()、ニツケル
()、コバルト()およびカドミニウム()
の酢酸塩およびこれらの混合物がある。特に有用
なものは、酢酸ニツケル()、酢酸第2銅およ
び酢酸コバルト()である。 一価の遷移金属塩、例えば酢酸第1銅を使用し
た場合、利用可能な隣接水酸およびアミノ基対の
酢酸第1銅錯体が低収率で生成され、かつ弱く結
合される。故に、Nアシル化工程が実施されたと
き、やや低速度であるにもかかわらず、弱く錯化
したアミノ基の位置および混合生成物中に生じる
非錯化アミノ基の位置でN―アシル化がおこり、
その結果、所望生成物の収率が低下される。 本発明の方法は不活性有機溶剤中で実施され
る。該不活性有機溶剤には、任意の有機溶剤が含
まれる。ただし、該有機溶剤にポリアミノ―有機
化合物、遷移金属塩および生成したポリアミノ―
有機化合物―遷移金属塩錯体中間体が相対的に可
溶であり、かつ、本方法の化合物とほとんど反応
しないものでなければならない。好ましい溶剤は
極性、中性有機溶剤、特に、ジアルキルアミド類
(例えば、ジメチルホルムアミド)およびジアル
キルスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキ
シド)である。同様に、極性プロトン性溶剤、例
えば低級アルカノール類、特にメタノールおよび
エタノールは、これらの溶剤が溶解性の理由で必
要とされるのであれば、本発明の方法で使用き
る。極性溶剤を使用する場合は、中性溶剤を使用
する場合よりも二価の遷移金属塩を多量に使用す
ることが望ましい。なぜなら、極性溶剤はポリア
ミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体中の錯化され
た官能基を弱める。 最大の収率を得るために実質的に無水の溶剤を
使用することが好ましい。しかしながら、水は約
25%以下またはこれ以上の量であつても、選択的
に保護されたNアシル化ポリアミノ生成物の収率
に悪影響を与えずに使用でき、しかも、溶解性の
理由によりしばしば存在することが望ましい。た
だし、水は極性溶剤であり、また、ポリアミノ―
有機化合物―遷移金属塩錯体中間体における錯化
官能基を弱めるので、追加の二価遷移金属塩を使
用しなければならない。 本発明の方法においては、少なくとも一つの利
用可能な隣接アミノ/水酸基対を有するポリアミ
ノ―有機化合物〔A〕、遷移金属塩(例えば、酢
酸第2銅、Cu(OAc)2)および溶剤との間に平衡
が存在する様に思われる。これらの平衡関係は下
記の様に示すことができる。 〔A〕+Cu(OAc)2+溶剤中性溶剤 ―――――→ ←―A′Cu(OAc)2 ・溶剤+Cu(OAc)2・溶剤+溶剤 〔A〕+Cu(OAc)2+溶剤極性溶剤 ←――――― ―→A′Cu(OAc)2 ・溶剤+Cu(OAc)2・溶剤+溶剤 中性溶剤を用いれば、平衡は利用可能な隣接ア
ミノ/水酸基対を有するポリアミノ―有機化合物
の遷移金属塩錯体を生成する方向に向つて移動す
る。これに対し、有機極性溶剤または有機中性溶
剤中に過剰量の水が存在する場合、平衡はポリア
ミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体を分解する方
向に向つて移動する。従つて、以下の事例におい
ては、溶液中にポリアミノ―有機化合物―塩錯体
を高収率で得るために、平衡を所望の方向に向わ
せるのに、実質的に無水の中性溶剤を使用する場
合に必要とされるよりも一層多量の遷移金属塩が
必要とされる。 通常、本発明の方法を実施する場合、本発明の
方法の第1工程で使用される遷移金属塩のモル量
は、ポリアミノ―有機化合物中の利用可能な隣接
アミノおよび水酸基対の数をかけたポリアミノ―
有機化合物のモル量に少なくとも等しい量であ
る。また、本発明の第2工程(好ましくはその場
で実施する。)で使用するアシル化剤のモル量は
分子中の非錯化アミノ官能基(これらは保護され
るべき基である)の数をかけたポリアミノ―有機
化合物のモル量におおよそ等しい。 しかしながら、非錯化アミン類の反応性が異な
る場合、高反応性アミンのみをN―アシル化した
いならば、少量のN―アシル化剤を使用すればよ
い。 ポリアミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体を反
応させ非錯化アミノ基をN―アシル化した後、遷
移金属カチオンを遷移金属沈殿化剤によつて、ま
たは水酸化アンモニウムによつてN―アシル化ポ
リアミノ有機化合物―遷移金属塩錯体から都合よ
く除去する。後者の場合、遷移金属カチオンは水
酸化アンモニウムと優先的に錯体を生成し除去さ
れる。該錯体は水酸化アンモニウムおよび水に可
溶である。遷移金属カチオンを除去するこの方法
は、選択的に保護されたN―アシルポリアミノ―
有機誘導体が有機溶剤に可溶性である場合に好都
合である。なぜなら、該誘導体はその後、水酸化
アンモニウム遷移金属塩錯体を含有する水性有機
溶剤混合物から抽出できる。 通常、当業界で公知の沈殿化剤によつて遷移金
属カチオンを除去するのがより好都合である。有
用な沈殿化剤はジメチルグリオキサルのジオキシ
ム、1,3―ジカルボニルアルカン類、例えばア
セチルアセトンおよびヘプタン―3,5―ジオ
ン、ならびに硫化物沈殿化剤、例えば、硫酸アン
モニウム、アルカリ金属硫化物類(例えば、硫化
ナトリウム)、アルカリ土類金属硫化物類(例え
ば、硫化カルシウム)、アルカリ土類金属水硫化
物類(例えば、ナトリウム水硫化物)および硫化
水素などがある。前記のもののうち、特に有用な
沈殿化剤はジメチルグリオキザルのジオキシム、
アセチルアセトンおよび硫化水素である。 遷移金属カチオンを除去する場合、硫化水素は
えり抜きの沈殿化剤である。なぜなら、単に硫化
水素を反応混合物中に吹き込むだけの簡単な操作
であり、また、生成する遷移金属硫化物は単時間
内に完全に沈殿し、かつ、ロ過することによつて
簡単に除去される。 アシル保護基(Y)および対応するアシル化剤
(これによつてアシル保護基が生成される。)は、
分子中の他の部位で所望の化学変換反応が行なわ
れた後にそれらアシル保護基を除去する方法と同
様に当業界で周知である。本書で使用する、ポリ
アミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体中間体中の
非錯化アミノ官能基へ向つて選択的に導入させ得
るアシル保護基(Y)にはベンジルオキシカルボ
ニルおよび置換ベンジルオキシカルボニル基、例
えば、p―ニトロベンジルオキシカルボニルおよ
びp―メトキシベンジルオキシカルボニル(これ
らは接解還元によつて容易に除去できる。);アリ
ールオキシカルボニル基類例えばフエノキシカル
ボニル;およびアルコキシカルボニル基類、例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等
(これらは塩基性加水分解によつて除去され
る。);トリクロロエトキシカルボニル基類(酢酸
中の亜鉛によつて除去できる。);t―アルコキシ
カルボニル基、例えばt―ブトキシカルボニルお
よびt―アミルオキシカルボニル基(緩酸加水分
解によつて除去できる。);ハロゲンアルキルカル
ボニル基、例えばクロロアセチル(塩基によつ
て、又はチオ尿素によつて、若しくは同様な化合
物によつて除去できる。)およびトリフルオロア
セチル(緩塩基性条件下で容易に除去される。);
サクシニイミドおよびフタルイミド基類(ヒドラ
ジンによつて容易に除去される。)、アルカノイル
基、例えばアセチル、プロピオニル等;およびア
ロイル基類、例えばベンゾイル(塩基性加水分解
によつて除去される。)などがある。遊離アミノ
官能基上に前記のいずれかのN―アシル誘導体も
導入するのに必要な反応条件は当業界で周知であ
る。 本発明の方法で出発化合物として有用なポリア
ミノ有機化合物には (1) 利用可能な隣位水酸基を有するアミノ官能基
を少なくとも1個有する様なポリアミノ―有機
化合物;および (ii) 利用可能な隣位水酸基を欠き、そのために、
遷移金属塩と錯体を生成できないか、若しくは
立体的に隣位水酸基に利用しにくく、その結
果、該部位で生成された塩錯体は強固に錯化し
た他のアミノ/水酸基対よりも安定性に劣り、
従つて、本発明の方法の第2工程におけるN―
アシル化に利用可能なアミノ官能基を与える様
なアミノ官能基を少なくとも1個有するポリア
ミノ有機化合物などである。 ポリアミノ―有機出発化合物は水酸基以外の基
によつて置換でき、かつ、ヘテロ原子を含有でき
る。ただし、それらは遷移金属塩類またはアシル
化剤と反応してはならない。従つて、本方法のポ
リアミノ―有機出発化合物はスルフイドリル基お
よびメルカプチル基を欠いていることが好まし
い。 本方法のポリアミノ―有機出発化合物としては
単環、複環および三環ポリアミノアリール水酸化
物類、例えば2,4―ジアミノフエノール、2,
4―ジアミノ―1―ナフトール、2,6―ジアミ
ノ―1―ナフトール、1,4―ジアミノ―2―ナ
フトールおよび5,8―ジアミノ―1―ナフトー
ル等;ポリアミノシクロアルカノール類例えば、
(シス、シス、シス)―2,4―ジアミノシクロ
ヘキサノールおよび(トランス、シス、トラン
ス)―2,4―ジアミノシクロヘキサノール等;
および非環式ポリアミノ化合物、例えば2,6―
ジアミノヘキサノールなどがある。 本方法の非環式有機出発化合物類において、ア
ミノ基と水酸基は隣接しており、その結果、互い
に利用可能である。これらの基はアミノ/水酸基
対を含有する炭素鎖(またはヘテロ炭素鎖)が遷
移金属カチオンと共に5,6,または7員環を形
成できる様に位置している。 本発明の方法は、偽二糖類、例えば4―O―
(6′―アミノ―6′―デオキシグルコシル)デオキ
シストレプトアミン、ネアミン、ガラミン、カナ
ミン、パロマミンおよびゲンタミン類(例えば、
C1,C1a,C2,C2b等)の化学的変換を行なう場合
に、炭水化物分野において特に有用である。 しかしながら、本発明の方法はアミノシクリト
ール―アミノグリコシド分野、即ち、アミノグリ
コシド抗生物質の化学的変換がたえず行なわれて
より強力な抗菌作用および/またはより好ましい
抗菌スペクトルを有する新規な誘導体を合成する
分野、においても最も有用であることが判明し
た。これら変換のほとんどは、多工程で、しかも
低収率方法である。この方法においては、いくつ
かの初期工程が所望の変換生成物の収率を改善し
ようとして、化学的変換の主工程を実施する前に
保護基によつてアミノおよび/または水酸官能基
類を単に保護せんとするものである。本発明の方
法によつて、保護する必要のあるアミノ基は簡単
な二工程一反応容器方法で優れた収率で選択的に
保護される。 本発明の方法の出発化合物として有用である、
デオキシストレプトアミンを含有する、4位と5
位が結合したアミノグリコシド抗生物質にはリボ
ストマイシン(この抗生物質中、1―アミノ―6
―ヒドロキシル基はその場で遷移金属塩錯体に変
換され、次いで全ての他のアミノ官能基がN―ア
シル化され、続いて遷移金属塩を除去し、その後
公知のメチル化法を用いて生成した1―N―非置
換―ポリ―N―アシルリボスタミジンをメチル化
し、抗菌作用を有する1―N―メチルリボスタミ
シンを生成する。);キシロスタミシン、3′―デオ
キシリボスタミシンおよび3′,4′,5″―トリデオ
キシリポスタミシンなどがある。その他の有用な
出発化合物としてはアミノシクリトール―アミノ
グリコシドを含有する4―O―結合―ストレプタ
ミン、例えば1,3―ジ―脱―N―アミジノジヒ
ドロストレプトマイシンなどがある。 本発明の方法の好ましい様式は、アミノ基を
4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3
―ジアミノシクリトール抗菌剤中で選択的に保護
するものである。本発明の新規な方法によれば、
選択的に保護されたアミノグリコシド抗生物質誘
導体、例えば4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトール誘導体類の
2′,6′―ジ―N―アシル、3,6′―ジ―N―アシ
ル、3,2′,6′―トリ―N―アシル、および1,
3,2′,6′―テトラ―N―アシル誘導体類を二工
程一反応容器法によつて高収率で容易に製造でき
る。これらの全てが従来全く知られておらず、し
かも、元のアミノグリコシドの抗菌活性性変換生
成物の製造における中間体として有用である。 特に有用な様式は、4,6―ジ―O―(アミノ
グリコシル)―1,3―ジアミノシクリテールの
3,2′,6′―トリ―N―アシル誘導体例えば、シ
ソミシン、トブラマイシン、ベルダミシン、ゲン
タミシンC1,ゲンタミシンC1aおよびゲンタミシ
ンC2等の生成である。これらは、3,2′位および
6位のN―アシル基を除去した後、米国特許第
4002742号明細書に開示された価値ある抗菌剤で
ある、対応する1―N―アルキルアミノグリコシ
ド類の生成用中間体として価値がある。前記の
3,2′,6′―トリ―N―アシルシソミシン類のう
ち、特に3,2′,6′―トリ―N―アセチルシソミ
シンは有効な抗菌剤である1―N―エチルシソミ
シンの生成用中間体として高い価値を有する。 本発明の方法を実施する場合、選択的にN―ア
シル化されたポリアミノ化合物を高収率で生成す
るには、往々にして、遷移金属塩錯体の混合物を
使用するのが好ましいことが判明した。これは、
ある遷移金属塩は他の遷移金属塩よりも、一層強
固に利用可能な隣位アミノ/水酸基対と結合した
遷移金属塩錯体類を生成することによるものと思
われる。例えば、3,2′,6′―トリ―N―アセチ
ルジソミシンを生成する場合、二価の遷移金属塩
として酢酸ニツケル()と酢酸第2銅の等モル
混合物(遷移金属塩類の全モル当量はシソミシン
のモル当量の4倍である。)を使用して本発明の
方法を実施することによつて高収率が得られる。
特に有用な様式は、遷移金属として酢酸コバルト
()を使用し、それによつて、ほぼ理論収量の
実質的に純粋な選択的に保護されたN―アシル化
誘導体類を得ることである。 遷移金属塩およびアシル化剤の量を変え、か
つ、(付随的に)溶剤を変えることによつて、3,
2′,6′―トリ―N―アセチルシソミシンのかわり
に1,3,2′,6′―テトラ―N―アセチルシソミ
シンが高収率で得られる。例えば、メタノール水
溶液中のシソミシン1モルあたり酢酸第2銅水和
物を1/2モル〜等モル量添加することによつて、 その場で、3″―アミノ―4″ヒドロキシ基対を含有
するシソミシン―酢酸第2銅錯体が得られる。こ
の化合物をその場で、約4モル当量の酢酸無水物
と反応させ、続いて第2銅カチオンを硫化物塩と
して沈殿せしめることによつて除去し、次いで、
公知の方法で単離し、かつ、精製することによつ
て、理論量のほぼ80%の収率で1,3,2′,6′―
テトラ―N―アセチルシソミシンが得られる。こ
の化合物は3″―アミノ基の変換が所望される場
合、有用な中間体として使用される。 同様に、本発明の方法によれば、化合物中のア
ミノ基類の反応性度が異なる場合、非錯化アミノ
基が残つている混合N―アシル誘導体類をその場
で段階的に生成することも可能である。分子中に
導入されるN―アシル基のタイプおよびそれらの
相対的な除去容易性に依存して、選択的にN―ア
シル化されたポリアミノ―有機化合物の所望の組
合わせをどの様にも生成できる。従つて、例えば
95%メタノール水溶液中のシソミシンと約等モル
量の酢酸第2銅とを反応させると、その場で、本
質的に3″―アミノおよび4″―ヒドロキシル基を含
有するシソミシン―酢酸第2銅錯体が得られる。
前記のシソミシン―酢酸第2銅錯体を約1モル当
量のエチルトリフルオロ酢酸と反応させると、最
も反応性に富む非錯化アミノ官能基、即ち、その
場で6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―
酢酸第2銅錯体を生成する様な6′―アミノ基を有
するモノアシル誘導体を生成する。続いて、約3
モル当量の酢酸無水物を前記誘導体にその場で添
加し、残つていた3個の非錯化アミノ基をN―ア
シル化し、1,3,2′―トリ―N―アセチル―
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―酢酸
第2銅錯体を生成する。酢酸第2銅錯体を分解し
た後、続いて1,3,2′―トリ―N―アセチル―
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシンを含有
する残留物を水酸化アンモニウムで処理してN―
アセチル基を撹乱せずに6―N―トリフルオロア
セチル基を加水分解し、1,3,2′―トリ―N―
アセチルシソミシンを公知の方法で単離する。
1,3,2′―トリ―N―アシルアミノグリコシド
類は抗菌剤として有用な6′―N―アルキルアミノ
グリコシド類の生成用中間体として価値がある。 さらに、ジメチルスルホキシド中にその場で
6′―N―トリフルオロアセチルシソミシン―酢酸
第2銅酢酸ニツケル()錯体を生成し、そし
て、2当量の無水酢酸を添加することによつて、
第3位と第2′位に2個の高反応性非錯化アミノ官
能基を含有するジ―N―アセチル誘導体が生成さ
れる。この2個の高反応性非錯化アミノ官能基は
その場で3,2′―ジ―N―アセチル―6′―N―ト
リフルオロアセチルシソミシン―酢酸第2銅錯体
を生成する。しかして、硫化水素で錯体を除去
し、緩塩基性加水分解によつて6′―N―トリフル
オロアセチル基を加水分解した後、3,2′―ジ―
N―アセチルシソミシンが得られる。3,2′―ジ
―N―アセチルアミノシクリトール―アミノグリ
コシドは1,6′―ジ―N―アルキルアミノグリコ
シド類の生成用中間体として価値がある。なお、
1,6′―ジN―アルキルアミノグリコシドはベル
ギー特許第847900号明細書に開示された価値ある
抗菌剤である。 同様に、あるN―アシル誘導体類をその場でポ
リアミノ有機化合物遷移金属塩錯体に導入し、そ
の後錯体を分解し、続いて錯体の存在によつて以
前から不活性性を付与されているアミノ官能基を
N―アシル化することによつて、ポリアミノ有機
化合物の混合N―アシル誘導体類を生成できる。
本方法を使用することによつて、抗菌活性を有す
る2′,6′―ジ―N―アルキルシソミシンの様な2′,
6′―ジ―N―置換誘導体類の生成用中間体として
有用な1,3,3″―トリ―N―アセチルシソミシ
ン誘導体が得られる。従つて、例えば、シソミシ
ンをメタノール中で約2〜3モル当量の酢酸ニツ
ケル()で処理すると、3″―アミノ―4″―ヒド
ロキシル基対および1―アミノ―2″―ヒドロキシ
ル基対を含有するシソミシン―酢酸ニツケル
()錯体がその場で生成される。シソミシン―
酢酸ニツケル()をその場で約2モルのN―t
―ブトキシカルボニルオキシフタルイミドと反応
させると、非錯化3―アミノ基と比較して一層高
反応性で2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニ
ルシソミシン―酢酸ニツケル()錯体を生成す
る様な、非錯化2′および6′―アミノ基を含有する
ジ―N―アシル誘導体が生成される。硫化ニツケ
ルとしてニツケル()イオンを除去し、続い
て、得られた2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカル
ボニルシソミシンを含有するロ液をその場で無水
酢酸と反応させると、1,3,3″―トリ―N―ア
セチル―2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニ
ルシソミシンが得られる。これをその場で、テト
ラヒドロフラン中において、例えば5%トリフル
オロ酢酸などによつて制御された酸加水分解する
と、1,3,3″―トリ―N―アセチルシソミシン
が得られる。 別法として、前述の方法によつて生成された
2′,6′―ジ―N―t―ブトキシカルボニルシソミ
シン中間体は、それ自体単離することができ、テ
トラヒドロフラン中で水素化リチウムアルミニウ
ムによつて還元すると抗菌剤として有用な2′,
6′―ジ―N―メチルシソミシンが得られる。 選択的にN―アシル化されたシソミシン誘導体
類の生成、特に本方法によつて生成される価値あ
る中間体に関する前記の説明は本発明の方法およ
び該方法によつて得られる価値ある中間体の可変
性と多様性を例証している。 従つて、本発明はまた、新規な選択的に保護さ
れたアミノシクリトール―アミノグリコシド誘導
体類に関する。これら誘導体類は前記の方法によ
つて生成され、かつ、第3位、第2′位および第
6′位が選択的に保護されている4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシクリ
トール類として定義しえる。これらは下記の化合
物から選択される。 3,2′,6′―トリ―N―Y―シソミシン、3,
2′,6′―トリ―N―Y―ベルダミシン、 3,2′,6′―トリ―N―Y―トブラマイシン、
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC1、 3,2,6―トリ―N―Y―ゲンタミシンC1a
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC2、 3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミンC2a,
3,2′,6′―トリ―N―Y―ゲンタミシンC2b、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質66―40B、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生勾質66―40D、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質JI―20A、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質JI―20B、 3,2′,6′―トリ―N―Y―抗生物質G―52 および前記化合物の5―エピ―および5―エピ
―アジド―5―デオキシ同族体; 3,2′,6′―トリ―N―Y―カナマイシンB、 3,2′―6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シカナマイシンB、 3,2′,6′―トリ―N―Y―ネブラマイシンフ
アクター4、 3,2,6―トリ―N―Y―ネブラマイシンフ
アクタ―5, 3,2′,6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シ―3′,4′―デヒドロカナマイシンB、 3,2′,6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオキ
シ―6′―N―メチルカナマイシンB、および 3,2′,6′―トリ―N―Y―5―デオキシシソ
ミシン; (前記、名称中、Yはアシル基、例えばアセチ
ル基、2,2,2―トリクロロエトキシカルボニ
ル基およびベンジルオキシカルボニル基である。) 中間体類として特に価値のあるのは、Yが低級
アルカノイル基、好ましくはアセチルである様な
化合物である。これらのうち、特に好ましいもの
は3,2′,6′―トリ―N―アセチル―シソミシン
である。 その他の価値ある3,2′,6′―トリ―N―アシ
ルアミノシクリトール―アミノグリコシド類はY
が2,2,2―トリクロロエトキシカルボニルで
ある様な化合物である。特に好ましいものは3,
2′,6′―トリ―N―(2,2,2―トリクロロエ
トキシカルボニル)シソミシンである。これは、
1―N―アシル―4,6―ジ―O―(アミノグリ
コシル)―1,3―ジアミノシクリトール類、特
にシソミシンの1―N―アシル誘導体類、例え
ば、1―N―アセチルシソミシン(抗菌剤とし
て、および、対応する1―N―アルキル誘導体類
の生成用中間体として価値がある。)の生成用中
間体として価値がある。 その他の新規中間体類は第2′位および第6′位が
選択的に保護された4,6―ジ―O―(アミノグ
リコシル)―1,3―ジアミノシクリトール類で
あり、下記のものから選ばれる: 2′,6′―ジ―N―Y―シソミシン、2′,6′―ジ
―N―Y―ベルダミシン、 2′,6′―ジ―N―Y―トブラマイシン、2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC1、 2′,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC1a,2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2、 2′,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2a,2′,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンC2b、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質66―40B,2′,
6′―ジ―N―Y―抗生物質66―40D、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質JI―20A,2′,
6′―ジ―N―Y―抗生物質JI―20B、 2′,6′―ジ―N―Y―抗生物質G―52、 前記化合物の5―エピ―および5―エピ―アジ
ド―5―デオキシ同族体類、 2′,6′―ジ―N―Y―カナマイシンB,2′,
6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシカナマイシ
ンB、 2′,6′―ジ―N―Y―ネブラマイシンフアクタ
ー4、 2′,6′―ジ―N―Y―ネブラマイシンフアクタ
ー5、 2′,6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシ―3′
,
4′―デヒドロカナマイシンB、 2′,6′―ジ―N―Y―3′,4′―ジデオキシ―6′
―
N―メチルカナマイシンB、および 2′,6′―ジ―N―Y―5―デオキシシソミシ
ン; (前記、名称中、Yはアシル基である。) 前記のもののうち特に価値ある誘導体類はYが
2,2,2―トリクロロエトキシカルボニル基ま
たはt―ブトキシカルボニル基である様な化合
物、特に2′,6′―ジ―N―(2,2,2―トリク
ロロエトキシカルボニル)シソミシンおよび2′,
6′―ジ―N―(t―ブトキシカルボニ))シソミ
シンである。これら化合物は抗菌活性を有する
2′,6′―ジ―N―アルキル―2,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノグクリ
トール類、例えば2′,6′―ジ―N―エチルシソミ
シンの生成用中間体として価値がある。 さらに他の新規中間体類は第3位および第6′位
が選択的に保護された4,6―ジ―O―(アミノ
グリコシル)―1,3―ジアミノシクリトール類
であり、これらは下記のものから選択される; 3,6′―ジ―N―Y―カナマイシンA、3,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンB、 3,6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンB1、3,
6′―ジ―N―Y―ゲンタミシンA3、 3,6′―ジ―N―Y―6′―N―メチルカナマイ
シンA (化合物中、Yはアシル基、好ましくはアセチ
ル、t―ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカ
ルボニルおよび2,2,2′―トリクロロエトキシ
カルボニルである。)Yがアセチルである場合、
前記誘導体類は主に、対応する1―N―アルキル
誘導体類の生成用中間体として価値がある。Yが
t―ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボ
ニルおよび2,2,2―トリクロロエトキシカル
ボニルの様な基である場合、前記化合物類は対応
する1―N―(γ―アミノ―α―ヒドロキシブチ
リル)、1―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシ
プロピオニル)および1―N―(δ―アミノ―α
―ヒドロキシワレリル)誘導体類の生成用中間体
類として特に価値のあるものである。また該誘導
体類は3,6′―ジ―N―アシル基が除去された場
合、当業界で公知の有効な抗菌剤となる。 本発明の方法で得られる様な前記誘導体類は
4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3
―ジ―アミノシクリトール類の生成加工中保護さ
れていないアミノ基位置に置換基を有する、該ジ
アミノシクリトール類の生成に有用である。分子
中の第1位における置換は特に好ましい化合物を
生成する。従つて、本発明はまた、4,6―ジ―
O―(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシ
クリトール類シソミシン、ベルダミシン、トブラ
マイシン、ゲンタミシンC1、ゲンタミシンC1a、
ゲンタミシンC2、ゲンタミシンC2a、ゲンタミシ
ンC2b、抗生物質66―40B、抗生物質66―40D、抗
生物質JI―20A、抗生物質JI―20B、抗生物質G
―52、これらの5―エピ―および5―エピ―アジ
ド―5―デオキシ同族体類;カナマイシンB、
3′,4′―ジデオキシカナマイシンB、ネブラマイ
シン フアクター4、ネブラマイシン フアクタ
ー5′、3′,4′―ジデオキシ―3′,4′―デヒドロカ
ナ
マイシンB、3′,4′―ジデオキシ―6′―N―メチ
ルカナマイシンB、5―デオキソシソミシン、ゲ
ンタミシンB、ゲンタミシンB1、ゲンタミシン
A3、カナマイシンA、6′―N―メチルカナマイシ
ンA、カナマイシンC、抗生物質G―418、ゲン
タミシンA、ゲンタミシンA1およびゲンタミシ
ンX2の1―N―置換誘導体類{分子中、1―N
―置換基は―CH2Xまたは【式】(式中、X は水素、アルキル、アルケニル、シクロアル守
ル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキ
ル、アミノアルキル、モノ―またはジ―N―アル
キルアミノアルキル、アミノヒドロキシアルキ
ル、モノ―またはジ―N―アルキルアミノヒドロ
キシアルキル、フエニル、ベンジルまたはトリル
であり、前記脂肪族基は炭素原子を7個以下有
し、かつ、アミノ基および水酸基で置換されてい
る場合は、該置換基を異なつた炭素原子上に有す
る。)である。}またはそれらの医学的に許容され
る酸付加塩の製造方法に関し、該方法は (i) 前記の4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトール類のうち
のいずれかを不活性有機溶剤中で、銅()、
ニツケル()、コバルト()およびカドミ
ニウム()から選択される二価の遷移金属の
塩と、またはこれら混合物と反応させて、前記
遷移金属塩とアミノおよび水酸基対との間で前
記4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―
1,3―ジアミノシクリトールの錯体を生成
し; (ii) 続いて、その場で生成した錯体をアシル保護
基を有するアミン保護化合物と反応させ; (iii) 次いで、非錯化アミノ基上にアシル保護基
(Y)を有する生成錯体を遷移金属沈殿化剤と、
または水酸化アンモニウムと反応させて、前記
遷移金属カチオンを除去し、そして、3,2′,
6′―トリN―Y―または3,6′―ジ―N―Yま
たは3,2′―ジ―N―Y―4,6―ジ―O―
(アミノグリコシル)―1,3―ジアミノシク
リトールを生成し、 (iv) 続いて、1―N―置換基―CH2Xまたは
【式】(式中、Xは前記定義と同一の意義 を有する。)を導入し; (v) 次いで、分子中に存在する全てのアミノ保護
基を除去し、そして、1―N―置換誘導体をそ
のままで、若しくは医薬的に許容される酸付加
塩として単離する、 ことから成る。 1―N―置換基―CH2Xの導入は第1級アミノ
基のアシル化に関する当業界で公知の方法に従つ
て実施できる。例えば、該方法はベルギー特許第
818431号明細書に開示されている。特に好ましい
方法は、ジアルキルアミノボラン、テトラアルキ
ルアンモニウムシアノボロンヒドリド、アルカリ
金属シアノボロンヒドリドおよびアルカリ金属ボ
ロンヒドリドから成る群から選択される水素化物
供与還元剤約1当量を3,2′,6′―トリ―N―Y
―または3′,6′―ジ―N―Y―または3,2′―ジ
―N―Y―4,6―ジ―O―(アミノグリコシ
ル)―1,3―ジアミノシクリトールの酸付加塩
と不活性有機溶剤中で反応させ、かつ、式
XCHO(式中、Xは前記に定義したとうりであ
る。)で示されるアルデヒドの少なくとも1当量
と反応させることから成る。N―アシル保護基を
除去した後、1―N―アルキル誘導体が現在公知
の1―N―アルキルアミノグリコシド類の製造方
法による収率(通常20%以下)よりもはるかに高
い全収率(例えば普通50%以上)で純粋な生成物
として得られる。 例えば、本発明の方法によつて遷移金属塩錯体
を経由して、初めにシソミシンを3,2′,6′―ト
リ―N―アセチルシソミシンに変換し、続いて、
生成した3,2′,6′―トリ―N―アセチルシソミ
シンの硫酸付加塩をアセトアルデヒドと反応さ
せ、次いで、ナトリウムシアノボロヒドリドで還
元し、その後、塩基性加水分解によつて3,2′,
6′―トリ―N―アセチル官能基を除去することに
よつて1―N―エチルシソミシンを生成すると
き、約60%の収率で高純度な1―N―エチルシソ
ミシンが得られる。これに対し、第3位、第2′位
および第6′位をアセチル化せずに同じ方法でシソ
ミシンを1―N―エチルシソミシンに変換する
と、約11%の収率でしか1―N―エチルシソミシ
ンは生成されない。 【式】の導入は、カルボジイミ ドの存在下で、3,2′,6′―トリ―N―Y―また
は3,6′―ジ―N―Y―または3,2′―ジ―N―
Y―4,6―ジ―O―(アミノグリコシル)―
1,3―ジアミノシクリトール(分子中、Yは1
―N―アシル置換基に悪影響を与えずに除去でき
る保護基である。)を式【式】(式中、X は保護されていない任意の第1級または第2級ア
ミノ基を有する前記に定義した様な基である。)
で示される酸と、または該酸の反応性誘導体と反
応させることから成る。本方法の好ましい様式に
おいては、カナマイシンA、ゲンタミシンBおよ
びゲンタミシンB1の3,6′―ジ―N―Y誘導体類
(分子中、Yはt―ブトキシカルボニルまたはベ
ンジルオキシカルボニルである。)を使用し、か
つ、酸【式】のアシル部分はβ―アミノ― α―ヒドロキシプロピオニル、γ―アミノ―α―
ヒドロキシブチリルまたはδ―アミノ―α―ヒド
ロキシワレリル(分子中、アミノ基は保護されて
いる。)である。 前記の様にして得られた1―N―(アミノヒド
ロキシアルカノイル)アミノシクリトール―アミ
ノグリコシド類における1―N―(アミノヒドロ
キシアルカノイル)置換基はR,S―型またはR
―型またはS―型で存在する。本発明によれば三
種の型態全てが含まれる。 遷移金属錯体を経て生成されたゲンタミシンB
およびB1ならびにカナマイシンAの新規な3,
6′―ジ―N―アシル誘導体によつて、ゲンタミシ
ンBおよびB1ならびにカナマイシンAの各々は
高収率で対応する純粋な生成物1―N―アミノヒ
ドロキシアルカノイル誘導体類に変換できる。従
つて、例えば、カナマイシンAはクロマトグラフ
法により精製を要することなく、ジメチルスルホ
キシド中で酢酸二ニツケル()錯体を経て80%
以上の収率で結晶質の3,6′―ジ―N―ベンジル
オキシカルボニルカナマイシンAに変換できる。
前記の3,6′―ジ―N―アシル誘導体をN―(S
―γ―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒ
ドロキシブチリルオキシノサクシニイミドと反応
させ、続いて、生成した1―N―(S―γ―ベン
ジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロキシブ
チリル)―3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカル
ボニルカナマイシンAは水素と触媒で処理してベ
ンジルオキシカルボニル保護基を除去し50%以上
の素晴らしい全収率で高純度な1―N―(S―γ
―アミノ―α―ヒドロキシブチリル)カナマイシ
ンA(この物質は、また、アミカシンおよび抗生
物質BB―K―8として知られている。)を生成
する。 従つて、本発明はJ.Antibiotics 25,695―708
(1972)に開示された様なカナマイシンAをアミ
カシンに変換する従来方法を著しく改善するもの
である。即ち、従来方法によれば、カナマイシン
Aは初め45%の収率で6′―N―ベンジルオキシカ
ルボニル誘導体に変換されるが、前述の実質的に
同様な変換を終結したとき、精製されたアミカシ
ンは全収率10%以下でしか生成されない。同様
に、本発明の方法によれば、3,6′―ジ―N―ベ
ンジルオキシカルボニル中間体を経てカナマイシ
ンAは、米国特許第3939143号明細書に述べられ
た様な6′―N―t―ブトキシカルボニル中間体を
使用する従来方法によつて8%以下の全収率でし
か得られないのに比べて、50%以上の全収率で1
―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニ
ル)カナマイシンA(この物質はまた、1―N―
イソセリルカナマイシンAとして知られている。)
に変換できる。 同様に、ジメチルスルホキシド中でゲンタミシ
ンBと約3モル当量の酢酸第2銅を反応させるこ
とによつて、その場で、3″―アミノ―4″―ヒドロ
キシル基対および1―アミノ―2″―ヒドロキシル
基対を含有する対応するゲンタミシンB―酢酸第
2銅錯体が得られる。該錯体をその場で1モル当
量のN―t―ブトキシカルボニルオキシフタルイ
ミドと反応させると、対応する6′―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンB―酢酸二第2銅錯
体を生成する。一方、少なくとも2モルのN―t
―ブトキシカルボニルオキシフタルイミドと反応
させると、対応する3,6′――ジ―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンB―酢酸二第2銅錯
体が生成される。前記各錯体を硫化水素と反応さ
せ、続いて、生成した硫化第2銅をロ過すること
によつて分離すると、それぞれ6′―N―t―ブト
キシカルボニルゲンタミシンBまたは3,6′―ジ
―N―t―ブトキシカルボニルゲンタミシンBを
含有する溶液が得られる。前記各化合物は公知の
方法で、それらの各反応溶液から単離し、かつ精
製でき、また精製後、N―(S―γ―ベンジルオ
キシカルボニルアミノ―α―ヒドロキシブチリル
オキシ)サクシニイミドと、またはN―(S―β
―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロ
キシプロピオニルオキシ)サクシニイミドと、若
しくはN―(S―δ―アミノ―α―ヒドロキシワ
レリル)サクシニイミドと反応させて、それぞれ
1―N―(S―γ―アミノ―α―ヒドロキシブチ
リル)ゲンタミシンB、または1―N―(S―β
―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタ
ミシンB若しくは1―N―(S―δ―アミノ―α
―ヒドロキシワレリル)ゲンタミシンBを得るこ
とができる。これらは全て抗菌剤として価値があ
る。 別法として、3,6′―ジ―N―t―ブトキシカ
ルボニルゲンタミシンBを単離することなく、そ
の場でC―1位で化学的変換を行ない。約50%の
素晴らしい全収率で対応する1―N―(S―γ―
アミノ―α―ヒドロキシブチリル)ゲンタミシン
B、または1―N―(S―β―アミノ―α―ヒド
ロキシプロピオニル)ゲンタミシンB若しくは1
―N―(S―δ―アミノ―α―ヒドロキシワレリ
ル)ゲンタミシンBを生成できる。本発明の方法
はまた、P.J.L.Daniels等によつて J.
Antibiotic,27,889(1974)に開示された、前記
化合物の従来の製造方法を著しく改善するもので
ある。従来の方法によれば1―N―アミノヒドロ
キシアルカノイルゲンタミシンC1誘導体が15%
以下の収率でしか生成されない。 同様に、6′―N―t―ブトキシカルボニルゲン
タミシンBの収量はほぼ定量的であり、かつ、ク
ロマトグラフ法により精製を必要としない。これ
に対し、従来方法では約46%の収率しか得られ
ず、しかも、クロマトグラフ法による単離を必要
とする。 3,6′―ジ―N―アシル―ゲンタミシンB中間
体類、例えば3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカ
ルボニルゲンタミシンBをゲンタミシンBの1―
N―(アミノヒドロキシアルカノイル)誘導体、
例えば1―N―(β―アミノ―α―ヒドロキシプ
ロピオニル)ゲンタミシンBへの変換に使用する
場合、3,6′―ジ―N―アシル誘導体をラセミ体
化合物、例えば、N―(β―ベンジルオキシカル
ボニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニルオキ
シ)サクシニイミドと反応させると、3,6′―ジ
―N―アシル―1―N―(R,S―アミノヒドロ
キシアルカノイル)ゲンタミシンBジアステレオ
異性体混合物(例えば、3,6′―ジ―N―(ベン
ジルオキシカルボニル)―1―N―(R,S―β
―ベンジルオキシカルボニルアミノ―α―ヒドロ
キシプロピオニル)ゲンタミシンB)が生成され
る。驚ろくべきことには、この混合物はクロマト
グラフ法によつて各ジアステレオ異性体、例えば
3,6′―ジ―N―ベンジルオキシカルボニル―1
―N―(R―β―ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタミシン
Bおよび3,6′―ジ―N―(ベンジルオキシカル
ボニル)―1―N―(S―β―ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)
ゲンタミシンBに容易に分別できる。これらの化
合物は3,6′―ジ―N―保護基を除去するとそれ
ぞれのジアステレオ異性体抗菌剤、例えば、1―
N―(R―β―アミノ―α―ヒドロキシプロピオ
ニル)ゲンタミシンBおよび1―N―(S―β―
アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタミ
シンBが各々生成される。別法として、保護基を
3,6′―ジ―N―(ベンジルオキシカルボニル)
―1―N―(R,S―B―ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲン
タミシンBから除去して、1―N―(R,S―β
―アミノ―α―ヒドロキシプロピオニル)ゲンタ
ミシンBを生成する。この化合物はシリカゲルで
クロマトグラフすることによつて不純物から純粋
な形で得ることができる。しかし、クロマトグラ
フ法によつては各々のジアステレオ異性体類に分
別することはできない。 この生成物の別の側面において、本発明はポリ
アミノ有機化合物―遷移金属塩錯体に関する。該
錯体は、少なくとも1個のアミノ基が利用可能な
隣位水酸基を有し、かつ、前記塩は銅()、ニ
ツケル()、コバルト()およびカドミニウ
ム()から選択される二価の遷移金属カチオン
の塩またはこれらの塩の混合物であり、前記ポリ
アミノ―有機化合物―遷移金属塩錯体は前記二価
遷移金属塩と前記の利用可能な隣位アミノおよび
水酸基対との間に錯官能基を有し、錯官能基の数
は前記の利用可能な隣位アミノおよび水酸基対の
数よりも大きくはない。 ポリアミノ有機化合物―遷移金属錯体はそれら
が生成された溶剤媒質中において、その場で中間
体として好都合に使用される。従つて、通常、本
発明の遷移金属塩錯体は単離する必要がない。従
つて、本発明の重要な側面は不活性有機溶剤中の
ポリアミノ有機化合物―遷移金属塩錯体を含有す
る組成物に存する。しかしながら、遷移金属塩錯
体は真空中で溶剤媒質を蒸発させることによる
か、若しくはそれらの該溶液をエーテル中に注ぎ
込み錯体を沈殿せしめることによつて単離でき
る。かくして、不定形粉末状のポリアミノ有機化
合物―遷移金属塩錯体が生成され、この粉末は遷
移金属塩およびポリアミノ有機化合物先駆体と色
が相違することを特徴とする。また同様に、この
粉末は固形状でIRスペクトル分析されることを
特徴とする。 本発明の好ましい遷移金属塩錯体は酢酸第2
銅、酢酸ニツケル()、酢酸コバルト()ま
たはこれらの混合物からもたらされるものであ
る。特に、ポリアミノ有機化合物がアミノシクリ
トール―アミノグリコシド、好ましくは4,6―
ジ―O―(アミノグリコシル)―1,3―ジアミ
ノシクリトールである様な錯体が好ましい。 本発明の好ましいポリアミノ有機化合物―遷移
金属塩錯体としてはシソミシン―酢酸二第2銅錯
体、シソミシン―酢酸二コバルト()錯体、シ
ソミシン―酢酸二ニツケル()錯体およびシソ
ミシン―酢酸第2銅―酢酸ニツケル()混合錯
体などがある。これらは全て、選択的に保護され
た化合物3,2′,6′―トリ―N―アシルシソミシ
ンの生成用中間体として価値がある。 本発明のその他の特に価値あるポリアミノ有機
化合物―遷移金属塩錯体はゲンタミシンB―酢酸
二第2銅錯体、ゲンタミシンB―酢酸二コバルト
()錯体およびカナマイシンA―錯酸二ニツケ
ル()錯体である。これらはゲンタミシンBお
よびカナマイシンAの3,6′―ジ―N―アシル誘
導体類、例えば3,6′―ジ―N―t―ブトキシカ
ルボニルゲンタミシンBおよび3,6′―ジ―N―
ベンジルオキシカルボニルカナマイシンAの生成
用中間体として価値がある。 以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。 実施例1 3,2′,6′―トリス―N―(ベンジルオキシカ
ルボニル)―3′,4′―ジデオキシカナマイシン
B 3′,4′―ジデオキシカナマイシンB100mgをジメ
チルスルホキシド2.0mlにとかして作つた溶液を
酢酸コバルト()・5水和物1.0gと共に室温で
一晩攪拌した。この反応混合物にN―ベンジルオ
キシカルボニルオキシフタルイミド0.216gを添
加し、この溶液を室温で1時間静置した。重質な
シロツプが得られるまでエーテルを添加した。エ
ーテルをデカントして除き、残留物を3Mアンモ
ニア150mlで洗浄した。生成した固形物を過し、
H2O10mlで洗浄した。この固形物をメタノール
に溶解し、溶離剤にクロロホルム/メタノール/
アンモニア(27:2:2.6)混液を用いて薄層ク
ロマトグラフした。純粋な画分を濃縮した(濃縮
の最終段階はCO2雰囲気中で行なつた)。斯くし
て標記の化合物を得た。 質量スペクトル(M+1):854 〔α〕26 D=+72.1゜ (C=0.5,H2O/THF,1:2) 元素分析:C42H55N5O14・H2CO3 ・H2Oとして、 理論値:C,55.30; H,6.32; N,7.65 実測値:C,54.49; H,6.18; N,7.49
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 3,2′,6′―トリ―N―Y―3′,4′―ジデオ
キシカナマイシンB(ここで、Yはアシル基であ
る。) 2 前記Yはアセチル、2,2,2―トリクロロ
エトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボ
ニルである特許請求の範囲第1項に記載の化合
物。
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