JPH0411670B2 - - Google Patents
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- JPH0411670B2 JPH0411670B2 JP59032597A JP3259784A JPH0411670B2 JP H0411670 B2 JPH0411670 B2 JP H0411670B2 JP 59032597 A JP59032597 A JP 59032597A JP 3259784 A JP3259784 A JP 3259784A JP H0411670 B2 JPH0411670 B2 JP H0411670B2
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Description
本発明は殺菌作用を有する金属イオンを保持し
ているゼオライト系固体粒子を含有せしめた樹脂
と繊維基材とから構成された合成皮革に関する。 合成皮革は耐摩耗性、引張り強さ、引裂強さな
ど機械的特性が優れていること、透湿性があり柔
軟性に富むことにより皮革代替材料として近年、
靴、衣料等の服飾材料に用いられるようになつ
た。これらの用途の中で靴に使用するものについ
ては、着用中の汗、又は水によつて細菌・カビ類
が繁殖し易く、耐久性及び美観の低下、悪臭の発
生という問題があるが、特に有効な対策は提供さ
れていないのが現状である。 本発明者らは先に特願昭58−7361においてゼオ
ライト系固体粒子と有機高分子体とからなり、該
ゼオライト系固体粒子の少なくとも1部が殺菌作
用を有する金属イオンを保持していることを特徴
とするゼオライト粒子含有高分子体およびこれの
製造方法を提供した。すなわち殺菌作用を有する
金属イオンを保持しているゼオライト系固体粒子
を含有せしめた有機高分子体を繊維成型し、編織
したものは殺菌性を有している。したがつて合成
皮革を構成する繊維基材に該繊維成型体を用いれ
ば合成皮革に殺菌性を与えることが出来ると考え
られる。しかし、合成皮革を作る工程において繊
維材にウレタンの如き樹脂を含浸させるので、こ
の含浸樹脂が殺菌性を有する金属イオンを保持し
ているゼオライト系粒子を被覆してしまい、従つ
てその殺菌性が阻害される。 そこで、本発明らはさらに研究を続けた結果、
合成皮革において樹脂を含むエマルジヨンあるい
は溶液に殺菌作用を有する金属イオンをイオン交
換により保持するゼオライト系固体粒子を分散さ
せ、これを繊維基材に含浸させることによつて該
合成皮革に殺菌性が与えうることを見出し本発明
を完成した。 すなわち、本発明は殺菌作用を有する金属イオ
ンをイオン交換により保持しているゼオライト系
固体粒子を含有する樹脂、及び繊維基材から構成
される合成皮革を与えるものである。繊維基材へ
の樹脂の施与は、含浸による他に、コーテイング
又はラミネート化によつて行うこともできる。 なお、以下においては殺菌作用を有する金属イ
オンをイオン交換により保持しているゼオライト
系固体粒子を、簡単のために「殺菌作用を有する
ゼオライト系固体粒子」と表現することがある。 本発明において殺菌作用を有するゼオライト系
固体粒子とは、アルミノシリケートよりなる天然
または合成ゼオライトのイオン交換可能な部分に
殺菌効果を持つ金属イオンの1種又は2種以上を
イオン交換により保持しているものである。殺菌
効果のある金属イオンの好適例としてAg、Cu、
Znが挙げられる。従つて上記目的に対して殺菌
性のある上記金属の単独または混合型の使用が可
能である。 ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨格構
造を有するアルミノシリケートであつて、一般に
はAl2O3を基準にしてXM2/nO・Al2O3・
ySiO2・ZH2Oで表わされる。Mはイオン交換可
能な金属イオンを表わし、通常は1価〜2価の金
属であり、nはこの原子価に対応する。一方Xお
よびyはそれぞれ金属酸化物、シリカの係数、Z
は結晶の数を表わしている。ゼオライトは、その
組成比及び細孔径、比表面積などの異る多くの種
類のものが知られている。 しかし本発明で使用するゼオライト系固体粒子
の比表面積は150m2/g(無水ゼオライト基準)
以上であつて、ゼオライト構成成分のSiO2/
Al2O3モル比は14以下、好ましくは11以下でなけ
ればならない。 本発明で使用する殺菌力を有する金属たとえば
銀、銅および亜鉛の水溶性塩類の溶液は、本発明
で限定しているゼオライトとは容易にイオン交換
するので、かかる現象を利用して必要とする上記
の金属イオンを単独または混合型でゼオライトの
固定相に保持させることが可能であるが、金属イ
オンを保持しているゼオライト系粒子は、比表面
積が150m2/g以上、かつSiO2/Al2O3モル比が
14以下であるという二つの条件を満さなければな
らない。もしそうでなければ効果的な殺菌作用を
達成する目的物が得られないことが判つた。これ
は、効果を発揮できる状態でゼオライトに固定さ
れた金属イオンの絶対量が不足するためであると
考えられる。つまり、ゼオライトの交換基は量、
交換速度、アクセシビリテイなどの物理化学的性
質に帰因するものと考えられる。 従つて、モレキユラーシーブとして知られてい
るSiO2/Al2O3モル比の大きなゼオライトは、本
願発明において全く不適当である。 またSiO2/Al2O3モル比が14以下のゼオライト
においては、殺菌作用を有する金属イオンを均一
に保持させることが可能であり、このためにかか
るゼオライトを用いることにより初めて+分な殺
菌効果が得られることが判つた。加えて、ゼオラ
イトのSiO2/Al2O3モル比が14を越えるシリカ比
率の高いゼオライトの耐酸、耐アルカリ性は、
SiO2の増大とともに増大するが、一方これの合
成にも長時間を要し、経済的にみてもかかる高シ
リカ比率のゼオライトの使用は得策でない。前述
したSiO2/Al2O3≦14の天然または合成ゼオライ
トは本製品の通常考えられる利用分野では、耐酸
性、耐アルカリ性の点よりみても充分に使用可能
であり、また経済的にみても安価であり得策であ
る。この意味からもSiO2/Al2O3モル比は14以下
でなければならない。 本発明で使用するSiO2/Al2O3のモル比が14以
下のゼオライト素材としては天然または合成品の
何れのゼオライトも使用可能である。例えば天然
のゼオライトとしてはアナルシン(Analcime:
SiO2/Al2O3=3.6〜5.6)、チヤバサイト
(Chabazite:SiO2/Al2O3=3.2〜6.0および6.4〜
7.6)、クリノブチロライト(Clinoptillite:
SiO2/Al2O3=8.5〜10.5)、エリオナイト
(Erionite:SiO2/Al2O3=5.8〜7.4)、フオジヤ
サイト(Faujasite:SiO2/Al2O3=4.2〜4.6)、
モルデナイト(mordenite:SiO2/Al2O3=8.34
〜10.0)、フイリツプサイトphillipsite:SiO2/
Al2O3=2.6〜4.4)等が挙げられる。これらの典
型的な天然ゼオライトは本発明に好適である。一
方合成ゼオライトの典型的なものとしてA−型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3=1.4〜2.4)、X−型ゼオ
ライト(SiO2/Al2O3=2〜3)、Y−型ゼオラ
イト(SiO2/Al2O3=3〜6)、モルデナイト
(SiO2/Al2O3=9〜10)等が挙げられるが、こ
れらの合成ゼオライトは本発明のゼオライト素材
として好適である。特に好ましいものは、合成の
A−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼ
オライト及び合成又は天然のモルデナイトであ
る。 ゼオライトの形状は粉末粒子状が好ましく、粒
子径は小さい方が好ましい。場合によつては5ミ
クロン以下、特に2ミクロン以下であることが望
ましい。 本発明において金属イオンはゼオライト系固体
粒子にイオン交換反応により保持されなければな
らない。イオン交換によらず単に吸着あるいは付
着したものでは殺菌効果およびその持続性が不充
分である。 本発明で定義した各種のゼオライトを本発明の
Ag−ゼオライトに転換する場合を例にとると、
通常Ag−ゼオライト転換に際しては硝酸銀のよ
うな水溶性銀塩の溶液が使用されるが、これの濃
度は過大にならないよう留意する必要がある。例
えばA−型またはX−型ゼオライト(ナトリウム
−型)をイオン交換反応を利用してAg−ゼオラ
イトに転換する際に、銀イオン濃度が大であると
(例えば1〜2MAgNO3使用時は)イオン交換に
より銀イオンは固相のナトリウムイオンと置換す
ると同時に、ゼオライト固相中に銀の酸化物等が
沈殿析出する。このために、ゼオライトの多孔性
は減少し、比表面積は著しく減少する欠点があ
る。また比表面積は、さほど減少しなくても、銀
酸化物の存在自体によつて殺菌力は低下する。か
かる過剰銀のゼオライト相への析出を防止するた
めには銀溶液の濃度をより希釈状態例えば
0.3MAgNO3以下に保つことが必要である。もつ
とも安全なAgNO3の濃度は0.1M以下である。か
かる濃度のAgNO3溶液を使用した場合には得ら
れるAg−ゼオライトの比表面積も転換素材のゼ
オライトとほぼ同等であり、殺菌力の効果が最適
条件で発揮できることが判つた。 次に本発明で定義したゼオライト類をCu−ゼ
オライトに転換する場合にも、イオン交換に使用
する銅塩の濃度によつては、前述のAg−ゼオラ
イトと同様な現象が起る。例えばA−型またはX
−型ゼオライト(ナトリウム−型)をイオン交換
反応によりCu−ゼオライトに転換する際に、
1MCuSO4使用時は、Cu2+は固相のNa+と置換す
るが、これと同時にゼオライト固相中にCu3
(SO4)(OH)4のような塩基性沈殿が析出するた
めにゼオライトの多孔性は減少し、比表面積は著
しく減少する欠点がある。かかる過剰な銅のゼオ
ライト相への析出を防止するためには使用する水
溶性銅液の濃度をより希釈状態、例えば0.05M以
下に保つことが好ましい。かかる濃度のCuSO4溶
液の使用時には得られるCu−ゼオライトの比表
面積も転換素材のゼオライトとほぼ同等であり、
殺菌効果が最適な状態で発揮できる利点があるこ
とが判つた。 Ag−ゼオライトならびひCu−ゼオライトへの
転換に際して、イオン交換に使用する塩類の濃度
によりゼオライト固相への固形物の析出があるこ
とを述べたが、Zn−ゼオライトへの転換に際し
ては、使用する塩類が2〜3Mの付近では、かか
る現象がみられない。通常本発明で使用するZn
−ゼオライトは上記濃度付近の塩類を使用するこ
とにより容易に得られる。 上述のAg−ゼオライト、Cy−ゼオライトおよ
びZn−ゼオライトへの転換に際してイオン交換
反応をバツチ法で実施する際には上述の濃度を有
する塩類溶液を用いてゼオライト素材の浸漬処理
を実施すれば良い。ゼオライト素材中への金属含
有量を高めるためにはバツチ処理の回数を増大す
ればよい。一方、上述の濃度を有する塩類溶液を
用いてカラム法によりゼオライト素材を処理する
際には吸着塔にゼオライト素材を充填し、これに
塩類溶液を通過させれば容易に目的とする金属−
ゼオライトが得られる。 上記の金属−ゼオライト(無水ゼオライト基
準)中に占める金属の量は、銀については30重量
%以下であり、好ましい範囲は0.001〜5重量%
にある。一方本発明で使用する銅および亜鉛につ
いては金属−ゼオライト(無水ゼオライト基準)
中に占める銅または亜鉛の量は35重量%以下であ
り、、好ましい範囲は0.01〜15重量%にある。銀、
銅および亜鉛イオンを併用して利用することも可
能であり、この場合は金属イオンの合計量は金属
−ゼオライト(無水ゼオライト基準)に対し35重
量%以下でよく、好ましい範囲は金属イオンの構
成比により左右されるが、およそ0.001〜15重量
%にある。 また、銀、銅、亜鉛以外の金属イオン、例えば
ナトリウム、カリウム、カルシウムあるいは他の
金属イオンが共存していても殺菌効果をさまたげ
ることはないので、これらのイオンの残存又は共
存は何らさしつかえない。 本発明において使用する繊維基材としては、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド
などの合成繊維、レーヨン、キユプラ、アセテー
トなどの再生又は化学繊維、綿などの天然繊維の
単独またはこれらの混合繊維からなる短繊維をカ
ード、ランダム、ウエーバー等でウエブとなした
ものまたはこれをニードルロツカールームでニー
ドルパンチした不織布、または前記繊維からなる
長繊維不織布などが挙げられる。 本発明において使用する樹脂としては、ポリウ
レタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ニトリル
ブタジエン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、
ポリアクリル酸エステル系樹脂などが挙げられ、
これらは単独あるいは混合の型で適用される。 本発明において殺菌性を有するゼオライト系固
体粒子を樹脂へ含有せしめるには該含浸樹脂エマ
ルジヨンあるいは溶液の調製時に添加混合すれば
良いが、いわゆる銀面を有する甲皮の場合には銀
面を形成する樹脂エマルジヨンあるいは溶液にの
み添加するだけでも充分有効である。 本発明におけるゼオライト系固体粒子の施与量
(合成皮革に対する量としてB重量%)および殺
菌作用を有する金属の量(金属−ゼオライトに対
してA重量%)はいずれも殺菌効果に関係する。
殺菌効果を有効に発揮せしめるためには、AXB
(%)の値が銀−ゼオライトの場合は0.005以上、
銅−ゼオライトの場合には0.03以上、亜鉛−ゼオ
ライトの場合は0.1以上となるように調整するこ
とが望ましい。ただし樹脂エマルジヨンあるいは
溶液中に分散せしめるためにはB重量%を概ね3
重量%以下とする必要があるため、これが達成さ
れるようにA重量%をコントロールする必要があ
る。 本発明における繊維基材に対する樹脂エマルジ
ヨンあるいは溶液の含浸、凝固処理およびその後
の仕上処理自体は公知の方法によれば良い。 本発明で定義したゼオライトと、銀、銅、亜鉛
の抗菌性金属イオンとの結合力は、活性炭やアル
ミナ等の吸着物質に単に物理吸着により保持させ
る方法と異なり、極めて大きい。従つてかかる金
属ゼオライトを含有する合成皮革の強力な抗菌性
と、それの長時間持続性は本発明の特徴的利点と
して特記すべきものである。 また用いたゼオライトは、合成皮革の物性を劣
化させることが少ない。 かくして得られた合成皮革はその優れた殺菌性
に基づき細菌・カビ類の繁殖による耐久性及び美
観の低下、悪臭の発生を防止出来る靴の甲皮ある
いは裏材として好適のものである。 次に本発明の実施例について述べるが本発明
は、本実施例に限定されるものではない。実施例
中殺菌効果の評価は、以下の試験方法によつて行
つた。 約30m/m×30m/mに切出した合成皮革の表
面に菌液の一定量を均一に噴霧し、噴霧直後およ
び6時間放置後の生菌数を測定した。 被検菌はStaphylococcus aureus,
EscherichiacoliおよびAspergillusnigerで、いず
れも1当りの生菌数が約106個になるように調
整した菌液を使用した。 また6時間放置温度はStaphylococcusaurous
およびEscherichia coliにあつては35℃、
Aspergillus nigerにあつては30℃であつた。 参考実施例 1 本発明の実施例で使用する未転換の天然及び合
成ゼオライト粒子を第1表に示した。各ゼオライ
トは粗原料を粉砕・分級して所望の粒子径を得
た。第1表のA−型ゼオライトをZ1、X−型ゼオ
ライトをZ2、Y−型ゼオライトをZ3、天然モルデ
ライトをZ4、と略記する。これらゼオライトの粒
子径、含水率、比表面積は第1表の通りであつ
た。 次いで第1表のA−型ゼオライト(Z1)、Y−
型ゼオライト(Z3)および天然モルデナイト
(Z4)の微粉末乾燥品各250gを採取し、各々に1/
10M硝酸銀水溶液500mlを加えて得られた混合物
を室温にて3時間撹拌下に保持してイオン交換を
行なつた。また第1表のX−型ゼオライト(Z2)
の微粉末乾燥品250gを採取し、1/20M硝酸銀水
溶液500mlを加えて得られた混合物を室温にて2
時間撹拌下に保持してイオン交換を行なつた。か
かるイオン交換法により得られた銀−ゼオライト
を過した後、水洗して過剰の銀イオンを除去し
た。次に水洗済みの銀−ゼオライトを100〜105℃
で乾燥してから粉砕して銀−ゼオライトの微粉末
を得た。得られた銀−ゼオライト乾燥品の銀含有
量及び比表面積は第2表の如くであつた。
ているゼオライト系固体粒子を含有せしめた樹脂
と繊維基材とから構成された合成皮革に関する。 合成皮革は耐摩耗性、引張り強さ、引裂強さな
ど機械的特性が優れていること、透湿性があり柔
軟性に富むことにより皮革代替材料として近年、
靴、衣料等の服飾材料に用いられるようになつ
た。これらの用途の中で靴に使用するものについ
ては、着用中の汗、又は水によつて細菌・カビ類
が繁殖し易く、耐久性及び美観の低下、悪臭の発
生という問題があるが、特に有効な対策は提供さ
れていないのが現状である。 本発明者らは先に特願昭58−7361においてゼオ
ライト系固体粒子と有機高分子体とからなり、該
ゼオライト系固体粒子の少なくとも1部が殺菌作
用を有する金属イオンを保持していることを特徴
とするゼオライト粒子含有高分子体およびこれの
製造方法を提供した。すなわち殺菌作用を有する
金属イオンを保持しているゼオライト系固体粒子
を含有せしめた有機高分子体を繊維成型し、編織
したものは殺菌性を有している。したがつて合成
皮革を構成する繊維基材に該繊維成型体を用いれ
ば合成皮革に殺菌性を与えることが出来ると考え
られる。しかし、合成皮革を作る工程において繊
維材にウレタンの如き樹脂を含浸させるので、こ
の含浸樹脂が殺菌性を有する金属イオンを保持し
ているゼオライト系粒子を被覆してしまい、従つ
てその殺菌性が阻害される。 そこで、本発明らはさらに研究を続けた結果、
合成皮革において樹脂を含むエマルジヨンあるい
は溶液に殺菌作用を有する金属イオンをイオン交
換により保持するゼオライト系固体粒子を分散さ
せ、これを繊維基材に含浸させることによつて該
合成皮革に殺菌性が与えうることを見出し本発明
を完成した。 すなわち、本発明は殺菌作用を有する金属イオ
ンをイオン交換により保持しているゼオライト系
固体粒子を含有する樹脂、及び繊維基材から構成
される合成皮革を与えるものである。繊維基材へ
の樹脂の施与は、含浸による他に、コーテイング
又はラミネート化によつて行うこともできる。 なお、以下においては殺菌作用を有する金属イ
オンをイオン交換により保持しているゼオライト
系固体粒子を、簡単のために「殺菌作用を有する
ゼオライト系固体粒子」と表現することがある。 本発明において殺菌作用を有するゼオライト系
固体粒子とは、アルミノシリケートよりなる天然
または合成ゼオライトのイオン交換可能な部分に
殺菌効果を持つ金属イオンの1種又は2種以上を
イオン交換により保持しているものである。殺菌
効果のある金属イオンの好適例としてAg、Cu、
Znが挙げられる。従つて上記目的に対して殺菌
性のある上記金属の単独または混合型の使用が可
能である。 ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨格構
造を有するアルミノシリケートであつて、一般に
はAl2O3を基準にしてXM2/nO・Al2O3・
ySiO2・ZH2Oで表わされる。Mはイオン交換可
能な金属イオンを表わし、通常は1価〜2価の金
属であり、nはこの原子価に対応する。一方Xお
よびyはそれぞれ金属酸化物、シリカの係数、Z
は結晶の数を表わしている。ゼオライトは、その
組成比及び細孔径、比表面積などの異る多くの種
類のものが知られている。 しかし本発明で使用するゼオライト系固体粒子
の比表面積は150m2/g(無水ゼオライト基準)
以上であつて、ゼオライト構成成分のSiO2/
Al2O3モル比は14以下、好ましくは11以下でなけ
ればならない。 本発明で使用する殺菌力を有する金属たとえば
銀、銅および亜鉛の水溶性塩類の溶液は、本発明
で限定しているゼオライトとは容易にイオン交換
するので、かかる現象を利用して必要とする上記
の金属イオンを単独または混合型でゼオライトの
固定相に保持させることが可能であるが、金属イ
オンを保持しているゼオライト系粒子は、比表面
積が150m2/g以上、かつSiO2/Al2O3モル比が
14以下であるという二つの条件を満さなければな
らない。もしそうでなければ効果的な殺菌作用を
達成する目的物が得られないことが判つた。これ
は、効果を発揮できる状態でゼオライトに固定さ
れた金属イオンの絶対量が不足するためであると
考えられる。つまり、ゼオライトの交換基は量、
交換速度、アクセシビリテイなどの物理化学的性
質に帰因するものと考えられる。 従つて、モレキユラーシーブとして知られてい
るSiO2/Al2O3モル比の大きなゼオライトは、本
願発明において全く不適当である。 またSiO2/Al2O3モル比が14以下のゼオライト
においては、殺菌作用を有する金属イオンを均一
に保持させることが可能であり、このためにかか
るゼオライトを用いることにより初めて+分な殺
菌効果が得られることが判つた。加えて、ゼオラ
イトのSiO2/Al2O3モル比が14を越えるシリカ比
率の高いゼオライトの耐酸、耐アルカリ性は、
SiO2の増大とともに増大するが、一方これの合
成にも長時間を要し、経済的にみてもかかる高シ
リカ比率のゼオライトの使用は得策でない。前述
したSiO2/Al2O3≦14の天然または合成ゼオライ
トは本製品の通常考えられる利用分野では、耐酸
性、耐アルカリ性の点よりみても充分に使用可能
であり、また経済的にみても安価であり得策であ
る。この意味からもSiO2/Al2O3モル比は14以下
でなければならない。 本発明で使用するSiO2/Al2O3のモル比が14以
下のゼオライト素材としては天然または合成品の
何れのゼオライトも使用可能である。例えば天然
のゼオライトとしてはアナルシン(Analcime:
SiO2/Al2O3=3.6〜5.6)、チヤバサイト
(Chabazite:SiO2/Al2O3=3.2〜6.0および6.4〜
7.6)、クリノブチロライト(Clinoptillite:
SiO2/Al2O3=8.5〜10.5)、エリオナイト
(Erionite:SiO2/Al2O3=5.8〜7.4)、フオジヤ
サイト(Faujasite:SiO2/Al2O3=4.2〜4.6)、
モルデナイト(mordenite:SiO2/Al2O3=8.34
〜10.0)、フイリツプサイトphillipsite:SiO2/
Al2O3=2.6〜4.4)等が挙げられる。これらの典
型的な天然ゼオライトは本発明に好適である。一
方合成ゼオライトの典型的なものとしてA−型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3=1.4〜2.4)、X−型ゼオ
ライト(SiO2/Al2O3=2〜3)、Y−型ゼオラ
イト(SiO2/Al2O3=3〜6)、モルデナイト
(SiO2/Al2O3=9〜10)等が挙げられるが、こ
れらの合成ゼオライトは本発明のゼオライト素材
として好適である。特に好ましいものは、合成の
A−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼ
オライト及び合成又は天然のモルデナイトであ
る。 ゼオライトの形状は粉末粒子状が好ましく、粒
子径は小さい方が好ましい。場合によつては5ミ
クロン以下、特に2ミクロン以下であることが望
ましい。 本発明において金属イオンはゼオライト系固体
粒子にイオン交換反応により保持されなければな
らない。イオン交換によらず単に吸着あるいは付
着したものでは殺菌効果およびその持続性が不充
分である。 本発明で定義した各種のゼオライトを本発明の
Ag−ゼオライトに転換する場合を例にとると、
通常Ag−ゼオライト転換に際しては硝酸銀のよ
うな水溶性銀塩の溶液が使用されるが、これの濃
度は過大にならないよう留意する必要がある。例
えばA−型またはX−型ゼオライト(ナトリウム
−型)をイオン交換反応を利用してAg−ゼオラ
イトに転換する際に、銀イオン濃度が大であると
(例えば1〜2MAgNO3使用時は)イオン交換に
より銀イオンは固相のナトリウムイオンと置換す
ると同時に、ゼオライト固相中に銀の酸化物等が
沈殿析出する。このために、ゼオライトの多孔性
は減少し、比表面積は著しく減少する欠点があ
る。また比表面積は、さほど減少しなくても、銀
酸化物の存在自体によつて殺菌力は低下する。か
かる過剰銀のゼオライト相への析出を防止するた
めには銀溶液の濃度をより希釈状態例えば
0.3MAgNO3以下に保つことが必要である。もつ
とも安全なAgNO3の濃度は0.1M以下である。か
かる濃度のAgNO3溶液を使用した場合には得ら
れるAg−ゼオライトの比表面積も転換素材のゼ
オライトとほぼ同等であり、殺菌力の効果が最適
条件で発揮できることが判つた。 次に本発明で定義したゼオライト類をCu−ゼ
オライトに転換する場合にも、イオン交換に使用
する銅塩の濃度によつては、前述のAg−ゼオラ
イトと同様な現象が起る。例えばA−型またはX
−型ゼオライト(ナトリウム−型)をイオン交換
反応によりCu−ゼオライトに転換する際に、
1MCuSO4使用時は、Cu2+は固相のNa+と置換す
るが、これと同時にゼオライト固相中にCu3
(SO4)(OH)4のような塩基性沈殿が析出するた
めにゼオライトの多孔性は減少し、比表面積は著
しく減少する欠点がある。かかる過剰な銅のゼオ
ライト相への析出を防止するためには使用する水
溶性銅液の濃度をより希釈状態、例えば0.05M以
下に保つことが好ましい。かかる濃度のCuSO4溶
液の使用時には得られるCu−ゼオライトの比表
面積も転換素材のゼオライトとほぼ同等であり、
殺菌効果が最適な状態で発揮できる利点があるこ
とが判つた。 Ag−ゼオライトならびひCu−ゼオライトへの
転換に際して、イオン交換に使用する塩類の濃度
によりゼオライト固相への固形物の析出があるこ
とを述べたが、Zn−ゼオライトへの転換に際し
ては、使用する塩類が2〜3Mの付近では、かか
る現象がみられない。通常本発明で使用するZn
−ゼオライトは上記濃度付近の塩類を使用するこ
とにより容易に得られる。 上述のAg−ゼオライト、Cy−ゼオライトおよ
びZn−ゼオライトへの転換に際してイオン交換
反応をバツチ法で実施する際には上述の濃度を有
する塩類溶液を用いてゼオライト素材の浸漬処理
を実施すれば良い。ゼオライト素材中への金属含
有量を高めるためにはバツチ処理の回数を増大す
ればよい。一方、上述の濃度を有する塩類溶液を
用いてカラム法によりゼオライト素材を処理する
際には吸着塔にゼオライト素材を充填し、これに
塩類溶液を通過させれば容易に目的とする金属−
ゼオライトが得られる。 上記の金属−ゼオライト(無水ゼオライト基
準)中に占める金属の量は、銀については30重量
%以下であり、好ましい範囲は0.001〜5重量%
にある。一方本発明で使用する銅および亜鉛につ
いては金属−ゼオライト(無水ゼオライト基準)
中に占める銅または亜鉛の量は35重量%以下であ
り、、好ましい範囲は0.01〜15重量%にある。銀、
銅および亜鉛イオンを併用して利用することも可
能であり、この場合は金属イオンの合計量は金属
−ゼオライト(無水ゼオライト基準)に対し35重
量%以下でよく、好ましい範囲は金属イオンの構
成比により左右されるが、およそ0.001〜15重量
%にある。 また、銀、銅、亜鉛以外の金属イオン、例えば
ナトリウム、カリウム、カルシウムあるいは他の
金属イオンが共存していても殺菌効果をさまたげ
ることはないので、これらのイオンの残存又は共
存は何らさしつかえない。 本発明において使用する繊維基材としては、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド
などの合成繊維、レーヨン、キユプラ、アセテー
トなどの再生又は化学繊維、綿などの天然繊維の
単独またはこれらの混合繊維からなる短繊維をカ
ード、ランダム、ウエーバー等でウエブとなした
ものまたはこれをニードルロツカールームでニー
ドルパンチした不織布、または前記繊維からなる
長繊維不織布などが挙げられる。 本発明において使用する樹脂としては、ポリウ
レタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ニトリル
ブタジエン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、
ポリアクリル酸エステル系樹脂などが挙げられ、
これらは単独あるいは混合の型で適用される。 本発明において殺菌性を有するゼオライト系固
体粒子を樹脂へ含有せしめるには該含浸樹脂エマ
ルジヨンあるいは溶液の調製時に添加混合すれば
良いが、いわゆる銀面を有する甲皮の場合には銀
面を形成する樹脂エマルジヨンあるいは溶液にの
み添加するだけでも充分有効である。 本発明におけるゼオライト系固体粒子の施与量
(合成皮革に対する量としてB重量%)および殺
菌作用を有する金属の量(金属−ゼオライトに対
してA重量%)はいずれも殺菌効果に関係する。
殺菌効果を有効に発揮せしめるためには、AXB
(%)の値が銀−ゼオライトの場合は0.005以上、
銅−ゼオライトの場合には0.03以上、亜鉛−ゼオ
ライトの場合は0.1以上となるように調整するこ
とが望ましい。ただし樹脂エマルジヨンあるいは
溶液中に分散せしめるためにはB重量%を概ね3
重量%以下とする必要があるため、これが達成さ
れるようにA重量%をコントロールする必要があ
る。 本発明における繊維基材に対する樹脂エマルジ
ヨンあるいは溶液の含浸、凝固処理およびその後
の仕上処理自体は公知の方法によれば良い。 本発明で定義したゼオライトと、銀、銅、亜鉛
の抗菌性金属イオンとの結合力は、活性炭やアル
ミナ等の吸着物質に単に物理吸着により保持させ
る方法と異なり、極めて大きい。従つてかかる金
属ゼオライトを含有する合成皮革の強力な抗菌性
と、それの長時間持続性は本発明の特徴的利点と
して特記すべきものである。 また用いたゼオライトは、合成皮革の物性を劣
化させることが少ない。 かくして得られた合成皮革はその優れた殺菌性
に基づき細菌・カビ類の繁殖による耐久性及び美
観の低下、悪臭の発生を防止出来る靴の甲皮ある
いは裏材として好適のものである。 次に本発明の実施例について述べるが本発明
は、本実施例に限定されるものではない。実施例
中殺菌効果の評価は、以下の試験方法によつて行
つた。 約30m/m×30m/mに切出した合成皮革の表
面に菌液の一定量を均一に噴霧し、噴霧直後およ
び6時間放置後の生菌数を測定した。 被検菌はStaphylococcus aureus,
EscherichiacoliおよびAspergillusnigerで、いず
れも1当りの生菌数が約106個になるように調
整した菌液を使用した。 また6時間放置温度はStaphylococcusaurous
およびEscherichia coliにあつては35℃、
Aspergillus nigerにあつては30℃であつた。 参考実施例 1 本発明の実施例で使用する未転換の天然及び合
成ゼオライト粒子を第1表に示した。各ゼオライ
トは粗原料を粉砕・分級して所望の粒子径を得
た。第1表のA−型ゼオライトをZ1、X−型ゼオ
ライトをZ2、Y−型ゼオライトをZ3、天然モルデ
ライトをZ4、と略記する。これらゼオライトの粒
子径、含水率、比表面積は第1表の通りであつ
た。 次いで第1表のA−型ゼオライト(Z1)、Y−
型ゼオライト(Z3)および天然モルデナイト
(Z4)の微粉末乾燥品各250gを採取し、各々に1/
10M硝酸銀水溶液500mlを加えて得られた混合物
を室温にて3時間撹拌下に保持してイオン交換を
行なつた。また第1表のX−型ゼオライト(Z2)
の微粉末乾燥品250gを採取し、1/20M硝酸銀水
溶液500mlを加えて得られた混合物を室温にて2
時間撹拌下に保持してイオン交換を行なつた。か
かるイオン交換法により得られた銀−ゼオライト
を過した後、水洗して過剰の銀イオンを除去し
た。次に水洗済みの銀−ゼオライトを100〜105℃
で乾燥してから粉砕して銀−ゼオライトの微粉末
を得た。得られた銀−ゼオライト乾燥品の銀含有
量及び比表面積は第2表の如くであつた。
【表】
銀−ゼオライト転換品のうち、銀−A型ゼオラ
イトをZ5、銀−X型ゼオライトをZ6、銀−Y型ゼ
オライトをZ7、銀−天然モルデナイトをZ8と略記
する。 参考実施例 2 第1表のA−型ゼオライト(Z1)およびY−型
ゼオライト(Z3)の合成ゼオライトの微粉末乾燥
品各250gを採取し、各々に1/20M硫酸銅水溶液
1を加えた。得られた混合物を40℃で撹拌下に
5時間保持した。かかるイオン交換法により得ら
れた銅−ゼオライトを遠心分離により分離した。
次に前記同様の処理を繰り返した。本調製方法で
はかかるバツチ法による処理を5回実施した。最
終的に得られた転換品は吸引過後硫酸イオンが
なくなるまで水洗された。次に水洗済みの銅−ゼ
オライトを100〜105℃で乾燥した後、粉砕して微
粉末の銅−ゼオライト転換品を得た。 上述の方法で得られた銅−ゼオライト転換品の
銅含有量及び比表面積を第2表に示した。銅−ゼ
オライト転換品のうち、銅−A型ゼオライトを
Z9、銅−Y型ゼオライトをZ10と略記する。 参考実施例 3 第1表のA−型ゼオライト(Z1)およびX−型
ゼオライト(Z2)の乾燥粉末250gを採取し、こ
れに2M塩化亜鉛溶液1を加えて得られた混合
物を60℃付近にて撹拌下に3時間20分間保持し
た。かかるイオン交換により得られた亜鉛−ゼオ
ライトを遠心分離により分離した。次に前記同様
の処理を繰り返した。本調製方法ではかかるバツ
チ法による処理を4回実施した。最終的に得られ
た転換品を水洗して過剰の亜鉛イオンを除去し
た。 次に亜鉛転換物を100℃付近にて乾燥後、粉砕
して亜鉛−A型ゼオライトの微粉末を得た。 また、水洗済みの亜鉛−X型ゼオライトを100
〜105℃で乾燥してから粉砕して亜鉛−ゼオライ
トの微粉末を得た。 上述の方法で得られた2種類の亜鉛−ゼオライ
ト転換品の亜鉛含有量及び比表面積を第2表に示
した。 亜鉛−ゼオライト転換品のうち、亜鉛−A型ゼ
オライトをZ11、亜鉛−X型ゼオライトをZ12と略
記する。
イトをZ5、銀−X型ゼオライトをZ6、銀−Y型ゼ
オライトをZ7、銀−天然モルデナイトをZ8と略記
する。 参考実施例 2 第1表のA−型ゼオライト(Z1)およびY−型
ゼオライト(Z3)の合成ゼオライトの微粉末乾燥
品各250gを採取し、各々に1/20M硫酸銅水溶液
1を加えた。得られた混合物を40℃で撹拌下に
5時間保持した。かかるイオン交換法により得ら
れた銅−ゼオライトを遠心分離により分離した。
次に前記同様の処理を繰り返した。本調製方法で
はかかるバツチ法による処理を5回実施した。最
終的に得られた転換品は吸引過後硫酸イオンが
なくなるまで水洗された。次に水洗済みの銅−ゼ
オライトを100〜105℃で乾燥した後、粉砕して微
粉末の銅−ゼオライト転換品を得た。 上述の方法で得られた銅−ゼオライト転換品の
銅含有量及び比表面積を第2表に示した。銅−ゼ
オライト転換品のうち、銅−A型ゼオライトを
Z9、銅−Y型ゼオライトをZ10と略記する。 参考実施例 3 第1表のA−型ゼオライト(Z1)およびX−型
ゼオライト(Z2)の乾燥粉末250gを採取し、こ
れに2M塩化亜鉛溶液1を加えて得られた混合
物を60℃付近にて撹拌下に3時間20分間保持し
た。かかるイオン交換により得られた亜鉛−ゼオ
ライトを遠心分離により分離した。次に前記同様
の処理を繰り返した。本調製方法ではかかるバツ
チ法による処理を4回実施した。最終的に得られ
た転換品を水洗して過剰の亜鉛イオンを除去し
た。 次に亜鉛転換物を100℃付近にて乾燥後、粉砕
して亜鉛−A型ゼオライトの微粉末を得た。 また、水洗済みの亜鉛−X型ゼオライトを100
〜105℃で乾燥してから粉砕して亜鉛−ゼオライ
トの微粉末を得た。 上述の方法で得られた2種類の亜鉛−ゼオライ
ト転換品の亜鉛含有量及び比表面積を第2表に示
した。 亜鉛−ゼオライト転換品のうち、亜鉛−A型ゼ
オライトをZ11、亜鉛−X型ゼオライトをZ12と略
記する。
【表】
実施例 1
繊度1.5デニール、繊維長38mmのナイロン6短
繊維50部および繊度1.5デニール、繊維長38mmの
ポリエチレンテレフタレート短繊維50部を混合
し、ランダムウエブとしニードルパンチを行つて
見掛け密度0.21g/cm3の三次元化不織布を得た。 ポリウレタンエラストマーの15%ジメチルホル
ムアミド溶液に含浸し、これを水中で湿式凝固し
た後、湯洗、乾燥を行つてシート状物を得た。こ
のシート状物の繊維基材とポリウレタンエラスト
マーの重量比は100/60、見掛け密度は0.34g/
cm3であつた。 第2表に示した銀−A型ゼオライト(Z5)、銀
−Y型ゼオライト(Z7)または銀−天然モルデナ
イト(Z6)が各々3%、ウレタンエラストマー30
%、カーボンブラツク1%、ジメチルホルムアミ
ド66%からなる溶液を1.0mmの厚みに塗布し、こ
れを水中で湿式凝固した後、湯洗、乾燥して合成
皮革を得た。この合成皮革において繊維基材、ポ
リウレタンエラストマー及びゼオライトの重量比
は100/100/4、見掛け密度は0.40g/cm3であつ
た。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第4表に示
す。
繊維50部および繊度1.5デニール、繊維長38mmの
ポリエチレンテレフタレート短繊維50部を混合
し、ランダムウエブとしニードルパンチを行つて
見掛け密度0.21g/cm3の三次元化不織布を得た。 ポリウレタンエラストマーの15%ジメチルホル
ムアミド溶液に含浸し、これを水中で湿式凝固し
た後、湯洗、乾燥を行つてシート状物を得た。こ
のシート状物の繊維基材とポリウレタンエラスト
マーの重量比は100/60、見掛け密度は0.34g/
cm3であつた。 第2表に示した銀−A型ゼオライト(Z5)、銀
−Y型ゼオライト(Z7)または銀−天然モルデナ
イト(Z6)が各々3%、ウレタンエラストマー30
%、カーボンブラツク1%、ジメチルホルムアミ
ド66%からなる溶液を1.0mmの厚みに塗布し、こ
れを水中で湿式凝固した後、湯洗、乾燥して合成
皮革を得た。この合成皮革において繊維基材、ポ
リウレタンエラストマー及びゼオライトの重量比
は100/100/4、見掛け密度は0.40g/cm3であつ
た。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第4表に示
す。
【表】
Staphylococcus aureusおよびEscherichia
coliに対する殺菌効果は十分であり、Aspergillus
nigerに対する殺菌効果も85%以上である。 比較例 1 第1表に示した銀未転換のゼオライトZ1、Z3ま
たはZ4を実施例1と同様に使用して合成皮革を得
た。該合成皮革の抗菌力の評価を実施例1と同様
実施したところ殺菌効果は0であつた。 実施例 2 繊度1.5デニール、繊維長38mmのナイロン6短
繊維50部および繊度1.3デニール、繊維長38mmの
再生セルロース短繊維50部を混合しクロスラツパ
ーウエブとしニードルパンチを行つて見掛け密度
0.20g/cm3の三次元化不織布を得た。 第2表に示した銀−X型ゼオライト(Z6)、銅
−A型ゼオライト(Z9)、銅−Y型ゼオライト
(Z10)、亜鉛−A型ゼオライト(Z11)および亜鉛
−X型ゼオライト(Z12)が各々0.6%、ウレタン
エラストマー15%、カーボンブラツク1%、ジメ
チルホルムアミド83%からなる溶液に含浸し、こ
れを水中で湿式凝固した後、湯洗、乾燥を行つて
シート状物を得た。得られたシートをサンドペー
パーをつけたバフ材で表面を起毛し表面に羽毛繊
維の密生した裏材用合成皮革とした。 この裏材用合成皮革において繊維基材、ポリウ
レタンエラストマー及びゼオライトの重量比は
100/60/2.4、見掛け密度0.32g/cm3であつた。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第4表に示
す。
coliに対する殺菌効果は十分であり、Aspergillus
nigerに対する殺菌効果も85%以上である。 比較例 1 第1表に示した銀未転換のゼオライトZ1、Z3ま
たはZ4を実施例1と同様に使用して合成皮革を得
た。該合成皮革の抗菌力の評価を実施例1と同様
実施したところ殺菌効果は0であつた。 実施例 2 繊度1.5デニール、繊維長38mmのナイロン6短
繊維50部および繊度1.3デニール、繊維長38mmの
再生セルロース短繊維50部を混合しクロスラツパ
ーウエブとしニードルパンチを行つて見掛け密度
0.20g/cm3の三次元化不織布を得た。 第2表に示した銀−X型ゼオライト(Z6)、銅
−A型ゼオライト(Z9)、銅−Y型ゼオライト
(Z10)、亜鉛−A型ゼオライト(Z11)および亜鉛
−X型ゼオライト(Z12)が各々0.6%、ウレタン
エラストマー15%、カーボンブラツク1%、ジメ
チルホルムアミド83%からなる溶液に含浸し、こ
れを水中で湿式凝固した後、湯洗、乾燥を行つて
シート状物を得た。得られたシートをサンドペー
パーをつけたバフ材で表面を起毛し表面に羽毛繊
維の密生した裏材用合成皮革とした。 この裏材用合成皮革において繊維基材、ポリウ
レタンエラストマー及びゼオライトの重量比は
100/60/2.4、見掛け密度0.32g/cm3であつた。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第4表に示
す。
【表】
いずれも85%以上の殺菌効果を示した。
比較例 2
第1表に示した銀未転換のゼオライトZ1、Z2お
よびZ3を実施例2と同様に使用して裏材用合成皮
革を得た。該裏材用合成皮革の抗菌力の評価を実
施例2と同様に実施したところ殺菌効果は0であ
つた。 実施例 3〜6 実施例1に示した三次元化不織布を用いて、含
浸樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂、ニトリルブ
タジエン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、ポ
リアクリル酸エステル系樹脂を用いて公知の含浸
凝固方法により、甲皮には銀−A型ゼオライト
(Z5)および裏材には銀−X型ゼオライト(Z6)
を使用して合成皮革を得た。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第5表に示
す。
よびZ3を実施例2と同様に使用して裏材用合成皮
革を得た。該裏材用合成皮革の抗菌力の評価を実
施例2と同様に実施したところ殺菌効果は0であ
つた。 実施例 3〜6 実施例1に示した三次元化不織布を用いて、含
浸樹脂としてポリ塩化ビニル系樹脂、ニトリルブ
タジエン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、ポ
リアクリル酸エステル系樹脂を用いて公知の含浸
凝固方法により、甲皮には銀−A型ゼオライト
(Z5)および裏材には銀−X型ゼオライト(Z6)
を使用して合成皮革を得た。 該合成皮革の抗菌力の評価結果を第5表に示
す。
【表】
含浸樹脂、含浸、凝固方法によつて殺菌効果は
左右されることが認められた。
左右されることが認められた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 殺菌作用を有する金属イオンをイオン交換に
より保持しているゼオライト系固体粒子を含有す
る樹脂、及び繊維基材から構成される合成皮革。 2 ゼオライト系固体粒子が150m2/g以上の比
表面積及び14以下のSiO2/Al2O3モル比を有する
特許請求の範囲第1項記載の合成皮革。 3 ゼオライト系固体粒子がA−型ゼオライト、
X−型ゼオライト、Y−型ゼオライトまたはモル
デナイトから構成されている特許請求の範囲第1
項または第2項記載の合成皮革。 4 殺菌作用を有する金属イオンが銀、銅及び亜
鉛から成る群より選ばれた1種または2種以上の
金属イオンである特許請求の範囲第1項〜第3項
のいずれか一つに記載の合成皮革。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3259784A JPS60181370A (ja) | 1984-02-24 | 1984-02-24 | 殺菌性を有する合成皮革 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3259784A JPS60181370A (ja) | 1984-02-24 | 1984-02-24 | 殺菌性を有する合成皮革 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60181370A JPS60181370A (ja) | 1985-09-17 |
| JPH0411670B2 true JPH0411670B2 (ja) | 1992-03-02 |
Family
ID=12363265
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3259784A Granted JPS60181370A (ja) | 1984-02-24 | 1984-02-24 | 殺菌性を有する合成皮革 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60181370A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4938958A (en) * | 1986-12-05 | 1990-07-03 | Shinagawa Fuel Co., Ltd. | Antibiotic zeolite |
| JPS63265958A (ja) * | 1987-04-22 | 1988-11-02 | Shinagawa Nenryo Kk | 抗菌性樹脂組成物 |
| JPH0618899B2 (ja) * | 1987-06-30 | 1994-03-16 | 品川燃料株式会社 | 抗菌性ゼオライト含有フィルム |
| JPH0688885B2 (ja) * | 1987-12-26 | 1994-11-09 | 品川燃料株式会社 | 抗菌性粉体を含有する分散体の製造方法 |
| JPH01105438U (ja) * | 1987-12-28 | 1989-07-17 | ||
| CA2262348C (en) * | 1998-02-25 | 2008-04-29 | Rengo Co., Ltd. | Composition containing inorganic porous crystals-hydrophilic macromolecule composite and product made therefrom |
| US6929705B2 (en) | 2001-04-30 | 2005-08-16 | Ak Steel Corporation | Antimicrobial coated metal sheet |
| JP4847307B2 (ja) * | 2006-12-13 | 2011-12-28 | 東京瓦斯株式会社 | カソード防食システム及びカソード防食方法 |
| KR100908107B1 (ko) | 2008-12-29 | 2009-07-16 | (주)하나무역 | 은나노 입자층이 코팅된 가죽원단의 제조방법 및 그에 의해제조된 가죽원단 |
| JP6839946B2 (ja) * | 2016-09-14 | 2021-03-10 | 株式会社クラレ | ボール表皮材 |
| WO2018203494A1 (ja) * | 2017-05-01 | 2018-11-08 | 株式会社クラレ | 人工皮革基材及び銀付調人工皮革 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR1061158A (fr) * | 1952-07-31 | 1954-04-09 | Auxiliaire Des Chemins De Fer | Nouvelle peinture anti-parasitaire |
| JPS54132202A (en) * | 1978-03-31 | 1979-10-15 | Nippon Ion Kk | Similation leather |
| JPS57106777A (en) * | 1980-12-25 | 1982-07-02 | Ichirou Noda | Production of synthetic leather for grip |
-
1984
- 1984-02-24 JP JP3259784A patent/JPS60181370A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60181370A (ja) | 1985-09-17 |
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