JPH0141624B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0141624B2 JPH0141624B2 JP14166081A JP14166081A JPH0141624B2 JP H0141624 B2 JPH0141624 B2 JP H0141624B2 JP 14166081 A JP14166081 A JP 14166081A JP 14166081 A JP14166081 A JP 14166081A JP H0141624 B2 JPH0141624 B2 JP H0141624B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- add
- desired product
- ascochlorin
- chloroform
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
本発明は新規なアスコクロリン誘導体に関す
る。アスコクロリンは本発明者らによつて糸状菌
As―cochyta viciaeの生産物より見出された抗
生物質である(特許第585252号明細書参照)。 アスコクロリンは優れた抗ウイルス作用及び抗
腫瘍作用を有するが、哺乳動物の循環器系に対す
る毒性が強い為、オルシルアルデヒドの4位の水
酸基をメチル化して医薬としての適用が検討され
た(Agr.Biol.Chem.,45,531)。しかしながら
この化合物は水溶性に乏しく、全身的ないし経口
的に投与しても血中濃度が上昇しにくいという欠
点を有している。 本発明者らは、アスコクロリンの有する優れた
薬理作用を保持しつつ、欠点を消去した誘導体の
創製を検討したところ、意外にもアスコクロリン
とハロゲン原子を有する直鎖又は分岐鎖低級脂肪
酸又はそのエステルとを反応させて得られる誘導
体がインスリンの作用を増強し、又、脂質代謝改
善作用、種種の実験腫瘍の発育阻止作用をも有す
ることを見出した。 本発明はこのように優れた化合物にかかるもの
で一般式 (式中Rは水素原子又は低級アルキル基を意味
し、nは1〜5の整数を意味する) で表わされるアスコクロリン誘導体の発明であ
る。 本発明の化合物は例えばアスコクロリンのモノ
金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩とハ
ロゲノ脂肪酸エステルとを反応させ、次いで必要
に応じ加水分解することにより容易に製造され
る。 反応に用いられる溶媒としては通常の有機溶
媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルホル
ムアミドなどの酸アミド類、その他にジメチルス
ルホキシドなど種々の溶媒が用いられる。反応
性、操作性(安全性)、経済性の観点からアルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、アセトンが通常
使用される。反応の温度範囲は実施例にみられる
ように室温から溶媒の沸点に至るまで巾広く使用
できる。反応の結果得られるアスコクロリンのア
ルコキシカルボニルアルキルエーテルを加水分解
して遊離カルボン酸型の誘導体を製造するには、
緩和なアルカリ条件下、例えば、炭酸カルウム、
炭酸ナトリウム等の塩基を存在させて行なうのが
よい。酸性条件下での加水分解は副生成物を生じ
易いので得索ではない。このようにして得られる
本発明の化合物は次のような優れた薬理作用を有
し医薬として有用である。 1 本発明の化合物は脂肪組織のインキユベーシ
ヨン倍地に添加するとインスリン依存性にぶど
う糖とり込みを10-5Mの生理的に到達できる濃
度で顕著に促進する。この作用はインスリン依
存性にぶどう糖をとり込む組織に特異的で、肝
臓ならびに腎臓のように濃度依存性に糖をとり
込む組織ではこの作用な認められない。しかし
肝臓ならびに腎臓切片においても糖代謝の亢進
が起る。これらの事実は本発明の化合物がイン
スリンの作用を増強することを示唆する。 本発明の化合物の糖代謝に対する作用は実験動
物に経口投与した際にも認められる。すなわち、
健常ラツト及びマウスに1週間経口投与すると血
糖及び血中脂質が有意に低下する。この事実は糖
尿病ならびに動脈硬化症に随伴する高カロリー血
症の改善に好適である。事実本発明の化合物を糖
尿病々態モデル動物に投与すると著明な改善作用
が認められた。例えば遺伝性肥満糖尿病マウス
C57BL/Ksj(db+/db+)は高血糖、肥満、イン
スリン抵抗性、多飲多尿、尿糖排泄など成人性糖
尿病に近似した病態モデルと言われる。この病態
動物に対しては従来の抗糖尿病薬、たとえばスル
ホニル尿素系及びビグアナイド系化合物は完全に
無効である。しかし本発明の化合物は食欲を減退
させることなく、多飲多尿の抑制、血糖及び血中
脂質の低下など糖尿病に特有の異常を著しく改善
した。とりわけ注目に価するのは24時間における
尿糖排泄が90%程度減少することである。またア
ロキサン及びストレプトゾトシンにつよつて誘発
された糖尿病動物にたいしても同様の効果を認め
た。したがつて本発明の化合物が抗糖尿病作用及
び脂質代謝改善作用を有することは明らかであ
る。 2 本発明化合物のいま一つの顕著な作用は悪性
腫瘍にたいするものである。 DBA/2系マウスに原発した移植性白血病
L―1210は制癌剤のスクリーニングに頻用され
る悪性腫瘍である。この腫瘍は悪性度が高く、
細胞100個を腹腔内に移植するだけで2週間以
内にすべてのマウスが腫瘍死する。本発明の化
合物の或るものは、L―1210移植の1週間前に
1回投与しただけでマウスを有意に腫瘍死から
救い完全に治瘉させることができる。このよう
な作用は従来の制癌剤及び免疫亢進剤には認め
られない。さらに通常の制癌剤評価に用いられ
る条件下においても本発明の化合物はマウスの
Ehrlich,S―180,MethA,L―1210及びp
―388などの同系ないし同種実験腫瘍にたいし
て有意な延命効果を示す。 本発明の化合物は単独で用いてもよいが通常は
アルカリで中和して水に溶解したり、懸濁剤、賦
形剤又はその他の補助剤と混合して非径口投与及
び経口投与に適する剤形として製剤化することが
好ましい。好ましい製剤としては、たとえば注射
剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、カプセ
ル剤、坐剤などがあげられる。これらの製剤は常
法により、たとえば賦形剤又は補助剤として、乳
糖、蔗糖、種々の澱粉、ぶどう糖、セルローズ、
メチルセルローズ、カルボキシメチルセルロー
ズ、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸
塩、タルク、植物油、オクチルデシルトリグリセ
ライド、重炭酸ソーダ、種々のポリソルベート、
ポリエチレングリコール、レシチンならびにこれ
らの2種以上の混合物等を用いて製造される。 経口投与用製剤は活性成分を10〜55%(重量
比)、注射剤は1〜20℃(重量比)の量で含有す
ることが好ましい。 本発明の化合物の毒性はかなり弱く、ラツト及
びマウスにたいする急性毒性LD50は経口投与で
0.5〜10g/Kg以上、腹腔内投与で150〜500mg/
Kgである。 本発明の医薬の用量は病態の種類、症状などに
よつて異なるが例えば注射の場合は成人1人1日
当り5〜1000mg、経口投与の場合には30〜3000
mg、坐薬の場合には50〜1000mgで目的を達するこ
とができる。つぎに製剤例を示す。 1 本発明の化合物の無菌粉末92.5mgをジエチル
アミノアタノール158mgを溶解した無菌蒸留水
10mlに加え、80℃に5分間加温して溶解する。
この液を直接静脈内に投与するか或いは静脈点
滴用輸液ないし糖液に混合して点滴静注する。 2 本発明の化合物の微粉末(粒径約2μ)100部
に乳糖88部、トウモロコシ澱粉100部、HPC―
SL2部、L―HPC(PC―30)50部、結晶セルロ
ーズ33部、ステアリン酸カルシウム5部、タル
ク10部を加えてよく混合し打錠機を用いて直径
8mm重量250mgの錠剤に打錠する。 実施例 1 アスコクロリン81g(0.2モル)をジメチルホ
ルムアミド600mlにとかす。これに60%水素化ナ
トリウム(油性)7.5gを少しずつ加える。得ら
れたナトリウム塩の溶液にブロム酢酸エチルエス
テル33.4g(0.2モル)を加える。室温に一夜放
置したのちさらに60%水素化ナトリウム0.8gお
よびブロム酢酸エチルエステル3.34gを加える。
一夜放置したのち、減圧濃縮する。残つた油状物
に1%塩酸1及びクロロホルム1を加えてよ
くかきまぜて分液ロートに移し激しく振盪したの
ち静置する。下層のクロロホルム層を分取し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、濃縮、乾固す
る。残つた油状物にメタノール1を加えて一夜
放置し析出した結晶を分取して乾燥する。融点
114℃の目的生成物の帯黄色結晶61.3gが得られ
る。母液を濃縮したのち放置してさらに目的生成
物13.7gを得る。 メタノールから再結晶して得た融点114℃の結
晶についての元素分析値はC27H35ClO6として 理論値(%) C,66.05;H7.18 測定値(%) C,66.21;H7.06 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準)は δ;0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.32(3H,t),1.90(3H,s),1.6〜
2.0(3H,m),2.3〜2.5(3H,m),2.63(3H,
s),3.61(2H,d),4.30(2H,q),4.59
(2H,s),5.37(1H,d),5.45(1H,t),
5.90(1H,d),10.26(1H,s),12.54(1H,
s) 目的生成物の構造式 実施例 2 アスコクロリン20.25gをジメチルホルムアミ
ド350mlにとかす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)2.0gを少しずつ加える。得られたナトリ
ウム塩の溶液にブロム酢酸エチルエステル7.65g
を加える。室温に一夜放置したのち、さらに60%
水素化ナトリウム0.2g及びブロム酢酸エチルエ
ステル0.77gを加える。数日放置したのち減圧下
に濃縮する。残つた油状物を1%塩酸400ml及び
クロロホルム400mlで分液する。クロロホルム層
を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち濃
縮乾固する。残つた油状物にメタノール150mlを
加え加温して溶解したのち室温に一夜放置する。
析出した結晶を取し風乾する。融点128℃の淡
黄色結晶として目的生成物15.76g(収率66%)
を得る。結晶化母液中に残存する目的生成物はシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーによつて分離
精製できる。 融点129℃(メタノールより再結晶)、元素分析
値分子式C26H33ClO6として 理論値(%) C,65.47;H,6.97 測定値(%) C,65.60;H,6.96 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.89(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3
〜2.5(3H,m),2.63(3H,s),3.60(2H,
d),3.83(3H,t),4.60(2H,d),5.36
(1H,d),5.45(1H,t),5.89(1H,d),
10.26(1H,s),12.54(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 3 エタノール50mlに金属ナトリウム0.23gをとか
す。得られた溶液にアスコクロリン4.05g、ブロ
ム酢酸エチルエステル1.84g及びエタノール40ml
を加える。湯浴上10時間加熱還流したのち減圧濃
縮乾固し、残渣を1%塩酸50ml及びクロロホルム
50mlで分液する。クロロホルム層を分取し無水硫
酸ナトリウムで乾燥したのち減圧濃縮乾固する。
油状残渣をメタノールから再結晶して実施例1で
得られる目的生成物と同一の目的物結晶2.5gを
得た。 実施例 4 実施例1で合成したアスコクロリンの4―0―
エトキシカルボニルメチル体20gをメタノール
600mlに加温溶解させる。35℃まで冷却したなら
ば水80mlに溶かした無水炭酸カリウム20gを加え
撹拌する。2時間後に吸引過し、液に水100
mlに加える。ついで10%塩酸でPH6に中和する。
液量が約200mlとなるまで減圧濃縮し、ついで水
100mlを加えたのち10%塩酸でPH2に修正する。
この液にクロロホルム200mlを加えて激しく振盪
したのち静置する。下層のクロロホルム層を分取
し無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち減圧濃縮す
る。油状の残渣をメタノール約50mlに溶かしつい
で白濁が始まるまで水を加える。目的生成物の結
晶種を加えて一夜放置すると結晶が析出する。結
晶を取し乾燥すると融点147℃の目的生成物
13.8gを得る。 含水メタノールから再結晶して得た融点147℃
の結晶についての元素分析値はC25H31Cl6として 理論値(%) C64.86;H6.75 測定値(%) C64.65;H6.71 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.91(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3
〜2.5(3H,m),2.64(3H,s),3.61(2H,
d),4.66(2H,s),5.39(1H,d),5.46
(1H,t),5.91(1H,d),10.26(1H,s),
10.55(1H,s),12.53(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 5 実施例1と同様にしてアスコクロリン20.25g
に2―ブロムプロピオン酸エチルエステル10.41
gを反応させる。実施例1と同様に処理したのち
得られる油状混合物をシリカゲルカラムクロマト
グラフイーにより分離精製した。目的生成物は3
%酢酸エチルエステルを含むジクロロメタンでカ
ラムから溶出単離することができる。粘稠な油状
物である目的生成物8.2gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.27(3H,t),1.60(3H,d),1.90
(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3〜2.5
(3H,m),2.62(3H,s),3.62(2H,d),
4.21(2H,q),4.98(1H,q),5.37(1H,
d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),10.26
(1H,s),12.54(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 6 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド150mlに溶かす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.2gを少しずつ加える。得られたナトリ
ウム塩溶液に2―ブロムプロピオン酸ノルマルブ
チルエステル6.27gを加える。室温に数日放置し
たのちさらに60%水素化ナトリウム0.3g及びブ
ロムプロピオン酸ノルマルブチルエステル2.2g
を加えて数日放置する。反応溶液を減圧濃縮乾固
し残渣を1%塩酸250ml及びクロロホルム250mlで
分液する。クロロホルム層を分取し無水硫酸ナト
リウムで乾燥したのち濃縮乾固する。残つた油状
物をシリカゲルカラムクロマトグラフイーで分離
精製し目的精製物を得る。このものは室温に長時
間放置すると徐々に結晶化する。融点50〜65℃、
収量9.23g。メタノールから再結晶したものの元
素分析値はC30H41ClO6として 理論値(%) C,67.59;H,7.75 測定値(%) C,67.68;H,7.73 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準) δ:0.69(3H,s),0.81(3H,d),0.83(3H,
d),0.91(3H,t),1.2〜2.0(7H,m),
1.61(3H,d),1.91(3H,s),2.3〜2.5
(3H,m),2.62(3H,s),3.4〜3.8(2H,
m),4.16(2H,t),4.99(1H,q),5.37
(1H,d),5.49(1H,t),5.91(1H,d),
10.24(1H,s),12.56(1H,s) 目的生成物の構造式 実施例 7 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド150mlに溶かす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.1gを徐々に加える。得られたナトリウ
ム塩の溶液に2―ブロム酪酸エチルエステル5.85
gを加え90℃で4時間加熱する。ついで60%水素
化ナトリウム340mg及び2―ブロム酢酸エチルエ
ステル1.64gを加え4時間90℃に加熱する。反応
溶液を減圧濃縮乾固し、残渣を1%塩酸300ml及
びクロロホルム300mlで分液する。クロロホルム
層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち
濃縮乾固する。残渣する油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーにより分離精製する。3%
酢酸エチルエステルを含むジクロロメタンで溶出
する目的物の分画を採取し濃縮乾固する。粘稠な
油状物である目的生成物6.8gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.81(3H,d),0.83(3H,
d),1.05(3H,t),1.25(3H,t),1.92
(3H,s),1.4〜2.2(5H,m),2.3〜2.5
(3H,m),2.61(3H,s),3.4〜3.9(2H,
m),4.19(2H,t),4.93(1H,t),5.36
(1H,d),5.48(1H,t),5.91(1H,d)
10.23(1H,s),12.55(1H,s) 目的物の構造式 実施例 8 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド200mlにとかす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.2gを少しづつ加える。得られたナトリ
ウム塩の溶液に4―ブロム酪酸エチルエステル
5.9gを加え、90〜100℃に3時間加熱する。つぎ
に60%水素化ナトリウム0.3g及び4―ブロム酪
酸エチルエステル2gを追加しさらに10時間加熱
する。反応溶液を減圧濃縮乾固し、残留物を1%
塩酸200ml及びクロロホルム200mlで分液する。ク
ロロホルム層を分取し無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮乾固する。残留する油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフイーにより分離精製す
る。粘稠な油状物である目的生成物8.6gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.26(3H,t),1.92(3H,s),1.6〜
2.8(7H,m),2.62(3H,s),3.50(2H,
d),3.98(2H,t),4.16(2H,q),5.37
(1H,d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),
10.22(1H,s),12.52(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 9 実施例5で得られたエステル、4―0―(1―
エトキシカルボニルエチル)アスコクロリン4.0
gを実施例4の方法と同様にして加水分解を行
い、後処理をして得られる目的物の油状の残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(メタノー
ル:クロロホルム〕1:20)で精製する。得られ
た目的生成物(3.4g)は、非結晶性の固体であ
り、融点は明瞭でない。 このもののプロトン核磁気共鳴スペクトル
(100MHz,CDCl3、内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.60(3H,d),1.90(3H,s),1.60〜
2.0(3H,m),2.3〜2.5(3H,m),2.63(3H,
s),3.62(2H,d),4.98(1H,q),5.37
(1H,d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),
10.20(1H,s),10.25(1H,s),12.5(1H,
s) であり、目的生成物の構造は、 である。 実施例 10 実施例8で得たエステル体、4―0―(3―エ
トキシカルボニル)プロピルアスコクロリン5.0
gを実施例4と同様の方法で加水分解処理をして
得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(酢酸エチルエステル:クロロホルム
1:10)で精製すると、油状の目的物が得られ
る。 このもののプロトン核磁気共鳴スペクトル
(100MHz,CDCl3、内部標準TMS)は δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.80(3H,
d),1.92(3H,s),1.6〜2.8(7H,m),
2.62(3H,s),3.50(2H,d),3.98(2H,
t),5.37(1H,d),5.45(1H,t),5.90
(1H,d),10.22(1H,s),10.50(1H,
s),12.52(1H,s) である 目的生成物の構造は、 で表わされる。 実施例 11 5週令のddY系雄性マウス(n=10)に0.1%
の本発明の化合物含むを飼料(日本クレア、CE
―2)を1週間与えた。1週間後に心臓から採血
した血糖及び血清コレステロールを測定した結果
は表1のとおりである。
る。アスコクロリンは本発明者らによつて糸状菌
As―cochyta viciaeの生産物より見出された抗
生物質である(特許第585252号明細書参照)。 アスコクロリンは優れた抗ウイルス作用及び抗
腫瘍作用を有するが、哺乳動物の循環器系に対す
る毒性が強い為、オルシルアルデヒドの4位の水
酸基をメチル化して医薬としての適用が検討され
た(Agr.Biol.Chem.,45,531)。しかしながら
この化合物は水溶性に乏しく、全身的ないし経口
的に投与しても血中濃度が上昇しにくいという欠
点を有している。 本発明者らは、アスコクロリンの有する優れた
薬理作用を保持しつつ、欠点を消去した誘導体の
創製を検討したところ、意外にもアスコクロリン
とハロゲン原子を有する直鎖又は分岐鎖低級脂肪
酸又はそのエステルとを反応させて得られる誘導
体がインスリンの作用を増強し、又、脂質代謝改
善作用、種種の実験腫瘍の発育阻止作用をも有す
ることを見出した。 本発明はこのように優れた化合物にかかるもの
で一般式 (式中Rは水素原子又は低級アルキル基を意味
し、nは1〜5の整数を意味する) で表わされるアスコクロリン誘導体の発明であ
る。 本発明の化合物は例えばアスコクロリンのモノ
金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩とハ
ロゲノ脂肪酸エステルとを反応させ、次いで必要
に応じ加水分解することにより容易に製造され
る。 反応に用いられる溶媒としては通常の有機溶
媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルホル
ムアミドなどの酸アミド類、その他にジメチルス
ルホキシドなど種々の溶媒が用いられる。反応
性、操作性(安全性)、経済性の観点からアルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、アセトンが通常
使用される。反応の温度範囲は実施例にみられる
ように室温から溶媒の沸点に至るまで巾広く使用
できる。反応の結果得られるアスコクロリンのア
ルコキシカルボニルアルキルエーテルを加水分解
して遊離カルボン酸型の誘導体を製造するには、
緩和なアルカリ条件下、例えば、炭酸カルウム、
炭酸ナトリウム等の塩基を存在させて行なうのが
よい。酸性条件下での加水分解は副生成物を生じ
易いので得索ではない。このようにして得られる
本発明の化合物は次のような優れた薬理作用を有
し医薬として有用である。 1 本発明の化合物は脂肪組織のインキユベーシ
ヨン倍地に添加するとインスリン依存性にぶど
う糖とり込みを10-5Mの生理的に到達できる濃
度で顕著に促進する。この作用はインスリン依
存性にぶどう糖をとり込む組織に特異的で、肝
臓ならびに腎臓のように濃度依存性に糖をとり
込む組織ではこの作用な認められない。しかし
肝臓ならびに腎臓切片においても糖代謝の亢進
が起る。これらの事実は本発明の化合物がイン
スリンの作用を増強することを示唆する。 本発明の化合物の糖代謝に対する作用は実験動
物に経口投与した際にも認められる。すなわち、
健常ラツト及びマウスに1週間経口投与すると血
糖及び血中脂質が有意に低下する。この事実は糖
尿病ならびに動脈硬化症に随伴する高カロリー血
症の改善に好適である。事実本発明の化合物を糖
尿病々態モデル動物に投与すると著明な改善作用
が認められた。例えば遺伝性肥満糖尿病マウス
C57BL/Ksj(db+/db+)は高血糖、肥満、イン
スリン抵抗性、多飲多尿、尿糖排泄など成人性糖
尿病に近似した病態モデルと言われる。この病態
動物に対しては従来の抗糖尿病薬、たとえばスル
ホニル尿素系及びビグアナイド系化合物は完全に
無効である。しかし本発明の化合物は食欲を減退
させることなく、多飲多尿の抑制、血糖及び血中
脂質の低下など糖尿病に特有の異常を著しく改善
した。とりわけ注目に価するのは24時間における
尿糖排泄が90%程度減少することである。またア
ロキサン及びストレプトゾトシンにつよつて誘発
された糖尿病動物にたいしても同様の効果を認め
た。したがつて本発明の化合物が抗糖尿病作用及
び脂質代謝改善作用を有することは明らかであ
る。 2 本発明化合物のいま一つの顕著な作用は悪性
腫瘍にたいするものである。 DBA/2系マウスに原発した移植性白血病
L―1210は制癌剤のスクリーニングに頻用され
る悪性腫瘍である。この腫瘍は悪性度が高く、
細胞100個を腹腔内に移植するだけで2週間以
内にすべてのマウスが腫瘍死する。本発明の化
合物の或るものは、L―1210移植の1週間前に
1回投与しただけでマウスを有意に腫瘍死から
救い完全に治瘉させることができる。このよう
な作用は従来の制癌剤及び免疫亢進剤には認め
られない。さらに通常の制癌剤評価に用いられ
る条件下においても本発明の化合物はマウスの
Ehrlich,S―180,MethA,L―1210及びp
―388などの同系ないし同種実験腫瘍にたいし
て有意な延命効果を示す。 本発明の化合物は単独で用いてもよいが通常は
アルカリで中和して水に溶解したり、懸濁剤、賦
形剤又はその他の補助剤と混合して非径口投与及
び経口投与に適する剤形として製剤化することが
好ましい。好ましい製剤としては、たとえば注射
剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、カプセ
ル剤、坐剤などがあげられる。これらの製剤は常
法により、たとえば賦形剤又は補助剤として、乳
糖、蔗糖、種々の澱粉、ぶどう糖、セルローズ、
メチルセルローズ、カルボキシメチルセルロー
ズ、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸
塩、タルク、植物油、オクチルデシルトリグリセ
ライド、重炭酸ソーダ、種々のポリソルベート、
ポリエチレングリコール、レシチンならびにこれ
らの2種以上の混合物等を用いて製造される。 経口投与用製剤は活性成分を10〜55%(重量
比)、注射剤は1〜20℃(重量比)の量で含有す
ることが好ましい。 本発明の化合物の毒性はかなり弱く、ラツト及
びマウスにたいする急性毒性LD50は経口投与で
0.5〜10g/Kg以上、腹腔内投与で150〜500mg/
Kgである。 本発明の医薬の用量は病態の種類、症状などに
よつて異なるが例えば注射の場合は成人1人1日
当り5〜1000mg、経口投与の場合には30〜3000
mg、坐薬の場合には50〜1000mgで目的を達するこ
とができる。つぎに製剤例を示す。 1 本発明の化合物の無菌粉末92.5mgをジエチル
アミノアタノール158mgを溶解した無菌蒸留水
10mlに加え、80℃に5分間加温して溶解する。
この液を直接静脈内に投与するか或いは静脈点
滴用輸液ないし糖液に混合して点滴静注する。 2 本発明の化合物の微粉末(粒径約2μ)100部
に乳糖88部、トウモロコシ澱粉100部、HPC―
SL2部、L―HPC(PC―30)50部、結晶セルロ
ーズ33部、ステアリン酸カルシウム5部、タル
ク10部を加えてよく混合し打錠機を用いて直径
8mm重量250mgの錠剤に打錠する。 実施例 1 アスコクロリン81g(0.2モル)をジメチルホ
ルムアミド600mlにとかす。これに60%水素化ナ
トリウム(油性)7.5gを少しずつ加える。得ら
れたナトリウム塩の溶液にブロム酢酸エチルエス
テル33.4g(0.2モル)を加える。室温に一夜放
置したのちさらに60%水素化ナトリウム0.8gお
よびブロム酢酸エチルエステル3.34gを加える。
一夜放置したのち、減圧濃縮する。残つた油状物
に1%塩酸1及びクロロホルム1を加えてよ
くかきまぜて分液ロートに移し激しく振盪したの
ち静置する。下層のクロロホルム層を分取し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、濃縮、乾固す
る。残つた油状物にメタノール1を加えて一夜
放置し析出した結晶を分取して乾燥する。融点
114℃の目的生成物の帯黄色結晶61.3gが得られ
る。母液を濃縮したのち放置してさらに目的生成
物13.7gを得る。 メタノールから再結晶して得た融点114℃の結
晶についての元素分析値はC27H35ClO6として 理論値(%) C,66.05;H7.18 測定値(%) C,66.21;H7.06 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準)は δ;0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.32(3H,t),1.90(3H,s),1.6〜
2.0(3H,m),2.3〜2.5(3H,m),2.63(3H,
s),3.61(2H,d),4.30(2H,q),4.59
(2H,s),5.37(1H,d),5.45(1H,t),
5.90(1H,d),10.26(1H,s),12.54(1H,
s) 目的生成物の構造式 実施例 2 アスコクロリン20.25gをジメチルホルムアミ
ド350mlにとかす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)2.0gを少しずつ加える。得られたナトリ
ウム塩の溶液にブロム酢酸エチルエステル7.65g
を加える。室温に一夜放置したのち、さらに60%
水素化ナトリウム0.2g及びブロム酢酸エチルエ
ステル0.77gを加える。数日放置したのち減圧下
に濃縮する。残つた油状物を1%塩酸400ml及び
クロロホルム400mlで分液する。クロロホルム層
を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち濃
縮乾固する。残つた油状物にメタノール150mlを
加え加温して溶解したのち室温に一夜放置する。
析出した結晶を取し風乾する。融点128℃の淡
黄色結晶として目的生成物15.76g(収率66%)
を得る。結晶化母液中に残存する目的生成物はシ
リカゲルカラムクロマトグラフイーによつて分離
精製できる。 融点129℃(メタノールより再結晶)、元素分析
値分子式C26H33ClO6として 理論値(%) C,65.47;H,6.97 測定値(%) C,65.60;H,6.96 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.89(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3
〜2.5(3H,m),2.63(3H,s),3.60(2H,
d),3.83(3H,t),4.60(2H,d),5.36
(1H,d),5.45(1H,t),5.89(1H,d),
10.26(1H,s),12.54(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 3 エタノール50mlに金属ナトリウム0.23gをとか
す。得られた溶液にアスコクロリン4.05g、ブロ
ム酢酸エチルエステル1.84g及びエタノール40ml
を加える。湯浴上10時間加熱還流したのち減圧濃
縮乾固し、残渣を1%塩酸50ml及びクロロホルム
50mlで分液する。クロロホルム層を分取し無水硫
酸ナトリウムで乾燥したのち減圧濃縮乾固する。
油状残渣をメタノールから再結晶して実施例1で
得られる目的生成物と同一の目的物結晶2.5gを
得た。 実施例 4 実施例1で合成したアスコクロリンの4―0―
エトキシカルボニルメチル体20gをメタノール
600mlに加温溶解させる。35℃まで冷却したなら
ば水80mlに溶かした無水炭酸カリウム20gを加え
撹拌する。2時間後に吸引過し、液に水100
mlに加える。ついで10%塩酸でPH6に中和する。
液量が約200mlとなるまで減圧濃縮し、ついで水
100mlを加えたのち10%塩酸でPH2に修正する。
この液にクロロホルム200mlを加えて激しく振盪
したのち静置する。下層のクロロホルム層を分取
し無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち減圧濃縮す
る。油状の残渣をメタノール約50mlに溶かしつい
で白濁が始まるまで水を加える。目的生成物の結
晶種を加えて一夜放置すると結晶が析出する。結
晶を取し乾燥すると融点147℃の目的生成物
13.8gを得る。 含水メタノールから再結晶して得た融点147℃
の結晶についての元素分析値はC25H31Cl6として 理論値(%) C64.86;H6.75 測定値(%) C64.65;H6.71 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.91(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3
〜2.5(3H,m),2.64(3H,s),3.61(2H,
d),4.66(2H,s),5.39(1H,d),5.46
(1H,t),5.91(1H,d),10.26(1H,s),
10.55(1H,s),12.53(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 5 実施例1と同様にしてアスコクロリン20.25g
に2―ブロムプロピオン酸エチルエステル10.41
gを反応させる。実施例1と同様に処理したのち
得られる油状混合物をシリカゲルカラムクロマト
グラフイーにより分離精製した。目的生成物は3
%酢酸エチルエステルを含むジクロロメタンでカ
ラムから溶出単離することができる。粘稠な油状
物である目的生成物8.2gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.27(3H,t),1.60(3H,d),1.90
(3H,s),1.6〜2.0(3H,m),2.3〜2.5
(3H,m),2.62(3H,s),3.62(2H,d),
4.21(2H,q),4.98(1H,q),5.37(1H,
d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),10.26
(1H,s),12.54(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 6 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド150mlに溶かす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.2gを少しずつ加える。得られたナトリ
ウム塩溶液に2―ブロムプロピオン酸ノルマルブ
チルエステル6.27gを加える。室温に数日放置し
たのちさらに60%水素化ナトリウム0.3g及びブ
ロムプロピオン酸ノルマルブチルエステル2.2g
を加えて数日放置する。反応溶液を減圧濃縮乾固
し残渣を1%塩酸250ml及びクロロホルム250mlで
分液する。クロロホルム層を分取し無水硫酸ナト
リウムで乾燥したのち濃縮乾固する。残つた油状
物をシリカゲルカラムクロマトグラフイーで分離
精製し目的精製物を得る。このものは室温に長時
間放置すると徐々に結晶化する。融点50〜65℃、
収量9.23g。メタノールから再結晶したものの元
素分析値はC30H41ClO6として 理論値(%) C,67.59;H,7.75 測定値(%) C,67.68;H,7.73 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3,TMS内部標準) δ:0.69(3H,s),0.81(3H,d),0.83(3H,
d),0.91(3H,t),1.2〜2.0(7H,m),
1.61(3H,d),1.91(3H,s),2.3〜2.5
(3H,m),2.62(3H,s),3.4〜3.8(2H,
m),4.16(2H,t),4.99(1H,q),5.37
(1H,d),5.49(1H,t),5.91(1H,d),
10.24(1H,s),12.56(1H,s) 目的生成物の構造式 実施例 7 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド150mlに溶かす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.1gを徐々に加える。得られたナトリウ
ム塩の溶液に2―ブロム酪酸エチルエステル5.85
gを加え90℃で4時間加熱する。ついで60%水素
化ナトリウム340mg及び2―ブロム酢酸エチルエ
ステル1.64gを加え4時間90℃に加熱する。反応
溶液を減圧濃縮乾固し、残渣を1%塩酸300ml及
びクロロホルム300mlで分液する。クロロホルム
層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち
濃縮乾固する。残渣する油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーにより分離精製する。3%
酢酸エチルエステルを含むジクロロメタンで溶出
する目的物の分画を採取し濃縮乾固する。粘稠な
油状物である目的生成物6.8gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.81(3H,d),0.83(3H,
d),1.05(3H,t),1.25(3H,t),1.92
(3H,s),1.4〜2.2(5H,m),2.3〜2.5
(3H,m),2.61(3H,s),3.4〜3.9(2H,
m),4.19(2H,t),4.93(1H,t),5.36
(1H,d),5.48(1H,t),5.91(1H,d)
10.23(1H,s),12.55(1H,s) 目的物の構造式 実施例 8 アスコクロリン12.15gをジメチルホルムアミ
ド200mlにとかす。これに60%水素化ナトリウム
(油性)1.2gを少しづつ加える。得られたナトリ
ウム塩の溶液に4―ブロム酪酸エチルエステル
5.9gを加え、90〜100℃に3時間加熱する。つぎ
に60%水素化ナトリウム0.3g及び4―ブロム酪
酸エチルエステル2gを追加しさらに10時間加熱
する。反応溶液を減圧濃縮乾固し、残留物を1%
塩酸200ml及びクロロホルム200mlで分液する。ク
ロロホルム層を分取し無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮乾固する。残留する油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフイーにより分離精製す
る。粘稠な油状物である目的生成物8.6gを得る。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(100MHz,
CDCl3、内部標準TMS) δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.26(3H,t),1.92(3H,s),1.6〜
2.8(7H,m),2.62(3H,s),3.50(2H,
d),3.98(2H,t),4.16(2H,q),5.37
(1H,d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),
10.22(1H,s),12.52(1H,s) 目的生成物の構造 実施例 9 実施例5で得られたエステル、4―0―(1―
エトキシカルボニルエチル)アスコクロリン4.0
gを実施例4の方法と同様にして加水分解を行
い、後処理をして得られる目的物の油状の残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(メタノー
ル:クロロホルム〕1:20)で精製する。得られ
た目的生成物(3.4g)は、非結晶性の固体であ
り、融点は明瞭でない。 このもののプロトン核磁気共鳴スペクトル
(100MHz,CDCl3、内部標準TMS) δ:0.70(3H,s),0.80(3H,d),0.83(3H,
d),1.60(3H,d),1.90(3H,s),1.60〜
2.0(3H,m),2.3〜2.5(3H,m),2.63(3H,
s),3.62(2H,d),4.98(1H,q),5.37
(1H,d),5.45(1H,t),5.90(1H,d),
10.20(1H,s),10.25(1H,s),12.5(1H,
s) であり、目的生成物の構造は、 である。 実施例 10 実施例8で得たエステル体、4―0―(3―エ
トキシカルボニル)プロピルアスコクロリン5.0
gを実施例4と同様の方法で加水分解処理をして
得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(酢酸エチルエステル:クロロホルム
1:10)で精製すると、油状の目的物が得られ
る。 このもののプロトン核磁気共鳴スペクトル
(100MHz,CDCl3、内部標準TMS)は δ:0.69(3H,s),0.80(3H,d),0.80(3H,
d),1.92(3H,s),1.6〜2.8(7H,m),
2.62(3H,s),3.50(2H,d),3.98(2H,
t),5.37(1H,d),5.45(1H,t),5.90
(1H,d),10.22(1H,s),10.50(1H,
s),12.52(1H,s) である 目的生成物の構造は、 で表わされる。 実施例 11 5週令のddY系雄性マウス(n=10)に0.1%
の本発明の化合物含むを飼料(日本クレア、CE
―2)を1週間与えた。1週間後に心臓から採血
した血糖及び血清コレステロールを測定した結果
は表1のとおりである。
【表】
実施例 12
遺伝性肥満糖尿マウスC57BL/Ksj(db+/db+)
に4―0―ヒドロキシカルボニルメチルアスコク
ロリン0.1%を含む飼料を1週間与えた。この間
に飼料摂取量、飲水量、尿量及び尿糖排泄量は毎
日測定した。結果は平均値±標準誤差で示す。
に4―0―ヒドロキシカルボニルメチルアスコク
ロリン0.1%を含む飼料を1週間与えた。この間
に飼料摂取量、飲水量、尿量及び尿糖排泄量は毎
日測定した。結果は平均値±標準誤差で示す。
【表】
実施例 13
5週令のddY系雄性マウスの腹腔内にストレプ
トゾトシン130mg/Kgを注射し、1週間後に尿糖
排泄が強陽性(テステープ 、イライ、リリー
社)の個体20頭を選抜し無作為に2群に分け1群
(n=10)に4―0―エトキシカルボニルメチル
アスコクロリン0.1%を含む飼料(日本クレア、
CE―2)与え、他の1群(n=10)にCE―2を
与え1週間飼育した。この間飼料及び飲料水は自
由摂取とした。1週間後に血糖、血中インスリ
ン、同遊離脂肪酸及び肝臓クリコーゲン量を測定
した。
トゾトシン130mg/Kgを注射し、1週間後に尿糖
排泄が強陽性(テステープ 、イライ、リリー
社)の個体20頭を選抜し無作為に2群に分け1群
(n=10)に4―0―エトキシカルボニルメチル
アスコクロリン0.1%を含む飼料(日本クレア、
CE―2)与え、他の1群(n=10)にCE―2を
与え1週間飼育した。この間飼料及び飲料水は自
由摂取とした。1週間後に血糖、血中インスリ
ン、同遊離脂肪酸及び肝臓クリコーゲン量を測定
した。
【表】
【表】
実施例 14
5週令のddY系雄性マウスにエーリツヒ腹水癌
細胞106個を腹腔内に移植し、24時間後から1日
1回連続7回、本発明の化合物を1回2mgづつ腹
腔内に投与した。薬効は生存期間で評価した。
細胞106個を腹腔内に移植し、24時間後から1日
1回連続7回、本発明の化合物を1回2mgづつ腹
腔内に投与した。薬効は生存期間で評価した。
【表】
実施例 15
4週令のBDF1雌性マウスの腹腔内に4―0―
ヒドロキシカルボニルメチルアスコクロリン2mg
を1%トラガカントゴム液に懸濁して注射した。
対照群には1%トラガカントゴム液のみを与え
た。1週間後にL―1210白血病細胞102個をマウ
ス腹腔内に移植した。結果は表に示すとおりであ
る。
ヒドロキシカルボニルメチルアスコクロリン2mg
を1%トラガカントゴム液に懸濁して注射した。
対照群には1%トラガカントゴム液のみを与え
た。1週間後にL―1210白血病細胞102個をマウ
ス腹腔内に移植した。結果は表に示すとおりであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中Rは水素原子又は低級アルキル基を意味
し、nは1〜5の整数を意味する) で表わされるアスコクロリン誘導体。
Priority Applications (15)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14166081A JPS5843938A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | アスコクロリン誘導体 |
| US06/412,075 US4500544A (en) | 1981-09-10 | 1982-08-27 | Ascochlorin derivatives, and pharmaceutical composition containing the same |
| CA000410511A CA1192557A (en) | 1981-09-10 | 1982-08-31 | Ascochlorin derivatives, process for preparing the same and pharmaceutical composition containing the same |
| ZA826528A ZA826528B (en) | 1981-09-10 | 1982-09-07 | Ascochlorin derivatives,process for preparing the same and pharmaceutical composition containing the same |
| MX194321A MX157777A (es) | 1981-09-10 | 1982-09-08 | Procedimiento para la preparacion de derivados de ascoclorina |
| CS826526A CS244911B2 (en) | 1981-09-10 | 1982-09-09 | Production method of askochlorine derivatives |
| AT82108325T ATE20052T1 (de) | 1981-09-10 | 1982-09-09 | Ascochlorinderivate, verfahren zu deren herstellung und pharmazeutische zusammensetzungen die sie enthalten. |
| CS843644A CS245791B2 (cs) | 1981-09-10 | 1982-09-09 | Způsob výroby derivátů askochlorinu |
| DE8282108325T DE3271383D1 (en) | 1981-09-10 | 1982-09-09 | Ascochlorin derivatives; process for preparing the same and pharmaceutical composition containing the same |
| EP82108325A EP0074628B1 (en) | 1981-09-10 | 1982-09-09 | Ascochlorin derivatives; process for preparing the same and pharmaceutical composition containing the same |
| ES515648A ES8400382A1 (es) | 1981-09-10 | 1982-09-10 | Un derivado de ascoclorina |
| KR8204108A KR880002433B1 (ko) | 1981-09-10 | 1982-09-10 | 아스코크롤린 유도체의 제법 |
| ES522459A ES522459A0 (es) | 1981-09-10 | 1983-05-16 | Un procedimiento para la preparacion de un derivado de ascoclorina. |
| AR84295905A AR242373A1 (es) | 1981-09-10 | 1984-03-02 | Procedimiento de preparacion de un derivado de ascoclorina. |
| US06/607,400 US4542143A (en) | 1981-09-10 | 1984-05-03 | Pyridyl carbonyl ascochlorin derivatives and pharmaceutical compositions containing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14166081A JPS5843938A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | アスコクロリン誘導体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5843938A JPS5843938A (ja) | 1983-03-14 |
| JPH0141624B2 true JPH0141624B2 (ja) | 1989-09-06 |
Family
ID=15297203
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14166081A Granted JPS5843938A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | アスコクロリン誘導体 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5843938A (ja) |
| ZA (1) | ZA826528B (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6220426A (ja) * | 1985-07-19 | 1987-01-29 | Nec Corp | ルビジウム原子発振器 |
| JPS6317823A (ja) * | 1986-07-10 | 1988-01-25 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | 抗固形腫瘍剤 |
| JP4553569B2 (ja) * | 2003-10-06 | 2010-09-29 | アリジェン製薬株式会社 | フェノール系誘導体を有効成分とするクリプトスポリジウム症の予防・治療剤 |
-
1981
- 1981-09-10 JP JP14166081A patent/JPS5843938A/ja active Granted
-
1982
- 1982-09-07 ZA ZA826528A patent/ZA826528B/xx unknown
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5843938A (ja) | 1983-03-14 |
| ZA826528B (en) | 1983-12-28 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0930310B1 (en) | Isocoumarin derivatives and use thereof in drugs | |
| US10710987B2 (en) | Hydrochloride salt form for EZH2 inhibition | |
| US8435962B2 (en) | Triacetyl-3-hydroxyphenyladenosine and its use for regulating blood fat | |
| JP2010504919A (ja) | 13,13a−ジヒドロベルベリン誘導体及びその医薬組成物と用途 | |
| JP2003012686A (ja) | ピラゾール誘導体 | |
| KR880002433B1 (ko) | 아스코크롤린 유도체의 제법 | |
| US10617679B2 (en) | Deuterated compounds and medical uses thereof | |
| JPH0141624B2 (ja) | ||
| US4843093A (en) | Butyrolactone derivatives, process for production thereof and use therefor | |
| GB2193210A (en) | Glycine derivatives | |
| JP3225518B2 (ja) | ベンゾピラン誘導体並びにそれを有効成分とする抗アレルギー剤 | |
| JPH0686436B2 (ja) | 新規ヒダントイン誘導体及び該化合物を含有する医薬組成物 | |
| US20050009909A1 (en) | Carboxylic compound and medicine comprising the same | |
| US4288441A (en) | Nicotinoyl pantetheine derivatives | |
| JP3049816B2 (ja) | 強心薬 | |
| KR20190090729A (ko) | 토파시티닙의 신규 염, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 약학 조성물 | |
| JPH0440356B2 (ja) | ||
| CN102040603A (zh) | 溴化n-邻甲氧羰基苄基四氢小檗碱及其治疗高血脂症的用途 | |
| US20240140950A1 (en) | NITROGEN-CONTAINING POLYCYCLIC AROMATIC COMPOUND, and PREPARATION METHOD AND APPLICATION THEREOF | |
| JPH036138B2 (ja) | ||
| KR100198491B1 (ko) | 신규 수용성 ddb 유도체 및 그 제조방법 | |
| CN106995441A (zh) | 咪唑酮类化合物的晶型、其制备方法、药物组合物和用途 | |
| JP2778043B2 (ja) | 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 | |
| JPH075460B2 (ja) | 制癌剤 | |
| CN112707895A (zh) | 一种异吲哚啉衍生类化合物、制备方法及应用 |