JPH0327200B2 - - Google Patents
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- JPH0327200B2 JPH0327200B2 JP15039183A JP15039183A JPH0327200B2 JP H0327200 B2 JPH0327200 B2 JP H0327200B2 JP 15039183 A JP15039183 A JP 15039183A JP 15039183 A JP15039183 A JP 15039183A JP H0327200 B2 JPH0327200 B2 JP H0327200B2
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- Japan
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- culture
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Description
本発明は抗生物質OA−6129B2の新規な製造方
法に関し、さらに詳しくは発酵法による下記式 で示される抗生物質OA−6129B2の選択的製造方
法に関する。 本発明者らは先に下記式 式中、Rは水素原子、−OH又は−OSO3Hを表
わす、 で示される一連の新規な抗生物質がストレプトミ
セス・エスピーOA−6129(微工研条寄第11号)
の発酵により生産されることを見い出し、それぞ
れ抗生物質OA−6129A(R=H)、OA−6129B1
(R=OH、5、6−cis体)、OA−6129B2(R=
OH、5、6−trans体)及びOA−6129C(R=
OSO3H)と命名し提案した(ヨーロツパ特許出
願公開明細書第48999A1号、特開昭57−62280号
公報、特開昭57−70890号公報及び特開昭57−
95987号公報参照)。 上記生産菌株は抗生物質OA−6129A、OA−
6129B1及びOA−6129B2も生産するが、抗生物質
OA−6129Cを多く生産する傾向がある。しかし、
上記式()の化合物をさらに有用な他の抗生物
質に誘導する場合には、R=OSO3Hである場合
の式()の化合物、即ち抗生物質OA−6129C
よりも、むしろR=OHである場合の式()の
化合物、即ち抗生物質OA−6129B1又はOA−
6129B2の方が利用範囲が大きいと思われる。 そこで本発明者らは、抗生物質OA−6129B1及
び/又はOA−6129B2を選択的に生産する能力の
ある菌株を求めて鋭意研究を行なつた結果、上記
ストレプトミセス・エスピーOA−6129
(Soreptomyces sp.OA−6129)を変異処理して
得られるストレプトミセスエスピーOA−6129−
3N−504(Streptomyces sp.OA−6129−3N−
504)が、前記式()で示される抗生物質OA
−6129B2を選択的に生産することを見い出し本
発明を完成するに至つた。 しかして、本発明によれば、ストレプトミセ
ス・エスピーOA−6129−3N−504を栄養培地で
培養し、その培養物から下記式 で示される抗生物質OA−6129B2を採取すること
を特徴とする抗生物質OA−6129B2の製造方法が
提供される。 本発明の方法において使用される菌株、ストレ
プトミセス・エスピーOA−6129−3N−504は、
従来の文献に未載の新規な菌株であり、その菌学
的性質を示せば次のとおりである。 (1) 形態 顕微鏡下でよく分枝した基中菌糸より、直状
〜曲状(Straight〜flexuous)の気菌糸を伸長
し、輪生枝はみとめられない。成熟した胞子鎖
は10個以上の楕円〜円筒形をした胞子から成
り、胞子のうは認められない。胞子の大きさは
0.6〜1.0×0.7〜2.5ミクロン位で、胞子の表面
は平滑である。鞭毛胞子はみとめられない。 (2) 各種培地における生育状態 培養は特記しないかぎり28°〜30℃で行つた。
また色調の記載は主としてエツチ・デイ・トレ
スナーとイー・ジエー・バカス(H.D.Tresner
and E.J.Backus)著、ジヤーナル・オブ・ア
プライド・ミクロビオロジイー(Journal of
Applied Microbiology)11巻、4号、(1963
年)335〜338頁の方法に従い、〔 〕内に示す
符号〔CHMコード(code)〕はコンテイナ
ー・コーポレーシヨン・オブ・アメリカのカラ
ー・ハーモニー・マニユアル(Container
Corporation of AmericaのColor Harmony
Manual)を用いた。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地: 黄灰〔2dc〕〜明るい灰黄茶〔3ge〕の中
等度生育上に、黄灰〔2dc〕〜灰黄ピンク
〔5dc〕の気菌糸を着生し、溶解性色素はみ
とめられない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: うす黄〔2db〕明るいオリーブ茶〔2ge〕
の良好な生育上に、明るい灰〔d〕の気菌糸
を着生する。尚この気菌糸はおくれて灰黄ピ
ンク〔5dc〕となる。溶解性色素はみとめら
れない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
培地−5): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶
〔4ie〕の良好な生育上に、明るい灰〔d〕〜
明るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生する。
溶解性色素はみとめられない。 (4) スターチ無機塩寒天培地(ISP培地−
4): うす黄〔2db〕〜灰色〔2fe〕の良好な生育
上に明るい灰〔d〕の気菌糸を着生する。溶
解性色素は生成しない。 (5) チロシン寒天培地(ISP培地−7): 灰黄〔3ec〕〜明るい茶〔4ie〕の生育上
に、明るい灰〔d〕〜明るい茶灰〔3fe〕の
気菌糸を着生する。培地は極く僅かに茶色を
帯びる。 (6) 栄養寒天培地: うす黄〔2db〕または明るい黄〔2fb〕〜
明るいオリーブ茶〔2ge〕の良好な生育上
に、明るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素はみとめられない。 (7) イーストエキス・麦芽エキス寒天培地
(ISP培地−2): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶
〔4ie〕の良好な生育上に、灰黄ピンク〔5dc〕
或いはややおくれて明るい灰〔d〕の気菌糸
を着生する。溶解性色素はみとめられない。 (8) オートミール寒天培地(ISP培地−3): 灰黄〔3ec〕〜明るいオレンジ黄〔3ea〕、
或いは明るい灰黄茶〔3ge〕の良好な生育上
に、明るい茶灰〔3fe〕〜明るい灰赤茶
〔5fe〕の気菌糸を着生し、菌集落の周辺の培
地は僅かに褐色を呈す。 (9) リンゴ酸石灰寒天培地: 暗色〜黄灰〔2dc〕の中等度の生育上に、
明るい灰〔d〕〜明るい灰赤茶〔5fe〕の気
菌糸を着生し、溶解性色素はみとめられな
い。生育菌集落の周辺にカルシウム塩の溶解
帯が見られる。 (10) ゲルコース・ペプトン・ゲラチン培地(20
℃培養) うす黄〔2db〕〜茶色の良好な生育上に白
色〔b〕〜灰黄ピンク〔5cb〕の気菌糸を着
生する。培養長期(約3週間以上)にわたる
と褐色の溶解性色素を生成した。 (3) 生理的性質 (1) 生育温度範囲 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地
(ISP培地−2)を用いて10°、20°、25°、30°、
34°、37°、40°、45°、50℃の各温度で実験の
結果、37℃では殆んど発育出来ない。40℃以
上では全く発育しない。その他の各温度では
生育がみとめられた。最適生育温度範囲は20
〜30℃と思われる。 (2) ゲラチンの液化:液化する。 (3) スターチの加水分解:分解する。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固はしな
いが、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成: ペプトン・イースト・鉄寒天培地(ISP培
地−5)及びトリプトン・イーストエキス・
ブロス培地(ISP培地−11)ではメラニン様
色素の生成は認められなかつた。チロシン寒
天培地で極く僅かに茶色を呈するも、メラニ
ンの生成は痕跡程度である。 (4) 各種炭素源の同化性(プリドハム・ゴトリ
ブ寒天培地使用) (1) L−アラビノース + (2) D−キシロース + (3) D−グルコース + (4) D−フラクトース + (5) シユークロース 疑わしい (6) イノシトール − (7) L−ラムノース + (8) ラフイノース − (9) D−マンニツト + +は同化する、−は同化しない。 以上の菌学的性質よりOA−6129菌株は
Streptomyces属に属する菌株であつて、気菌糸
の形状はセクシヨンRF(Section Recti‐
lexibiles)と考えられ、胞子表面平滑であつた。
気菌糸の色調は大多数の培地、即ちオートミール
寒天、グリセリン・アスパラギン寒天、スター
チ・無機塩寒天等の培地では明るい灰色〔d〕
で、灰色系(Gray series)の菌株である。しか
しシユークローズ・硝酸塩寒天、イーストエキ
ス・麦芽エキス寒天、及びグルコース・アスパラ
ギン寒天培地では培養時期に依つては灰黄ピンク
〔5dc〕の赤色系(Red series)を呈する事があ
る。また、基中菌糸の色は培養初期はいづれの培
地でもうす黄〜灰黄で、培養を続けると黄茶〜灰
黄茶或いは茶色の色調を示す様になる。メラニン
色素はペプトン・イーストエキス・鉄寒天培地中
及びトリプトン・イーストエキス・ブロス中にみ
とめられず、またその他の水溶性色素も多くの培
地で生成しなかつた。しかしチロシン寒天培地、
グルコース・ペプトン・ゲラチン培地及びオート
ミール寒天培地中に僅かに茶色の色素をみとめ
た。 本発明者等は本菌株をストレプトミセス・エス
ピーOA−6129−3N−504(Streptomyces sp.OA
−6129−3N−504)として、工業技術院微生物工
業技術研究所に、特許手続上の微生物の寄託に関
するブタペスト条約による国際寄託として昭和58
年8月5日に微工研条寄第334号(FERM BP−
334)として寄記した。 本菌株は前述のヨーロツパ特許出願公開明細書
や公開公報に記載され公知のストプトミセスエス
ピーOA−6129の変異処理により創製することが
できる。以下その変異処理法についてさらに詳し
く説明する。 すなわち、ストレプトミセス・エスピーOA−
6129を紫外線照射、放射線照射、化学変異誘起剤
処理等の通常の変異誘導方法によつて処理するこ
とにより、抗生物質OA−6129Cの生合成系が欠
失し、抗生物質OA−6129B2を選択的に生産しう
る菌株を取得することができる。ここでは、化学
変異誘起剤処理法のうち、N−メチル−N′−ニ
トロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用い
た処理によつて変異を行つた場合について以下さ
らに詳細に説明するが、他の変異誘導方法によつ
ても目的の変異菌株を得ることができる。 (1) 変異処理 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP
培地−2)上で28℃、2週間培養したストレプ
トミセス エスピーOA−6129の斜面培養1本
の表面からかきとつた胞子をPH7.5の0.01Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液9mlに懸濁し、ガラスフ
イルター(No.2)で過し、この液1mlに9
mlの前記リン酸バツフアーで希釈したのち、
NTGを最終濃度1000μg/mlになるように添
加し28℃で1時間保つ。このとき90%の殺胞子
効果があつた。NTG処理胞子液を2500×gで
20分間遠心分離し、胞子を0.85%生理食塩水に
懸濁し、適当に希釈して、その胞子懸濁希釈液
をISP培地−2上に塗布し、28℃で2ないし、
3週間培養を行いコロニーを形成させた。 (2) 変異菌株の単離法 上記の如くISP培地−2上に形成したコロニ
ーを捨い、ISP培地−2斜面培地上に移し28℃
で2週間培養を行つた。これらの各菌株の斜面
培地から1白金耳をSE−4種母培地〔牛肉エ
キス0.3%、バクトトリプトン0.5%、グルコー
ス0.1%、可溶性でんぷん2.4%、酵母エキス0.5
%、炭酸カルシウム0.4%、大豆粉(味の素(株)
製ミート特等)0.5%、PH7.0〕3mlを含む試験
管培地へ接種し、28℃で2日間振とう培養し
た。つぎにこの培養液0.5mlをG.M.培地(大豆
粉4.5%、グリセリン10%、K2HPO40.2%、
MgSO4・7H2O0.1%、CaCO30.3%、CoCl25r/
ml、PH7.0)10mlを含む250ml三角フラスコに接
種し、28℃でロータリーシエーカー上4日間培
養した。 この培養上澄みを5μシリカゲル60F254(メ
ルク社)にスポツトし、真空デシケーター中で
約10分間乾燥したのち、クロロホルム:メタノ
ール:M/100リン酸緩衝液(PH7.5)=8:
6:1の展開溶媒で展開後、冷風で溶媒を除去
したのちエールリツヒ試薬にひたし、105℃で
5分間加熱して発色させ、抗生物質OA−
6129Cのスポツトが消失し、抗生物質OA−
6129B2のスポツトを示した変異菌株を分離し
た。 これにより、当業者は本発明の目的に適合し
た微生物を容易に検索することができる。 本発明の方法によれば、抗生物質OA−6129B2
は、上記菌株ストレプトミセス エスピー
OA6129−3N−504の胞子または菌糸を栄養源含
有培地に接種して、好気的に増殖させることによ
つて生産させる。 その栄養源としては、放線菌の栄養源として通
常使用されるもの、例えば炭水化物、窒素源、無
機塩などの同化できる栄養源を使用できる。例え
ば、ぶどう糖、グリセリン、麦芽糖、蔗糖、糖
蜜、デキストリン、テンプンなどの炭水化物や、
大豆油、落花生油、ラードなどの油脂、脂肪類の
如き炭素源;ペプトン、肉エキス、大豆粉、綿実
粉、乾燥酵母、コーンスチープリカー、酵母エキ
ス、脱脂乳、カゼイン、硝酸ナトリウム、硝酸ア
ンモニウム、硫酸アンモニウムなどの窒素源:燐
酸二カリウム、食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機塩が使用でき、必要により微
量金属例えばコバルト、マンガンなどを添加する
ことができる。栄養源としては、その他、抗生物
質OA−6129B2の生産を阻害しないものであれ
ば、いずれの栄養源でも使用でき、公知の放線菌
の培養材料はいずれも使用できる。また、加熱殺
菌時及び培養中における発泡を抑えるため、シリ
コン、植物油などの消泡剤を添加することもでき
る。 上記の如き栄養源の配合割合は特に制約される
ものではなく、広範囲に亘つて変えることがで
き、使用する前記菌株にとつて好適な栄養源の組
成及び配合割合は、当業者であれば簡単な小規模
実験により容易に決定することができる。 また、栄養培地は培養に先立ち殺菌することが
でき、この殺菌の前又は後で、培地のPHを4〜9
の範囲、特にPH6〜8の範囲に調節するのが有利
である。 かかる栄養培地でのストレプトミセスエスピー
OA−6129−3N−504の培養は原則的には、一般
の放線菌による抗生物質の製造において通常使用
されている方法に準じて行なうことができる。通
常好気的条件下に培養するのが好適であり、通常
撹拌しながら及び/又は通気しながら行なうこと
ができる。また、培養方法としては静置培養、振
盪培養、通気撹拌をともなう液内培養のいずれも
使用可能であるが、液内培養で有利である。 使用しうる培養温度は菌株OA−6129−3N−
504の発育が実質的に阻害されず抗生物質OA−
6129B2を生産し得る範囲であれば特に制限され
るものではないが、一般に20〜40℃好ましくは25
〜35℃の範囲内の温度が好適である。 また、培養を好適に行なうため、必要に応じ
て、培養中に培養物のPHを4〜9、特に6〜8の
範囲に調節することができる。 大規模な大量培養の場合、適宜種母培養を行な
い、これを栄養培地に接種し、液体培養するのが
有利である。 培養は通常抗生物質OA−6129B2が充分に蓄積
するまで継続することができる。その培養時間
は、培地の組成や培養温度、使用生産株等により
異なるが、通常30〜90時間の範囲である。 培養中の抗生物質OA−6129B2の蓄積量は前述
のシリカゲルを用いる薄層クロマトグラフイーに
より定量することができ、それにより最適蓄積量
を容易に知ることができる。 かくして、培養物中に蓄積された抗生物質OA
−6129B2は水溶性であり、主として菌体外に存
在するので、有利には、培養後、過、遠心分
離、抽出などのそれ自体公知の分離法によつて菌
体を除去し、その液、上澄液、抽出液などより
回収される。 回収はそれ自体公知の種々の方法で行なうこと
ができ、特にカルボン酸型抗生物質の回収のため
に屡々利用される方法が有利に適用される。例え
ば、低PHにおける酢酸エチル、n−ブタノール等
での溶媒抽出及びその溶媒層から高PH水層への転
溶;活性炭、アンバーライトXAD(ローム・アン
ド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化
成社製)等による吸着と、メタノール水、アセト
ン水等による溶出;ダウエツクス1×2(ダウケ
ミカル社製)、QAE−セフアデツクスA−25(フ
アルマシア社製)、DEAE−セルローズワツトマ
ンDE−32(ワツトマン社製)、DEAE−セフアデ
ツクスA−25(フアルマシア社製)等のイオン交
換樹脂による吸着及び溶出;セフアデツクスG−
10(フアルマシア社製)、バイオ・ゲルP−2(バ
イオ・ラツド社製)、等によるゲル過;セルロ
ーズ、アビセルSF(アメリカン・ビスコース社
製)等のカラムクロマトグラフイー;アセトン等
の溶剤添加による強制沈殿法;凍結乾燥法、等を
それぞれ単独で或いは適宜組合せて、さらに場合
によつては反復して使用される。 回収精製工程中の抗生物質OA−6129B2の挙動
もまた、前述の薄層クロマトグラフイーにより定
量測定することができ、かくして、抗生物質OA
−6129B2が得られる。 本発明の方法によれば、培養条件によつて、培
養物中に抗生物質OA−6129Aが少量生産される
こともあるが、抗生物質OA−6129B1やOA−
6129Cは実際上生産されることがなく、抗生物質
OA−6129B2が選択的に生産される。 本抗生物質OA−6129B2は、一般に遊離形のも
のよりも塩の形の方がより安定であるから、後述
する医薬用途に使用したり、さらに誘導体に転換
する場合の中間体として使用したり、或いは前記
した精製工程に付する場合等においては、塩の形
で処理することが好適である。 抗生物質OA−6129B2のその塩形への転化はそ
れ自知の方法に従い、該抗生物質OA−6129B2を
無機又は有機の塩基で処理することにより行なう
ことができる。この造塩反応に使用し得る無機又
は有機の塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの如きアル
カリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウムの如きアルカリ土類金属の水酸化
物;モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ベンザチン、プロカインの如き第一
級、第二級又は第三級の有機アミン等が挙げられ
る。 本発明の方法により製造される抗生物質OA−
6129B2は、前述のヨーロツパ特許出願公開明細
書に記載されているように広範囲の抗菌活性を有
しており抗菌剤としての用途が考えられると共
に、さらに有用な抗生物質に誘導体に導くための
合成中間体としての用途も考えられる。 次に実施例により本発明をさらに説明する。な
お、以下の実施例において用いる抗菌活性物質の
定量分析は、それ自体公知の抗生物質を指標とし
て、前述の薄層クロマトグラフイーにより行つ
た。 実施例 〔A〕 500ml容エルレンマイヤー・フラスコに
100mlの下記組成の種母培地(SE−4)を入
れ、常法により、121℃で15分間殺菌した。一
方、ストレプトミセス・エスピーOA−6129
(Streptomyces sp.OA−6129)(FERM BP−
11)から得られた変異株3N−504株(FERM
BP−334)を胞子を充分着生させ、この1白金
耳を上記種母培地に接種し、28℃で48時間ロー
タリーシエーカー(200rpm、振幅7cm)で振
とう培養した。この種母培地100mlを、下記組
成の生産培地(GM−3)5.0を入れた10
容ジヤー・フアーメンターに接種し、溶存酸素
計で培養液中の溶存酸素濃度(%飽和)が10%
以下とならぬように回転数を制御して、通気量
5/min、温度28℃で90時間通気撹拌培養し
た。消泡剤としてシリコンKM−75〔信越化学
(株)製〕を0.1%使用した。経時的に培養液をサ
ンプリングし、遠心分離した上澄液について抗
生物質OA−6129化合物の定量を前述の薄層ク
ロマトグラフイーを使つておこなつた。各培養
時間における分析結果を下記の表に示す。
法に関し、さらに詳しくは発酵法による下記式 で示される抗生物質OA−6129B2の選択的製造方
法に関する。 本発明者らは先に下記式 式中、Rは水素原子、−OH又は−OSO3Hを表
わす、 で示される一連の新規な抗生物質がストレプトミ
セス・エスピーOA−6129(微工研条寄第11号)
の発酵により生産されることを見い出し、それぞ
れ抗生物質OA−6129A(R=H)、OA−6129B1
(R=OH、5、6−cis体)、OA−6129B2(R=
OH、5、6−trans体)及びOA−6129C(R=
OSO3H)と命名し提案した(ヨーロツパ特許出
願公開明細書第48999A1号、特開昭57−62280号
公報、特開昭57−70890号公報及び特開昭57−
95987号公報参照)。 上記生産菌株は抗生物質OA−6129A、OA−
6129B1及びOA−6129B2も生産するが、抗生物質
OA−6129Cを多く生産する傾向がある。しかし、
上記式()の化合物をさらに有用な他の抗生物
質に誘導する場合には、R=OSO3Hである場合
の式()の化合物、即ち抗生物質OA−6129C
よりも、むしろR=OHである場合の式()の
化合物、即ち抗生物質OA−6129B1又はOA−
6129B2の方が利用範囲が大きいと思われる。 そこで本発明者らは、抗生物質OA−6129B1及
び/又はOA−6129B2を選択的に生産する能力の
ある菌株を求めて鋭意研究を行なつた結果、上記
ストレプトミセス・エスピーOA−6129
(Soreptomyces sp.OA−6129)を変異処理して
得られるストレプトミセスエスピーOA−6129−
3N−504(Streptomyces sp.OA−6129−3N−
504)が、前記式()で示される抗生物質OA
−6129B2を選択的に生産することを見い出し本
発明を完成するに至つた。 しかして、本発明によれば、ストレプトミセ
ス・エスピーOA−6129−3N−504を栄養培地で
培養し、その培養物から下記式 で示される抗生物質OA−6129B2を採取すること
を特徴とする抗生物質OA−6129B2の製造方法が
提供される。 本発明の方法において使用される菌株、ストレ
プトミセス・エスピーOA−6129−3N−504は、
従来の文献に未載の新規な菌株であり、その菌学
的性質を示せば次のとおりである。 (1) 形態 顕微鏡下でよく分枝した基中菌糸より、直状
〜曲状(Straight〜flexuous)の気菌糸を伸長
し、輪生枝はみとめられない。成熟した胞子鎖
は10個以上の楕円〜円筒形をした胞子から成
り、胞子のうは認められない。胞子の大きさは
0.6〜1.0×0.7〜2.5ミクロン位で、胞子の表面
は平滑である。鞭毛胞子はみとめられない。 (2) 各種培地における生育状態 培養は特記しないかぎり28°〜30℃で行つた。
また色調の記載は主としてエツチ・デイ・トレ
スナーとイー・ジエー・バカス(H.D.Tresner
and E.J.Backus)著、ジヤーナル・オブ・ア
プライド・ミクロビオロジイー(Journal of
Applied Microbiology)11巻、4号、(1963
年)335〜338頁の方法に従い、〔 〕内に示す
符号〔CHMコード(code)〕はコンテイナ
ー・コーポレーシヨン・オブ・アメリカのカラ
ー・ハーモニー・マニユアル(Container
Corporation of AmericaのColor Harmony
Manual)を用いた。 (1) シユークロース・硝酸塩寒天培地: 黄灰〔2dc〕〜明るい灰黄茶〔3ge〕の中
等度生育上に、黄灰〔2dc〕〜灰黄ピンク
〔5dc〕の気菌糸を着生し、溶解性色素はみ
とめられない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地: うす黄〔2db〕明るいオリーブ茶〔2ge〕
の良好な生育上に、明るい灰〔d〕の気菌糸
を着生する。尚この気菌糸はおくれて灰黄ピ
ンク〔5dc〕となる。溶解性色素はみとめら
れない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
培地−5): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶
〔4ie〕の良好な生育上に、明るい灰〔d〕〜
明るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生する。
溶解性色素はみとめられない。 (4) スターチ無機塩寒天培地(ISP培地−
4): うす黄〔2db〕〜灰色〔2fe〕の良好な生育
上に明るい灰〔d〕の気菌糸を着生する。溶
解性色素は生成しない。 (5) チロシン寒天培地(ISP培地−7): 灰黄〔3ec〕〜明るい茶〔4ie〕の生育上
に、明るい灰〔d〕〜明るい茶灰〔3fe〕の
気菌糸を着生する。培地は極く僅かに茶色を
帯びる。 (6) 栄養寒天培地: うす黄〔2db〕または明るい黄〔2fb〕〜
明るいオリーブ茶〔2ge〕の良好な生育上
に、明るい灰赤茶〔5fe〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素はみとめられない。 (7) イーストエキス・麦芽エキス寒天培地
(ISP培地−2): 穏やかな黄ピンク〔4gc〕〜明るい茶
〔4ie〕の良好な生育上に、灰黄ピンク〔5dc〕
或いはややおくれて明るい灰〔d〕の気菌糸
を着生する。溶解性色素はみとめられない。 (8) オートミール寒天培地(ISP培地−3): 灰黄〔3ec〕〜明るいオレンジ黄〔3ea〕、
或いは明るい灰黄茶〔3ge〕の良好な生育上
に、明るい茶灰〔3fe〕〜明るい灰赤茶
〔5fe〕の気菌糸を着生し、菌集落の周辺の培
地は僅かに褐色を呈す。 (9) リンゴ酸石灰寒天培地: 暗色〜黄灰〔2dc〕の中等度の生育上に、
明るい灰〔d〕〜明るい灰赤茶〔5fe〕の気
菌糸を着生し、溶解性色素はみとめられな
い。生育菌集落の周辺にカルシウム塩の溶解
帯が見られる。 (10) ゲルコース・ペプトン・ゲラチン培地(20
℃培養) うす黄〔2db〕〜茶色の良好な生育上に白
色〔b〕〜灰黄ピンク〔5cb〕の気菌糸を着
生する。培養長期(約3週間以上)にわたる
と褐色の溶解性色素を生成した。 (3) 生理的性質 (1) 生育温度範囲 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地
(ISP培地−2)を用いて10°、20°、25°、30°、
34°、37°、40°、45°、50℃の各温度で実験の
結果、37℃では殆んど発育出来ない。40℃以
上では全く発育しない。その他の各温度では
生育がみとめられた。最適生育温度範囲は20
〜30℃と思われる。 (2) ゲラチンの液化:液化する。 (3) スターチの加水分解:分解する。 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固はしな
いが、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成: ペプトン・イースト・鉄寒天培地(ISP培
地−5)及びトリプトン・イーストエキス・
ブロス培地(ISP培地−11)ではメラニン様
色素の生成は認められなかつた。チロシン寒
天培地で極く僅かに茶色を呈するも、メラニ
ンの生成は痕跡程度である。 (4) 各種炭素源の同化性(プリドハム・ゴトリ
ブ寒天培地使用) (1) L−アラビノース + (2) D−キシロース + (3) D−グルコース + (4) D−フラクトース + (5) シユークロース 疑わしい (6) イノシトール − (7) L−ラムノース + (8) ラフイノース − (9) D−マンニツト + +は同化する、−は同化しない。 以上の菌学的性質よりOA−6129菌株は
Streptomyces属に属する菌株であつて、気菌糸
の形状はセクシヨンRF(Section Recti‐
lexibiles)と考えられ、胞子表面平滑であつた。
気菌糸の色調は大多数の培地、即ちオートミール
寒天、グリセリン・アスパラギン寒天、スター
チ・無機塩寒天等の培地では明るい灰色〔d〕
で、灰色系(Gray series)の菌株である。しか
しシユークローズ・硝酸塩寒天、イーストエキ
ス・麦芽エキス寒天、及びグルコース・アスパラ
ギン寒天培地では培養時期に依つては灰黄ピンク
〔5dc〕の赤色系(Red series)を呈する事があ
る。また、基中菌糸の色は培養初期はいづれの培
地でもうす黄〜灰黄で、培養を続けると黄茶〜灰
黄茶或いは茶色の色調を示す様になる。メラニン
色素はペプトン・イーストエキス・鉄寒天培地中
及びトリプトン・イーストエキス・ブロス中にみ
とめられず、またその他の水溶性色素も多くの培
地で生成しなかつた。しかしチロシン寒天培地、
グルコース・ペプトン・ゲラチン培地及びオート
ミール寒天培地中に僅かに茶色の色素をみとめ
た。 本発明者等は本菌株をストレプトミセス・エス
ピーOA−6129−3N−504(Streptomyces sp.OA
−6129−3N−504)として、工業技術院微生物工
業技術研究所に、特許手続上の微生物の寄託に関
するブタペスト条約による国際寄託として昭和58
年8月5日に微工研条寄第334号(FERM BP−
334)として寄記した。 本菌株は前述のヨーロツパ特許出願公開明細書
や公開公報に記載され公知のストプトミセスエス
ピーOA−6129の変異処理により創製することが
できる。以下その変異処理法についてさらに詳し
く説明する。 すなわち、ストレプトミセス・エスピーOA−
6129を紫外線照射、放射線照射、化学変異誘起剤
処理等の通常の変異誘導方法によつて処理するこ
とにより、抗生物質OA−6129Cの生合成系が欠
失し、抗生物質OA−6129B2を選択的に生産しう
る菌株を取得することができる。ここでは、化学
変異誘起剤処理法のうち、N−メチル−N′−ニ
トロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用い
た処理によつて変異を行つた場合について以下さ
らに詳細に説明するが、他の変異誘導方法によつ
ても目的の変異菌株を得ることができる。 (1) 変異処理 イーストエキス・麦芽エキス寒天培地(ISP
培地−2)上で28℃、2週間培養したストレプ
トミセス エスピーOA−6129の斜面培養1本
の表面からかきとつた胞子をPH7.5の0.01Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液9mlに懸濁し、ガラスフ
イルター(No.2)で過し、この液1mlに9
mlの前記リン酸バツフアーで希釈したのち、
NTGを最終濃度1000μg/mlになるように添
加し28℃で1時間保つ。このとき90%の殺胞子
効果があつた。NTG処理胞子液を2500×gで
20分間遠心分離し、胞子を0.85%生理食塩水に
懸濁し、適当に希釈して、その胞子懸濁希釈液
をISP培地−2上に塗布し、28℃で2ないし、
3週間培養を行いコロニーを形成させた。 (2) 変異菌株の単離法 上記の如くISP培地−2上に形成したコロニ
ーを捨い、ISP培地−2斜面培地上に移し28℃
で2週間培養を行つた。これらの各菌株の斜面
培地から1白金耳をSE−4種母培地〔牛肉エ
キス0.3%、バクトトリプトン0.5%、グルコー
ス0.1%、可溶性でんぷん2.4%、酵母エキス0.5
%、炭酸カルシウム0.4%、大豆粉(味の素(株)
製ミート特等)0.5%、PH7.0〕3mlを含む試験
管培地へ接種し、28℃で2日間振とう培養し
た。つぎにこの培養液0.5mlをG.M.培地(大豆
粉4.5%、グリセリン10%、K2HPO40.2%、
MgSO4・7H2O0.1%、CaCO30.3%、CoCl25r/
ml、PH7.0)10mlを含む250ml三角フラスコに接
種し、28℃でロータリーシエーカー上4日間培
養した。 この培養上澄みを5μシリカゲル60F254(メ
ルク社)にスポツトし、真空デシケーター中で
約10分間乾燥したのち、クロロホルム:メタノ
ール:M/100リン酸緩衝液(PH7.5)=8:
6:1の展開溶媒で展開後、冷風で溶媒を除去
したのちエールリツヒ試薬にひたし、105℃で
5分間加熱して発色させ、抗生物質OA−
6129Cのスポツトが消失し、抗生物質OA−
6129B2のスポツトを示した変異菌株を分離し
た。 これにより、当業者は本発明の目的に適合し
た微生物を容易に検索することができる。 本発明の方法によれば、抗生物質OA−6129B2
は、上記菌株ストレプトミセス エスピー
OA6129−3N−504の胞子または菌糸を栄養源含
有培地に接種して、好気的に増殖させることによ
つて生産させる。 その栄養源としては、放線菌の栄養源として通
常使用されるもの、例えば炭水化物、窒素源、無
機塩などの同化できる栄養源を使用できる。例え
ば、ぶどう糖、グリセリン、麦芽糖、蔗糖、糖
蜜、デキストリン、テンプンなどの炭水化物や、
大豆油、落花生油、ラードなどの油脂、脂肪類の
如き炭素源;ペプトン、肉エキス、大豆粉、綿実
粉、乾燥酵母、コーンスチープリカー、酵母エキ
ス、脱脂乳、カゼイン、硝酸ナトリウム、硝酸ア
ンモニウム、硫酸アンモニウムなどの窒素源:燐
酸二カリウム、食塩、炭酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウムなどの無機塩が使用でき、必要により微
量金属例えばコバルト、マンガンなどを添加する
ことができる。栄養源としては、その他、抗生物
質OA−6129B2の生産を阻害しないものであれ
ば、いずれの栄養源でも使用でき、公知の放線菌
の培養材料はいずれも使用できる。また、加熱殺
菌時及び培養中における発泡を抑えるため、シリ
コン、植物油などの消泡剤を添加することもでき
る。 上記の如き栄養源の配合割合は特に制約される
ものではなく、広範囲に亘つて変えることがで
き、使用する前記菌株にとつて好適な栄養源の組
成及び配合割合は、当業者であれば簡単な小規模
実験により容易に決定することができる。 また、栄養培地は培養に先立ち殺菌することが
でき、この殺菌の前又は後で、培地のPHを4〜9
の範囲、特にPH6〜8の範囲に調節するのが有利
である。 かかる栄養培地でのストレプトミセスエスピー
OA−6129−3N−504の培養は原則的には、一般
の放線菌による抗生物質の製造において通常使用
されている方法に準じて行なうことができる。通
常好気的条件下に培養するのが好適であり、通常
撹拌しながら及び/又は通気しながら行なうこと
ができる。また、培養方法としては静置培養、振
盪培養、通気撹拌をともなう液内培養のいずれも
使用可能であるが、液内培養で有利である。 使用しうる培養温度は菌株OA−6129−3N−
504の発育が実質的に阻害されず抗生物質OA−
6129B2を生産し得る範囲であれば特に制限され
るものではないが、一般に20〜40℃好ましくは25
〜35℃の範囲内の温度が好適である。 また、培養を好適に行なうため、必要に応じ
て、培養中に培養物のPHを4〜9、特に6〜8の
範囲に調節することができる。 大規模な大量培養の場合、適宜種母培養を行な
い、これを栄養培地に接種し、液体培養するのが
有利である。 培養は通常抗生物質OA−6129B2が充分に蓄積
するまで継続することができる。その培養時間
は、培地の組成や培養温度、使用生産株等により
異なるが、通常30〜90時間の範囲である。 培養中の抗生物質OA−6129B2の蓄積量は前述
のシリカゲルを用いる薄層クロマトグラフイーに
より定量することができ、それにより最適蓄積量
を容易に知ることができる。 かくして、培養物中に蓄積された抗生物質OA
−6129B2は水溶性であり、主として菌体外に存
在するので、有利には、培養後、過、遠心分
離、抽出などのそれ自体公知の分離法によつて菌
体を除去し、その液、上澄液、抽出液などより
回収される。 回収はそれ自体公知の種々の方法で行なうこと
ができ、特にカルボン酸型抗生物質の回収のため
に屡々利用される方法が有利に適用される。例え
ば、低PHにおける酢酸エチル、n−ブタノール等
での溶媒抽出及びその溶媒層から高PH水層への転
溶;活性炭、アンバーライトXAD(ローム・アン
ド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化
成社製)等による吸着と、メタノール水、アセト
ン水等による溶出;ダウエツクス1×2(ダウケ
ミカル社製)、QAE−セフアデツクスA−25(フ
アルマシア社製)、DEAE−セルローズワツトマ
ンDE−32(ワツトマン社製)、DEAE−セフアデ
ツクスA−25(フアルマシア社製)等のイオン交
換樹脂による吸着及び溶出;セフアデツクスG−
10(フアルマシア社製)、バイオ・ゲルP−2(バ
イオ・ラツド社製)、等によるゲル過;セルロ
ーズ、アビセルSF(アメリカン・ビスコース社
製)等のカラムクロマトグラフイー;アセトン等
の溶剤添加による強制沈殿法;凍結乾燥法、等を
それぞれ単独で或いは適宜組合せて、さらに場合
によつては反復して使用される。 回収精製工程中の抗生物質OA−6129B2の挙動
もまた、前述の薄層クロマトグラフイーにより定
量測定することができ、かくして、抗生物質OA
−6129B2が得られる。 本発明の方法によれば、培養条件によつて、培
養物中に抗生物質OA−6129Aが少量生産される
こともあるが、抗生物質OA−6129B1やOA−
6129Cは実際上生産されることがなく、抗生物質
OA−6129B2が選択的に生産される。 本抗生物質OA−6129B2は、一般に遊離形のも
のよりも塩の形の方がより安定であるから、後述
する医薬用途に使用したり、さらに誘導体に転換
する場合の中間体として使用したり、或いは前記
した精製工程に付する場合等においては、塩の形
で処理することが好適である。 抗生物質OA−6129B2のその塩形への転化はそ
れ自知の方法に従い、該抗生物質OA−6129B2を
無機又は有機の塩基で処理することにより行なう
ことができる。この造塩反応に使用し得る無機又
は有機の塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの如きアル
カリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウムの如きアルカリ土類金属の水酸化
物;モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ベンザチン、プロカインの如き第一
級、第二級又は第三級の有機アミン等が挙げられ
る。 本発明の方法により製造される抗生物質OA−
6129B2は、前述のヨーロツパ特許出願公開明細
書に記載されているように広範囲の抗菌活性を有
しており抗菌剤としての用途が考えられると共
に、さらに有用な抗生物質に誘導体に導くための
合成中間体としての用途も考えられる。 次に実施例により本発明をさらに説明する。な
お、以下の実施例において用いる抗菌活性物質の
定量分析は、それ自体公知の抗生物質を指標とし
て、前述の薄層クロマトグラフイーにより行つ
た。 実施例 〔A〕 500ml容エルレンマイヤー・フラスコに
100mlの下記組成の種母培地(SE−4)を入
れ、常法により、121℃で15分間殺菌した。一
方、ストレプトミセス・エスピーOA−6129
(Streptomyces sp.OA−6129)(FERM BP−
11)から得られた変異株3N−504株(FERM
BP−334)を胞子を充分着生させ、この1白金
耳を上記種母培地に接種し、28℃で48時間ロー
タリーシエーカー(200rpm、振幅7cm)で振
とう培養した。この種母培地100mlを、下記組
成の生産培地(GM−3)5.0を入れた10
容ジヤー・フアーメンターに接種し、溶存酸素
計で培養液中の溶存酸素濃度(%飽和)が10%
以下とならぬように回転数を制御して、通気量
5/min、温度28℃で90時間通気撹拌培養し
た。消泡剤としてシリコンKM−75〔信越化学
(株)製〕を0.1%使用した。経時的に培養液をサ
ンプリングし、遠心分離した上澄液について抗
生物質OA−6129化合物の定量を前述の薄層ク
ロマトグラフイーを使つておこなつた。各培養
時間における分析結果を下記の表に示す。
【表】
種母培地(SE−4)の組成:
(w/v)
グルコース 0.1%
可溶性澱粉 2.4%
牛肉エキス 0.3%
ミート 0.5%
バクトトリプトン 0.5%
CaCO3 0.2%
水道水
生産培地(GM−3)の組成:
グリセリン 8.0%
大豆粉 3.0%
台湾酵母 1.0%
MgSO4 0.2%
K2HPO4 0.2%
CaCO3 0.3%
CoCl2 5μg/ml
〔B〕 上記〔A〕で得られた90時間培養後の発
酵液4.5に水道水を加えて6.0とし、トプコ
パーライトNo.34(東興パーライト(株)製)を添加
したのち、ヌツチエで固型物を分離し、4.0
の液()を得た。次いで固型物を再び水道
水に溶かして4.0とし、ヌツチエで過をし
て2.0の液()を得た。液()と
()をあわせ、ダイヤイオンHP20レジンを
400ml充てんしたガラスカラム(40mm×320mm)
に通液速度400ml/hrの速度で吸着させた。400
mlの蒸留水でカラムを水洗したのち、5%
(v/v)、10%(v/v)及び15%(v/v)
のアセトン水で段階的にアセトン濃度をあげな
がら溶出した。1区分を15mlとし、その溶出液
を分画し、薄層クロマトグラフイー法で分析し
てOA−6129B2を主とする画分33〜画分57の区
分を集め430mlを得た。OA−6129B2と共に少
量生産されたOA−6129Aは画分59から画分66
に含有されていた。 次に前記OA−6129B2画分を予め0.01Mのリ
ン酸緩衝液(PH8.0)で平衡化したダイヤイオ
ンPA306Sを充填したカラム(17.5mm×250mm)
に吸着させ、100mlの蒸留水で充分水洗したの
ち、食塩濃度が0から4%まで直線的に変化す
る食塩水合計1.0で溶出した。1区分を5ml
として分画した。各画分を薄層クロマトグラフ
イー法で分析し、OA−6129B2を含有する画分
33から画分55までを集め130mlを得た。この画
分を0.01Mリン酸緩衝液(PH8.0)で予め平衡
化したダイヤイオンPH20カラム(15.0mm×430
mm)に吸着させ、この溶出液をアセトン濃度が
0から20%まで直線的に変化するアセトン水合
計600mlで溶出した。1区分を5mlとして、そ
の溶出液を分画した。各分画を薄層クロマトグ
ラフイー法で分析し、OA−6129B2を含有する
画分41から画分61までの画分を集め200mlを得
た。これを常法に従つて凍結乾燥し、180mgの
淡黄色粉末を得た。この粉末の純度は薄層クロ
マトグラフイー法で51%であつた。 〔C〕 前記〔B〕で得た凍結乾燥品のうち150
mgを約10mlの蒸留水にとかしたのち、予め、
0.01Mリン酸緩衝液で平衡化したQAEセフア
デツクスA25レジンカラム(10mm×900mm)に
吸着させた。蒸留水約100mlで水洗したのち、
食塩濃度が0から2%まで直線的に変化する食
塩水合計600mlで溶出した。1区分を5mlづつ
分画し、その溶出液を分画した。各画分を薄層
クロマトグラフイー法で分析することにより、
画分37から画分47までのOA−6129B2画分100
mlを得た。このOA−6129B2画分を予め0.01M
リン酸緩衝液(PH8.0)で平衡化したダイヤイ
オンCHP20カラム(10mm×90mm)に吸着させ、
カラムを少量の蒸留水で洗つたのち、アセトン
濃度が0から10%まで直線的に変化するアセト
ン水、合計800mlで溶出した。1区分を5mlづ
つ分画し、その溶出液を分画した。各画分を薄
層クロマトグラフイー法で分析し、エーリツヒ
試薬で発包する画分89〜画分119あわせて180ml
を得た。これを凍結乾燥し、39mgの淡黄色粉末
を得た。この粉末は、バイオオートグラフイー
及び下記のNMR、UV、IRの測定値より、抗
生物質OA−6129B2であることを確認した。な
お、UVの吸光度から求めたこの物質の純度は
約98%であつた。 NMRスペクトル(溶媒:D2O、内部標準
DSS) 〓ppm: 0.87(3H、s、
酵液4.5に水道水を加えて6.0とし、トプコ
パーライトNo.34(東興パーライト(株)製)を添加
したのち、ヌツチエで固型物を分離し、4.0
の液()を得た。次いで固型物を再び水道
水に溶かして4.0とし、ヌツチエで過をし
て2.0の液()を得た。液()と
()をあわせ、ダイヤイオンHP20レジンを
400ml充てんしたガラスカラム(40mm×320mm)
に通液速度400ml/hrの速度で吸着させた。400
mlの蒸留水でカラムを水洗したのち、5%
(v/v)、10%(v/v)及び15%(v/v)
のアセトン水で段階的にアセトン濃度をあげな
がら溶出した。1区分を15mlとし、その溶出液
を分画し、薄層クロマトグラフイー法で分析し
てOA−6129B2を主とする画分33〜画分57の区
分を集め430mlを得た。OA−6129B2と共に少
量生産されたOA−6129Aは画分59から画分66
に含有されていた。 次に前記OA−6129B2画分を予め0.01Mのリ
ン酸緩衝液(PH8.0)で平衡化したダイヤイオ
ンPA306Sを充填したカラム(17.5mm×250mm)
に吸着させ、100mlの蒸留水で充分水洗したの
ち、食塩濃度が0から4%まで直線的に変化す
る食塩水合計1.0で溶出した。1区分を5ml
として分画した。各画分を薄層クロマトグラフ
イー法で分析し、OA−6129B2を含有する画分
33から画分55までを集め130mlを得た。この画
分を0.01Mリン酸緩衝液(PH8.0)で予め平衡
化したダイヤイオンPH20カラム(15.0mm×430
mm)に吸着させ、この溶出液をアセトン濃度が
0から20%まで直線的に変化するアセトン水合
計600mlで溶出した。1区分を5mlとして、そ
の溶出液を分画した。各分画を薄層クロマトグ
ラフイー法で分析し、OA−6129B2を含有する
画分41から画分61までの画分を集め200mlを得
た。これを常法に従つて凍結乾燥し、180mgの
淡黄色粉末を得た。この粉末の純度は薄層クロ
マトグラフイー法で51%であつた。 〔C〕 前記〔B〕で得た凍結乾燥品のうち150
mgを約10mlの蒸留水にとかしたのち、予め、
0.01Mリン酸緩衝液で平衡化したQAEセフア
デツクスA25レジンカラム(10mm×900mm)に
吸着させた。蒸留水約100mlで水洗したのち、
食塩濃度が0から2%まで直線的に変化する食
塩水合計600mlで溶出した。1区分を5mlづつ
分画し、その溶出液を分画した。各画分を薄層
クロマトグラフイー法で分析することにより、
画分37から画分47までのOA−6129B2画分100
mlを得た。このOA−6129B2画分を予め0.01M
リン酸緩衝液(PH8.0)で平衡化したダイヤイ
オンCHP20カラム(10mm×90mm)に吸着させ、
カラムを少量の蒸留水で洗つたのち、アセトン
濃度が0から10%まで直線的に変化するアセト
ン水、合計800mlで溶出した。1区分を5mlづ
つ分画し、その溶出液を分画した。各画分を薄
層クロマトグラフイー法で分析し、エーリツヒ
試薬で発包する画分89〜画分119あわせて180ml
を得た。これを凍結乾燥し、39mgの淡黄色粉末
を得た。この粉末は、バイオオートグラフイー
及び下記のNMR、UV、IRの測定値より、抗
生物質OA−6129B2であることを確認した。な
お、UVの吸光度から求めたこの物質の純度は
約98%であつた。 NMRスペクトル(溶媒:D2O、内部標準
DSS) 〓ppm: 0.87(3H、s、
【式】)、
0.92(3H、s、
【式】)、
1.28(3H、d、J=7.0Hz、
【式】)、
2.45(2H、t、J=6.5Hz、NH−CH2−CH2−
CO)、 2.75−3.60(11H、m、C−4H2、4−6H、 S−CH2−CH2−NH、NH−CH2−CH2−
CO、
CO)、 2.75−3.60(11H、m、C−4H2、4−6H、 S−CH2−CH2−NH、NH−CH2−CH2−
CO、
【式】)、
3.94(1H、s、
【式】)、
3.95−4.35(2H、m、C−5H、
【式】)。
UV吸収スペクトル
0.01Mリン酸緩衝液(PH8.4)
max
nm(ε)=300(5400)
IR吸収スペクトルνKBy naxcm-1
1760(β−ラクタム)
1660(アミド)
1600(ガルボキシレート)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ストレプトミセス・エスピ−OA−6129−3N
−504を栄養培地で培養し、その培養物から下記
式 で示される抗生物質OA−6129B2を採取すること
を特徴とする抗生物質OA−6129B2の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58150391A JPS6043394A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 抗生物質oa−6129b↓2の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58150391A JPS6043394A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 抗生物質oa−6129b↓2の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6043394A JPS6043394A (ja) | 1985-03-07 |
| JPH0327200B2 true JPH0327200B2 (ja) | 1991-04-15 |
Family
ID=15495963
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58150391A Granted JPS6043394A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 抗生物質oa−6129b↓2の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6043394A (ja) |
-
1983
- 1983-08-19 JP JP58150391A patent/JPS6043394A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6043394A (ja) | 1985-03-07 |
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