JPH0357179B2 - - Google Patents
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- JPH0357179B2 JPH0357179B2 JP16188283A JP16188283A JPH0357179B2 JP H0357179 B2 JPH0357179 B2 JP H0357179B2 JP 16188283 A JP16188283 A JP 16188283A JP 16188283 A JP16188283 A JP 16188283A JP H0357179 B2 JPH0357179 B2 JP H0357179B2
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は、イージーオープン缶用材料として優
れた開缶性を有する鋼板とその製造方法に関す
る。 最近、ビール缶、炭酸飲料缶、果汁飲料缶、ド
ライパツク缶の蓋を、缶切りや栓抜き等の道具を
使用せずに開けることができるイージーオープン
缶が一般に使用されている。 イージーオープン缶用材料としては、耐食性の
点で問題となる内容物用の場合を除き、その開け
易さのために主としてアルミニウム合金が用いら
れている。 しかし、内容物に食塩を含むか或いは電解質の
内容物の場合には、アルミニウム合金の一部使用
にあつては、ガルバニツク電池を形成し(アルミ
ニウム素地の露出部が陽極、ブリキ缶胴のピンホ
ール部が陰極)、電気化学的腐食が促進され、短
時間のうちにアルミエンドの穴あきの発生に至
る。 このような問題を防止する方法として次の〜
等の方法が考えられる。 塩分を含む内容物或いは電解質の内容物に対
しては、ブリキ缶とアルミエンドの組み合わせ
使用を避ける。 上記のような内容物の場合には、全面アル
ミニウム缶とする。 上記のような内容物の場合であつても、ブ
リキ缶胴又はアルミエンドのいずれか一方に完
全なる塗装被膜を施し、ガルバニツク電池の形
成を防ぐ。 しかし乍ら、の方法はアルミニウムが高価で
あり、またの方法はアルミニウム素地のリベツ
ト部及びスコア部での露出を完全に防ぐことが困
難である等の欠点がある。 そのため、ブリキをイージーオープン用素材と
して使用する努力が続けられているのが現状であ
るが、ブリキは、アルミニウム合金に比らべ、一
般に抗張力が高く、開缶性が悪いとされている。
そこで、開缶性に優れたイージーオープン用鋼板
の製造を目的とする技術が幾つか提案されてはい
る。 例えば、特公昭51−5333号に開示された技術が
ある。これは、同公報の実施例によると、箱焼鈍
又はオープン焼鈍を施したC:0.005〜0.016%、
酸素:0.014〜0.026%、Si:0.03%以下、Mn:
0.25〜0.33%で、残部がFeの他は不可避的に含ま
れる不純物のみからなる鋼、若しくは更に圧下率
3〜15%のスキンパス圧延を施したイージーオー
プン缶用鋼板である。 また、特開昭55−97428号には、C:0.008〜
0.012%、Si:0.01〜0.02%、Mn:0.28〜0.31%、
酸素:0.009〜0.014%、Al:0.003〜0.045%、1/2
C+酸素:0.015〜0.018%の鋼を連続焼鈍し、し
かるのち圧下率6〜20%でスキンパス圧延した鋼
板がイージーオープン缶用に適しているとして開
示されている。 これらの鋼は、各公報の詳細な説明の欄に示さ
れている如き或る程度の開缶性改善効果が認めら
れるものの、ブリキに対する最近の薄く、かつ、
硬質化の要請には全くのところ対処しきれない欠
点がある。即ち、軟質のイージーオープン缶用鋼
板として用いる場合には問題が少ないけれども、
特に調質度T4以上の硬質イージーオープン缶用
素材をこのような鋼板で製造するときに問題が生
じるのである。それは、硬質ブリキは本来加工硬
化が大きいうえに、スコア加工部が非常に強度の
加工を受け、かつ、塗装後の焼付時に歪時効硬化
が起こるので、素材の硬度が十分低くても、スコ
ア加工部の抗張力が局部的に非常に高くなつてし
まうためである。 そこで、本発明者等は、前記要請に応え得るイ
ージーオープン缶用鋼板の開発に鋭意努めた結
果、既述の歪時効硬化が開缶性を悪くする最大の
原因であることを究明し、この点を改善すること
によつて開缶力を格段に小さくすることに成功し
たものである。 つまり、一般に開缶力は、(1)鋼板の抗張力、(2)
伸び、及び(3)スコア残厚等と強い相関があること
は知られている。即ち、開缶力を小さくするため
には、まず第一に鋼板の抗張力を小さくする必要
がある。この場合特に問題となるのはスコア加工
部の抗張力である。しかし、従来は、鋼板の硬度
については十分な管理が行われていたものの、ス
コア加工部の強度並びにその部分の伸びと鋼板の
硬度との関係については全く検討されていなかつ
た。 本発明者等は、種々の実験を行つた結果、スコ
ア加工部の強度を増大させないためには固溶C、
N量を十分低い範囲に制御するとともに微量の
TiまたはNbを含有させることが最も重要であ
り、また、スコア残厚を薄くするためには適当量
のAlを添加し、かつ、酸素含有量を十分低くす
ること、さらに伸びを小さく抑えるには圧下率5
%以上の調質圧延を施すことが肝要であるとの新
規知見を得たのである。 本発明は、これらの知見に基づいて完成したも
のであつて、各発明の要旨とするところは、
各々、 (1) 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下か
つ固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更
にNbまたはTiを0.05%以下含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなり、硬度(HR30T)
が58以上を有することを特徴とする開缶性に優
れたイージーオープン缶用鋼板。 (2) 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下か
つ固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更
にNbまたはTiを0.05%以下含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間圧延及
び冷間圧延を経た後、再結晶焼鈍により焼鈍ま
まの硬度(HR30T)が54以下のものとし、し
かるのち圧下率5%以上の調質圧延を施し、さ
らにメツキ処理、次いでリフロー処理を行つて
硬度を58以上のものにすることを特徴とする開
缶性に優れたイージーオープン缶用鋼板の製造
方法にある。 以下、本発明について詳細に説明する。 一般に鋼はC量が低下するほど軟質化する傾向
にあることは良く知られているところであり、そ
の軟質化の傾向は主としてCの低下に伴う結晶粒
の粗大化に起因する。従来のイージーオープン缶
用軟質鋼板はこの結晶粒粗大化効果を利用したも
のが多かつた。 しかるに、本発明者等が種々の実験を行つた結
果、スコア加工部の強度については、単に母板の
強度に依存するのみならず、スコア加工時の歪量
及びその後の焼付塗装時の硬化量がより重要であ
ることを見い出したのである。 即ち、第1図に示すように、焼付塗装時の歪硬
化量は固溶(C+N)量に強く依存している。固
溶元素量が0.0050%以下になると硬化量は急激に
減少し、特に0.0035%以下になると時効硬化が殆
んど無視し得るほどになる。スコア加工部の強度
を下げるためには、この固溶(C+N)量を
0.0035%以下にすることが非常に重要である。 このような条件を満足させるためには、まず、
C量を0.0035%以下にしなければならない。ま
た、C量を0.0035%以下にすることは、スコア残
厚を薄くできるという面でも顕著な効果が認めら
れる。 即ち、C量が0.0035%をこえると、結晶粒界に
沿つて粗大な板状のカーバイド(セメンタイト)
が析出し、スコア加工のように強度の冷間加工を
施した場合には、このようなカーバイドの近傍に
空〓が形成される。スコア加工部のように板厚が
極限まで薄くなると、酸化物等の非金属介在物の
みならず、このような粗大なカーバイドもピンホ
ール発生の原因となる。よつて、C量を0.0035%
以下にすることは、単にスコア加工部の軟質化に
有効であるのみならず、カーバイドの除去によつ
てピンホールを発生させずにスコア残厚を薄くす
ることに関しても非常に有効であることを知見し
た。このC量を0.0035%以下にする手段として
は、溶鋼を真空脱ガス処理する方法が適してい
る。 更に、固溶Nを少なくすることを目的として、
適当な量のAlを添加し、NをAlNとして固定す
る必要がある。但し、Alは多量に含有すると
種々の幣害が生じてくるので、Al含有量は0.01〜
0.10%とする。 なお、更に固溶C、Nを完全に固定する目的て
微量のNbまたはTiを添加することも有効であ
る。 すなわちスコア加工部では局部的に大きな圧力
がかかり加工硬化が生じること、さらにスコア加
工後の塗装に際する200℃〜210℃の加熱によつて
時効硬化が生じること、から固溶C、Nが完全に
固定されていないと、最終的にスコア加工部に局
部的な硬化のバラツキが生じ、スムーズな開缶を
実現出来ない場合があるので、C、Nの完全固定
のためにNbまたはTiの添加は必要である。 又、イージーオープン缶では開缶性を改善する
ためスコア加工部に沿つて凹凸加工を施すことが
多く、このような場合に未固定のC、Nがある
と、ストレツチヤーストレインが発生し、外観を
損ずることがあり、したがつてこの場合もTi、
Nbの添加が必要となる。但し、Nb及びTiは多
量に存在すると鋼板表面性状を非常に劣化させる
ので、含有量の上限を0.05%とする。 他に、Nnは不可避的不純物として鋼中に存在
するSによる熱間脆性を防止するために添加する
ものである。但し、多量に添加すると硬質化、表
面性状の劣化をひきおこすので、含有量の範囲を
0.05〜0.40%とする。また、スコア残厚を薄くす
るためには介在物を極力少なくすることが重要で
ある。よつて、酸素含有量は、0.005%以下にす
る。 扨て、上記の如き成分の鋼を通常の工程により
熱間圧延、冷間圧延し、再結晶温度以上で焼鈍す
れば、焼鈍ままの鋼板硬度(HR30T)は54以下
となる。しかし、このような工程によつて製造さ
れた鋼板の応力−歪曲線は第2図の曲線Aのよう
になり、伸びが非常に大きく、開缶に要する仕事
量、即ち開缶力が結果的に大きくなる。更にま
た、この鋼板はもつとも需要の多いT4以上の硬
質ブリキを製造するためには抗張力が低く、十分
な硬度を得ることができない。 このような欠点をカバーするためには、焼鈍後
の鋼板に強度の調質圧延を施し、硬度の上昇と伸
びの低下を同時に解決する方法が有効であること
を見い出した。 通常の硬質ブリキ、即ち、低炭素鋼又はそれに
N、P、Mn等を添加した鋼板を単純に加熱−均
熱−冷却するサイクルで焼鈍した場合の応力−歪
曲線は第2図のBのようになる。しかし、本発明
のように軟質な鋼板をスキンパス圧延により硬質
化した場合、特に固溶元素が少なく、降伏応力が
低いときには、応力−歪曲線はCのようになる。
同一の硬度レベルでBとCの伸びを比較した場
合、Cの方が圧倒的に小さい。伸びを十分小さく
するためには5%以上のスキンパス圧延が必要で
ある。 このような方法によつてT4以上の硬質ブリキ
を製造しようとする場合には、焼鈍ままの硬度を
54以下とし、更に5%以上の調質圧延を施すこと
により、メツキ後の硬度を58以上にすればよいこ
とを見い出したのである。 以上の説明からわかるように、本発明の特徴と
する点は、C量を極端に少なくすることにより鋼
板、特にそのスコア加工部の局部的硬化を防止
し、かつ、カーバイドを全くなくすることにより
スコア残厚を小さくすることにある。更にまた、
非常に軟質な鋼板を調質圧延することにより硬質
で、かつ、伸びの小さい硬質ブリキを製造するこ
とにある。 本発明の製造方法は、以上述べた如く、スコア
残厚、スコア加工部の抗張力、鋼板の伸びのいず
れの因子に対しても有効な方法であり、したがつ
て、得られる鋼板はこれら因子の相乗効果によ
り、従来材に比べて非常に優れた開缶性を示すも
のである。 次に、本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示した成分の鋼を転炉で溶製し連続鋳
造した。なお、鋼A〜Eは真空脱ガス装置を用い
てC量を低下したものである。これらの各鋼を通
常の工程にしたがい、仕上温度800℃、巻取温度
550℃で板厚2.3mmに熱間圧延した。酸洗後、0.23
mmまで冷間圧延し、700〜750℃で20秒焼鈍した
後、15℃/secの冷却速度で冷却した。焼鈍まま
の硬度、スキンパス・リフロー処理したメツキ板
の硬度及びスコア残厚と開缶性を第2表に示し
た。
れた開缶性を有する鋼板とその製造方法に関す
る。 最近、ビール缶、炭酸飲料缶、果汁飲料缶、ド
ライパツク缶の蓋を、缶切りや栓抜き等の道具を
使用せずに開けることができるイージーオープン
缶が一般に使用されている。 イージーオープン缶用材料としては、耐食性の
点で問題となる内容物用の場合を除き、その開け
易さのために主としてアルミニウム合金が用いら
れている。 しかし、内容物に食塩を含むか或いは電解質の
内容物の場合には、アルミニウム合金の一部使用
にあつては、ガルバニツク電池を形成し(アルミ
ニウム素地の露出部が陽極、ブリキ缶胴のピンホ
ール部が陰極)、電気化学的腐食が促進され、短
時間のうちにアルミエンドの穴あきの発生に至
る。 このような問題を防止する方法として次の〜
等の方法が考えられる。 塩分を含む内容物或いは電解質の内容物に対
しては、ブリキ缶とアルミエンドの組み合わせ
使用を避ける。 上記のような内容物の場合には、全面アル
ミニウム缶とする。 上記のような内容物の場合であつても、ブ
リキ缶胴又はアルミエンドのいずれか一方に完
全なる塗装被膜を施し、ガルバニツク電池の形
成を防ぐ。 しかし乍ら、の方法はアルミニウムが高価で
あり、またの方法はアルミニウム素地のリベツ
ト部及びスコア部での露出を完全に防ぐことが困
難である等の欠点がある。 そのため、ブリキをイージーオープン用素材と
して使用する努力が続けられているのが現状であ
るが、ブリキは、アルミニウム合金に比らべ、一
般に抗張力が高く、開缶性が悪いとされている。
そこで、開缶性に優れたイージーオープン用鋼板
の製造を目的とする技術が幾つか提案されてはい
る。 例えば、特公昭51−5333号に開示された技術が
ある。これは、同公報の実施例によると、箱焼鈍
又はオープン焼鈍を施したC:0.005〜0.016%、
酸素:0.014〜0.026%、Si:0.03%以下、Mn:
0.25〜0.33%で、残部がFeの他は不可避的に含ま
れる不純物のみからなる鋼、若しくは更に圧下率
3〜15%のスキンパス圧延を施したイージーオー
プン缶用鋼板である。 また、特開昭55−97428号には、C:0.008〜
0.012%、Si:0.01〜0.02%、Mn:0.28〜0.31%、
酸素:0.009〜0.014%、Al:0.003〜0.045%、1/2
C+酸素:0.015〜0.018%の鋼を連続焼鈍し、し
かるのち圧下率6〜20%でスキンパス圧延した鋼
板がイージーオープン缶用に適しているとして開
示されている。 これらの鋼は、各公報の詳細な説明の欄に示さ
れている如き或る程度の開缶性改善効果が認めら
れるものの、ブリキに対する最近の薄く、かつ、
硬質化の要請には全くのところ対処しきれない欠
点がある。即ち、軟質のイージーオープン缶用鋼
板として用いる場合には問題が少ないけれども、
特に調質度T4以上の硬質イージーオープン缶用
素材をこのような鋼板で製造するときに問題が生
じるのである。それは、硬質ブリキは本来加工硬
化が大きいうえに、スコア加工部が非常に強度の
加工を受け、かつ、塗装後の焼付時に歪時効硬化
が起こるので、素材の硬度が十分低くても、スコ
ア加工部の抗張力が局部的に非常に高くなつてし
まうためである。 そこで、本発明者等は、前記要請に応え得るイ
ージーオープン缶用鋼板の開発に鋭意努めた結
果、既述の歪時効硬化が開缶性を悪くする最大の
原因であることを究明し、この点を改善すること
によつて開缶力を格段に小さくすることに成功し
たものである。 つまり、一般に開缶力は、(1)鋼板の抗張力、(2)
伸び、及び(3)スコア残厚等と強い相関があること
は知られている。即ち、開缶力を小さくするため
には、まず第一に鋼板の抗張力を小さくする必要
がある。この場合特に問題となるのはスコア加工
部の抗張力である。しかし、従来は、鋼板の硬度
については十分な管理が行われていたものの、ス
コア加工部の強度並びにその部分の伸びと鋼板の
硬度との関係については全く検討されていなかつ
た。 本発明者等は、種々の実験を行つた結果、スコ
ア加工部の強度を増大させないためには固溶C、
N量を十分低い範囲に制御するとともに微量の
TiまたはNbを含有させることが最も重要であ
り、また、スコア残厚を薄くするためには適当量
のAlを添加し、かつ、酸素含有量を十分低くす
ること、さらに伸びを小さく抑えるには圧下率5
%以上の調質圧延を施すことが肝要であるとの新
規知見を得たのである。 本発明は、これらの知見に基づいて完成したも
のであつて、各発明の要旨とするところは、
各々、 (1) 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下か
つ固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更
にNbまたはTiを0.05%以下含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなり、硬度(HR30T)
が58以上を有することを特徴とする開缶性に優
れたイージーオープン缶用鋼板。 (2) 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下か
つ固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更
にNbまたはTiを0.05%以下含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなる鋼を、熱間圧延及
び冷間圧延を経た後、再結晶焼鈍により焼鈍ま
まの硬度(HR30T)が54以下のものとし、し
かるのち圧下率5%以上の調質圧延を施し、さ
らにメツキ処理、次いでリフロー処理を行つて
硬度を58以上のものにすることを特徴とする開
缶性に優れたイージーオープン缶用鋼板の製造
方法にある。 以下、本発明について詳細に説明する。 一般に鋼はC量が低下するほど軟質化する傾向
にあることは良く知られているところであり、そ
の軟質化の傾向は主としてCの低下に伴う結晶粒
の粗大化に起因する。従来のイージーオープン缶
用軟質鋼板はこの結晶粒粗大化効果を利用したも
のが多かつた。 しかるに、本発明者等が種々の実験を行つた結
果、スコア加工部の強度については、単に母板の
強度に依存するのみならず、スコア加工時の歪量
及びその後の焼付塗装時の硬化量がより重要であ
ることを見い出したのである。 即ち、第1図に示すように、焼付塗装時の歪硬
化量は固溶(C+N)量に強く依存している。固
溶元素量が0.0050%以下になると硬化量は急激に
減少し、特に0.0035%以下になると時効硬化が殆
んど無視し得るほどになる。スコア加工部の強度
を下げるためには、この固溶(C+N)量を
0.0035%以下にすることが非常に重要である。 このような条件を満足させるためには、まず、
C量を0.0035%以下にしなければならない。ま
た、C量を0.0035%以下にすることは、スコア残
厚を薄くできるという面でも顕著な効果が認めら
れる。 即ち、C量が0.0035%をこえると、結晶粒界に
沿つて粗大な板状のカーバイド(セメンタイト)
が析出し、スコア加工のように強度の冷間加工を
施した場合には、このようなカーバイドの近傍に
空〓が形成される。スコア加工部のように板厚が
極限まで薄くなると、酸化物等の非金属介在物の
みならず、このような粗大なカーバイドもピンホ
ール発生の原因となる。よつて、C量を0.0035%
以下にすることは、単にスコア加工部の軟質化に
有効であるのみならず、カーバイドの除去によつ
てピンホールを発生させずにスコア残厚を薄くす
ることに関しても非常に有効であることを知見し
た。このC量を0.0035%以下にする手段として
は、溶鋼を真空脱ガス処理する方法が適してい
る。 更に、固溶Nを少なくすることを目的として、
適当な量のAlを添加し、NをAlNとして固定す
る必要がある。但し、Alは多量に含有すると
種々の幣害が生じてくるので、Al含有量は0.01〜
0.10%とする。 なお、更に固溶C、Nを完全に固定する目的て
微量のNbまたはTiを添加することも有効であ
る。 すなわちスコア加工部では局部的に大きな圧力
がかかり加工硬化が生じること、さらにスコア加
工後の塗装に際する200℃〜210℃の加熱によつて
時効硬化が生じること、から固溶C、Nが完全に
固定されていないと、最終的にスコア加工部に局
部的な硬化のバラツキが生じ、スムーズな開缶を
実現出来ない場合があるので、C、Nの完全固定
のためにNbまたはTiの添加は必要である。 又、イージーオープン缶では開缶性を改善する
ためスコア加工部に沿つて凹凸加工を施すことが
多く、このような場合に未固定のC、Nがある
と、ストレツチヤーストレインが発生し、外観を
損ずることがあり、したがつてこの場合もTi、
Nbの添加が必要となる。但し、Nb及びTiは多
量に存在すると鋼板表面性状を非常に劣化させる
ので、含有量の上限を0.05%とする。 他に、Nnは不可避的不純物として鋼中に存在
するSによる熱間脆性を防止するために添加する
ものである。但し、多量に添加すると硬質化、表
面性状の劣化をひきおこすので、含有量の範囲を
0.05〜0.40%とする。また、スコア残厚を薄くす
るためには介在物を極力少なくすることが重要で
ある。よつて、酸素含有量は、0.005%以下にす
る。 扨て、上記の如き成分の鋼を通常の工程により
熱間圧延、冷間圧延し、再結晶温度以上で焼鈍す
れば、焼鈍ままの鋼板硬度(HR30T)は54以下
となる。しかし、このような工程によつて製造さ
れた鋼板の応力−歪曲線は第2図の曲線Aのよう
になり、伸びが非常に大きく、開缶に要する仕事
量、即ち開缶力が結果的に大きくなる。更にま
た、この鋼板はもつとも需要の多いT4以上の硬
質ブリキを製造するためには抗張力が低く、十分
な硬度を得ることができない。 このような欠点をカバーするためには、焼鈍後
の鋼板に強度の調質圧延を施し、硬度の上昇と伸
びの低下を同時に解決する方法が有効であること
を見い出した。 通常の硬質ブリキ、即ち、低炭素鋼又はそれに
N、P、Mn等を添加した鋼板を単純に加熱−均
熱−冷却するサイクルで焼鈍した場合の応力−歪
曲線は第2図のBのようになる。しかし、本発明
のように軟質な鋼板をスキンパス圧延により硬質
化した場合、特に固溶元素が少なく、降伏応力が
低いときには、応力−歪曲線はCのようになる。
同一の硬度レベルでBとCの伸びを比較した場
合、Cの方が圧倒的に小さい。伸びを十分小さく
するためには5%以上のスキンパス圧延が必要で
ある。 このような方法によつてT4以上の硬質ブリキ
を製造しようとする場合には、焼鈍ままの硬度を
54以下とし、更に5%以上の調質圧延を施すこと
により、メツキ後の硬度を58以上にすればよいこ
とを見い出したのである。 以上の説明からわかるように、本発明の特徴と
する点は、C量を極端に少なくすることにより鋼
板、特にそのスコア加工部の局部的硬化を防止
し、かつ、カーバイドを全くなくすることにより
スコア残厚を小さくすることにある。更にまた、
非常に軟質な鋼板を調質圧延することにより硬質
で、かつ、伸びの小さい硬質ブリキを製造するこ
とにある。 本発明の製造方法は、以上述べた如く、スコア
残厚、スコア加工部の抗張力、鋼板の伸びのいず
れの因子に対しても有効な方法であり、したがつ
て、得られる鋼板はこれら因子の相乗効果によ
り、従来材に比べて非常に優れた開缶性を示すも
のである。 次に、本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示した成分の鋼を転炉で溶製し連続鋳
造した。なお、鋼A〜Eは真空脱ガス装置を用い
てC量を低下したものである。これらの各鋼を通
常の工程にしたがい、仕上温度800℃、巻取温度
550℃で板厚2.3mmに熱間圧延した。酸洗後、0.23
mmまで冷間圧延し、700〜750℃で20秒焼鈍した
後、15℃/secの冷却速度で冷却した。焼鈍まま
の硬度、スキンパス・リフロー処理したメツキ板
の硬度及びスコア残厚と開缶性を第2表に示し
た。
【表】
【表】
* 下線部は発明外の条件である。
第2表より本発明の成分範囲の鋼AおよびB
は、焼鈍ままの硬度が50以下と低く、スキンパス
圧延後の硬度は60〜61とT4の範囲であり、かつ、
ピンホール発生臨界スコア残厚、及び開缶力のい
ずれも十分低いことがわかる。 一方、比較例の鋼Cはスキンパス圧延率が低
く、伸びが大きいため、開缶性に劣り、また鋼
D、Eは共にC量が多く、ピンホール発生臨界ス
コア残厚が大で、開缶力が高く、鋼Fの如くスキ
ンパス圧延率を大きく(6%)しても開缶力向上
は認められない。 以上説明したところからも明らかなように、本
発明によれば、スコア残厚が薄く、かつ、開缶性
に優れた硬質なイージーオープン缶用鋼板を製
造・提供できる。
第2表より本発明の成分範囲の鋼AおよびB
は、焼鈍ままの硬度が50以下と低く、スキンパス
圧延後の硬度は60〜61とT4の範囲であり、かつ、
ピンホール発生臨界スコア残厚、及び開缶力のい
ずれも十分低いことがわかる。 一方、比較例の鋼Cはスキンパス圧延率が低
く、伸びが大きいため、開缶性に劣り、また鋼
D、Eは共にC量が多く、ピンホール発生臨界ス
コア残厚が大で、開缶力が高く、鋼Fの如くスキ
ンパス圧延率を大きく(6%)しても開缶力向上
は認められない。 以上説明したところからも明らかなように、本
発明によれば、スコア残厚が薄く、かつ、開缶性
に優れた硬質なイージーオープン缶用鋼板を製
造・提供できる。
第1図は鋼板中の固溶(C+N)量と時効硬化
量との関係を示す図、第2図は応力−歪曲線を示
す図である。
量との関係を示す図、第2図は応力−歪曲線を示
す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下かつ
固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更にNb
またはTiを0.05%以下含有し、残部がFe及び不
可避的不純物からなり、硬度(HR30T)が58以
上を有することを特徴とする開缶性に優れたイー
ジーオープン缶用鋼板。 2 重量%でC:0.0035%以下、Mn:0.05〜0.40
%、Al:0.010〜0.100%、酸素:0.005%以下かつ
固溶(C+N):0.0035%以下であつて、更にNb
またはTiを0.05%以下含有し、残部がFe及び不
可避的不純物からなる鋼を、熱間圧延及び冷間圧
延を経た後、再結晶焼鈍により焼鈍ままの硬度
(HR30T)が54以下のものとし、しかるのち圧下
率5%以上の調質圧延を施し、さらにメツキ処
理、次いでリフロー処理を行つて硬度を58以上の
ものにすることを特徴とする開缶性に優れたイー
ジーオープン缶用鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16188283A JPS6056052A (ja) | 1983-09-05 | 1983-09-05 | 開缶性の優れたイ−ジ−オ−プン缶用鋼板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16188283A JPS6056052A (ja) | 1983-09-05 | 1983-09-05 | 開缶性の優れたイ−ジ−オ−プン缶用鋼板とその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6056052A JPS6056052A (ja) | 1985-04-01 |
| JPH0357179B2 true JPH0357179B2 (ja) | 1991-08-30 |
Family
ID=15743778
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16188283A Granted JPS6056052A (ja) | 1983-09-05 | 1983-09-05 | 開缶性の優れたイ−ジ−オ−プン缶用鋼板とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6056052A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0896929A2 (en) | 1997-08-12 | 1999-02-17 | Nkk Corporation | Easy-opening can end and method for making the same |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6293338A (ja) * | 1985-10-17 | 1987-04-28 | Nippon Steel Corp | 開缶性に優れたイ−ジ−オ−プン蓋用鋼板およびその製造方法 |
| JPS62142746A (ja) * | 1985-12-18 | 1987-06-26 | Nippon Steel Corp | イ−ジ−オ−プン缶用鋼板 |
| JPS634040A (ja) * | 1986-06-23 | 1988-01-09 | Kawasaki Steel Corp | 開缶性の良好なイ−ジ−オ−プン蓋およびその製造方法 |
| JPS6372827A (ja) * | 1986-09-16 | 1988-04-02 | Nippon Steel Corp | 開缶性に優れたイ−ジ−オ−プン蓋用鋼板の製造方法 |
| JPH0158267U (ja) * | 1987-10-02 | 1989-04-12 |
-
1983
- 1983-09-05 JP JP16188283A patent/JPS6056052A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0896929A2 (en) | 1997-08-12 | 1999-02-17 | Nkk Corporation | Easy-opening can end and method for making the same |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6056052A (ja) | 1985-04-01 |
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