JPH0220617B2 - - Google Patents
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- JPH0220617B2 JPH0220617B2 JP57051903A JP5190382A JPH0220617B2 JP H0220617 B2 JPH0220617 B2 JP H0220617B2 JP 57051903 A JP57051903 A JP 57051903A JP 5190382 A JP5190382 A JP 5190382A JP H0220617 B2 JPH0220617 B2 JP H0220617B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はジヒドロポリプレニルカルボン酸およ
びそのエステルに関する。さらに詳しくは、本発
明は一般式 (式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単 位を表わし、nは11〜19の整数を表わし、Rは低
級アルキル基または水素原子を表わす。)で示さ
れる化合物に関する。 本発明により提供される一般式(I)で示され
るジヒドロポリプレニルカルボン酸およびそのエ
ステルは医薬、化粧料などの原料として有用な物
質であり、とくに哺乳類ドリコール類の合全中間
体として有用である。 ドリコール類は1960年にJ.F.Pennockらによつ
てブタの肝臓などからはじめて単離され
〔Nature(London)、186,470(1960)参照〕、の
ちにこのものは一般式(A) 〔式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単 位を表わす。本明細書中において以下同様。〕で
示される構造を有するポリプレノール同族体の混
合物であつて、式(A)中のシス型イソプレン単位の
数を表わすjは一般に12から18まで分布し、j=
14,15および16の3種の同族体が主体となつてい
ることが明らかにされた〔R.W.Keenan et al.,
Biochemical Journal,165,505(1977)参照〕。
ドリコール類はブタの肝臓のみならず、哺乳動物
体内に広く分布しており、生体の生命維持の上で
極めて重要な機能を果していることが知られてい
る。例えば、J.B.Harfordらは子牛やブタの脳内
白髄質を用いるin vitro試験により、外因性ドリ
コールがマンノースなどの糖成分の脂質への取り
込みを促進し、その結果、生体の生命維持のうえ
で重要な糖蛋白質の形成を増大させる作用を持つ
ことを明らかにしている〔Biochmical and
Biophysical Research Communication,76,
1036(1977)参照〕。ドリコール類によるかかる脂
質への糖成分の取り込み促進効果は成長期の主体
におけるよりも既に成熟している動物において顕
著であることから、老化防止の点でのドリコール
類の働きが注目されている。また、R.W.Keenan
らは幼年期などの急速に成長を続けている生体に
とつては外からドリコールを摂取し、自己の体内
で生合成して得られるドリコールを補うことが重
要であると述べている〔Archives of
Biochemistry and Biophysics,179,634(1977)
参照〕。さらに、赤松らはラツトの再生肝中のド
リコールリン酸エステルを定量し、その量が正常
な肝中よりも著しく減少しており、肝組織での糖
蛋白の合成機能が大巾に低下していることおよび
外からドリコールリン酸エステルを加えると該機
能が改善されることを見出した〔第54回日本生化
学会大会(1981年)において発表〕。 上記のようにドリコール類は生体にとつて極め
て重要な機能を司る物質であり、医薬品またはそ
の中間体として有用であるが、従来その入手は容
易でなく、例えばブタの肝臓10Kgから複雑な分離
操作を経てやつと0.6gのドリコールが得られるに
過ぎない〔J.Burgos et al.,Biochemical
Journal,88,470(1963)参照〕。ドリコール類を
全合成することは、それらの複雑で特異な分子構
造から明らかなように現在の有機合成の技術では
至難のことである。合成中間体を天然物に依存
し、これに簡単な合成化学的処理を加えるのみで
ドリコール類を得ることができるならば有利であ
るが、従来そのような好都合な物質は見出されて
いない。従来、下記の一般式(B) 〔但し、k=4〜6〕で示されるポリプレノール
類(これらはベツラプレノール類と呼ばれてい
る)がシラカンバ(Betula verrucosa)から採
取し得ることは知られているが、これらからシス
型イソプレン単位の数が14,15および16のものを
主体とするドリコール類を合成することは現在の
有機合成技術ではほとんど不可能である。また、
K.Hannusらはヨーロツパ赤松(Pinus
sylvestris)の葉から乾燥重量基準で1%の収率
でポリプレニル成分を単離し、この成分がイソプ
レン単位10〜19個を主としてシス配置で有するポ
リプレニルアセテート混合物であることを報告し
ているが〔Phytochemistry,13,2563(1974)参
照〕、彼らの報告には該ポリプレニルアセテート
中のトランスおよびシス配置についての詳細まで
は解明されていない。さらに、D.F.Zinkelらはス
トロープ松(Pinus strobus)の葉の抽出物中に
イソプレン単位数18個またはイソプレン単位数の
平均値が18であるC90のポリプレノールが存在す
ることを報告しているが〔Phytochemistry,11,
3387(1972)参照〕、この報告では該ポリプレノー
ルのトランス、シス配置について詳細な解析を行
なつていない。 本発明者らの一部とその共同研究者らは、先
に、イチヨウおよびヒマラヤ杉から有機溶媒によ
つて抽出される抽出物を、必要により加水分解し
たのち、クロマトグラフイー、分別溶解法その他
の適当な分離法によつて処理することにより、14
〜22個のイソプレン単位を哺乳類ドリコール類と
まつたく同じトランス、シス配置で有するポリプ
レノールおよび/またはその酢酸エステル同族体
混合物からなるポリプレニル画分が得られるこ
と、該ポリプレニル画分は哺乳類ドリコール類に
比べてα−末端の飽和イソプレン単位が存在しな
いだけで哺乳類ドリコール類におけるポリプレニ
ル同族体の分布に非常によく似たポリプレニル同
族体の分布を示すこと、該ポリプレニル画分は所
望によりその構成成分である個々の(イソプレン
単位数が一様な)ポリプレニル同族体に比較的容
易に分離しうること、従つて該ポリプレニル画分
およびそれから分離された各ポリプレニル同族体
はいずれも哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て非常に適していることを見出した。 本発明者らは、上記のごときポリプレニル化合
物を用いて哺乳類ドリコール類を効率的に製造す
るため該ポリプレニル化合物のポリプレニル鎖の
α−末端に飽和イソプレン単位を導入する方法を
鋭意検討した結果、かかる方法における中間体と
して有用な前記一般式(I)で示されるジヒドロ
ポリプレニルカルボン酸およびそのエステルを創
製し、本発明を完成するに至つた。 一般式(I)においてRが水素原子である本発
明のジヒドロポリプレニルカルボン酸〔以下、ジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸(I)と記す。〕
は一般式 (式中、nは前記定義のとおりである。)で示さ
れるポリプレニルカルボン酸〔以下、ポリプレニ
ルカルボン酸()と記す。〕を水素添加触媒の
存在下に水素(H2)と反応させてカルボン酸末
端側の炭素−炭素二重結合を選択的に水素添加す
るか、または液体アンモニア中リチウムを用いて
還元〔バーチ(Birch)還元〕することにより製
造することができる。また、一般式(I)におい
てRが低級アルキル基である本発明のジヒドロポ
リプレニルカルボン酸エステルは上記本発明のジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸をエステル化する
ことにより製造することができる。 上記水素添加反応を行うに際して、余り過激な
水素添加条件を用いると目的とするカルボン酸末
端側の炭素−炭素二重結合部以外の二重結合をも
水素添加してしまうので好ましくない。勿論あま
りに隠やかな条件を用いると目的とする反応が全
く進行しないか、あるいは反応完結に時間がかか
り過ぎるので好ましくない。以上の観点から好適
に水素添加反応を行うための反応条件を設定する
ことが重要である。ここで水素添加触媒としては
ロジウム、パラジウム、ニツケルなどの金属また
はそれらの化合物を使用することができるが、と
くにロジウム錯化合物を使用するのが好適であ
る。具体的に使用されるロジウム錯化合物として
は、たとえばRhCl〔P(C6H5)3〕3、HRhCl2〔P
(C6H5)3〕3、Rh2(1,5−シクロオクタジエン)
2Cl2とメンチルジフエニルホスフインまたはネオ
メンチルジフエニルホスフインとから調製される
錯化合物などが例示される。 光学活性な配位子を用いた場合には光学活性な
ジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)を製造で
きる。 水素添加触媒の使用量はポリプレニルカルボン
酸()に対して0.0001〜0.5モル当量、好まし
くは0.001〜0.1モル当量の範囲が好適である。 水素添加反応に用いる溶媒としては、マグネシ
ウムを加えて加熱するかまたはラネーニツケル共
存下水素で処理したのち蒸留したメタノールもし
くはエタノールなどのアルコール系溶媒またはナ
トリウムとベンゾフエノンの共存下に蒸留したベ
ンゼンもしくはトルエンなどの炭化水素系溶媒が
好適である。溶媒の使用量は臨界的ではないが、
ポリプレニルカルボン酸()に対して5〜100
重量倍、好ましくは10〜50重量倍の範囲が好適で
ある。 水素添加反応を行うに際しての水素圧、反応温
度および反応時間は、使用する装置によつても異
なるが、通常、それぞれ1〜30気圧、10℃〜60℃
および6〜72時間が好ましい。 また、この水素添加反応に際してナトリウムメ
トキシド、トリエチルアミンなどの塩基性化合物
をポリプレニルカルボン酸()に対して0.01〜
0.5当量モル共存させると水素添加反応が著しく
促進されるので好ましい。 水素添加反応後、反応液に希塩酸または希硫酸
を加えて酸性にしたのちヘキサン、ペンタン、ベ
ンゼン、ジエチルエーテルなどの溶媒を用いて抽
出し、抽出液から溶媒を留去することによりジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸(I)が得られる。 別法として、バーチ(Birch)還元法によりポ
リプレニルカルボン酸()を還元する場合に
は、リチウムを溶解した液体アンモニア中にポリ
プレニルカルボン酸()を加えることによつて
目的を達成することができる。リチウムの使用量
はポリプレニルカルボン酸()に対して1〜
100当量、好ましくは2〜10当量である。液体ア
ンモニアの使用量は、臨界的でないが、ポリプレ
ニルカルボン酸()に対して5〜100重量倍、
好ましくは10〜50重量倍の範囲が好適である。ポ
リプレニルカルボン酸()を加えるに際してこ
れを無水ジエチルエーテルまたは無水テトラヒド
ロフランに溶解させた溶液で加えるのが、簡便で
あり、また反応物の均一性を良くするうえで好ま
しい。 このバーチ還元反応は液体アンモニアの沸点
(約−33℃)で行うのが好適であるが、必要に応
じて更に低温冷却下であるいは耐圧装置を用い沸
点以上の温度で加圧下に反応させることも可能で
ある。上記反応温度において約0.5〜10時間撹拌
を続けたのち、たとえば塩化アンモニウムを反応
液に加えて過剰のリチウムを分解し、ついでアン
モニアを留去することによりジヒドロポリプレニ
ルカルボン酸(I)の粗製物を得ることができ
る。 ジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)の精製
はそれ自体従来公知の分離精製技術を応用して実
施することができる。とくにクロマトグラフイー
が簡便で好ましい。このクロマトグラフイーに用
いうる吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、活
性炭、フロリジル、セルロースなどが挙げられる
が、シリカゲルがとくに好適である。展開溶媒と
しては、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、ベ
ンゼンなどの炭化水素系溶媒にクロロホルム、メ
チレンクロリド、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト
ンなどの極性溶媒を少量混合したものを使用する
のが好適である。 一般式(I)においてRが低級アルキル基であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エステルを得
るためのジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)
のエステル化反応は従来高級脂肪酸のエステル化
に用いられている公知方法を応用して実施するこ
とができる。たとえば低級アルコール中に乾燥塩
化水素ガスを吹込んだ溶液に前記ジヒドロポリプ
レニルカルボン酸(I)を溶解し、室温または溶
媒の沸点以下の温度で撹拌を続けることによつて
目的を達成することができる。またジヒドロポリ
プレニルカルボン酸(I)のメチルエステルを合
成するためには、無水ジエチルエーテルあるいは
無水テトラヒドロフランのような溶媒に前記ジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸(I)を溶解し、そ
の中にジアゾメタンのジエチルエーテル溶液を加
えて反応させることによつてもその目的を達成す
ることができる。これらジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸(I)の低級アルキルエステル類の精製
は前述したジヒドロポリプレニルカルボン酸
(I)そのものを精製する場合とほぼ同じ方法を
使用して行うことができる。なお、一般式(I)
中のRが低級アルキル基である場合の該低級アル
キル基としてはたとえばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
ネオペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられ
る。 水素添加反応に供されるポリプレニルカルボン
酸()は一般式 (式中nは前記定義のとおりである。)で示され
るポリプレニルアセトン〔以下、ポリプレニルア
セトン()と記す。〕を一般式 (式中R1およびR2は同一または異なる低級アル
キル基を表わす。)で示される化合物とウイツチ
ヒ(Wittig)反応させて得られる一般式 (式中nおよびR1は前記定義のとおりである。)
で示されるポリプレニルカルボン酸エステル〔以
下、ポリプレニルカルボン酸エステル(V)と記
す。〕を加水分解することにより製造することが
できる。 上記ウイツチヒ反応は、通常、溶媒中で行われ
る。好適に使用される溶媒としては、たとえばジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテルなどが例示される。目的とする反応
を円滑に進行せしめるため、使用する溶媒は充分
に無水状態にまで乾燥されていることが好まし
い。また、同様の観点から反応系は窒素やアルゴ
ンなどの不活性ガスで置換しておくことが望まれ
る。溶媒の使用量はポリプレニルアセトン()
に対して5〜50重量倍が好適である。 ウイツチヒ反応を行うための試薬として前記一
般式()で示される化合物のうち下記化合物が
とくに好適に使用される。 ウイツチヒ反応を行うに際して、上記のごとき
ウイツチヒ試薬を塩基性化合物と処理することに
よりホスホイリドを形成する必要があるが、この
ために用いる塩基性化合物としては、たとえばn
−ブチルリチウム、メチルリチウム、水素化ナト
リウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドなどが好適なものとし
て例示される。前述の溶媒にこれら塩基性化合物
を加えたのち、−30℃〜+80℃、好ましくは−10
℃〜+50℃の温度条件下で撹拌しながら、これに
前記ウイツチヒ試薬を加え、上記範囲の温度でさ
らに約0.5〜24時間撹拌を継続することによりホ
スホイリドを形成することができる。この際の上
記塩基性化合物の使用量はウイツチヒ試薬に対し
て約0.5〜1.5モル当量が好適である。このように
して調製されたホスホイリド溶液へポリプレニル
アセトン()を加えて約0℃〜100℃、好まし
くは15℃〜18℃、さらに好ましくは20℃〜50℃で
反応させることによりポリプレニルカルボン酸エ
ステル(V)を得ることができる。この反応を完
結させるために要する反応時間は一般に約0.5〜
24時間の範囲内である。ウイツチヒ試薬の使用量
はポリプレニルアセトン()に対して0.5〜
10.0モル当量、好適には0.8〜8.0モル当量、さら
に好適には1.0〜5.0モル当量である。 以上のようにして合成されるポリプレニルカル
ボン酸エステル(V)を通常の脂肪酸エステルの
加水分解反応に適用される方法に準じて加水分解
することによりポリプレニルカルボン酸()を
得ることができる。たとえば、ポリプレニルカル
ボン酸エステル(V)を含水エタノール中で該エ
ステルに対して約2〜5倍モル当量の水酸化ナト
リウムと共に約1〜5時間還流条件下撹拌するこ
とによつて収率よくポリプレニルカルボン酸
()を得ることができる。ポリプレニルカルボ
ン酸()およびそのエステル類は公知の分離精
製方法に準ずる種々の方法で精製することができ
るが、なかでもとくにクロマトグラフイーによつ
て精製するのが簡便である。このクロマトグラフ
イーに用いる吸着体としてはシリカゲル、アルミ
ナ、活性炭、フロリジル、セルロースなどが挙げ
られるが、シリカゲルがとくに好適である。展開
溶剤としては、たとえばヘキサン、ペンタン、石
油エーテル、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素
系溶剤にクロロホルム、メチレンクロリド、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、アセトンなどの極性溶剤を少
量混合したものを使用するのが好適である。 上記反応に使用されるポリプレニルアセトン
()は一般式 (式中、nは前記定義のとおりであり、Xはハロ
ゲン原子を表わす。) で示されるポリプレニルハライド(以下、ポリプ
レニルハライド()と記す。〕を塩基性化合物
の存在下に一般式 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。) で示されるアセト酢酸エステル〔以下、アセト酢
酸エステル()と記す。〕と反応させることに
より得られる一般式 (式中、nおよびR3は前記定義のとおりであ
る。) で示されるポリプレニルケトカルボン酸エステル
〔以下、ポリプレニルケトカルボン酸エステル
()と記す。〕を加水分解し、脱炭酸することに
よつて得ることができる。 ポリプレニルハライド()は前述のようにイ
チヨウあるいはヒマラヤ杉の抽出物から直接また
は加水分解を経て得ることができる一般式 (式中nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレノールまたはその混合物をハ
ロゲン化剤たとえばPCl3、PBr3のごとき三ハロ
ゲン化リン、SCCl2、SOBr2のごときチオニルハ
ライドなどでハロゲン化することにより容易に得
られる。このハロゲン化反応は、通常、たとえば
ヘキサン、ジエチルエーテルなどの適当な溶媒中
に上記ポリプレノールを溶解し、これにトリエチ
ルアミン、ピリジンなどで代表される塩基の存在
下または不存在下に約−20℃〜+50℃の温度にお
いてハロゲン化剤を加えることにより行われる。 ポリプレニルハライド()とアセト酢酸エス
テル()との反応は溶媒中で行うことが望まし
い。好適に使用されうる溶媒としてはジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
トキシエタンなどのエーテル系溶媒が挙げられ
る。溶媒の使用量は、臨界的ではないが、ポリプ
レニルハライド()に対して2〜100倍(重
量)、好ましくは5〜80倍(重量)、さらに好まし
くは10〜50倍(重量)である。充分に乾燥された
溶媒を用いることが目的とする反応を円滑に進行
させるうえで好ましい。この反応を行うためには
塩基性化合物を存在させることが必須である。使
用する塩基性化合物としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウム
t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなど、アルカリ金属の水素化物、
水酸化物またはアルコキシドあるいはn−ブチル
リチウム、メチルリチウムなどが好適である。塩
基性化合物はアセト酢酸エステル()1モルあ
たり一般に約0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0
モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モルの割合で用
いられる。好ましい実施態様においては、塩基性
化合物の溶液または分散液にアセト酢酸エステル
()を加えるかまたは逆にアセト酢酸エステル
()の溶液に塩基性化合物を全量一時にもしく
は少量づく徐々に加えることによりまずアセト酢
酸エステル()のアニオンを形成させ、しかる
のちにこれにポリプレニルハライド()を加え
て反応させる。アセト酢酸エステル()とポリ
プレニルハライド()との使用割合は、臨界的
ではないが、アセト酢酸エステル()/ポリプ
レニルハライド()のモル比にして1/2〜
20/1、好ましくは4/5〜10/1、さらに好ま
しくは1/1〜5/1である。アセト酢酸エステ
ル()のアニオンを形成させる際には、窒素ガ
ス、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下−30℃〜
+100℃、好ましくは−10℃〜+80℃の温度で反
応を行うことが望ましく、これにより副反応を抑
制しつつ円滑に目的とするアニオンを形成させる
ことができる。このアニオン形成に要する時間は
用いる反応温度によつても変化するが通常約10分
間〜5時間程度で充分である。このようにして調
製されたアセト酢酸エステル()のアニオン溶
液にポリプレニルハライド()を添加して反応
させる。用いる反応条件によつては、ポリプレニ
ルハライド()を全量一時に添加するよりは少
量ずつ何度かに分けてあるいは滴下方式で加える
ことによつて反応を円滑に進行させうる場合があ
る。ポリプレニルハライド()の添加時および
その後反応を完結させるまでの間の反応系内の温
度は、臨界的ではないが、−10℃から使用する溶
媒の沸点までの範囲内であることが望ましい。反
応温度が低すぎると反応の進行が遅く、反応完結
に要する時間がかかり過ぎる。一方、反応温度が
高すぎると望ましくない副反応が進行する。この
観点から0℃〜80℃の範囲内の反応温度を採用す
ることが好ましい。ポリプレニルハライド()
を添加したのち反応を完結させるためには上記反
応温度において反応混合物の撹拌を継続すること
が必要であり、これに要する時間は用いる反応温
度によつて変化するが通常約30分間〜24時間程度
である。反応の進行を確認するためには薄層クロ
マトグラフイーにより原料ポリプレニルハライド
()の減少を追跡するのが便利であり、好まし
い。 反応後、反応混合物からのポリプレニルケトカ
ルボン酸エステル()の単離は従来公知の合成
反応に用いられている単離方法を応用することに
より容易に達成される。とくにクロマトグラフイ
ーが便利に用いられる。クロマトグラフイーに使
用しうる吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、
活性炭、セルロースなどがある。なかでもシリカ
ゲルがとくに好適に使用される。展開溶媒として
はヘキサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼン
などの炭化水素系溶媒にジエチルエーテル、クロ
ロホルム、酢酸エチル、エチルアルコールなどの
極性溶媒を少量混合したものが好適である。 また、この単離工程を少略して直接に次工程の
ポリプレニルアセトン()の合成反応を行い、
そののち精製工程を行うことも可能である。 ポリプレニルケトカルボン酸エステル()は
従来から高級脂肪酸エステル類の加水分解反応に
使用されている方法を応用して加水分解すること
ができる。。たとえば、ポリプレニルケトカルボ
ン酸エステル()を水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウムと共に含水メタノール、含水エタノ
ールあるいは含水イソプロパノール中で撹拌する
ことによつて目的を達成することができる。水酸
化ナトリウムまたは水酸化カリウムの使用量はポ
リプレニルケトカルボン酸エステル()に対し
て約1.0〜20.0モル当量、好ましくは1.5〜10.0モ
ル当量であることが望ましい。反応溶媒としては
上記のような含水アルコール類が好適であるが、
ポリプレニルケトカルボン酸エステル()の溶
解性を上げるためにヘキサン、ペンタン、ベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素系溶媒を少量加える
ことも好ましい。上記加水分解反応を円滑に進行
させるため、反応温度としては0℃から用いる溶
媒の沸点まで、好ましくは25℃〜65℃の範囲内の
温度を採用することが望ましい。反応完結に要す
る時間は、このとき採用する温度条件によつて異
るが、通常約0.5〜24時間の範囲内である。 以上のようにして加水分解反応を行なつたの
ち、好適には室温条件下または氷冷条件下で、反
応液を塩酸や硫酸などの鉱酸を用いて中和し、更
に反応溶液をPH1〜3程度の酸性条件にすると自
動的に脱炭酸反応が生じ、ポリプレニルアセトン
()が形成される。脱炭酸反応が完結したのち、
反応液をヘキサン、ベンゼンまたはジエチルエー
テルなどで抽出し、水で充分洗浄したのち有機層
を乾燥し、溶媒留去するとポリプレニルアセトン
()の粗製物が得られる。このものを製するた
めにはクロマトグラフイーが好適に採用される。
クロマトグラフイーに使用される吸着体としては
シリカゲル、アルミナ、活性炭、セルロースなど
があるが、シリカゲルがとくに好適である。展開
溶媒としてはヘキサン、ペンタン、石油エーテ
ル、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒に
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ク
ロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチルなどの極性
溶媒を少量混合したものが好適である。 以上のようにして合成されるポリプレニルアセ
トン()を原料として前述したように一般式
(I)で示されるジヒドロポリプレニルカルボン
酸およびそのエステルが合成されるが、これらの
化合物は哺乳類ドリコール類の合成原料として有
用である。一般式(I)で示される化合物を例え
ば水素化アルミニウムリチウムなどで還元するこ
とにより一般式(A)で示される哺乳類ドリコール類
を与えることができるのである。 以下、本発明を実施例および参考例によりさら
に具体的に説明する。なお、実施例および参考例
中のIR分析は液膜で測定し、NMR分析はTMS
を内部標準として測定した。FD−MASS分析値
は1H、12C、16O、35Cl、79Brとして補正した値であ
る。 参考例 1 ポリプレノールの分離 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)で1週間クロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlに加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水0mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し残留物にジエチルエ
ーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層を
約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物を
得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n−ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を得
た。この油状物は95%以上の純度を有するポリプ
レノールであり、そのものについてメルク社製セ
ミ分取用高速液体クロマトカラム
LiChrosorbRP18−10(C18タイプ)を用いアセト
ン/メタノール=90/10(容量比)の混合溶剤を
溶離液とし、示差屈折計を検出器として用いた高
速液体クロマトグラフイー分析を行い、得られた
クロマトグラムにおける各ピークの面積比率を求
めた結果は下記のとおりであつた。 【表】 【表】 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
()で示される構造を有するポリプレノールで
あることを確認した。 各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果ならびに1H−NMRのδ値を表1
に、13C−NMRのδ値を表2にまとめて示した。 【表】 【表】 参考例 2 ポリプレニルブロミドの合成 n=15である一般式()のポリプレノール
12.4gおよびピリジン1mlを200mlのn−ヘキサン
中に加え、得られた溶液に室温(約20℃)で窒素
ガス雰囲気下に2.0gの三臭化リンを滴下し、滴下
完了後室温、窒素ガス雰囲気下に一夜撹拌した。
ついでこのn−ヘキサン溶液を分液ロートに入
れ、約50mlの水で3回洗浄したのち無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、n−ヘキサンを留去すること
により微黄色の液状物12.0gを得た。このものに
ついてNMR分析を行なつたところ、原料ポリプ
レノールの−CH2OH基に帰属されるシグナル
(d、δ=4.08)が消失し新らたに−CH2Brに帰
属されるシグナル(d、δ=3.91)が現われた。
またこの液状物をFD−MASSにより分析したと
ころm/e=1304であつた。これらの分析結果に
より、上記の生成物は一般式()においてn=
15、X=Brであるポリプレニルブロミドである
ことが確認された。 同様の操作によりnが15以外のポリプレニルブ
ロミドも合成された。 実施例 1 三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラン30ml
および50%水素化ナトリウム640mgを仕込み、室
温で撹拌しながらアセト酢酸エチル1.57gを滴下
した。激しい水素ガスの発生が穏やかになつたの
ち、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら徐々に
昇温し、溶媒の還流条件下で1時間撹拌を続け
た。ついで反応系を室温まで冷却したのち、これ
に参考例2に従つて合成した一般式()におい
てn=15、X=Brであるポリプレニルブロミド
4.30gのテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下
し、室温で1夜撹拌した。反応混合物から回転蒸
発器で溶媒を留去したのち、残留物を約20mlの水
中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、得られた
ジエチルエーテル層を水、希塩酸水、水、重曹水
で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
回転蒸発器でジエチルエーテルを留去した黄色液
状物を得た。この黄色液状物を1mmHg減圧下、
150℃にて30分間加熱して低沸成分を留去し、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液
として使用〕により精製して微黄色液状物2.48g
を得た。このものの分析結果を以下に示す。 IR分析:1740、1715、1660、830cm-1 1H−NMR分析:δppm CCl41.21(3H、t、−
CO2CH2CH3)、 3.21(1H、t、【式】)、 4.11(2H、q、−CO2CH2CH3) FD−MASS分析:m/e=1354 以上の分析結果により、この微黄色液状物は一
般式()においてn=15、R3=C2H5であるポ
リプレニルケトカルボン酸エチルであることが確
認された。 次いでこのポリプレニルケトカルボン酸エチル
を水酸化ナトリウム0.5g、エタノール20mlおよび
水5mlの溶液中に加え、還流条件下で3時間撹拌
したのち、回転蒸発器を用いてエタノールを大部
分留去し、残渣を約20mlの水中に注ぎ、濃塩酸を
少しずつ加えてPH約2の酸性にしたのちヘキサン
で抽出した。ヘキサン層を飽和食塩水で充分洗浄
したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を留去して黄色の粘稠な液状物を得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製して微黄色粘稠液状物1.98g
を得た。このものの分析結果を以下に示す。 IR分析:1715、1660、830cm-1 1H−NMR分析:δppm CCl41.53(s、9H)、1.62(s、
48H)、1.7〜2.4(m、75H)、5.05(br、18H) FD−MASS分析:m/e=1282 以上の分析結果により、この微黄色液体が一般
式()においてn=15であるポリプレニルアセ
トンであることが確認された。 次いで三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラ
ン40mlおよび50%水素化ナトリウム220mgを仕込
み、室温で撹拌しながらジエチルホスホノ酢酸エ
チル1.0gを10mlの無水テトラヒドロフランに溶解
した溶液を滴下した。滴下完了後、室温でさらに
1時間撹拌を続けたのち、先に合成した一般式
()においてn=15であるポリプレニルアセト
ン1.92gを無水テトラヒドロフラン10mlに溶解し
た溶液を室温で滴下し、滴下完了後、室温で30
分、50〜60℃でさらに3時間撹拌した。次いで室
温まで冷却し、約1mlの水を加えたのち、回転蒸
発器で溶媒を留去し、残留物に約50mlの水を加え
てヘキサンで抽出した。ヘキサン層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ヘキ
サンを留去して黄かつ色の液状物を得た。この液
状物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液
として使用〕で精製して1.62gの無色液状物を得
た。このものは下記分析結果により一般式(V)
においてn=15、R1=C2H5であるポリプレニル
カルボン酸エチルであることが確認された。 IR分析: 1715、1640、1440、1385、1210、1135、830、
790cm-1 1 H−NMR分析(δppm CCl4): 1.20(t、3H)、1.53(s、9H)、1.62(s、
48H)、1.7〜2.4(m、75H)、4.06(q、2H)、5.06
(br、18H)、5.56(br、1H)、 FD−MASS分析;m/e=1352 次いで、このポリプレニルカルボン酸エチル
1.62gを水酸化ナトリウム0.3g、水3mlおよびエ
タノール20mlの溶液に加え、5時間還流条件下で
撹拌したのち、回転蒸発器で大部分のエタノール
を留去し、10mlの水を加え、希塩酸水でPHを約5
にしてからヘキサンで抽出した。ヘキサン層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去し黄色の液状物を得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=90/10(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製して1.42gの無色液状物を得
た。このものは以下の分析結果により一般式
()においてn=15であるポリプレニルカルボ
ン酸であることが確認された。 IR分析:3600〜2900(weak)、2800〜2400
(weak)、 1690、1660、1630、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4): 1.53(7.9H)、1.62(s、48H)、1.7〜2.4(m、
75H、5.06(br、18H)、5.56(br、1H)〜11.5(br、
1H)。 次いで、このポリプレニルカルボン酸1.42gを
以下に示す方法で選択的に水素添加した。μ、
μ′−ジクロロビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ロジウム(I)0.7mgとネオメンチルジフエ
ニルホスフイン7.3mgを耐圧ビンの中に入れてマ
グネチツクスターラーで撹拌しながら脱気した
後、アルゴンで置換し、蒸留した無水エタノール
5mlを加え、得られた黄色溶液を3気圧の水素圧
のもとで30分撹拌した。これとは別にポリプレニ
ルカルボン酸1.42gとナトリウムメトキシド17mg
を無水エタノール4mlに溶かした溶液をアルゴン
雰囲気下に撹拌した。このようにして調製した触
媒溶液とポリプレニルカルボン酸溶液を、あらか
じめ脱気してアルゴン置換しておいたオートクレ
ーブに排管を通して移し、2.5気圧の水素圧をか
けて室温で24時間水素添加反応を行なつた。反応
後の溶液を回転蒸発器を用いて濃縮し、残渣に希
塩酸水を加え、ヘキサンで抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後溶媒を留去し、黄かつ色液状物
1.40gを得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー〔ヘキサン/酢酸エチル=90/10
(容量比)を展開液として使用〕により精製して
無色粘稠液状物1.25gを得た。このものは以下の
分析結果により一般式(I)においてn=15、R
=Hであるジヒドロポリプレニルカルボン酸であ
ることが確認された。 IR分析:3600〜2900(weak)、2800〜2400
(weak)、 1705、1660、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4): 1.53(s.9H)、1.62(s、48H)、1.7〜2.5(m、
76H、5.06(br、18H)、10.0(br、1H) 〔原料の不飽和ポリプレニルカルボン酸に存在
するδ5.56(br、1H)が消失〕 FD−MASS分析;m/e=1328 同様の操作により一般式()においてnが11
〜19の間の15以外の値であるポリプレニルブロミ
ドから対応するnの値を有しかつR=Hである一
般式(I)で示されるジヒドロポリプレニルカル
ボン酸を合成した。それらの収率はn=15のジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸を合成した場合のそ
れと略同じであつた。またそれらのIRスペクト
ルの特性吸収および1H−NMRスペクトルの特性
シグナルはその位置においてn=15の上記ジヒド
ロポリプレニルカルボン酸のそれと実質的に一致
した。さらにFD−MASS分析の結果は次のとお
りであつた。 原料ポリプレニル ブロミド() の中のnの値 生成ジヒドロポリプ レニルカルボン酸 m/e値 11 1056 12 1124 13 1192 14 1260 16 1396 17 1464 18 1532 19 1600 実施例 2 実施例1の方法で合成した一般式()におい
てnが15であるポリプレニルカルボン酸1.15gを
テトラヒドロフラン15mlに溶かした溶液を窒素気
流下リチウム100mgと液体アンモニア30mlから調
製した青色溶液に2分間かけて加えた。さらに30
分間−33℃で撹拌を続けた後3.0gの塩化アンモニ
ウムを少しづつ加えて過剰のリチウムを分解し
た。そのまま一晩放置してアンモニアを留去した
後、残渣に3%塩酸水を加えて、ヘキサンで抽出
し、ヘキサン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を回転蒸発器で留去すると、黄色液状物が得ら
れた。シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=90:10(容量比)を展開液
として使用〕により精製し、一般式(I)におい
てn=15、R=Hであるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸1.03gを得た。このもののIR分析、
NMR分析およびFD−MASS分析の結果は実施
例1で得たジヒドロポリプレニルカルボン酸のそ
れと一致した。 同様の操作により一般式()においてnが11
〜19の間の15以外の値であるポリプレニルカルボ
ン酸から対応するnの値を有しかつR=Hである
一般式(I)で示されるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸を合成した。それらの収率はn=15のジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸を合成した場合の
それと略同じであつた。 実施例 3 実施例1の方法で合成した一般式(I)におい
てnが15、R=Hであるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸1.03gをジエチルエーテル20mlに溶かし、
薄層クロマトグラフイーで追跡しつつジアゾメタ
ンのジエチルエーテル溶液を原料カルボン酸のス
ポツトが消失するまで添加した。少量の酢酸を加
えて過剰のジアゾメタンを分解したのち回転蒸発
器を用いて濃縮し黄色液状物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=98:2(容量比)を展開液とし
て使用〕で精製し1.01gの無色液状物を得た。こ
のものは下記の分析結果により一般式(I)にお
いてnが15、R=CH3であるジヒドロポリプレニ
ルカルボン酸メチルであることが確認された。 IR分析:1735、1660、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4):1.53(s、9H)、1.62
(s、48H)、1.7〜2.5(m、76H)、3.68(s、3H)、
5.06(br、18H) FD−MASS分析:m/e=1342 同様の操作により一般式(I)においてnが11
〜19の間の15以外の値でありかつR=Hであるジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸から対応するnの
値を有しかつR=CH3である一般式(I)のジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸メチルを合成するこ
とができた。 実施例 4 実施例3で合成した一般式(I)においてnが
15、R=CH3であるジヒドロポリプレニルカルボ
ン酸メチル0.50gを無水エタノール20mlに溶かし、
50%水素化ナトリウム10mgを加え、14時間加熱還
流した。冷却後エタノールを回転蒸発器で留去
し、残渣に水を加えた後ヘキサンで抽出し、硫酸
マグネシウムで乾燥した。ヘキサンを回転蒸発器
を用いて留去すると微黄色液状物0.43gが得られ
た。このもののFD−MASS分析を行なつたとこ
ろm/e=1356を示したので、この液状物は一般
式(I)においてnが15、R=C2H5で示される
ジヒドロポリプレニルカルボン酸エチルであるこ
とが確認された。 同様の操作により一般式(I)においてnが11
〜19の間の15以外の値でありかつR=C2H5であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エチルも合成
することができた。 実施例 5 参考例1と同様にして得られた一般式()に
おいてnが11から19まで分布し、その組成が参考
例1に記載したものと実質的に等しいポリプレノ
ール混合物を参考例2の方法に従つて三臭化リン
と反応させることによりポリプレニルブロミド混
合物とし、その4.30gを実施例1の一般式()
においてn=15であるポリプレニルブロミド
4.30gのかわりに用いた以外は実施例1まつたく
同様の操作を行ない、最終生成物として無色粘稠
液状物1.18gを得た。このもののIR、1H−NMR分
析結果は実施例1のジヒドロポリプレニルカルボ
ン酸について得られた結果と特性吸収、特性シグ
ナルの位置において実質的に同一であつた。 参考例 3 三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラン30ml
と水素化アルミニウムリチウム380mgを入れ、窒
素雰囲気下0℃に冷却後、実施例1の方法で合成
した一般式(I)においてn=15、R=Hである
ジヒドロポリプレニルカルボン酸4.42gを無水テ
トラヒドロフラン15mlに溶かした溶液を撹拌しな
がら滴下した。滴下完了後0℃で1時間、室温で
さらに5時間撹拌後、希塩酸水に少しづつ注ぎ充
分撹拌した。ヘキサンを加えて分液し、水層はさ
らに2回ヘキサンで抽出した。有機層を合して水
洗、重曹水洗、飽和食塩水洗してから無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後溶媒を留去し、無色液状物
4.12gを得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー〔ヘキサン/酢酸エチル=90:10
(容量比)を展開液として使用〕により精製して
無色液状物3.82gを得た。このものは以下の分析
結果により一般式(A)においてj=15であるドリコ
ールであることが確認された。 IR分析:3320、2920、2850、1440、1376、
1060、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4):0.91(4、3H)、1.60
(s、9H、1.68(s、48H)、1.10〜1.80(m、5H)、
2.03(b、70H)、3.66(m、2H)、5.10(b、18H) 13C−NMR(ppm/強度):16.006/640、
17.679/353、19.557/548、23.430/6330、
25.308/567、25.677/542、26.436/5166、
26.699/548、26.825/492、29.316/528、
32.021/456、32.245/5500、37.548/582、
39.757/683、40.029/541、61.241/551、
124.214/445、124.282/463、124.448/505、
124.993/499、125.071/5242、131.210/213、
134.937/290、1350.005/349、135.229/3567、
135.365/430。 FD−MASS分析:m/e=1312 実施例 4 三つ口フラスコに無水ジエチルエーテル20mlと
水素化アルミニウムリチウム200mgを入れ、窒素
雰囲気下0℃に冷却後、実施例4の方法で合成し
た一般式(I)においてnが15、R=C2H5であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エチル3.39g
を無水ジエチルエーテル10mlに溶かした溶液を撹
拌しながら滴下した。滴下完了後室温で一晩撹拌
を続けた後、水0.2ml、15%水酸化ナトリウム水
溶液0.2mlおよび水0.6mlをこの順序で注意深く滴
下し激しく撹拌した。得られた白色粒状沈殿を
別し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶
媒を留去し無色液状物3.25gを得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=90:10(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製し、一般式(A)においてj=15
であるドリコール3.03gを得た。このもののIR分
析、NMR分析およびFD−MASS分析の結果は
参考例4で得たドリコールのそれらと一致した。
びそのエステルに関する。さらに詳しくは、本発
明は一般式 (式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単 位を表わし、nは11〜19の整数を表わし、Rは低
級アルキル基または水素原子を表わす。)で示さ
れる化合物に関する。 本発明により提供される一般式(I)で示され
るジヒドロポリプレニルカルボン酸およびそのエ
ステルは医薬、化粧料などの原料として有用な物
質であり、とくに哺乳類ドリコール類の合全中間
体として有用である。 ドリコール類は1960年にJ.F.Pennockらによつ
てブタの肝臓などからはじめて単離され
〔Nature(London)、186,470(1960)参照〕、の
ちにこのものは一般式(A) 〔式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単 位を表わす。本明細書中において以下同様。〕で
示される構造を有するポリプレノール同族体の混
合物であつて、式(A)中のシス型イソプレン単位の
数を表わすjは一般に12から18まで分布し、j=
14,15および16の3種の同族体が主体となつてい
ることが明らかにされた〔R.W.Keenan et al.,
Biochemical Journal,165,505(1977)参照〕。
ドリコール類はブタの肝臓のみならず、哺乳動物
体内に広く分布しており、生体の生命維持の上で
極めて重要な機能を果していることが知られてい
る。例えば、J.B.Harfordらは子牛やブタの脳内
白髄質を用いるin vitro試験により、外因性ドリ
コールがマンノースなどの糖成分の脂質への取り
込みを促進し、その結果、生体の生命維持のうえ
で重要な糖蛋白質の形成を増大させる作用を持つ
ことを明らかにしている〔Biochmical and
Biophysical Research Communication,76,
1036(1977)参照〕。ドリコール類によるかかる脂
質への糖成分の取り込み促進効果は成長期の主体
におけるよりも既に成熟している動物において顕
著であることから、老化防止の点でのドリコール
類の働きが注目されている。また、R.W.Keenan
らは幼年期などの急速に成長を続けている生体に
とつては外からドリコールを摂取し、自己の体内
で生合成して得られるドリコールを補うことが重
要であると述べている〔Archives of
Biochemistry and Biophysics,179,634(1977)
参照〕。さらに、赤松らはラツトの再生肝中のド
リコールリン酸エステルを定量し、その量が正常
な肝中よりも著しく減少しており、肝組織での糖
蛋白の合成機能が大巾に低下していることおよび
外からドリコールリン酸エステルを加えると該機
能が改善されることを見出した〔第54回日本生化
学会大会(1981年)において発表〕。 上記のようにドリコール類は生体にとつて極め
て重要な機能を司る物質であり、医薬品またはそ
の中間体として有用であるが、従来その入手は容
易でなく、例えばブタの肝臓10Kgから複雑な分離
操作を経てやつと0.6gのドリコールが得られるに
過ぎない〔J.Burgos et al.,Biochemical
Journal,88,470(1963)参照〕。ドリコール類を
全合成することは、それらの複雑で特異な分子構
造から明らかなように現在の有機合成の技術では
至難のことである。合成中間体を天然物に依存
し、これに簡単な合成化学的処理を加えるのみで
ドリコール類を得ることができるならば有利であ
るが、従来そのような好都合な物質は見出されて
いない。従来、下記の一般式(B) 〔但し、k=4〜6〕で示されるポリプレノール
類(これらはベツラプレノール類と呼ばれてい
る)がシラカンバ(Betula verrucosa)から採
取し得ることは知られているが、これらからシス
型イソプレン単位の数が14,15および16のものを
主体とするドリコール類を合成することは現在の
有機合成技術ではほとんど不可能である。また、
K.Hannusらはヨーロツパ赤松(Pinus
sylvestris)の葉から乾燥重量基準で1%の収率
でポリプレニル成分を単離し、この成分がイソプ
レン単位10〜19個を主としてシス配置で有するポ
リプレニルアセテート混合物であることを報告し
ているが〔Phytochemistry,13,2563(1974)参
照〕、彼らの報告には該ポリプレニルアセテート
中のトランスおよびシス配置についての詳細まで
は解明されていない。さらに、D.F.Zinkelらはス
トロープ松(Pinus strobus)の葉の抽出物中に
イソプレン単位数18個またはイソプレン単位数の
平均値が18であるC90のポリプレノールが存在す
ることを報告しているが〔Phytochemistry,11,
3387(1972)参照〕、この報告では該ポリプレノー
ルのトランス、シス配置について詳細な解析を行
なつていない。 本発明者らの一部とその共同研究者らは、先
に、イチヨウおよびヒマラヤ杉から有機溶媒によ
つて抽出される抽出物を、必要により加水分解し
たのち、クロマトグラフイー、分別溶解法その他
の適当な分離法によつて処理することにより、14
〜22個のイソプレン単位を哺乳類ドリコール類と
まつたく同じトランス、シス配置で有するポリプ
レノールおよび/またはその酢酸エステル同族体
混合物からなるポリプレニル画分が得られるこ
と、該ポリプレニル画分は哺乳類ドリコール類に
比べてα−末端の飽和イソプレン単位が存在しな
いだけで哺乳類ドリコール類におけるポリプレニ
ル同族体の分布に非常によく似たポリプレニル同
族体の分布を示すこと、該ポリプレニル画分は所
望によりその構成成分である個々の(イソプレン
単位数が一様な)ポリプレニル同族体に比較的容
易に分離しうること、従つて該ポリプレニル画分
およびそれから分離された各ポリプレニル同族体
はいずれも哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て非常に適していることを見出した。 本発明者らは、上記のごときポリプレニル化合
物を用いて哺乳類ドリコール類を効率的に製造す
るため該ポリプレニル化合物のポリプレニル鎖の
α−末端に飽和イソプレン単位を導入する方法を
鋭意検討した結果、かかる方法における中間体と
して有用な前記一般式(I)で示されるジヒドロ
ポリプレニルカルボン酸およびそのエステルを創
製し、本発明を完成するに至つた。 一般式(I)においてRが水素原子である本発
明のジヒドロポリプレニルカルボン酸〔以下、ジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸(I)と記す。〕
は一般式 (式中、nは前記定義のとおりである。)で示さ
れるポリプレニルカルボン酸〔以下、ポリプレニ
ルカルボン酸()と記す。〕を水素添加触媒の
存在下に水素(H2)と反応させてカルボン酸末
端側の炭素−炭素二重結合を選択的に水素添加す
るか、または液体アンモニア中リチウムを用いて
還元〔バーチ(Birch)還元〕することにより製
造することができる。また、一般式(I)におい
てRが低級アルキル基である本発明のジヒドロポ
リプレニルカルボン酸エステルは上記本発明のジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸をエステル化する
ことにより製造することができる。 上記水素添加反応を行うに際して、余り過激な
水素添加条件を用いると目的とするカルボン酸末
端側の炭素−炭素二重結合部以外の二重結合をも
水素添加してしまうので好ましくない。勿論あま
りに隠やかな条件を用いると目的とする反応が全
く進行しないか、あるいは反応完結に時間がかか
り過ぎるので好ましくない。以上の観点から好適
に水素添加反応を行うための反応条件を設定する
ことが重要である。ここで水素添加触媒としては
ロジウム、パラジウム、ニツケルなどの金属また
はそれらの化合物を使用することができるが、と
くにロジウム錯化合物を使用するのが好適であ
る。具体的に使用されるロジウム錯化合物として
は、たとえばRhCl〔P(C6H5)3〕3、HRhCl2〔P
(C6H5)3〕3、Rh2(1,5−シクロオクタジエン)
2Cl2とメンチルジフエニルホスフインまたはネオ
メンチルジフエニルホスフインとから調製される
錯化合物などが例示される。 光学活性な配位子を用いた場合には光学活性な
ジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)を製造で
きる。 水素添加触媒の使用量はポリプレニルカルボン
酸()に対して0.0001〜0.5モル当量、好まし
くは0.001〜0.1モル当量の範囲が好適である。 水素添加反応に用いる溶媒としては、マグネシ
ウムを加えて加熱するかまたはラネーニツケル共
存下水素で処理したのち蒸留したメタノールもし
くはエタノールなどのアルコール系溶媒またはナ
トリウムとベンゾフエノンの共存下に蒸留したベ
ンゼンもしくはトルエンなどの炭化水素系溶媒が
好適である。溶媒の使用量は臨界的ではないが、
ポリプレニルカルボン酸()に対して5〜100
重量倍、好ましくは10〜50重量倍の範囲が好適で
ある。 水素添加反応を行うに際しての水素圧、反応温
度および反応時間は、使用する装置によつても異
なるが、通常、それぞれ1〜30気圧、10℃〜60℃
および6〜72時間が好ましい。 また、この水素添加反応に際してナトリウムメ
トキシド、トリエチルアミンなどの塩基性化合物
をポリプレニルカルボン酸()に対して0.01〜
0.5当量モル共存させると水素添加反応が著しく
促進されるので好ましい。 水素添加反応後、反応液に希塩酸または希硫酸
を加えて酸性にしたのちヘキサン、ペンタン、ベ
ンゼン、ジエチルエーテルなどの溶媒を用いて抽
出し、抽出液から溶媒を留去することによりジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸(I)が得られる。 別法として、バーチ(Birch)還元法によりポ
リプレニルカルボン酸()を還元する場合に
は、リチウムを溶解した液体アンモニア中にポリ
プレニルカルボン酸()を加えることによつて
目的を達成することができる。リチウムの使用量
はポリプレニルカルボン酸()に対して1〜
100当量、好ましくは2〜10当量である。液体ア
ンモニアの使用量は、臨界的でないが、ポリプレ
ニルカルボン酸()に対して5〜100重量倍、
好ましくは10〜50重量倍の範囲が好適である。ポ
リプレニルカルボン酸()を加えるに際してこ
れを無水ジエチルエーテルまたは無水テトラヒド
ロフランに溶解させた溶液で加えるのが、簡便で
あり、また反応物の均一性を良くするうえで好ま
しい。 このバーチ還元反応は液体アンモニアの沸点
(約−33℃)で行うのが好適であるが、必要に応
じて更に低温冷却下であるいは耐圧装置を用い沸
点以上の温度で加圧下に反応させることも可能で
ある。上記反応温度において約0.5〜10時間撹拌
を続けたのち、たとえば塩化アンモニウムを反応
液に加えて過剰のリチウムを分解し、ついでアン
モニアを留去することによりジヒドロポリプレニ
ルカルボン酸(I)の粗製物を得ることができ
る。 ジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)の精製
はそれ自体従来公知の分離精製技術を応用して実
施することができる。とくにクロマトグラフイー
が簡便で好ましい。このクロマトグラフイーに用
いうる吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、活
性炭、フロリジル、セルロースなどが挙げられる
が、シリカゲルがとくに好適である。展開溶媒と
しては、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、ベ
ンゼンなどの炭化水素系溶媒にクロロホルム、メ
チレンクロリド、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト
ンなどの極性溶媒を少量混合したものを使用する
のが好適である。 一般式(I)においてRが低級アルキル基であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エステルを得
るためのジヒドロポリプレニルカルボン酸(I)
のエステル化反応は従来高級脂肪酸のエステル化
に用いられている公知方法を応用して実施するこ
とができる。たとえば低級アルコール中に乾燥塩
化水素ガスを吹込んだ溶液に前記ジヒドロポリプ
レニルカルボン酸(I)を溶解し、室温または溶
媒の沸点以下の温度で撹拌を続けることによつて
目的を達成することができる。またジヒドロポリ
プレニルカルボン酸(I)のメチルエステルを合
成するためには、無水ジエチルエーテルあるいは
無水テトラヒドロフランのような溶媒に前記ジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸(I)を溶解し、そ
の中にジアゾメタンのジエチルエーテル溶液を加
えて反応させることによつてもその目的を達成す
ることができる。これらジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸(I)の低級アルキルエステル類の精製
は前述したジヒドロポリプレニルカルボン酸
(I)そのものを精製する場合とほぼ同じ方法を
使用して行うことができる。なお、一般式(I)
中のRが低級アルキル基である場合の該低級アル
キル基としてはたとえばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
ネオペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられ
る。 水素添加反応に供されるポリプレニルカルボン
酸()は一般式 (式中nは前記定義のとおりである。)で示され
るポリプレニルアセトン〔以下、ポリプレニルア
セトン()と記す。〕を一般式 (式中R1およびR2は同一または異なる低級アル
キル基を表わす。)で示される化合物とウイツチ
ヒ(Wittig)反応させて得られる一般式 (式中nおよびR1は前記定義のとおりである。)
で示されるポリプレニルカルボン酸エステル〔以
下、ポリプレニルカルボン酸エステル(V)と記
す。〕を加水分解することにより製造することが
できる。 上記ウイツチヒ反応は、通常、溶媒中で行われ
る。好適に使用される溶媒としては、たとえばジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテルなどが例示される。目的とする反応
を円滑に進行せしめるため、使用する溶媒は充分
に無水状態にまで乾燥されていることが好まし
い。また、同様の観点から反応系は窒素やアルゴ
ンなどの不活性ガスで置換しておくことが望まれ
る。溶媒の使用量はポリプレニルアセトン()
に対して5〜50重量倍が好適である。 ウイツチヒ反応を行うための試薬として前記一
般式()で示される化合物のうち下記化合物が
とくに好適に使用される。 ウイツチヒ反応を行うに際して、上記のごとき
ウイツチヒ試薬を塩基性化合物と処理することに
よりホスホイリドを形成する必要があるが、この
ために用いる塩基性化合物としては、たとえばn
−ブチルリチウム、メチルリチウム、水素化ナト
リウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドなどが好適なものとし
て例示される。前述の溶媒にこれら塩基性化合物
を加えたのち、−30℃〜+80℃、好ましくは−10
℃〜+50℃の温度条件下で撹拌しながら、これに
前記ウイツチヒ試薬を加え、上記範囲の温度でさ
らに約0.5〜24時間撹拌を継続することによりホ
スホイリドを形成することができる。この際の上
記塩基性化合物の使用量はウイツチヒ試薬に対し
て約0.5〜1.5モル当量が好適である。このように
して調製されたホスホイリド溶液へポリプレニル
アセトン()を加えて約0℃〜100℃、好まし
くは15℃〜18℃、さらに好ましくは20℃〜50℃で
反応させることによりポリプレニルカルボン酸エ
ステル(V)を得ることができる。この反応を完
結させるために要する反応時間は一般に約0.5〜
24時間の範囲内である。ウイツチヒ試薬の使用量
はポリプレニルアセトン()に対して0.5〜
10.0モル当量、好適には0.8〜8.0モル当量、さら
に好適には1.0〜5.0モル当量である。 以上のようにして合成されるポリプレニルカル
ボン酸エステル(V)を通常の脂肪酸エステルの
加水分解反応に適用される方法に準じて加水分解
することによりポリプレニルカルボン酸()を
得ることができる。たとえば、ポリプレニルカル
ボン酸エステル(V)を含水エタノール中で該エ
ステルに対して約2〜5倍モル当量の水酸化ナト
リウムと共に約1〜5時間還流条件下撹拌するこ
とによつて収率よくポリプレニルカルボン酸
()を得ることができる。ポリプレニルカルボ
ン酸()およびそのエステル類は公知の分離精
製方法に準ずる種々の方法で精製することができ
るが、なかでもとくにクロマトグラフイーによつ
て精製するのが簡便である。このクロマトグラフ
イーに用いる吸着体としてはシリカゲル、アルミ
ナ、活性炭、フロリジル、セルロースなどが挙げ
られるが、シリカゲルがとくに好適である。展開
溶剤としては、たとえばヘキサン、ペンタン、石
油エーテル、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素
系溶剤にクロロホルム、メチレンクロリド、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、アセトンなどの極性溶剤を少
量混合したものを使用するのが好適である。 上記反応に使用されるポリプレニルアセトン
()は一般式 (式中、nは前記定義のとおりであり、Xはハロ
ゲン原子を表わす。) で示されるポリプレニルハライド(以下、ポリプ
レニルハライド()と記す。〕を塩基性化合物
の存在下に一般式 (式中、R3は低級アルキル基を表わす。) で示されるアセト酢酸エステル〔以下、アセト酢
酸エステル()と記す。〕と反応させることに
より得られる一般式 (式中、nおよびR3は前記定義のとおりであ
る。) で示されるポリプレニルケトカルボン酸エステル
〔以下、ポリプレニルケトカルボン酸エステル
()と記す。〕を加水分解し、脱炭酸することに
よつて得ることができる。 ポリプレニルハライド()は前述のようにイ
チヨウあるいはヒマラヤ杉の抽出物から直接また
は加水分解を経て得ることができる一般式 (式中nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレノールまたはその混合物をハ
ロゲン化剤たとえばPCl3、PBr3のごとき三ハロ
ゲン化リン、SCCl2、SOBr2のごときチオニルハ
ライドなどでハロゲン化することにより容易に得
られる。このハロゲン化反応は、通常、たとえば
ヘキサン、ジエチルエーテルなどの適当な溶媒中
に上記ポリプレノールを溶解し、これにトリエチ
ルアミン、ピリジンなどで代表される塩基の存在
下または不存在下に約−20℃〜+50℃の温度にお
いてハロゲン化剤を加えることにより行われる。 ポリプレニルハライド()とアセト酢酸エス
テル()との反応は溶媒中で行うことが望まし
い。好適に使用されうる溶媒としてはジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
トキシエタンなどのエーテル系溶媒が挙げられ
る。溶媒の使用量は、臨界的ではないが、ポリプ
レニルハライド()に対して2〜100倍(重
量)、好ましくは5〜80倍(重量)、さらに好まし
くは10〜50倍(重量)である。充分に乾燥された
溶媒を用いることが目的とする反応を円滑に進行
させるうえで好ましい。この反応を行うためには
塩基性化合物を存在させることが必須である。使
用する塩基性化合物としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウム
t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなど、アルカリ金属の水素化物、
水酸化物またはアルコキシドあるいはn−ブチル
リチウム、メチルリチウムなどが好適である。塩
基性化合物はアセト酢酸エステル()1モルあ
たり一般に約0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0
モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モルの割合で用
いられる。好ましい実施態様においては、塩基性
化合物の溶液または分散液にアセト酢酸エステル
()を加えるかまたは逆にアセト酢酸エステル
()の溶液に塩基性化合物を全量一時にもしく
は少量づく徐々に加えることによりまずアセト酢
酸エステル()のアニオンを形成させ、しかる
のちにこれにポリプレニルハライド()を加え
て反応させる。アセト酢酸エステル()とポリ
プレニルハライド()との使用割合は、臨界的
ではないが、アセト酢酸エステル()/ポリプ
レニルハライド()のモル比にして1/2〜
20/1、好ましくは4/5〜10/1、さらに好ま
しくは1/1〜5/1である。アセト酢酸エステ
ル()のアニオンを形成させる際には、窒素ガ
ス、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下−30℃〜
+100℃、好ましくは−10℃〜+80℃の温度で反
応を行うことが望ましく、これにより副反応を抑
制しつつ円滑に目的とするアニオンを形成させる
ことができる。このアニオン形成に要する時間は
用いる反応温度によつても変化するが通常約10分
間〜5時間程度で充分である。このようにして調
製されたアセト酢酸エステル()のアニオン溶
液にポリプレニルハライド()を添加して反応
させる。用いる反応条件によつては、ポリプレニ
ルハライド()を全量一時に添加するよりは少
量ずつ何度かに分けてあるいは滴下方式で加える
ことによつて反応を円滑に進行させうる場合があ
る。ポリプレニルハライド()の添加時および
その後反応を完結させるまでの間の反応系内の温
度は、臨界的ではないが、−10℃から使用する溶
媒の沸点までの範囲内であることが望ましい。反
応温度が低すぎると反応の進行が遅く、反応完結
に要する時間がかかり過ぎる。一方、反応温度が
高すぎると望ましくない副反応が進行する。この
観点から0℃〜80℃の範囲内の反応温度を採用す
ることが好ましい。ポリプレニルハライド()
を添加したのち反応を完結させるためには上記反
応温度において反応混合物の撹拌を継続すること
が必要であり、これに要する時間は用いる反応温
度によつて変化するが通常約30分間〜24時間程度
である。反応の進行を確認するためには薄層クロ
マトグラフイーにより原料ポリプレニルハライド
()の減少を追跡するのが便利であり、好まし
い。 反応後、反応混合物からのポリプレニルケトカ
ルボン酸エステル()の単離は従来公知の合成
反応に用いられている単離方法を応用することに
より容易に達成される。とくにクロマトグラフイ
ーが便利に用いられる。クロマトグラフイーに使
用しうる吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、
活性炭、セルロースなどがある。なかでもシリカ
ゲルがとくに好適に使用される。展開溶媒として
はヘキサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼン
などの炭化水素系溶媒にジエチルエーテル、クロ
ロホルム、酢酸エチル、エチルアルコールなどの
極性溶媒を少量混合したものが好適である。 また、この単離工程を少略して直接に次工程の
ポリプレニルアセトン()の合成反応を行い、
そののち精製工程を行うことも可能である。 ポリプレニルケトカルボン酸エステル()は
従来から高級脂肪酸エステル類の加水分解反応に
使用されている方法を応用して加水分解すること
ができる。。たとえば、ポリプレニルケトカルボ
ン酸エステル()を水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウムと共に含水メタノール、含水エタノ
ールあるいは含水イソプロパノール中で撹拌する
ことによつて目的を達成することができる。水酸
化ナトリウムまたは水酸化カリウムの使用量はポ
リプレニルケトカルボン酸エステル()に対し
て約1.0〜20.0モル当量、好ましくは1.5〜10.0モ
ル当量であることが望ましい。反応溶媒としては
上記のような含水アルコール類が好適であるが、
ポリプレニルケトカルボン酸エステル()の溶
解性を上げるためにヘキサン、ペンタン、ベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素系溶媒を少量加える
ことも好ましい。上記加水分解反応を円滑に進行
させるため、反応温度としては0℃から用いる溶
媒の沸点まで、好ましくは25℃〜65℃の範囲内の
温度を採用することが望ましい。反応完結に要す
る時間は、このとき採用する温度条件によつて異
るが、通常約0.5〜24時間の範囲内である。 以上のようにして加水分解反応を行なつたの
ち、好適には室温条件下または氷冷条件下で、反
応液を塩酸や硫酸などの鉱酸を用いて中和し、更
に反応溶液をPH1〜3程度の酸性条件にすると自
動的に脱炭酸反応が生じ、ポリプレニルアセトン
()が形成される。脱炭酸反応が完結したのち、
反応液をヘキサン、ベンゼンまたはジエチルエー
テルなどで抽出し、水で充分洗浄したのち有機層
を乾燥し、溶媒留去するとポリプレニルアセトン
()の粗製物が得られる。このものを製するた
めにはクロマトグラフイーが好適に採用される。
クロマトグラフイーに使用される吸着体としては
シリカゲル、アルミナ、活性炭、セルロースなど
があるが、シリカゲルがとくに好適である。展開
溶媒としてはヘキサン、ペンタン、石油エーテ
ル、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒に
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ク
ロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチルなどの極性
溶媒を少量混合したものが好適である。 以上のようにして合成されるポリプレニルアセ
トン()を原料として前述したように一般式
(I)で示されるジヒドロポリプレニルカルボン
酸およびそのエステルが合成されるが、これらの
化合物は哺乳類ドリコール類の合成原料として有
用である。一般式(I)で示される化合物を例え
ば水素化アルミニウムリチウムなどで還元するこ
とにより一般式(A)で示される哺乳類ドリコール類
を与えることができるのである。 以下、本発明を実施例および参考例によりさら
に具体的に説明する。なお、実施例および参考例
中のIR分析は液膜で測定し、NMR分析はTMS
を内部標準として測定した。FD−MASS分析値
は1H、12C、16O、35Cl、79Brとして補正した値であ
る。 参考例 1 ポリプレノールの分離 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)で1週間クロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlに加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水0mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し残留物にジエチルエ
ーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層を
約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物を
得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n−ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を得
た。この油状物は95%以上の純度を有するポリプ
レノールであり、そのものについてメルク社製セ
ミ分取用高速液体クロマトカラム
LiChrosorbRP18−10(C18タイプ)を用いアセト
ン/メタノール=90/10(容量比)の混合溶剤を
溶離液とし、示差屈折計を検出器として用いた高
速液体クロマトグラフイー分析を行い、得られた
クロマトグラムにおける各ピークの面積比率を求
めた結果は下記のとおりであつた。 【表】 【表】 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
()で示される構造を有するポリプレノールで
あることを確認した。 各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果ならびに1H−NMRのδ値を表1
に、13C−NMRのδ値を表2にまとめて示した。 【表】 【表】 参考例 2 ポリプレニルブロミドの合成 n=15である一般式()のポリプレノール
12.4gおよびピリジン1mlを200mlのn−ヘキサン
中に加え、得られた溶液に室温(約20℃)で窒素
ガス雰囲気下に2.0gの三臭化リンを滴下し、滴下
完了後室温、窒素ガス雰囲気下に一夜撹拌した。
ついでこのn−ヘキサン溶液を分液ロートに入
れ、約50mlの水で3回洗浄したのち無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、n−ヘキサンを留去すること
により微黄色の液状物12.0gを得た。このものに
ついてNMR分析を行なつたところ、原料ポリプ
レノールの−CH2OH基に帰属されるシグナル
(d、δ=4.08)が消失し新らたに−CH2Brに帰
属されるシグナル(d、δ=3.91)が現われた。
またこの液状物をFD−MASSにより分析したと
ころm/e=1304であつた。これらの分析結果に
より、上記の生成物は一般式()においてn=
15、X=Brであるポリプレニルブロミドである
ことが確認された。 同様の操作によりnが15以外のポリプレニルブ
ロミドも合成された。 実施例 1 三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラン30ml
および50%水素化ナトリウム640mgを仕込み、室
温で撹拌しながらアセト酢酸エチル1.57gを滴下
した。激しい水素ガスの発生が穏やかになつたの
ち、フラスコ内を窒素ガスで置換しながら徐々に
昇温し、溶媒の還流条件下で1時間撹拌を続け
た。ついで反応系を室温まで冷却したのち、これ
に参考例2に従つて合成した一般式()におい
てn=15、X=Brであるポリプレニルブロミド
4.30gのテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下
し、室温で1夜撹拌した。反応混合物から回転蒸
発器で溶媒を留去したのち、残留物を約20mlの水
中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、得られた
ジエチルエーテル層を水、希塩酸水、水、重曹水
で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
回転蒸発器でジエチルエーテルを留去した黄色液
状物を得た。この黄色液状物を1mmHg減圧下、
150℃にて30分間加熱して低沸成分を留去し、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液
として使用〕により精製して微黄色液状物2.48g
を得た。このものの分析結果を以下に示す。 IR分析:1740、1715、1660、830cm-1 1H−NMR分析:δppm CCl41.21(3H、t、−
CO2CH2CH3)、 3.21(1H、t、【式】)、 4.11(2H、q、−CO2CH2CH3) FD−MASS分析:m/e=1354 以上の分析結果により、この微黄色液状物は一
般式()においてn=15、R3=C2H5であるポ
リプレニルケトカルボン酸エチルであることが確
認された。 次いでこのポリプレニルケトカルボン酸エチル
を水酸化ナトリウム0.5g、エタノール20mlおよび
水5mlの溶液中に加え、還流条件下で3時間撹拌
したのち、回転蒸発器を用いてエタノールを大部
分留去し、残渣を約20mlの水中に注ぎ、濃塩酸を
少しずつ加えてPH約2の酸性にしたのちヘキサン
で抽出した。ヘキサン層を飽和食塩水で充分洗浄
したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を留去して黄色の粘稠な液状物を得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製して微黄色粘稠液状物1.98g
を得た。このものの分析結果を以下に示す。 IR分析:1715、1660、830cm-1 1H−NMR分析:δppm CCl41.53(s、9H)、1.62(s、
48H)、1.7〜2.4(m、75H)、5.05(br、18H) FD−MASS分析:m/e=1282 以上の分析結果により、この微黄色液体が一般
式()においてn=15であるポリプレニルアセ
トンであることが確認された。 次いで三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラ
ン40mlおよび50%水素化ナトリウム220mgを仕込
み、室温で撹拌しながらジエチルホスホノ酢酸エ
チル1.0gを10mlの無水テトラヒドロフランに溶解
した溶液を滴下した。滴下完了後、室温でさらに
1時間撹拌を続けたのち、先に合成した一般式
()においてn=15であるポリプレニルアセト
ン1.92gを無水テトラヒドロフラン10mlに溶解し
た溶液を室温で滴下し、滴下完了後、室温で30
分、50〜60℃でさらに3時間撹拌した。次いで室
温まで冷却し、約1mlの水を加えたのち、回転蒸
発器で溶媒を留去し、残留物に約50mlの水を加え
てヘキサンで抽出した。ヘキサン層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ヘキ
サンを留去して黄かつ色の液状物を得た。この液
状物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=98/2(容量比)を展開液
として使用〕で精製して1.62gの無色液状物を得
た。このものは下記分析結果により一般式(V)
においてn=15、R1=C2H5であるポリプレニル
カルボン酸エチルであることが確認された。 IR分析: 1715、1640、1440、1385、1210、1135、830、
790cm-1 1 H−NMR分析(δppm CCl4): 1.20(t、3H)、1.53(s、9H)、1.62(s、
48H)、1.7〜2.4(m、75H)、4.06(q、2H)、5.06
(br、18H)、5.56(br、1H)、 FD−MASS分析;m/e=1352 次いで、このポリプレニルカルボン酸エチル
1.62gを水酸化ナトリウム0.3g、水3mlおよびエ
タノール20mlの溶液に加え、5時間還流条件下で
撹拌したのち、回転蒸発器で大部分のエタノール
を留去し、10mlの水を加え、希塩酸水でPHを約5
にしてからヘキサンで抽出した。ヘキサン層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去し黄色の液状物を得た。このもの
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=90/10(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製して1.42gの無色液状物を得
た。このものは以下の分析結果により一般式
()においてn=15であるポリプレニルカルボ
ン酸であることが確認された。 IR分析:3600〜2900(weak)、2800〜2400
(weak)、 1690、1660、1630、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4): 1.53(7.9H)、1.62(s、48H)、1.7〜2.4(m、
75H、5.06(br、18H)、5.56(br、1H)〜11.5(br、
1H)。 次いで、このポリプレニルカルボン酸1.42gを
以下に示す方法で選択的に水素添加した。μ、
μ′−ジクロロビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ロジウム(I)0.7mgとネオメンチルジフエ
ニルホスフイン7.3mgを耐圧ビンの中に入れてマ
グネチツクスターラーで撹拌しながら脱気した
後、アルゴンで置換し、蒸留した無水エタノール
5mlを加え、得られた黄色溶液を3気圧の水素圧
のもとで30分撹拌した。これとは別にポリプレニ
ルカルボン酸1.42gとナトリウムメトキシド17mg
を無水エタノール4mlに溶かした溶液をアルゴン
雰囲気下に撹拌した。このようにして調製した触
媒溶液とポリプレニルカルボン酸溶液を、あらか
じめ脱気してアルゴン置換しておいたオートクレ
ーブに排管を通して移し、2.5気圧の水素圧をか
けて室温で24時間水素添加反応を行なつた。反応
後の溶液を回転蒸発器を用いて濃縮し、残渣に希
塩酸水を加え、ヘキサンで抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後溶媒を留去し、黄かつ色液状物
1.40gを得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー〔ヘキサン/酢酸エチル=90/10
(容量比)を展開液として使用〕により精製して
無色粘稠液状物1.25gを得た。このものは以下の
分析結果により一般式(I)においてn=15、R
=Hであるジヒドロポリプレニルカルボン酸であ
ることが確認された。 IR分析:3600〜2900(weak)、2800〜2400
(weak)、 1705、1660、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4): 1.53(s.9H)、1.62(s、48H)、1.7〜2.5(m、
76H、5.06(br、18H)、10.0(br、1H) 〔原料の不飽和ポリプレニルカルボン酸に存在
するδ5.56(br、1H)が消失〕 FD−MASS分析;m/e=1328 同様の操作により一般式()においてnが11
〜19の間の15以外の値であるポリプレニルブロミ
ドから対応するnの値を有しかつR=Hである一
般式(I)で示されるジヒドロポリプレニルカル
ボン酸を合成した。それらの収率はn=15のジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸を合成した場合のそ
れと略同じであつた。またそれらのIRスペクト
ルの特性吸収および1H−NMRスペクトルの特性
シグナルはその位置においてn=15の上記ジヒド
ロポリプレニルカルボン酸のそれと実質的に一致
した。さらにFD−MASS分析の結果は次のとお
りであつた。 原料ポリプレニル ブロミド() の中のnの値 生成ジヒドロポリプ レニルカルボン酸 m/e値 11 1056 12 1124 13 1192 14 1260 16 1396 17 1464 18 1532 19 1600 実施例 2 実施例1の方法で合成した一般式()におい
てnが15であるポリプレニルカルボン酸1.15gを
テトラヒドロフラン15mlに溶かした溶液を窒素気
流下リチウム100mgと液体アンモニア30mlから調
製した青色溶液に2分間かけて加えた。さらに30
分間−33℃で撹拌を続けた後3.0gの塩化アンモニ
ウムを少しづつ加えて過剰のリチウムを分解し
た。そのまま一晩放置してアンモニアを留去した
後、残渣に3%塩酸水を加えて、ヘキサンで抽出
し、ヘキサン層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を回転蒸発器で留去すると、黄色液状物が得ら
れた。シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘ
キサン/酢酸エチル=90:10(容量比)を展開液
として使用〕により精製し、一般式(I)におい
てn=15、R=Hであるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸1.03gを得た。このもののIR分析、
NMR分析およびFD−MASS分析の結果は実施
例1で得たジヒドロポリプレニルカルボン酸のそ
れと一致した。 同様の操作により一般式()においてnが11
〜19の間の15以外の値であるポリプレニルカルボ
ン酸から対応するnの値を有しかつR=Hである
一般式(I)で示されるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸を合成した。それらの収率はn=15のジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸を合成した場合の
それと略同じであつた。 実施例 3 実施例1の方法で合成した一般式(I)におい
てnが15、R=Hであるジヒドロポリプレニルカ
ルボン酸1.03gをジエチルエーテル20mlに溶かし、
薄層クロマトグラフイーで追跡しつつジアゾメタ
ンのジエチルエーテル溶液を原料カルボン酸のス
ポツトが消失するまで添加した。少量の酢酸を加
えて過剰のジアゾメタンを分解したのち回転蒸発
器を用いて濃縮し黄色液状物を得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=98:2(容量比)を展開液とし
て使用〕で精製し1.01gの無色液状物を得た。こ
のものは下記の分析結果により一般式(I)にお
いてnが15、R=CH3であるジヒドロポリプレニ
ルカルボン酸メチルであることが確認された。 IR分析:1735、1660、1440、1375、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4):1.53(s、9H)、1.62
(s、48H)、1.7〜2.5(m、76H)、3.68(s、3H)、
5.06(br、18H) FD−MASS分析:m/e=1342 同様の操作により一般式(I)においてnが11
〜19の間の15以外の値でありかつR=Hであるジ
ヒドロポリプレニルカルボン酸から対応するnの
値を有しかつR=CH3である一般式(I)のジヒ
ドロポリプレニルカルボン酸メチルを合成するこ
とができた。 実施例 4 実施例3で合成した一般式(I)においてnが
15、R=CH3であるジヒドロポリプレニルカルボ
ン酸メチル0.50gを無水エタノール20mlに溶かし、
50%水素化ナトリウム10mgを加え、14時間加熱還
流した。冷却後エタノールを回転蒸発器で留去
し、残渣に水を加えた後ヘキサンで抽出し、硫酸
マグネシウムで乾燥した。ヘキサンを回転蒸発器
を用いて留去すると微黄色液状物0.43gが得られ
た。このもののFD−MASS分析を行なつたとこ
ろm/e=1356を示したので、この液状物は一般
式(I)においてnが15、R=C2H5で示される
ジヒドロポリプレニルカルボン酸エチルであるこ
とが確認された。 同様の操作により一般式(I)においてnが11
〜19の間の15以外の値でありかつR=C2H5であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エチルも合成
することができた。 実施例 5 参考例1と同様にして得られた一般式()に
おいてnが11から19まで分布し、その組成が参考
例1に記載したものと実質的に等しいポリプレノ
ール混合物を参考例2の方法に従つて三臭化リン
と反応させることによりポリプレニルブロミド混
合物とし、その4.30gを実施例1の一般式()
においてn=15であるポリプレニルブロミド
4.30gのかわりに用いた以外は実施例1まつたく
同様の操作を行ない、最終生成物として無色粘稠
液状物1.18gを得た。このもののIR、1H−NMR分
析結果は実施例1のジヒドロポリプレニルカルボ
ン酸について得られた結果と特性吸収、特性シグ
ナルの位置において実質的に同一であつた。 参考例 3 三つ口フラスコに無水テトラヒドロフラン30ml
と水素化アルミニウムリチウム380mgを入れ、窒
素雰囲気下0℃に冷却後、実施例1の方法で合成
した一般式(I)においてn=15、R=Hである
ジヒドロポリプレニルカルボン酸4.42gを無水テ
トラヒドロフラン15mlに溶かした溶液を撹拌しな
がら滴下した。滴下完了後0℃で1時間、室温で
さらに5時間撹拌後、希塩酸水に少しづつ注ぎ充
分撹拌した。ヘキサンを加えて分液し、水層はさ
らに2回ヘキサンで抽出した。有機層を合して水
洗、重曹水洗、飽和食塩水洗してから無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後溶媒を留去し、無色液状物
4.12gを得た。このものをシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー〔ヘキサン/酢酸エチル=90:10
(容量比)を展開液として使用〕により精製して
無色液状物3.82gを得た。このものは以下の分析
結果により一般式(A)においてj=15であるドリコ
ールであることが確認された。 IR分析:3320、2920、2850、1440、1376、
1060、830cm-1 1H−NMR分析:(δppm CCl4):0.91(4、3H)、1.60
(s、9H、1.68(s、48H)、1.10〜1.80(m、5H)、
2.03(b、70H)、3.66(m、2H)、5.10(b、18H) 13C−NMR(ppm/強度):16.006/640、
17.679/353、19.557/548、23.430/6330、
25.308/567、25.677/542、26.436/5166、
26.699/548、26.825/492、29.316/528、
32.021/456、32.245/5500、37.548/582、
39.757/683、40.029/541、61.241/551、
124.214/445、124.282/463、124.448/505、
124.993/499、125.071/5242、131.210/213、
134.937/290、1350.005/349、135.229/3567、
135.365/430。 FD−MASS分析:m/e=1312 実施例 4 三つ口フラスコに無水ジエチルエーテル20mlと
水素化アルミニウムリチウム200mgを入れ、窒素
雰囲気下0℃に冷却後、実施例4の方法で合成し
た一般式(I)においてnが15、R=C2H5であ
るジヒドロポリプレニルカルボン酸エチル3.39g
を無水ジエチルエーテル10mlに溶かした溶液を撹
拌しながら滴下した。滴下完了後室温で一晩撹拌
を続けた後、水0.2ml、15%水酸化ナトリウム水
溶液0.2mlおよび水0.6mlをこの順序で注意深く滴
下し激しく撹拌した。得られた白色粒状沈殿を
別し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶
媒を留去し無色液状物3.25gを得た。このものを
シリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ヘキサ
ン/酢酸エチル=90:10(容量比)を展開液とし
て使用〕により精製し、一般式(A)においてj=15
であるドリコール3.03gを得た。このもののIR分
析、NMR分析およびFD−MASS分析の結果は
参考例4で得たドリコールのそれらと一致した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単 位を表わし、nは11〜19の整数を表わし、Rは低
級アルキル基または水素原子を表わす。)で示さ
れる化合物。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57051903A JPS58167539A (ja) | 1982-03-29 | 1982-03-29 | ジヒドロポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
| US06/467,253 US4564477A (en) | 1982-02-19 | 1983-02-17 | Polyprenyl compounds and method of producing the same |
| DE8383101562T DE3360448D1 (en) | 1982-02-19 | 1983-02-18 | Novel polyprenyl compounds, method of producing the same and their use in dolichol production |
| EP83101562A EP0087136B1 (en) | 1982-02-19 | 1983-02-18 | Novel polyprenyl compounds, method of producing the same and their use in dolichol production |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57051903A JPS58167539A (ja) | 1982-03-29 | 1982-03-29 | ジヒドロポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58167539A JPS58167539A (ja) | 1983-10-03 |
| JPH0220617B2 true JPH0220617B2 (ja) | 1990-05-10 |
Family
ID=12899833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57051903A Granted JPS58167539A (ja) | 1982-02-19 | 1982-03-29 | ジヒドロポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58167539A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4955979B2 (ja) * | 2005-10-26 | 2012-06-20 | 株式会社クボタ | 脱穀装置の揺動選別装置 |
-
1982
- 1982-03-29 JP JP57051903A patent/JPS58167539A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58167539A (ja) | 1983-10-03 |
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