JPH0316332B2 - - Google Patents
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- JPH0316332B2 JPH0316332B2 JP4425682A JP4425682A JPH0316332B2 JP H0316332 B2 JPH0316332 B2 JP H0316332B2 JP 4425682 A JP4425682 A JP 4425682A JP 4425682 A JP4425682 A JP 4425682A JP H0316332 B2 JPH0316332 B2 JP H0316332B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は新規なポリプレニルカルボン酸および
そのエステルに関する。さらに詳しくは、本発明
は一般式() 〔式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の
整数を表わし、Rは水素原子または低級カルキル
基を表わす。〕 で示される化合物に関する。 本発明により提供される一般式()で示され
るポリプレニルカルボン酸およびそのエステルは
医薬、化粧料などの原料として有用な物質であ
り、とくに哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て有用である。 ドリコール類は1960年にJ.F.Pennockらによつ
てブタの肝臓などからはじめて単離され
〔Nature(London),186,470(1960)参照〕、の
ちにこのものは一般式(A) 〔式中、【式】はトランス型 イソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単位 を表わす。本明細書中において以下同様。〕 で示される構造を有するポリプレノール同族体の
混合物であつて、式(A)中のシス型イソプレン単位
の数を表わすjは一般に12から18まで分布し、j
=14,15および16の3種の同族体が主体となつて
いることが明らかにされた〔R.W.Keenan et
al.,Biochemical Journal,165,505(1977)参
照〕。ドリコール類はブタの肝臓のみならず、哺
乳動物体内に広く分布しており、生体の生命維持
の上で極めて重要な機能を果していることが知ら
れている。例えば、J.B.Harfordらは子牛やブタ
の脳内白髄質を用いるin Vitro試験により、外因
性ドリコールがマンノースなどの糖成分の脂質へ
の取り込みを促進し、その結果、生体の生命維持
のうえで重要な糖蛋白質の形成を増大させる作用
を持つことを明らかにしている〔Biochemical
and Biophysical Research Communication,
76,1036(1977)参照〕。ドリコール類によるかか
る脂質への糖成分の取り込み促進効果は成長期の
主体におけるよりも既に成熱している動物におい
て顕著であることから、老化防止の点でのドリコ
ール類の働きが注目されている。また、R.W.
Keenanらは幼年期などの急速に成長を続けてい
る生体にとつては外からドリコールを摂取し、自
己の体内で生合成して得られるドリコールを補う
ことが重要であると述べている〔Archives of
Biochemistry and Biophysics,179,634(1977)
参照〕。さらに、赤松らはラツトの再生肝中のド
リコールリン酸エステルを定量し、その量が正常
な肝中よりも著しく減少しており、肝組織での糖
蛋白の合成機能が大巾に低下していることおよび
外からドリコールリン酸エステルを加えると該機
能が改善されることを見出した〔第54回日本生化
学会大会(1981年)において発表〕。 上記のようにドリコール類は生体にとつて極め
て重要な機能を司る物質であり、医薬品またはそ
の中間体として有用であるが、従来その入手は容
易でなく、例えばブタ肝臓10Kgから複雑な分離操
作を経てやつと0.6gのドリコールが得られるに
過ぎない〔J.Burgos et al.,Biochemical
Journal,88,470(1963)参照〕。ドリコール類を
全合成することは、それらの複雑で特異な分子構
造に徴して明らかなように現在の有機合成の技術
では至難のことである。合成中間体を天然物に依
存し、これに簡単な合成化学的処理を加えるのみ
でドリコール類を得ることができるならば有利で
あるが、従来そのような好都合な物質は見出され
ていない。従来、下記の一般式(B) 〔但し、k=4〜6〕で示されるポリプレノー
ル類(これらはベツラプレノール類と呼ばれてい
る)がシラカンバ(Betula verrucola)から採
取し得ることは知られているが、これらからシス
型イソプレン単位の数が14,15および16のものを
主体とするドリコール類を合成することは現在の
有機合成技術ではほとんど不可能である。また
K.Hannusらはヨーロツパ赤松(Pinus
sylvestris)の葉から乾燥重量基準で1%の収率
でポリプレニル成分を単離し、この成分がイソプ
レン単位10〜19個を主としてシス配置で有するポ
リプレニルアセテート混合物であることを報告し
ているが〔Phytochemistry,13,2563(1974)参
照〕、彼らの報告には該ポリプレニルアセテート
中のトランスおよびシス配置についての詳細まで
は解明されていない。さらに、D.F.Zinkelらはス
トロープ松(Pinus strobus)の葉の抽出物中に
イソプレン単位数18個またはイソプレン単位数の
平均値が18であるC90のポリプレノールが存在す
ることを報告しているが〔Phytochemistry,11,
3387(1972)参照〕、この報告では該ポリプレノー
ルのトランス、シス配置について詳細な解析を行
なつていない。 本発明者らの一部とその共同研究者らは、先
に、イチヨウおよびヒマラヤ杉から有機溶媒によ
つて抽出される抽出物を、必要により加水分解し
たのち、クロマトグラフイー、分別溶解法その他
の適当な分離法によつて処理することにより、14
〜22個のイソプレン単位を哺乳類ドリコール類と
まつたく同じトランス、シス配置で有するポリプ
レノールおよび/またはその酢酸エステル同族体
混合物からなるポリプレニル画分が得られるこ
と、該ポリプレニル画分は哺乳類ドリコール類に
比べてα−末端の飽和イソプレン単位が存在しな
いだけで哺乳類ドリコール類におけるポリプレニ
ル同族体の分布に非常によく似たポリプレニル同
族体の分布を示すこと、該ポリプレニル画分は所
望によりその構成成分である個々の(イソプレン
単位数が一様な)ポリプレニル同族体に比較的容
易に分離しうること、従つて該ポリプレニル画分
およびそれから分離された各ポリプレニル同族体
はいずれも哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て非常に適していることを見出した。 本発明者らは、上記のごときポリプレニル化合
物を用いて哺乳類ドリコール類を効率的に製造す
るため該ポリプレニル化合物のポリプレニル鎖の
α−末端に飽和イソプレン単位を導入する方法を
鋭意検討した結果、かかる方法における中間体と
して有用な前記一般式()で示されるポリプレ
ニルカルボン酸およびそのエステルを創製し、本
発明を完成するに至つた。 一般式()中のRによつて表わされる低級ア
ルキル基はたとえばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、チオ
ペンチル基、n−ヘキシル基などである。 一般式()で示される本発明の化合物は、下
記一般式() (式中Xはハロゲン原子を表わし、nは前記定
義のとおりである。) で示されるポリプレニルハライド〔以下、ポリプ
レニルハライド()と記す。〕を塩基性化合物
の存在下に一般式() (式中R1は低級アルキル基を表わす。) で示されるアセト酢酸エステル〔以下、アセト酢
酸エステル()と記す。〕と反応させることに
より得られる一般式() (式中、R1およびnは前記定義のとおりであ
る。) で示されるポリプレニルケトカルボン酸エステル
〔以下、ポリプレニルケトカルボン酸エステル
()と記す。〕をケン化、脱炭酸することによつ
て一般式() (式中、nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレニルアセトン〔以下、ポリプ
レニルアセトン()と記す。〕とし、これを一
般式() (式中、R2およびR3はそれぞれ低級アルキル
基を表わす。) で示される化合物とウイツチヒ(Wittig)反応さ
せ、得られる生成物を必要に応じてエステル交換
または加水分解することによつて製造することが
できる。 ポリプレニルハライド()は前述のようにイ
チヨウあるいはヒマラヤ杉の抽出物から直接また
は加水分解を経て得ることができる一般式() (式中nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレノールまたはその混合物をハ
ロゲン化剤たとえばPCl3、PBr3のごとき三ハロ
ゲン化リン、SOCl2、SOBr2のごときチオニルハ
ライドなどでハロゲン化することにより容易に得
られる。このハロゲン化反応は、通常、たとえば
ヘキサン、ジエチルエーテルなどの適当な溶媒中
に上記ポリプレノールを溶解し、これにトリエチ
ルアミン、ピリジンなどで代表される塩基の存在
または不存在下に約−20℃〜+50℃の温度におい
てハロゲン化剤を加えることにより行われる。 ポリプレニルハライド()とアセト酢酸エス
テル()との反応は溶媒中で行なうことが望ま
しい。好適に使用されうる溶媒としてはジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタンなどのエーテル系溶媒が挙げられ
る。溶媒の使用量は、臨界的ではないが、ポリプ
レニルハライド()に対して2〜100倍(重
量)、好ましくは5〜80倍(重量)、さらに好まし
くは10〜50倍(重量)である。充分に乾燥された
溶媒を用いることが目的とする反応を円滑に進行
させるうえで好ましい。この反応を行うためには
塩基性化合物を存在させることが必須である。使
用する塩基性化合物としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウム
t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなど、アルカリ金属の水素化物、
水酸化物またはアルコキシドあるいはn−ブチル
リチウム、メチルリチウムなどが好適である。塩
基性化合物はアセト酢酸エステル()1モルあ
たり一般に約0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0
モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モルの割合で用
いられる。好ましい実施態様においては、塩基性
化合物の溶液または分散液にアセト酢酸エステル
()を加えるかまたは逆にアセト酢酸エステル
()の溶液に塩基性化合物を全量一時にもしく
は少量づつ徐々に加えることによりまずアセト酢
酸エステルのアニオンを形成させ、しかるのちに
これにポリプレニルハライド()を加えて反応
させる。アセト酢酸エステル()とポリプレニ
ルハライド()との使用割合は、臨界的ではな
いが、アセト酢酸エステル()/ポリプレニル
ハライド()のモル比にして1/2〜20/1、
好ましくは4/5〜10/1、さらに好ましくは
1/1〜5/1である。アセト酢酸エステル
()のアニオンを形成させる際には、窒素ガス、
アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下−30℃〜+
100℃、好ましくは−10℃〜80℃の温度で反応を
行うことが望ましく、これにより副反応を抑制し
つつ円滑に目的とするアニオンを形成させること
ができる。このアニオン形成に要する時間は用い
る反応温度によつても変化するが通常約10分間〜
5時間程度で充分である。このようにして調製さ
れたアセト酢酸エステル()のアニオン溶液に
ポリプレニルハライド()を添加して反応させ
る。用いる反応条件によつては、ポリプレニルハ
ライド()を全量一時に添加するよりは少量づ
つ何度かに分けてあるいは滴下方式で加えること
によつて反応を円滑に進行させうる場合がある。
ポリプレニルハライド()の添加時およびその
後反応を完結させるまでの間の反応系内の温度
は、臨界的ではないが、−10℃から使用する溶媒
の沸点までの範囲内であることが望ましい。反応
温度が低すぎると反応の進行が遅く、反応完結に
要する時間がかかり過ぎる。一方、反応温度が高
すぎると望ましくない副反応が進行する。この観
点から0℃〜80℃の範囲内の反応温度を採用する
ことが好ましい。ポリプレニルハライド()を
添加したのち反応を完結させるためには上記反応
温度において反応混合物の撹拌を継続することが
必要であり、これに要する時間は用いる反応温度
によつて変化するが通常約30分間〜24時間程度で
ある。反応の進行を確認するためには薄層クロマ
トグラフイーにより原料ポリプレニルハライド
()の減少を追跡するのが便利であり、好まし
い。 反応後、反応混合物からのポリプレニルケトカ
ルボン酸エステル()の単離は従来公知の合成
反応に用いられている単離方法を応用することに
より容易に達成される。とくにクロマト法が便利
に用いられる。クロマト法に使用しうる吸着体と
してはシリカゲル、アルミナ、活性炭、セルロー
スなどがある。なかでもシリカゲルがとくに好適
に使用される。展開溶媒としてはヘキサン、ペン
タン、石油エーテル、ベンゼンなどの炭化水素系
溶媒にジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エ
チル、エチルアルコールなどの極性溶媒を少量混
合したものが好適である。 また、この単離工程を省略して直接に次工程の
ポリプレニルアセトン()の合成反応を行い、
そののち精製工程を行うことも可能である。 ポリプレニルケトカルボン酸エステル()は
従来から高級脂肪酸エステル類のケン化反応に使
用されている方法を応用してケン化することがで
きる。たとえば、ポリプレニルケトカルボン酸エ
ステル()を水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
リウムと共に含水メタノール、含水エタノールあ
るいは含水イソプロパノール中で撹拌することに
よつて目的を達成することができる。水酸化ナト
リウムまたは水酸化カリウムの使用量はポリプレ
ニルケトカルボン酸エステル()に対して約
1.0〜20.0モル当量、好ましくは1.5〜10.0モル当
量であることが望ましい。反応溶媒としては上記
のような含水アルコール類が好適であるが、ポリ
プレニルケトカルボン酸エステル()の溶解性
を上げるためにヘキサン、ペンタン、ベンゼン、
トルエンなどの炭化水素系溶媒を少量加えること
も好ましい。上記ケン化反応を円滑に進行させる
ため、反応温度としては0℃から用いる溶媒の沸
点まで、好ましくは25〜65℃の範囲内の温度を採
用することが望ましい。反応完結に要する時間
は、このとき採用する温度条件によつて異るが、
通常約0.5〜24時間の範囲内である。 以上のようにしてケン化反応を行なつたのち、
好適には室温条件または氷冷条件下で、反応液を
塩酸や硫酸などの鉱酸を用いて中和し、更に反応
溶液をPH1〜3程度の酸性条件にすると自動的に
脱炭酸反応が生じ、ポリプレニルアセトン()
が形成される。脱炭酸反応が完結したのち、反応
液をヘキサン、ベンゼンまたはジエチルエーテル
などで抽出し、水で充分洗浄したのち有機層を乾
燥し、溶媒留去するとポリプレニルアセトン
()の粗製物が得られる。このものを精製する
ためにはクロマト法が好適に採用される。クロマ
ト法に使用される吸着体としてはシリカゲル、ア
ルミナ、活性炭、セルロースなどがあるが、シリ
カゲルがとくに好適である。展開溶媒としてはヘ
キサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼン、ト
ルエンなどの炭化水素系溶媒にジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、酢
酸エチル、酢酸メチルなどの極性溶媒を少量混合
したものを使用するのが好適である。 ポリプレニルアセトン()と一般式()で
示される化合物とのウイツチヒ反応は、通常、溶
媒中で行われる。好適に使用される溶媒として
は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテルなどを例示することができ
る。目的とする反応を円滑に進行せしめるために
は、使用する溶媒は充分に無水状態にまで乾燥さ
れていることが好ましい。また、同様の観点か
ら、反応系は窒素やアルゴンなどの不活性ガスで
置換しておくことが望まれる。溶媒の使用量には
特別の制限はないが、一般にポリプレニルアセト
ン()1重量部に対して約5〜50重量部、好適
には10〜30重量部の溶媒が使用される。一般式
()で示される化合物(ウイツチヒ試薬)のと
くに好適な例として下記化合物を挙げることがで
きる。 【式】 【式】 【式】 ウイツチヒ反応を行うに際して、上記のウイツ
チヒ試薬を塩基性化合物と処理することによりホ
スホイリドを形成する必要があるが、このために
好適に使用される塩基性化合物としては、たとえ
ばn−ブチルリチウム、メチルリチウム、水素化
ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、などが挙げられ
る。このような塩基性化合物を前述の溶媒中に加
えたのち、約−30℃〜+80℃、好ましくは−10℃
〜+50℃の温度条件下で撹拌しながら、これに前
記ウイツチヒ試薬を滴下法により加え、滴下完了
後上記温度範囲でさらに約0.5〜24時間撹拌を経
続することによりホスホイリドを形成することが
できる。この際の上記塩基性化合物の使用量はウ
イツチヒ試薬に対して約0.5〜1.5モル当量が好適
である。このホスホイリド溶液中にポリプレニル
アセトン()を加えて約0℃〜100℃、好まし
くは15℃〜80℃で反応させることにより一般式
()においてRが低級アルキル基であるポリプ
レニルカルボン酸エステルを得ることができる。
この反応を完結させるために要する反応時間は一
般に約0.5〜24時間の範囲内である。ウイツチヒ
試薬の使用量はポリプレニルアセトン()に対
して0.5〜10.0モル当量、好適には0.8〜8.0モル当
量、さらに好適には1.0〜5.0モル当量である。 以上のようにして合成されたポリプレニルカル
ボン酸エステルは必要に応じエステル交換反応に
よつてそのアルコール残基部分を他の低級アルコ
ール残基に交換することができる。また、上記ポ
リプレニルカルボン酸エステルを通常の脂肪酸エ
ステルの加水分解反応に適用される方法に準じて
加水分解することにより一般式()においてR
が水素原子であるポリプレニルカルボン酸を得る
ことができる。たとえば、上記ポリプレニルカル
ボン酸エステルを含水エタノール中で該ポリプレ
ニルカルボン酸エステルに対して約2〜5倍モル
の水酸化ナトリウムと共に約1〜5時間還流条件
下で撹拌することにより収率よくポリプレニルカ
ルボン酸を得ることができる。 一般式()で示される本発明化合物は公知の
分離精製方法に準ずる種々の方法で精製すること
ができるが、なかでもとくにクロマト法によつて
精製するのが簡便である。クロマト法に用いられ
る吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、活性
炭、フロリジル、セルローズなどがあるが、シリ
カゲルがとくに好適である。展開溶媒としてはヘ
キサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼンなど
の炭化水素系溶媒にクロロホルム、メチレンクロ
リド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、イソプ
ロピルアルコールなどの極性溶媒を少量混合した
ものを使用するのが好適である。 一般式()で示される本発明化合物はたとえ
ば下記の合成経路によつて哺乳類ドリコール類に
導くことができる。 ただし上記式においてPPは式 (式中nは前記定義のとおりである。)で示さ
れる基を表わす。 反応は本発明のポリプレニルカルボン酸の−
CO2H基を有するイソプレン単位部分の選択的水
素添加反応であり、この反応はたとえばパラジウ
ム系、ニツケル系、ロジウム系などの水素添加触
媒を用いて行うことができる。該反応で得られ
た化合物()をたとえば水素化アルミニウムリ
チウムなどの還元剤で還元すること(反応)に
より哺乳類ドリコール類()を容易に得ること
ができる。 以下、本発明を実施例および参考例によりさら
に具体的に説明する。なお、実施例および参考例
中のIR分析は液膜で測定し、NMR分析はTMS
を内部標準として測定した。FD−MASS分析値
は1H,12C,16O,35Cl,79Brとして補正した値であ
る。 参考例1 ポリプレノールの分離 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)で1週間クロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlを加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水40mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し、残留物にジエチル
エーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層
を約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物
を得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n−ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を
得た。この油状物は95%以上の純度を有するポリ
プレノールであり、このものについてメルク社製
セミ分取用高速液体クロマトカラムLiChrosorb
Rb 18−10(C18タイプ)を用いアセトン/メタノ
ール=90/10(容量比)の混合溶剤を溶離液とし、
示差屈折計を検出器として用いた高速液体クロマ
トグラフイー分析を行い、得られたクロマトグラ
ムにおける各ピークの面積比率を求めた結果は下
記のとおりであつた。 【表】 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
()で示される構造を有するポリプレノールで
あることを確認した。 各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果ならびに1H−NMRのδ値を表1
に、13C−NMRのδ値を表2にまとめて示した。 【表】 【表】
そのエステルに関する。さらに詳しくは、本発明
は一般式() 〔式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の
整数を表わし、Rは水素原子または低級カルキル
基を表わす。〕 で示される化合物に関する。 本発明により提供される一般式()で示され
るポリプレニルカルボン酸およびそのエステルは
医薬、化粧料などの原料として有用な物質であ
り、とくに哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て有用である。 ドリコール類は1960年にJ.F.Pennockらによつ
てブタの肝臓などからはじめて単離され
〔Nature(London),186,470(1960)参照〕、の
ちにこのものは一般式(A) 〔式中、【式】はトランス型 イソプレン単位を表わし、
【式】はシス型イソプレン単位 を表わす。本明細書中において以下同様。〕 で示される構造を有するポリプレノール同族体の
混合物であつて、式(A)中のシス型イソプレン単位
の数を表わすjは一般に12から18まで分布し、j
=14,15および16の3種の同族体が主体となつて
いることが明らかにされた〔R.W.Keenan et
al.,Biochemical Journal,165,505(1977)参
照〕。ドリコール類はブタの肝臓のみならず、哺
乳動物体内に広く分布しており、生体の生命維持
の上で極めて重要な機能を果していることが知ら
れている。例えば、J.B.Harfordらは子牛やブタ
の脳内白髄質を用いるin Vitro試験により、外因
性ドリコールがマンノースなどの糖成分の脂質へ
の取り込みを促進し、その結果、生体の生命維持
のうえで重要な糖蛋白質の形成を増大させる作用
を持つことを明らかにしている〔Biochemical
and Biophysical Research Communication,
76,1036(1977)参照〕。ドリコール類によるかか
る脂質への糖成分の取り込み促進効果は成長期の
主体におけるよりも既に成熱している動物におい
て顕著であることから、老化防止の点でのドリコ
ール類の働きが注目されている。また、R.W.
Keenanらは幼年期などの急速に成長を続けてい
る生体にとつては外からドリコールを摂取し、自
己の体内で生合成して得られるドリコールを補う
ことが重要であると述べている〔Archives of
Biochemistry and Biophysics,179,634(1977)
参照〕。さらに、赤松らはラツトの再生肝中のド
リコールリン酸エステルを定量し、その量が正常
な肝中よりも著しく減少しており、肝組織での糖
蛋白の合成機能が大巾に低下していることおよび
外からドリコールリン酸エステルを加えると該機
能が改善されることを見出した〔第54回日本生化
学会大会(1981年)において発表〕。 上記のようにドリコール類は生体にとつて極め
て重要な機能を司る物質であり、医薬品またはそ
の中間体として有用であるが、従来その入手は容
易でなく、例えばブタ肝臓10Kgから複雑な分離操
作を経てやつと0.6gのドリコールが得られるに
過ぎない〔J.Burgos et al.,Biochemical
Journal,88,470(1963)参照〕。ドリコール類を
全合成することは、それらの複雑で特異な分子構
造に徴して明らかなように現在の有機合成の技術
では至難のことである。合成中間体を天然物に依
存し、これに簡単な合成化学的処理を加えるのみ
でドリコール類を得ることができるならば有利で
あるが、従来そのような好都合な物質は見出され
ていない。従来、下記の一般式(B) 〔但し、k=4〜6〕で示されるポリプレノー
ル類(これらはベツラプレノール類と呼ばれてい
る)がシラカンバ(Betula verrucola)から採
取し得ることは知られているが、これらからシス
型イソプレン単位の数が14,15および16のものを
主体とするドリコール類を合成することは現在の
有機合成技術ではほとんど不可能である。また
K.Hannusらはヨーロツパ赤松(Pinus
sylvestris)の葉から乾燥重量基準で1%の収率
でポリプレニル成分を単離し、この成分がイソプ
レン単位10〜19個を主としてシス配置で有するポ
リプレニルアセテート混合物であることを報告し
ているが〔Phytochemistry,13,2563(1974)参
照〕、彼らの報告には該ポリプレニルアセテート
中のトランスおよびシス配置についての詳細まで
は解明されていない。さらに、D.F.Zinkelらはス
トロープ松(Pinus strobus)の葉の抽出物中に
イソプレン単位数18個またはイソプレン単位数の
平均値が18であるC90のポリプレノールが存在す
ることを報告しているが〔Phytochemistry,11,
3387(1972)参照〕、この報告では該ポリプレノー
ルのトランス、シス配置について詳細な解析を行
なつていない。 本発明者らの一部とその共同研究者らは、先
に、イチヨウおよびヒマラヤ杉から有機溶媒によ
つて抽出される抽出物を、必要により加水分解し
たのち、クロマトグラフイー、分別溶解法その他
の適当な分離法によつて処理することにより、14
〜22個のイソプレン単位を哺乳類ドリコール類と
まつたく同じトランス、シス配置で有するポリプ
レノールおよび/またはその酢酸エステル同族体
混合物からなるポリプレニル画分が得られるこ
と、該ポリプレニル画分は哺乳類ドリコール類に
比べてα−末端の飽和イソプレン単位が存在しな
いだけで哺乳類ドリコール類におけるポリプレニ
ル同族体の分布に非常によく似たポリプレニル同
族体の分布を示すこと、該ポリプレニル画分は所
望によりその構成成分である個々の(イソプレン
単位数が一様な)ポリプレニル同族体に比較的容
易に分離しうること、従つて該ポリプレニル画分
およびそれから分離された各ポリプレニル同族体
はいずれも哺乳類ドリコール類の合成中間体とし
て非常に適していることを見出した。 本発明者らは、上記のごときポリプレニル化合
物を用いて哺乳類ドリコール類を効率的に製造す
るため該ポリプレニル化合物のポリプレニル鎖の
α−末端に飽和イソプレン単位を導入する方法を
鋭意検討した結果、かかる方法における中間体と
して有用な前記一般式()で示されるポリプレ
ニルカルボン酸およびそのエステルを創製し、本
発明を完成するに至つた。 一般式()中のRによつて表わされる低級ア
ルキル基はたとえばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、チオ
ペンチル基、n−ヘキシル基などである。 一般式()で示される本発明の化合物は、下
記一般式() (式中Xはハロゲン原子を表わし、nは前記定
義のとおりである。) で示されるポリプレニルハライド〔以下、ポリプ
レニルハライド()と記す。〕を塩基性化合物
の存在下に一般式() (式中R1は低級アルキル基を表わす。) で示されるアセト酢酸エステル〔以下、アセト酢
酸エステル()と記す。〕と反応させることに
より得られる一般式() (式中、R1およびnは前記定義のとおりであ
る。) で示されるポリプレニルケトカルボン酸エステル
〔以下、ポリプレニルケトカルボン酸エステル
()と記す。〕をケン化、脱炭酸することによつ
て一般式() (式中、nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレニルアセトン〔以下、ポリプ
レニルアセトン()と記す。〕とし、これを一
般式() (式中、R2およびR3はそれぞれ低級アルキル
基を表わす。) で示される化合物とウイツチヒ(Wittig)反応さ
せ、得られる生成物を必要に応じてエステル交換
または加水分解することによつて製造することが
できる。 ポリプレニルハライド()は前述のようにイ
チヨウあるいはヒマラヤ杉の抽出物から直接また
は加水分解を経て得ることができる一般式() (式中nは前記定義のとおりである。) で示されるポリプレノールまたはその混合物をハ
ロゲン化剤たとえばPCl3、PBr3のごとき三ハロ
ゲン化リン、SOCl2、SOBr2のごときチオニルハ
ライドなどでハロゲン化することにより容易に得
られる。このハロゲン化反応は、通常、たとえば
ヘキサン、ジエチルエーテルなどの適当な溶媒中
に上記ポリプレノールを溶解し、これにトリエチ
ルアミン、ピリジンなどで代表される塩基の存在
または不存在下に約−20℃〜+50℃の温度におい
てハロゲン化剤を加えることにより行われる。 ポリプレニルハライド()とアセト酢酸エス
テル()との反応は溶媒中で行なうことが望ま
しい。好適に使用されうる溶媒としてはジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
メトキシエタンなどのエーテル系溶媒が挙げられ
る。溶媒の使用量は、臨界的ではないが、ポリプ
レニルハライド()に対して2〜100倍(重
量)、好ましくは5〜80倍(重量)、さらに好まし
くは10〜50倍(重量)である。充分に乾燥された
溶媒を用いることが目的とする反応を円滑に進行
させるうえで好ましい。この反応を行うためには
塩基性化合物を存在させることが必須である。使
用する塩基性化合物としては、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムt−ブトキシド、カリウム
t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなど、アルカリ金属の水素化物、
水酸化物またはアルコキシドあるいはn−ブチル
リチウム、メチルリチウムなどが好適である。塩
基性化合物はアセト酢酸エステル()1モルあ
たり一般に約0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0
モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モルの割合で用
いられる。好ましい実施態様においては、塩基性
化合物の溶液または分散液にアセト酢酸エステル
()を加えるかまたは逆にアセト酢酸エステル
()の溶液に塩基性化合物を全量一時にもしく
は少量づつ徐々に加えることによりまずアセト酢
酸エステルのアニオンを形成させ、しかるのちに
これにポリプレニルハライド()を加えて反応
させる。アセト酢酸エステル()とポリプレニ
ルハライド()との使用割合は、臨界的ではな
いが、アセト酢酸エステル()/ポリプレニル
ハライド()のモル比にして1/2〜20/1、
好ましくは4/5〜10/1、さらに好ましくは
1/1〜5/1である。アセト酢酸エステル
()のアニオンを形成させる際には、窒素ガス、
アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下−30℃〜+
100℃、好ましくは−10℃〜80℃の温度で反応を
行うことが望ましく、これにより副反応を抑制し
つつ円滑に目的とするアニオンを形成させること
ができる。このアニオン形成に要する時間は用い
る反応温度によつても変化するが通常約10分間〜
5時間程度で充分である。このようにして調製さ
れたアセト酢酸エステル()のアニオン溶液に
ポリプレニルハライド()を添加して反応させ
る。用いる反応条件によつては、ポリプレニルハ
ライド()を全量一時に添加するよりは少量づ
つ何度かに分けてあるいは滴下方式で加えること
によつて反応を円滑に進行させうる場合がある。
ポリプレニルハライド()の添加時およびその
後反応を完結させるまでの間の反応系内の温度
は、臨界的ではないが、−10℃から使用する溶媒
の沸点までの範囲内であることが望ましい。反応
温度が低すぎると反応の進行が遅く、反応完結に
要する時間がかかり過ぎる。一方、反応温度が高
すぎると望ましくない副反応が進行する。この観
点から0℃〜80℃の範囲内の反応温度を採用する
ことが好ましい。ポリプレニルハライド()を
添加したのち反応を完結させるためには上記反応
温度において反応混合物の撹拌を継続することが
必要であり、これに要する時間は用いる反応温度
によつて変化するが通常約30分間〜24時間程度で
ある。反応の進行を確認するためには薄層クロマ
トグラフイーにより原料ポリプレニルハライド
()の減少を追跡するのが便利であり、好まし
い。 反応後、反応混合物からのポリプレニルケトカ
ルボン酸エステル()の単離は従来公知の合成
反応に用いられている単離方法を応用することに
より容易に達成される。とくにクロマト法が便利
に用いられる。クロマト法に使用しうる吸着体と
してはシリカゲル、アルミナ、活性炭、セルロー
スなどがある。なかでもシリカゲルがとくに好適
に使用される。展開溶媒としてはヘキサン、ペン
タン、石油エーテル、ベンゼンなどの炭化水素系
溶媒にジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エ
チル、エチルアルコールなどの極性溶媒を少量混
合したものが好適である。 また、この単離工程を省略して直接に次工程の
ポリプレニルアセトン()の合成反応を行い、
そののち精製工程を行うことも可能である。 ポリプレニルケトカルボン酸エステル()は
従来から高級脂肪酸エステル類のケン化反応に使
用されている方法を応用してケン化することがで
きる。たとえば、ポリプレニルケトカルボン酸エ
ステル()を水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
リウムと共に含水メタノール、含水エタノールあ
るいは含水イソプロパノール中で撹拌することに
よつて目的を達成することができる。水酸化ナト
リウムまたは水酸化カリウムの使用量はポリプレ
ニルケトカルボン酸エステル()に対して約
1.0〜20.0モル当量、好ましくは1.5〜10.0モル当
量であることが望ましい。反応溶媒としては上記
のような含水アルコール類が好適であるが、ポリ
プレニルケトカルボン酸エステル()の溶解性
を上げるためにヘキサン、ペンタン、ベンゼン、
トルエンなどの炭化水素系溶媒を少量加えること
も好ましい。上記ケン化反応を円滑に進行させる
ため、反応温度としては0℃から用いる溶媒の沸
点まで、好ましくは25〜65℃の範囲内の温度を採
用することが望ましい。反応完結に要する時間
は、このとき採用する温度条件によつて異るが、
通常約0.5〜24時間の範囲内である。 以上のようにしてケン化反応を行なつたのち、
好適には室温条件または氷冷条件下で、反応液を
塩酸や硫酸などの鉱酸を用いて中和し、更に反応
溶液をPH1〜3程度の酸性条件にすると自動的に
脱炭酸反応が生じ、ポリプレニルアセトン()
が形成される。脱炭酸反応が完結したのち、反応
液をヘキサン、ベンゼンまたはジエチルエーテル
などで抽出し、水で充分洗浄したのち有機層を乾
燥し、溶媒留去するとポリプレニルアセトン
()の粗製物が得られる。このものを精製する
ためにはクロマト法が好適に採用される。クロマ
ト法に使用される吸着体としてはシリカゲル、ア
ルミナ、活性炭、セルロースなどがあるが、シリ
カゲルがとくに好適である。展開溶媒としてはヘ
キサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼン、ト
ルエンなどの炭化水素系溶媒にジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、酢
酸エチル、酢酸メチルなどの極性溶媒を少量混合
したものを使用するのが好適である。 ポリプレニルアセトン()と一般式()で
示される化合物とのウイツチヒ反応は、通常、溶
媒中で行われる。好適に使用される溶媒として
は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテルなどを例示することができ
る。目的とする反応を円滑に進行せしめるために
は、使用する溶媒は充分に無水状態にまで乾燥さ
れていることが好ましい。また、同様の観点か
ら、反応系は窒素やアルゴンなどの不活性ガスで
置換しておくことが望まれる。溶媒の使用量には
特別の制限はないが、一般にポリプレニルアセト
ン()1重量部に対して約5〜50重量部、好適
には10〜30重量部の溶媒が使用される。一般式
()で示される化合物(ウイツチヒ試薬)のと
くに好適な例として下記化合物を挙げることがで
きる。 【式】 【式】 【式】 ウイツチヒ反応を行うに際して、上記のウイツ
チヒ試薬を塩基性化合物と処理することによりホ
スホイリドを形成する必要があるが、このために
好適に使用される塩基性化合物としては、たとえ
ばn−ブチルリチウム、メチルリチウム、水素化
ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、などが挙げられ
る。このような塩基性化合物を前述の溶媒中に加
えたのち、約−30℃〜+80℃、好ましくは−10℃
〜+50℃の温度条件下で撹拌しながら、これに前
記ウイツチヒ試薬を滴下法により加え、滴下完了
後上記温度範囲でさらに約0.5〜24時間撹拌を経
続することによりホスホイリドを形成することが
できる。この際の上記塩基性化合物の使用量はウ
イツチヒ試薬に対して約0.5〜1.5モル当量が好適
である。このホスホイリド溶液中にポリプレニル
アセトン()を加えて約0℃〜100℃、好まし
くは15℃〜80℃で反応させることにより一般式
()においてRが低級アルキル基であるポリプ
レニルカルボン酸エステルを得ることができる。
この反応を完結させるために要する反応時間は一
般に約0.5〜24時間の範囲内である。ウイツチヒ
試薬の使用量はポリプレニルアセトン()に対
して0.5〜10.0モル当量、好適には0.8〜8.0モル当
量、さらに好適には1.0〜5.0モル当量である。 以上のようにして合成されたポリプレニルカル
ボン酸エステルは必要に応じエステル交換反応に
よつてそのアルコール残基部分を他の低級アルコ
ール残基に交換することができる。また、上記ポ
リプレニルカルボン酸エステルを通常の脂肪酸エ
ステルの加水分解反応に適用される方法に準じて
加水分解することにより一般式()においてR
が水素原子であるポリプレニルカルボン酸を得る
ことができる。たとえば、上記ポリプレニルカル
ボン酸エステルを含水エタノール中で該ポリプレ
ニルカルボン酸エステルに対して約2〜5倍モル
の水酸化ナトリウムと共に約1〜5時間還流条件
下で撹拌することにより収率よくポリプレニルカ
ルボン酸を得ることができる。 一般式()で示される本発明化合物は公知の
分離精製方法に準ずる種々の方法で精製すること
ができるが、なかでもとくにクロマト法によつて
精製するのが簡便である。クロマト法に用いられ
る吸着体としてはシリカゲル、アルミナ、活性
炭、フロリジル、セルローズなどがあるが、シリ
カゲルがとくに好適である。展開溶媒としてはヘ
キサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼンなど
の炭化水素系溶媒にクロロホルム、メチレンクロ
リド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、イソプ
ロピルアルコールなどの極性溶媒を少量混合した
ものを使用するのが好適である。 一般式()で示される本発明化合物はたとえ
ば下記の合成経路によつて哺乳類ドリコール類に
導くことができる。 ただし上記式においてPPは式 (式中nは前記定義のとおりである。)で示さ
れる基を表わす。 反応は本発明のポリプレニルカルボン酸の−
CO2H基を有するイソプレン単位部分の選択的水
素添加反応であり、この反応はたとえばパラジウ
ム系、ニツケル系、ロジウム系などの水素添加触
媒を用いて行うことができる。該反応で得られ
た化合物()をたとえば水素化アルミニウムリ
チウムなどの還元剤で還元すること(反応)に
より哺乳類ドリコール類()を容易に得ること
ができる。 以下、本発明を実施例および参考例によりさら
に具体的に説明する。なお、実施例および参考例
中のIR分析は液膜で測定し、NMR分析はTMS
を内部標準として測定した。FD−MASS分析値
は1H,12C,16O,35Cl,79Brとして補正した値であ
る。 参考例1 ポリプレノールの分離 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)で1週間クロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlを加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水40mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し、残留物にジエチル
エーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層
を約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物
を得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n−ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を
得た。この油状物は95%以上の純度を有するポリ
プレノールであり、このものについてメルク社製
セミ分取用高速液体クロマトカラムLiChrosorb
Rb 18−10(C18タイプ)を用いアセトン/メタノ
ール=90/10(容量比)の混合溶剤を溶離液とし、
示差屈折計を検出器として用いた高速液体クロマ
トグラフイー分析を行い、得られたクロマトグラ
ムにおける各ピークの面積比率を求めた結果は下
記のとおりであつた。 【表】 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
()で示される構造を有するポリプレノールで
あることを確認した。 各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果ならびに1H−NMRのδ値を表1
に、13C−NMRのδ値を表2にまとめて示した。 【表】 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中【式】はトランス型イ ソプレン単位を表わし、【式】 はシス型イソプレン単位を表わし、nは11〜19の
整数を表わし、Rは水素原子または低級アルキル
基を表わす。) で示される化合物。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4425682A JPS58162552A (ja) | 1982-03-18 | 1982-03-18 | ポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
| US06/467,253 US4564477A (en) | 1982-02-19 | 1983-02-17 | Polyprenyl compounds and method of producing the same |
| DE8383101562T DE3360448D1 (en) | 1982-02-19 | 1983-02-18 | Novel polyprenyl compounds, method of producing the same and their use in dolichol production |
| EP83101562A EP0087136B1 (en) | 1982-02-19 | 1983-02-18 | Novel polyprenyl compounds, method of producing the same and their use in dolichol production |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4425682A JPS58162552A (ja) | 1982-03-18 | 1982-03-18 | ポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58162552A JPS58162552A (ja) | 1983-09-27 |
| JPH0316332B2 true JPH0316332B2 (ja) | 1991-03-05 |
Family
ID=12686436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4425682A Granted JPS58162552A (ja) | 1982-02-19 | 1982-03-18 | ポリプレニルカルボン酸およびそのエステル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58162552A (ja) |
-
1982
- 1982-03-18 JP JP4425682A patent/JPS58162552A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58162552A (ja) | 1983-09-27 |
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