JPH0321528B2 - - Google Patents

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JPH0321528B2
JPH0321528B2 JP58145776A JP14577683A JPH0321528B2 JP H0321528 B2 JPH0321528 B2 JP H0321528B2 JP 58145776 A JP58145776 A JP 58145776A JP 14577683 A JP14577683 A JP 14577683A JP H0321528 B2 JPH0321528 B2 JP H0321528B2
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JP
Japan
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zeolite
dmn
zsm
isomerization
cyclohexane
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JP58145776A
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Tamio Onodera
Atsuji Sakai
Yasuo Yamazaki
Koji Sumitani
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の技術分野 本発明は、ジメチルナフタレン類の異性化方法
に関するものである。更に詳しく説明するとジメ
チルナフタレン類を特定の結晶性アルミノシリケ
ートゼオライトと接触させることにより異性化す
る方法に関するものである。 従来技術 ジメチルナフタレン類を異性化し或る特定の異
性体に富んだ混合物を得る所謂異性化方法は種々
知られている。ジメチルナフタレン(以下DMN
と略称することがある)は10種類の異性体があ
り、このうち、2,6−DMN及び2,7−
DMNは工業的に特に価値ある化合物である。す
なわち2,6−DMNは酸化によつて2,6−ナ
フタリンジカルボン酸を与え、また2,7−
DMNは酸化によつて2,7−ナフタリンジカル
ボン酸を与え、これらジカルボン酸を2塩基酸成
分とするポリエステルは、優れた特性を有する合
成繊維、フイルムに成形することができる。 従つて、前記した如き或る特定のDMN異性体
混合物から分離した後、得られるDMN異性体混
合物を異性化して目的とする特定DMNの含有量
を増大する方法、所謂異性化法は、特定DMNを
工業的に得るため不可欠なプロセスである。 かゝるDMNの異性化法に関して従来、数多く
の発明が提案されている(例えば、特公昭47−
37415号、同47−50622号及び同50−37194号公報
参照)。これら従来公知のDMNの異性化におい
ては、特定DMNを得るためには、或る限定され
た異性体を使用する必要があることであり、それ
以外の異性体からは実質上特定DMNは得られな
いという特徴がある。 例えば異性化により2,6−DMNを得ようと
すれば1,5−DMN及び/又は1,6−DMN
を使用する必要があり、また2,7−DMNを得
ようとすれば、1,7−DMN及び/又は1,8
−DMNを使用しなければならなかつた。すなわ
ち、これらDMNの異性体の異性化は例えば下記
の系列に区分出来、各系列内では互いに異性化は
起るが、各系列間における異性化は殆んど起らな
いとされていた。 () 2,6−DMN1,6−DMN1,
5−DMN () 2,7−DMN1,7−DMN1,
8−DMN かくして本発明の目的はDMNにおける従来知
られた異性化反応のみならず、起らないとされて
いた各系列間における異性化を起し得る方法を提
供することにある。 他の目的は、DMNから目的DMNへ高転化率
且つ高反応速度で異性化する方法を提供すること
にある。 さらに他の目的は、異性化以外の他の副反応の
少ない方法で従つてジメチルナフタレンの少ない
異性化方法を提供することにある。さらに他の目
的は、DMN混合物から、2,6−DMN又は2,
7−DMNの工業的に有利な方法を提供すること
にある。 本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明
らかとなるであろう。 本発明者らの研究によれば、かゝる本発明の目
的は、 (i) SiO2/Al2O3のモル比が10〜100の範囲であ
り、且つ (ii) X線格子面間隔(d)が下記表−Aに示した特徴
を有している、 ことによつて特徴づけられる結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトを含有する触媒と、ジメチルナ
フタレン類を含有する原料混合物とを接触せしめ
ることによつて達成されることがわかつた。 かゝる本発明によれば前記結晶性アルミノシリ
ケートの使用によつて、1,5−又は1,6−
DMNからの2,6−DMN、1,7−DMN又は
1,8−DMNからの2,7−DMNへの異性化
のみならず、2,3−又は2,7−DMNからの
2,6−DMNへの異性化、2,3−DMN又は
2,6−DMNからの2,7−DMNへの異性化
の如き同一リング上のβ位からのβ位へメチル基
の移動及びリング間のメチル基の移動を起すこと
が可能となり、種々のDMN混合物からの2,6
−又は2,7−DMNの工業的に極めて有利な方
法を提供することが可能となつた。 以下本発明方法について更に詳細に説明する
が、先ず本発明の触媒について次に異性化方法に
ついて説明する。 〔〕 本発明方法に使用される触媒及びその製
造と調製 本発明方法はおいて触媒の活性成分として使用
される結晶性アルミノシリケートゼオライトは前
記(i)及び(ii)の特徴を有している。このゼオライト
は、従来公知のゼオライトZSM−5と同様に高
いSiO2/Al2O3(モル比)の組成を有するが、X
線回折格子面間隔(d)においてZSM−5のそれと
は明確に区別される。 以下本明細書において結晶性アルミノシリケー
トゼオライトを単に“ゼオライト”と略称するこ
とがある。 本発明のゼオライトはゼオライトZSM−5と
同様に高いSiO2/Al2O3(モル比)を有しており、
その割合は10〜100の範囲、好ましくは15〜70の
範囲、より好ましくは20〜50の範囲にある。 また本発明のゼオライトは下記表−Aに示され
たX線格子面間隔の特徴を有しているが、本発明
者らの解析によれば本発明のゼオライトのX線回
折チヤートをZSM−5のそれと詳細に比較検討
すると、若干の相違が認められることがわかつ
た。その1つの大きな相違点はZSM−5の最強
ピークを与えるX線格子面間隔d(Å)は、米国
特許第3702886号明細書によれば、dÅ=3.85(2θ
=23.14)に認められるが、本発明のゼオライト
はその最強ピークが分枝し、dÅ=3.86および
3.83(2θ=23.05および23.25)に分れて認められる
ことである。 また、他の1つの大きな相違点はZSM−5に
おいて認められるdÅ=3.00(2θ=29.76)の1つ
のピークが、本発明のゼオライトでは同じdÅ=
3.00(2θ=29.75)において分枝した凹型のピーク
として観察されることである。この後者の凹型ピ
ークは本発明の全てのゼオライトに認められるわ
けではないが、ほとんどの場合認められる。次に
本発明のゼオライトのX線格子面間隔dÅとその
相対強度を示す。この相対強度(I/I0)は、d
Å=3.86(2θ=23.05)の強度(I0)を100とした場
合の各ピークの相対的強度〔I/I0(%)〕を100
〜60がVS(非常に強い)、60〜40がS(強い)、40
〜20がM(中位)、20〜10がW(弱い)で表わした
ものである。
【表】
【表】 さらに本発明のより好ましいゼオライトに特徴
的なdÅ=3.86(2θ=23.05)のピークの強度(I0
を100とした場合のdÅ=3.83(2θ=23.25)のピ
ークの相対的強度(I/I0)が少くとも70であ
り、好ましくは少くとも75であり、より典型的に
は77〜80の範囲内にあるという相関を有してい
る。 さらに、本発明の一層好ましいゼオライトは化
学的活性においても特異な性質を示し、例えば、
活性化された状態の該ゼオライトは後述する定義
によつて測定されるシクロヘキサン分解指数比が
少なくとも1.1、好ましくは少なくとも1.5、より
好適には1.7以上である。 本明細書において、前記「活性化された状態」
とは、本発明のゼオライトの合成された直後に含
まれるアルカリ金属イオンの大部分が公知の方法
に従つて、水素イオンで置換されていることを意
味するものである。即ち、該ゼオライトのアルミ
ナに基くカチオン交換サイトの70%以上、好まし
くは90%以上が実質的に水素イオンで占められる
ことを意味し、これによつて活性化状態のゼオラ
イト(かかる状態のゼオライトを“H型ゼオライ
ト”と呼ぶことがある)が得られる。 一般にゼオライトはそのSiO2/Al2O3(モル比)
によつてその活性、殊に酸性度は大略決つた値を
有している。しかし本発明のゼオライトの1つの
特徴は、それとほゞ同じSiO2/Al2O3(モル比)
を有するZSM−5の活性と比較して高い値を示
している。つまり、或る標準のZSM−5のシク
ロヘキサン分解活性を1とした場合、それとほゞ
同じSiO2/Al2O3モル比を有する本発明のゼオラ
イトのシクロヘキサン分解活性は、前述のとお
り、シクロヘキサン分解指数比で表わすと1.1以
上、好ましくは1.5以上である。 このことは、本発明のゼオライトはZSM−5
と比較してその細孔内における酸強度が大である
ことに起因しているものと本発明者らは推察して
いる。なお本発明のゼオライトのシクロヘキサン
分解指数比の上限は一般に3、好ましくは2.5以
下であることが望ましい。 本発明において使用されるゼオライトは、前記
SiO2/Al2O3(モル比)の割合を有し且つ前記X
線格子面間隔の特徴を有するものであればよく、
その合成法の種類には特に左右されない。その内
好ましいゼオライトは、前記シクロヘキサン分解
指数比が少くとも1.1、好ましくは少くとも1.5の
ものであり、一層好ましいのは下記の如き方法で
合成されたゼオライトであるが、下記に示した合
成法は一例であつて、本発明において使用するゼ
オライトの製造方法はそれらに限定されるわけで
はない。 方法 A この方法Aは本発明者らが先に見出し既に提案
した方法であつて下記にその詳細を説明する。 すなわち、この方法は、SiO2/Al2O3(モル比)
が20〜300の結晶性アルミノシリケートゼオライ
トZSM−5を該ゼオライトZSM−5の1g当り
0.1〜1gのアルカリ金属水酸化物を含有する水
溶液中で、80〜250℃間の温度に加熱する方法で
ある。この方法は本発明者らが、昭和58年6月17
日に出願した特願昭58−107635号明細書(発明の
名称;「新規結晶性アルミノシリケートゼオライ
ト及びその製造法」)に具体的且つ詳細に説明さ
れている。 この方法の原料であるZSM−5は、特公昭46
−10064号公報に記載された方法によつて製造す
ることが出来、またモービル・オイル・コーポレ
ーシヨンに商業的に製造されているのでそれを使
用することも出来る。このZSM−5のSiO2
Al2O3モル比は20〜300の範囲のもの、好ましく
は30〜200の範囲のものが方法Aのゼオライトを
製造するために有利に使用される。SiO2/Al2O3
モル比が20よりも低いZSM−5はそれ自体製造
が極めて困難であるばかりでなく、入手も容易で
ない。所がこの方法AによればSiO2/Al2O3モル
比が20以上、好ましくは30以上のZSM−5を原
料としてSiO2/Al2O3モル比が20以下のゼオライ
トを容易に製造することが可能であるばかりでな
く、そのようなゼオライトが前述した如き特異な
活性を示すことは驚くべきことである。 上記原料ゼオライトZSM−5の処理に用いら
れるアルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
等が挙げられるが、中でも特に水酸化ナトリウム
が好適である。かかるアルカリ金属水酸化物の使
用量は、使用するZSM−5の1g当り0.1g〜1
gであり、好ましくは0.2g〜0.7gの範囲、さら
に好ましくは0.3g〜0.5gの範囲とすることがで
きる。 アルカリ金属水酸化物は一般に水溶液の形で原
料ゼオライトZSM−5粒子と接触せしめられる。
この場合水の量は限界的ではなく、用いるZSM
−5及び/又はアルカリ金属水酸物の種類や量等
に応じて広範に変えることができるが、通常、供
給されたZSM−5の全量が水溶液によつて充分
に浸漬されるに充分量以上であればよい。アルカ
リ金属水酸化物の水溶液中における濃度も限定的
ではなく広範に変えうるが、一般には1〜10重量
%、好ましくは2〜7重量%の範囲が適当であ
る。 反応は80〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の
範囲の温度に加熱することによつて行なわれる。 反応は前記特性をもつゼオライトが実質的に生
成するまで行なうことができ、その生成の目安と
して、形成されたゼオライト/原料ゼオライト
ZSM−5の重量比を用いることができる。すな
わち、反応は該重量比が10〜80%の範囲、好まし
くは20〜70%の範囲、さらに好ましくは30〜60%
の範囲になるまでつづけることができる。 かくして得られるゼオライトは前記の特定を有
し、化学的組成は下記式で表わされる。 xM2/nO・Al2O3・ySiO2 ……() 〔但し、式は無水の状態における酸化物の形で
表わしたものであり、Mはn価の一種または二種
以上の陽イオン、xは0.5〜4、yは10〜200の値
を示す〕 ここでMは、方法Aで製造された直接のゼオラ
イトではアルカリ金属殊にナトリウムを表わす
が、これは通常知られたイオン交換法に従つて、
水素イオン、アンモニウムイオン、他の金属イオ
ンなどの陽イオンに交換することができる。もち
ろんナトリウムイオン以外の他の陽イオンに交換
したものであつても本質的に本発明の前記ゼオラ
イトの要件を具備しているものである。 また上記式()においてxはゼオライトに結
合しているカチオンの量の指標であり、本発明の
ゼオライトの場合には0.5〜4、好ましくは0.9〜
3の範囲内であることができる。 この方法Aによつて得られたゼオライトは、前
述した特徴を有している他に、公知のゼオライト
ZSM−5及びその他の類似ゼオライトと比較し
て下記の特徴を有している。その特徴の1つは、
(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比が異常
に大きいことである。この方法Aによるゼオライ
トは前記吸着比が少なくとも0.7、好ましくは少
なくとも0.8、一層好ましくは0.9以上の値を有し
ている。(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着
比は、後述する定義に従つて測定される値である
が、ZSM−5はその値がいずれも0.7よりも低い
値であつて、0.7以上のものは本発明者らが知る
限り存在しない。 この吸着比はn−ヘキサンに対するシクロヘキ
サンの吸着割合を示す値であつて、この値が高い
程ゼオライト中の細孔の径(大きさ)が大きいこ
とを示す指標となる。この方法Aによるゼオライ
トの吸着比の上限は一般に1.3程度、典型的には
1.2程度であり、このゼオライトは適度の細孔径
をもつている。 次にこの方法Aによつて得られたゼオライトの
特徴を表わす指標である「(シクロヘキサン/n
−ヘキサン)吸着比」及び前記「シクロヘキサン
分解指数比」の定義及び測定法について詳細に説
明する。 (1) (シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比
(以下C.N.A.値と略記することがある): この(シクロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比
は、ゼオライトの単位重量当りに吸着されるn−
ヘキサンの重量に対するシクロヘキサンの重量比
を表わし、ゼオライトの細孔径を規定するパラメ
ーターであり、この値が大きくなるということ
は、シクロヘキサンのような分子断面積の大きい
分子が細孔内に拡散しやすくなることを表す。 ゼオライト単位重量当りの吸着量は次のように
測定される。即ち、電気炉中で450℃にて8時間
焼成したペレツト状のゼオライトを吸着装置のス
プリング・バランスを用いて精秤する。次いで吸
着管内を真空にした後、60±2mmHgに達する迄
シクロヘキサン又はn−ヘキサンをガス状にて導
入し、20±1℃にて平衡に達するまで(少なくと
も2時間)保持する。ゼオライトに吸着したシク
ロヘキサン又はn−ヘキサンの吸着量は吸着前後
のスプリング・バランスの長さの差から測定する
ことができる。 (2) シクロヘキサン分解指数比(以下C.D.R.値と
略称することがある): シクロヘキサン分解指数比は、同一のシリカ/
アルミナ(モル比)を有する活性化された状態の
H型ZSM−5に対して本発明で得られたH型ゼ
オライトのシクロヘキサン分解指数の割合として
定義される。 シクロヘキサン分解指数は、50重量パーセント
のγ−アルミナを含む10〜20メツシユのペレツト
状に成型したゼオライトを電気炉中で450℃にて
8時間焼成した後、その一定重量を固定床反応器
に充填し、350℃、一気圧の条件下で(重量単位
時間空間速度WHSV=2HR-1(全重量基準)のシ
クロヘキサン及び水素/シクロヘキサン=2/1
(モル比)の水素を供給することによつて測定さ
れる。この時のシクロヘキサンの転化量(フイー
ド100重量当り)をシクロヘキサン分解指数とい
う。尚WHSVは次式 単位時間当りの炭化水素原料の供給重量/触媒の重量 により算出される値である。 方法 B この方法Bもまた本発明者らが先に見出し既に
提案した方法であり、その出願は昭和58年7月5
日に「結晶性アルミノシリケートゼオライトの製
造方法および新規結晶性アルミノシリケートゼオ
ライト」という発明の名称で出願された。その内
容は特願昭58−120953明細書に具体的且つ詳細に
説明されているが以下にその要旨を説明する。 この方法Bは、シリカ源、アルミナ源並びにゼ
オライトZSM−5及び下記に示す特性をもつゼ
オライトから選ばれるゼオライトを、該ゼオライ
ト1g当り1〜200ミリモルのアルカリ金属水酸
化物を含む水溶液中にて、結晶性アルミノシリケ
ートゼオライトが生成するような温度、圧力及び
時間条件下に維持することを特徴とする、下記特
性をもつ: (a) シリカ/アルミナのモル比が10〜100の範囲
にあり、 (b) X線格子面間隔dが明細書の表−Aに示した
とおりであり、且つ (c) n−ヘキサンの比吸着量が少なくとも0.07
g/gである、 結晶性アルミノシリケートゼオライトの製造方
法である。 この方法Bは、従来のZSM−5の製造におけ
るように有機アミン類を実質的に使用することな
く換言すれば、かかる有機アミンに由来する有機
カチオンが実質的に存在しない条件下に、ZSM
−5又は方法Bによつて予め製造されたゼオライ
トの存在下に、ゼオライトの製造を行なうことに
本質的特徴を有する。 この方法Bは、原料として通常ゼオライトの合
成に使用されるシリカ源、アルミナ源及びアルカ
リ金属水酸化物の水溶液と、ゼオライトZSM−
5及び方法Bで製造されるゼオライトから選ばれ
る出発ゼオライトに対して数倍、好適条件下では
拾数倍に相当する極めて高い収率でゼオライトを
合成することができる。 この方法Bにおいて、シリカ源としては、ゼオ
ライト製造に通常に使用されるものがいづれも使
用可能であり、例えばシリカ粉末、コロイド状シ
リカ、水溶性ケイ素化合物、ケイ酸などが挙げら
れる。これらの具体例を詳しく説明すると、シリ
カ粉末としては、エーロジルシリカ、発煙シリ
カ、シリカゲルの如きアルカリ金属ケイ酸塩から
沈降法により製造された沈降シリカが好適であ
り、コロイド状シリカとしては、種々の粒子径の
もの例えば10〜50ミクロンの粒子径のものが有利
に利用できる。また、水溶性ケイ素化合物として
は、アルカリ金属オキシド1モルに対してSiO21
〜5モル、特に2〜4モルを含有するアルカリ金
属ケイ酸塩例えば水ガラス、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウムなどが挙げられる。シリカ源とし
ては就中、コロイド状シリカまたは水ガラスが好
ましい。 一方、アルミナ源としては、一般にゼオライト
の製造に使用されているものはいずれも使用可能
であり、例えば、アルミナ、アルミニウムの鉱酸
塩、アルミン酸塩などが挙げられ、具体的には、
コロイド状アルミナ、プソイドベーマイト、ベー
マイト、γ−アルミナ、α−アルミナ、β−アル
ミナ・三水和物の如き水和されたもしくは水和さ
れうる状態のアルミナ;塩化アルミニウム、硝酸
アルミニウム、硫酸アルミニウム;アルミン酸ナ
トリウム、アルミン酸カリウムなどが例示される
が、この中でアルミン酸ナトリウムまたはアルミ
ニウムの鉱酸塩が好適である。 また、シリカ及びアルミナ共通の供給源として
アルミノケイ酸塩化合物、例えば天然に産出され
る長石類、カオリン、酸性白土、ベントナイト、
モンモリロナイト等を使用することも可能であ
り、これらアルミノケイ酸塩を前述したシリカ源
及びまたはシリカ源の一部または全部と代替して
もよい。 本発明の原料混合物におけるシリカ源の量は
SiO2に換算して一般に、原料とする出発ゼオラ
イト1g当り0.1〜200ミリモルの範囲、好ましく
は1〜100ミリモルの範囲、さらに好ましくは5
〜80ミリモルの範囲内とすることが有利であり、
またアルミナ源の量はAl2O3に換算して一般に出
発ゼオライト1g当り0.01〜20ミリモル、好まし
くは0.1〜10ミリモル、さらに好ましくは0.5〜5
ミリモルの範囲内となるようにすることが好まし
い。かつ、このシリカ源とアルミナ源の混合比は
限定的ではないが、一般には、それぞれSiO2
びAl2O3に換算してSiO2/Al2O3モル比が1〜200
の範囲、好ましくは5〜100の範囲内となるよう
にすることが好ましい。このモル比が1よりも少
ないと目的とするゼオライトは得られず、また
200を越えると変性の割合が低くなる。 アルカリ金属水酸化物としては特に水酸化ナト
リウム及び水酸化カリウムが好適であり、これら
はそれぞれ単独で用いることができ、或いは組合
わせて用いてもよい。 かかるアルカリ金属水酸化物は出発ゼオライト
1g当り1〜200ミリモル、好ましくは5〜100ミ
リモル、さらに好ましくは10〜80ミリモルの範囲
の量で使用される。また、前記シリカ源及びアル
ミナ源に対してアルカリ金属水酸化物は、アルカ
リ金属水酸化物/(SiO2+Al2O3)モル比に換算
して、一般に0.1〜10、好ましくは0.2〜5、さら
に好ましくは0.3〜1の範囲内の量で使用される。 上記アルカリ金属水酸化物は通常水溶液の形で
使用され、その際の水溶液中におけるアルカリ金
属水酸化物の濃度は一般に、反応系中の水の全量
を基準にして水1モル当り1〜100ミリモル、好
ましくは5〜50ミリモル、さらに好ましくは10〜
40ミリモルとするのが好都合である。 さらに、この方法Bにおいて、生成ゼオライト
の結晶母体となりうる出発ZSM−5は公知のも
のであり、アルカリ金属カチオンと共に或る特定
の有機カチオンを組み合わせ、シリカ源、アルミ
ナ源と共にアルカリ水溶液中において水熱合成条
件下で合成されるところの公知の方法に従つて得
ることができる(例えば、特公昭46−10064号公
報参照)。 この公知の方法で合成したゼオライトZSM−
5は通常十分水洗した後、例えば300〜700℃、好
ましくは400〜600℃の範囲の温度で焼成すること
によつて有機カチオンが除去される。しかしなが
ら、本方法Bで使用するZSM−5にはかゝる有
機カチオンを焼却したものであつても或いは残留
したものであつても差支えない。 また、原料混合物であるZSM−5ゼオライト
は、前記の焼成操作の後に、公知の方法に従つ
て、ゼオライト中に元々存在するイオンの一部ま
たは全部を他のカチオン例えばリチウム、銀、ア
ンモニウムなどの一価カチオン;マグネシウム、
カルシウム、バリウムなどの二価のアルカリ土類
カチオン;コバルト、ニツケル、白金、パラジウ
ム等の第族金属カチオン;稀土類金属の如き
族のカチオンによつてイオン交換したものであつ
ても良い。 さらに、この方法Bでは、上記ZSM−5ゼオ
ライトの代わりに、この方法Bで得られたゼオラ
イトを出発ゼオライトとして用いても本発明の目
的を達成することもできる。かかるゼオライトの
形態は、それが合成直後のスラリー状であつても
良く、液と分離し、乾燥,焼成過程を経たもの
であつても良い。さらに該ゼオライトが前記
ZSM−5ゼオライトと同様に、前記金属カチオ
ンとイオン交換したものであつても全くさしつか
えない。 方法Bにおいては、前記した如き、シリカ源、
アルミナ源、アルカリ金属水酸化物、ゼオライト
および水を前述した如き割合となるような原料混
合物とし、その混合物を結晶性ゼオライトが生成
するのに充分な温度、圧力及び時間条件下に維持
することによりゼオライトの合成が行われる。 シリカ源、アルミナ源、アルカリ金属水酸化物
及び水は前述した割合とする他に、原料混合物中
のシリカ源、アルミナ源及びアルカリ金属水酸化
物を、それぞれSiO2,Al2O3及びアルカリ金属に
基づく水酸イオン(OH-)で表わして SiO2/Al2O3=1〜200、好ましくは5〜100さ
らに好ましくは10〜80、 OH-/(SiO2+Al2O3)=0.1〜10、好ましくは
0.2〜5、さらに好ましくは0.3〜1、 OH-/H2O=0.001〜0.1、好ましくは0.005〜
0.05、さらに好ましくは0.01〜0.04 を満足する割合で使用するのが一層有利である。 上記のゼオライト合成反応の温度は限定的では
なく、従来のZSM−5製造の際の温度条件と本
質的に同じ範囲とすることができ、通常90℃以
上、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは
120〜200℃の範囲の温度が有利に用いられる。 更にこの方法Bを用いるならば、従来の方法よ
りも著しく反応速度が促進されている結果、反応
時間は通常30分〜7日、好ましくは1時間〜2
日、特に好ましくは2時間〜1日で充分である。
圧力はオートクレーブ中での自生圧乃至それ以上
の加圧が適用され、自生圧下に行うのが一般的
で、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行つて
も良い。 この方法に従いゼオライトを合成するにあつて
は、前述した原料成分の全てを混合物として反応
釜に仕込み前記の条件下で反応を行うバツチ方法
を用いることができる。或いは、アルカリ金属水
酸化物の水溶液及び出発ゼオライトを予め仕込ん
だ反応釜にスラリー状のシリカ源、アルミナ源を
連続的に送給しつつ段階的に反応を行わせしめる
連続方法を用いても良い。 さらに、前記方法で得られた生成物の一部を取
り出し、これに新たにアルカリ金属水酸化物の水
溶液、シリカ源及びアルミナ源をバツチ式で或い
は連続的に送給して反応を行わせることもでき
る。 ゼオライトの形成反応は、所望の温度に原料混
合物を加熱し、要すれば撹拌下にゼオライトが形
成される迄継続される。 かくして結晶が形成された後、反応混合物を室
温まで冷却し過し、例えばイオン伝導度が50μ
/cm以下となる迄水洗し、結晶を分別する。さ
らに要すれば結晶は乾燥する為に、常圧或いは減
圧下で50℃以上で5〜24時間保持される。 かくして上記方法Bによるならば、原料として
通常、ゼオライトの合成に使用されるシリカ源、
アルミナ源及びアルカリ金属水溶液の他にゼオラ
イトZSM−5或いは、方法Bで得られるゼオラ
イトを使用するのみで原料として使用したゼオラ
イトに対して、バツチ式では数倍、好適条件下で
は拾数倍に相当する量のゼオライトを合成するこ
とができ、連続式では百倍以上のゼオライト合成
も可能である。 かくして得られたゼオライトは、陽イオンがア
ルカリ金属イオンを含有するものであり、それ自
体公知の方法、例えばこれに塩化アンモニウム水
溶液を作用させてイオン交換しカチオンサイトを
アンモニウムイオンで置換することもでき、これ
をさらに焼成すれば、アンモニウムイオンを活性
化された状態である水素イオンに変えることがで
きる。 更に、得られたゼオライトのアルカリ金属イオ
ンの一部又は全部を他のカチオンと交換すること
もできる。イオン交換し得るカチオンとしては、
例えばリチウム、カリウム、銀などの一価金属カ
チオン;マグネシウム、カルシウム、バリウムな
どのアルカリ土類金属カチオン;マンガン、鉄、
コバルト、ニツケル、銅、亜鉛などの二価遷移金
属カチオン;ロジウム、パラジウム、白金などの
貴金属を含むカチオン;ランタン、セリウムなど
の稀土類金属カチオンなどが含まれる。 前記の種々のカチオンと交換する場合には、公
知の方法に従つて行えば良く、ゼオライトを所望
するカチオンを含有する水溶液を含む水溶性もし
くは、非水溶性の媒体と接触処理すれば良い。か
かる接触処理は、バツチまたは連続式のいずれの
方式によつても達成できる。 かくして得られたゼオライトは100〜600℃、好
ましくは300〜500℃の温度で、5〜40時間、好ま
しくは8〜24時間焼成してもよく、この焼成した
ものも本発明のゼオライトとして使用される。 この方法Bによつて得られたゼオライトは、前
記した特徴を有している他に公知のゼオライト
ZSM−5及びその他の類似ゼオライトと比較し
て下記の如き特徴を有している。その特徴の1つ
は、n−ヘキサンの比吸着量が少なくとも0.07
g/gであるという極めて高い値を有することで
ある。 このn−ヘキサンの比吸量は下記の定義に従つ
て測定された値である。n−ヘキサンの比吸着量
はゼオライトの細孔容積関連する要因であり、こ
の値が大きいことは、ゼオライトのチヤンネル
(Channels)の細孔容積が大きいことを意味す
る。しかしn−ヘキサンの比吸着量には自ずと上
限があり、この方法Bにより製造されるゼオライ
トのn−ヘキサンの比吸着量の上限は一般に0.1
g/g程度、典型的には0.08g/g程度であり、
好適には0.07〜0.09g/gの範囲のn−ヘキサン
比吸着量を有している。 前記方法Bにより製造されるゼオライトのさら
にもう1つの特性として(2−メチルペンタン/
シクロヘキサン)吸着比を挙げることができる。
この吸着比は後述する方法で測定される値である
が、このゼオライトは一般に1.1〜1.6、好ましく
は1.2〜1.5、さらに好ましくは1.25〜1.45の範囲
の(2−メチルペンタン/シクロヘキサン)吸着
比を持つことができる。 この(2−メチルペンタン/シクロヘキサン)
吸着比は、ゼオライトのチヤンネルの細孔径に関
連する要因であり、この値が大きいことはシクロ
ヘキサン分子の如きその断面の大きな分子はその
ゼオライトのチヤンネルに入り難く、一方シクロ
ヘキサンよりその断面が小さい2−メチルペンタ
ン分子がそのチヤンネルに入り易いことを意味す
る。 従つて、吸着比が上記範囲のチヤンネルの細孔
径を有するゼオライトを触媒として使用する場合
には特異な形状選択性を発揮するため工業的には
価値の高い新規な触媒となる。 次に方法Bのゼオライトの特徴を表わす指標で
ある「n−ヘキサンの比吸着量」及び「(2−メ
チルペンタン/シクロヘキサン)吸着比」の定義
及び測定法について詳細に説明する。 (i) n−ヘキサンの比吸着量 この指数は、下記の一定条件下においてゼオラ
イト1g重量に吸着されるn−ヘキサンの重量と
して定義され次のように測定される。即ち電気マ
ツフル炉中で450℃、8時間焼成したペレツト状
ゼオライトを吸着装置のスプリング・バランスを
用いて精秤する。次いで吸着管内を1時間排気
(0mmHg)した後、吸着管内が50±1mmHgに達
するまでn−ヘキサンをガス状にて導入し、室温
(20±1℃)にて平衡に達するまで(少なくとも
2時間)保持する。吸着したn−ヘキサンの重量
は吸着前後のスプリング・バランスの長さの差か
ら算出することができる。 (ii) (2−メチルペンタン/シクロヘキサン)吸
着比 この指数は、一定条件の条件下においてゼオラ
イト1g当りに吸着されるシクロヘキサンの重量
に対する2−メチルペンタンの重量比で表わされ
る。各成分の吸着量の測定方法は上記(i)項と全く
同じである。 なお前記方法Bにより得られたゼオライトの化
学的組成は、前記方法Aのゼオライトのそれとほ
ぼ同じであるのでここでは説明を省略する。 方法 C 特開昭56−17926号公報記載の方法により得ら
れたゼオライト 方法 D 特開昭57−123815号公報記載の方法により得ら
れたゼオライト 方法 E 特開昭51−67299号公報記載のゼオライト これら方法C〜方法Eのゼオライトは、本発明
において特定した特徴を有しているが、他に(シ
クロヘキサン/n−ヘキサン)吸着比が0.7より
小さく、一般には0.4〜0.7である点が特徴の1つ
である。さらに他の特徴はn−ヘキサンの比吸着
量が、0.03〜0.06g/gの比較的小さい値を有し
ていることである。 前記したゼオライトの合成法の具体例のうち、
方法Aおよび方法Bによつて得られたゼオライト
を使用すると、本発明の目的とするジメチルナフ
タリンの異性化活性が一層高く、より選択的な異
性化を起すことのできる触媒を得ることができる
のでより好ましい。 本発明の触媒に使用されるゼオライトは、その
全カチオンサイトの少くとも50%、好ましくは少
くとも70%が水素カチオン(H+)で占められて
いるものである。この範囲よりも水素カチオン
(H+)の割合が低いゼオライトのカチオンを水素
カチオンにイオン交換するそれ自体知られた方法
によつて上記範囲の水素カチオンを有するゼオラ
イトに調製することができる。すなわち、例えば
塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸による浸漬処理或い
はアンモニウムイオン(NH4 +)と交換の後焼成
によつてカチオンサイトを前記範囲の水素カチオ
ン(H+)へ変換することができる。 前記範囲の水素カチオン(H+)以外のカチオ
ンは、種々の金属カチオンで占められていてもよ
い。例えばBe,Mg,Ca,Sr,Baの如きアルカ
リ土類金属カチオン、La,Ceの如きランタンド
金属カチオンで占められていてもよい。またFe,
Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Ptなどの周期
律表第8族金属でイオン交換されていてもよく、
またこれらの金属に担持されていてもよい。この
第8族金属をイオン交換もしくは担持したゼオラ
イトは、本発明の異性化反応に使用した場合、反
応の経過と共に触媒表面上に炭素質物の発生が抑
制され、長時間活性を持続することができるとい
う効果を有している。 本発明のゼオライトは、それ自体パウダー状で
使用することもできるし、また成形物として、例
えばペレツト状、タブレツト状として使用するこ
とも出来る。成形物として使用する場合、成形物
中のゼオライトの含有割合は、重量で1〜100%、
好ましくは10〜90%の範囲が有利である。さらに
ゼオライトをを成形するには、一般にゼオライト
の結合剤として使用される耐火性無機酸化物、例
えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリ
カマグネシウム、カオリンなどが使用されるが、
とりわけアルミナが好ましい。 前記触媒は、金属を含有する場合には、本発明
の反応に供する前に還元覆囲気下(例えば水素含
有ガス雰囲気下)で例えば200〜600℃、好ましく
は250〜550℃の温度で還元熱処理することが好ま
しい。この還元熱処理は、触媒を反応器中に充填
する前に行つてもよく、また後に行つてもよい。 〔〕 本発明の異性化反応 前記の如くして製造し、調製されたゼオライト
もしくはそれを含有する触媒は、DMN類の異性
化、例えば1,6−DMNの2,6−DMNへの
異性化、2,7−DMNの2,6−DMNへの異
性化、2,3−DMNの2,6−又は2,7−
DMNへの異性化等の反応に際して触媒として使
用される。 殊に、前述したように本発明のゼオライトは
DMNの異性化反応において、従来の触媒にはみ
られなかつた特異な反応性を示す点で特徴的であ
る。すなわち、従来、DMN類の異性化において
は、同一リング上のα−位からβ−又はβ−位か
らα−位へのメチル基の転位のみが可能であると
考えられていた。ところが、本発明のゼオライト
を用いると、異なるリング上へのメチル基の転位
(例えば3−位から6−位又は7−位への転位)、
及び同一リング上でのα−位(1−位)からα−
位(4−位)又はβ−位(2−位)からβ−位
(3−位)へのメチル基の転位をも可能になる。
しかして、本発明のゼオライトは有用性の少ない
2,7−DMNを工業的に価値の高い2,6−
DMNに転化する反応や、2,3−DMNを2,
6−又は2,7−DMNに異性化する反応におけ
る触媒として有利に使用することができる。 かくして本発明方法を実施するに当つては、
種々のDMN異性体を40重量%以上、好ましくは
60重量%以上、特に好ましくは80重量%以上含有
する原料混合物を前記触媒と接触せしめればよ
く、殊に目的とするDMNが熱平衡組成以下のも
のが有利に用いられる。例えば異性化によつて
2,6−DMN又は2,7−DMNを得ようとす
る場合には原料混合物中の全DMNに対し、2,
6−DMN又は2,7−DMNが10重量%以下、
好ましくは5重量%以下含有するものを使用する
のが望ましい。 本発明の異性化は液相、気相いずれでも実施す
ることができ、一般に200〜500℃の範囲の温度で
行うのが有利である。反応条件は液相或いは気相
のいずれで反応を行うかによつて若干その好まし
い範囲は異なる。 液相の場合には、200〜450℃、特に250〜350℃
の範囲の温度で、接触反応における重量単位時間
空間速度(WHSV)が0.1〜20、好ましくは1〜
10の範囲でしかも反応圧力が常圧〜30Kg/cm2、好
ましくは2Kg/cm2〜10Kg/cm2の範囲で実施するの
が有利である。 一方反応を気相で行う場合には、250〜500℃、
好ましくは300〜400℃の範囲の温度で、0.05〜
20、好ましくは0.1〜5のWHSVで、しかも常圧
〜20Kg/cm2、好ましくは1Kg/cm2〜10Kg/cm2の範
囲の圧力で実施するのが適当である。殊に気相で
反応を行う場合には原料混合物中へ窒素(N2
又は水素(H2)、好ましくは水素(H2)を導入
することが出来る。水素の導入は、触媒活性の寿
命を長くすることが出来るので工業的に有利であ
る。この場合に使用される水素は原料混合物1モ
ル当り0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルの範
囲が適当である。異性化反応を実施するに当つ
て、触媒と原料混合物との接触は固定床又は流動
床反応器のいずれでもよいが、前者が好ましく使
用される。 以上本発明の異性化反応によれば、前記ゼオラ
イト含有触媒の使用によつて、下記の如き数々の
利点が持たらされる。 (i) ナフタレン骨格の同一リング上のα位とβ位
間のメチル基の置換のみならず、同一リング上
のβ位とβ位間のメチル基の置換、リング間に
おけるメチル基の置換が可能となる。 殊に従来のDMNの異性化において、起らな
いか或いは起つても極く僅かであつて例えば下
記異性化を容易に且つ良好な転化率で行うこと
が可能となる。 2,3−DMN→2,6−DMN又は2,7
−DMN 2,6−DMN→2,7−DMN 2,7−DMN→2,6−DMN (ii) 従つて、従来の異性化法では異性化反応後、
目的とする異性体を分離後、異性化反応の起り
得ない異性体を分離し、副生物又は利用価値の
ないものとして系外へ除去されていたが、本発
明の異性化により異性化反応後目的とする異性
体を分離した他の異性体はそのまゝ原料として
再循環使用することができる。 (iii) また従来では目的とする異性体の種類に応じ
て原料異性体の種類が限られていた。しかしな
がら本発明によれば、広範囲の種類のDMNか
ら広範囲のDMNを得ることが可能となつたの
で、原料となるDMN源を任意に選択すること
が出来る。すなわち、石油又は石炭留分中から
得られるDMN異性体含有混合物、ナフタレン
又はメチルナフタレンのメチル化により得られ
たDMN異性体含有混合物などいずれも自由に
選択し得る。 (iv) 本発明のゼオライト含有触媒は活性が高く且
つ不均化や脱メチルなどの副反応に対する活性
が小さいので高転化率でしかも高い選択率で目
的とするジメチルナフタレンを得ることができ
る。 実施例 1 (a) 米国特許3766093号明細書に開示されている
方法に従つてシリカ/アルミナモル比が71.9の
ZSM−5ゼオライトを合成した。即ち、合成
に際して有機カチオン源として、トリ−n−プ
ロピルアミンとn−プロピルプロマイドを添加
した。得られた合成物を過し、充分水洗した
後、電気乾燥器中100℃で16時間、次いで200℃
で8時間乾燥し、更に空気流通下500℃で16時
間焼成した。 次いで、上記ZSM−5を10gとり、フラス
コ中の水酸化ナトリウム1.5gを溶解した水溶
液50mlに懸濁させた。これを90℃にて撹拌しな
がら3時間保持した後、残留物を過し充分水
洗して、電気乾燥器中100℃で16時間乾燥した。
乾燥後の重量は5.7gであり、このもののシリ
カ/アルミナモル比は39.2に減少し、且つ、Cu
−Kα線の照射によつて得られるX線回折パタ
ーンにおいては前記表−Aに示した如くZSM
−5で得られるdÅ=3.84の最強ピークがdÅ
=3.86とdÅ=3.83に明確に分離することが認
められた(ゼオライトA−1)。更に粉末状ゼ
オライトA−1を5wt%の塩化アンモニウム水
溶液を用いて70℃で16時間イオン交換を実施し
た。使用した塩化アンモニウム水溶液の量は、
ゼオライト1g当り5mlであり、この操作を二
度繰返した。イオン交換後、ゼオライトを上記
の如く、洗浄、乾燥を行い、次いで電気炉中、
空気流通下450℃で8時間焼成することによつ
てH+型ゼオライトを得た(ゼオライトA−
2)。 (b) 前記のゼオライトA−1を10〜20メツシユの
大きさに成型した後、電気マツフル炉中にて
450℃で8時間焼成した。約0.5gを吸着管内に
つるしたスプリング・バランスにのせ、スプリ
ングの伸びからゼオライト重量を精秤した。次
いで吸着管内を真空にした後、ガス・ホルダー
に充填したn−ヘキサン又はシクロ−ヘキサン
を吸着管内に導入した。吸着は20℃、60mmHg
の条件で2時間行つた。ゼオライトに吸着した
吸着質重量は、吸着前後のスプリング・バラン
スの長さの差から算出した。該ゼオライトへの
n−ヘキサン及びシクロヘキサン吸着量はゼオ
ライト重量当り夫々6.8wt%、6.4wt%であり、
n−ヘキサンに対するシクロ−ヘキサンの吸着
比率は0.94であつた。 (c) 前記のゼオライトA−2にクロマトグラフ用
アルミナゲル(300メツシユ以下)を重量比で
1/1加えて充分混合し、10〜20メツシユの大
きさに成型した。該成形部を電気マツフル炉
中、450℃にて8時間焼成した後、4gを固定
床反応管に充填した。触媒床温度を350℃とし
た後、シクロヘキサン8g/Hr、及び水素/
シクロヘキサン=2/1(モル比)の水素を供
給してシクロヘキサン分解指数を測定したとこ
ろ21.5であつた。ゼオライトA−2と同じシリ
カ/アルミナ(モル比)を有するZSM−5の
シクロヘキサン分解指数は図−1の相関曲線か
ら11.3であり、従つてゼオライトA−2のシク
ロヘキサン分解指数比は1.9であることが判る。 実施例 2 (a) 水酸化ナトリウム(和光純薬製特級試薬)
10.5gを210mlの純水に溶解したアルカリ水溶
液にアルミナ源として硫酸アルミニウム16〜18
水和物(和光純薬製特級試薬)3.1gを加え、
更にシリカ源としてシリカゾル(触媒化成製カ
クロイドS−30L SiO230wt%)69.4gを添加
してゲルを調製した。 次いで、このゲルを300ml容ステンレスオー
トクレーブに仕込んだ後、実施例1−(a)で合成
したZSM−5ゼオライト6.9gを添加した。仕
込物の組成はZSM−5 1g当りで表して SiO2=50.0mmol,M2O3=0.714mmol NaOH=38.0mmol であり、又モル比で表わして SiO2/Al2O3=70, OH-/SiO2+Al2O3=0.75, OH-/H2O=0.018 であつた。仕込物を穏かに撹拌しながら180℃
自生圧で6時間反応した。反応物を取出し別
した後、純水で洗浄液が50μ/cm以下になる
迄充分に洗浄し、90℃で一晩乾燥した後、重量
を測定したところ10.0gであり、仕込ZSM−5
ゼオライトに対して1.5重量倍のプロダクトを
得た。シリカ、アルミナを定量した結果、シリ
カ/アルミナ(モル比)=23.8であり、X線回
折パターンは前記表−Aに示した特徴を有する
ものであり、殊にZSM−5で得られるdÅ=
3.84の最強ピークがdÅ=3.86とdÅ=3.83に
著しい分離を示した(ゼオライトB−1)。 この粉末状ゼオライトB−1から、実施例1
−(a)に記載した方法に従つてH型ゼオライト
(ゼオライトB−2)を得た。 (b) 前記のゼオライトB−1を10〜20メツシユの
大きさに成型した後電気マツフル炉中にて450
℃で8時間焼成した。約0.5gを吸着管内につ
るしたスプリング・バランスにのせスプリング
の伸びからゼオライト重量を精秤した。次いで
吸着管内を真空にした後、ガス・ホルダーに充
填したn−ヘキサン又は2−メチルペンタン又
はシクロヘキサンを吸着管内が50±1mmHgに
達する迄導入した。室温(20℃±1℃)にて2
時間保持した後、ゼオライトに吸着した吸着質
重量を吸着前後のスプリング・バランスの長さ
の差から算出した。該ゼオライトに対するn−
ヘキサン、2−メチルペンタン及びシクロヘキ
サン比吸着量は、ゼオライト重量当り夫々
0.087g/g、0.051g/g及び0.034g/gであ
り、シクロヘキサンに対するn−ヘキサンの吸
着比率は1.50であつた。 更に実施例−1(c)に記載した方法に従つてゼ
オライトB−2のシクロヘキサン分解指数比を
測定したところ2.0であつた。 実施例 3 実施例−1で合成したH+型ゼオライト(A−
2)にゲル状γ−アルミナ(300メツシユ以下)
を等重量加えて充分混合し、10〜20メツシユの大
きさに成型した。この成型物5gを電気マツフル
炉中、空気雰囲気下450℃にて焼成を行つて、固
定床反応管に充填した。触媒床温度を375℃とし
た後、1,5−ジメチルナフタレンを2.5g/HR
の速度で供給すると共に水素/1,5−ジメチル
ナフタリン=3/1(モル比)の水素を流通した。
上記と同様の操作を実施例−2で合成したゼオラ
イトB−2及び比較として、H型ZSM−5(実施
例−1で合成)、市販のH型モルデナイトについ
ても実施した。通油開始後5時間目のプロダクト
組成を表−1に纒めた。 この結果は本発明の方法において、ジメチルナ
フタレンが、通常のメチル基転移(1,5−異性
体の1,6−或いは2,6−異性体への転化)と
共にメチル基のαβ転移(1,5−異性体の
1,7−或いは2,7−異性体への転化)、更に
はメチル基の異なるリングへの転移(1,5−異
性体の1,3−或いは2,3−異性体への転化)
が極めて高いことを示す。
【表】
【表】 実施例 4 実施例−2で合成したH+型ゼオライト(B−
2)1gをパウダー状のままステンレス製の小型
反応器に仕込んだ。これに2,3−ジメチルナフ
タリン(和光純薬特級試薬)4gを入れ密閉し
た。350℃にて6時間保持した後、プロダクト組
成を合析したところ5.6mol%の2,6−ジメチ
ルナフタレンと4.1mol%の2,7−ジメチルナ
フタレンが検出された。 このことは同一リング上の二つのメチル基の一
方が異るリングへ分子内転移したことを示すもの
である。 実施例 5 この例では液相における連続通油テストを実施
した。実施例−2で合成したH型ゼオライト(B
−2)10gをパウダー状でステンレス製固定床反
応管に充填した。触媒床温度を375℃として、反
応系内を窒素にて15Kg/cm2Gに加圧した後1,5
−ジメチルナフタレンを10g/HRの速度で供給
した。 表−2にプロダクト組成の経時変化を示す。 この結果から本発明の方法は液相下においても
ジメチルナフタレンの特異的な分子内メチル基転
移反応を示し、かつ経時的劣化も少いことが判
る。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
添付図面は、シクロヘキサン分解指数比(C.D.
R)を算出するために基準となるH型ZSM−5ゼ
オライトのシリカ/アルミナ(モル比)とシクロ
ヘキサン分解指数の相関を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i) SiO2/Al2O3のモル比が10〜100の範囲
    であり、且つ (ii) X線格子面間隔(d)が下記の表に示した特徴を
    有している、 ことによつて特徴づけられる結晶性アルミノシリ
    ケートゼオライトを含有する触媒と、ジメチルナ
    フタレン類を含有する原料混合物とを接触せしめ
    ることからなるジメチルナフタレン類の異性化方
    法。 【表】 2 結晶性アルミノシリケートゼオライトは、X
    線格子面間隔d(Å)=3.86のピークの強度(I0
    を100とした時、d(Å)=3.83のピークの相対的
    強度(I/I0)が少くとも70である第1項記載の
    異性化方法。 3 該結晶性アルミノシリケートゼオライトは、
    活性化された状態におけるシクロヘキサン分解指
    数比が少くとも1.1である第1項記載の異性化方
    法。 4 該接触を200〜500℃の温度で行う第1項記載
    の異性化方法。 5 該原料混合物は、ジメチルナフタレン類を少
    なくとも40(重量)%含有している第1項記載の
    異性化方法。 6 該接触を気相で実施する第1項記載の異性化
    方法。 7 該接触を水素の存在下に実施する第6項記載
    の異性化方法。 8 該接触を液相で実施する第1項記載の異性化
    方法。
JP58145776A 1983-08-11 1983-08-11 ジメチルナフタレン類の異性化方法 Granted JPS6038331A (ja)

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