JPH022577B2 - - Google Patents
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- JPH022577B2 JPH022577B2 JP59030893A JP3089384A JPH022577B2 JP H022577 B2 JPH022577 B2 JP H022577B2 JP 59030893 A JP59030893 A JP 59030893A JP 3089384 A JP3089384 A JP 3089384A JP H022577 B2 JPH022577 B2 JP H022577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seaweed
- protoplasts
- thallus
- enzyme solution
- net
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Cultivation Of Seaweed (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Description
本発明は海苔のプロトプラストを利用した新規
な海苔の採苗法に関する。 海苔の生活史は、昭和24年にイギリスのマンチ
エスター大学のドリユーにより解明されたが、そ
の後この海苔の生活史における糸状体(Conchoc
−elis)育成期(約6ケ月間)を人工的に管理す
ることにより、任意の一定数の殻胞子を海苔の養
殖網に着生させることが可能となり、その結果海
苔の天然採取からいわば人工養殖への途が開かれ
た。 しかし、このことは単に糸状体育成期のみを人
工的に行ない得るようにしたものであつて、海苔
葉体が成熟するまでに網につけておくことが必要
であること、更にはそのために海苔葉体が不健全
になることが多くなつてその後の糸状体の発育に
ムラがみられる欠点があつた。 このような状況から、その後予め発育の良好な
海苔葉体を選びそれから分離した果胞子から育成
した糸状体を微生物培養の手法を応用して得られ
るフリー糸状体を用いて海苔の採苗を行なう技術
が開発され、現在はこの技術によつて海苔の採苗
が広く行なわれている。 しかし、このフリー糸状体を利用した海苔の採
苗法は、フリー糸状体の生産段階において任意の
種を通年保存することを可能にしたけれども、実
際の産業生産の規模では春さきにフリー糸状体を
貝殻に着生させて育成させ、胞子ノウを形成さ
せ、秋口に海中で殻胞子を放出させて海苔網上に
て育成するための設備に費用を要し、加うるにこ
れらの育成上の作業管理が煩雑となる欠点がみら
れる。 すなわち、大きな設備を具えた種苗センターを
設け、そこで保存しておいたフリー糸状体をブレ
ンダー等で切断し、それを大量のカキ殻にまいて
着生させて育成して胞子ノウを形成させたものを
海中で殻胞子を放出させて海苔網に着生させて育
成しているのが現状であり、その間用水のとり換
へ作業及び光照射作業等の管理が必要となる。 また、上述したフリー糸状体を利用した海苔の
採苗法は一種の人工的養殖技法といえるとしても
飽迄も従来の海苔生活史に準拠しているものであ
るため、海苔葉体を得るのに長期間を要すること
は免れない。 本発明者は、上述したとおりの海苔採苗法の現
状に鑑み、海苔葉体を比較的短期間でかつ簡易な
作業で養殖し得る海苔の採苗技術を開発すべく研
究した結果、海苔葉体を酵素処理によりプロトプ
ラスト化して得られる海苔葉体のプロトプラスト
が、海苔生活史における殻胞子と同様に海苔網に
着生して葉体にまで生育することの知見を得て、
本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、海苔葉体のプロトプラス
トを殻胞子に代わる種として利用することによ
り、海苔生活史における糸状体育成期を経ること
なく、海苔葉体を極めて短期間で育成し得る海苔
の採苗法を提供することを目的とする。 以下本発明を詳しく説明する。 本発明の特徴は、海苔葉体を酵素処理によりプ
ロトプラスト化して得られる海苔のプロトプラス
トを海苔養殖用網に着生させて育成することにあ
る。 近年、遺伝子工学的手法としての生物体の細胞
融合技術の発達に伴ない、種々の植物体のプロト
プラストの調製も盛んに行なわれるようになつ
た。 而して、海藻類、特にアマノリ類ではその細胞
壁を構成している多糖類が陸上植物における多糖
類(主としてセルロース)と異なり、主としてキ
シラン及びマンナンのような難消化性の多糖類で
あるため、それの酵素処理によるプロトプラスト
化は困難と考えられていた。 しかし、本発明者は、さきに、シユードモナス
属(Pseudomonas)に属する特定な微生物を、
特定な培地で培養して得られる培養液から調製し
た少なくともキシラン加水分解酵素とマンナン加
水分解酵素とを含有する酵素液を用いて海苔葉体
を処理することにより、海苔のプロトプラストに
成功し、その調製法についての発明をなした(特
願昭58−149378号)。 すなわち、上記発明の特徴は、シユードモナス
属(Pseudomonas)に属する難消化性多糖類
(主としてキシラン及びマンナン)の加水分解能
を有する微生物(微工研条寄第330号)を、海苔
葉体もしくは海苔葉体由来の多糖類を誘導物質と
して含む培地中で培養して得られる培養液から調
製した少なくともキシラン加水分解酵素とマンナ
ン加水分解酵素とを含有する酵素液で海苔葉体を
処理してプロトプラスト化することにある。 なお、その後の研究により、培地中における誘
導物質として海苔葉体もしくはそれ由来の多糖体
のほかに、β−1,3キシロシド結合及びβ−
1,4マンノシド結合を有する多糖類を成分とし
て含む植物体(例えば、イワシダ、コンニヤク)
もしくは該植物体由来の多糖類も利用し得ること
がわかつた。 そこで、まず、本発明において用いる海苔のプ
ロトプラストを得る方法について更に詳細に説明
する。 海苔のプロトプラストを調製するには海苔葉体
の細胞壁を構成している主としてキシランとマン
ナンとから成る難消化性多糖類を分解する必要が
あり、そのための酵素として下記のようにして得
られるキシラン加水分解酵素とマンナン加水分解
酵素とを含有する酵素液を用いる。 酵素液の調製: シユードモナス属(Pseudomonas)に属する、
海水中から分離された微生物、Pseudomonas
SP.PT−5(微工研条寄第330号)を、海苔又は
海苔の多糖体の構成単位であるβ−1,3キシロ
シド結合及びβ−1,4マンノシド結合を有する
多糖類を成分として含む植物体を誘導物質として
含む培地もしくは海苔由来の多糖類もしくは上記
植物体由来の多糖類を誘導物質として含む培地中
で培養することにより、少くともキシラン加水分
解酵素とマンナン加水分解酵素とを含有する酵素
液を得る。 上記培地に対する海苔又は上記植物体並びにそ
れ由来の多糖類の添加量は、多糖類の量として1
乃至2重量%が適当であり、また、培地は上記誘
導物質としての多糖類を炭素源とし、これにペプ
トン、酵母エキスのような窒素源、更には
K2HPO4、FeCl3などの無機質を海水又は人工海
水に溶解したものを加え、緩衝液でPH7.5前後に
調製したものを用いるとよい。 なお、ここで利用する上記Pseudomonas SP.
PT−5(微工研条寄第330号)の菌学的性質を示
すと下記のとおりである。 菌学的性質: (i) 形態 ZoBELL 2216E培地に生育した細胞につい
て、 (イ) 細胞の形態は桿菌で大きさは0.5〜1μm×
1.5〜2.5μm (ロ) 運動性を有し、鞭毛は単極毛性 (ハ) グラム染色性は陰性 (ii) 生育状態 ZoBELL 2216E斜面培地における生育状態、 (イ) 20〜27℃の温度で良好に生育する (ロ) 淡黄色の色素を沈着 (ハ) 毛状(filiform)の集落を形成 (iii) 生理学的性質 (イ) カタラーゼテスト 陽性 (ロ) オキシダーゼテスト 陽性 (ハ) グルコースよりの酸の生成 陽性 (ニ) O−Fテスト 0 (Hugh Leifson法による) (ホ) Vibro−Static Agent(0/129) 陰性 (ヘ) 寒天液化能 + (ト) キシラン分解能 + (チ) マンナン分解能 + (リ) 好気性 ちなみに、上記微生物は、前記難消化性多糖類
であるキシラン、マンナン及びポルフイランの加
水分解能を有する。 上述したような培地での上記微生物の培養条件
は25℃程度の温度で4日間位撹拌通気下に行な
い、ついで、このようにして培養して得られた培
養液を4℃程度の低温下で遠心分離(10000r.p.
m)し、その上澄液を酵素液として採取する。 このようにして得られる酵素液は、キシラン加
水分解酵素及びマンナン加水分解酵素、更にはポ
ルフイラン加水分解酵素を含有する。 ついで、上述のようにして得られた酵素液を用
いての海苔葉体のプロトプラスト化は下記のよう
に行なう。 海苔葉体のプロトプラスト化: 海苔葉体の5cm程度のものを4〜5枚に対し、
上記酵素液を5〜10倍に濃縮したもの10ml程度を
3〜4時間作用させることにより、海苔のプロト
プラストを調製し得る。上記酵素液の海苔葉体に
対する作用機構は、該酵素液中のマンナン加水分
解酵素が海苔葉体の表層に存在する顆粒状のマン
ナンに作用して葉体に大きく切断部を形成して細
胞壁を形成しているミクロフイブリル形態のキシ
ランに対する、酵素液中のキシラン加水分解酵素
の作用をし易くすることにある。また上記酵素液
中に含まれるポルフイラン加水分解酵素は、海苔
葉体の細胞充間物質であるポルフイランに作用し
て海苔のプロトプラスト化を一そう促進する。 なお、上記海苔のプロトプラスト化に当つて、
プロテアーゼ(例えばパパイン)を併用すると、
海苔葉体の表層を被覆している蛋白質の薄い層を
分解し得るので一層効果的である。 このようにして得られる海苔のプロトプラスト
は海苔を物理的に切断することなく、酵素処理の
みによつて調製されるものであるから健全な状態
である。 次に、本発明では叙上のようにして海苔葉体を
プロトプラスト化して得られた海苔のプロトプラ
ストを海苔網に着生させる。この着生を行なうに
は、海苔のプロトプラストを人工海水(藻類用
Asp.12)に懸濁させたものを海苔網に接触させ
るとよく、その際接触を良好にするために海苔網
を上記懸濁液中で振盪させ、又、海苔網への着生
を促進するために一定期間光照射を行なう。 このようにして海苔網に着生したプロトプラス
トは細胞分裂して増殖し、約1ケ月後には葉長2
〜3cmの海苔葉体が網1本当り100枚以上生育す
るようになる。 したがつて、本発明によると、従来の海苔生活
史における、約6ケ月間の長期に亙る糸状体期
(春〜夏)を経る必要がなく、極めて短期間で海
苔のプロトプラストから直接海苔葉体を育成する
ことが可能となる。 また、従来の海苔生活史に準拠した方法では海
苔は受精から糸状体期までは染色体が2n体であ
つて、胞子ノウ形成の段階で減数分裂を行なつて
n体となる。而して、海苔の染色体は3個である
ことからその形質は23=8であり、すなわち、突
然変移の場合を除くと、8通りの形質を有する殻
胞子を生ずることになる。すなわち、8通りの形
質を有する海苔が生産されることになり、このこ
とが、海苔の品質が毎年一定しないということの
一つの理由となつているものである。 ところが、本発明ではn体である海苔葉体をプ
ロトプラスト化するものであるから、得られるプ
ロトプラストもn体であり、そしてこのn体のプ
ロトプラストがそのまま分裂、増殖して海苔葉体
となるため、元の形質のままの海苔葉体を育成す
ることが可能となり、その結果品質の安定した海
苔を生産し得るようになる大きな利点がある。 以上述べたとおり、本発明により海苔のプロト
プラストを種苗として利用することにより、画期
的ともいえる海苔の養殖が可能となるので、海苔
の養殖、生産上益するところが多大であると考え
る。 以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説
明する。 実施例 海苔のプロトプラストの調製 海苔葉体のプロトプラスト化のための酵素液の調
製: シユードモナス属(Pseudomonas)sp.PT−
5、微工研条寄BP−330を下記組成の培地に接種
し、300r.p.m.の撹拌下に通気しながら(通気量
2000ml/min)25℃で4日間培養を行なつた。 培地組成: 海苔又は海苔由来の多糖類 1.0(重量%) ペプトン 1.0 酵母エキス 0.1 K2HPO4 0.01 FeCl3 0.6mg/ トリス緩衝液 0.1(重量%) 上記割合で海水に溶解してPHを7.5に調整する。 上述のようにして培養して得られた培養液から
酵素液を調製するには、該培養液を4℃の温度で
30分間遠心分離(10000r.p.m.)し、その上澄液
を酵素液とする。 このように調製した酵素液の難消化性多糖類に
対する酵素活性を調べた結果は、下記表に示すと
おりである。
な海苔の採苗法に関する。 海苔の生活史は、昭和24年にイギリスのマンチ
エスター大学のドリユーにより解明されたが、そ
の後この海苔の生活史における糸状体(Conchoc
−elis)育成期(約6ケ月間)を人工的に管理す
ることにより、任意の一定数の殻胞子を海苔の養
殖網に着生させることが可能となり、その結果海
苔の天然採取からいわば人工養殖への途が開かれ
た。 しかし、このことは単に糸状体育成期のみを人
工的に行ない得るようにしたものであつて、海苔
葉体が成熟するまでに網につけておくことが必要
であること、更にはそのために海苔葉体が不健全
になることが多くなつてその後の糸状体の発育に
ムラがみられる欠点があつた。 このような状況から、その後予め発育の良好な
海苔葉体を選びそれから分離した果胞子から育成
した糸状体を微生物培養の手法を応用して得られ
るフリー糸状体を用いて海苔の採苗を行なう技術
が開発され、現在はこの技術によつて海苔の採苗
が広く行なわれている。 しかし、このフリー糸状体を利用した海苔の採
苗法は、フリー糸状体の生産段階において任意の
種を通年保存することを可能にしたけれども、実
際の産業生産の規模では春さきにフリー糸状体を
貝殻に着生させて育成させ、胞子ノウを形成さ
せ、秋口に海中で殻胞子を放出させて海苔網上に
て育成するための設備に費用を要し、加うるにこ
れらの育成上の作業管理が煩雑となる欠点がみら
れる。 すなわち、大きな設備を具えた種苗センターを
設け、そこで保存しておいたフリー糸状体をブレ
ンダー等で切断し、それを大量のカキ殻にまいて
着生させて育成して胞子ノウを形成させたものを
海中で殻胞子を放出させて海苔網に着生させて育
成しているのが現状であり、その間用水のとり換
へ作業及び光照射作業等の管理が必要となる。 また、上述したフリー糸状体を利用した海苔の
採苗法は一種の人工的養殖技法といえるとしても
飽迄も従来の海苔生活史に準拠しているものであ
るため、海苔葉体を得るのに長期間を要すること
は免れない。 本発明者は、上述したとおりの海苔採苗法の現
状に鑑み、海苔葉体を比較的短期間でかつ簡易な
作業で養殖し得る海苔の採苗技術を開発すべく研
究した結果、海苔葉体を酵素処理によりプロトプ
ラスト化して得られる海苔葉体のプロトプラスト
が、海苔生活史における殻胞子と同様に海苔網に
着生して葉体にまで生育することの知見を得て、
本発明をなすに至つた。 すなわち、本発明は、海苔葉体のプロトプラス
トを殻胞子に代わる種として利用することによ
り、海苔生活史における糸状体育成期を経ること
なく、海苔葉体を極めて短期間で育成し得る海苔
の採苗法を提供することを目的とする。 以下本発明を詳しく説明する。 本発明の特徴は、海苔葉体を酵素処理によりプ
ロトプラスト化して得られる海苔のプロトプラス
トを海苔養殖用網に着生させて育成することにあ
る。 近年、遺伝子工学的手法としての生物体の細胞
融合技術の発達に伴ない、種々の植物体のプロト
プラストの調製も盛んに行なわれるようになつ
た。 而して、海藻類、特にアマノリ類ではその細胞
壁を構成している多糖類が陸上植物における多糖
類(主としてセルロース)と異なり、主としてキ
シラン及びマンナンのような難消化性の多糖類で
あるため、それの酵素処理によるプロトプラスト
化は困難と考えられていた。 しかし、本発明者は、さきに、シユードモナス
属(Pseudomonas)に属する特定な微生物を、
特定な培地で培養して得られる培養液から調製し
た少なくともキシラン加水分解酵素とマンナン加
水分解酵素とを含有する酵素液を用いて海苔葉体
を処理することにより、海苔のプロトプラストに
成功し、その調製法についての発明をなした(特
願昭58−149378号)。 すなわち、上記発明の特徴は、シユードモナス
属(Pseudomonas)に属する難消化性多糖類
(主としてキシラン及びマンナン)の加水分解能
を有する微生物(微工研条寄第330号)を、海苔
葉体もしくは海苔葉体由来の多糖類を誘導物質と
して含む培地中で培養して得られる培養液から調
製した少なくともキシラン加水分解酵素とマンナ
ン加水分解酵素とを含有する酵素液で海苔葉体を
処理してプロトプラスト化することにある。 なお、その後の研究により、培地中における誘
導物質として海苔葉体もしくはそれ由来の多糖体
のほかに、β−1,3キシロシド結合及びβ−
1,4マンノシド結合を有する多糖類を成分とし
て含む植物体(例えば、イワシダ、コンニヤク)
もしくは該植物体由来の多糖類も利用し得ること
がわかつた。 そこで、まず、本発明において用いる海苔のプ
ロトプラストを得る方法について更に詳細に説明
する。 海苔のプロトプラストを調製するには海苔葉体
の細胞壁を構成している主としてキシランとマン
ナンとから成る難消化性多糖類を分解する必要が
あり、そのための酵素として下記のようにして得
られるキシラン加水分解酵素とマンナン加水分解
酵素とを含有する酵素液を用いる。 酵素液の調製: シユードモナス属(Pseudomonas)に属する、
海水中から分離された微生物、Pseudomonas
SP.PT−5(微工研条寄第330号)を、海苔又は
海苔の多糖体の構成単位であるβ−1,3キシロ
シド結合及びβ−1,4マンノシド結合を有する
多糖類を成分として含む植物体を誘導物質として
含む培地もしくは海苔由来の多糖類もしくは上記
植物体由来の多糖類を誘導物質として含む培地中
で培養することにより、少くともキシラン加水分
解酵素とマンナン加水分解酵素とを含有する酵素
液を得る。 上記培地に対する海苔又は上記植物体並びにそ
れ由来の多糖類の添加量は、多糖類の量として1
乃至2重量%が適当であり、また、培地は上記誘
導物質としての多糖類を炭素源とし、これにペプ
トン、酵母エキスのような窒素源、更には
K2HPO4、FeCl3などの無機質を海水又は人工海
水に溶解したものを加え、緩衝液でPH7.5前後に
調製したものを用いるとよい。 なお、ここで利用する上記Pseudomonas SP.
PT−5(微工研条寄第330号)の菌学的性質を示
すと下記のとおりである。 菌学的性質: (i) 形態 ZoBELL 2216E培地に生育した細胞につい
て、 (イ) 細胞の形態は桿菌で大きさは0.5〜1μm×
1.5〜2.5μm (ロ) 運動性を有し、鞭毛は単極毛性 (ハ) グラム染色性は陰性 (ii) 生育状態 ZoBELL 2216E斜面培地における生育状態、 (イ) 20〜27℃の温度で良好に生育する (ロ) 淡黄色の色素を沈着 (ハ) 毛状(filiform)の集落を形成 (iii) 生理学的性質 (イ) カタラーゼテスト 陽性 (ロ) オキシダーゼテスト 陽性 (ハ) グルコースよりの酸の生成 陽性 (ニ) O−Fテスト 0 (Hugh Leifson法による) (ホ) Vibro−Static Agent(0/129) 陰性 (ヘ) 寒天液化能 + (ト) キシラン分解能 + (チ) マンナン分解能 + (リ) 好気性 ちなみに、上記微生物は、前記難消化性多糖類
であるキシラン、マンナン及びポルフイランの加
水分解能を有する。 上述したような培地での上記微生物の培養条件
は25℃程度の温度で4日間位撹拌通気下に行な
い、ついで、このようにして培養して得られた培
養液を4℃程度の低温下で遠心分離(10000r.p.
m)し、その上澄液を酵素液として採取する。 このようにして得られる酵素液は、キシラン加
水分解酵素及びマンナン加水分解酵素、更にはポ
ルフイラン加水分解酵素を含有する。 ついで、上述のようにして得られた酵素液を用
いての海苔葉体のプロトプラスト化は下記のよう
に行なう。 海苔葉体のプロトプラスト化: 海苔葉体の5cm程度のものを4〜5枚に対し、
上記酵素液を5〜10倍に濃縮したもの10ml程度を
3〜4時間作用させることにより、海苔のプロト
プラストを調製し得る。上記酵素液の海苔葉体に
対する作用機構は、該酵素液中のマンナン加水分
解酵素が海苔葉体の表層に存在する顆粒状のマン
ナンに作用して葉体に大きく切断部を形成して細
胞壁を形成しているミクロフイブリル形態のキシ
ランに対する、酵素液中のキシラン加水分解酵素
の作用をし易くすることにある。また上記酵素液
中に含まれるポルフイラン加水分解酵素は、海苔
葉体の細胞充間物質であるポルフイランに作用し
て海苔のプロトプラスト化を一そう促進する。 なお、上記海苔のプロトプラスト化に当つて、
プロテアーゼ(例えばパパイン)を併用すると、
海苔葉体の表層を被覆している蛋白質の薄い層を
分解し得るので一層効果的である。 このようにして得られる海苔のプロトプラスト
は海苔を物理的に切断することなく、酵素処理の
みによつて調製されるものであるから健全な状態
である。 次に、本発明では叙上のようにして海苔葉体を
プロトプラスト化して得られた海苔のプロトプラ
ストを海苔網に着生させる。この着生を行なうに
は、海苔のプロトプラストを人工海水(藻類用
Asp.12)に懸濁させたものを海苔網に接触させ
るとよく、その際接触を良好にするために海苔網
を上記懸濁液中で振盪させ、又、海苔網への着生
を促進するために一定期間光照射を行なう。 このようにして海苔網に着生したプロトプラス
トは細胞分裂して増殖し、約1ケ月後には葉長2
〜3cmの海苔葉体が網1本当り100枚以上生育す
るようになる。 したがつて、本発明によると、従来の海苔生活
史における、約6ケ月間の長期に亙る糸状体期
(春〜夏)を経る必要がなく、極めて短期間で海
苔のプロトプラストから直接海苔葉体を育成する
ことが可能となる。 また、従来の海苔生活史に準拠した方法では海
苔は受精から糸状体期までは染色体が2n体であ
つて、胞子ノウ形成の段階で減数分裂を行なつて
n体となる。而して、海苔の染色体は3個である
ことからその形質は23=8であり、すなわち、突
然変移の場合を除くと、8通りの形質を有する殻
胞子を生ずることになる。すなわち、8通りの形
質を有する海苔が生産されることになり、このこ
とが、海苔の品質が毎年一定しないということの
一つの理由となつているものである。 ところが、本発明ではn体である海苔葉体をプ
ロトプラスト化するものであるから、得られるプ
ロトプラストもn体であり、そしてこのn体のプ
ロトプラストがそのまま分裂、増殖して海苔葉体
となるため、元の形質のままの海苔葉体を育成す
ることが可能となり、その結果品質の安定した海
苔を生産し得るようになる大きな利点がある。 以上述べたとおり、本発明により海苔のプロト
プラストを種苗として利用することにより、画期
的ともいえる海苔の養殖が可能となるので、海苔
の養殖、生産上益するところが多大であると考え
る。 以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説
明する。 実施例 海苔のプロトプラストの調製 海苔葉体のプロトプラスト化のための酵素液の調
製: シユードモナス属(Pseudomonas)sp.PT−
5、微工研条寄BP−330を下記組成の培地に接種
し、300r.p.m.の撹拌下に通気しながら(通気量
2000ml/min)25℃で4日間培養を行なつた。 培地組成: 海苔又は海苔由来の多糖類 1.0(重量%) ペプトン 1.0 酵母エキス 0.1 K2HPO4 0.01 FeCl3 0.6mg/ トリス緩衝液 0.1(重量%) 上記割合で海水に溶解してPHを7.5に調整する。 上述のようにして培養して得られた培養液から
酵素液を調製するには、該培養液を4℃の温度で
30分間遠心分離(10000r.p.m.)し、その上澄液
を酵素液とする。 このように調製した酵素液の難消化性多糖類に
対する酵素活性を調べた結果は、下記表に示すと
おりである。
【表】
(注) …活性が非常に強い
…活性が強い
+…活性が稍々強い
表にみられるように本発明で用いる酵素液はマ
ンナン及びキシランに対する活性が優れている。 海苔のプロトプラストの調製: L型試験管に5cm程度の海苔葉体の4〜5枚を
収容し、これにパパイン溶液(酢酸塩バツフアー
に溶解してPH6.0にしたもの)10mlを添加して海
苔葉体を該パパイン溶解に浸漬しながら、25℃の
温度で20分間振盪(モノ−型振盪器70ストロー
ク/分)させた。 上述のようにして処理した海苔葉体の5cm程度
のもの4〜5枚をL型試験管に入れ、これに上記
酵素液10mlを加えて海苔葉体を該酵素液に浸漬し
ながら、20℃の温度でモノ−型振盪器を用いて4
時間振盪(70ストローク/分)させて海苔のプロ
トプラストを得た。 海苔のプロトプラストを利用した海苔葉体の育
成 上述のようにして調製した海苔のプロトプラス
トを、下記組成の人工海水(藻類用Asp.12)に
1×105個/mlになるように懸濁させた。 人工海水(藻類用Asp.12)の組成: NaCl 28g MgSO4・7H2O 7g MgCl2・6H2O 4g KCl 0.4g CaCl2・2H2O 1.46g NaNO3 0.1g K3PO4 10mg グリセロ燐酸ナトリウム 10mg Na2SiO3・9H2O 150mg ビタミンB12 0.2μg ビオチン 1μg チアミン 100μg P Metal 10ml S Metal 10ml トリスアミノメタン 1g ニトリロ三酢酸 0.1g 蒸留水 1000ml PH8.0に調製。 上記組成中P Metal並びにS Metalの
組成は下記のとおりである。
…活性が強い
+…活性が稍々強い
表にみられるように本発明で用いる酵素液はマ
ンナン及びキシランに対する活性が優れている。 海苔のプロトプラストの調製: L型試験管に5cm程度の海苔葉体の4〜5枚を
収容し、これにパパイン溶液(酢酸塩バツフアー
に溶解してPH6.0にしたもの)10mlを添加して海
苔葉体を該パパイン溶解に浸漬しながら、25℃の
温度で20分間振盪(モノ−型振盪器70ストロー
ク/分)させた。 上述のようにして処理した海苔葉体の5cm程度
のもの4〜5枚をL型試験管に入れ、これに上記
酵素液10mlを加えて海苔葉体を該酵素液に浸漬し
ながら、20℃の温度でモノ−型振盪器を用いて4
時間振盪(70ストローク/分)させて海苔のプロ
トプラストを得た。 海苔のプロトプラストを利用した海苔葉体の育
成 上述のようにして調製した海苔のプロトプラス
トを、下記組成の人工海水(藻類用Asp.12)に
1×105個/mlになるように懸濁させた。 人工海水(藻類用Asp.12)の組成: NaCl 28g MgSO4・7H2O 7g MgCl2・6H2O 4g KCl 0.4g CaCl2・2H2O 1.46g NaNO3 0.1g K3PO4 10mg グリセロ燐酸ナトリウム 10mg Na2SiO3・9H2O 150mg ビタミンB12 0.2μg ビオチン 1μg チアミン 100μg P Metal 10ml S Metal 10ml トリスアミノメタン 1g ニトリロ三酢酸 0.1g 蒸留水 1000ml PH8.0に調製。 上記組成中P Metal並びにS Metalの
組成は下記のとおりである。
【表】
【表】
上述のようにして得られたプロトプラストの懸
濁液20mlを、100ml容ビーカーに入れ、これにク
レモナイト網(2〜3cm)を50本を収容し、15℃
の温度の部屋で6000 Luxの照射(明期が9時
間/日になるように照射する)を行ない、モノ−
型振盪器を用いて40ストローク/分の振盪を行な
つた。 2日経過後顕微鏡観察にて約70%のプロトプラ
ストが網に着生し、2〜3個の細胞に分裂、増殖
しているのが確認された。更に1ケ用後には肉眼
観察にて葉長2〜3cmの葉体が1本の網当り100
枚以上生育しているのが認められた。
濁液20mlを、100ml容ビーカーに入れ、これにク
レモナイト網(2〜3cm)を50本を収容し、15℃
の温度の部屋で6000 Luxの照射(明期が9時
間/日になるように照射する)を行ない、モノ−
型振盪器を用いて40ストローク/分の振盪を行な
つた。 2日経過後顕微鏡観察にて約70%のプロトプラ
ストが網に着生し、2〜3個の細胞に分裂、増殖
しているのが確認された。更に1ケ用後には肉眼
観察にて葉長2〜3cmの葉体が1本の網当り100
枚以上生育しているのが認められた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 海苔葉体を酵素処理によりプロトプラスト化
して得られる海苔のプロトプラストを海苔網に着
生させて育成することを特徴とする海苔のプロト
プラストを利用した採苗法。 2 海苔のプロトプラストを人工海水に懸濁させ
たものを海苔網に付着させて着生させる特許請求
の範囲第1項記載の採苗法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3089384A JPS60176523A (ja) | 1984-02-21 | 1984-02-21 | 海苔のプロトプラストを利用した採苗法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3089384A JPS60176523A (ja) | 1984-02-21 | 1984-02-21 | 海苔のプロトプラストを利用した採苗法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60176523A JPS60176523A (ja) | 1985-09-10 |
| JPH022577B2 true JPH022577B2 (ja) | 1990-01-18 |
Family
ID=12316403
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3089384A Granted JPS60176523A (ja) | 1984-02-21 | 1984-02-21 | 海苔のプロトプラストを利用した採苗法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60176523A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5421427A (en) * | 1977-07-18 | 1979-02-17 | Mitsubishi Electric Corp | Unsaturated polyester varinish composition with low odor |
-
1984
- 1984-02-21 JP JP3089384A patent/JPS60176523A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60176523A (ja) | 1985-09-10 |
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