JPH0416404B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0416404B2 JPH0416404B2 JP58029225A JP2922583A JPH0416404B2 JP H0416404 B2 JPH0416404 B2 JP H0416404B2 JP 58029225 A JP58029225 A JP 58029225A JP 2922583 A JP2922583 A JP 2922583A JP H0416404 B2 JPH0416404 B2 JP H0416404B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zeolite
- acid
- extender pigment
- extender
- refractive index
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
本発明は非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分とす
る体質顔料に関する。 一般に、体質顔料は非着色性の顔料であつて、
他の着色用顔料と共に塗料や印刷インキの配合物
あるいはレーキ顔料の基材として使用され、着色
顔料の展色を効果的にする。塗膜に補強効果を与
える、下地や塗膜の面を平滑にする、塗料や印刷
インキに適当な粘性と流動性を与える、等の作用
効果を発揮させるものであつてこのためには、体
質顔料が下記の諸要件を備えていることが必要で
ある。 亜麻仁油やワニスなどのビヒクル中で可及的
に透明であること; 顔料粒子のきめが細かく、ビヒクルや他の顔
料などの混合が容易で、分散性のよいこと; 吸油量の値が適切で、適度の配合量で所望の
流動特性が得られること; ビヒクルや溶剤に不溶性であり、またそれら
と反応性がないこと; 光・熱・薬品などに堅ろうであること; 印刷インキの乾燥性を阻害しないこと; 毒性のないこと; などである。 従来、体質顔料としては主に硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、アルミナホワイト、ホワイトカー
ボンなどが使用されているが、これらの体質顔料
は一長・一短があり、総合的には何れも満足すべ
きものではなかつた。 すなわち、硫酸バリウムは古くから体質顔料と
して使われているが、亜麻仁油で練ると半透明の
ペーストになり、練り易いが一般用インキとして
の適性はあまり良くない。 炭酸カルシウムも練り易いが、亜麻仁油中では
半透明であり、高度の透明性を必要とする印刷イ
ンキには適さない。また、若干マツトな塗膜が生
じ易いという欠点がある。 アルミナホワイトは亜麻仁油と練るとほぼ透明
なペーストが得られるが、酸価の高いワニスと練
るとリバリングを起したりインキの乾燥を遅らせ
たりする欠点がある。また、塗膜の光沢が失なわ
れ易く、他の顔料を変色させることもある。 一方、ホワイトカーボンはビヒクル中でかなり
透明であるが、吸油量の値が著しく大(100〜200
ml/100g)で少量の添加で粘度が増大するため
添加量が少量に限られ、着色または白色顔料に対
する充分な展色効果や塗膜の補強効果などが得ら
れないという欠点がある。 また従来、或種の無定形アルミノ珪酸塩の微粉
末(ゼオレツクス)を塗料の充填剤として使用す
ることが知られているが、この種のアルミノ珪酸
塩はゼオライトと異なり、むしろホワイトカーボ
ンに近いものであつて一次粒子の径が0.02〜
0.04μmの超微粒子から成り、吸油量の値も約100
〜150ml/100gであり、物質の構造や性状、或い
は使用の目的、効果等も本発明の体質顔料とは著
しく相違するものである。 本発明者らは、このような従来の体質顔料の多
くの欠点を克服する新規の高性能体質顔料を開発
するために各種の実験と検討を重ねた結果、ゼオ
ライトを酸処理することによつて得られる非晶質
のアルミノ珪酸塩およびその表面改質物が体質顔
料として極めて好適であることを見出し本発明を
完成した。 すなわち、本発明はゼオライトの酸処理によつ
て得られる非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分とし
た、吸油量の値が10ないし80ml/100gであり、
かつ屈折率の値が1.42ないし1.53であることを特
徴とする体質顔料である。 一般に、ゼオライトは一般式(1.0±0.2)
M2O・Al2O3・xSiO2・yH2O(但し、MはNaま
たはそれと当量の1価または多価金属、xは多く
の場合1.5〜20、yは0〜10の値)で表わされる
化学組成とX線回折によつて識別することのでき
る独特の結晶構造を有するアルミノ珪酸塩であ
り、天然鉱物及び合成品を含めて各種のものが知
られている(通常、MはNaである)。 また、ゼオライトは一般に独特な結晶構造に基
づく独特な吸着性能やイオン交換性能を有するこ
とも知られており、それらの特性を生かした各種
の用途がひらかれている。 しかして、本発明にかかる体質顔料は前記ゼオ
ライトのうち基本的粒子形態のスケルトンを実質
的に具備している酸処理物であつて、かつ体質顔
料として望ましい吸油量と屈折率とを有する非晶
質アルミノ珪酸塩である。従つて、以下にその製
法と共に本発明の体質顔料について詳述する。 本発明者らの検討結果によれば、驚くべきこと
にA型ゼオライト(Na2O・Al2O3・2SiO2・
4.5H2O)やX型ゼオライト(Na2O・Al2O3・
2.5SiO2・6.1H2O)等の成分モル比(SiO2/
Al2O3)の値が比較的小さい種類のゼオライトは
酸で適度に処理することによつて、X線的には明
らかに非晶質となるにもかかわらず、その一次粒
子の形や大きさなどの粒子状態は酸処理によつて
殆んど変化せず、酸処理前の粒子状態が殆んどそ
のまゝ保持されることが判明した。 本発明はこのような事実の応用に基づくもので
あつて、ゼオライトの酸処理により非晶質のアル
ミノ珪酸塩と化学的特徴が全く別途になるにも拘
らず、原体ゼオライトの基本的粒子特性を維持し
たものであるから、体質顔料としては原体ゼオラ
イトの諸物性の依存性が大きく、ゼオライト自体
の粒子状態は勿論、吸油量、屈折率等の特性が適
切なものであることが必要である。 従つて、本発明において使用する原料としての
ゼオライトは、まず上記のように成分モル比
(SiO2/Al2O3)が比較的小さい種類のものであ
るとともに、その粒子状態が均一微細であること
が必要である。 この場合、均一微細な粒子状態とは10μm以上
の粒度部分が1%以下であり、かつ6μm以下の
粒度部分が85%以上であるような粒度分布を有す
るものを意味する。 また、本発明において使用する原料としてのゼ
オライトは、吸油量の値が10ないし80ml/100g
程度のものが望ましい。 このような観点から、本発明の体質顔料を製造
する際の原料として適するゼオライトの種類とし
ては各種のものが指摘されるが、A型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、P型ゼオライト、ソーダラ
イト、アナルサイム等が特に好適であり、これら
の一種または2種以上を使用することができる。 また、上記の粒度や吸油量の値をもつた均一微
細なゼオライト粒子は各種の方法で調製すること
ができるが、例えば特開昭57−3713や特開昭57−
166311等の方法によつて得られるA型ゼオライト
やX型ゼオライトのような合成ゼオライトは特に
好適である。 さらに、これらのゼオライト中のNa2O成分の
一部または大部分をイオン交換反応によつてNa+
以外の陽イオンで置換した金属置換ゼオライトを
使用することもできる。 この場合、Na+以外の陽イオンの種類としては
NH4 +、Li+、K+等の1価の陽イオン、Mg2+、
Ca2+、Br2+、Ba2+、Zn2+、Cd2+、Pb2+等の2価
の陽イオン等各種のものが挙げられるが、陽イオ
ンの種類及び置換の程度によつてゼオライト粒子
の屈折率を或程度調節することが可能である。 このようなゼオライトを酸処理する方法として
は各種の態様が可能であるが、通常、次のように
して行なうことができる。 すなわち、上記のゼオライト粒子を水中に分散
させて水性懸濁液とし、撹拌しつゝこれに酸また
は酸性塩類の溶液を徐々に添加し、最終的に懸濁
液のPHの値が低くとも4.5までとなるようにその
添加量を調節したのち、固−液分離および洗浄を
行ない、必要に応じて乾燥・粉砕等の工程を加え
る。 ここで使用する酸または酸性物質としては、例
えば硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、炭酸、亜硫酸等の
鉱酸類、ギ酸、酢酸、シユウ酸、等の有機酸類、
あるいは重硫酸ソーダや酸性燐酸ソーダ等の酸性
塩類等各種のものが挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。 最終的なPHの値が4.5未満ではゼオライトの粒
子状態が著しく変化したり粒子全体が溶解・消失
したりして原体ゼオライトのスケルトンが破壊さ
れるので不適当であり、一方PHが9より高くなる
と非晶質化の程度が不充分となる。従つて特にPH
5〜8の範囲の弱酸性域が好ましい。非晶質の程
度はX線回折図の回折線の有無及び強弱によつて
評価されるものであつて、本発明の体質顔料にお
いては回折線の高さが原体ゼオライトの回折線の
約1/2以下であることを意味する。 一方、屈折率の値は体質顔料としての透明性を
支配する重要な特性であつて、使用する亜麻仁油
やワニスの屈折率の値に近いもの程良好な透明性
が得られるものであり、充分な透明性を得るため
には屈折率の値(nD)が1.42ないし1.53であるこ
とが必要である。 この点、上記のゼオライトの酸処理によつて得
られる成績物の屈折率は自らこの範囲の値となる
が、必要に応じて陽イオンによる置換の程度や下
記のシリカ被覆処理におけるシリカの量的割合な
どにより屈折率の値を或程度調節することができ
るので、特定のビヒクルに対してより一層高度の
透明性を発揮させることができる。 本発明に係る体質顔料は前記のような特定の非
晶質アルミノ珪酸塩であるが、このものを顔料特
性をより改善するために必要に応じて改質したも
のをも含む。 かかる改質物としては、例えば代表的なものと
しては、濃密でかつ微細な不定形シリカの連続的
皮膜を付与したもの、あるいは微細な白色金属含
水酸化物、例えばアルミニウム、チタン、ジルコ
ニウム、アンチモン等の含水酸化物の沈積による
もの、または表面活性剤、分散剤等による粒子表
面の改質などがあげられる。 従つて、例えばシリカ被覆処理を施す場合は、
ゼオライトの水性懸濁液に酸または酸性塩類を添
加して酸処理を行つたのち、60℃以上の温度で
徐々に活性シリカゾルを添加するかまたは珪酸ア
ルカリと酸を徐々に添加して活性シリカを生成さ
せるようにすることによつて粒子表面を緻密な無
定形シリカの皮膜で被うことができる。 この際に添加するまたは生成させるシリカの量
は、多くの場合、非晶質アルミノ珪酸塩に対し2
ないし30重量%で充分な被覆の効果が得られる
が、シリカ量の増大につれて粒子の屈折率の値は
多少増大する傾向となる。 このようなシリカ被覆処理を施した非晶質アル
ミノ珪酸塩の粒子は、原料として使用した元のゼ
オライトの種類如何に拘らず、表面が著しく不活
性で、光・熱・薬品などに対し一層堅ろうであ
り、酸価の高いビヒクルや各種の配合物と混練し
ても塗料や印刷インキとしての諸性能を劣化させ
ることがない。また同様に金属含水酸化物の被覆
処理においては相当する金属塩水溶液を添加して
加水分解により生じる水酸化物を沈積処理すれば
よい。 以上の記載から明らかなように、本発明の体質
顔料の特徴としては次の事項が指摘される。 従来の硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の体
質顔料よりも遥かに透明性が大である。 特に、塗料や印刷インキに使用される亜麻仁
油やワニスの屈折率の値と同等の値となるよう
に屈折率を調節した本発明の体質顔料はこれら
のビヒクル中で殆ど完全に透明である。 顔料粒子のきめが細かく、吸油量の値が一般
の顔料と同等であつて、ビヒクルや他の顔料な
どとの混練が容易で粒子の分散性が良い。この
点は、大きな吸油量の値をもつたアルミナホワ
イトやホワイトカーボンとは著しく相違する。 比重値が約2で比較的小であるために、硫酸
バリウムに比して約1/2の使用量で同等の充填
効果が得られる。 ビヒクルや溶剤に不溶である。 光や熱に堅ろうである。特に緻密な無定形シ
リカで被覆したゼオライト粒子は表面が極めて
不活性で各種薬品にも侵されず、印刷インキの
乾燥性を阻害することもない。従つて酸価の高
い油と練つてもリバリングを起して表面を固化
したりゲル化を促進したりすることもない。 無毒性である。 このような多くの特徴を有する本発明の体質顔
料は、一般の塗料や印刷インキは勿論のこと、高
度の品質特性を必要とする特殊塗料や高級印刷イ
ンキ用として、或はレーキ顔料用の透明性基材と
しても広く使用することが出来る画期的な体質顔
料であるということができる。 以下、実施例を示すが、成績物の評価は次の試
験法によつて行つた。 吸油料:JISK5101−78の19 比 重: 〃 17 屈折率:アツベの屈折計を用い、Larsenの油浸
法により測定した。 粒度分布:コールターカウンター(コールターエ
レクトロニクス社製)を用いアパチヤーチユー
ブ径20μmで測定した。 色 差:デジタル測色色差計(スガ試験機(株)製)
を用い色差を測定した。 透明性:隠ぺい力測定用紙(注)の黒面を基準に
して、黒面上に塗布された各サンプル顔料の色
差を測定し、色差が小さいものを透明性が大き
いと定義した。 (注) 隠ぺい力測定用紙 白面と黒面をもつアート紙(約217×197mm)
で、その45度拡散反射率は白面で79.69%、黒
面で1.48%であつた。 実施例 1 500c.c.ビーカーにNa−Aゼオライト50gを秤量
し、水200gを加えてゼオライト濃度20%のスラ
リー250gを調製した。なおこのスラリーのPHは
11.7であつた。スラリーを撹拌しながら、ここに
4%硫酸250gを添加し、添加後1時間撹拌を継
続したのち、常法により過、水洗、乾燥、粉砕
を行ない、Na−A型ゼオライトの酸処理品を得
た。この酸処理品の電顕(SEM)写真を第1図
に示す。この酸処理品のX線回折(X.R.D)分析
を行なつたところ、回折ピークが全く認められ
ず、非晶質アルミノ珪酸塩であることが明らかで
ある。この酸処理品の比重、屈折率、吸油量、酸
処理条件、組成等を表−1に示す。
る体質顔料に関する。 一般に、体質顔料は非着色性の顔料であつて、
他の着色用顔料と共に塗料や印刷インキの配合物
あるいはレーキ顔料の基材として使用され、着色
顔料の展色を効果的にする。塗膜に補強効果を与
える、下地や塗膜の面を平滑にする、塗料や印刷
インキに適当な粘性と流動性を与える、等の作用
効果を発揮させるものであつてこのためには、体
質顔料が下記の諸要件を備えていることが必要で
ある。 亜麻仁油やワニスなどのビヒクル中で可及的
に透明であること; 顔料粒子のきめが細かく、ビヒクルや他の顔
料などの混合が容易で、分散性のよいこと; 吸油量の値が適切で、適度の配合量で所望の
流動特性が得られること; ビヒクルや溶剤に不溶性であり、またそれら
と反応性がないこと; 光・熱・薬品などに堅ろうであること; 印刷インキの乾燥性を阻害しないこと; 毒性のないこと; などである。 従来、体質顔料としては主に硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、アルミナホワイト、ホワイトカー
ボンなどが使用されているが、これらの体質顔料
は一長・一短があり、総合的には何れも満足すべ
きものではなかつた。 すなわち、硫酸バリウムは古くから体質顔料と
して使われているが、亜麻仁油で練ると半透明の
ペーストになり、練り易いが一般用インキとして
の適性はあまり良くない。 炭酸カルシウムも練り易いが、亜麻仁油中では
半透明であり、高度の透明性を必要とする印刷イ
ンキには適さない。また、若干マツトな塗膜が生
じ易いという欠点がある。 アルミナホワイトは亜麻仁油と練るとほぼ透明
なペーストが得られるが、酸価の高いワニスと練
るとリバリングを起したりインキの乾燥を遅らせ
たりする欠点がある。また、塗膜の光沢が失なわ
れ易く、他の顔料を変色させることもある。 一方、ホワイトカーボンはビヒクル中でかなり
透明であるが、吸油量の値が著しく大(100〜200
ml/100g)で少量の添加で粘度が増大するため
添加量が少量に限られ、着色または白色顔料に対
する充分な展色効果や塗膜の補強効果などが得ら
れないという欠点がある。 また従来、或種の無定形アルミノ珪酸塩の微粉
末(ゼオレツクス)を塗料の充填剤として使用す
ることが知られているが、この種のアルミノ珪酸
塩はゼオライトと異なり、むしろホワイトカーボ
ンに近いものであつて一次粒子の径が0.02〜
0.04μmの超微粒子から成り、吸油量の値も約100
〜150ml/100gであり、物質の構造や性状、或い
は使用の目的、効果等も本発明の体質顔料とは著
しく相違するものである。 本発明者らは、このような従来の体質顔料の多
くの欠点を克服する新規の高性能体質顔料を開発
するために各種の実験と検討を重ねた結果、ゼオ
ライトを酸処理することによつて得られる非晶質
のアルミノ珪酸塩およびその表面改質物が体質顔
料として極めて好適であることを見出し本発明を
完成した。 すなわち、本発明はゼオライトの酸処理によつ
て得られる非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分とし
た、吸油量の値が10ないし80ml/100gであり、
かつ屈折率の値が1.42ないし1.53であることを特
徴とする体質顔料である。 一般に、ゼオライトは一般式(1.0±0.2)
M2O・Al2O3・xSiO2・yH2O(但し、MはNaま
たはそれと当量の1価または多価金属、xは多く
の場合1.5〜20、yは0〜10の値)で表わされる
化学組成とX線回折によつて識別することのでき
る独特の結晶構造を有するアルミノ珪酸塩であ
り、天然鉱物及び合成品を含めて各種のものが知
られている(通常、MはNaである)。 また、ゼオライトは一般に独特な結晶構造に基
づく独特な吸着性能やイオン交換性能を有するこ
とも知られており、それらの特性を生かした各種
の用途がひらかれている。 しかして、本発明にかかる体質顔料は前記ゼオ
ライトのうち基本的粒子形態のスケルトンを実質
的に具備している酸処理物であつて、かつ体質顔
料として望ましい吸油量と屈折率とを有する非晶
質アルミノ珪酸塩である。従つて、以下にその製
法と共に本発明の体質顔料について詳述する。 本発明者らの検討結果によれば、驚くべきこと
にA型ゼオライト(Na2O・Al2O3・2SiO2・
4.5H2O)やX型ゼオライト(Na2O・Al2O3・
2.5SiO2・6.1H2O)等の成分モル比(SiO2/
Al2O3)の値が比較的小さい種類のゼオライトは
酸で適度に処理することによつて、X線的には明
らかに非晶質となるにもかかわらず、その一次粒
子の形や大きさなどの粒子状態は酸処理によつて
殆んど変化せず、酸処理前の粒子状態が殆んどそ
のまゝ保持されることが判明した。 本発明はこのような事実の応用に基づくもので
あつて、ゼオライトの酸処理により非晶質のアル
ミノ珪酸塩と化学的特徴が全く別途になるにも拘
らず、原体ゼオライトの基本的粒子特性を維持し
たものであるから、体質顔料としては原体ゼオラ
イトの諸物性の依存性が大きく、ゼオライト自体
の粒子状態は勿論、吸油量、屈折率等の特性が適
切なものであることが必要である。 従つて、本発明において使用する原料としての
ゼオライトは、まず上記のように成分モル比
(SiO2/Al2O3)が比較的小さい種類のものであ
るとともに、その粒子状態が均一微細であること
が必要である。 この場合、均一微細な粒子状態とは10μm以上
の粒度部分が1%以下であり、かつ6μm以下の
粒度部分が85%以上であるような粒度分布を有す
るものを意味する。 また、本発明において使用する原料としてのゼ
オライトは、吸油量の値が10ないし80ml/100g
程度のものが望ましい。 このような観点から、本発明の体質顔料を製造
する際の原料として適するゼオライトの種類とし
ては各種のものが指摘されるが、A型ゼオライ
ト、X型ゼオライト、P型ゼオライト、ソーダラ
イト、アナルサイム等が特に好適であり、これら
の一種または2種以上を使用することができる。 また、上記の粒度や吸油量の値をもつた均一微
細なゼオライト粒子は各種の方法で調製すること
ができるが、例えば特開昭57−3713や特開昭57−
166311等の方法によつて得られるA型ゼオライト
やX型ゼオライトのような合成ゼオライトは特に
好適である。 さらに、これらのゼオライト中のNa2O成分の
一部または大部分をイオン交換反応によつてNa+
以外の陽イオンで置換した金属置換ゼオライトを
使用することもできる。 この場合、Na+以外の陽イオンの種類としては
NH4 +、Li+、K+等の1価の陽イオン、Mg2+、
Ca2+、Br2+、Ba2+、Zn2+、Cd2+、Pb2+等の2価
の陽イオン等各種のものが挙げられるが、陽イオ
ンの種類及び置換の程度によつてゼオライト粒子
の屈折率を或程度調節することが可能である。 このようなゼオライトを酸処理する方法として
は各種の態様が可能であるが、通常、次のように
して行なうことができる。 すなわち、上記のゼオライト粒子を水中に分散
させて水性懸濁液とし、撹拌しつゝこれに酸また
は酸性塩類の溶液を徐々に添加し、最終的に懸濁
液のPHの値が低くとも4.5までとなるようにその
添加量を調節したのち、固−液分離および洗浄を
行ない、必要に応じて乾燥・粉砕等の工程を加え
る。 ここで使用する酸または酸性物質としては、例
えば硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、炭酸、亜硫酸等の
鉱酸類、ギ酸、酢酸、シユウ酸、等の有機酸類、
あるいは重硫酸ソーダや酸性燐酸ソーダ等の酸性
塩類等各種のものが挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。 最終的なPHの値が4.5未満ではゼオライトの粒
子状態が著しく変化したり粒子全体が溶解・消失
したりして原体ゼオライトのスケルトンが破壊さ
れるので不適当であり、一方PHが9より高くなる
と非晶質化の程度が不充分となる。従つて特にPH
5〜8の範囲の弱酸性域が好ましい。非晶質の程
度はX線回折図の回折線の有無及び強弱によつて
評価されるものであつて、本発明の体質顔料にお
いては回折線の高さが原体ゼオライトの回折線の
約1/2以下であることを意味する。 一方、屈折率の値は体質顔料としての透明性を
支配する重要な特性であつて、使用する亜麻仁油
やワニスの屈折率の値に近いもの程良好な透明性
が得られるものであり、充分な透明性を得るため
には屈折率の値(nD)が1.42ないし1.53であるこ
とが必要である。 この点、上記のゼオライトの酸処理によつて得
られる成績物の屈折率は自らこの範囲の値となる
が、必要に応じて陽イオンによる置換の程度や下
記のシリカ被覆処理におけるシリカの量的割合な
どにより屈折率の値を或程度調節することができ
るので、特定のビヒクルに対してより一層高度の
透明性を発揮させることができる。 本発明に係る体質顔料は前記のような特定の非
晶質アルミノ珪酸塩であるが、このものを顔料特
性をより改善するために必要に応じて改質したも
のをも含む。 かかる改質物としては、例えば代表的なものと
しては、濃密でかつ微細な不定形シリカの連続的
皮膜を付与したもの、あるいは微細な白色金属含
水酸化物、例えばアルミニウム、チタン、ジルコ
ニウム、アンチモン等の含水酸化物の沈積による
もの、または表面活性剤、分散剤等による粒子表
面の改質などがあげられる。 従つて、例えばシリカ被覆処理を施す場合は、
ゼオライトの水性懸濁液に酸または酸性塩類を添
加して酸処理を行つたのち、60℃以上の温度で
徐々に活性シリカゾルを添加するかまたは珪酸ア
ルカリと酸を徐々に添加して活性シリカを生成さ
せるようにすることによつて粒子表面を緻密な無
定形シリカの皮膜で被うことができる。 この際に添加するまたは生成させるシリカの量
は、多くの場合、非晶質アルミノ珪酸塩に対し2
ないし30重量%で充分な被覆の効果が得られる
が、シリカ量の増大につれて粒子の屈折率の値は
多少増大する傾向となる。 このようなシリカ被覆処理を施した非晶質アル
ミノ珪酸塩の粒子は、原料として使用した元のゼ
オライトの種類如何に拘らず、表面が著しく不活
性で、光・熱・薬品などに対し一層堅ろうであ
り、酸価の高いビヒクルや各種の配合物と混練し
ても塗料や印刷インキとしての諸性能を劣化させ
ることがない。また同様に金属含水酸化物の被覆
処理においては相当する金属塩水溶液を添加して
加水分解により生じる水酸化物を沈積処理すれば
よい。 以上の記載から明らかなように、本発明の体質
顔料の特徴としては次の事項が指摘される。 従来の硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の体
質顔料よりも遥かに透明性が大である。 特に、塗料や印刷インキに使用される亜麻仁
油やワニスの屈折率の値と同等の値となるよう
に屈折率を調節した本発明の体質顔料はこれら
のビヒクル中で殆ど完全に透明である。 顔料粒子のきめが細かく、吸油量の値が一般
の顔料と同等であつて、ビヒクルや他の顔料な
どとの混練が容易で粒子の分散性が良い。この
点は、大きな吸油量の値をもつたアルミナホワ
イトやホワイトカーボンとは著しく相違する。 比重値が約2で比較的小であるために、硫酸
バリウムに比して約1/2の使用量で同等の充填
効果が得られる。 ビヒクルや溶剤に不溶である。 光や熱に堅ろうである。特に緻密な無定形シ
リカで被覆したゼオライト粒子は表面が極めて
不活性で各種薬品にも侵されず、印刷インキの
乾燥性を阻害することもない。従つて酸価の高
い油と練つてもリバリングを起して表面を固化
したりゲル化を促進したりすることもない。 無毒性である。 このような多くの特徴を有する本発明の体質顔
料は、一般の塗料や印刷インキは勿論のこと、高
度の品質特性を必要とする特殊塗料や高級印刷イ
ンキ用として、或はレーキ顔料用の透明性基材と
しても広く使用することが出来る画期的な体質顔
料であるということができる。 以下、実施例を示すが、成績物の評価は次の試
験法によつて行つた。 吸油料:JISK5101−78の19 比 重: 〃 17 屈折率:アツベの屈折計を用い、Larsenの油浸
法により測定した。 粒度分布:コールターカウンター(コールターエ
レクトロニクス社製)を用いアパチヤーチユー
ブ径20μmで測定した。 色 差:デジタル測色色差計(スガ試験機(株)製)
を用い色差を測定した。 透明性:隠ぺい力測定用紙(注)の黒面を基準に
して、黒面上に塗布された各サンプル顔料の色
差を測定し、色差が小さいものを透明性が大き
いと定義した。 (注) 隠ぺい力測定用紙 白面と黒面をもつアート紙(約217×197mm)
で、その45度拡散反射率は白面で79.69%、黒
面で1.48%であつた。 実施例 1 500c.c.ビーカーにNa−Aゼオライト50gを秤量
し、水200gを加えてゼオライト濃度20%のスラ
リー250gを調製した。なおこのスラリーのPHは
11.7であつた。スラリーを撹拌しながら、ここに
4%硫酸250gを添加し、添加後1時間撹拌を継
続したのち、常法により過、水洗、乾燥、粉砕
を行ない、Na−A型ゼオライトの酸処理品を得
た。この酸処理品の電顕(SEM)写真を第1図
に示す。この酸処理品のX線回折(X.R.D)分析
を行なつたところ、回折ピークが全く認められ
ず、非晶質アルミノ珪酸塩であることが明らかで
ある。この酸処理品の比重、屈折率、吸油量、酸
処理条件、組成等を表−1に示す。
【表】
なお、原料のNa−Aゼオライトは珪酸ソーダ
溶液とアルミン酸ソーダ溶液とをバツクミキシン
グのない状態で反応させてゲルを生成させ、加熱
熟成することにより得られる(特開昭57−3713
号)。得られたNa−A型ゼオライトの電顕
(SEM)写真を第2図に示す。これらの写真から
ゼオライトの粒子状態は酸処理前後においてほと
んど変化のないことは明らかである。 実施例 2 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに2%硫酸を使用する以外
は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得らた酸処理品はX.R.D.分析ではNa−A型
ゼオライトの各回折ピークが約1/2〜1/3の強度に
低下しており非晶質アルミノ珪酸塩の成分を多く
含むことが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 3 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに10%リン酸を使用する以
外は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得られた酸処理品はX.R.D.分析では回折ピ
ークが全く認められず、非晶質アルミノ珪酸艶で
あることが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 4 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに4%リン酸を使用する以
外は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得られた酸処理品はX.R.D.分析ではNa−A
型ゼオライトの各回折ピークが約2/3の強度に低
下しており、非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分と
することが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 5 実施例1と同様に500c.c.のビーカーにNa−X型
ゼオライト50gを秤量し、水200gを加えてゼオ
ライト濃度20%のスラリー250gを調製した。な
おこのスラリーのPHは11.8であつた。スラリーを
撹拌しながら、ここに4%硫酸250gを添加し、
添加後1時間撹拌を継続したのち、常法により
過、水洗、乾燥、粉砕を行ない、Na−X型ゼオ
ライトの酸処理品を得た。この酸処理品の電顕
(SEM)写真を第3図に示す。この酸処理品のX.
R.D.分析を行なつたところ、Na−X型ゼオライ
トの回折ピークが僅かに認められるものの、その
強度は最強ピーク(2θ=6°)の場合1/10以下にな
つており、非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分とす
ることが明らかである。この酸処理品の比重、屈
折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に併
せて示す。 なお原料のNa−X型ゼオライトは珪酸ソーダ
溶液とアルミン酸ソーダ溶液とをバツクミキシン
グのない状態で反応させてゲルを生成させ、加熱
熟成することにより調整した(特開昭57−166311
号)。このNa−X型ゼオライトの電顕(SEM)
写真を第4図に示す。 比較例 1 比較のために、市販の非晶質アルミノ珪酸塩
(Zeolex)の電顕(SEM)写真を第5図に、また
比重、屈折率、吸油量、組成等を表−1に併せて
示す。更に市販の体質顔料としてホワイトカーボ
ン、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウムの物性
も表−1に併せて示す。 表−1より、ゼオライトの酸処理品は比重値が
約2であり、比較例の体質顔料よりも小さいのが
特徴である。また屈折率は亜麻仁油の屈折率に近
く、亜麻仁油と練りあわせた場合、ほとんど透明
な塗膜が得られることが明らかである。また表−
1に示したゼオライトの酸処理品はいずれも粒径
0.5〜5μmの球形に近い粒子形状を保つており、
吸油量は80ml/100g以下であるので、市販の非
晶質アルミノ珪酸塩(粒径0.02〜0.04μm、吸油
量100ml/100g以上)とは明確に区別される。な
おこのことは第1図〜第5図でわかるように、本
発明のゼオライト酸処理品はその粒子形状が元の
ゼオライトの形状を保つたままであるのに対し
て、市販の非晶質アルミノ珪酸塩は0.05μm以下
の微細粒子の不規則な凝集体であることが明白で
ある。 比較例 2 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、実施例1と同様にして、酸処理のため4%硫
酸を加え、更に硫酸を添加して混合スラリーのPH
を3.0に調製したのち、1時間撹拌を継続した。
その後常法により過、水洗、乾燥、粉砕して酸
処理品を得た。得られた酸処理品の電顕(SEM)
写真を第6図に示す。第6図では酸処理時のPH低
下により粒子の溶解と凝集に基ずく不規則な形状
が認められ、原体ゼオライトのスケルトンは消失
していた。この比較例では酸処理物の収率が低い
ばかりでなく、顔料としての分散性も不良であつ
た。
溶液とアルミン酸ソーダ溶液とをバツクミキシン
グのない状態で反応させてゲルを生成させ、加熱
熟成することにより得られる(特開昭57−3713
号)。得られたNa−A型ゼオライトの電顕
(SEM)写真を第2図に示す。これらの写真から
ゼオライトの粒子状態は酸処理前後においてほと
んど変化のないことは明らかである。 実施例 2 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに2%硫酸を使用する以外
は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得らた酸処理品はX.R.D.分析ではNa−A型
ゼオライトの各回折ピークが約1/2〜1/3の強度に
低下しており非晶質アルミノ珪酸塩の成分を多く
含むことが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 3 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに10%リン酸を使用する以
外は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得られた酸処理品はX.R.D.分析では回折ピ
ークが全く認められず、非晶質アルミノ珪酸艶で
あることが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 4 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、4%硫酸の代わりに4%リン酸を使用する以
外は実施例1と全く同様の方法で酸処理を行なつ
た。得られた酸処理品はX.R.D.分析ではNa−A
型ゼオライトの各回折ピークが約2/3の強度に低
下しており、非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分と
することが明らかである。この酸処理品の比重、
屈折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に
併せて示す。 実施例 5 実施例1と同様に500c.c.のビーカーにNa−X型
ゼオライト50gを秤量し、水200gを加えてゼオ
ライト濃度20%のスラリー250gを調製した。な
おこのスラリーのPHは11.8であつた。スラリーを
撹拌しながら、ここに4%硫酸250gを添加し、
添加後1時間撹拌を継続したのち、常法により
過、水洗、乾燥、粉砕を行ない、Na−X型ゼオ
ライトの酸処理品を得た。この酸処理品の電顕
(SEM)写真を第3図に示す。この酸処理品のX.
R.D.分析を行なつたところ、Na−X型ゼオライ
トの回折ピークが僅かに認められるものの、その
強度は最強ピーク(2θ=6°)の場合1/10以下にな
つており、非晶質アルミノ珪酸塩を主要成分とす
ることが明らかである。この酸処理品の比重、屈
折率、吸油量、酸処理条件、組成等を表−1に併
せて示す。 なお原料のNa−X型ゼオライトは珪酸ソーダ
溶液とアルミン酸ソーダ溶液とをバツクミキシン
グのない状態で反応させてゲルを生成させ、加熱
熟成することにより調整した(特開昭57−166311
号)。このNa−X型ゼオライトの電顕(SEM)
写真を第4図に示す。 比較例 1 比較のために、市販の非晶質アルミノ珪酸塩
(Zeolex)の電顕(SEM)写真を第5図に、また
比重、屈折率、吸油量、組成等を表−1に併せて
示す。更に市販の体質顔料としてホワイトカーボ
ン、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウムの物性
も表−1に併せて示す。 表−1より、ゼオライトの酸処理品は比重値が
約2であり、比較例の体質顔料よりも小さいのが
特徴である。また屈折率は亜麻仁油の屈折率に近
く、亜麻仁油と練りあわせた場合、ほとんど透明
な塗膜が得られることが明らかである。また表−
1に示したゼオライトの酸処理品はいずれも粒径
0.5〜5μmの球形に近い粒子形状を保つており、
吸油量は80ml/100g以下であるので、市販の非
晶質アルミノ珪酸塩(粒径0.02〜0.04μm、吸油
量100ml/100g以上)とは明確に区別される。な
おこのことは第1図〜第5図でわかるように、本
発明のゼオライト酸処理品はその粒子形状が元の
ゼオライトの形状を保つたままであるのに対し
て、市販の非晶質アルミノ珪酸塩は0.05μm以下
の微細粒子の不規則な凝集体であることが明白で
ある。 比較例 2 実施例1と同様のNa−A型ゼオライトを使用
し、実施例1と同様にして、酸処理のため4%硫
酸を加え、更に硫酸を添加して混合スラリーのPH
を3.0に調製したのち、1時間撹拌を継続した。
その後常法により過、水洗、乾燥、粉砕して酸
処理品を得た。得られた酸処理品の電顕(SEM)
写真を第6図に示す。第6図では酸処理時のPH低
下により粒子の溶解と凝集に基ずく不規則な形状
が認められ、原体ゼオライトのスケルトンは消失
していた。この比較例では酸処理物の収率が低い
ばかりでなく、顔料としての分散性も不良であつ
た。
【表】
試験例 1
JISK5101(顔料試験方法)の6に記載されてい
る方法でクリプトメーターを用いて実施例1〜
5、比較例のうち沈降性硫酸バリウムと炭酸カル
シウムの隠ぺい力を測定した。ビヒクルには4号
亜麻仁油を使用し、JISK5115沈降性硫酸バリウ
ムの試験法に準じて行ない、ゼオライトの酸処理
品や炭酸カルシウムの隠ぺい力を測定する場合は
沈降性硫酸バリウムの練り合わせペーストに顔料
容積濃度を合わせてペーストを作成し試験に供し
た。結果を表−2に示す。表−2よりゼオライト
の酸処理によつて得られる非晶質アルミノ珪酸塩
は隠ぺい力1mm以上であり、沈降性硫酸バリウム
や炭酸カルシウムと比較して極めて透明性に優れ
ていることが明らかである。
る方法でクリプトメーターを用いて実施例1〜
5、比較例のうち沈降性硫酸バリウムと炭酸カル
シウムの隠ぺい力を測定した。ビヒクルには4号
亜麻仁油を使用し、JISK5115沈降性硫酸バリウ
ムの試験法に準じて行ない、ゼオライトの酸処理
品や炭酸カルシウムの隠ぺい力を測定する場合は
沈降性硫酸バリウムの練り合わせペーストに顔料
容積濃度を合わせてペーストを作成し試験に供し
た。結果を表−2に示す。表−2よりゼオライト
の酸処理によつて得られる非晶質アルミノ珪酸塩
は隠ぺい力1mm以上であり、沈降性硫酸バリウム
や炭酸カルシウムと比較して極めて透明性に優れ
ていることが明らかである。
【表】
実施例 6
平均粒子径が1.02μmのNa−A型ゼオライトを
実施例1と同様に酸処理した後、スラリー濃度20
重量%のスラリーを温度90℃に保つて撹拌状態に
おいてSiO2として6重量%の珪酸ソーダ水溶液
と4%硫酸とを同時に徐々に添加してシリカ沈積
処理をした。 次いで上記の沈積処理物を常法により水洗、乾
燥および粉砕して体質顔料を得た。 この顔料中のシリカ量はSiO2として18.05重量
%であり耐酸性は著しく向上したものであつた。 また、上記試験例1と同様に、その特性をみた
ところ、クリプトメータ目盛は50mm以上、隠ぺい
力は1以上であつた。 なお原料のNa−A型ゼオライトは下記のよう
にして調製した: 珪酸ソーダ水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液と
をモル比SiO2/Al2O32.0に保持してバツクミキシ
ングのない状態でゲルを生成せしめ、次いでNa
−A型ゼオライトを合成した。このゼオライトの
平均粒子径は1.02μmであつた。 試験例 2 実施例1〜5のゼオライト酸処理品と比較例の
体質顔料について各3.0gを4号亜麻仁油1.8gと
フーバーマーラーで練りあわせてペーストを作成
し、隠ぺい力測定用紙上にフイルムアプリケータ
ーで0.075mm(3ミル)の厚さに塗布した。常温
で乾燥後、色差計を用いて隠ぺい力測定用紙の黒
面の色の3刺激値X、Y、Zを測定し、これより
L、a、b値、色差△Eを求めた。結果を表−3
に示す。表−3ではブランク(隠ぺい力測定用紙
の黒面)に対する色差(△E)が小さいものが透
明性に優れており、ゼオライトの酸処理品を塗布
した黒面が約10以下であるのに対して沈降性硫酸
バリウムや炭酸カルシウムは20以上であり、ゼオ
ライトの酸処理によつて得られる非晶質アルミノ
珪酸塩が透明性に優れていることが明白である。
実施例1と同様に酸処理した後、スラリー濃度20
重量%のスラリーを温度90℃に保つて撹拌状態に
おいてSiO2として6重量%の珪酸ソーダ水溶液
と4%硫酸とを同時に徐々に添加してシリカ沈積
処理をした。 次いで上記の沈積処理物を常法により水洗、乾
燥および粉砕して体質顔料を得た。 この顔料中のシリカ量はSiO2として18.05重量
%であり耐酸性は著しく向上したものであつた。 また、上記試験例1と同様に、その特性をみた
ところ、クリプトメータ目盛は50mm以上、隠ぺい
力は1以上であつた。 なお原料のNa−A型ゼオライトは下記のよう
にして調製した: 珪酸ソーダ水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液と
をモル比SiO2/Al2O32.0に保持してバツクミキシ
ングのない状態でゲルを生成せしめ、次いでNa
−A型ゼオライトを合成した。このゼオライトの
平均粒子径は1.02μmであつた。 試験例 2 実施例1〜5のゼオライト酸処理品と比較例の
体質顔料について各3.0gを4号亜麻仁油1.8gと
フーバーマーラーで練りあわせてペーストを作成
し、隠ぺい力測定用紙上にフイルムアプリケータ
ーで0.075mm(3ミル)の厚さに塗布した。常温
で乾燥後、色差計を用いて隠ぺい力測定用紙の黒
面の色の3刺激値X、Y、Zを測定し、これより
L、a、b値、色差△Eを求めた。結果を表−3
に示す。表−3ではブランク(隠ぺい力測定用紙
の黒面)に対する色差(△E)が小さいものが透
明性に優れており、ゼオライトの酸処理品を塗布
した黒面が約10以下であるのに対して沈降性硫酸
バリウムや炭酸カルシウムは20以上であり、ゼオ
ライトの酸処理によつて得られる非晶質アルミノ
珪酸塩が透明性に優れていることが明白である。
【表】
試験例 3
実施例1〜6のゼオライト酸処理品及び比較例
1の沈降性硫酸バリウムと沈降性炭酸カルシウム
を用いて、それぞれの試料について4号亜麻仁油
で均一に練り合わせたものをサンプルビン(φ15
mm×35H)中に入れ密閉して80℃の恒温槽でリバ
リングの試験を行なつた。その結果、いずれの試
料についても、80℃×72時間経過後もリバリング
は認められず、実施例1〜6の各ゼオライト酸処
理品(無定形アルミノ珪酸塩)は沈降性硫酸バリ
ウムや炭酸カルシウムと同程度の安定性を有する
ことが判明した。
1の沈降性硫酸バリウムと沈降性炭酸カルシウム
を用いて、それぞれの試料について4号亜麻仁油
で均一に練り合わせたものをサンプルビン(φ15
mm×35H)中に入れ密閉して80℃の恒温槽でリバ
リングの試験を行なつた。その結果、いずれの試
料についても、80℃×72時間経過後もリバリング
は認められず、実施例1〜6の各ゼオライト酸処
理品(無定形アルミノ珪酸塩)は沈降性硫酸バリ
ウムや炭酸カルシウムと同程度の安定性を有する
ことが判明した。
図面は、いずれも電子顕微鏡(SEM)写真で
あり、第6図2000倍以外は全て5000倍の写真であ
る。第1図及び第3図は本発明にかかる体質顔
料、第2図及び第4図は酸処理前の原体ゼオライ
ト、第5図は市販の非晶質アルミノ珪酸塩、第6
図はゼオライトのスケルトンが破壊された酸処理
品の顕微鏡写真による図である。
あり、第6図2000倍以外は全て5000倍の写真であ
る。第1図及び第3図は本発明にかかる体質顔
料、第2図及び第4図は酸処理前の原体ゼオライ
ト、第5図は市販の非晶質アルミノ珪酸塩、第6
図はゼオライトのスケルトンが破壊された酸処理
品の顕微鏡写真による図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ゼオライトの粒子状態を実質的に具備してい
るゼオライト酸処理物の非晶質アルミノ珪酸塩で
あつて、吸油量の値が10ないし80ml/100gであ
り、且つ屈折率の値が1.42〜1.53であることを特
徴とする体質顔料。 2 ゼオライトがA型ゼオライト、X型ゼオライ
ト、p型ゼオライト、ソーダライトまたはアナル
サイムから選ばれた1種または2種以上である特
許請求の範囲第1項記載の体質顔料。 3 ゼオライトのNa2O成分の一部または大部分
がNa+以外の陽イオンで置換されたゼオライトで
ある特許請求の範囲第2項記載の体質顔料。 4 ゼオライトが10μm以上の粒度部分が1%以
下であり、かつ6μm以下の粒度部分が85%以上
である粒度分布をもつものである特許請求の範囲
第1項ないし第3項のいずれかに記載の体質顔
料。 5 ゼオライトの酸処理物が濃密かつ微細で不定
形のシリカまたは白色金属含水酸化物で被覆され
たものである特許請求の範囲第1項ないし第4項
のいずれかに記載の体質顔料。 6 ゼオライトの水性スラリーをPHが低くても
4.5までの弱酸性域で酸処理することを特徴とす
る体質顔料の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2922583A JPS59156913A (ja) | 1983-02-25 | 1983-02-25 | 体質顔料及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2922583A JPS59156913A (ja) | 1983-02-25 | 1983-02-25 | 体質顔料及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59156913A JPS59156913A (ja) | 1984-09-06 |
| JPH0416404B2 true JPH0416404B2 (ja) | 1992-03-24 |
Family
ID=12270273
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2922583A Granted JPS59156913A (ja) | 1983-02-25 | 1983-02-25 | 体質顔料及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59156913A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61123674A (ja) * | 1984-11-21 | 1986-06-11 | Sankin Tokushu Toryo Kk | フレ−ク状亜鉛粉末組成物 |
| JPS61254672A (ja) * | 1985-05-07 | 1986-11-12 | Tanabe Nitto Kako Kk | 着色骨材とその処理工法 |
| US4741779A (en) * | 1985-07-19 | 1988-05-03 | Nippon Chemical Industrial Co. Ltd. | Additives for resins and their composition |
| KR900001379B1 (ko) * | 1985-09-13 | 1990-03-09 | 이데미쯔세끼유가가꾸 가부시기가이샤 | 폴리에틸렌 수지조성물 |
| US4762537A (en) * | 1985-11-07 | 1988-08-09 | Aluminum Company Of America | Adsorbent for HCl comprising alumina and acid-treated Y zeolite |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58213031A (ja) * | 1982-06-07 | 1983-12-10 | Mizusawa Ind Chem Ltd | アルミナ−シリカ系樹脂配合剤 |
-
1983
- 1983-02-25 JP JP2922583A patent/JPS59156913A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59156913A (ja) | 1984-09-06 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US2739073A (en) | Silicate pigments | |
| CA2067376A1 (en) | Process for making structural aggregated pigments | |
| JPH032914B2 (ja) | ||
| JPH06228455A (ja) | フッ化セリウムアルカリ化合物を含有する被覆TiO2顔料 | |
| JPH10279828A (ja) | 高虹彩色効果を有するパール顔料、その製造方法及び用途 | |
| US4510254A (en) | Method of treating zeolite ores to remove discoloring impurities and improve its brightness and resulting finely ground zeolite | |
| US5219660A (en) | Precipitated encapsulated paper pigments and methods | |
| DE3806187C2 (de) | Zusammengesetztes Phyllosilicat und Verfahren zu seiner Herstellung | |
| US5352287A (en) | Precipitated encapsulated paper pigments and methods | |
| JPH0597420A (ja) | 新規なシリカ、それらの製造法及び特に紙の充填剤としてのそれらの使用 | |
| JPH03139537A (ja) | 新規充填剤及びその製法 | |
| CN110366537A (zh) | 硅酸盐覆盖体及其制造方法 | |
| FI100659B (fi) | Paperipigmenttikomposiittituotteita ja menetelmä niiden valmistamiseks i | |
| US5312485A (en) | Precipitated encapsulated paper pigments and methods | |
| JPH0353252B2 (ja) | ||
| WO1997024406A1 (en) | A novel way to synthesize structured composite premium pigments | |
| US3956005A (en) | Coated pigment composition having improved abrasion resistance and process for preparation thereof | |
| JPS59156913A (ja) | 体質顔料及びその製造法 | |
| JPH028912B2 (ja) | ||
| JPH0335349B2 (ja) | ||
| JPH041270A (ja) | 樹脂用耐老化性鉄系着色剤 | |
| US2786777A (en) | Silica composition and production thereof | |
| US5262239A (en) | Precipitated encapsulated paper pigments and methods | |
| JPH0647459B2 (ja) | シリカ系充▲填▼剤及びその製造法 | |
| JP2004331417A (ja) | 塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子、その製造方法及びそれを含有する組成物 |