JPH0143683B2 - - Google Patents
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- JPH0143683B2 JPH0143683B2 JP58171765A JP17176583A JPH0143683B2 JP H0143683 B2 JPH0143683 B2 JP H0143683B2 JP 58171765 A JP58171765 A JP 58171765A JP 17176583 A JP17176583 A JP 17176583A JP H0143683 B2 JPH0143683 B2 JP H0143683B2
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- acicular
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Description
本発明は、新規な針状粒子、その製法及びそれ
から成る磁性材料、特に炭化鉄を含有する針状粒
子であつて、高保磁力及び磁場配向性を有する針
状粒子に関する。 現在、一般に磁気記録用磁性材料は、通常、酸
化鉄をベースとする針状粒子が用いられ、保磁力
(Hc)がせいぜい400Oe程度である。しかし、最
近は、ますます高性能な磁性材料が要求されてお
り、記録密度を上げるために磁場配向性があつて
より高い保磁力を有するものが要求されている。
かかる要求に応ずるものとして、針状酸化鉄を水
素により還元して得られる金属鉄粒子あるいはコ
バルトにより変性した針状酸化鉄粒子等が知られ
ている。しかしながら、前者は、化学的に極めて
活性で、例えば大気中で容易に酸化される性質を
有する。そのため、製造、貯蔵及び輸送時に特別
な配慮を必要とするなど取扱いが面倒であり、極
めて高価である。後者は、コバルトを成分とする
ため高価となるばかりでなく、保磁力が経時的に
変化し、これが温度変化により促進されるなど化
学的及び熱的に不安定である。 本発明の目的は高保磁力及び優れた磁場配向性
を有する針状粒子及びこれを含有する磁性材料を
提供することにある。 また本発明の目的は化学的、熱的に安定で取扱
い性が良好な針状粒子及びこれを含有する磁性材
料を提供することにある。 更に本発明の目的は安価で製造容易な針状粒子
及びこれを含有する磁性材料を提供することにあ
る。 本発明は平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜
1.0μmである炭化鉄を含有する針状粒子及びこれ
を含有する磁性材料であり、この針状粒子は例え
ば平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜1.0μmで
ある針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄をCO又
はこれとH2との混合物と接触させることにより
得られる。 従来ただ単に、炭化鉄を磁性材料として使用す
ることは、知られているが、球状粒子で実用化に
ほど遠いものである。すなわち、米国特許第
3572993号には、鉄カルボニルの蒸気凝集体にCO
又はこれとH2との混合物を接触させて得た平均
粒径約0.005〜0.1μmの球状炭化鉄を磁気記録用
材料として使用することができることが記載され
ている。しかしながら、保磁力は500〜700Oe
(iHc)と比較的高いものが得られているが、球
状粒子であるがため、磁場配向性を有せず良好な
角型比の磁気記録媒体の製造に適しないものであ
る。 本発明の針状粒子の特徴を挙げると次のとおり
である。 第一に、高保磁力を有することである。例えば
1000Oe以上とすることができる。 第二に、磁場配向性を有することである。これ
により酸化ヒステリシス曲線の角型比を向上させ
残留磁束密度の大きい磁気記録媒体の原料とする
ことができる。 第三に、化学的及び熱的に安定であることであ
る。本発明の針状粒子は、金属鉄粒子のように空
気により酸化を受けるようなことがなく、化学的
に安定である。またコバルト変性針状酸化鉄のよ
うに経時変化をするようなことがなく、本発明の
針状粒子は、はるかに安定した保磁力などの性能
を有する。従つて取扱いが容易で貯蔵、輸送等に
より変質しないのみならず、記録材料として使用
するに当つて安定した品質の保持が期待される。 第四に、安価である。本発明の針状粒子は、金
属鉄針状粒子のような取扱い上の配慮が不要なた
め低コストとすることができ、コバルト変性酸化
鉄のような高価なコバルトを必ずしも必須成分と
する必要はない。 第五に、容易に製造することができる。例えば
針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄をCOと接触
させて製造する場合において、接触温度が400℃
以下で反応時間も10時間以内という温和な製造条
件下で製造することができる。 第六に、針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄を
原料として製造された本発明の針状粒子は、これ
らから誘導される針状酸化鉄例えば針状Fe3O4ま
たはこれを酸化して得られる針状Fe2O3よりも高
い保磁力を有することである。すなわち、針状酸
化鉄に比し磁気特性の改良されたものとなること
である。 本発明の針状粒子は、一次粒子の平均軸比(長
軸/短軸)が通常3以上であり、好適には3〜
20、平均粒径(長軸)が通常2μm以下、好適に
は0.1〜2μm、最適には0.1〜1.0μmである。 ここにおいて、一次粒子というのは、電子顕微
鏡(3000〜6000倍)で観察して識別し得る粒子を
いい、例えば、本発明の針状粒子の粒子構造の電
子顕微鏡写真(6000倍)を示す第1図に見られる
ように微小の細長い粒子が束となつたものが折り
重なつているが、その束を構成する一つ一つの粒
子が一次粒子である。 また本発明の針状粒子に含有される炭化鉄は、
Fe5C2、Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)のそれぞれ単独
又は2種以上の混合物であり、FexC(2x<
3)と表示するのが適切である。一般に炭化鉄の
存在は、X線回折パターンを、既知の化学式で表
示された炭化鉄のX線回折パターン(例えば、
ASTMのX−Ray Powder Date Fileに記載さ
れたもの)と照合することによつて確認すること
ができる。しかし、個々の炭化鉄相互間のX線回
折パターンの差異は、僅少であるので、主成分の
炭化鉄の確認は可能であるが、微量に存在する他
の炭化鉄の確認は殆ど不可能である。もつとも、
微量に併存する炭化鉄は、磁気特性等について影
響はないので、無視することができる。好ましい
態様では、X線回折パターンにおいて面間隔が
2.28Å、2.20Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åを示す
ものである。かかる炭化鉄は、Fe5C2に相当する
と考えられ、Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)、Fe3C等が
共存することがある。 また、本発明の針状粒子における炭化鉄の含有
量は、20重量%以上のとき針状粒子の保磁力が
450Oe以上を有して好ましく、50重量%以上のと
きは保磁力が850Oe以上を有して更に好ましい。
炭化鉄の含有量は、先にも述べたように含有され
る炭化鉄のすべての種類を確認することが殆ど不
可能であり、更にそれらを単離することも一般に
不可能であるので、存在が確認できる主成分の炭
化鉄について化学式を定め、必要があれば、炭化
鉄以外の成分について化学式を定め、例えば
Fe3O4等と定め、これらの化学式、元素分析及び
灼熱増量を総合して求めることができる。 また本発明の針状粒子は、炭化鉄のみを成分と
するものはもちろん、それ以外の成分を含有する
ものも包含される。炭化鉄以外の成分としては、
製造原料に由来する成分、例えば酸化鉄等、製造
過程に由来するもの、例えば元素炭素、その他製
造原料に対する添加物に由来する銅、マグネシウ
ム、マンガン、ニツケル、コバルト等の炭化物若
しくは酸化物等、カリウム、ナトリウム等の炭酸
塩若しくは酸化物等及び/又は硅素等の酸化物等
がある。 本発明の針状粒子の好適な製法は、針状オキシ
水酸化鉄又は針状酸化鉄をCO又はこれとH2との
混合物と接触させることである。 針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄は、平均軸
比が3以上のものが通常であり、3〜20のもの好
適であり、平均粒径(長軸)は、通常2μm以下、
好適には0.1〜2μm、最適にはが0.1〜1.0μmであ
る。後にも述べるように、製造される針状粒子
は、平均軸比及び平均粒径が、これらの原料のそ
れらと比較して若干小さくなるが殆ど変らず、先
にも述べたように、本発明の針状粒子一般につい
て通常このようなものが好適であるからである。 針状オキシ水酸化鉄は、針状α−FeOOH(ゲ
ーサイト)又は針状γ−FeOOH(レピドクロサ
イト)が好ましく、針状酸化鉄は、針状α−
Fe2O3(ヘマタイト)、針状γ−Fe2O3(マグヘマイ
ト)又は針状Fe3O4(マグネタイト)が好ましい。 上記の針状α−Fe2O3又は針状γ−Fe2O3とし
ては、例えば針状α−FeOOH又は針状γ−
FeOOHをそれぞれ約200〜350℃に加熱及び脱水
して得られたもの、あるいはこれらを更に約350
〜900℃に加熱して結晶の緻密化を図つた針状α
−Fe2O3等あらゆるものが用いられる。 前記の針状Fe3O4は、針状Fe3O4以外の針状酸
化鉄又は針状オキシ水酸化鉄をCO、H2又はこれ
らの混合物と接触させることによつて製造するこ
とができる。もつとも、前記の針状Fe3O4は、こ
の製法によつて製造されたものに限定されるもの
ではない。特別な場合として、CO又はこれとH2
との混合物を針状オキシ水酸化鉄又は針状Fe3O4
以外の針状酸化鉄と接触させて針状Fe3O4を製造
する場合、後述の本発明の好適な製法における接
触条件と比較して、時間に関する以外同一の接触
条件にすることができる。その場合は、針状
Fe3O4の製造に引き続き同一条件で接触を継続し
て目的とする本発明の針状粒子を製造することが
できる。 また、本発明の針状粒子の好適な製法における
針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄は、形状が針
状であり、主成分がオキシ水酸化鉄又は酸化鉄で
ある限り、少量の銅、マグネシウム、マンガン、
ニツケル、コバルト等の酸化物、炭酸塩等の化合
物及び/又は珪素等の酸化物、カリウム塩、ナト
リウム塩等の化合物を添加して成るものであつて
もよい。 CO又はこれとH2との混合物は、希釈してある
いは希釈せずに使用することができ、希釈剤とし
ては、例えばN2、CO2、アルゴン、ヘリウム等
を挙げることができる。COとH2の混合物を用い
るとき、その混合比は適宜に選択することができ
るが、通常はCO/H2(容量比)=1/0.05〜1/
5とするのが好ましい。また希釈率は任意に選択
でき、例えば約1.1〜10倍(容量比)に希釈する
のが好ましい。接触温度、接触時間、CO又はこ
れとH2との混合物の流速等の接触条件は、例え
ば針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄の製造履
歴、平均軸比、平均粒径、比表面積、CO又はこ
れとH2との混合物の希釈比等に応じ変動するた
め、適宜選択するのがよい。好ましい接触温度
は、約300〜400℃、好ましい接触時間は針状
Fe3O4に対して約1〜10時間、その他の針状酸化
鉄又は針状オキシ水酸化鉄に対してはFe3O4に還
元された後、更に約1〜10時間、好ましいCO又
はこれとH2との混合物の流速は、原料の針状オ
キシ水酸化鉄等1g当り約1〜1000mlS.T.P./分
である。なお、接触圧力は、希釈されたCO又は
これとH2との混合物を用いる場合は希釈剤をも
含めて、1〜2気圧が常用されるが、特に制限は
ない。 前記の好適な製法で得られる粒子は、電子顕微
鏡で観察すると、例えば第1図に示すように、平
均的に一様な針状粒子であり、原料の針状オキシ
水酸化鉄又は針状酸化鉄の針状粒子と同形状で、
これらの形骸粒子であり、これが一次粒子となつ
て存在している。また、前記好適な製法で得られ
る針状粒子は、元素分析により炭素を含有し、更
にX線回折パターンにより炭化鉄を含有すること
が明らかである。X線回折パターンは面間隔が
2.28Å、2.20Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åを示
す。かかるパターンは、Fe5C2に相当し、本発明
の炭化鉄は通常は主としてFe5C2からなるが、
Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)、Fe3C等が共存すること
がある。 また、炭化が不完全な場合、前記好適な製法で
得られる針状粒子は酸化鉄、主としてFe3O4をも
含有する。一般に、酸化鉄については、FeO、
Fe3O4及びγ−Fe2O3が構造的に関連があり、こ
れら3者とも酸素原子は、立方最密詰込み構造を
有しており、現実に存在するFe3O4は、これらの
幅で変動することから上記の酸化鉄は、FeOy(1
<y1.5)で示すのが適切である。 また、前記好適な製法で得られる針状粒子は、
炭化鉄又は場合により酸化鉄を含有するが、C、
H及びNの元素分析値を参照すると、通常、X線
回折パターンで確認される炭化鉄の化学式で計算
される炭素量よりも炭素を過剰に含有する。かか
る過剰の炭素は、鉄と結合して存在するか遊離の
炭素として存在するか不明である。この意味にお
いて、前記好適な製法で得られる針状粒子には、
元素炭素が存在することがある。したがつて、前
記の好適な製法で得られる粒子は、一次粒子とし
ての形状が平均軸比3以上の、実質的に炭化鉄か
ら成る針状粒子又は炭化鉄と、酸化鉄又は/及び
元素炭素である針状粒子である。 しかして、前記好適な製法で得られる針状粒子
における炭化鉄及び酸化鉄の含有量は、X線回折
分析で検出されるそれぞれの主成分であるFe5C2
及びFe3O4を炭化鉄及び酸化鉄の化学式と定め、
更に元素分析及び灼熱増量により求めることがで
きる。炭化鉄の含有量は20重量%以上が好まし
く、50重量%以上が更に好ましい。また酸化鉄は
70重量%以下が好ましく、40重量%以下が更に好
ましい。 また、前記好適な製法で得られる針状粒子の平
均軸比及び平均粒径は、原料の針状オキシ水酸化
鉄又は針状酸化鉄のそれらと比較して若干小さく
なるが殆んど差はない。したがつて、この製法で
得られる針状粒子の平均軸比は、通常3以上、好
適には3〜20であり、平均粒径(長軸)は、通常
2μm以下、好適には0.1〜2μm、最適には0.1〜
1.0μmである。 平均軸比及び平均粒径が上記範囲の場合は、そ
れ以外の数値のものと比較してFe5C2の含有率等
の炭化条件を同一とした場合、保磁力等の磁気特
性において優れている。 前記好適な製法で得られる針状粒子は、酸化鉄
が存在する場合、針状オキシ水酸化鉄又は針状酸
化鉄をCO又はこれとH2との混合物と一様に接触
させるという固気反応の結果生成したものであ
り、生成針状粒子の形状が原料の針状オキシ水酸
化鉄等の形状と殆ど変らないことから、該生成針
状粒子においては、炭化鉄又は炭化鉄及び元素炭
素は、表面部分に全部ないし大部分存在し、酸化
鉄は全部ないし大部分が内部に存在するものと推
定される。 本発明の炭化鉄を含有する針状粒子は、前述の
特徴等から明らかなとおり、磁気記録用磁性材料
として用いることができるが、これに限られるも
のではなく、低級脂肪族炭化水素のCOとH2とか
らの合成のための触媒等として用いることもでき
る。 以下に実施例を挙げて詳しく説明する。 実施例において、各種特性等はそれぞれ次の方
法によつて求めた。 (1) 磁気特性 特別に記載がない限り次の方法によつて求め
る。 ホール素子を用いたガウスメーターにより試
料充填率0.2で、測定磁場5kOeで、保磁力Hc、
残留磁束密度Brおよび飽和磁束密度Bmを測定
する。 (2) C、H及びNの元素分析 元素分析は(株)柳本製作所製のMT2 CHN
CORDER Yanacoを使用し、900℃で酸素(ヘ
リウムキヤリヤ)を通じることにより常法に従
つて行う。 (3) 組成の求め方 酸化鉄および炭化鉄の化学式をX線回折分析
により求めて、Cの元素分析値および次に述べ
る加熱処理による重量増から求めた。例えば
Fe3O4はその重量の1.035倍に相当するFe2O3
に、またFe5C2はその重量の1.317倍に相当する
Fe2O3に変化するものとして計算を行なう。加
熱処理による重量増は、試料を白金るつぼに入
れてマツフル炉により600℃で1時間加熱処理
し、X線回折によりα−Fe2O3の存在を確認し
て、常法に従つて加熱処理による重量増を求め
る。 更に具体的に述べるとFe5C2、Fe3O4及び元
素炭素の組成割合をそれぞれx、y及びz重量
%、炭素分析値及び加熱処理による重量増をそ
れぞれA及びB重量%とすると、x、y及びz
は下記の3元方程式より求めることができる。 x+y+z=100 1.317x+1.035y=100+B z+0.079x=A 実施例 1 平均粒径0.7μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子2gを磁性ボートに入れて
管状炉に挿入し、窒素を流して空気を置換した
後、340℃に昇温し、その温度でCO/N2(30/70
容量比)の混合ガスを毎分75mlの流速で流しなが
ら、5時間処理し、その後室温まで放冷した。黒
色の針状粉末を得た。 生成物のX線回折パターンは、第2図のとおり
であり、ASTMのX−Ray Powder Data
File20−509のFe5C2 Iron Carbideと一致した。
表1に、第2図におけるピークの面間隔(dÅ)
及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−Ray
Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
から成る磁性材料、特に炭化鉄を含有する針状粒
子であつて、高保磁力及び磁場配向性を有する針
状粒子に関する。 現在、一般に磁気記録用磁性材料は、通常、酸
化鉄をベースとする針状粒子が用いられ、保磁力
(Hc)がせいぜい400Oe程度である。しかし、最
近は、ますます高性能な磁性材料が要求されてお
り、記録密度を上げるために磁場配向性があつて
より高い保磁力を有するものが要求されている。
かかる要求に応ずるものとして、針状酸化鉄を水
素により還元して得られる金属鉄粒子あるいはコ
バルトにより変性した針状酸化鉄粒子等が知られ
ている。しかしながら、前者は、化学的に極めて
活性で、例えば大気中で容易に酸化される性質を
有する。そのため、製造、貯蔵及び輸送時に特別
な配慮を必要とするなど取扱いが面倒であり、極
めて高価である。後者は、コバルトを成分とする
ため高価となるばかりでなく、保磁力が経時的に
変化し、これが温度変化により促進されるなど化
学的及び熱的に不安定である。 本発明の目的は高保磁力及び優れた磁場配向性
を有する針状粒子及びこれを含有する磁性材料を
提供することにある。 また本発明の目的は化学的、熱的に安定で取扱
い性が良好な針状粒子及びこれを含有する磁性材
料を提供することにある。 更に本発明の目的は安価で製造容易な針状粒子
及びこれを含有する磁性材料を提供することにあ
る。 本発明は平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜
1.0μmである炭化鉄を含有する針状粒子及びこれ
を含有する磁性材料であり、この針状粒子は例え
ば平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜1.0μmで
ある針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄をCO又
はこれとH2との混合物と接触させることにより
得られる。 従来ただ単に、炭化鉄を磁性材料として使用す
ることは、知られているが、球状粒子で実用化に
ほど遠いものである。すなわち、米国特許第
3572993号には、鉄カルボニルの蒸気凝集体にCO
又はこれとH2との混合物を接触させて得た平均
粒径約0.005〜0.1μmの球状炭化鉄を磁気記録用
材料として使用することができることが記載され
ている。しかしながら、保磁力は500〜700Oe
(iHc)と比較的高いものが得られているが、球
状粒子であるがため、磁場配向性を有せず良好な
角型比の磁気記録媒体の製造に適しないものであ
る。 本発明の針状粒子の特徴を挙げると次のとおり
である。 第一に、高保磁力を有することである。例えば
1000Oe以上とすることができる。 第二に、磁場配向性を有することである。これ
により酸化ヒステリシス曲線の角型比を向上させ
残留磁束密度の大きい磁気記録媒体の原料とする
ことができる。 第三に、化学的及び熱的に安定であることであ
る。本発明の針状粒子は、金属鉄粒子のように空
気により酸化を受けるようなことがなく、化学的
に安定である。またコバルト変性針状酸化鉄のよ
うに経時変化をするようなことがなく、本発明の
針状粒子は、はるかに安定した保磁力などの性能
を有する。従つて取扱いが容易で貯蔵、輸送等に
より変質しないのみならず、記録材料として使用
するに当つて安定した品質の保持が期待される。 第四に、安価である。本発明の針状粒子は、金
属鉄針状粒子のような取扱い上の配慮が不要なた
め低コストとすることができ、コバルト変性酸化
鉄のような高価なコバルトを必ずしも必須成分と
する必要はない。 第五に、容易に製造することができる。例えば
針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄をCOと接触
させて製造する場合において、接触温度が400℃
以下で反応時間も10時間以内という温和な製造条
件下で製造することができる。 第六に、針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄を
原料として製造された本発明の針状粒子は、これ
らから誘導される針状酸化鉄例えば針状Fe3O4ま
たはこれを酸化して得られる針状Fe2O3よりも高
い保磁力を有することである。すなわち、針状酸
化鉄に比し磁気特性の改良されたものとなること
である。 本発明の針状粒子は、一次粒子の平均軸比(長
軸/短軸)が通常3以上であり、好適には3〜
20、平均粒径(長軸)が通常2μm以下、好適に
は0.1〜2μm、最適には0.1〜1.0μmである。 ここにおいて、一次粒子というのは、電子顕微
鏡(3000〜6000倍)で観察して識別し得る粒子を
いい、例えば、本発明の針状粒子の粒子構造の電
子顕微鏡写真(6000倍)を示す第1図に見られる
ように微小の細長い粒子が束となつたものが折り
重なつているが、その束を構成する一つ一つの粒
子が一次粒子である。 また本発明の針状粒子に含有される炭化鉄は、
Fe5C2、Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)のそれぞれ単独
又は2種以上の混合物であり、FexC(2x<
3)と表示するのが適切である。一般に炭化鉄の
存在は、X線回折パターンを、既知の化学式で表
示された炭化鉄のX線回折パターン(例えば、
ASTMのX−Ray Powder Date Fileに記載さ
れたもの)と照合することによつて確認すること
ができる。しかし、個々の炭化鉄相互間のX線回
折パターンの差異は、僅少であるので、主成分の
炭化鉄の確認は可能であるが、微量に存在する他
の炭化鉄の確認は殆ど不可能である。もつとも、
微量に併存する炭化鉄は、磁気特性等について影
響はないので、無視することができる。好ましい
態様では、X線回折パターンにおいて面間隔が
2.28Å、2.20Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åを示す
ものである。かかる炭化鉄は、Fe5C2に相当する
と考えられ、Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)、Fe3C等が
共存することがある。 また、本発明の針状粒子における炭化鉄の含有
量は、20重量%以上のとき針状粒子の保磁力が
450Oe以上を有して好ましく、50重量%以上のと
きは保磁力が850Oe以上を有して更に好ましい。
炭化鉄の含有量は、先にも述べたように含有され
る炭化鉄のすべての種類を確認することが殆ど不
可能であり、更にそれらを単離することも一般に
不可能であるので、存在が確認できる主成分の炭
化鉄について化学式を定め、必要があれば、炭化
鉄以外の成分について化学式を定め、例えば
Fe3O4等と定め、これらの化学式、元素分析及び
灼熱増量を総合して求めることができる。 また本発明の針状粒子は、炭化鉄のみを成分と
するものはもちろん、それ以外の成分を含有する
ものも包含される。炭化鉄以外の成分としては、
製造原料に由来する成分、例えば酸化鉄等、製造
過程に由来するもの、例えば元素炭素、その他製
造原料に対する添加物に由来する銅、マグネシウ
ム、マンガン、ニツケル、コバルト等の炭化物若
しくは酸化物等、カリウム、ナトリウム等の炭酸
塩若しくは酸化物等及び/又は硅素等の酸化物等
がある。 本発明の針状粒子の好適な製法は、針状オキシ
水酸化鉄又は針状酸化鉄をCO又はこれとH2との
混合物と接触させることである。 針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄は、平均軸
比が3以上のものが通常であり、3〜20のもの好
適であり、平均粒径(長軸)は、通常2μm以下、
好適には0.1〜2μm、最適にはが0.1〜1.0μmであ
る。後にも述べるように、製造される針状粒子
は、平均軸比及び平均粒径が、これらの原料のそ
れらと比較して若干小さくなるが殆ど変らず、先
にも述べたように、本発明の針状粒子一般につい
て通常このようなものが好適であるからである。 針状オキシ水酸化鉄は、針状α−FeOOH(ゲ
ーサイト)又は針状γ−FeOOH(レピドクロサ
イト)が好ましく、針状酸化鉄は、針状α−
Fe2O3(ヘマタイト)、針状γ−Fe2O3(マグヘマイ
ト)又は針状Fe3O4(マグネタイト)が好ましい。 上記の針状α−Fe2O3又は針状γ−Fe2O3とし
ては、例えば針状α−FeOOH又は針状γ−
FeOOHをそれぞれ約200〜350℃に加熱及び脱水
して得られたもの、あるいはこれらを更に約350
〜900℃に加熱して結晶の緻密化を図つた針状α
−Fe2O3等あらゆるものが用いられる。 前記の針状Fe3O4は、針状Fe3O4以外の針状酸
化鉄又は針状オキシ水酸化鉄をCO、H2又はこれ
らの混合物と接触させることによつて製造するこ
とができる。もつとも、前記の針状Fe3O4は、こ
の製法によつて製造されたものに限定されるもの
ではない。特別な場合として、CO又はこれとH2
との混合物を針状オキシ水酸化鉄又は針状Fe3O4
以外の針状酸化鉄と接触させて針状Fe3O4を製造
する場合、後述の本発明の好適な製法における接
触条件と比較して、時間に関する以外同一の接触
条件にすることができる。その場合は、針状
Fe3O4の製造に引き続き同一条件で接触を継続し
て目的とする本発明の針状粒子を製造することが
できる。 また、本発明の針状粒子の好適な製法における
針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄は、形状が針
状であり、主成分がオキシ水酸化鉄又は酸化鉄で
ある限り、少量の銅、マグネシウム、マンガン、
ニツケル、コバルト等の酸化物、炭酸塩等の化合
物及び/又は珪素等の酸化物、カリウム塩、ナト
リウム塩等の化合物を添加して成るものであつて
もよい。 CO又はこれとH2との混合物は、希釈してある
いは希釈せずに使用することができ、希釈剤とし
ては、例えばN2、CO2、アルゴン、ヘリウム等
を挙げることができる。COとH2の混合物を用い
るとき、その混合比は適宜に選択することができ
るが、通常はCO/H2(容量比)=1/0.05〜1/
5とするのが好ましい。また希釈率は任意に選択
でき、例えば約1.1〜10倍(容量比)に希釈する
のが好ましい。接触温度、接触時間、CO又はこ
れとH2との混合物の流速等の接触条件は、例え
ば針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄の製造履
歴、平均軸比、平均粒径、比表面積、CO又はこ
れとH2との混合物の希釈比等に応じ変動するた
め、適宜選択するのがよい。好ましい接触温度
は、約300〜400℃、好ましい接触時間は針状
Fe3O4に対して約1〜10時間、その他の針状酸化
鉄又は針状オキシ水酸化鉄に対してはFe3O4に還
元された後、更に約1〜10時間、好ましいCO又
はこれとH2との混合物の流速は、原料の針状オ
キシ水酸化鉄等1g当り約1〜1000mlS.T.P./分
である。なお、接触圧力は、希釈されたCO又は
これとH2との混合物を用いる場合は希釈剤をも
含めて、1〜2気圧が常用されるが、特に制限は
ない。 前記の好適な製法で得られる粒子は、電子顕微
鏡で観察すると、例えば第1図に示すように、平
均的に一様な針状粒子であり、原料の針状オキシ
水酸化鉄又は針状酸化鉄の針状粒子と同形状で、
これらの形骸粒子であり、これが一次粒子となつ
て存在している。また、前記好適な製法で得られ
る針状粒子は、元素分析により炭素を含有し、更
にX線回折パターンにより炭化鉄を含有すること
が明らかである。X線回折パターンは面間隔が
2.28Å、2.20Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åを示
す。かかるパターンは、Fe5C2に相当し、本発明
の炭化鉄は通常は主としてFe5C2からなるが、
Fe2C、Fe20C9(Fe2.2C)、Fe3C等が共存すること
がある。 また、炭化が不完全な場合、前記好適な製法で
得られる針状粒子は酸化鉄、主としてFe3O4をも
含有する。一般に、酸化鉄については、FeO、
Fe3O4及びγ−Fe2O3が構造的に関連があり、こ
れら3者とも酸素原子は、立方最密詰込み構造を
有しており、現実に存在するFe3O4は、これらの
幅で変動することから上記の酸化鉄は、FeOy(1
<y1.5)で示すのが適切である。 また、前記好適な製法で得られる針状粒子は、
炭化鉄又は場合により酸化鉄を含有するが、C、
H及びNの元素分析値を参照すると、通常、X線
回折パターンで確認される炭化鉄の化学式で計算
される炭素量よりも炭素を過剰に含有する。かか
る過剰の炭素は、鉄と結合して存在するか遊離の
炭素として存在するか不明である。この意味にお
いて、前記好適な製法で得られる針状粒子には、
元素炭素が存在することがある。したがつて、前
記の好適な製法で得られる粒子は、一次粒子とし
ての形状が平均軸比3以上の、実質的に炭化鉄か
ら成る針状粒子又は炭化鉄と、酸化鉄又は/及び
元素炭素である針状粒子である。 しかして、前記好適な製法で得られる針状粒子
における炭化鉄及び酸化鉄の含有量は、X線回折
分析で検出されるそれぞれの主成分であるFe5C2
及びFe3O4を炭化鉄及び酸化鉄の化学式と定め、
更に元素分析及び灼熱増量により求めることがで
きる。炭化鉄の含有量は20重量%以上が好まし
く、50重量%以上が更に好ましい。また酸化鉄は
70重量%以下が好ましく、40重量%以下が更に好
ましい。 また、前記好適な製法で得られる針状粒子の平
均軸比及び平均粒径は、原料の針状オキシ水酸化
鉄又は針状酸化鉄のそれらと比較して若干小さく
なるが殆んど差はない。したがつて、この製法で
得られる針状粒子の平均軸比は、通常3以上、好
適には3〜20であり、平均粒径(長軸)は、通常
2μm以下、好適には0.1〜2μm、最適には0.1〜
1.0μmである。 平均軸比及び平均粒径が上記範囲の場合は、そ
れ以外の数値のものと比較してFe5C2の含有率等
の炭化条件を同一とした場合、保磁力等の磁気特
性において優れている。 前記好適な製法で得られる針状粒子は、酸化鉄
が存在する場合、針状オキシ水酸化鉄又は針状酸
化鉄をCO又はこれとH2との混合物と一様に接触
させるという固気反応の結果生成したものであ
り、生成針状粒子の形状が原料の針状オキシ水酸
化鉄等の形状と殆ど変らないことから、該生成針
状粒子においては、炭化鉄又は炭化鉄及び元素炭
素は、表面部分に全部ないし大部分存在し、酸化
鉄は全部ないし大部分が内部に存在するものと推
定される。 本発明の炭化鉄を含有する針状粒子は、前述の
特徴等から明らかなとおり、磁気記録用磁性材料
として用いることができるが、これに限られるも
のではなく、低級脂肪族炭化水素のCOとH2とか
らの合成のための触媒等として用いることもでき
る。 以下に実施例を挙げて詳しく説明する。 実施例において、各種特性等はそれぞれ次の方
法によつて求めた。 (1) 磁気特性 特別に記載がない限り次の方法によつて求め
る。 ホール素子を用いたガウスメーターにより試
料充填率0.2で、測定磁場5kOeで、保磁力Hc、
残留磁束密度Brおよび飽和磁束密度Bmを測定
する。 (2) C、H及びNの元素分析 元素分析は(株)柳本製作所製のMT2 CHN
CORDER Yanacoを使用し、900℃で酸素(ヘ
リウムキヤリヤ)を通じることにより常法に従
つて行う。 (3) 組成の求め方 酸化鉄および炭化鉄の化学式をX線回折分析
により求めて、Cの元素分析値および次に述べ
る加熱処理による重量増から求めた。例えば
Fe3O4はその重量の1.035倍に相当するFe2O3
に、またFe5C2はその重量の1.317倍に相当する
Fe2O3に変化するものとして計算を行なう。加
熱処理による重量増は、試料を白金るつぼに入
れてマツフル炉により600℃で1時間加熱処理
し、X線回折によりα−Fe2O3の存在を確認し
て、常法に従つて加熱処理による重量増を求め
る。 更に具体的に述べるとFe5C2、Fe3O4及び元
素炭素の組成割合をそれぞれx、y及びz重量
%、炭素分析値及び加熱処理による重量増をそ
れぞれA及びB重量%とすると、x、y及びz
は下記の3元方程式より求めることができる。 x+y+z=100 1.317x+1.035y=100+B z+0.079x=A 実施例 1 平均粒径0.7μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子2gを磁性ボートに入れて
管状炉に挿入し、窒素を流して空気を置換した
後、340℃に昇温し、その温度でCO/N2(30/70
容量比)の混合ガスを毎分75mlの流速で流しなが
ら、5時間処理し、その後室温まで放冷した。黒
色の針状粉末を得た。 生成物のX線回折パターンは、第2図のとおり
であり、ASTMのX−Ray Powder Data
File20−509のFe5C2 Iron Carbideと一致した。
表1に、第2図におけるピークの面間隔(dÅ)
及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−Ray
Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
【表】
【表】
なお、Fe3O4のピークは検出されなかつた。
実施例 2
実施例1で得られた粉末を東栄工業株式会社製
の試料振動型磁力計VSM3型で測定磁場15kOeで
磁気特性を測定した結果を次に示す。 保磁力(iHc) 878Oe 残留磁化量(σr) 54.7emu/g 飽和磁化量(σs) 134.4emu/g 実施例 3 実施例1で得た針状粒子を次の処方で塗料に調
製した。 針状粒子 18.25g 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5.25g ジオクチルフタレート 1.00g ラウリン酸 0.2g トルエン 15.0g メチルイソブチルケトン 15.0g 調製した塗料をドクターナイフ(間隙100μm)
でポリエチレンテレフタレートトフイルム上に塗
布し、反撥反抗磁石方式で配向処理をし乾燥し
た。このようにして得られたフイルムの磁気特性
を配向処理方向に対して垂直方向及び平行方向の
それぞれについて測定し磁場配向性(配向度)を
求めた。その結果を次に示す。 配向度 Br/Br⊥ 1.89 測定磁場方向を配向処理方向に対して平行にし
た場合 保磁力 He 930Oe 角型比 Br/Bm 0.70 測定磁場方向を配向処理方向に対して垂直にし
た場合 保磁力 Hc⊥ 827Oe 角型比 Br⊥/Bm⊥ 0.37 実施例 4 実施例1において針状のレピドクロサイト粒子
2gを、平均粒径0.7μm(長軸)、平均軸比10の
針状のゲーサイト粒子2gに代え、同様にして、
黒色の針状粉末を得た。 生成物のX線回折パターンは、第3図のとおり
であり、ASTMのX−Ray Powder Data
File20−509のFe5C2 Iron Carbideと一致した。
表2に第3図におけるピークA〜Eの面間隔(d
Å)及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−Ray
Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
の試料振動型磁力計VSM3型で測定磁場15kOeで
磁気特性を測定した結果を次に示す。 保磁力(iHc) 878Oe 残留磁化量(σr) 54.7emu/g 飽和磁化量(σs) 134.4emu/g 実施例 3 実施例1で得た針状粒子を次の処方で塗料に調
製した。 針状粒子 18.25g 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5.25g ジオクチルフタレート 1.00g ラウリン酸 0.2g トルエン 15.0g メチルイソブチルケトン 15.0g 調製した塗料をドクターナイフ(間隙100μm)
でポリエチレンテレフタレートトフイルム上に塗
布し、反撥反抗磁石方式で配向処理をし乾燥し
た。このようにして得られたフイルムの磁気特性
を配向処理方向に対して垂直方向及び平行方向の
それぞれについて測定し磁場配向性(配向度)を
求めた。その結果を次に示す。 配向度 Br/Br⊥ 1.89 測定磁場方向を配向処理方向に対して平行にし
た場合 保磁力 He 930Oe 角型比 Br/Bm 0.70 測定磁場方向を配向処理方向に対して垂直にし
た場合 保磁力 Hc⊥ 827Oe 角型比 Br⊥/Bm⊥ 0.37 実施例 4 実施例1において針状のレピドクロサイト粒子
2gを、平均粒径0.7μm(長軸)、平均軸比10の
針状のゲーサイト粒子2gに代え、同様にして、
黒色の針状粉末を得た。 生成物のX線回折パターンは、第3図のとおり
であり、ASTMのX−Ray Powder Data
File20−509のFe5C2 Iron Carbideと一致した。
表2に第3図におけるピークA〜Eの面間隔(d
Å)及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−Ray
Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
【表】
なお、Fe3O4のピークは検出されなかつた。磁
気特性を測定した結果は次の通りであつた。 He 1024Oe Br 2225ガウス Bm 3385ガウス Br/Bm 0.573 実施例 5〜7 平均粒径0.8μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子をマツフル炉に入れ、600
℃で1時間加熱してα−Fe2O3粉末を得た。 次にこの粉末2gを磁性ボートに入れて管状炉
に挿入し、CO/N2(30/70容量比)の混合ガス
を毎分75mlの流速で流しながら、340℃で表3に
記載の時間処理したところ、いずれも黒色の針状
粉末を得た。 X線回折パターンを第4〜6図に示す。A、
B、C、DおよびEのピークは、Fe5C2を示し、
A′、B′、C′およびD′は、Fe3O4を示す。各図はこ
れらの混合物であることを示す。 表3に磁気特性、C、H及びNの元素分析、な
らびに組成を示す。
気特性を測定した結果は次の通りであつた。 He 1024Oe Br 2225ガウス Bm 3385ガウス Br/Bm 0.573 実施例 5〜7 平均粒径0.8μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子をマツフル炉に入れ、600
℃で1時間加熱してα−Fe2O3粉末を得た。 次にこの粉末2gを磁性ボートに入れて管状炉
に挿入し、CO/N2(30/70容量比)の混合ガス
を毎分75mlの流速で流しながら、340℃で表3に
記載の時間処理したところ、いずれも黒色の針状
粉末を得た。 X線回折パターンを第4〜6図に示す。A、
B、C、DおよびEのピークは、Fe5C2を示し、
A′、B′、C′およびD′は、Fe3O4を示す。各図はこ
れらの混合物であることを示す。 表3に磁気特性、C、H及びNの元素分析、な
らびに組成を示す。
【表】
表4に実施例6におけるピークA〜Eの面間隔
(dÅ)及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−
Ray Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
(dÅ)及び強度比(I/I1)を、ASTMのX−
Ray Powder Data File20−509のFe5C2 Iron
Carbideのそれらと対比したものを示す。
【表】
実施例 8
反応時間を5hrに固定して、反応温度を320、
360及び400℃とする以外は実施例5と同様にして
処理したところ、それぞれ450、540及び495Oeの
保磁力を有する針状の磁性粉末を得た。 実施例 9 実施例5のレピドクロサイトの代りに、平均粒
径0.7μm(長軸)、平均軸比10の針状のゲーサイ
ト粒子を用い、同様に加熱して針状のα−Fe2O3
粉末を得、同様にCO/N2(30/70容量比)の混
合ガスで、340℃で5hr処理したところ、黒色の針
状粉末を得た。表3に磁気特性、C、H及びNの
元素分析ならびに組成を示す。 実施例 10 平均粒径0.8μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子をマツフル炉に入れ、250
℃で1時間加熱してγ−Fe2O3粉末を得た。 この粉末を使用した以外は実施例5と同様にし
て処理したところHc541Oeの針状粉末を得た。 参考例 1 平均粒径0.8μm、平均軸比10の針状α−Fe2O3
粒子3gを磁性ボートに入れて管状炉に挿入し、
窒素を流して空気を置換した後、340℃に昇温し、
その温度でCO/N2(30/70容量比)混合ガスを
75ml/分の流速で1時間接触させて、黒色の粉末
を得た。そのX線回折図は、第7図のとおりであ
り、Fe3O4であることが確認された。また磁気特
性を測定したところ、Hc415Oe、Br1500ガウス、
Bm3390ガウス、Br/Bm0.443であつた。 実施例 11 参考例1で得た針状Fe3O4粒子2gを磁性ボー
トに入れて管状炉に挿入し、窒素を流して空気を
置換した後、340℃に昇温し、その温度でCO/
N2(30/70容量比)混合ガスを75ml/分の流速で
5時間接触させて、黒色の粉末を得た。得られた
粉末の磁気特性を測定したところ、Hc585Oe、
Br1695ガウス、Bm3560ガウス、Br/Bm0.476で
あつた。 X線回折スペクトルは、面間隔2.29Å、2.21
Å、2.08Å、2.05Åおよび1.92Åの各ピークを有
した。 参考例 2 平均粒径0.7μm、平均軸比10の針状γ−
FeOOH粒子3gを磁性ボートに入れて管状炉に
挿入し、窒素を流して空気を置換した後、340℃
に昇温し、その温度でCO/N2(30/70容量比)
混合ガスを75ml/分の流速で30分接触させて、針
状Fe3O4粉末を得た。X線回折図は、第7図と同
様のものであつた。また、その磁性特性は
Hc385Oe、Br1450ガウス、Bm3430ガウス、
Br/Bm0.423であつた。 実施例 12 参考例2で得た針状Fe3O4粒子2gを磁性ボー
トに入れて管状炉に挿入し、窒素を流して空気を
置換した後、340℃に昇温し、その温度でCO/
N2(30/70容量比)混合ガスを75ml/分の流速で
2時間接触させて、黒色の粉末を得た。得られた
粉末の磁気特性はHc925Oe、Br2025ガウス、
Bm3580ガウス、Br/Bm0.566であり、組成は
Fe3O439.1%、Fe5C256.3%、C4.6%であつた。 実施例 13 実施例5において、CO/N2の混合ガスをH2/
CO/N2(10/50/40容量比)の混合ガスに代え
て同様に処理して、黒色の針状粉末を得た。 磁気特性を測定した結果は次の通りであつた。 保磁力 Hc 536Oe 残留磁束密度 Br 1650ガウス 飽和磁束密度 Bm 3415ガウス 角型比 Br/Bm 0.483 X線回折スペクトルは、面間隔2.29Å、2.21
Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åの各ピークを有し
た。 比較例 1 平均粒径0.6μm(長軸)、平均軸比2のゲーサ
イト粒子2gを磁製ボートに入れ、管状炉に挿入
して、窒素を流して空気を置換した後、300℃に
昇温し、その温度でCOを毎分100mlの流速で2.5
時間接触させ、その後室温まで放冷し黒色の粉末
を得た。得られた粉末の保磁力Hcは692Oeであ
り、組成はFe3O413%、Fe5C275%、C12%であつ
た。
360及び400℃とする以外は実施例5と同様にして
処理したところ、それぞれ450、540及び495Oeの
保磁力を有する針状の磁性粉末を得た。 実施例 9 実施例5のレピドクロサイトの代りに、平均粒
径0.7μm(長軸)、平均軸比10の針状のゲーサイ
ト粒子を用い、同様に加熱して針状のα−Fe2O3
粉末を得、同様にCO/N2(30/70容量比)の混
合ガスで、340℃で5hr処理したところ、黒色の針
状粉末を得た。表3に磁気特性、C、H及びNの
元素分析ならびに組成を示す。 実施例 10 平均粒径0.8μm(長軸)、平均軸比10の針状の
レピドクロサイト粒子をマツフル炉に入れ、250
℃で1時間加熱してγ−Fe2O3粉末を得た。 この粉末を使用した以外は実施例5と同様にし
て処理したところHc541Oeの針状粉末を得た。 参考例 1 平均粒径0.8μm、平均軸比10の針状α−Fe2O3
粒子3gを磁性ボートに入れて管状炉に挿入し、
窒素を流して空気を置換した後、340℃に昇温し、
その温度でCO/N2(30/70容量比)混合ガスを
75ml/分の流速で1時間接触させて、黒色の粉末
を得た。そのX線回折図は、第7図のとおりであ
り、Fe3O4であることが確認された。また磁気特
性を測定したところ、Hc415Oe、Br1500ガウス、
Bm3390ガウス、Br/Bm0.443であつた。 実施例 11 参考例1で得た針状Fe3O4粒子2gを磁性ボー
トに入れて管状炉に挿入し、窒素を流して空気を
置換した後、340℃に昇温し、その温度でCO/
N2(30/70容量比)混合ガスを75ml/分の流速で
5時間接触させて、黒色の粉末を得た。得られた
粉末の磁気特性を測定したところ、Hc585Oe、
Br1695ガウス、Bm3560ガウス、Br/Bm0.476で
あつた。 X線回折スペクトルは、面間隔2.29Å、2.21
Å、2.08Å、2.05Åおよび1.92Åの各ピークを有
した。 参考例 2 平均粒径0.7μm、平均軸比10の針状γ−
FeOOH粒子3gを磁性ボートに入れて管状炉に
挿入し、窒素を流して空気を置換した後、340℃
に昇温し、その温度でCO/N2(30/70容量比)
混合ガスを75ml/分の流速で30分接触させて、針
状Fe3O4粉末を得た。X線回折図は、第7図と同
様のものであつた。また、その磁性特性は
Hc385Oe、Br1450ガウス、Bm3430ガウス、
Br/Bm0.423であつた。 実施例 12 参考例2で得た針状Fe3O4粒子2gを磁性ボー
トに入れて管状炉に挿入し、窒素を流して空気を
置換した後、340℃に昇温し、その温度でCO/
N2(30/70容量比)混合ガスを75ml/分の流速で
2時間接触させて、黒色の粉末を得た。得られた
粉末の磁気特性はHc925Oe、Br2025ガウス、
Bm3580ガウス、Br/Bm0.566であり、組成は
Fe3O439.1%、Fe5C256.3%、C4.6%であつた。 実施例 13 実施例5において、CO/N2の混合ガスをH2/
CO/N2(10/50/40容量比)の混合ガスに代え
て同様に処理して、黒色の針状粉末を得た。 磁気特性を測定した結果は次の通りであつた。 保磁力 Hc 536Oe 残留磁束密度 Br 1650ガウス 飽和磁束密度 Bm 3415ガウス 角型比 Br/Bm 0.483 X線回折スペクトルは、面間隔2.29Å、2.21
Å、2.08Å、2.05Å及び1.92Åの各ピークを有し
た。 比較例 1 平均粒径0.6μm(長軸)、平均軸比2のゲーサ
イト粒子2gを磁製ボートに入れ、管状炉に挿入
して、窒素を流して空気を置換した後、300℃に
昇温し、その温度でCOを毎分100mlの流速で2.5
時間接触させ、その後室温まで放冷し黒色の粉末
を得た。得られた粉末の保磁力Hcは692Oeであ
り、組成はFe3O413%、Fe5C275%、C12%であつ
た。
第1図は本発明の針状粒子の粒子構造の電子顕
微鏡写真である。第2〜6図はそれぞれ実施例
1、4及び5〜7で得られた針状粒子のX線回折
図であり、第7図は参考例1で得られた針状の
Fe3O4のX線回折図である。第8図は実施例9で
得られた針状粒子の結晶の構造を示す写真であ
る。
微鏡写真である。第2〜6図はそれぞれ実施例
1、4及び5〜7で得られた針状粒子のX線回折
図であり、第7図は参考例1で得られた針状の
Fe3O4のX線回折図である。第8図は実施例9で
得られた針状粒子の結晶の構造を示す写真であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜1.0μm
である炭化鉄を含有する針状粒子。 2 炭化鉄の含有量が20重量%以上である特許請
求の範囲第1項記載の針状粒子。 3 炭化鉄以外の成分が酸化鉄又は/及び元素炭
素である特許請求の範囲第2項記載の針状粒子。 4 平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜1.0μm
である針状オキシ水酸化鉄又は針状酸化鉄をCO
又はこれとH2との混合物と接触させることを特
徴とする平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜
1.0μmである炭化鉄を含有する針状粒子の製法。 5 オキシ水酸化鉄がα−FeOOH又はγ−
FeOOHである特許請求の範囲第4項記載の製
法。 6 酸化鉄がα−Fe2O3、γ−Fe2O3又はFe3O4
である特許請求の範囲第4項記載の製法。 7 接触温度が約300〜400℃である特許請求の範
囲第4項、第5項又は第6項記載の製法。 8 平均軸比が3〜20、平均粒径が0.1〜1.0μm
である炭化鉄を含有する針状粒子から成る磁性材
料。 9 炭化鉄の含有量が20重量%以上である特許請
求の範囲第8項記載の磁性材料。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58171765A JPS6071509A (ja) | 1983-09-17 | 1983-09-17 | 炭化鉄を含有する針状粒子 |
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| JP58171765A JPS6071509A (ja) | 1983-09-17 | 1983-09-17 | 炭化鉄を含有する針状粒子 |
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Family Applications (1)
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| JP58171765A Granted JPS6071509A (ja) | 1983-04-25 | 1983-09-17 | 炭化鉄を含有する針状粒子 |
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-
1983
- 1983-09-17 JP JP58171765A patent/JPS6071509A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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