JPH0138913B2 - - Google Patents

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JPH0138913B2
JPH0138913B2 JP58178229A JP17822983A JPH0138913B2 JP H0138913 B2 JPH0138913 B2 JP H0138913B2 JP 58178229 A JP58178229 A JP 58178229A JP 17822983 A JP17822983 A JP 17822983A JP H0138913 B2 JPH0138913 B2 JP H0138913B2
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JP
Japan
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leather
fibers
sheet
fiber
layer
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JP58178229A
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JPS6071773A (ja
Inventor
Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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Publication of JPS6071773A publication Critical patent/JPS6071773A/ja
Publication of JPH0138913B2 publication Critical patent/JPH0138913B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、外観品位、風合、耐傷性および着用
機能に優れた新規な皮革様シート状物に関する。
近年外観や風合が優れ、機械的性質や耐傷性に
も優れ、かつ衣服や靴に使用した場合、むれな
い、あるいは汗が放出され易く、べとつかない、
外から雨などの水滴がしみにくいなどの快適感を
与える皮革調素材が強く求められている。
このような観点から透湿性のような気体透過性
機能の付与は従来から試みられている。従来の人
工皮革の銀面層はポリウレタンエラストマーなど
の樹脂からなる多孔質あるいは非多孔質の層、ま
たは、多孔質の層と非多孔質の層を積層して一体
化した層などから形成されている。
透湿性や通気性などの気体透過性の点からは多
孔質の層または薄い非多孔質層が好ましく、多く
の皮革代替品が多孔質層や薄い非多孔質層を利用
していることは良く知られている。しかし、これ
らの銀面層を有する人工皮革は全体的な一体感に
とぼしくゴム的な反撥感が強い、硬い、擦過傷が
つきやすい、表面のツヤが一様で光沢に深みがな
いなどの欠点を有するものである。
しかもむれ感などは依然解消されず、快適さに
はほど遠いものである。このような人工皮革にお
いて透湿度をさらに上げようとして、多孔質層の
空孔度を上げたり非多孔質層の厚みを下げたりす
ると耐傷性や銀面強度がますます低下するという
矛盾があつた。このように従来の人工皮革では、
透湿性があるといつても低レベルのものしか得ら
れなかつた。
また従来の人工皮革はこのような気体透過性を
付与する観点から、多孔質のバインダーを含浸し
た不織布を主体とする基材を利用していることも
良く知られている。しかしかかる従来の不織布基
材において気体透過性を高めようとすると、空隙
を増加させねばならず基材構造がどうしてもルー
ズになり、強力、屈曲性、耐揉み性などの機械的
性質が低下することは避けられず、これまた気体
透過性の付与には限界があつた。さらにこのよう
なルーズな構造にすると、耐水性のような機能が
著しく低下し、雨に打たれたような場合水のしみ
込みが激しくなつたり、水もれが起りやすくなる
という、不快感をもたらす欠陥を生ずる。すなわ
ち従来の不織布ベースの人工皮革においては、し
なやかで柔軟な風合を示すことのできる構造の範
囲では透湿性などの気体透過性が大きなものは、
耐水性が小さく強力の低いものであり、逆に強力
と耐水性をカバーしようとすると、気体透過性が
上げられないという予盾があつた。すなわち気体
透過性と耐水性という二律背反の関係において、
双方とも快適感を与えるレベルに達成できたもの
は従来なかつた。
従つて、上述したような外観、風合、耐傷性、
機械的強さ、快適性の全てを備えた人工皮革への
要求に対しては、従来の技術の組み合せでは満足
させることはできなかつた。
本発明の目的は、外観品位や風合に優れ、耐傷
性や機械的性質も良く、衣服や靴にして身につけ
た時、むれない、汗がべとつかない、外から水が
しみにくい、などの快適感を与える皮革様シート
状物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、極細繊維および/また
はその束の繊維交絡点間距離が200ミクロン以下
である繊維構造体と、その空隙部分に存在する樹
脂とから主としてなる複合体によつて形成された
銀面層を少なくとも片面に有し、(A)空隙率が60〜
85%、(B)透湿度が少なくとも2500g/m2・24hr、
(C)通水度が200c.c./cm2・分以下の特性を少なくと
も有することを特徴とする皮革様シート状物によ
つて達成される。
すなわち本発明は、上記したような透湿性と耐
水性の二律背反性が不可避である関係を他の要求
特性とともに総合的に解決したものである。本発
明では、全く新しい構想による特殊な銀面層を有
することで、銀面外観や品位、感触、耐傷性や機
械的強度の著しい向上を達成し、かかる特定の銀
面構造と、風合が柔軟で、しなやかな性質を示す
ことができるような特定の空隙率を合わせもつ皮
革様シート状物において、透湿性と耐水性のバラ
ンスを達成でき、快適感のある皮革様シート状物
を提供できることを見出したものである。
本発明でいう透湿度とは、JIS K6549の方法に
よるものをいう。この値が2500g/m2・24hr以上
あることが、本発明の透湿性が良いという目的を
達成する一つの要件である。3000g/m2・24hr以
上あればさらに好ましく、4000g/m2以上は特に
良い。
本発明では耐水性の尺度を通水度で示す。本発
明において通水度とは120mmHg圧下で、皮革様シ
ート状物1cm2当り1分間に通過する水量(c.c.)を
いう。この値が200c.c./cm2・分以下であることが
本発明の耐水性が良いという目的を達成する上で
の他の一つの要件である。100c.c./cm2・分以下は
特に好ましい。
本発明においては、皮革様シート状物の空隙率
が60%〜85%の範囲にあることが必要である。こ
こでいう空隙率は次式で定義されるものである。
空隙率=(1−A/X)×100 A:皮革様シート状物の見掛密度 X:皮革様シート状物構成成分の成分比率にもと
づく加重平均密度 この範囲を外れた空隙率を有する皮革様シート
は本発明の目的の透湿度と通水度のバランスを有
することが難しくなる。60%より低い空隙率では
透湿度が達成できなかつたり、風合が硬くなり、
85%より大きい空隙率では、通水度が達成できな
かつたり、強力や耐傷性が低下する。好ましくは
65〜80%の範囲である。
すなわち本発明は極めて緻密な構造を有する繊
維構造体とその空隙部分に存在する樹脂とから主
としてなる複合体からの特殊な銀面層を有し、か
つ特定の空隙率を有する皮革シートにおいて、所
望の透湿性と通水性のバランスがとり得ることを
見出したものである。
本発明の皮革様シート状物の銀面層における繊
維構造は極細繊維および/またはその束が相互に
緻密に交絡していることが必要である。すなわち
繊維の交絡密度が高いということである。このよ
うな性質は透湿性が高い構造をとつても、耐水性
は良好であるという性質に寄与すると考えられ
る。繊維の交絡密度を測る一つの方法として、後
述する繊維交絡点間距離を測定する方法がある
が、銀面層の繊維は、この方法での測定値が
200μ以下の交絡密度を有していることが必要で
ある。この値が200μより大きい構造のもの、た
とえば繊維の交絡をニードルパンチだけで行なつ
た絡みの少ない繊維構造のもの、あるいは極細繊
維またはその束が単に面配列した構造のもの、あ
るいはまた極細繊維またはその束が基材表面に毛
羽状に密生しこれをねかせて造面した構造のもの
は、繊維の交絡がほとんどないかまたは少ないた
め、擦過、揉み、くり返しせん断力などを受けた
とき、表面が毛羽立つたり亀裂が発生したりしや
すいため好ましくないし、また耐水性質が全く劣
るものしか得られない。こうした欠点をなくすた
めには、繊維交絡点距離は200μ以下であること
が必要である。100μ以下の場合はより好ましい
結果が得られる。
ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で
求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示
す一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密で
あることを示すものである。図は銀面層における
構成繊維の表面側から観察したときの構成繊維の
拡大模式図である。構成繊維をf1,f2,f3…とし
そのうちの任意の2本の繊維f1,f2が交絡する点
をa1とし、a1で上になつている繊維f2が他の繊維
の下になる形で交差する点までたどつていきその
交差した点をa2(f2とf3の交絡点)とする。同様に
a3,a4,a5…とする。つぎにこうして求めた交絡
点の間の直線の水平距離a1a2,a2a3,a3a4,
a4a5,a5a6,a6a7,a7a3,a3a8、a8a7,a7a9,
a9a6…を測定し、これら多数の測定値の平均値を
求めこれを繊維交絡点間距離とする。
また、銀面層の下層は極細繊維束が主体に交絡
しており、銀面層の極細繊維および/またはその
束は該下層の極細繊維束が枝分れしてさらに緻密
に交絡したものであり、銀面層と該下層では繊維
は実質的に連続しているような繊維構造のもの
は、本発明の透湿度と通水度のバランスがとれや
すく、好ましい構造である。またかかる枝分れの
繊維構造のものは、一体感のある風合の皮革様シ
ート状物が得られ銀面層と下層が剥離することが
ないことから強力的にも優れ好ましく用いられ
る。
さらに銀面層の下層も極細繊維束とそれから枝
分れした極細繊維が交絡した構造をしており、銀
面層の極細繊維および/またはその束は、該下層
の極細繊維束が枝分れしてできたものや、下層の
極細繊維と連続したものからなつており、これら
が互いに緻密に交絡しているような繊維構造のも
のも好ましいが、透湿性の点では前述の下層が極
細繊維束主体から成る構造の方がさらに好まし
い。
本発明の銀面層における極細繊維は、繊度が
0.2デニール以下のものが好ましい。0.2デニール
より太い場合は、繊維の剛性が過大で銀面層の柔
軟性や表面のしわ形態が損われるばかりでなく、
揉みなどにより亀裂が発生しやすく表面に凹凸が
発生したりして緻密でしなやかな銀面層の形成が
むづかしい。0.2デニール以下好ましくは0.05デ
ニール以下更に好ましくは、0.01デニール以下の
極細繊維を用いることによつて、はじめて繊維ど
うしの交絡が緻密にでき、本発明の繊維構造体が
形成できる。
かかる極細繊維を構成する成分としては、例え
ば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重
合ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、共重合ポリエチレンテリフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイ
ン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリルおよび
ビニル重合体などがあげられる。これらの中、ポ
リアミド類とポリエステル類が好ましく、とりわ
けナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフ
タレートが特に好ましい。
本発明の銀面層は上記の緻密な交絡状態を形成
している繊維構造体の空隙部分に樹脂が存在して
なる複合体により形成されており、その繊維構造
体への樹脂の付着構造については、かかる繊維構
造体の全層にわたつて付着している必要はなく、
繊維構造体の最表面のごく薄い層に付着し、その
他は全く付着していないものも良い。衣料用など
柔軟性ややわらかな感触が特に要求される場合
は、銀面層の表面に近くなるにつれて樹脂が多く
付着した構造のもの、銀面層の最表面のごく薄い
層の樹脂付量が特に多く、その他は全く樹脂が付
着していないか付着していてもわずかの量である
ような構造のもの、あるいは、表面部分の樹脂は
非多孔質でそれ以下は多孔質である構造のものな
どが好ましい。また、耐傷性の特に高いことが要
求される場合は、銀面層の空隙部分にほとんどす
きまなく樹脂が充填された構造のものが好まし
い。かかる樹脂の付着構造は、皮革様シート状物
の通水性と透湿性の要求されるバランスと関係す
るが、上記の繊維構造体の形成のされ方と、さら
に下層の状態とも関係するので一概にはいえな
い。樹脂が非多孔質状態で密に充填されている場
合は、樹脂の充填厚みが30ミクロンを越えない方
が好ましい。しかし表面部分は非多孔質であつ
て、それ以下は多孔質であるような樹脂構造の場
合はこの限りではない。さらに銀面層の下層にも
樹脂が付与されていても良いので、該下層部の樹
脂の付着状態や構造も関係する。これらを鑑み、
本発明では、空隙率と透湿性と通水性の必要なバ
ランスを限定したものであり、皮革様シート状物
の特性がこの範囲になるように製造することが必
要なのである。
本発明において、銀面層に用いる樹脂は、たと
えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリウレ
タン、ネオプレン、スチレンブタジエン共重合
体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリ
アミノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタン共重合体、
シリコン樹脂などの合成樹脂または天然高分子樹
脂、またはこれら樹脂の混合物などである。更に
必要によつては可塑剤、充填剤、安定剤、顔料、
染料、架橋剤等を添加してもよい。ポリウレタン
樹脂またはこれに他の樹脂や添加剤を加えたもの
は、特に柔軟な風合や感触をもち耐屈曲性のよい
銀面層が得られるため好ましく用いられる。
銀面層の下層に用いる樹脂も同様であるが、多
孔質構造をとりやすいものが好ましく、やはりポ
リウレタンが好ましい。極細繊維および/または
その束が緻密に交絡した繊維構造を有する本発明
の皮革様シート状物は、銀面層の下層部にバイン
ダー樹脂が付与されてなくても異常に伸びること
は少なく皮革様シート状物の形態保持性が良好で
あるので、バインダー樹脂のないあるいは極めて
少量しか付与されていない皮革様シート状物を提
供することが可能である。かかる皮革様シート状
物は、極めて柔軟でドレープ性があり、しかも通
水性は小さいが、極めて大きな透湿度を与えるの
で、本発明の効果が最大に発揮され、特に本発明
の好ましい態様である。このような皮革様シート
の場合はバインダー樹脂は多くとも10%、好まし
くは5%以下の付与量が良い。
本発明の皮革様シート状物は、次に例示する新
規な方法により製造することができる。すなわ
ち、溶剤に対する溶解性の異なる2種以上の成分
からなる繊維であつて、少なくとも1成分を溶解
除去することにより前述の極細繊維を発生するこ
とのできるような多成分系繊維を用いて、不織布
シートを形成する。もちろん不織布の中間もしく
は裏面に織物や編物が1体化されたものでも差し
支えないが、ニードルパンチ不織布が最も好まし
い。
かかる不織布シートの少なくとも片面に、柱状
水流のような高速流体流を噴き当てて、噴出流の
エネルギーにより、少なくとも表層部の多成分系
繊維の1成分を割裂させ、無数の極細繊維を露出
させ、同時にこれらの極細繊維を極細繊維およ
び/またはその束の繊維交絡点間距離が200μ以
下になるように交絡させる。然るのちに該極細繊
維の交絡面に前述した銀面層用の樹脂を溶液やエ
マルジヨンの形で付与し、エンボスロールのよう
な熱ロールにより、極細繊維と樹脂を一体化して
銀面形成を行なう。この時皮革毛穴様や皮革シボ
様の凹凸模様が彫刻されたエンボスロールを用い
ると、銀面層表面にかかる凹凸模様が賦型され、
天然皮革と見まちがう外観になるので好ましい。
本発明においては、このようにして銀面層を形
成しておいてから、次に多成分系繊維の溶解除去
成分の溶解除去を行なう。すなわちエンボス熱ロ
ールによる銀面形成は、強いプレスを伴なうので
皮革様シート状物がへたり、空隙を少なくする方
向にあり、風合硬化や透湿性低下を招く。それ
故、このような熱プレス後に多成分系繊維の溶解
成分除去を行なつて空隙を形成し、所望の空隙率
を得る方法が特に好ましい。しかし、かかる銀面
形成後に多成分系繊維の溶解除去を行なう方法が
全て所望の空隙率を与えるとは限らないのであ
る。
すなわち本発明の空隙率を得、かつ通水性と透
湿性の必要なバランスをとるためには、多成分系
繊維の溶解除去成分の溶解除去条件の適正な選択
が必要である。しかもこのような溶解除去の適正
な条件はシートの構造や組成と密接な関係があ
り、特に構成極細繊維の太さや交絡層の緻密性と
関係する。例えば、溶解除去成分の完全な除去を
目指して、強いニツプをくり返すような条件をと
ると、皮革様シート状物が再びへたり空隙率低下
を招いたり、溶解除去の条件が甘過ぎると空隙率
過大となり通水度過大を招く。従つて本発明では
皮革様シート状物の空隙率を60〜85%の範囲に入
るように、しかも溶解除去成分は残存しないよう
に、溶解除去を行なう必要がある。このような溶
解除去を満足する方法としては例えば抽出用液体
を機械的にもしくは高周波など物理的に振動させ
て抽出を行ない、最後のニツプをシート厚みの30
%を下回らないクリアランスで行なう方法、ポリ
ビニルアルコールのような抽出溶剤に溶解しない
仮固定剤を溶解除去前のシートに付与しておき、
溶解除去後、仮固定剤の除去を行なう方法などが
挙げられる。上述のような加工上の工夫を特別に
伴わないで加工する場合、たとえば、先に本発明
者らが提案した特願昭57−74582号に記載した皮
革様シート物の製造プロセスなどで上述なような
工夫を特別にせずに加工をする場合には、空隙
率、透湿度の値が本発明で規定する範囲を満足す
るものが慨して得られないので注意を要する。本
発明の皮革様シート状物を得るにはこのような溶
解除去条件を採用することは必要であるが、皮革
様シート状物の構成や、その後の加工工程の影響
によりさらに適正な条件が必要なので詳細な条件
は一概にいえない。必要なことは皮革様シート状
物の空隙率が60〜85%の範囲に入るよう溶解除去
を行なうことである。染色や仕上げ加工を行なう
場合は最終の皮革様シート状物の特性が本発明の
範囲に入るように溶解除去条件を設定すれば良
い。
本発明で用いる溶剤に対する溶解性の異なる2
成分以上の成分から成る多成分系繊維としては、
例えば、前述の極細繊維構成成分を含む2種以上
のポリマーのビーズあるいはチツプあるいはドー
プを混合して溶融紡糸した海島繊維、棒状扁平断
面の繊維、1成分を他成分間に放射状に介在せし
めた菊花状断面の繊維、芯鞘型繊維、バイメタル
型繊維、繊維軸方向に連続した極細繊維が多数配
列集合し、他の高分子物質で包絡され1本の繊維
を形成した高分子相互配列体繊維、島成分微細化
高分子相互配列体繊維などである。
本発明の効果を最大に達成するには海島タイプ
で極細の島成分が多数存在するタイプの混合紡糸
繊維、高分子相互配列体繊維および島成分相当部
分がさらに無数の極細繊維を有している海島構造
になつている島成分微細化高分子相互配列体繊維
が特に好ましい。かかる多成分系繊維の溶解除去
成分もしくは海成分は高速流体流により容易に割
裂するものが好ましく、例えば、ポリスチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポ
リウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の共重合ポ
リエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコー
ル、共重合ポリビニルアルコール、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸
の高級アルコールエステルおよび/またはメタク
リル酸の高級アルコールエステルとの共重合体な
どが用いられる。紡糸のしやすさ、溶解除去の容
易さの点でポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレンとアクリル酸の高級ア
ルコールエステルおよび/またはメタクリル酸の
高級アルコールエステルとの共重合体は特に好ま
しく用いられる。かかる多成分系繊維の繊度は特
に限定されるものではないが、紡糸における安定
性、シート形成のしやすさなどから0.5〜10デニ
ールのものが好ましい。
高速流体流噴き当ての方法は、水などの流体を
加圧し、孔径の小さいノズルあるいは間隔のせま
いスリツトから噴射させ高速の柱状流あるいはカ
ーテン状流とし、繊維シートに噴き当て繊維の割
裂や枝分かれおよび極細成分の交絡を行なう。液
体にかける圧力は、該極細繊維形成型繊維あるい
は極細繊維束の割裂や枝分かれしやすさによつて
異なり、割裂や枝分かれのしやすい繊維では、5
〜70Kg/cm2の比較的低圧でよいが、割裂や枝分か
れしにくい繊維では、70〜300Kg/cm2の高圧が好
ましい。また、噴き当て回数をふやすことにより
割裂および交絡の程度を高めることも可能であ
り、噴き当てのたびごとに圧力を変化させてもよ
い。この他斜め方向から噴き当てたり、パルス流
として噴き当てたり、ノズルを揺動しながらの噴
き当てる方法も打撃跡を目立たなくすることから
有効である。
多成分系繊維の溶解除去成分の抽出除去に用い
る溶剤の種類は溶解除去成分の種類と、バインダ
ー樹脂を付与したような場合はその樹脂の種類に
より変わり得るが、例えば、パークロルエチレ
ン、トリクロルエチレン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、アセトン、酢酸エチル等があげられ
る。
本発明の皮革様シート状物は、さらに必要に応
じて、仕上げ剤塗布、染色、揉みなどの処理を行
なつてもよい。
こうして得られた本発明の皮革様シート状物
は、しなやかな風合、なめらかな表面感触を有
し、耐屈曲性、耐せん断疲労性、耐傷性が良好
で、かつ水もれがないとか、むれ感やべとつき感
がないとかの快適性を備えているため衣料用の銀
付人工皮革をはじめ、靴用甲皮、手袋など各種の
用途に好ましく用いられる。
以下に示す実施例は、本発明をより明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において部および%とある
のは特に記載のない限り重量に関するものであ
る。また、平均交絡点間距離の値は100個の測定
地の平均値とした。
実施例 1 ポリスチレンを海成分として50部、極細繊維成
分としてナイロン6が50部からなる割合で1フイ
ラメント中に極細繊維成分が多数含まれる形態の
混合紡糸繊維の4.0デニール、51mmのステープル
を用いてカード、クロスラツパーを通してウエブ
を形成し、しかる後フツクの数が1個のニードル
を用いてニードルパンチを2000本/cm2して該混合
紡糸繊維を絡合させ不織布をつくつた。この不織
布の目付は約460g/m2、密度は0.18g/cm3であ
つた。極細繊維の平均太さは約0.006デニールで
あつた。
不織布に孔径0.13mmの孔が孔の中心間距離0.6
mmのピツチで一列に並んだノズルから100Kg/cm2
の圧力をかけた水を高速で噴射させて該不織布の
一方の表面にノズルを揺動させながら噴き当て、
同じ条件で5回の処理を行なつた。表層部の混合
紡糸繊維は、ポリスチレンが割裂除去されナイロ
ン6の極細繊維が表層で緻密に交絡しており、内
部は混合紡糸繊維がそのまま交絡している形態を
していた。
つぎに該不織布に、ポリエチレンアジペートジ
オールとP,P′−ジフエニルメタンジイソシアネ
ートのプレポリマーをジフエニルメタンジアミン
で鎖伸長して得られたポリウレタンの5%ジメチ
ルホルムアミド(以下DMFという)溶液を含浸
し表面に付着した液をスクレイパーで除去して水
中へ導入して凝固した。しかる後80℃の熱水中で
十分洗浄しDMFを除去して乾燥した。
次にこのシートの高圧水流を噴き当てた面に、
含浸に用いたポリウレタンと化学組成は同じであ
るが硬さをやや硬くしたポリウレタンの10%溶液
を、ポリウレタンの固形分付着量が4g/m2にな
るようにグラビアコーターで付与した。この後ポ
リウレタン付与面に180℃の加熱エンボスロール
にて皮革毛穴様シボを型押した。
上記でシボ付けが完了後、ポリビニルアルコー
ルの5%水溶液に浸漬し、ポリビニルアルコール
を含浸乾燥後、トリクロルエチレン中につけゴム
−鉄マングルを用いてクリアランスをゼロにして
浸漬と絞液を15回くり返し、ポリスチレンを99.8
%の抽出率になるまで抽出除去し乾燥を行なつ
た。しかる後80℃の温水で洗つてポリビニルアル
コールを除去し、乾燥後、裏面を軽くバフしてか
ら染色仕上加工を行なつた。
得られた皮革シート状物は、ナイロン6が85
%、ポリウレタンが15%から成り、目付が350
g/m2、見掛密度が0.39g/m3、空隙率は66%で
あり、天然カーフに酷似した極めて感触の良いし
なやかな風合を示し、擦過傷のつきにくいもので
あつた。さらに透湿度は3200g/m2・24hrと優れ
ている上、通水度は20c.c./cm2・分であり耐水性も
優れており、靴材料として好適な性質を示してい
た。この皮革様シート状物に付与されているポリ
ウレタンと仕上げ剤を溶剤で抽出除去し、銀面層
表面の構成繊維の繊維交絡点間距離を測定したと
ころ約77ミクロンであつた。
一方比較のために、先に本発明者らが提案した
特願昭57−74582号に記載した皮革様シート物の
製造プロセスにそのまま準じて、ポリビニルアル
コールの付与を行なわないで、ポリスチレン除去
を同様に行なつた皮革様シート状物は、見掛密度
が0.50g/cm3、空隙率が56%となり、透湿性が
1200g/m2・24hrと本発明の範囲外のもので、靴
材料としてはむれ感の大きいものであつた。
実施例 2 ポリスチレンを海成分として60部、極細繊維島
成分としてナイロン6が40部からなる割合で、1
フイラメント中に16の島成分群を有し、さらにそ
の島成分群には極細繊維が多数含まれる形態の島
成分微細化高分子相互配列体繊維の4.0デニール、
51mmのステープルを用いてランダムウエツパーに
よりウエブ形成し、しかる後3000本/cm2のニード
ルパンチを行なつて不織布とした。この不織布の
目付は約420g/m2、密度は0.20g/cm3であつた。
極細繊維の平均太さは約0.001デニールであつた。
該不織布の両面に実施例1と同様にして4回づ
つ高速水流を噴き当てた。
次いで該不織布の片面のみに150℃の温度で熱
プレスして平滑化を行なつてから、この平滑面に
ポリウレタンの溶液をグラビアコーターによりポ
リウレタン固形分付着量が3g/m2になるように
付与した。
次いで、このポリウレタン付与面に、170℃の
皮革シボ模様の彫刻されたエンボスロールにてシ
ボ賦型を行なつた。
次にこのシートを、トリクロルエチレンの液を
振動させながら浸漬と絞液をする処理を7回くり
返し、その絞液のロールクリアランスは順にシー
ト厚みの90%、80%、70%、60%、50%、45%、
40%、の条件で行なつて、ポリスチレンの抽出率
を99.9%とした。
次いで、このシートを染色仕上して得られた皮
革様シート状物は、目付が220g/m2、見掛密度
が0.32g/cm3、空隙率が72%であり、極めて風合
が柔らかく、ドレープ性のあるもので、天然の衣
料用高級羊皮に表面は酷似しているが、さらにし
なやかであつた。さらに透湿度は7700g/m2・
24hrと極めて優れている上、通水度は50c.c./cm2・
分であり耐水性も良好であつた。またズボンで擦
過しても傷のつきにくいものであつた。
一方比較のために、溶剤除去の工程を比較例1
と同様にしてポリビニルアルコールの付与を特別
に行なうことなく、20回くり返してポリスチレン
の抽出率を99.8%としたものは、空隙率が57%と
なり透湿度が1600g/m2・24hrしかなかつた。
実施例 3 ポリスチレンを海成分として60部、ポリエチレ
ンテレフタレートを極細繊維島成分として40部か
らなる割合で、1フイラメント中に9本の島成分
を有する高分子相互配列体繊維の4.0デニール、
45mmのステープルを用いて実施例1と同様にして
ニードルパンチ不織布を得た。不織布の目付は
450g/m2、密度は0.17g/cm3であつた。島の極
細繊維の平均デニールは0.18デニールであつた。
該不織布の片面に実施例1のノズルから85Kg/
cm2の圧力をかけた水を噴き当てて、4回の処理を
行なつた。
次に該不織布を実施例2の方法に従つて染色仕
上まで実施した皮革様シート状物としたところ、
目付が240g/m2、見掛密度が0.28g/cm3、空隙
率80%の風合柔軟なものが得られた。さらに透湿
度は8200g/m2と高く優れており、通水性は145
c.c./cm2・分と本発明の範囲内であつた。この皮革
様シート状物表面の繊維交絡点間距離は185ミク
ロンであつた。
一方比較のため、溶解除去工程のみを60℃に加
熱したトリクロルエチレンで絞液をしないで、浸
漬をくり返し、ポリスチレンの抽出率を98.5%と
する方法により行なつた皮革様シート状物は、空
隙率が88%となり、透湿度は9500g/m2・24hrで
あつたが、耐水度が300c.c./cm2・分と本発明の範
囲を外れ、水もれの顕著なものであつた。
【図面の簡単な説明】
図は銀面層における構成繊維を表面側から観察
したときの構成繊維の拡大模式図である。図にお
いてf1,f2,f3,f4,f5およびf6は構成繊維、a1,
a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8およびa9は構成繊維
の交絡点をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維および/またはその束の繊維交絡点
    間距離が200ミクロン以下である繊維構造体と、
    その空隙部分に存在する樹脂とから主としてなる
    複合体によつて形成された銀面層を少なくとも片
    面に有し、(A)空隙率が60〜85%、(B)透湿度が少な
    くとも2500g/m2・24hr、(C)通水度が200c.c./
    cm2・分以下の各特性を少なくとも有することを特
    徴とする皮革様シート状物。 2 (A)空隙率が65〜80%、(B)透湿度が少なくとも
    3000g/m2・24hr、かつ(C)通水度が100c.c./cm2・
    分以下の各特性を少なくとも有することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の皮革様シート状
    物。 3 銀面層を形成する極細繊維の繊度が0.05デニ
    ール以下であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項または第2項記載の皮革様シート状物。 4 銀面層表面に皮革毛穴様および/または皮革
    シボ用の凹凸模様が賦型されていることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに
    記載の皮革様シート状物。 5 極細繊維および/またはその束が高分子相互
    配列体繊維の少なくとも1成分を溶解除去して得
    られたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項〜第4項のいずれかに記載の皮革様シー
    ト状物。 6 極細繊維および/またはその束が混合紡糸繊
    維の少なくとも1成分を溶解除去して得られたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    〜第4項のいずれかに記載の皮革様シート状物。
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JPS5774582A (en) * 1980-10-27 1982-05-10 Matsushita Seiko Co Ltd Cooler

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