JPH0365157B2 - - Google Patents
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- JPH0365157B2 JPH0365157B2 JP57129370A JP12937082A JPH0365157B2 JP H0365157 B2 JPH0365157 B2 JP H0365157B2 JP 57129370 A JP57129370 A JP 57129370A JP 12937082 A JP12937082 A JP 12937082A JP H0365157 B2 JPH0365157 B2 JP H0365157B2
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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- C07H15/20—Carbocyclic rings
- C07H15/24—Condensed ring systems having three or more rings
- C07H15/252—Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/20—Bacteria; Culture media therefor
- C12N1/205—Bacterial isolates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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- C12P19/00—Preparation of compounds containing saccharide radicals
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C12R—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
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Description
本発明はダウノマイシン(別名ダウノルビシ
ン)と命名された抗癌性抗生物質を製造する新し
い方法に関し、更に詳しくは、ストレプトミセス
属に属するダウノマイシン並びにバウマイシンA
又はBを同時に生産する微生物に由来し、バウマ
イシンA又はBの生産能が欠失したダウノマイシ
ンを生産する能力を有する変異菌株を栄養培地で
培養し、該培養物からダウノマイシンを採取する
ことを特徴とする、ダウノマイシンの製造方法を
提供するものである。 次式 で示されるダウノマイシンは、アントラサイクリ
ン系抗生物質に属し、癌化学療法上、重要な臨床
用制癌剤の1つで、特に急性白血病の治療には不
可欠の薬剤である。 本物質の製造に関しては、ストレプトミセス
ピユセテイウス(Streptomyces peucetius)N.
C.I.B、9475を培養することにより取得する方法
(特公昭44−18913号公報参照)、ストレプトミセ
ス コエルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)NRRL 3045及びNRRL 3046
を培養し、得られる抗生物質コンプレツクスを酸
処理により有効に変換し取得する方法(特公昭45
−24961号公報参照)、ストレプトミセス グリセ
ウス バラエテイ ルビドフアシエンス
(Streptomyces griseus var.rubidofaciens)DS
32041を培養することにより取得する方法(特公
昭50−15880号公報参照)及びストレプトミセス
ビフアルカス(Streptomyces bifurcus)DS
23219を培養する方法(特公昭52−18279号公報参
照)が知られている。 しかしながら、ダウノマイシン生産菌として認
められているストレプトミセス コエルレオルビ
ダス(Streptomyces coeruleorubidus)の一菌
株ME130−A4によるバウマイシン類の生産(特
公昭56−20319号公報及びJ.Antibiotics 30,619
−621,622−624,1977)で明らかにされた様に、
上記特許公報に記載のダウノマイシン生産菌は本
来発酵プロス中に最終生産物としてダウノマイシ
ンを生産蓄積すると同時にダウノマイシンのダウ
ノサミンC−4′位に更に中性糖様物質の結合した
次式 式中、Rは基
ン)と命名された抗癌性抗生物質を製造する新し
い方法に関し、更に詳しくは、ストレプトミセス
属に属するダウノマイシン並びにバウマイシンA
又はBを同時に生産する微生物に由来し、バウマ
イシンA又はBの生産能が欠失したダウノマイシ
ンを生産する能力を有する変異菌株を栄養培地で
培養し、該培養物からダウノマイシンを採取する
ことを特徴とする、ダウノマイシンの製造方法を
提供するものである。 次式 で示されるダウノマイシンは、アントラサイクリ
ン系抗生物質に属し、癌化学療法上、重要な臨床
用制癌剤の1つで、特に急性白血病の治療には不
可欠の薬剤である。 本物質の製造に関しては、ストレプトミセス
ピユセテイウス(Streptomyces peucetius)N.
C.I.B、9475を培養することにより取得する方法
(特公昭44−18913号公報参照)、ストレプトミセ
ス コエルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)NRRL 3045及びNRRL 3046
を培養し、得られる抗生物質コンプレツクスを酸
処理により有効に変換し取得する方法(特公昭45
−24961号公報参照)、ストレプトミセス グリセ
ウス バラエテイ ルビドフアシエンス
(Streptomyces griseus var.rubidofaciens)DS
32041を培養することにより取得する方法(特公
昭50−15880号公報参照)及びストレプトミセス
ビフアルカス(Streptomyces bifurcus)DS
23219を培養する方法(特公昭52−18279号公報参
照)が知られている。 しかしながら、ダウノマイシン生産菌として認
められているストレプトミセス コエルレオルビ
ダス(Streptomyces coeruleorubidus)の一菌
株ME130−A4によるバウマイシン類の生産(特
公昭56−20319号公報及びJ.Antibiotics 30,619
−621,622−624,1977)で明らかにされた様に、
上記特許公報に記載のダウノマイシン生産菌は本
来発酵プロス中に最終生産物としてダウノマイシ
ンを生産蓄積すると同時にダウノマイシンのダウ
ノサミンC−4′位に更に中性糖様物質の結合した
次式 式中、Rは基
【式】(バウマイシン
A)又は基
【式】(バウマイシンB)
を表わす。
で示されるバウマイシンA又はBを生産蓄積する
性質を有している。従つて、これらの発酵ブロス
よりダウノマイシンを有効に取得するためには、
発酵ブロスを強い酸性下(PH2.0以下)で抽出乃
至は更に熱処理(例えば特公昭45−24961号公報
参照)することにより、C−4′位に結合している
中性糖を離脱させダウノマイシンに変換せしめる
必要がある。本操作は上記のいずれの特許公報等
にも明記されている基本的操作である。なお、バ
ウマイシン類に結合しているのと全く同一の中性
糖によるダウノサミンC−4′位の修飾は、カルミ
ノマイシン生産菌株(J.Antibiotics 27,254,
34,774)でも明らかにされており、ダウノマイ
シン、カルミノマイシンなど同一群に属するアン
トラサイクリン抗生物質生産菌株に共通した特徴
といえる。 本発明者らは、バウマイシン類がダウノマイシ
ンより生合成されることを明らかにしており、
(例えばJ.Antibiotics,33,1158)これらの知見
に従い生合成経路上の一点、即ちダウノマイシン
に中性糖を結合せしめる酵素反応を欠失した変異
菌株を選別単離することにより、ダウノマイシン
類縁化合物を生産することなくダウノマイシンを
直接最終生産物として蓄積、取得することが可能
であるとの考えに基いて鋭意研究した結果、ダウ
ノマイシン及びバウマイシンの生産菌ストレプト
ミセス コエルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)ME130−A4(微工研菌寄第
3540号及びATCC 31276)の変異処理により、バ
ウマイシン類を全く生産せずに、それらの前駆体
であるダウノマイシンを生産するように変化した
目的の変異菌株の単離に成功した。 本菌株の如き性質を有する変異株の単離につい
ては、今までまだ報告されておらず、本発明者ら
により初めて取得されたものである。 しかして、本発明によれば、ダウノマイシン並
びにバウマイシンA又はBを同時に生産する微生
物としては、前記ストレプトミセス8899、ストレ
プトミセス ピユセテイウス、ストレプトミセス
グリセウス バライエテイ ルビドフアシエン
スDS 32041、ストレプトミセス ビフアーカス
DS 23219若しくはストレプトミセス コエル
レオルビダスME130−A4又はそれらの変異菌株
を挙げることができるが、これらの菌株以外でも
ダウノマイシン並びにバウマイシンA又はBを同
時に生産するストレプトミセス属に属する微生物
であれば、いずれも本発明に用いられるバウマイ
シンA又はBの生産能が欠失したダウノマイシン
を生産する能力を有する変異菌株の親菌株として
用いることができる。これらのうち、本発明にお
いて好適に用いられるものとしては、ストレプト
ミセス コエルレオルビダスME130−A4(微工研
菌寄第3540号及びATCC 31276)及びこれに近似
するストレプトミセス8899(NRRL 3046)が挙
げられる。 また、バウマイシンA又はBの生産能が欠失し
たダウノマイシンを生産する変異菌株としては上
記ストレプトミセス属に属する微生物に由来する
もので、ダウノマイシン並びにバウマイシンA又
はBを同時に生産する菌株の変異によつて得られ
るバウマイシンA又はBの生産能が欠失したダウ
ノマイシンを生産する菌株が全て含まれるが、好
適なものとしては、前記ME130−A4菌株を変異
処理することによつて得られるストレプトミセス
コエルレオルビダス3T−373菌株を挙げること
ができる。 本発明の目的に適する変異菌株を単離するに
は、ダウノマイシン並びにバウマイシンA又はB
を同時に生産することが知られている前述の菌株
をそれ自体公知である通常の変異処理により取得
することが出来る。その一例を示せば、ストレプ
トミセス コエルレオルビダスME130−A4菌株
をYS寒天(0.3%酵母エキス、1%可溶性デンプ
ン、1.5%寒天、PH7.2)斜面に接種し、一週間28
℃で培養する。着生する胞子をエーゼにてかき集
め、5mlの無菌0.1Mトリスー1mM EDTA緩
衝液(PH8.5)に採り、超音波処理(Tomy
Seiko,Ultrasonic Disruptor,model UR−
200Pで15秒間)を行い、次いで無菌脱脂綿をパ
ツクした小ガラス管(φ1.2×2.0cm)を通過させ、
ほぼ純粋な均一胞子液4.5mlを得る。これに10
mg/ml濃度のN−メチル−N′−ニトロ−N−ニ
トロソグアニジン(NTG)水溶液を0.5ml添加
し、ゆるやかに振盪しながら28℃で60分間変異処
理を行う。この時点での殺菌率は92.6%であつ
た。処理後、無菌生理食塩水で適当に希釈し、そ
の0.1mlをYS寒天(前出)をプレートし固化させ
たシヤレー平板上に塗布し、28℃で5日間培養す
る。生じるコロニーをYS寒天斜面(前出)に単
離し、培養して以下の方法によりダウノマイシン
生産性を検する。 まず以下に示す種母用培地4mlを分注滅菌した
試験管に、上記単離菌株を一白金耳接種し、28℃
で2日間、往復振盪培養する。 種母用培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% エスサンミート(味の素社製、大豆粉) 1.0% 酵母エキス 0.1% NaCl 0.1% K2HPO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.1% 水道水 PH7.4 次いで下記の本培養培地20mlを分注滅菌した
250−ml容三角フラスコに全量接種し、28℃で7
日間、ロータリーシエカー上で振盪培養する。 本培養培地 台湾酵母 5% 酵母エキス 0.3% 可溶性デンプン 7.5% NaCl 0.2% CaCO3 0.3% ミネラル* 0.125% 水道水 PH8.0 *CuSO4・5H2O 2.8g,FeSO4・7H2O 0.4g,
MnCl2・4H2O 3.2g,ZnSO4・7H2O 0.8gを
蒸溜水500mlに溶解したもの。 各培養フラスコより、ブロス1mlをサンプリン
グし、これにアセトン2mlを加え、サーモミキサ
ーにて攪拌し生成物を液層に抽出する。遠心処理
により上澄と菌体に分ち、上澄区分の20μをシ
リカゲル薄層(メルク社製、F254)の下端より2
cmの位置に1cm間隔でスポツトし、クロロホル
ム/メタノール/水/酢酸(80/20/2/0.2)
で展開し、ダウノマイシン標準品と比較する。親
菌株及び変異処理の大部分はバウマイシン類
(A1,A2,B1,B2等)及びアグリコン類から成
る、多数の赤橙色のスポツトを与えるが、本発明
のダウノマイシン生産性変異株では僅かにジヒド
ロダウノマイシンの微少スポツトを認めるが、ダ
ウノマイシン以外のアントラサイクリングリコシ
ドのスポツトは検出されない。 以上の方法により、本発明の目的に適する変異
菌株はおよそ変異処理コロニー5000菌株中、1個
の割合で取得された。 かくして得られる菌株の一つであるストレプト
ミセス コエルレオルビダス3T−373株の菌学的
性状を下記に示す。 1 形態 3T−373株は分枝した基中菌糸より直線状あ
るいは鉤状の気菌糸を形成し、輪生枝は見られ
ない。成熟胞子鎖は10ケ以上で、胞子の大きさ
は0.4〜0.8×1.2〜2.0ミクロン位で、胞子の表
面は殆んど平滑である。時に一部の胞子の表面
に刺状突起の痕跡様の突起が僅かに認められる
事がある。 2 各種培地における成育状態 (1) シユークローズ・硝酸塩寒天培地(28℃培
養) うすだいだい或はにぶだいだい、ないしは
明るい茶(4ea〜4gc)の発育上に、灰黄味
ピンク(5cd)の気菌糸を着生し、溶解性色
素の生成は殆んど認められない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地(28℃
培養) 灰黄或は明るいオレンジ黄、ないしはうす
だいだい(3ee〜3ea〜4ea)の発育をなす。 気菌糸は殆んど形成されず、溶解性色素も
殆んど生成されない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
−培地5、28℃) うすだいだい(4ea)或はだいだい、ない
しは暗いだいだいの発育上に灰黄味ピンク
(5cb)の気菌糸を着生し、溶解性色素は僅
かにだいだい色を帯びる。 (4) 無機塩・スターチ寒天培地(ISP−培地
4、28℃) 明るい橙黄或はうすだいだい(3ea〜
4ea)、ないしは赤味だいだいの発育上に、
灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を着生し、溶
解性色素はピンクを、或は僅かにピンク色を
帯びる。 (5) チロジン寒天培地(ISP−培地7、28℃) うすだいだい(4ea)或は黄茶、ないしは
赤味だいだいの発育上に、紫を帯びた白
(13ba)ないし灰黄味ピンク(5cb)の気菌
糸を着生し、溶解性色素は殆んど認められな
い。培養長期(約20日)に及ぶとだいだい色
を帯びる。 (6) 栄養寒天培地(28℃培養) 赤ないし暗い赤の発育上に、灰黄味ピンク
(5cb)ないし極うすい紫(11ca)の気菌糸
を着生し、溶解性色素はピンク色を帯びる。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、
28℃) にぶだいだい(4gc)或は黄茶、ないしは
赤味茶の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気
菌糸をはじめはうつすらと、培養後14日目頃
より豊富に着生し、溶解性色素はだいだい色
を僅かに帯びる。 (8) オートミル寒天培地(ISP−培地、28℃) 明るい赤茶(5gc)或は赤茶、ないしは茶
の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を
着生し、溶解性色素は極く僅かにピンク色を
帯びる。 (9) グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(20
℃培養) 黄茶ないし暗い茶の発育上に、うすく白色
の気菌糸を僅かに着生し、溶解性色素は僅か
に茶色を呈する。 (10) 脱脂牛乳培地(28℃) 表面に発育し、カゼインは凝固しないが、
ペプトン化を生ずる。溶解性色素は茶色味を
呈する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲20℃、25℃、30℃、37℃、46
℃、50℃の各温度で試験の結果、46℃及び50
℃を除いていずれの温度でも生育したが、最
適温度は30℃〜37℃付近と思われる。 (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地、20℃培養、20日間) 液化する。 (3) スターチの加水分解(無機塩・スターチ寒
天培地、28℃培養) スターチを水解する。 (4) 脱脂乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培
地、28℃培養) 凝固は殆んどしないが、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イー
スト・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イ
ースト・鉄寒天、ISP−培地6;チロシン寒
天、ISP−培地7、何れも28℃培養) チロシン寒天培地に於けるメラニン様色素
の生成は始んどないか或は生成しても痕跡程
度認められた。しかし他の2種類の培地には
明らかにメラニン様色素の生成が認められ
る。 (6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ
寒天培地、ISP−培地9、28℃培養) L−アラビノース、D−キシロース、D−
グリコース、D−フラクトース、シユクロー
ス、イノシトール、D−マンニツトを利用し
てよく発育する。L−ラムノース、ラフイノ
ースの利用は僅かで疑わしい。 本菌株は、昭和57年7月13日付にて、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第165号
(FERM BP−165)として国際寄託されている。 本発明によるダウノマイシンの製造は、ストレ
プトミセス属に属するダウノマイシン及びその類
縁化合物を同時に生産する微生物に由来し、ダウ
ノマイシン類縁化合物の生産能が欠失したダウノ
マイシンを生産する能力を有する変異菌株、例え
ば、上記ストレプトミセス コエルレオルビダス
3T−373の胞子または菌糸を栄養源含有培地に接
種して、好気的に増殖させることによつて生産さ
れる。 その栄養源としては、放線菌の栄養源として通
常使用されるもの、例えば炭素源としてはグルコ
ース、グリセリン、蔗糖、殿粉、マルトース、動
植物油などが使用でき、窒素源としては例えば大
豆粉、肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コーン
ステイーブ・リカー、綿実粕などの有機物並びに
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アン
モニウム、リン酸アンモニウムなどの無機体窒素
が使用できる。又必要に応じて食塩、塩化カリウ
ム、リン酸塩、その他重金属塩などの無機塩類及
びビタミン類を添加する他、発酵中の発泡を抑制
するため、例えばシリコーン(信越化学K.K.製
−KM75;商標)などの消泡剤を適宜添加するこ
とができる。 温度、PH、通気攪拌および発酵時間のような発
酵条件は用いられる菌株が最大量の該化合物を蓄
積するように選択する。例えば、発酵条件として
は20〜40℃、好ましくは28℃の温度でPH5〜9、
好ましくは7.4において1〜5日間、好ましくは
3日間行うのが有利である。 発酵培養物よりダウノマイシンを単離するに
は、アントラサイクリン系抗生物質の製造の技術
分野に於ける通常の手段、例えば遠心操作による
か、あるいは適当なケイ藻土の如き過助剤の存
在下に培養液を過し、菌体と液に分離した
後、菌体からはアセトン、メタノール、エタノー
ルもしくはブタノール等の水と混和する有機溶媒
を用いて抽出し、また液からは、クロロホル
ム、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて抽出するこ
とができるが、これらの溶媒を適宜選択すること
により、菌体を予め分別することなく培養物から
直接抽出することも可能である。 抽出物は、一般に数種の類縁化合物を包含する
ため、目的物を単離するには、更に、シリカゲル
等を用いるクロマトグラフイー、セフアデツクス
LH−20(フアルマシヤ社製)、バイオ・ゲルP−
2(バイオ・ラツド社製)等によるゲル過メタ
クリル又はアクリル系弱酸性陽イオン交換樹脂等
による吸着及び溶出等をそれぞれ単独で或いは適
宜組合せて、さらに場合によつては反復して使用
される。 なお、前述したとおり、従来はダウノマイシン
含有培養物からダウノマイシンを回収するに際し
て、ダウノマイシンの類縁化合物をダウノマイシ
ンに変換せしめる処理を施した後、前記回収手段
を講ずることが高収率下にダウノマイシンを得る
ために必要であるが、本発明の方法によれば、か
かる処理を特別には要しないだけでなく、上記の
クロマトグラフイー処理等も簡便に実施できるた
めダウノマイシンを高収率で回収単離し得る。 以下に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例 ストレプトミセス コエルレオルビダス
(Streptomyces coeruleorubidus)3T−373菌株
のYS斜面培養より一白金耳を採り、下記する種
母培地100mlを分注殺菌した500−ml容三角フラス
コに接種し、28℃、ロータリーシエーカー
(220rpm)にて2日間振盪培養して種母を作成し
た。 種母培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% エスサンミート(大豆粉、味の素社製) 1.0% 酵母エキス 0.1% NaCl 0.1% K2HPO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.1% 水道水 PH7.4(殺菌前) 次いで、下記組成の生産培地15リツトルを入
れ、殺菌した30リツトル容ジヤーフアーメンター
2基に上記の種母培養液を、一基当り750ml(5
%に相当)ずつ添加接種した。 生産培地 台湾酵母 5% 可溶性デンプン 7.5% 酵母エキス 0.3% NaCl 0.2% CaCO3 0.3% ミネラル混液* 0.125% 水道水 PH80(加熱殺菌前) *CuSO4・5H2O 2.8g、FeSO4・7H2O 0.4g、
MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO4・7H2O 0.8gを
蒸溜水500mlに溶解したもの。 通気量5リツトル/分、攪拌450回転/分で、
28℃、120時間培養すると培養液は濃赤褐色を呈
し、培養液1ml中およそ380μgのダウノマイシ
ンを蓄積した。なお、ダウノマイシンの定量はダ
ウノマイシン抽出液を適当に希釈し、その10〜
20μを薄層シリカゲルプレート(F254、メルク
社製)の下端より2cm位置にスポツトし、クロロ
ホルム/メタノール/水/酢酸(80/20/2/
0.2)で展開し、ダウノマイシンスポツトを薄層
用クロマトスキヤンナー(島津製作所製CS−910
型)で測定し、標準曲線より算定して定量した。 培養120時間後、発酵を中止し、ジヤーフアー
メンター2基より培養液を集め(総量27リツト
ル)、遠心操作により菌体と液に分離する。
液中のダウノマイシンは総量10リツトルのクロロ
ホルムで抽出した。一方、菌体区分のダウノマイ
シンは総量8リツトルのアセトンで抽出し、その
抽出上清をおよそ1/3量まで減圧濃縮する。次い
でクロロホルム2リツトルで2回抽出した。前記
液からのクロロホルム抽出液と合せ、濃縮乾涸
すると、純度およそ50%の粗ダウノマイシン標品
8.47gが得られた。 実施例 実施例で得た粗標品全量を3リツトルの
0.1M酢酸(PH3.0)に懸濁、溶解させ、不溶物を
過にて除去した。上清を4N苛性ソーダー溶液
で中和し、PHを8.0に調節したのち、再びクロロ
ホルムで抽出した。クロロホルム抽出層を水洗、
芒硝で乾燥させたのち、少量まで濃縮し、過剰の
n−ヘキサンを添加して沈殿させ、過にて集積
せしめ、真空乾燥すると、赤褐色の純度およそ85
%のダウノマイシン粉末4.57gが得られた。 次いで、このダウノマイシン粉末全量をクロロ
ホルム300mlに溶解し、これにシリカゲル
(Art.7734メルク社製)20gを加え、混合吸着せ
しめ減圧濃縮乾涸した。これを同シリカゲル150
gをクロロホルムに懸濁し充填したカラム(φ5.2
×16cm)上にのせ、クロロホルム/メタノール/
水(15/2/0.2)の5リツトルで展開溶出した。
ダウノマイシン溶出区分を集め、水洗したのち、
芒硝を加えて乾燥させ、濃縮乾涸して純度98.5%
のダウノマイシンの赤褐色粉末3.31gを取得し
た。
性質を有している。従つて、これらの発酵ブロス
よりダウノマイシンを有効に取得するためには、
発酵ブロスを強い酸性下(PH2.0以下)で抽出乃
至は更に熱処理(例えば特公昭45−24961号公報
参照)することにより、C−4′位に結合している
中性糖を離脱させダウノマイシンに変換せしめる
必要がある。本操作は上記のいずれの特許公報等
にも明記されている基本的操作である。なお、バ
ウマイシン類に結合しているのと全く同一の中性
糖によるダウノサミンC−4′位の修飾は、カルミ
ノマイシン生産菌株(J.Antibiotics 27,254,
34,774)でも明らかにされており、ダウノマイ
シン、カルミノマイシンなど同一群に属するアン
トラサイクリン抗生物質生産菌株に共通した特徴
といえる。 本発明者らは、バウマイシン類がダウノマイシ
ンより生合成されることを明らかにしており、
(例えばJ.Antibiotics,33,1158)これらの知見
に従い生合成経路上の一点、即ちダウノマイシン
に中性糖を結合せしめる酵素反応を欠失した変異
菌株を選別単離することにより、ダウノマイシン
類縁化合物を生産することなくダウノマイシンを
直接最終生産物として蓄積、取得することが可能
であるとの考えに基いて鋭意研究した結果、ダウ
ノマイシン及びバウマイシンの生産菌ストレプト
ミセス コエルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)ME130−A4(微工研菌寄第
3540号及びATCC 31276)の変異処理により、バ
ウマイシン類を全く生産せずに、それらの前駆体
であるダウノマイシンを生産するように変化した
目的の変異菌株の単離に成功した。 本菌株の如き性質を有する変異株の単離につい
ては、今までまだ報告されておらず、本発明者ら
により初めて取得されたものである。 しかして、本発明によれば、ダウノマイシン並
びにバウマイシンA又はBを同時に生産する微生
物としては、前記ストレプトミセス8899、ストレ
プトミセス ピユセテイウス、ストレプトミセス
グリセウス バライエテイ ルビドフアシエン
スDS 32041、ストレプトミセス ビフアーカス
DS 23219若しくはストレプトミセス コエル
レオルビダスME130−A4又はそれらの変異菌株
を挙げることができるが、これらの菌株以外でも
ダウノマイシン並びにバウマイシンA又はBを同
時に生産するストレプトミセス属に属する微生物
であれば、いずれも本発明に用いられるバウマイ
シンA又はBの生産能が欠失したダウノマイシン
を生産する能力を有する変異菌株の親菌株として
用いることができる。これらのうち、本発明にお
いて好適に用いられるものとしては、ストレプト
ミセス コエルレオルビダスME130−A4(微工研
菌寄第3540号及びATCC 31276)及びこれに近似
するストレプトミセス8899(NRRL 3046)が挙
げられる。 また、バウマイシンA又はBの生産能が欠失し
たダウノマイシンを生産する変異菌株としては上
記ストレプトミセス属に属する微生物に由来する
もので、ダウノマイシン並びにバウマイシンA又
はBを同時に生産する菌株の変異によつて得られ
るバウマイシンA又はBの生産能が欠失したダウ
ノマイシンを生産する菌株が全て含まれるが、好
適なものとしては、前記ME130−A4菌株を変異
処理することによつて得られるストレプトミセス
コエルレオルビダス3T−373菌株を挙げること
ができる。 本発明の目的に適する変異菌株を単離するに
は、ダウノマイシン並びにバウマイシンA又はB
を同時に生産することが知られている前述の菌株
をそれ自体公知である通常の変異処理により取得
することが出来る。その一例を示せば、ストレプ
トミセス コエルレオルビダスME130−A4菌株
をYS寒天(0.3%酵母エキス、1%可溶性デンプ
ン、1.5%寒天、PH7.2)斜面に接種し、一週間28
℃で培養する。着生する胞子をエーゼにてかき集
め、5mlの無菌0.1Mトリスー1mM EDTA緩
衝液(PH8.5)に採り、超音波処理(Tomy
Seiko,Ultrasonic Disruptor,model UR−
200Pで15秒間)を行い、次いで無菌脱脂綿をパ
ツクした小ガラス管(φ1.2×2.0cm)を通過させ、
ほぼ純粋な均一胞子液4.5mlを得る。これに10
mg/ml濃度のN−メチル−N′−ニトロ−N−ニ
トロソグアニジン(NTG)水溶液を0.5ml添加
し、ゆるやかに振盪しながら28℃で60分間変異処
理を行う。この時点での殺菌率は92.6%であつ
た。処理後、無菌生理食塩水で適当に希釈し、そ
の0.1mlをYS寒天(前出)をプレートし固化させ
たシヤレー平板上に塗布し、28℃で5日間培養す
る。生じるコロニーをYS寒天斜面(前出)に単
離し、培養して以下の方法によりダウノマイシン
生産性を検する。 まず以下に示す種母用培地4mlを分注滅菌した
試験管に、上記単離菌株を一白金耳接種し、28℃
で2日間、往復振盪培養する。 種母用培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% エスサンミート(味の素社製、大豆粉) 1.0% 酵母エキス 0.1% NaCl 0.1% K2HPO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.1% 水道水 PH7.4 次いで下記の本培養培地20mlを分注滅菌した
250−ml容三角フラスコに全量接種し、28℃で7
日間、ロータリーシエカー上で振盪培養する。 本培養培地 台湾酵母 5% 酵母エキス 0.3% 可溶性デンプン 7.5% NaCl 0.2% CaCO3 0.3% ミネラル* 0.125% 水道水 PH8.0 *CuSO4・5H2O 2.8g,FeSO4・7H2O 0.4g,
MnCl2・4H2O 3.2g,ZnSO4・7H2O 0.8gを
蒸溜水500mlに溶解したもの。 各培養フラスコより、ブロス1mlをサンプリン
グし、これにアセトン2mlを加え、サーモミキサ
ーにて攪拌し生成物を液層に抽出する。遠心処理
により上澄と菌体に分ち、上澄区分の20μをシ
リカゲル薄層(メルク社製、F254)の下端より2
cmの位置に1cm間隔でスポツトし、クロロホル
ム/メタノール/水/酢酸(80/20/2/0.2)
で展開し、ダウノマイシン標準品と比較する。親
菌株及び変異処理の大部分はバウマイシン類
(A1,A2,B1,B2等)及びアグリコン類から成
る、多数の赤橙色のスポツトを与えるが、本発明
のダウノマイシン生産性変異株では僅かにジヒド
ロダウノマイシンの微少スポツトを認めるが、ダ
ウノマイシン以外のアントラサイクリングリコシ
ドのスポツトは検出されない。 以上の方法により、本発明の目的に適する変異
菌株はおよそ変異処理コロニー5000菌株中、1個
の割合で取得された。 かくして得られる菌株の一つであるストレプト
ミセス コエルレオルビダス3T−373株の菌学的
性状を下記に示す。 1 形態 3T−373株は分枝した基中菌糸より直線状あ
るいは鉤状の気菌糸を形成し、輪生枝は見られ
ない。成熟胞子鎖は10ケ以上で、胞子の大きさ
は0.4〜0.8×1.2〜2.0ミクロン位で、胞子の表
面は殆んど平滑である。時に一部の胞子の表面
に刺状突起の痕跡様の突起が僅かに認められる
事がある。 2 各種培地における成育状態 (1) シユークローズ・硝酸塩寒天培地(28℃培
養) うすだいだい或はにぶだいだい、ないしは
明るい茶(4ea〜4gc)の発育上に、灰黄味
ピンク(5cd)の気菌糸を着生し、溶解性色
素の生成は殆んど認められない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地(28℃
培養) 灰黄或は明るいオレンジ黄、ないしはうす
だいだい(3ee〜3ea〜4ea)の発育をなす。 気菌糸は殆んど形成されず、溶解性色素も
殆んど生成されない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
−培地5、28℃) うすだいだい(4ea)或はだいだい、ない
しは暗いだいだいの発育上に灰黄味ピンク
(5cb)の気菌糸を着生し、溶解性色素は僅
かにだいだい色を帯びる。 (4) 無機塩・スターチ寒天培地(ISP−培地
4、28℃) 明るい橙黄或はうすだいだい(3ea〜
4ea)、ないしは赤味だいだいの発育上に、
灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を着生し、溶
解性色素はピンクを、或は僅かにピンク色を
帯びる。 (5) チロジン寒天培地(ISP−培地7、28℃) うすだいだい(4ea)或は黄茶、ないしは
赤味だいだいの発育上に、紫を帯びた白
(13ba)ないし灰黄味ピンク(5cb)の気菌
糸を着生し、溶解性色素は殆んど認められな
い。培養長期(約20日)に及ぶとだいだい色
を帯びる。 (6) 栄養寒天培地(28℃培養) 赤ないし暗い赤の発育上に、灰黄味ピンク
(5cb)ないし極うすい紫(11ca)の気菌糸
を着生し、溶解性色素はピンク色を帯びる。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、
28℃) にぶだいだい(4gc)或は黄茶、ないしは
赤味茶の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気
菌糸をはじめはうつすらと、培養後14日目頃
より豊富に着生し、溶解性色素はだいだい色
を僅かに帯びる。 (8) オートミル寒天培地(ISP−培地、28℃) 明るい赤茶(5gc)或は赤茶、ないしは茶
の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を
着生し、溶解性色素は極く僅かにピンク色を
帯びる。 (9) グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(20
℃培養) 黄茶ないし暗い茶の発育上に、うすく白色
の気菌糸を僅かに着生し、溶解性色素は僅か
に茶色を呈する。 (10) 脱脂牛乳培地(28℃) 表面に発育し、カゼインは凝固しないが、
ペプトン化を生ずる。溶解性色素は茶色味を
呈する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲20℃、25℃、30℃、37℃、46
℃、50℃の各温度で試験の結果、46℃及び50
℃を除いていずれの温度でも生育したが、最
適温度は30℃〜37℃付近と思われる。 (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地、20℃培養、20日間) 液化する。 (3) スターチの加水分解(無機塩・スターチ寒
天培地、28℃培養) スターチを水解する。 (4) 脱脂乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培
地、28℃培養) 凝固は殆んどしないが、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イー
スト・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イ
ースト・鉄寒天、ISP−培地6;チロシン寒
天、ISP−培地7、何れも28℃培養) チロシン寒天培地に於けるメラニン様色素
の生成は始んどないか或は生成しても痕跡程
度認められた。しかし他の2種類の培地には
明らかにメラニン様色素の生成が認められ
る。 (6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ
寒天培地、ISP−培地9、28℃培養) L−アラビノース、D−キシロース、D−
グリコース、D−フラクトース、シユクロー
ス、イノシトール、D−マンニツトを利用し
てよく発育する。L−ラムノース、ラフイノ
ースの利用は僅かで疑わしい。 本菌株は、昭和57年7月13日付にて、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第165号
(FERM BP−165)として国際寄託されている。 本発明によるダウノマイシンの製造は、ストレ
プトミセス属に属するダウノマイシン及びその類
縁化合物を同時に生産する微生物に由来し、ダウ
ノマイシン類縁化合物の生産能が欠失したダウノ
マイシンを生産する能力を有する変異菌株、例え
ば、上記ストレプトミセス コエルレオルビダス
3T−373の胞子または菌糸を栄養源含有培地に接
種して、好気的に増殖させることによつて生産さ
れる。 その栄養源としては、放線菌の栄養源として通
常使用されるもの、例えば炭素源としてはグルコ
ース、グリセリン、蔗糖、殿粉、マルトース、動
植物油などが使用でき、窒素源としては例えば大
豆粉、肉エキス、酵母エキス、ペプトン、コーン
ステイーブ・リカー、綿実粕などの有機物並びに
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アン
モニウム、リン酸アンモニウムなどの無機体窒素
が使用できる。又必要に応じて食塩、塩化カリウ
ム、リン酸塩、その他重金属塩などの無機塩類及
びビタミン類を添加する他、発酵中の発泡を抑制
するため、例えばシリコーン(信越化学K.K.製
−KM75;商標)などの消泡剤を適宜添加するこ
とができる。 温度、PH、通気攪拌および発酵時間のような発
酵条件は用いられる菌株が最大量の該化合物を蓄
積するように選択する。例えば、発酵条件として
は20〜40℃、好ましくは28℃の温度でPH5〜9、
好ましくは7.4において1〜5日間、好ましくは
3日間行うのが有利である。 発酵培養物よりダウノマイシンを単離するに
は、アントラサイクリン系抗生物質の製造の技術
分野に於ける通常の手段、例えば遠心操作による
か、あるいは適当なケイ藻土の如き過助剤の存
在下に培養液を過し、菌体と液に分離した
後、菌体からはアセトン、メタノール、エタノー
ルもしくはブタノール等の水と混和する有機溶媒
を用いて抽出し、また液からは、クロロホル
ム、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて抽出するこ
とができるが、これらの溶媒を適宜選択すること
により、菌体を予め分別することなく培養物から
直接抽出することも可能である。 抽出物は、一般に数種の類縁化合物を包含する
ため、目的物を単離するには、更に、シリカゲル
等を用いるクロマトグラフイー、セフアデツクス
LH−20(フアルマシヤ社製)、バイオ・ゲルP−
2(バイオ・ラツド社製)等によるゲル過メタ
クリル又はアクリル系弱酸性陽イオン交換樹脂等
による吸着及び溶出等をそれぞれ単独で或いは適
宜組合せて、さらに場合によつては反復して使用
される。 なお、前述したとおり、従来はダウノマイシン
含有培養物からダウノマイシンを回収するに際し
て、ダウノマイシンの類縁化合物をダウノマイシ
ンに変換せしめる処理を施した後、前記回収手段
を講ずることが高収率下にダウノマイシンを得る
ために必要であるが、本発明の方法によれば、か
かる処理を特別には要しないだけでなく、上記の
クロマトグラフイー処理等も簡便に実施できるた
めダウノマイシンを高収率で回収単離し得る。 以下に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例 ストレプトミセス コエルレオルビダス
(Streptomyces coeruleorubidus)3T−373菌株
のYS斜面培養より一白金耳を採り、下記する種
母培地100mlを分注殺菌した500−ml容三角フラス
コに接種し、28℃、ロータリーシエーカー
(220rpm)にて2日間振盪培養して種母を作成し
た。 種母培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% エスサンミート(大豆粉、味の素社製) 1.0% 酵母エキス 0.1% NaCl 0.1% K2HPO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.1% 水道水 PH7.4(殺菌前) 次いで、下記組成の生産培地15リツトルを入
れ、殺菌した30リツトル容ジヤーフアーメンター
2基に上記の種母培養液を、一基当り750ml(5
%に相当)ずつ添加接種した。 生産培地 台湾酵母 5% 可溶性デンプン 7.5% 酵母エキス 0.3% NaCl 0.2% CaCO3 0.3% ミネラル混液* 0.125% 水道水 PH80(加熱殺菌前) *CuSO4・5H2O 2.8g、FeSO4・7H2O 0.4g、
MnCl2・4H2O 3.2g、ZnSO4・7H2O 0.8gを
蒸溜水500mlに溶解したもの。 通気量5リツトル/分、攪拌450回転/分で、
28℃、120時間培養すると培養液は濃赤褐色を呈
し、培養液1ml中およそ380μgのダウノマイシ
ンを蓄積した。なお、ダウノマイシンの定量はダ
ウノマイシン抽出液を適当に希釈し、その10〜
20μを薄層シリカゲルプレート(F254、メルク
社製)の下端より2cm位置にスポツトし、クロロ
ホルム/メタノール/水/酢酸(80/20/2/
0.2)で展開し、ダウノマイシンスポツトを薄層
用クロマトスキヤンナー(島津製作所製CS−910
型)で測定し、標準曲線より算定して定量した。 培養120時間後、発酵を中止し、ジヤーフアー
メンター2基より培養液を集め(総量27リツト
ル)、遠心操作により菌体と液に分離する。
液中のダウノマイシンは総量10リツトルのクロロ
ホルムで抽出した。一方、菌体区分のダウノマイ
シンは総量8リツトルのアセトンで抽出し、その
抽出上清をおよそ1/3量まで減圧濃縮する。次い
でクロロホルム2リツトルで2回抽出した。前記
液からのクロロホルム抽出液と合せ、濃縮乾涸
すると、純度およそ50%の粗ダウノマイシン標品
8.47gが得られた。 実施例 実施例で得た粗標品全量を3リツトルの
0.1M酢酸(PH3.0)に懸濁、溶解させ、不溶物を
過にて除去した。上清を4N苛性ソーダー溶液
で中和し、PHを8.0に調節したのち、再びクロロ
ホルムで抽出した。クロロホルム抽出層を水洗、
芒硝で乾燥させたのち、少量まで濃縮し、過剰の
n−ヘキサンを添加して沈殿させ、過にて集積
せしめ、真空乾燥すると、赤褐色の純度およそ85
%のダウノマイシン粉末4.57gが得られた。 次いで、このダウノマイシン粉末全量をクロロ
ホルム300mlに溶解し、これにシリカゲル
(Art.7734メルク社製)20gを加え、混合吸着せ
しめ減圧濃縮乾涸した。これを同シリカゲル150
gをクロロホルムに懸濁し充填したカラム(φ5.2
×16cm)上にのせ、クロロホルム/メタノール/
水(15/2/0.2)の5リツトルで展開溶出した。
ダウノマイシン溶出区分を集め、水洗したのち、
芒硝を加えて乾燥させ、濃縮乾涸して純度98.5%
のダウノマイシンの赤褐色粉末3.31gを取得し
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ストレプトミセス属に属するダウノマイシン
並びにバウマイシンA又はBを同時に生産する微
生物に由来し、バウマイシンA又はBの生産能が
欠失したダウノマイシンを生産する能力を有する
変異菌株を栄養培地で培養し、該培養物からダウ
ノマイシンを採取することを特徴とするダウノマ
イシンの製造方法。 2 ストレプトミセス属に属するダウノマイシン
並びにバウマイシンA又はBを同時に生産する微
生物が、ストレプトミセス(Streptomyces)
8899(NRRL 3046)、ストレプトミセス
(Streptomyces)31723(NRRL 3045)、ストレプ
トミセス ピユセテイウス(Streptomyces
peucetius)(N.C.I.B.9475)、ストレプトミセス
グリセウス、バラエテイ ルビドフアシエンス
(Streptomyces grisseus,var.rubidofaciens)
DS 32041、ストレプトミセス ビフアーカス
(Streptomyces bifurcus)DS 23219(NRRL
3539)若しくはストレプトミセス コエルレオル
ビダス(Streptomyces coeruleoubidus)ME
130−A4(微工研菌寄第3540号及びATCC 31276)
又はそれらの変異菌株である特許請求の範囲第1
項記載のダウノマイシンの製造方法。 3 バウマイシンA又はBの生産能が欠失したダ
ウノマイシンを生産する変異菌株がストレプトミ
セス コエルレオルビダス3T−373である特許請
求の範囲第1項又は第2項記載のダウノマイシン
の製造方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57129370A JPS5921394A (ja) | 1982-07-24 | 1982-07-24 | ダウノマイシンの製造法 |
| US06/514,678 US4592999A (en) | 1982-07-24 | 1983-07-18 | Process for producing daunomycin |
| EP83107221A EP0100075A3 (en) | 1982-07-24 | 1983-07-22 | Process for producing daunomycin |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57129370A JPS5921394A (ja) | 1982-07-24 | 1982-07-24 | ダウノマイシンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5921394A JPS5921394A (ja) | 1984-02-03 |
| JPH0365157B2 true JPH0365157B2 (ja) | 1991-10-09 |
Family
ID=15007897
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57129370A Granted JPS5921394A (ja) | 1982-07-24 | 1982-07-24 | ダウノマイシンの製造法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4592999A (ja) |
| EP (1) | EP0100075A3 (ja) |
| JP (1) | JPS5921394A (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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| GB2330144B (en) * | 1997-03-06 | 2001-05-02 | Pharmacia & Upjohn Spa | Process for preparing doxorubicin |
| ES2356284T3 (es) * | 1997-12-05 | 2011-04-06 | Mercian Corporation | Antibiótico de antraciclina cristalino y procedimiento para su producción. |
| KR20020008297A (ko) * | 2000-07-21 | 2002-01-30 | 채문식 | 안스라사이클린계 항생물질 도노마이신을 이용한식물병방제용 살균제 |
| CN112646852A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-04-13 | 道中道(菏泽)制药有限公司 | 一种柔红霉素的高产量发酵生产方法 |
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