JPH0375482B2 - - Google Patents
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- JPH0375482B2 JPH0375482B2 JP21268090A JP21268090A JPH0375482B2 JP H0375482 B2 JPH0375482 B2 JP H0375482B2 JP 21268090 A JP21268090 A JP 21268090A JP 21268090 A JP21268090 A JP 21268090A JP H0375482 B2 JPH0375482 B2 JP H0375482B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C18/00—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
- C23C18/02—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
- C23C18/12—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
- C23C18/1204—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material inorganic material, e.g. non-oxide and non-metallic such as sulfides, nitrides based compounds
- C23C18/1208—Oxides, e.g. ceramics
- C23C18/1216—Metal oxides
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は金属アルコキシドおよびカルボニル基
を2個以上有するケトンと金属との錯体(以下、
金属ケトン錯体という)が溶解している複合金属
溶液を用いる複合酸化物の製造法に関する。 〔従来の技術および発明が解決しようとする課
題〕 複合材料、とくに2種以上の金属が酸化物やチ
ツ化物などの形で存在する均一な組成の薄膜や超
微粒子(通常粒径が約1μm以下であつて、機械的
には粉砕できないもの)は、電磁気的、光学的、
機械的にすぐれた機能を備え、能動素子としても
充分使用可能な機能性セラミツクスの材料として
有用なものであつて、現在盛んにその研究開発が
進められている。これらの機能性セラミツクスに
おいては、用いる材料によつて目的とする製品の
特性の殆んどが支配されるといつても過言ではな
い。従来の機能性セラミツクスの製法としては、
無機化合物同士の固相反応を利用する方法がある
が、その方法では充分な機能を発揮するものをう
ることができず、しかも純度高い、粒子径の小さ
い、化学量論性の高い材料がえ難い。そのほか金
属無機塩を水溶液に溶かしたのち、アルカリまた
は多価カルボン酸などにより共沈させるか、これ
らを熱分解して粒子をうる方法がある。 しかしながらその方法に使用される出発原料
は、水溶液中でイオン的に活性となる無機の炭酸
塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩などが殆んどである
ため、熱処理しても内部に不純物となるイオンが
残る、粒成長して粒径が大きくなりすぎる、目的
物をうるためには高温での焼成処理が必要となる
などの欠点がある。 そこで、これらの欠点を解決する手法として、
有機金属化合物である金属アルコキシドを加水分
解あるいは直接熱分解することにより従来よりも
低い熱処理温度で高純度でかつ超微粒子のセラミ
ツクス原料をうる方法が検討されている。金属ア
ルコキシドは、化学的な手法によつて高純度に精
製することができ、直接熱分解または加水分解後
焼成することにより、高純度で超微粒子状の機能
性セラミツクス原料として理想的なものがえられ
ることが知られている。 しかしながら機能性セラミツクス材料はその機
能を最大限に発揮するために、単一の化合物のみ
で使用される例はきわめて少なく、微量の他成分
を添加したり複合化合物としたりして用いられる
ばあいが多い。そのため、単一組成でいかに粒径
が小さくても、目的とする組成にするためにはさ
らに熱処理を加え固相反応をさせる必要があり、
その際に粒成長を起したり化学量論性が不安定に
なつたりすることがある。 そうした2種以上の金属を含む複合酸化物をう
るため、金属アルコキシドを混合した系を調製す
るかまたは複合金属アルコキシドを合成し、それ
らを分解して目的の複合酸化物を直接えようとす
る試みも進められているが、その方法にはつぎの
ような欠点がある。すなわち、金属アルコキシド
は元素ごとおよびアルコキシ基の種類によつて加
水分解性が著しく異なつており、したがつて2種
以上の金属アルコキシドの混合系では不安定であ
つて、均一な組成にならないばあいがある。とく
に金属がニツケル、銅、コバルト、亜鉛などの遷
移金属であるばあい、それらのアルコキシドは有
機溶媒に不溶のものが多く、そのため共通溶媒と
した系では加水分解ができず、均一な粉末がえら
れない。このように金属アルコキシドのみを用い
る方法では複合酸化物をつくる組合せに限度があ
り、自由度が少ない。 金属アルコキシドは、超微粒子粉体を製造する
ために用いられるほかに、金属酸化物の薄膜を形
成するためにも用いられつつある。この方法は金
属アルコキシドの加水分解性を利用するものであ
つて、基板に金属アルコキシドを塗布後空気中の
水分で加水分解させたのち熱処理することにより
無機酸化物薄膜が容易にえられる。この金属アル
コキシドを用いる薄膜の形成の応用例としては、
たとえばテトラエチルシリケートを用いる絶縁
膜、アルカリ浸透防止膜、反射防止膜;テトライ
ソプロピルチタネートを用いる熱線反射膜、光学
フイルター、有機物との接着促進用下地膜などが
知られているが、前記の理由のため金属アルコキ
シドを用いる方法による複合酸化物の薄膜化技術
はまだ実用化されるに至つていない。 薄膜化技術は現在の電子産業の基盤となつてい
る重要な技術であり、主として真空技術を用いて
種々の薄膜がつくられている。複合酸化物薄膜も
光関連デバイス、記憶材料、圧電材料、センサな
どに幅広い用途が期待されており、一部実用化も
なされている。しかし真空技術を用いた薄膜化法
は、設備コストが高くなる、ユーテイリテイが高
くなる、大面積化が困難である、高融点の酸化物
は製膜が困難である、結晶性および化学量論性の
よい膜がえられにくい、生産性が低いなどの短所
があるため、応用分野に制限があるのが現状であ
る。 これに対して金属アルコキシドを用いる酸化物
薄膜の製法は、簡単でしかも安価な設備で充分で
ある、大面積化が容易である、生産性が高くコス
トが安い、均質で化学量論性のよい膜がえられる
などという真空技術を用いる薄膜化法にない長所
を有しており、この方法によつてさらに種々の複
合酸化物薄膜の製造が可能になれば、複合酸化物
の新しい用途機能が見出されることは明らかであ
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは機能性セラミツクス材料としての
複合酸化物の製造技術について検討を重ねた結
果、金属アルコキシドと金属ケトン錯体がアルデ
ヒドの存在下に溶解してなる溶液系を用いるとき
は、他の有機金属系には見られないすぐれた効果
が奏されることを見出し、本発明に到達した。 すなわち本発明は、金属M1のアルコキシドお
よびカルボニル基を2個以上有するケトンと金属
M2との錯体がアルデヒドの存在下に溶解してい
る複合金属溶液を加熱することを特徴とする金属
M1と金属M2とを含む複合酸化物の製造法に関す
る。 〔作用および実施例〕 カルボニル基を2個以上有するケトン、とくに
β−ジケトンは殆んどの金属と安定な錯体をつく
ることが知られており、その錯体の昇華性を利用
して金属の精製、種々の触媒として工業的に、分
析化学においての金属の抽出分離操作に用いられ
ている。 本発明は、金属ケトン錯体が多くの金属とキレ
ートをつくりやすいこと、さらに金属アルコキシ
ドと共通の溶媒が多数存在することに着目してな
されたものであつて、アルデヒドの存在下で金属
アルコキシドとの複合金属溶液とするときは、有
機溶媒に難溶性である金属ケトン錯体でも金属ア
ルコキシドの共存下で溶解性が格段に向上し、ま
た一般に金属ケトン錯体は昇華性のものが多いた
め焼成処理を施すと目的とする酸化物の収量が低
下するばあいが多いが、金属アルコキシドの共存
下では昇華性が著しく低減されてきわめて高い収
量がえられ、さらに従来よりも低温の熱処理で複
合酸化物の超微粒子および薄膜がえられるという
驚ろくべき事実に基づいてなされたものである。 この驚ろくべき事実の詳細な解明はまだなされ
ていないが、金属アルコキシドおよび金属ケトン
錯体はいずれも反応性を有しており、種々の錯化
合物をつくることから、この両者を溶媒中に共存
させるとそれぞれが別々に溶解するのではなく、
何らかの配位もしくは錯形成反応が起り、当初の
ものとは別の化合物となり、それによつて金属ア
ルコキシドの溶解性が向上し、また熱処理時に金
属ケトン錯体のもつ昇華性が低減されているもの
と考えられる。 本発明に用いられる金属M1を含む金属アルコ
キシドとしては金属ケトン錯体と共に溶液を形成
可能なものであればとくに制限されず、たとえば
一般式M1(OR1)o、M1(X)a(OR1)b、M1(OR2)a
(OR3)b、M1[N(OR1)n]oで表わされる単一組成
の金属アルコキシド、部分金属アルコキシド、複
合金属アルコキシド、またはそれらの金属アルコ
キシドの多量体などがあげられる。なお、前記一
般式において、M1およびNは同じかまたは異な
る金属原子であつて、たとえばリチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジユウム、セシウム、ベリ
リウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ニツ
ケル、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、
硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タ
リウム、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ
素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ラ
ンタノイド系の金属などがあげられる。R1、R2
およびR3は同じかまたは異なる有機官能基であ
り、好ましくは炭素数1〜20個、とくに好ましく
は1〜8個のアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アラルキル基またはそれらのヒドロキシル
置換体やハロゲン置換体である。nは金属M1の
価数であり、mは金属Nの価数である。またaお
よびbはそれらの和が金属M1の価数となる正の
整数である。Xはハロゲン原子、酸素原子、チツ
素原子または種々の有機官能基である。 前記金属M1のうちアルコキシドの生成が簡単
でかつ安価なものとしては、たとえばアルミニウ
ム、ガリウム、イツトリウム、インジユウム、シ
リコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、
錫、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タンタ
ル、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステ
ン、マンガン、鉄など、とくに鉄、チタン、ジル
コニウム、シリコン、アルミニウムがあげられ
る。 金属M1とアルコキシドを形成する化合物とし
ては一般式HOR(Rは前記R1、R2またはR3は同
じ)で示されるアルコール性水酸基を有する1価
または多価アルコールであればよい。好ましい具
体例としては、たとえばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコールイソブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、オ
クチルアルコール、t−ブチルアルコール、ラウ
リルアルコール、1,4−ブタンジオール、グリ
セリン、エチレングリコール、オクチレングリコ
ール、エチレングリコールのモノアルキルエーテ
ルなどがあげられる。 本発明に用いられうる金属アルコキシドの具体
例としては、前記のほかデイ・シー・ブラツドレ
イ(D.C.Bradley)ら、メタル・アルコキサイズ
(Metal alkoxides)、1978年、アカデミツク・プ
レス(Academic Press)社に記載されているも
のも使用できる。 また本発明に用いる金属アルコキシドは適度の
加水分解性と安定性を有しているものが好まし
い。通常それらの性質は反応させる金属およびア
ルコールの種類によつて決まり、一般に金属アル
コキシドは用いるアルコールの炭素数が大きくな
る程加水分解速度が遅く、また金属としてアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を用いるときは加
水分解速度が速くなる。したがつて所望の加水分
解速度や安定性に応じて、適宜用いる金属やアル
コールを決めることが重要である。 本発明に用いる金属M2とケトンとの錯体は金
属アルコキシドと共に溶液を形成するものであれ
ばとくに制限されず、たとえば一般式M2(A)lまた
はM2(A)c(B)dで示される単一組成の金属ケトン錯
体や金属ケトン錯体の複合化合物が用いられる。
前記一般式において、M2は金属またはその部分
酸化物であり、たとえばアルミニウム、バリウ
ム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバ
ルト、クロム、銅、鉄、ガリウム、ハフニウム、
水銀、インジウム、イリジウム、カリウム、リチ
ウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ナ
トリウム、ニツケル、鉛、白金、パラジウム、ロ
ジウム、ルテニウム、スカンジウム、シリコン、
錫、ストロンチウム、トリウム、チタン、タリウ
ム、タングステン、ウラニウム、バナジウム、イ
ツトリウム、亜鉛、ジルコニウム、ランタノイド
系などの金属またはそれらの部分酸化物などがあ
げられる。lはM2のケトンとの結合に関与する
価数である。Aはカルボニル基を2個以上有する
ケトンであり、金属M2と錯体を形成するもので
あればとくに制限されず、たとえば一般式
R4COCHR6COR5(R4およびR5は同じかまたは異
なり、アルキル基、アリール基、アラルキル基、
アルケニル基またはそれらのハロゲン置換体、イ
オウ置換体であり、とくにそれらの炭素数1〜20
個のものが好ましい)で示されるβ−ジケトン、
トリケトンまたはポリケトンなどがあげられる。
Bは水、ハロゲン原子、リン原子、イオウ原子ま
たはカルボニル基、カルボキシル基、アルキル基
などを有する有機官能基である。cおよびdはい
ずれも正の整数であり、それらの和が金属M2の
ケトンとの結合に関与する価数である。 前記β−ジケトンとしては、たとえばアセチル
アセトン、ベンゾイルアセトン、ジベゾイルアセ
トン、ジイソブチリルメタン、ジピバロイルメタ
ン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,
2−ジメチルペンタン−3,5−ジオンまたはそ
れらのフツ素化物などがあげられ、とくにアセチ
ルアセトンが好ましい。トリケトンとしてはたと
えばアセトアセチルアセトンなどがあげられる。 本発明に用いられうる金属ケトン錯体として
は、前記のほかにアール・シー・メーロトラ
(R.C.Mehrotra)ら、“メタル ベータ−ジケト
ンズ アンド アライド デリバテイブズ
(Metal β−Diketones and Allied
derivatives)”、1978年、アカデミツク・プレス
社に記載されている金属ケトン錯体があげられ
る。 本発明において、金属アルコキシドと金属ケト
ン錯体とが相溶であるときはとくに溶媒を必要と
しないが、それらが相溶でないときは共通溶媒が
必要となる。 共通溶媒としては、たとえば1価または多価ア
ルコール;カルボン酸エステル;ケトン;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテルなど
の1種または2種以上の混合溶媒があげられる。
それらのうち、1価または多価の低級アルコー
ル;低級カルボン酸エステル;ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテルは金属アルコキシ
ドと金属ケトン錯体との種々の組合せに広く用い
ることができるが、具体的な溶媒は金属アルコキ
シドと金属ケトン錯体の組合せに応じて適宜選定
すればよい。 金属アルコキシドと金属ケトン錯体の溶媒への
溶解順序はとくに限定されない。 また金属アルコキシドと金属ケトン錯体の一方
または両方が溶媒に溶解しない組合せにおいて
も、アルデヒドを加え、必要に応じて加熱処理す
るときは、均一な溶液とすることができる。加熱
処理は、通常溶媒の還流温度以下で行なうのが好
ましい。 アルデビトの添加は前記の可溶化作用のほか
に、金属ケトン錯体の昇華性をさらに抑制する作
用をも果たす。 アルデヒドとしては、炭素数1〜8個のアルデ
ヒド、とくにホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドな
どが好ましい。アルデヒドの添加による可溶化効
果は金属ケトン錯体の金属M2が周期表第族ま
たは第族の金属であるときとくにすぐれてお
り、昇華性の抑制効果は金属ケトン錯体が安定な
もののときとくにすぐれている。アルデヒドの使
用量は金属M1と金属M2の合計モル数が1のと
き、通常0.001モル以上、通常0.1モル以上で前記
効果が奏される。 かかるアルデヒドの添加による可溶化作用およ
び昇華性抑制作用についてはいまだ解明されてい
ないが、アルデヒドと金属ケトン錯体と金属アル
コキシドとが何らかの反応を生起し、金属ケトン
錯体および(または)金属アルコキシドの有機溶
媒に対する溶解性が向上すると共に熱処理時の昇
華性を低減すると考えられる。 本発明における金属アルコキシドと金属ケトン
錯体との割合は相互の溶解性および目的とする複
合酸化物の組成に応じて任意に調整できるが、通
常金属M2/金属M1(モル比)が0.001以上、好ま
しくは金属M1のモル数≦1.5×金属M2のモル数
である溶液が使用しやすい。なお、ドーピングの
ために微量成分を添加するばあいは、その成分を
含む金属アルコキシドまたは金属ケトン錯体は極
微量でよい。 本発明において金属アルコキシドおよび金属ケ
トン錯体はそれぞれ単一組成である必要はなく、
2種以上の金属を含むものであつてもよく、また
金属アルコキシドと金属ケトン錯体を構成する金
属が同じてあつてもよい。さらに2種以上の金属
アルコキシドまたは金属ケトン錯体を用いて3成
分以上の系の溶液としてもよい。 前記共通溶媒のほかに熱分解を促進させるため
または保存安定性を増すために、有機酸や酸化防
止剤を添加してもよいし、薄膜製造時に膜厚をコ
ントロールするために粘度調節効果をもつセルロ
ース系高分子、ポリ酢酸ビニル、グリセリン、ポ
リエチレングリコールなどの粘度調節剤を添加し
てもよいし、さらに金属成分を補充するために金
属有機酸などの他の有機金属化合物を添加しても
よい。ただしこれらの添加剤は、共通溶媒に溶解
し、かつ熱分解時に超微粒子および薄膜生成に悪
影響を及ぼさないものであることが重要である。 本発明で用いる溶液は金属アルコキシド単独の
溶液と同様に加水分解性があり、しかも保存安定
性もすぐれており、加熱することにより容易に任
意の金属を含む複合酸化物複合材料の超微粒子や
薄膜を製造することができる。 本発明の方法によるときは、溶解する金属アル
コキシドおよび金属ケトン錯体を種々選定し組合
せることにより所望の複合材料がえられるが、と
くに金属アルコキシド単独使用ではえられない遷
移金属や安定性の乏しいアルカリ金属、アルカリ
土類金属、あるいは金属アルコキシドを形成しえ
ない金属を含む複合酸化物を目的とするばあい、
さらに微量金属成分を均一に混合したばあいにす
ぐれた効果が奏される。 複合酸化物の製造は、前記金属溶液を加熱し、
金属アルコキシドおよび金属ケトン錯体を大気中
で熱分解することにより行なわれる。 超微粒子状の複合酸化物をうる方法としては、
たとえば複合金属溶液をそのまま加熱して熱分解
する方法、微量の水またはアンモニア水を加えて
加水分解したのち加熱して熱分解する方法、溶液
をガス状またはミスト状にした状態で加熱し熱分
解する方法、溶液をガス化したのちプラズマまた
はレーザー光によつて分解する方法などがある。
ガス状で熱分解する方法およびプラズマなどで分
解する方法によりえられる超微粒子はとくにすぐ
れた分散性を示す。なお一般的に、熱分解速度が
速い程えられる超微粒子の粒径が小さく、化学量
論性がよい。 複合酸化物の薄膜をうる方法としは、たとえば
基板上に複合金属溶液をスプレー、デイツピイン
グ、スピンコーテイングなどにより塗布したのち
加熱して熱分解する方法、分解温度に加熱された
基板に溶液を噴霧する方法、溶液をガス化したの
ち加熱して熱分解するか、またはプラズマもしく
はレーザ光によつて分解しながら分解物を基板上
に堆積させる方法、あるいは印刷法など、金属ア
ルコキシドを単独で使用するばあいに採用される
方法が用いられうる。 基板としては、たとえばガラス、アルミナ、シ
リカなどのセラミツクス製の板、ステンレスなど
の金属板や金属箔、ポリイミドなどの耐熱性樹脂
フイルムなどがあげられる。 塗布法で行なうばあい、複合金属溶液の金属成
分含有量を0.01〜20重量%好ましくは0.1〜10重
量%とし、加熱温度を200℃以上にするとき、一
般に良質な薄膜がえられるが、用いる金属アルコ
キシドと金属ケトン錯体の組合せや塗布手段によ
つて前記条件が大きく変動することがあり、各組
合せに応じて最適条件を決めればよい。なおデイ
ツピング法によるときは、引上げ速度を0.5〜100
cm/分とするのが好ましい。 形成する薄膜の厚さは用いる複合金属溶液の金
属成分含有量、粘度、塗布量などによつて調節で
きるが、通常1回の塗布で膜厚が100〜3000Å程
度、好ましくは100〜1500Å程度に調節するのが
好ましい。また同一または異なる組成の溶液を繰
り返し塗布して同一または異なる組成の薄膜の積
層体としてもよい。 本発明によつてえられる複合酸化物は新しい機
能性セラミツクス材料としてきわめて有望なもの
であり、たとえば各種のセンサ材料、導電膜材
料、光関連デバイス用材料、磁気記録材料、圧電
素子材料、誘電体材料などとしてすぐれた性能を
有する。 つぎに本発明を参考例、実施例および比較例に
基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。 参考例 1〜4 鉄トリイソプロポキシド20.0gを無水エチルア
ルコール100gに溶解し、これにスピネルフエラ
イト組成(Fe:他の金属=2:1)となる量の
第1表に示す各金属のアセチルアセトン錯体をそ
れぞれ加えたところ、いずれも速やかに溶解して
複合金属溶液がえられた。 えられた各複合金属溶液を2つに分け、一方を
そのまま(未加水分解)、他方を少量の水により
加水分解したのち、それぞれ遠赤外線加熱炉を用
い空気中で20℃/分の昇温速度で800℃まで加熱、
焼成して複合酸化物をえた。えられた酸化物中に
はいずれもFeが当初の約99%残つていた。 えられた各複合酸化物の鉄と他の金属の元素比
を蛍光X線分析法により調べた結果を第1表に示
す。
を2個以上有するケトンと金属との錯体(以下、
金属ケトン錯体という)が溶解している複合金属
溶液を用いる複合酸化物の製造法に関する。 〔従来の技術および発明が解決しようとする課
題〕 複合材料、とくに2種以上の金属が酸化物やチ
ツ化物などの形で存在する均一な組成の薄膜や超
微粒子(通常粒径が約1μm以下であつて、機械的
には粉砕できないもの)は、電磁気的、光学的、
機械的にすぐれた機能を備え、能動素子としても
充分使用可能な機能性セラミツクスの材料として
有用なものであつて、現在盛んにその研究開発が
進められている。これらの機能性セラミツクスに
おいては、用いる材料によつて目的とする製品の
特性の殆んどが支配されるといつても過言ではな
い。従来の機能性セラミツクスの製法としては、
無機化合物同士の固相反応を利用する方法がある
が、その方法では充分な機能を発揮するものをう
ることができず、しかも純度高い、粒子径の小さ
い、化学量論性の高い材料がえ難い。そのほか金
属無機塩を水溶液に溶かしたのち、アルカリまた
は多価カルボン酸などにより共沈させるか、これ
らを熱分解して粒子をうる方法がある。 しかしながらその方法に使用される出発原料
は、水溶液中でイオン的に活性となる無機の炭酸
塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩などが殆んどである
ため、熱処理しても内部に不純物となるイオンが
残る、粒成長して粒径が大きくなりすぎる、目的
物をうるためには高温での焼成処理が必要となる
などの欠点がある。 そこで、これらの欠点を解決する手法として、
有機金属化合物である金属アルコキシドを加水分
解あるいは直接熱分解することにより従来よりも
低い熱処理温度で高純度でかつ超微粒子のセラミ
ツクス原料をうる方法が検討されている。金属ア
ルコキシドは、化学的な手法によつて高純度に精
製することができ、直接熱分解または加水分解後
焼成することにより、高純度で超微粒子状の機能
性セラミツクス原料として理想的なものがえられ
ることが知られている。 しかしながら機能性セラミツクス材料はその機
能を最大限に発揮するために、単一の化合物のみ
で使用される例はきわめて少なく、微量の他成分
を添加したり複合化合物としたりして用いられる
ばあいが多い。そのため、単一組成でいかに粒径
が小さくても、目的とする組成にするためにはさ
らに熱処理を加え固相反応をさせる必要があり、
その際に粒成長を起したり化学量論性が不安定に
なつたりすることがある。 そうした2種以上の金属を含む複合酸化物をう
るため、金属アルコキシドを混合した系を調製す
るかまたは複合金属アルコキシドを合成し、それ
らを分解して目的の複合酸化物を直接えようとす
る試みも進められているが、その方法にはつぎの
ような欠点がある。すなわち、金属アルコキシド
は元素ごとおよびアルコキシ基の種類によつて加
水分解性が著しく異なつており、したがつて2種
以上の金属アルコキシドの混合系では不安定であ
つて、均一な組成にならないばあいがある。とく
に金属がニツケル、銅、コバルト、亜鉛などの遷
移金属であるばあい、それらのアルコキシドは有
機溶媒に不溶のものが多く、そのため共通溶媒と
した系では加水分解ができず、均一な粉末がえら
れない。このように金属アルコキシドのみを用い
る方法では複合酸化物をつくる組合せに限度があ
り、自由度が少ない。 金属アルコキシドは、超微粒子粉体を製造する
ために用いられるほかに、金属酸化物の薄膜を形
成するためにも用いられつつある。この方法は金
属アルコキシドの加水分解性を利用するものであ
つて、基板に金属アルコキシドを塗布後空気中の
水分で加水分解させたのち熱処理することにより
無機酸化物薄膜が容易にえられる。この金属アル
コキシドを用いる薄膜の形成の応用例としては、
たとえばテトラエチルシリケートを用いる絶縁
膜、アルカリ浸透防止膜、反射防止膜;テトライ
ソプロピルチタネートを用いる熱線反射膜、光学
フイルター、有機物との接着促進用下地膜などが
知られているが、前記の理由のため金属アルコキ
シドを用いる方法による複合酸化物の薄膜化技術
はまだ実用化されるに至つていない。 薄膜化技術は現在の電子産業の基盤となつてい
る重要な技術であり、主として真空技術を用いて
種々の薄膜がつくられている。複合酸化物薄膜も
光関連デバイス、記憶材料、圧電材料、センサな
どに幅広い用途が期待されており、一部実用化も
なされている。しかし真空技術を用いた薄膜化法
は、設備コストが高くなる、ユーテイリテイが高
くなる、大面積化が困難である、高融点の酸化物
は製膜が困難である、結晶性および化学量論性の
よい膜がえられにくい、生産性が低いなどの短所
があるため、応用分野に制限があるのが現状であ
る。 これに対して金属アルコキシドを用いる酸化物
薄膜の製法は、簡単でしかも安価な設備で充分で
ある、大面積化が容易である、生産性が高くコス
トが安い、均質で化学量論性のよい膜がえられる
などという真空技術を用いる薄膜化法にない長所
を有しており、この方法によつてさらに種々の複
合酸化物薄膜の製造が可能になれば、複合酸化物
の新しい用途機能が見出されることは明らかであ
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは機能性セラミツクス材料としての
複合酸化物の製造技術について検討を重ねた結
果、金属アルコキシドと金属ケトン錯体がアルデ
ヒドの存在下に溶解してなる溶液系を用いるとき
は、他の有機金属系には見られないすぐれた効果
が奏されることを見出し、本発明に到達した。 すなわち本発明は、金属M1のアルコキシドお
よびカルボニル基を2個以上有するケトンと金属
M2との錯体がアルデヒドの存在下に溶解してい
る複合金属溶液を加熱することを特徴とする金属
M1と金属M2とを含む複合酸化物の製造法に関す
る。 〔作用および実施例〕 カルボニル基を2個以上有するケトン、とくに
β−ジケトンは殆んどの金属と安定な錯体をつく
ることが知られており、その錯体の昇華性を利用
して金属の精製、種々の触媒として工業的に、分
析化学においての金属の抽出分離操作に用いられ
ている。 本発明は、金属ケトン錯体が多くの金属とキレ
ートをつくりやすいこと、さらに金属アルコキシ
ドと共通の溶媒が多数存在することに着目してな
されたものであつて、アルデヒドの存在下で金属
アルコキシドとの複合金属溶液とするときは、有
機溶媒に難溶性である金属ケトン錯体でも金属ア
ルコキシドの共存下で溶解性が格段に向上し、ま
た一般に金属ケトン錯体は昇華性のものが多いた
め焼成処理を施すと目的とする酸化物の収量が低
下するばあいが多いが、金属アルコキシドの共存
下では昇華性が著しく低減されてきわめて高い収
量がえられ、さらに従来よりも低温の熱処理で複
合酸化物の超微粒子および薄膜がえられるという
驚ろくべき事実に基づいてなされたものである。 この驚ろくべき事実の詳細な解明はまだなされ
ていないが、金属アルコキシドおよび金属ケトン
錯体はいずれも反応性を有しており、種々の錯化
合物をつくることから、この両者を溶媒中に共存
させるとそれぞれが別々に溶解するのではなく、
何らかの配位もしくは錯形成反応が起り、当初の
ものとは別の化合物となり、それによつて金属ア
ルコキシドの溶解性が向上し、また熱処理時に金
属ケトン錯体のもつ昇華性が低減されているもの
と考えられる。 本発明に用いられる金属M1を含む金属アルコ
キシドとしては金属ケトン錯体と共に溶液を形成
可能なものであればとくに制限されず、たとえば
一般式M1(OR1)o、M1(X)a(OR1)b、M1(OR2)a
(OR3)b、M1[N(OR1)n]oで表わされる単一組成
の金属アルコキシド、部分金属アルコキシド、複
合金属アルコキシド、またはそれらの金属アルコ
キシドの多量体などがあげられる。なお、前記一
般式において、M1およびNは同じかまたは異な
る金属原子であつて、たとえばリチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジユウム、セシウム、ベリ
リウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、
モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ニツ
ケル、コバルト、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、
硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タ
リウム、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ
素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ラ
ンタノイド系の金属などがあげられる。R1、R2
およびR3は同じかまたは異なる有機官能基であ
り、好ましくは炭素数1〜20個、とくに好ましく
は1〜8個のアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アラルキル基またはそれらのヒドロキシル
置換体やハロゲン置換体である。nは金属M1の
価数であり、mは金属Nの価数である。またaお
よびbはそれらの和が金属M1の価数となる正の
整数である。Xはハロゲン原子、酸素原子、チツ
素原子または種々の有機官能基である。 前記金属M1のうちアルコキシドの生成が簡単
でかつ安価なものとしては、たとえばアルミニウ
ム、ガリウム、イツトリウム、インジユウム、シ
リコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、
錫、バナジウム、ニオブ、アンチモン、タンタ
ル、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステ
ン、マンガン、鉄など、とくに鉄、チタン、ジル
コニウム、シリコン、アルミニウムがあげられ
る。 金属M1とアルコキシドを形成する化合物とし
ては一般式HOR(Rは前記R1、R2またはR3は同
じ)で示されるアルコール性水酸基を有する1価
または多価アルコールであればよい。好ましい具
体例としては、たとえばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコールイソブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、オ
クチルアルコール、t−ブチルアルコール、ラウ
リルアルコール、1,4−ブタンジオール、グリ
セリン、エチレングリコール、オクチレングリコ
ール、エチレングリコールのモノアルキルエーテ
ルなどがあげられる。 本発明に用いられうる金属アルコキシドの具体
例としては、前記のほかデイ・シー・ブラツドレ
イ(D.C.Bradley)ら、メタル・アルコキサイズ
(Metal alkoxides)、1978年、アカデミツク・プ
レス(Academic Press)社に記載されているも
のも使用できる。 また本発明に用いる金属アルコキシドは適度の
加水分解性と安定性を有しているものが好まし
い。通常それらの性質は反応させる金属およびア
ルコールの種類によつて決まり、一般に金属アル
コキシドは用いるアルコールの炭素数が大きくな
る程加水分解速度が遅く、また金属としてアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属を用いるときは加
水分解速度が速くなる。したがつて所望の加水分
解速度や安定性に応じて、適宜用いる金属やアル
コールを決めることが重要である。 本発明に用いる金属M2とケトンとの錯体は金
属アルコキシドと共に溶液を形成するものであれ
ばとくに制限されず、たとえば一般式M2(A)lまた
はM2(A)c(B)dで示される単一組成の金属ケトン錯
体や金属ケトン錯体の複合化合物が用いられる。
前記一般式において、M2は金属またはその部分
酸化物であり、たとえばアルミニウム、バリウ
ム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバ
ルト、クロム、銅、鉄、ガリウム、ハフニウム、
水銀、インジウム、イリジウム、カリウム、リチ
ウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ナ
トリウム、ニツケル、鉛、白金、パラジウム、ロ
ジウム、ルテニウム、スカンジウム、シリコン、
錫、ストロンチウム、トリウム、チタン、タリウ
ム、タングステン、ウラニウム、バナジウム、イ
ツトリウム、亜鉛、ジルコニウム、ランタノイド
系などの金属またはそれらの部分酸化物などがあ
げられる。lはM2のケトンとの結合に関与する
価数である。Aはカルボニル基を2個以上有する
ケトンであり、金属M2と錯体を形成するもので
あればとくに制限されず、たとえば一般式
R4COCHR6COR5(R4およびR5は同じかまたは異
なり、アルキル基、アリール基、アラルキル基、
アルケニル基またはそれらのハロゲン置換体、イ
オウ置換体であり、とくにそれらの炭素数1〜20
個のものが好ましい)で示されるβ−ジケトン、
トリケトンまたはポリケトンなどがあげられる。
Bは水、ハロゲン原子、リン原子、イオウ原子ま
たはカルボニル基、カルボキシル基、アルキル基
などを有する有機官能基である。cおよびdはい
ずれも正の整数であり、それらの和が金属M2の
ケトンとの結合に関与する価数である。 前記β−ジケトンとしては、たとえばアセチル
アセトン、ベンゾイルアセトン、ジベゾイルアセ
トン、ジイソブチリルメタン、ジピバロイルメタ
ン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,
2−ジメチルペンタン−3,5−ジオンまたはそ
れらのフツ素化物などがあげられ、とくにアセチ
ルアセトンが好ましい。トリケトンとしてはたと
えばアセトアセチルアセトンなどがあげられる。 本発明に用いられうる金属ケトン錯体として
は、前記のほかにアール・シー・メーロトラ
(R.C.Mehrotra)ら、“メタル ベータ−ジケト
ンズ アンド アライド デリバテイブズ
(Metal β−Diketones and Allied
derivatives)”、1978年、アカデミツク・プレス
社に記載されている金属ケトン錯体があげられ
る。 本発明において、金属アルコキシドと金属ケト
ン錯体とが相溶であるときはとくに溶媒を必要と
しないが、それらが相溶でないときは共通溶媒が
必要となる。 共通溶媒としては、たとえば1価または多価ア
ルコール;カルボン酸エステル;ケトン;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテルなど
の1種または2種以上の混合溶媒があげられる。
それらのうち、1価または多価の低級アルコー
ル;低級カルボン酸エステル;ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテルは金属アルコキシ
ドと金属ケトン錯体との種々の組合せに広く用い
ることができるが、具体的な溶媒は金属アルコキ
シドと金属ケトン錯体の組合せに応じて適宜選定
すればよい。 金属アルコキシドと金属ケトン錯体の溶媒への
溶解順序はとくに限定されない。 また金属アルコキシドと金属ケトン錯体の一方
または両方が溶媒に溶解しない組合せにおいて
も、アルデヒドを加え、必要に応じて加熱処理す
るときは、均一な溶液とすることができる。加熱
処理は、通常溶媒の還流温度以下で行なうのが好
ましい。 アルデビトの添加は前記の可溶化作用のほか
に、金属ケトン錯体の昇華性をさらに抑制する作
用をも果たす。 アルデヒドとしては、炭素数1〜8個のアルデ
ヒド、とくにホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドな
どが好ましい。アルデヒドの添加による可溶化効
果は金属ケトン錯体の金属M2が周期表第族ま
たは第族の金属であるときとくにすぐれてお
り、昇華性の抑制効果は金属ケトン錯体が安定な
もののときとくにすぐれている。アルデヒドの使
用量は金属M1と金属M2の合計モル数が1のと
き、通常0.001モル以上、通常0.1モル以上で前記
効果が奏される。 かかるアルデヒドの添加による可溶化作用およ
び昇華性抑制作用についてはいまだ解明されてい
ないが、アルデヒドと金属ケトン錯体と金属アル
コキシドとが何らかの反応を生起し、金属ケトン
錯体および(または)金属アルコキシドの有機溶
媒に対する溶解性が向上すると共に熱処理時の昇
華性を低減すると考えられる。 本発明における金属アルコキシドと金属ケトン
錯体との割合は相互の溶解性および目的とする複
合酸化物の組成に応じて任意に調整できるが、通
常金属M2/金属M1(モル比)が0.001以上、好ま
しくは金属M1のモル数≦1.5×金属M2のモル数
である溶液が使用しやすい。なお、ドーピングの
ために微量成分を添加するばあいは、その成分を
含む金属アルコキシドまたは金属ケトン錯体は極
微量でよい。 本発明において金属アルコキシドおよび金属ケ
トン錯体はそれぞれ単一組成である必要はなく、
2種以上の金属を含むものであつてもよく、また
金属アルコキシドと金属ケトン錯体を構成する金
属が同じてあつてもよい。さらに2種以上の金属
アルコキシドまたは金属ケトン錯体を用いて3成
分以上の系の溶液としてもよい。 前記共通溶媒のほかに熱分解を促進させるため
または保存安定性を増すために、有機酸や酸化防
止剤を添加してもよいし、薄膜製造時に膜厚をコ
ントロールするために粘度調節効果をもつセルロ
ース系高分子、ポリ酢酸ビニル、グリセリン、ポ
リエチレングリコールなどの粘度調節剤を添加し
てもよいし、さらに金属成分を補充するために金
属有機酸などの他の有機金属化合物を添加しても
よい。ただしこれらの添加剤は、共通溶媒に溶解
し、かつ熱分解時に超微粒子および薄膜生成に悪
影響を及ぼさないものであることが重要である。 本発明で用いる溶液は金属アルコキシド単独の
溶液と同様に加水分解性があり、しかも保存安定
性もすぐれており、加熱することにより容易に任
意の金属を含む複合酸化物複合材料の超微粒子や
薄膜を製造することができる。 本発明の方法によるときは、溶解する金属アル
コキシドおよび金属ケトン錯体を種々選定し組合
せることにより所望の複合材料がえられるが、と
くに金属アルコキシド単独使用ではえられない遷
移金属や安定性の乏しいアルカリ金属、アルカリ
土類金属、あるいは金属アルコキシドを形成しえ
ない金属を含む複合酸化物を目的とするばあい、
さらに微量金属成分を均一に混合したばあいにす
ぐれた効果が奏される。 複合酸化物の製造は、前記金属溶液を加熱し、
金属アルコキシドおよび金属ケトン錯体を大気中
で熱分解することにより行なわれる。 超微粒子状の複合酸化物をうる方法としては、
たとえば複合金属溶液をそのまま加熱して熱分解
する方法、微量の水またはアンモニア水を加えて
加水分解したのち加熱して熱分解する方法、溶液
をガス状またはミスト状にした状態で加熱し熱分
解する方法、溶液をガス化したのちプラズマまた
はレーザー光によつて分解する方法などがある。
ガス状で熱分解する方法およびプラズマなどで分
解する方法によりえられる超微粒子はとくにすぐ
れた分散性を示す。なお一般的に、熱分解速度が
速い程えられる超微粒子の粒径が小さく、化学量
論性がよい。 複合酸化物の薄膜をうる方法としは、たとえば
基板上に複合金属溶液をスプレー、デイツピイン
グ、スピンコーテイングなどにより塗布したのち
加熱して熱分解する方法、分解温度に加熱された
基板に溶液を噴霧する方法、溶液をガス化したの
ち加熱して熱分解するか、またはプラズマもしく
はレーザ光によつて分解しながら分解物を基板上
に堆積させる方法、あるいは印刷法など、金属ア
ルコキシドを単独で使用するばあいに採用される
方法が用いられうる。 基板としては、たとえばガラス、アルミナ、シ
リカなどのセラミツクス製の板、ステンレスなど
の金属板や金属箔、ポリイミドなどの耐熱性樹脂
フイルムなどがあげられる。 塗布法で行なうばあい、複合金属溶液の金属成
分含有量を0.01〜20重量%好ましくは0.1〜10重
量%とし、加熱温度を200℃以上にするとき、一
般に良質な薄膜がえられるが、用いる金属アルコ
キシドと金属ケトン錯体の組合せや塗布手段によ
つて前記条件が大きく変動することがあり、各組
合せに応じて最適条件を決めればよい。なおデイ
ツピング法によるときは、引上げ速度を0.5〜100
cm/分とするのが好ましい。 形成する薄膜の厚さは用いる複合金属溶液の金
属成分含有量、粘度、塗布量などによつて調節で
きるが、通常1回の塗布で膜厚が100〜3000Å程
度、好ましくは100〜1500Å程度に調節するのが
好ましい。また同一または異なる組成の溶液を繰
り返し塗布して同一または異なる組成の薄膜の積
層体としてもよい。 本発明によつてえられる複合酸化物は新しい機
能性セラミツクス材料としてきわめて有望なもの
であり、たとえば各種のセンサ材料、導電膜材
料、光関連デバイス用材料、磁気記録材料、圧電
素子材料、誘電体材料などとしてすぐれた性能を
有する。 つぎに本発明を参考例、実施例および比較例に
基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。 参考例 1〜4 鉄トリイソプロポキシド20.0gを無水エチルア
ルコール100gに溶解し、これにスピネルフエラ
イト組成(Fe:他の金属=2:1)となる量の
第1表に示す各金属のアセチルアセトン錯体をそ
れぞれ加えたところ、いずれも速やかに溶解して
複合金属溶液がえられた。 えられた各複合金属溶液を2つに分け、一方を
そのまま(未加水分解)、他方を少量の水により
加水分解したのち、それぞれ遠赤外線加熱炉を用
い空気中で20℃/分の昇温速度で800℃まで加熱、
焼成して複合酸化物をえた。えられた酸化物中に
はいずれもFeが当初の約99%残つていた。 えられた各複合酸化物の鉄と他の金属の元素比
を蛍光X線分析法により調べた結果を第1表に示
す。
【表】
なお第1表中および後述の第2表中のAAはア
セチルアセトネート基(C5H7O2)を示す。 比較参考例 1〜6 第2表に示す金属のアセチルアセトン錯体を参
考例1と同じ条件で加熱、焼成してそれぞれ対応
する金属酸化物をえた。それぞれの収量および収
率を第2表に示す。
セチルアセトネート基(C5H7O2)を示す。 比較参考例 1〜6 第2表に示す金属のアセチルアセトン錯体を参
考例1と同じ条件で加熱、焼成してそれぞれ対応
する金属酸化物をえた。それぞれの収量および収
率を第2表に示す。
本発明の製造法によるときは、所望の金属を含
む複合酸化物を容易にうることができる。
む複合酸化物を容易にうることができる。
Claims (1)
- 1 金属M1のアルコキシドおよびカルボニル基
を2個以上有するケトンと金属M2との錯体がア
ルデヒドの存在下に溶解している複合金属溶液を
加熱することを特徴とする金属M1と金属M2とを
含む複合酸化物の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21268090A JPH03115105A (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 複合酸化物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21268090A JPH03115105A (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 複合酸化物の製造法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6750783A Division JPS59195504A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 複合材料用複合金属溶液 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03115105A JPH03115105A (ja) | 1991-05-16 |
| JPH0375482B2 true JPH0375482B2 (ja) | 1991-12-02 |
Family
ID=16626635
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21268090A Granted JPH03115105A (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 複合酸化物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH03115105A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013203638A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Mitsubishi Materials Corp | フェライト薄膜の形成方法及び該方法により得られたフェライト薄膜 |
-
1990
- 1990-08-10 JP JP21268090A patent/JPH03115105A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03115105A (ja) | 1991-05-16 |
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