JPH0360919B2 - - Google Patents
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- JPH0360919B2 JPH0360919B2 JP58157768A JP15776883A JPH0360919B2 JP H0360919 B2 JPH0360919 B2 JP H0360919B2 JP 58157768 A JP58157768 A JP 58157768A JP 15776883 A JP15776883 A JP 15776883A JP H0360919 B2 JPH0360919 B2 JP H0360919B2
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- JP
- Japan
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- film
- chromate
- treatment
- corrosion resistance
- composite silicate
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/82—After-treatment
- C23C22/83—Chemical after-treatment
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
Description
本発明は自動車用片面高耐食性被覆鋼板の製造
方法に関する。 近年、自動車車体用鋼板として耐食性に優れた
鋼板の要求が高まりつつあり、このため従来より
使用されている冷延鋼板に代り耐食性の高い表面
処理鋼板を使用する傾向が強くなつている。 このような表面処理鋼板としては、まず亜鉛メ
ツキ鋼板をあげることができるが、この種の鋼板
では耐食性を高めるために亜鉛の付着量を多くす
る必要があり、これに伴つて加工性、溶接性が劣
化するという問題がある。このような問題を改善
するためNi、Fe、Mn、Mo、Co、Al、Cr等の元
素を1種または2種以上添加した亜鉛合金メツキ
鋼板や多層メツキ鋼板が研究開発されており、こ
れらの鋼板では上記亜鉛メツキ鋼板に比較して溶
接性、加工性を劣化させることなく耐食性を向上
させることができる。しかし、鋼板が自動車車体
内板の袋構造部や曲り部(ヘミング部)に適用さ
れる場合その表面には高度な耐食性が要求される
ものであり、上記したような亜鉛合金メツキ鋼板
や多層メツキ鋼板ではその耐食性がいまひとつ十
分でないという問題がある。高度な耐食性を有す
る鋼板として、特公昭45−24230号や特公昭47−
6882号にみられるようなジンクリツチ系塗膜を施
した防錆鋼板が研究開発されており、その代表的
なものはジンクロメタルの名称で知られている。
しかし、この防錆被覆鋼板においても、プレス成
形等の加工部では被覆の剥離を生じる場合があ
り、自動車車体用材料等の要求に応ずべき耐食性
防錆被覆鋼板としては、未だ十分に満足できるも
のとは言い難い。 また、ジンクロメタルの非防錆塗装面(鋼板
面)には、ジンクリツチ塗膜を約270℃で高温焼
付する際テンパーカラーと称される難溶性酸化膜
が形成され、このため自動車メーカー等の需要家
サイドで実施するリン酸塩処理の反応が劣り、不
均一なリン酸皮膜が形成され、塗装後品質性能が
劣化することになる。特に、鋼成分中にSi、Mn
等を通常の軟鋼板よりも多く含有した高張力鋼板
の場合では、Si、Mn等により選択酸化皮膜が形
成され、その傾向が顕著になる。このため例えば
特開昭56−152768号などでは、非防錆塗装面に塗
装焼付処理前に特定元素化合物を塗布し、テンパ
ーカラーを防止するようにした方法が提案されて
いるが、このような方法の採用は製造工程を複雑
化させるだけでなく、塗布される特定元素が却つ
て化成処理性を阻害する等の弊害を生じてしまう
という問題があり、完全なテンパーカラー対策と
は言い難い。鋼板の非防錆被覆面は自動車車体の
外面に採用され、3コート3ベーク塗装後の表面
外観と塗装品質は高いレベルが要求されるもので
あり、この意味で上記したテンパーカラー対策は
不可欠のものであるということができる。 本発明はこのような従来技術の欠点に鑑み研究
開発されたもので、非被覆面にテンパーカラーを
生ぜしめることなく、良好な化成処理性および塗
装性が得られ、しかも、片面において優れた耐食
性を有する自動車用片面高耐食性被覆鋼板を製造
することができる方法を提供せんとするものであ
る。 このため本発明は、鋼板の片面に亜鉛合金メツ
キを施し付着量1g/m2以上の亜鉛合金メツキ皮
膜を形成せしめた後、該メツキ面のみに対し塗布
型はクロメート処理を施すことにより付着量1000
mg/m2以下のクロメート皮膜を形成せしめ、続い
て有機複合シリケート溶液で処理を行つてクロメ
ート皮膜の上に付着量0.5〜4.0g/m2の有機複合
シリケート皮膜を形成せしめ、その後100〜250℃
で鋼板を加熱処理するようにしたものであり、こ
れにより片面において優れた耐食性の皮膜構造を
得ることができるとともに、加熱処理を250℃以
下で行うため、高温加熱による鋼板非被覆面での
テンパーカラーの発生を適切に防止し、良好な化
成処理性および塗装性を得ることができる。 本件出願人は先に、亜鉛を基金属とした合金メ
ツキ鋼板の表面にクロメート皮膜と有機複合シリ
ケート皮膜の2層皮膜を形成した複合被覆鋼板を
特願昭55−182112号(特開昭57−108292号)にお
いて提案しており、この複合被覆鋼板は優れた耐
食性を有している。本発明はこの複合被覆に着目
し、これを鋼板片面に適用し且つこれと適当な熱
処理とを組み合せることにより被覆面においてよ
り高度な耐食性が得られ、また非被覆面において
優れた化成処理性、塗装性が得られる鋼板の製造
を可能ならしめたものである。 本発明では鋼板の片面についてのみ、(1)亜鉛合
金メツキを施し、(2)次いで塗布型クロメート処理
を施し、(3)さらに有機複合シリケート溶液で処理
を行い、(4)その後100〜250℃で加熱処理し、成品
を得る。 本発明ではまず、鋼板(冷延鋼板)の片面にの
み亜鉛合金メツキが施される。このように、特に
亜鉛を基金属とした合金メツキを施す理由は、こ
の種のメツキは通常の亜鉛メツキに較べ腐食が進
行しにくい上、その上に形成されるクロメート皮
膜及び有機複合シリケート皮膜との相乗的な効果
により高い耐食性を発揮できるからである。 この亜鉛合金メツキのメツキ付着量は1g/m2
以上必要であり、これを下回ると耐食性が劣化す
る。またこのメツキ付着量は300g/m2を超えて
も耐食性の大きな向上は期待できず、却つてコス
ト高となる。このメツキ付着量は通常1〜60g/
m2、好ましくは5〜40g/m2の範囲で選定され
る。 この亜鉛合金メツキとしては、亜鉛−鉄合金メ
ツキ、亜鉛−ニツケル合金メツキ、亜鉛−マンガ
ン合金メツキ、亜鉛−アルミ合金メツキ、亜鉛−
コバルト−クロム合金メツキ、さらには、これら
任意のメツキ成分にNi、Fe、Mn、Mo、Co、
Al、Cr等の元素を1種又は2種以上添加したも
のを用いることができ、さらに、上記したような
メツキのうち同種又は異種のものを2種以上施し
た複合メツキであつてもよく、例えば、Fe含有
量の異なるFe−Zn合金メツキを2層以上施すこ
ともできる。 これら亜鉛系合金メツキのメツキ方法は電解
法、溶融法、気相法等のうち実施可能ないずれの
方法を採用することもできるが、一般には片面メ
ツキの容易性等から電気メツキが有利である。 本発明では以上のメツキ面に対しクロメート処
理を施しクロメート皮膜を形成せしめる。このク
ロメート皮膜は、クロム付着量(dry)として
1000mg/m2以下とする必要があり、1000mg/m2を
超えるとクロメート皮膜自体の剥離が生じ、プレ
ス時に皮膜剥離を生じてしまう等、加工性が劣化
し、また溶接性も劣化してしまう。ただクロム付
着量が1mg/m2未満では皮膜が不均一となり好ま
しくない。クロメート皮膜の好ましい付着量は10
〜200mg/m2(以上金属クロム換算)である。 このようなクロメート皮膜の形成方式には、塗
布型、電解型及び反応型の3タイプがあるが、本
発明では塗布型のクロメート処理によりクロメー
ト皮膜を形成せしめる必要がある。反応型クロメ
ート処理では鋼板の片面処理が難しく、このため
本発明には適用しない。塗布型クロメート処理液
は、部分的に環元されたクロム酸溶液を主成分と
し、必要に応じこれに水分散型又は水溶性のアク
リル樹脂等の有機樹脂及び/又は数十〜数千Åの
シリカ粒子(シリカゾル、ヒユームドシリカ)を
含有せしめたものである。この場合Cr3+/Cr6+の
割合は1/1〜1/3、PHは1.5〜4.0(より好ましくは
2〜3)が好ましい。Cr3+/Cr6+の割合は一般の
有機還元剤(例えば糖類、アルコール特等)や無
機還元剤を使用して所定の割合に調節する。また
塗布型クロメート処理としては、ロールコーター
法、浸漬法、スプレー法等、いずれの方法を使用
してもよいが、片面のみクロメート処理を施すと
いう必要から、ロールコーター法が有利である。
塗布型クロメート処理では、クロメート処理後水
洗することなく乾燥して皮膜を得る。このように
水洗することなく乾燥するのは、通常行なわれる
水洗ではCr6+が除去されるため、Cr3+/Cr6+の割
合をそのまま安定して継続させ、次工程での有機
複合シリケート溶液で処理してシーリングを行わ
せるためである。 一方、電解型クロメート処理では、無水クロム
酸と硫酸、フツ化物又はハロゲン酸系酸等のアニ
オンの1種又は2種以上を含有する浴で陰極電解
処理を施し、水洗・乾燥して皮膜を形成せしめ
る。 以上の2つの処理方式によるクロメート皮膜を
比較すると、塗布型クロメートは電解型クロメー
トと比較して皮膜中に6価クロムを多く含有して
いるため耐食性が優れており、その上、後述する
ように比較的高温側で加熱処理した場合、皮膜が
緻密で且つ強固になるため、より耐食性が良好に
なる。 なお、本発明では、片面にのみクロメート処理
を施し、他面にはクロムを付着させないようにす
ることが重要である。この他方の面に微量でもク
ロムが付着すると化成処理の反応性が劣り、塗装
品質が劣化することになる。 以上のクロメート処理に続き、同じくメツキ面
に対し、有機複合シリケート溶液による片面処理
が行われ、クロメート皮膜上に有機複合シリケー
ト皮膜が形成される。この有機複合シリケートの
皮膜付着量(dry)は、0.5g/m2〜4.0g/m2の
範囲で選定される必要があり、より好ましくは
1.0g/m2〜3.0g/m2の範囲が適当である。付着
量が0.5g/m2以下では十分な耐食性が得られず、
また4.0g/m2以上ではスポツト溶接性が劣化す
るため好ましくない。 有機複合シリケートは、水分散性シリカを必須
成分とし、これに水溶性又は水分散性の有機高分
子樹脂をシラン化合物の存在下で混合して10℃以
上、沸点以下、好ましくは50〜90℃の温度範囲で
反応させることによつて得られる。水分散性シリ
カとは所謂シリカゾル又はコロイダルシリカと呼
ばれている粒子径数十Å〜数千Åのものである。
水溶性又は水分散性の有機高分子樹脂としては、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリエステル、アルキツド、エポキシ、ア
クリル共重合体等があげられるが、シリカと反応
すればいずれの樹脂でもよい。但し、自動車用下
塗り塗料であるカチオン電着塗料(エポキシ樹脂
ベース)の密着性を重視する場合、エポキシ樹脂
が良好であり、有機樹脂分100部に対して少なく
とも30部含有させることが好ましい。また、前記
シラン化合物はシリカと有機樹脂との複合化の際
に反応促進剤として使用する。このシラン化合物
としては、市販のシランカツプリング剤で良く、
例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシド
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリメトキシシラン、N=β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン等のトリアルコキシシラン化合物等をあげるこ
とができる。 有機複合シリケートにおける水分散性シリカと
水溶性又は水分散性の有機樹脂との配合割合は固
形分の重量百分比で5:95〜95:5、好ましくは
10:90〜60:40とする。またシラン化合物の添加
割合は、シリカと有機樹脂の固形分総重量に対し
て0.5〜15wt%とする。 以上のようにして得られる有機複合シリケート
は1種か或いは2種以上を混合して用いても良
い。また更に、モリブデンやタングステン或いは
バナジウムの酸素酸若しくはその塩或いはチタニ
ウムかジルコニウムのアルコキシドキシレート化
合物を添加しても良い。これらの添加剤を1種又
は2種以上、シリカゾルと有機樹脂の全固形分に
対して14wt%以下、好ましくは0.2〜8wt%添加
することにより耐食性を向上させることができ
る。更に該有機複合シリケート溶液にメラミン等
の硬化剤を添加すると、より大きな効果がある。 以上のようにクロメート皮膜と有機複合シリケ
ート皮膜を形成せしめた後、本発明においては表
面板温で100〜250℃の加熱処理を施す。本発明で
はこのような温度域の加熱により被覆面の耐食性
がさらに向上するとともに、このような加熱によ
る耐食性向上効果を250℃以下の温度域で達成で
きるため、非被覆面でのテンパーカラーの発生を
適切に防止できる。加熱温度が250℃を超えると、
クロメート皮膜にクラツクが入つたり或いは不動
態化作用のある可溶性Cr6+が減少するなどして耐
食性が劣化するおそれがあり、したがつて250℃
が加熱温度の上限とされる。加熱処理は耐食性の
面から100℃以上の温度で行う必要がある。加熱
方式は所定の温度が得られれば熱風乾燥、赤外線
加熱、インダクシヨンヒーター等、いずれの方式
でもよい。また加熱保持時間は数秒〜数分程度で
あり、長時間の保持は経済的に不利となるだけで
なく、皮膜性能が劣化するおそれもあり好ましく
ない。 この加熱処理の目的は、第1に有機複合シリケ
ート成分中のシリカゾル/シリカゾル、シリカゾ
ル/有機高分子、有機高分子/有機高分子の組合
せによる皮膜熱硬化である。例えばシリカゾルは
常温でも水分の蒸発とともに乾燥皮膜を形成する
性質をもつているが、加熱処理でシリカゾルのシ
ラノール基
方法に関する。 近年、自動車車体用鋼板として耐食性に優れた
鋼板の要求が高まりつつあり、このため従来より
使用されている冷延鋼板に代り耐食性の高い表面
処理鋼板を使用する傾向が強くなつている。 このような表面処理鋼板としては、まず亜鉛メ
ツキ鋼板をあげることができるが、この種の鋼板
では耐食性を高めるために亜鉛の付着量を多くす
る必要があり、これに伴つて加工性、溶接性が劣
化するという問題がある。このような問題を改善
するためNi、Fe、Mn、Mo、Co、Al、Cr等の元
素を1種または2種以上添加した亜鉛合金メツキ
鋼板や多層メツキ鋼板が研究開発されており、こ
れらの鋼板では上記亜鉛メツキ鋼板に比較して溶
接性、加工性を劣化させることなく耐食性を向上
させることができる。しかし、鋼板が自動車車体
内板の袋構造部や曲り部(ヘミング部)に適用さ
れる場合その表面には高度な耐食性が要求される
ものであり、上記したような亜鉛合金メツキ鋼板
や多層メツキ鋼板ではその耐食性がいまひとつ十
分でないという問題がある。高度な耐食性を有す
る鋼板として、特公昭45−24230号や特公昭47−
6882号にみられるようなジンクリツチ系塗膜を施
した防錆鋼板が研究開発されており、その代表的
なものはジンクロメタルの名称で知られている。
しかし、この防錆被覆鋼板においても、プレス成
形等の加工部では被覆の剥離を生じる場合があ
り、自動車車体用材料等の要求に応ずべき耐食性
防錆被覆鋼板としては、未だ十分に満足できるも
のとは言い難い。 また、ジンクロメタルの非防錆塗装面(鋼板
面)には、ジンクリツチ塗膜を約270℃で高温焼
付する際テンパーカラーと称される難溶性酸化膜
が形成され、このため自動車メーカー等の需要家
サイドで実施するリン酸塩処理の反応が劣り、不
均一なリン酸皮膜が形成され、塗装後品質性能が
劣化することになる。特に、鋼成分中にSi、Mn
等を通常の軟鋼板よりも多く含有した高張力鋼板
の場合では、Si、Mn等により選択酸化皮膜が形
成され、その傾向が顕著になる。このため例えば
特開昭56−152768号などでは、非防錆塗装面に塗
装焼付処理前に特定元素化合物を塗布し、テンパ
ーカラーを防止するようにした方法が提案されて
いるが、このような方法の採用は製造工程を複雑
化させるだけでなく、塗布される特定元素が却つ
て化成処理性を阻害する等の弊害を生じてしまう
という問題があり、完全なテンパーカラー対策と
は言い難い。鋼板の非防錆被覆面は自動車車体の
外面に採用され、3コート3ベーク塗装後の表面
外観と塗装品質は高いレベルが要求されるもので
あり、この意味で上記したテンパーカラー対策は
不可欠のものであるということができる。 本発明はこのような従来技術の欠点に鑑み研究
開発されたもので、非被覆面にテンパーカラーを
生ぜしめることなく、良好な化成処理性および塗
装性が得られ、しかも、片面において優れた耐食
性を有する自動車用片面高耐食性被覆鋼板を製造
することができる方法を提供せんとするものであ
る。 このため本発明は、鋼板の片面に亜鉛合金メツ
キを施し付着量1g/m2以上の亜鉛合金メツキ皮
膜を形成せしめた後、該メツキ面のみに対し塗布
型はクロメート処理を施すことにより付着量1000
mg/m2以下のクロメート皮膜を形成せしめ、続い
て有機複合シリケート溶液で処理を行つてクロメ
ート皮膜の上に付着量0.5〜4.0g/m2の有機複合
シリケート皮膜を形成せしめ、その後100〜250℃
で鋼板を加熱処理するようにしたものであり、こ
れにより片面において優れた耐食性の皮膜構造を
得ることができるとともに、加熱処理を250℃以
下で行うため、高温加熱による鋼板非被覆面での
テンパーカラーの発生を適切に防止し、良好な化
成処理性および塗装性を得ることができる。 本件出願人は先に、亜鉛を基金属とした合金メ
ツキ鋼板の表面にクロメート皮膜と有機複合シリ
ケート皮膜の2層皮膜を形成した複合被覆鋼板を
特願昭55−182112号(特開昭57−108292号)にお
いて提案しており、この複合被覆鋼板は優れた耐
食性を有している。本発明はこの複合被覆に着目
し、これを鋼板片面に適用し且つこれと適当な熱
処理とを組み合せることにより被覆面においてよ
り高度な耐食性が得られ、また非被覆面において
優れた化成処理性、塗装性が得られる鋼板の製造
を可能ならしめたものである。 本発明では鋼板の片面についてのみ、(1)亜鉛合
金メツキを施し、(2)次いで塗布型クロメート処理
を施し、(3)さらに有機複合シリケート溶液で処理
を行い、(4)その後100〜250℃で加熱処理し、成品
を得る。 本発明ではまず、鋼板(冷延鋼板)の片面にの
み亜鉛合金メツキが施される。このように、特に
亜鉛を基金属とした合金メツキを施す理由は、こ
の種のメツキは通常の亜鉛メツキに較べ腐食が進
行しにくい上、その上に形成されるクロメート皮
膜及び有機複合シリケート皮膜との相乗的な効果
により高い耐食性を発揮できるからである。 この亜鉛合金メツキのメツキ付着量は1g/m2
以上必要であり、これを下回ると耐食性が劣化す
る。またこのメツキ付着量は300g/m2を超えて
も耐食性の大きな向上は期待できず、却つてコス
ト高となる。このメツキ付着量は通常1〜60g/
m2、好ましくは5〜40g/m2の範囲で選定され
る。 この亜鉛合金メツキとしては、亜鉛−鉄合金メ
ツキ、亜鉛−ニツケル合金メツキ、亜鉛−マンガ
ン合金メツキ、亜鉛−アルミ合金メツキ、亜鉛−
コバルト−クロム合金メツキ、さらには、これら
任意のメツキ成分にNi、Fe、Mn、Mo、Co、
Al、Cr等の元素を1種又は2種以上添加したも
のを用いることができ、さらに、上記したような
メツキのうち同種又は異種のものを2種以上施し
た複合メツキであつてもよく、例えば、Fe含有
量の異なるFe−Zn合金メツキを2層以上施すこ
ともできる。 これら亜鉛系合金メツキのメツキ方法は電解
法、溶融法、気相法等のうち実施可能ないずれの
方法を採用することもできるが、一般には片面メ
ツキの容易性等から電気メツキが有利である。 本発明では以上のメツキ面に対しクロメート処
理を施しクロメート皮膜を形成せしめる。このク
ロメート皮膜は、クロム付着量(dry)として
1000mg/m2以下とする必要があり、1000mg/m2を
超えるとクロメート皮膜自体の剥離が生じ、プレ
ス時に皮膜剥離を生じてしまう等、加工性が劣化
し、また溶接性も劣化してしまう。ただクロム付
着量が1mg/m2未満では皮膜が不均一となり好ま
しくない。クロメート皮膜の好ましい付着量は10
〜200mg/m2(以上金属クロム換算)である。 このようなクロメート皮膜の形成方式には、塗
布型、電解型及び反応型の3タイプがあるが、本
発明では塗布型のクロメート処理によりクロメー
ト皮膜を形成せしめる必要がある。反応型クロメ
ート処理では鋼板の片面処理が難しく、このため
本発明には適用しない。塗布型クロメート処理液
は、部分的に環元されたクロム酸溶液を主成分と
し、必要に応じこれに水分散型又は水溶性のアク
リル樹脂等の有機樹脂及び/又は数十〜数千Åの
シリカ粒子(シリカゾル、ヒユームドシリカ)を
含有せしめたものである。この場合Cr3+/Cr6+の
割合は1/1〜1/3、PHは1.5〜4.0(より好ましくは
2〜3)が好ましい。Cr3+/Cr6+の割合は一般の
有機還元剤(例えば糖類、アルコール特等)や無
機還元剤を使用して所定の割合に調節する。また
塗布型クロメート処理としては、ロールコーター
法、浸漬法、スプレー法等、いずれの方法を使用
してもよいが、片面のみクロメート処理を施すと
いう必要から、ロールコーター法が有利である。
塗布型クロメート処理では、クロメート処理後水
洗することなく乾燥して皮膜を得る。このように
水洗することなく乾燥するのは、通常行なわれる
水洗ではCr6+が除去されるため、Cr3+/Cr6+の割
合をそのまま安定して継続させ、次工程での有機
複合シリケート溶液で処理してシーリングを行わ
せるためである。 一方、電解型クロメート処理では、無水クロム
酸と硫酸、フツ化物又はハロゲン酸系酸等のアニ
オンの1種又は2種以上を含有する浴で陰極電解
処理を施し、水洗・乾燥して皮膜を形成せしめ
る。 以上の2つの処理方式によるクロメート皮膜を
比較すると、塗布型クロメートは電解型クロメー
トと比較して皮膜中に6価クロムを多く含有して
いるため耐食性が優れており、その上、後述する
ように比較的高温側で加熱処理した場合、皮膜が
緻密で且つ強固になるため、より耐食性が良好に
なる。 なお、本発明では、片面にのみクロメート処理
を施し、他面にはクロムを付着させないようにす
ることが重要である。この他方の面に微量でもク
ロムが付着すると化成処理の反応性が劣り、塗装
品質が劣化することになる。 以上のクロメート処理に続き、同じくメツキ面
に対し、有機複合シリケート溶液による片面処理
が行われ、クロメート皮膜上に有機複合シリケー
ト皮膜が形成される。この有機複合シリケートの
皮膜付着量(dry)は、0.5g/m2〜4.0g/m2の
範囲で選定される必要があり、より好ましくは
1.0g/m2〜3.0g/m2の範囲が適当である。付着
量が0.5g/m2以下では十分な耐食性が得られず、
また4.0g/m2以上ではスポツト溶接性が劣化す
るため好ましくない。 有機複合シリケートは、水分散性シリカを必須
成分とし、これに水溶性又は水分散性の有機高分
子樹脂をシラン化合物の存在下で混合して10℃以
上、沸点以下、好ましくは50〜90℃の温度範囲で
反応させることによつて得られる。水分散性シリ
カとは所謂シリカゾル又はコロイダルシリカと呼
ばれている粒子径数十Å〜数千Åのものである。
水溶性又は水分散性の有機高分子樹脂としては、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリエステル、アルキツド、エポキシ、ア
クリル共重合体等があげられるが、シリカと反応
すればいずれの樹脂でもよい。但し、自動車用下
塗り塗料であるカチオン電着塗料(エポキシ樹脂
ベース)の密着性を重視する場合、エポキシ樹脂
が良好であり、有機樹脂分100部に対して少なく
とも30部含有させることが好ましい。また、前記
シラン化合物はシリカと有機樹脂との複合化の際
に反応促進剤として使用する。このシラン化合物
としては、市販のシランカツプリング剤で良く、
例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシド
オキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリメトキシシラン、N=β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン等のトリアルコキシシラン化合物等をあげるこ
とができる。 有機複合シリケートにおける水分散性シリカと
水溶性又は水分散性の有機樹脂との配合割合は固
形分の重量百分比で5:95〜95:5、好ましくは
10:90〜60:40とする。またシラン化合物の添加
割合は、シリカと有機樹脂の固形分総重量に対し
て0.5〜15wt%とする。 以上のようにして得られる有機複合シリケート
は1種か或いは2種以上を混合して用いても良
い。また更に、モリブデンやタングステン或いは
バナジウムの酸素酸若しくはその塩或いはチタニ
ウムかジルコニウムのアルコキシドキシレート化
合物を添加しても良い。これらの添加剤を1種又
は2種以上、シリカゾルと有機樹脂の全固形分に
対して14wt%以下、好ましくは0.2〜8wt%添加
することにより耐食性を向上させることができ
る。更に該有機複合シリケート溶液にメラミン等
の硬化剤を添加すると、より大きな効果がある。 以上のようにクロメート皮膜と有機複合シリケ
ート皮膜を形成せしめた後、本発明においては表
面板温で100〜250℃の加熱処理を施す。本発明で
はこのような温度域の加熱により被覆面の耐食性
がさらに向上するとともに、このような加熱によ
る耐食性向上効果を250℃以下の温度域で達成で
きるため、非被覆面でのテンパーカラーの発生を
適切に防止できる。加熱温度が250℃を超えると、
クロメート皮膜にクラツクが入つたり或いは不動
態化作用のある可溶性Cr6+が減少するなどして耐
食性が劣化するおそれがあり、したがつて250℃
が加熱温度の上限とされる。加熱処理は耐食性の
面から100℃以上の温度で行う必要がある。加熱
方式は所定の温度が得られれば熱風乾燥、赤外線
加熱、インダクシヨンヒーター等、いずれの方式
でもよい。また加熱保持時間は数秒〜数分程度で
あり、長時間の保持は経済的に不利となるだけで
なく、皮膜性能が劣化するおそれもあり好ましく
ない。 この加熱処理の目的は、第1に有機複合シリケ
ート成分中のシリカゾル/シリカゾル、シリカゾ
ル/有機高分子、有機高分子/有機高分子の組合
せによる皮膜熱硬化である。例えばシリカゾルは
常温でも水分の蒸発とともに乾燥皮膜を形成する
性質をもつているが、加熱処理でシリカゾルのシ
ラノール基
【式】間の縮合反応によるシ
ロキサン結合
【式】の形成中、シラノ
ール基と有機樹脂成分の水酸基等との縮合反応に
よりさらに緻密な皮膜になると推定される。加熱
処理の第2の目的は、クロメート皮膜表層のCr6+
が有機複合シリケート皮膜中の水酸基、カルボキ
シル基等の極性基と反応して2層間の結合を強化
することである。さらに、加熱処理の第3の目的
は下地クロメート皮膜の緻密化による耐食性の向
上である。 以上のように本発明方法により製造される鋼板
は片面においては、素地としての亜鉛合金メツキ
により素材自体の腐食を可能な限り防止するとと
もに、その上に下地として塗布型クロメート皮膜
を形成することにより耐食性を向上させ、さらに
その上に上地として有機複合シリケート皮膜でシ
ーリングすることにより腐食環境下で不動態化作
用のあるCr6+の溶出を最低減に抑えることがで
き、優れた耐食性を発揮することができ、また、
有機複合シリケート皮膜自体により、優れたバリ
ア効果による高耐食性とその有機成分による塗装
密着性効果が得られるものであり、全体として優
れた未塗装耐食性と適度の塗装密着性が得られ
る。 一方、非被覆面(鋼板面)は片面クロメート処
理が容易な塗布型クロメートを採用することによ
りクロムの付着もほとんどなく、しかも加熱処理
温度が250℃以下で済むためテンパーカラーの発
生がなく、リン酸塩処理性、塗装性の良好な鋼板
表面性状を得ることができる。 次に本発明の実施例を説明する。 実施例 1 自動車車体対応の鋼板として第1表に示すよう
な異なるメツキ成分及び皮膜付着量と加熱処理温
度の本発明材につき耐食性試験を行つた。また比
較材として第2表に示す各鋼板についても同様の
試験を行つた。 各鋼板のメツキ成分は下記の通りであり、第1
表に示される各鋼板及び第2表中のクロメート皮
膜及び有機複合シリケート皮膜を有する各鋼板に
ついては、メツキ鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・
乾燥し、これに塗布型クロメート処理液をロール
コーターで塗布し或いは電解クロメート処理浴に
浸漬して陰極電解により電極クロメート皮膜を形
成し、乾燥後第2層として有機複合シリケート処
理液をロールコーターで塗布した。さらに乾燥後
加熱処理し、10日間放置後耐食性試験を行つた。 Ni−Zn合金電気メツキ……Ni含有量12% Fe−Zn合金電気メツキ……Fe含有量25% Mn−Zn合金電気メツキ……Mn含有量60% なお、塗装型クロメート処理液、電解クロメー
ト条件、有機複合シリケート処理液及び耐食性試
験の詳細は以下の通りである。 Γ塗布型クロメート処理条件 Cr3+/Cr6+=2/3、PH=2.5(KOHでPH調整)、
固形分20g/のクロメート処理液を常温でロ
ールコーターにて塗布後乾燥した。 Γ電解クロメート処理条件 CrO3:50g/、H2SO4:0.5g/、浴温
50℃の浴により、電流密度0.1〜20A/dm2、
電解時間0.5〜30秒で陰極電解処理し、水洗・
乾燥して皮膜を得た。 〔条件〕 電流密度 電解時間 クロム付着量 0.1A/dm2 2.0sec 0.5mg/m2 4.9 〃 0.5 〃 10.0 〃 4.9A/dm2 2.0sec 40 mg/m2 9.6 〃 4.0 〃 150 〃 20.0 〃 30.0 〃 1500 〃 なお、一部比較例で反応型クロメート処理を
行つたが、その処理は、CrO3:15g/、
Cr6+/Cr3+:3、Zn2+:3g/、H2SO4:
9g/の成分の反応型クロメート処理液で、
50℃、5秒、スプレー1atmで処理する条件で
行つた。 Γ有機複合シリケート処理液 次のように合成したアクリル複合シリケート
とエポキシ複合シリケート(各々有機樹脂:シ
リカゾル=60:40)とを70:30の割合で混合し
て有機複合シリケート処理液とした(PH:95、
固形分20%) A アクリル複合シリケートの合成 温度計、撹拌機、冷却器、滴下ロートを備
えた1の4つ口フラスコにイソプロピルア
ルコール180部を入れ、窒素置換の後フラス
コ内の温度を約85℃に調整し、エチルアクリ
レート140部、メチルメタクリレート68部、
スチレン15部、N−n−ブトキシメチルアク
リルアミド15部、2−ヒドロキシエチルアク
リレート38部、アクリル酸24部からなる単量
体混合物を2、2′−アゾビス(2、4−ジメ
チルクレロ=トリル)6部よりなる触媒とと
もに約2時間を要して滴下する。滴下終了後
同温度でさらに5時間反応を続け、固形分63
%、酸価67の無色透明な樹脂溶液を得た。こ
のアクリル共重合体樹脂溶液500部に対して
38%アンモニア水45部を混合し、水を加えて
十分に撹拌することによつて固形分20%、PH
9.5のアクリル共重合体の水分散液を得た。
この水分散液300部をフラスコ中に仕込み、
室温下で十分に撹拌しながらコロイダルシリ
カ(日産化学工業(株)製、商品名「ストテツク
スN」)所定量を加え、つぎにγ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越
化学工業(株)製、商品名「KBM503」)1部を
撹拌下で滴下混合し、ついで85℃に加熱して
同温度にて2時間保持して反応せしめ、乳白
色で水分散性のアクリル複合シリケートを得
た。 B エポキシ複合シリケートの合成 エポキシ当量950を持つビスフエノールA
タイプのエポキシ樹脂(シエル化学(株)製、商
品名「エピコート10004」)310部、アマニ油
脂肪酸95部、桐油脂肪酸95部、キシレン15部
をフラスコに入れ、窒素を通じながら徐々に
加熱し、240℃まで上昇させた後、冷却し70
℃までに下つた時にエチレングリコールモノ
エチルエーテル200部を加え、固形分70%、
酸化54の油変性エポキシ樹脂溶液を得た。 この油変性エポキシ樹脂溶液から上記Aの
場合と同様な方法でエポキシ複合シリケート
を得た。 Γ耐食性試験 → | | | | | | | ―5%NaCl浸漬 40℃ 30分 ↓ 95%RH湿潤 50℃ 60分 ↓ 乾 燥 60℃ 30分(移行時間も含む) 以上を1サイクルとしたサイクルテストで行
い、250、500及び1000回の各サイクルで各供試
材の赤錆発生面積を評価した。 耐食性試験の結果を各表の右欄に示した。これ
らの表からも明らかなように本発明材が有する片
面の皮膜構造は、従来のジンクメタルや合金メツ
キに較べ優れた耐食性を有していることが判る。
また、第2表の比較材から明らかなように本発明
の条件を逸脱する範囲では、耐食性、スポツト溶
接性、成形性(プレス時の皮膜剥離等)のいずれ
か1つ以上に問題があり、自動車車体用の如き防
錆鋼板としては不向きであるということができ
る。
よりさらに緻密な皮膜になると推定される。加熱
処理の第2の目的は、クロメート皮膜表層のCr6+
が有機複合シリケート皮膜中の水酸基、カルボキ
シル基等の極性基と反応して2層間の結合を強化
することである。さらに、加熱処理の第3の目的
は下地クロメート皮膜の緻密化による耐食性の向
上である。 以上のように本発明方法により製造される鋼板
は片面においては、素地としての亜鉛合金メツキ
により素材自体の腐食を可能な限り防止するとと
もに、その上に下地として塗布型クロメート皮膜
を形成することにより耐食性を向上させ、さらに
その上に上地として有機複合シリケート皮膜でシ
ーリングすることにより腐食環境下で不動態化作
用のあるCr6+の溶出を最低減に抑えることがで
き、優れた耐食性を発揮することができ、また、
有機複合シリケート皮膜自体により、優れたバリ
ア効果による高耐食性とその有機成分による塗装
密着性効果が得られるものであり、全体として優
れた未塗装耐食性と適度の塗装密着性が得られ
る。 一方、非被覆面(鋼板面)は片面クロメート処
理が容易な塗布型クロメートを採用することによ
りクロムの付着もほとんどなく、しかも加熱処理
温度が250℃以下で済むためテンパーカラーの発
生がなく、リン酸塩処理性、塗装性の良好な鋼板
表面性状を得ることができる。 次に本発明の実施例を説明する。 実施例 1 自動車車体対応の鋼板として第1表に示すよう
な異なるメツキ成分及び皮膜付着量と加熱処理温
度の本発明材につき耐食性試験を行つた。また比
較材として第2表に示す各鋼板についても同様の
試験を行つた。 各鋼板のメツキ成分は下記の通りであり、第1
表に示される各鋼板及び第2表中のクロメート皮
膜及び有機複合シリケート皮膜を有する各鋼板に
ついては、メツキ鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・
乾燥し、これに塗布型クロメート処理液をロール
コーターで塗布し或いは電解クロメート処理浴に
浸漬して陰極電解により電極クロメート皮膜を形
成し、乾燥後第2層として有機複合シリケート処
理液をロールコーターで塗布した。さらに乾燥後
加熱処理し、10日間放置後耐食性試験を行つた。 Ni−Zn合金電気メツキ……Ni含有量12% Fe−Zn合金電気メツキ……Fe含有量25% Mn−Zn合金電気メツキ……Mn含有量60% なお、塗装型クロメート処理液、電解クロメー
ト条件、有機複合シリケート処理液及び耐食性試
験の詳細は以下の通りである。 Γ塗布型クロメート処理条件 Cr3+/Cr6+=2/3、PH=2.5(KOHでPH調整)、
固形分20g/のクロメート処理液を常温でロ
ールコーターにて塗布後乾燥した。 Γ電解クロメート処理条件 CrO3:50g/、H2SO4:0.5g/、浴温
50℃の浴により、電流密度0.1〜20A/dm2、
電解時間0.5〜30秒で陰極電解処理し、水洗・
乾燥して皮膜を得た。 〔条件〕 電流密度 電解時間 クロム付着量 0.1A/dm2 2.0sec 0.5mg/m2 4.9 〃 0.5 〃 10.0 〃 4.9A/dm2 2.0sec 40 mg/m2 9.6 〃 4.0 〃 150 〃 20.0 〃 30.0 〃 1500 〃 なお、一部比較例で反応型クロメート処理を
行つたが、その処理は、CrO3:15g/、
Cr6+/Cr3+:3、Zn2+:3g/、H2SO4:
9g/の成分の反応型クロメート処理液で、
50℃、5秒、スプレー1atmで処理する条件で
行つた。 Γ有機複合シリケート処理液 次のように合成したアクリル複合シリケート
とエポキシ複合シリケート(各々有機樹脂:シ
リカゾル=60:40)とを70:30の割合で混合し
て有機複合シリケート処理液とした(PH:95、
固形分20%) A アクリル複合シリケートの合成 温度計、撹拌機、冷却器、滴下ロートを備
えた1の4つ口フラスコにイソプロピルア
ルコール180部を入れ、窒素置換の後フラス
コ内の温度を約85℃に調整し、エチルアクリ
レート140部、メチルメタクリレート68部、
スチレン15部、N−n−ブトキシメチルアク
リルアミド15部、2−ヒドロキシエチルアク
リレート38部、アクリル酸24部からなる単量
体混合物を2、2′−アゾビス(2、4−ジメ
チルクレロ=トリル)6部よりなる触媒とと
もに約2時間を要して滴下する。滴下終了後
同温度でさらに5時間反応を続け、固形分63
%、酸価67の無色透明な樹脂溶液を得た。こ
のアクリル共重合体樹脂溶液500部に対して
38%アンモニア水45部を混合し、水を加えて
十分に撹拌することによつて固形分20%、PH
9.5のアクリル共重合体の水分散液を得た。
この水分散液300部をフラスコ中に仕込み、
室温下で十分に撹拌しながらコロイダルシリ
カ(日産化学工業(株)製、商品名「ストテツク
スN」)所定量を加え、つぎにγ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越
化学工業(株)製、商品名「KBM503」)1部を
撹拌下で滴下混合し、ついで85℃に加熱して
同温度にて2時間保持して反応せしめ、乳白
色で水分散性のアクリル複合シリケートを得
た。 B エポキシ複合シリケートの合成 エポキシ当量950を持つビスフエノールA
タイプのエポキシ樹脂(シエル化学(株)製、商
品名「エピコート10004」)310部、アマニ油
脂肪酸95部、桐油脂肪酸95部、キシレン15部
をフラスコに入れ、窒素を通じながら徐々に
加熱し、240℃まで上昇させた後、冷却し70
℃までに下つた時にエチレングリコールモノ
エチルエーテル200部を加え、固形分70%、
酸化54の油変性エポキシ樹脂溶液を得た。 この油変性エポキシ樹脂溶液から上記Aの
場合と同様な方法でエポキシ複合シリケート
を得た。 Γ耐食性試験 → | | | | | | | ―5%NaCl浸漬 40℃ 30分 ↓ 95%RH湿潤 50℃ 60分 ↓ 乾 燥 60℃ 30分(移行時間も含む) 以上を1サイクルとしたサイクルテストで行
い、250、500及び1000回の各サイクルで各供試
材の赤錆発生面積を評価した。 耐食性試験の結果を各表の右欄に示した。これ
らの表からも明らかなように本発明材が有する片
面の皮膜構造は、従来のジンクメタルや合金メツ
キに較べ優れた耐食性を有していることが判る。
また、第2表の比較材から明らかなように本発明
の条件を逸脱する範囲では、耐食性、スポツト溶
接性、成形性(プレス時の皮膜剥離等)のいずれ
か1つ以上に問題があり、自動車車体用の如き防
錆鋼板としては不向きであるということができ
る。
【表】
【表】
*冷延鋼板のうえに第1層としてダクロメツト
(クロム付着量として300mg/m2)を塗布し、
170℃加熱後第2層としてジンクロメツト(膜
厚2μ)を塗布し、270℃にて焼付。 耐食性評価基準 ◎…赤さび発生面積 0〜2 % 〇… 〃 3〜 10% △… 〃 11〜 50% ×… 〃 51〜100% 実施例 2 本実施例は非被覆面(鋼板面)の表面性状を調
べたもので、各種片面亜鉛合金メツキ鋼板のメツ
キ面にクロメート処理及び有機複合シリケート処
理を施した後、加熱処理して製造した供試材につ
き、非被覆面におけるテンパーカラー発生状況と
化成処理性を調べた。その結果を比較材とともに
第3表に示す。 なお、リン酸塩処理に関する化成処理性の調査
は次のような手順で行つた。供試材→脱脂(日本
パーカライジング社製「FC4357」28g/、55
〜60℃、120sec dip)→水洗→表面調整(日本パ
ーカライジング社製「RL4031」1g/、10sec
spray)→リン酸塩処理(日本パーカライジング
社製「Bt 3004」TA22ポイント、FAI1ポイン
ト、AC1.5〜2.0、48〜52℃、120sec dip)→水洗
→純水水洗→乾燥→結晶外観を走査型電子顕微鏡
(X1000〜2000倍)で観察。 第3表からも明らかなように、本発明法により
得られる鋼板の非被覆面は通常の冷延鋼板と変ら
ない表面性状を示していることが判る。これに対
して、本発明の加熱温度の上限を超えて加熱処理
しているジンクロメタルをはじめとする他の鋼板
では、テンパーカラーの発生及びリン酸塩処理性
の劣化という問題を生じている。
(クロム付着量として300mg/m2)を塗布し、
170℃加熱後第2層としてジンクロメツト(膜
厚2μ)を塗布し、270℃にて焼付。 耐食性評価基準 ◎…赤さび発生面積 0〜2 % 〇… 〃 3〜 10% △… 〃 11〜 50% ×… 〃 51〜100% 実施例 2 本実施例は非被覆面(鋼板面)の表面性状を調
べたもので、各種片面亜鉛合金メツキ鋼板のメツ
キ面にクロメート処理及び有機複合シリケート処
理を施した後、加熱処理して製造した供試材につ
き、非被覆面におけるテンパーカラー発生状況と
化成処理性を調べた。その結果を比較材とともに
第3表に示す。 なお、リン酸塩処理に関する化成処理性の調査
は次のような手順で行つた。供試材→脱脂(日本
パーカライジング社製「FC4357」28g/、55
〜60℃、120sec dip)→水洗→表面調整(日本パ
ーカライジング社製「RL4031」1g/、10sec
spray)→リン酸塩処理(日本パーカライジング
社製「Bt 3004」TA22ポイント、FAI1ポイン
ト、AC1.5〜2.0、48〜52℃、120sec dip)→水洗
→純水水洗→乾燥→結晶外観を走査型電子顕微鏡
(X1000〜2000倍)で観察。 第3表からも明らかなように、本発明法により
得られる鋼板の非被覆面は通常の冷延鋼板と変ら
ない表面性状を示していることが判る。これに対
して、本発明の加熱温度の上限を超えて加熱処理
しているジンクロメタルをはじめとする他の鋼板
では、テンパーカラーの発生及びリン酸塩処理性
の劣化という問題を生じている。
【表】
【表】
〓 ×…粗大 〓
Claims (1)
- 1 鋼板の片面に亜鉛合金メツキを施し付着量1
g/m2以上の亜鉛合金メツキ皮膜を形成せしめた
後、該メツキ面のみに対し、塗布型クロメート処
理を施すことにより付着量1000mg/m2のクロメー
ト皮膜を形成せしめ、続いて有機複合シリケート
溶液で処理を行つてクロメート皮膜の上に付着量
0.5〜4.0g/m2の有機複合シリケート皮膜を形成
せしめ、その後100〜250℃で鋼板を加熱処理する
ことを特徴とする自動車用片面高耐食性被覆鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58157768A JPS6050179A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 片面高耐食性被覆鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58157768A JPS6050179A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 片面高耐食性被覆鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6050179A JPS6050179A (ja) | 1985-03-19 |
| JPH0360919B2 true JPH0360919B2 (ja) | 1991-09-18 |
Family
ID=15656883
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58157768A Granted JPS6050179A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 片面高耐食性被覆鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6050179A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63143265A (ja) * | 1986-12-05 | 1988-06-15 | Kawasaki Steel Corp | 焼付硬化性に優れた有機被覆鋼板の製造方法 |
| US4775600A (en) * | 1986-03-27 | 1988-10-04 | Nippon Kokan Kabushiki Kaisha | Highly corrosion-resistant surface-treated steel plate |
| JPS6335798A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-16 | Nippon Steel Corp | カチオン電着塗装用有機複合鋼板 |
| JPS63203778A (ja) * | 1987-02-19 | 1988-08-23 | Nippon Steel Corp | 高耐食性複層分散めつき鋼板 |
| JPS63283935A (ja) * | 1987-05-18 | 1988-11-21 | Nippon Steel Corp | 有機複合鋼板 |
| JPH01127084A (ja) * | 1987-11-11 | 1989-05-19 | Nippon Steel Corp | 鮮映性及び耐クレータリング性に優れた表面処理鋼板の製造法 |
| JPH0243398A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-02-13 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れた有機複合めっき鋼板 |
| JPH02277799A (ja) * | 1988-09-19 | 1990-11-14 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れた有機複合めっき鋼板 |
| JPH0387399A (ja) * | 1990-03-07 | 1991-04-12 | Nippon Steel Corp | 耐食性に優れた有機複合めっき鋼板 |
| US7077895B2 (en) | 2001-10-30 | 2006-07-18 | Kansai Paint Co., Ltd. | Coating compound for forming titanium oxide film, method for forming titanium oxide film and metal susbstrate coated with titanium oxide film |
| JP7417888B2 (ja) * | 2019-02-28 | 2024-01-19 | 奥野製薬工業株式会社 | 亜鉛系複合めっき液、亜鉛系複合めっき皮膜の形成方法、及び複合酸化物皮膜の形成方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6033192B2 (ja) * | 1980-12-24 | 1985-08-01 | 日本鋼管株式会社 | 耐食性、塗料密着性、塗装耐食性のすぐれた複合被覆鋼板 |
| JPS5834179A (ja) * | 1981-08-24 | 1983-02-28 | Nisshin Steel Co Ltd | 亜鉛メツキ鋼板の表面処理方法 |
| JPS58177476A (ja) * | 1982-04-12 | 1983-10-18 | Kawasaki Steel Corp | 電気亜鉛めつき鋼板の表面処理法 |
-
1983
- 1983-08-31 JP JP58157768A patent/JPS6050179A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6050179A (ja) | 1985-03-19 |
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