JPH0135842B2 - - Google Patents
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- JPH0135842B2 JPH0135842B2 JP56114776A JP11477681A JPH0135842B2 JP H0135842 B2 JPH0135842 B2 JP H0135842B2 JP 56114776 A JP56114776 A JP 56114776A JP 11477681 A JP11477681 A JP 11477681A JP H0135842 B2 JPH0135842 B2 JP H0135842B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ジエン系重合体環化物の製造方法に
関するものである。さらに詳言すれば、ゴム系ホ
トレジストの原料として好適なジエン系重合体環
化物を、非常に経済的なプロセスにより、効率よ
く製造する方法に関するものである。天然ゴムの
環化物は、いわゆる環化ゴムとして古くから知ら
れており、接着剤、インクなどとして用いられる
ほか、ホトレジストとしても使用されてきた。 しかし、天然ゴムの環化物にはゲルやゴミが多
く、また金属イオン含量も高いため、IC用ホト
レジストとして用いるには精製して使用する必要
があつた。ポリイソプレンは構造的に天然ゴムと
ほぼ同じであるが、ゴミの混入が少なく、品質の
一定したものが市販されているので、これを原料
とすれば、本質的に天然ゴム環化物と同じ製造法
を用いて不純物の少ない環化物を製造することが
できる。このため現在市販されているホトレジス
トに使用するポリイソプレン環化物は市販のポリ
イソプレンを原料として製造されている。そし
て、市販のポリイソプレンからポリイソプレン環
化物を製造するためには下記のような工程が必要
とされている。 (1) 素練り ポリイソプレンは素練り(ゴムをロールで練
ること)すると主鎖切断反応が起こつて分子量
が低くなり、同時にルーズゲル(比較的大きな
ゲルで通常20〜30%含まれているもの)もほと
んどなくなるため、次の溶解工程を短くするこ
とができる。しかし、直径1300Åぐらいのミク
ロゲルは素練りしても消滅せず、下記の環化反
応系の中に混入してくる。さらに、素練り条件
がこのホトレジスト原料の分子量、分子量分布
を決定するので、これらの因子をいかにコント
ロールするかがホトレジストの物性を決める第
一関門となる。 (2) 溶解、環化反応 次に素練りの終つたポリイソプレンを加温し
たキシレンに溶かし、四塩化錫などのフリーデ
ルクラフツ触媒を加えて環化反応を行う。 ポリイソプレンは環化反応中に分子切断反
応、異性化反応を併発するが、反応条件をコン
トロールすることにより、これらの反応の割合
を最適化できる。 (3) 停止、油水分離 フリーデルクラフツ触媒は多量の水を加える
と、加水分解などにより失活するので、環化反
応は停止する。混合後油層と水層に分離し、油
層のみを取出す。 (4) 精製 油層には、水と一緒に触媒変成物が一部含ま
れているので、これを洗浄により除去し、透明
な油層を取出し、ポリイソプレン環化物のキシ
レン溶液を得る。 しかし、このように従来のポリイソプレン環
化物の製造には多くの工程が必要でかつ原料ポ
リイソプレン中のミクロゲルを原因とするゲル
が混入してくるためにホトレジストとして使用
する場合、このゲルの除去に長時間を必要とす
る。 本発明者らは上記ポリイソプレン環化物の製造
法を改善すべく鋭意研究した結果、ゲルを含まな
い目的とする分子量の原料ポリイソプレンを製造
することができれば、上記(1)の素練り工程が不要
となる上に、原料ポリイソプレン溶液をそのまま
次の工程に用いることによつて、溶解工程が不要
となり、かつポリイソプレン環化物中にゲルが混
入することをおさえることができるので、その省
力化効果は計り知れないものがあることを見出し
た。しかし、上述のような原料ポリイソプレンを
製造するにあたつて、イソプレンモノマーの重合
が目標通りに達成されたあと、重合停止剤として
何も加えないと、ゲルの発生を抑えることができ
ず、安定剤として効果の高いアミン系安定剤を重
合停止剤として加えると、カチオン反応である環
化反応を抑制してしまい、また、重合停止剤とし
て水を用いても、水がカチオン反応の停止剤とな
ることと、環化触媒である四塩化錫のようなフリ
ーデルクラフツ触媒が加水分解されてしまうた
め、環化反応活性が低くなるなどの不都合を生ず
る。 本発明者らは、この問題についてさらに研究し
た結果本発明に到達した。すなわち本発明は、ジ
エン系モノマーを一般式RMまたはRM′X(Rは
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
し、XはRまたはハロゲン原子を示し、Mはメン
デレーエフ周期律表第族元素、M′はメンデレ
ーエフ周期律表第族元素を示す)で表わされる
有機金属化合物を用いて重合し、ついで重合停止
剤を作用させることなくフリーデルクラフツ触媒
で環化したのち、反応系を洗浄することを特徴と
するジエン系重合体環化物の製造方法を提供する
ものである。 本発明によれば、ジエン系重合体環化物の製造
工程を簡略化でき、かつゲルの発生をおさえ、し
かも環化反応を高活性に容易に行なうことができ
る。 次に本発明の実施態様を示す。 本発明に用いることのできるジエン系モノマー
は、次の一般式で表わされる。 ここでR1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一
あるいは異なつて、水素原子、アルキル基または
アリール基を示し、少なくとも1つはアルキル基
またはアリール基である。好適なジエン系モノマ
ーとして、イソプレン、2,3−ジメチルブタジ
エン、2−フエニルブタジエンなどが挙げられ
る。 また重合反応および環化反応に用いる溶剤は、
一般式RMまたはRM′Xで表わされる重合触媒と
反応しないもので、しかも後処理段階で水に溶け
ないものであり、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭
化水素、シクロヘキサン、デカリンなどの脂環式
化合物、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化
水素、あるいは、これらの混合物が好適に用いる
ことができる。なお、フリーデルクラフツ触媒ま
たは環化反応において生成するカチオンと反応す
るような活性化合物は溶剤として使用することは
できない。 一般式RMまたはRM′Xで表わされる重合触媒
は、前記のようにメンデレ−エフの周期律表第
族または第族元素の有機金属化合物であり、具
体的には、リチウムナフタレン、ナトリウムナフ
タレン、カリウムナフタレンのような電荷移動錯
体、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
ベンジルカリウム、クミルカリウム、エチルマグ
ネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロ
ミド、ジエチル亜鉛、ジブチルマグネシウム、な
どの有機金属化合物を挙げることができる。 ジエン系モノマーの重合は、下記のように行な
う。まず乾燥された溶剤に、ジエン系モノマーを
溶解し、ついで系中の微量水分量をカールフイツ
シヤー法などで測定する。系を所定の重合反応温
度としたあと、一般式RMまたはRM′Xで示され
る重合触媒の使用量を(1)式により求め重合系に添
加する。 RMまたはRM′Xの使用量(ml)=103/RMまたはRM′Xの
濃度(モル/)(ジエン系モノマー重量(g)/ジエ
ン系モノマー分子量 ×1/A+反応系の重量(g)+×水分濃度(ppm)×
10-6/18.02)………(1) ここで、Aは重合中に連鎖移動がないときある
いは活性末端の会合がないときの重合度を示す値
である。しかし連鎖移動が起こる系あるいは活性
末端の会合がある系では目的とする値より大きい
値を用いる必要がある。重合反応温度は特に限定
するものではないが、反応の経済性から、室温以
上で反応させるのが好ましい。また、重合反応温
度の上限は溶剤の沸点以下であることが望まし
い。特に好適な重合反応温度は40〜100℃である。
重合反応時のモノマー濃度も特に限定するもので
はないが、重合反応系の撹拌、反応液の取扱い性
の面から2〜20重量%が好ましく、特に5〜10重
量%が好ましい。 重合系の固型分濃度測定などにより、重合が完
了したことを確認した時点で、フリーデルクラフ
ツ触媒の使用量を()式により求め重合系に添
加する。 フリーデルクラフツ触媒の使用量(ml)=103/フリー
デルクラフツ触媒の濃度(モル/) (ジエン系重合体(g)/ジエン系モノマー分子量×
重合率(%)/100/B+RMまたはRM′Xの使用量(モル
))………() ここで、Bは環化反応をコントロールする因子
であり、このBは20〜6000の値を用いるとき、好
適に反応をコントロールできる。式にRMまた
はRM′X使用量(モル)とあるのは、環化反応触
媒が、RMまたはRM′Xと反応し、重合体末端を
安定化させるのに要するものの寄与の項である。
環化反応触媒とRMの反応物は、環化反応に何ら
悪影響を及ぼさない。フリーデルクラフツ触媒
は、M″Yn(M″は金属元素、Yはハロゲン原子で
あり、nは金属元素M″の原子価を示す)で表わ
される化合物またはこれらの錯体であり、M″と
しては例えばホウ素、アルミニウム、チタン、バ
ナジウム、タングステン、鉄などを挙げることが
でき、Yとしてはフツ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などを挙げることができる。さら
に具体的には、三フツ化ホウ素、三塩化ホウ素お
よびこれらとエーテルとの錯体、塩化アルミニウ
ム、臭化アルミニウムおよびこれらとニトロ化炭
化水素との錯体、四塩化チタン、四臭化チタン、
四塩化錫、五塩化バナジン、五塩化アンチモン、
六塩化タングステン、塩化鉄およびこれらの混合
物などを例示することができ、特に四塩化錫、三
フツ化ホウ素が好適である。 環化反応時の共役ジエン系重合体溶液の濃度
は、環化反応が分子内反応であるため、できるだ
け希薄溶液で反応させることが望ましく、あまり
高濃度で反応させるとゲル化が起つて好ましくな
い。この共役ジエン系重合体溶液の濃度範囲は、
使用する共役ジエン系重合体の種類や環化反応条
件などにより異なるので、一概に特定できない
が、例えば1,4−シスポリイソプレンの混合
は、比較的ゲル化しにくく、10重量%でもゲル化
は起らない。一般に、0.5〜10重量%程度の濃度
で使用される。なお、分子量の小さい共役ジエン
系重合体を環化物の原料とする場合は高濃度の重
合体溶液でもゲル化させることなく環化物を得る
ことができる。また、良溶媒中では環化反応が円
滑に進行し、ゲルは生成しにくいので原料重合体
の濃度を高く保つことが可能であり、従つて環化
物を効率よく製造することができる。 環化反応は、通常、常圧において40℃〜溶媒沸
点の温度範囲で行うが、加圧下で行つてもよい。
例えばキシレン溶媒の場合、通常、常圧において
60〜120℃の温度で行なう。 環化反応は、系の粘度の低下率や、系の屈折率
の変化を測定することによつて、進行状況を知る
ことができる。環化反応が目的の環化率に到達し
たとき、反応系に反応系の体積の1/4以上の水を
加え撹拌する。水を加えることによつてフリーデ
ルクラフツ触媒が水と反応し加水分解して水層に
移るために反応を停止することができる。撹拌
後、水層と油層の分離を遠心分離機などを用いて
行なう。水層を分離除去した後、油層の洗浄を行
なうことによつてジエン系重合体の環化物を溶液
として得ることがでる。洗浄は通常、油層の1/4
程度の水を加え撹拌し、水層を分離除去すること
によつて行なう。 本発明の製造方法によると前記市販のポリイソ
プレンからポリイソプレ環化物を製造する方法に
比べ工程が簡略化でき、かつゲルの発生をおさ
え、しかも環化反応を高活性に容易に行なうこと
ができる。さらに、ミクロ構造の異なるジエン系
重合体の環化物を得るには、ジエチルエーテル、
ジオキサンのようなエーテル系炭化水素中あるい
はこれらを上述の芳香族炭化水素、脂環式炭化水
素、脂肪族炭化水素のような水不溶性溶剤に混合
して用いてジエン系モノマーを重合し、引続いて
環化反応を施したのち、水不溶性溶剤存在下で水
洗することにより達成することができる。 なお、環化物には、ゲルの発生を防止するため
安定剤を添加することができ、この安定剤として
は通常のフエノール系、スルフイド系、ホスフア
イト系、アミン系などの老化防止剤が有効であ
る。 実施例 1 容量5のオートクレーブ内を窒素に置きかえ
たのち、窒素気流下で以下の操作を行なつた。す
なわち、乾燥した精製トルエン2280gと乾燥した
精製イソプレン(純度99.7%)120gをオートク
レーブ内に入れ、均一溶液としたのち、系中の水
分を測定したところ、3.1ppmであつた。次いで
系内を60℃としたのち、濃度0.605モル/のn
−ブチルリチウムのトルエン溶液3.7mlを添加し
て重合を開始し、60分で重合率99%のポリイソプ
レン溶液を得た。ポリイソプレンの粘度は11セン
チストークス(30℃)であつた。系内よりサンプ
リングしたため、オートクレーブ内のポリイソプ
レン量は111.6gであつた。 オートクレーブ内の温度を80℃に上昇させたの
ち、濃度0.50モル/の四塩化チタンのトルエン
溶液を49.6ml添加して重合を停止させると同時に
環化反応を開始させた。 120分後、系内の粘度は3.8センチストークスに
低下したので、系の内容物を冷蒸留水800mlの中
に抜き出し反応を止めた。 反応液は、ホモミキサー〔特殊機化工業(株)製M
型)を用いて30分間撹拌したのち、水層と油層を
遠心分離器を用いて分離し水層を抜きとり、同量
の蒸留水を加え、同じ操作をくり返した。水層を
分離したのちトルエンを除去してポリイソプレン
環化物を得た。 なお、得られたポリイソプレン環化物の固有粘
度(30℃、トルエン中で測定)は0.62であり核磁
気共鳴スペクトルによる残存二重結合量は23%で
あつた。 ポリイソプレン環化物溶液に安定剤として、
2,2′メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフエノール)をポリイソプレン環化物の1重
量%加えたのち、減圧下に濃縮し10%溶液とし
た。 直径25mm、ポアーサイズ1μmのメンブランフ
イルターを用いて加圧過したところ、1Kg/cm2
の圧力で20ml過するのに27秒かかつた。またメ
ンブランフイルター上にはゲルは観察されなかつ
た。 比較例 1 原料ゴムとして市販のポリイソプレン(シエル
社製CARIFLEX IR309)を用いて素練りを行な
い、〔η〕30゜ キシレンの値が1.4のゴムを得た。素練
りしたゴム100gを精製トルエン1900gに容量5
のフラスコ内で溶かし、内温を80℃に上昇させ
たのち、濃度0.50モル/の四塩化チタンのトル
エン溶液を48.8ml添加して環化反応を開始させ
た。120分後に系の内容物を冷水800mlの中に投じ
て反応を止めた。以下実施例1と同様の操作によ
り精製した。得られたポリイソプレン環化物の固
有粘度(30℃、トルエン中で測定)は0.58であり
核磁気共鳴スペクトルによる残存二重結合量は21
%であつた。実施例1と同様の操作により加圧
過したところ、1Kg/cm2の圧力で10ml過するの
に112秒かかつた。またメンブランフイルター上
にはゲルの残留が観察され実施例1より過時間
のかかるのはミクロゲルが存在するためであるこ
とがわかる。 実施例 2 実施例1と同じ装置を用い四塩化チタンのかわ
りに、三フツ化ホウ素のエーテル錯体を用いて同
様の操作により表2の条件でポリイソプレン環化
物を製造した。結果を表2に示す。 【表】
関するものである。さらに詳言すれば、ゴム系ホ
トレジストの原料として好適なジエン系重合体環
化物を、非常に経済的なプロセスにより、効率よ
く製造する方法に関するものである。天然ゴムの
環化物は、いわゆる環化ゴムとして古くから知ら
れており、接着剤、インクなどとして用いられる
ほか、ホトレジストとしても使用されてきた。 しかし、天然ゴムの環化物にはゲルやゴミが多
く、また金属イオン含量も高いため、IC用ホト
レジストとして用いるには精製して使用する必要
があつた。ポリイソプレンは構造的に天然ゴムと
ほぼ同じであるが、ゴミの混入が少なく、品質の
一定したものが市販されているので、これを原料
とすれば、本質的に天然ゴム環化物と同じ製造法
を用いて不純物の少ない環化物を製造することが
できる。このため現在市販されているホトレジス
トに使用するポリイソプレン環化物は市販のポリ
イソプレンを原料として製造されている。そし
て、市販のポリイソプレンからポリイソプレン環
化物を製造するためには下記のような工程が必要
とされている。 (1) 素練り ポリイソプレンは素練り(ゴムをロールで練
ること)すると主鎖切断反応が起こつて分子量
が低くなり、同時にルーズゲル(比較的大きな
ゲルで通常20〜30%含まれているもの)もほと
んどなくなるため、次の溶解工程を短くするこ
とができる。しかし、直径1300Åぐらいのミク
ロゲルは素練りしても消滅せず、下記の環化反
応系の中に混入してくる。さらに、素練り条件
がこのホトレジスト原料の分子量、分子量分布
を決定するので、これらの因子をいかにコント
ロールするかがホトレジストの物性を決める第
一関門となる。 (2) 溶解、環化反応 次に素練りの終つたポリイソプレンを加温し
たキシレンに溶かし、四塩化錫などのフリーデ
ルクラフツ触媒を加えて環化反応を行う。 ポリイソプレンは環化反応中に分子切断反
応、異性化反応を併発するが、反応条件をコン
トロールすることにより、これらの反応の割合
を最適化できる。 (3) 停止、油水分離 フリーデルクラフツ触媒は多量の水を加える
と、加水分解などにより失活するので、環化反
応は停止する。混合後油層と水層に分離し、油
層のみを取出す。 (4) 精製 油層には、水と一緒に触媒変成物が一部含ま
れているので、これを洗浄により除去し、透明
な油層を取出し、ポリイソプレン環化物のキシ
レン溶液を得る。 しかし、このように従来のポリイソプレン環
化物の製造には多くの工程が必要でかつ原料ポ
リイソプレン中のミクロゲルを原因とするゲル
が混入してくるためにホトレジストとして使用
する場合、このゲルの除去に長時間を必要とす
る。 本発明者らは上記ポリイソプレン環化物の製造
法を改善すべく鋭意研究した結果、ゲルを含まな
い目的とする分子量の原料ポリイソプレンを製造
することができれば、上記(1)の素練り工程が不要
となる上に、原料ポリイソプレン溶液をそのまま
次の工程に用いることによつて、溶解工程が不要
となり、かつポリイソプレン環化物中にゲルが混
入することをおさえることができるので、その省
力化効果は計り知れないものがあることを見出し
た。しかし、上述のような原料ポリイソプレンを
製造するにあたつて、イソプレンモノマーの重合
が目標通りに達成されたあと、重合停止剤として
何も加えないと、ゲルの発生を抑えることができ
ず、安定剤として効果の高いアミン系安定剤を重
合停止剤として加えると、カチオン反応である環
化反応を抑制してしまい、また、重合停止剤とし
て水を用いても、水がカチオン反応の停止剤とな
ることと、環化触媒である四塩化錫のようなフリ
ーデルクラフツ触媒が加水分解されてしまうた
め、環化反応活性が低くなるなどの不都合を生ず
る。 本発明者らは、この問題についてさらに研究し
た結果本発明に到達した。すなわち本発明は、ジ
エン系モノマーを一般式RMまたはRM′X(Rは
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
し、XはRまたはハロゲン原子を示し、Mはメン
デレーエフ周期律表第族元素、M′はメンデレ
ーエフ周期律表第族元素を示す)で表わされる
有機金属化合物を用いて重合し、ついで重合停止
剤を作用させることなくフリーデルクラフツ触媒
で環化したのち、反応系を洗浄することを特徴と
するジエン系重合体環化物の製造方法を提供する
ものである。 本発明によれば、ジエン系重合体環化物の製造
工程を簡略化でき、かつゲルの発生をおさえ、し
かも環化反応を高活性に容易に行なうことができ
る。 次に本発明の実施態様を示す。 本発明に用いることのできるジエン系モノマー
は、次の一般式で表わされる。 ここでR1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一
あるいは異なつて、水素原子、アルキル基または
アリール基を示し、少なくとも1つはアルキル基
またはアリール基である。好適なジエン系モノマ
ーとして、イソプレン、2,3−ジメチルブタジ
エン、2−フエニルブタジエンなどが挙げられ
る。 また重合反応および環化反応に用いる溶剤は、
一般式RMまたはRM′Xで表わされる重合触媒と
反応しないもので、しかも後処理段階で水に溶け
ないものであり、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭
化水素、シクロヘキサン、デカリンなどの脂環式
化合物、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化
水素、あるいは、これらの混合物が好適に用いる
ことができる。なお、フリーデルクラフツ触媒ま
たは環化反応において生成するカチオンと反応す
るような活性化合物は溶剤として使用することは
できない。 一般式RMまたはRM′Xで表わされる重合触媒
は、前記のようにメンデレ−エフの周期律表第
族または第族元素の有機金属化合物であり、具
体的には、リチウムナフタレン、ナトリウムナフ
タレン、カリウムナフタレンのような電荷移動錯
体、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
ベンジルカリウム、クミルカリウム、エチルマグ
ネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロ
ミド、ジエチル亜鉛、ジブチルマグネシウム、な
どの有機金属化合物を挙げることができる。 ジエン系モノマーの重合は、下記のように行な
う。まず乾燥された溶剤に、ジエン系モノマーを
溶解し、ついで系中の微量水分量をカールフイツ
シヤー法などで測定する。系を所定の重合反応温
度としたあと、一般式RMまたはRM′Xで示され
る重合触媒の使用量を(1)式により求め重合系に添
加する。 RMまたはRM′Xの使用量(ml)=103/RMまたはRM′Xの
濃度(モル/)(ジエン系モノマー重量(g)/ジエ
ン系モノマー分子量 ×1/A+反応系の重量(g)+×水分濃度(ppm)×
10-6/18.02)………(1) ここで、Aは重合中に連鎖移動がないときある
いは活性末端の会合がないときの重合度を示す値
である。しかし連鎖移動が起こる系あるいは活性
末端の会合がある系では目的とする値より大きい
値を用いる必要がある。重合反応温度は特に限定
するものではないが、反応の経済性から、室温以
上で反応させるのが好ましい。また、重合反応温
度の上限は溶剤の沸点以下であることが望まし
い。特に好適な重合反応温度は40〜100℃である。
重合反応時のモノマー濃度も特に限定するもので
はないが、重合反応系の撹拌、反応液の取扱い性
の面から2〜20重量%が好ましく、特に5〜10重
量%が好ましい。 重合系の固型分濃度測定などにより、重合が完
了したことを確認した時点で、フリーデルクラフ
ツ触媒の使用量を()式により求め重合系に添
加する。 フリーデルクラフツ触媒の使用量(ml)=103/フリー
デルクラフツ触媒の濃度(モル/) (ジエン系重合体(g)/ジエン系モノマー分子量×
重合率(%)/100/B+RMまたはRM′Xの使用量(モル
))………() ここで、Bは環化反応をコントロールする因子
であり、このBは20〜6000の値を用いるとき、好
適に反応をコントロールできる。式にRMまた
はRM′X使用量(モル)とあるのは、環化反応触
媒が、RMまたはRM′Xと反応し、重合体末端を
安定化させるのに要するものの寄与の項である。
環化反応触媒とRMの反応物は、環化反応に何ら
悪影響を及ぼさない。フリーデルクラフツ触媒
は、M″Yn(M″は金属元素、Yはハロゲン原子で
あり、nは金属元素M″の原子価を示す)で表わ
される化合物またはこれらの錯体であり、M″と
しては例えばホウ素、アルミニウム、チタン、バ
ナジウム、タングステン、鉄などを挙げることが
でき、Yとしてはフツ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などを挙げることができる。さら
に具体的には、三フツ化ホウ素、三塩化ホウ素お
よびこれらとエーテルとの錯体、塩化アルミニウ
ム、臭化アルミニウムおよびこれらとニトロ化炭
化水素との錯体、四塩化チタン、四臭化チタン、
四塩化錫、五塩化バナジン、五塩化アンチモン、
六塩化タングステン、塩化鉄およびこれらの混合
物などを例示することができ、特に四塩化錫、三
フツ化ホウ素が好適である。 環化反応時の共役ジエン系重合体溶液の濃度
は、環化反応が分子内反応であるため、できるだ
け希薄溶液で反応させることが望ましく、あまり
高濃度で反応させるとゲル化が起つて好ましくな
い。この共役ジエン系重合体溶液の濃度範囲は、
使用する共役ジエン系重合体の種類や環化反応条
件などにより異なるので、一概に特定できない
が、例えば1,4−シスポリイソプレンの混合
は、比較的ゲル化しにくく、10重量%でもゲル化
は起らない。一般に、0.5〜10重量%程度の濃度
で使用される。なお、分子量の小さい共役ジエン
系重合体を環化物の原料とする場合は高濃度の重
合体溶液でもゲル化させることなく環化物を得る
ことができる。また、良溶媒中では環化反応が円
滑に進行し、ゲルは生成しにくいので原料重合体
の濃度を高く保つことが可能であり、従つて環化
物を効率よく製造することができる。 環化反応は、通常、常圧において40℃〜溶媒沸
点の温度範囲で行うが、加圧下で行つてもよい。
例えばキシレン溶媒の場合、通常、常圧において
60〜120℃の温度で行なう。 環化反応は、系の粘度の低下率や、系の屈折率
の変化を測定することによつて、進行状況を知る
ことができる。環化反応が目的の環化率に到達し
たとき、反応系に反応系の体積の1/4以上の水を
加え撹拌する。水を加えることによつてフリーデ
ルクラフツ触媒が水と反応し加水分解して水層に
移るために反応を停止することができる。撹拌
後、水層と油層の分離を遠心分離機などを用いて
行なう。水層を分離除去した後、油層の洗浄を行
なうことによつてジエン系重合体の環化物を溶液
として得ることがでる。洗浄は通常、油層の1/4
程度の水を加え撹拌し、水層を分離除去すること
によつて行なう。 本発明の製造方法によると前記市販のポリイソ
プレンからポリイソプレ環化物を製造する方法に
比べ工程が簡略化でき、かつゲルの発生をおさ
え、しかも環化反応を高活性に容易に行なうこと
ができる。さらに、ミクロ構造の異なるジエン系
重合体の環化物を得るには、ジエチルエーテル、
ジオキサンのようなエーテル系炭化水素中あるい
はこれらを上述の芳香族炭化水素、脂環式炭化水
素、脂肪族炭化水素のような水不溶性溶剤に混合
して用いてジエン系モノマーを重合し、引続いて
環化反応を施したのち、水不溶性溶剤存在下で水
洗することにより達成することができる。 なお、環化物には、ゲルの発生を防止するため
安定剤を添加することができ、この安定剤として
は通常のフエノール系、スルフイド系、ホスフア
イト系、アミン系などの老化防止剤が有効であ
る。 実施例 1 容量5のオートクレーブ内を窒素に置きかえ
たのち、窒素気流下で以下の操作を行なつた。す
なわち、乾燥した精製トルエン2280gと乾燥した
精製イソプレン(純度99.7%)120gをオートク
レーブ内に入れ、均一溶液としたのち、系中の水
分を測定したところ、3.1ppmであつた。次いで
系内を60℃としたのち、濃度0.605モル/のn
−ブチルリチウムのトルエン溶液3.7mlを添加し
て重合を開始し、60分で重合率99%のポリイソプ
レン溶液を得た。ポリイソプレンの粘度は11セン
チストークス(30℃)であつた。系内よりサンプ
リングしたため、オートクレーブ内のポリイソプ
レン量は111.6gであつた。 オートクレーブ内の温度を80℃に上昇させたの
ち、濃度0.50モル/の四塩化チタンのトルエン
溶液を49.6ml添加して重合を停止させると同時に
環化反応を開始させた。 120分後、系内の粘度は3.8センチストークスに
低下したので、系の内容物を冷蒸留水800mlの中
に抜き出し反応を止めた。 反応液は、ホモミキサー〔特殊機化工業(株)製M
型)を用いて30分間撹拌したのち、水層と油層を
遠心分離器を用いて分離し水層を抜きとり、同量
の蒸留水を加え、同じ操作をくり返した。水層を
分離したのちトルエンを除去してポリイソプレン
環化物を得た。 なお、得られたポリイソプレン環化物の固有粘
度(30℃、トルエン中で測定)は0.62であり核磁
気共鳴スペクトルによる残存二重結合量は23%で
あつた。 ポリイソプレン環化物溶液に安定剤として、
2,2′メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフエノール)をポリイソプレン環化物の1重
量%加えたのち、減圧下に濃縮し10%溶液とし
た。 直径25mm、ポアーサイズ1μmのメンブランフ
イルターを用いて加圧過したところ、1Kg/cm2
の圧力で20ml過するのに27秒かかつた。またメ
ンブランフイルター上にはゲルは観察されなかつ
た。 比較例 1 原料ゴムとして市販のポリイソプレン(シエル
社製CARIFLEX IR309)を用いて素練りを行な
い、〔η〕30゜ キシレンの値が1.4のゴムを得た。素練
りしたゴム100gを精製トルエン1900gに容量5
のフラスコ内で溶かし、内温を80℃に上昇させ
たのち、濃度0.50モル/の四塩化チタンのトル
エン溶液を48.8ml添加して環化反応を開始させ
た。120分後に系の内容物を冷水800mlの中に投じ
て反応を止めた。以下実施例1と同様の操作によ
り精製した。得られたポリイソプレン環化物の固
有粘度(30℃、トルエン中で測定)は0.58であり
核磁気共鳴スペクトルによる残存二重結合量は21
%であつた。実施例1と同様の操作により加圧
過したところ、1Kg/cm2の圧力で10ml過するの
に112秒かかつた。またメンブランフイルター上
にはゲルの残留が観察され実施例1より過時間
のかかるのはミクロゲルが存在するためであるこ
とがわかる。 実施例 2 実施例1と同じ装置を用い四塩化チタンのかわ
りに、三フツ化ホウ素のエーテル錯体を用いて同
様の操作により表2の条件でポリイソプレン環化
物を製造した。結果を表2に示す。 【表】
Claims (1)
- 1 ジエン系モノマーを一般式RMまたはRM′X
(Rはアルキル、アリールまたはアラルキル基を
示し、XはRまたはハロゲンを示し、Mはメンデ
レーエフ周期律表第族元素、M′はメンデレー
エフ周期律表第族元素を示す)で表わされる有
機金属化合物を用いて重合し、ついで重合停止剤
を作用させることなくフリーデルクラフツ触媒で
環化したのち、反応系を洗浄することを特徴とす
るジエン系重合体環化物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11477681A JPS5815504A (ja) | 1981-07-22 | 1981-07-22 | ジエン系重合体環化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11477681A JPS5815504A (ja) | 1981-07-22 | 1981-07-22 | ジエン系重合体環化物の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5815504A JPS5815504A (ja) | 1983-01-28 |
| JPH0135842B2 true JPH0135842B2 (ja) | 1989-07-27 |
Family
ID=14646395
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11477681A Granted JPS5815504A (ja) | 1981-07-22 | 1981-07-22 | ジエン系重合体環化物の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5815504A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5996111A (ja) * | 1982-11-26 | 1984-06-02 | Toyo Soda Mfg Co Ltd | イソプレン重合体環化物の製造方法 |
| JP4225065B2 (ja) * | 2002-02-01 | 2009-02-18 | 日本ゼオン株式会社 | 有機粒子および粉体塗料 |
| JP4706478B2 (ja) * | 2003-01-16 | 2011-06-22 | 日本ゼオン株式会社 | 環化ゴムおよびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57171331A (en) * | 1981-04-10 | 1982-10-21 | Hunt Chem Corp Philip A | Composition of negative photo-resist forming cyclic rubber film |
-
1981
- 1981-07-22 JP JP11477681A patent/JPS5815504A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5815504A (ja) | 1983-01-28 |
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