JPH04316573A - 新規化合物cf‐24、その使用および製造 - Google Patents
新規化合物cf‐24、その使用および製造Info
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- JPH04316573A JPH04316573A JP11090891A JP11090891A JPH04316573A JP H04316573 A JPH04316573 A JP H04316573A JP 11090891 A JP11090891 A JP 11090891A JP 11090891 A JP11090891 A JP 11090891A JP H04316573 A JPH04316573 A JP H04316573A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、新規物質に関し、更に
詳しくは抗腫瘍性を有する新規化合物CF−24に関す
る。 【0002】 【従来の技術】抗腫瘍物質に関しては、既に多数のもの
が医薬として実用化されている。一般に、化学物質の生
理活性はその化学構造に依存するところが大きいため、
抗腫瘍性を有する新規な化合物に対しては不断の希求が
あると言えよう。 【0003】〔発明の概要〕 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の希求
に応えるものである。すなわち、本発明は、抗腫瘍性を
有する新規化合物を提供することを目的とするものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、次式(I)で
示される化合物が抗腫瘍性を有することを見出すことに
より上記目的を達成した。すなわち、本発明による新規
化合物CF−24は次式(I)で示されるものである。 【化2】 本発明は、また、この物質の使用に関する。すなわち、
本発明による抗腫瘍剤は、上記式(I)で示される化合
物CF−24を有効成分として含むものである。本発明
は、更にまた、この物質の製造法に関する。すなわち、
本発明による上記式(I)で示されるCF−24の製造
法は、サッカロスリックス属に属しCF−24の生産能
を有する菌株を適当な培地で培養し、その培養物より化
合物CF−24を得ること、を特徴とするものである。 【0005】〔発明の具体的説明〕新規化合物CF−2
4 1)化学構造 本発明による新規化合物CF−24は、前記の式(I)
で示される化学構造を有する。この化学構造は、次のよ
うにして決定されたものである。CF−24のプロトン
核磁気共鳴スペクトル(図1)および炭素13核磁気共
鳴スペクトル(図2)の解析により、CF−24は、1
個の二重結合を有する14員環β−ケトマクロライド骨
格および3個のメチル基と3個の水酸基を有するアルキ
ル側鎖からなることが明らかとなった。スペクトルの更
に詳細な検討により、部分構造のつながりが、明らかと
なり、更に、マススペクトルより判明した分子量より、
CF−24の構造を式(I)のように決定した。 2)物理化学的性状 (1)外観:黄色油状 (2)溶解性:ベンゼン、クロロホルム、メタノール、
酢酸エチルに可溶。ヘキサン、水に不溶。 (3)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254
」使用): クロロホルム−メタノール(19:1) 0.75ヘ
キサン−酢酸エチル(12:3) 0.71
(4)FAB−マススペクトル(m/z):(M+H)
+ 483 (5)元素分析:C 69.65%、H 10.4
5%、O 19.90%(計算値:C 69.67
%、H 10.44%,O 19.89%;C28
H50O6)(6)紫外吸収スペクトル λmax
nm(ε):図3に示す。 メタノール中:207(6370) 0.01規定塩酸−メタノール中:207(6370)
0.01規定水酸化ナトリウム−メタノール中:207
(20000 ),276(5450)(7)赤外吸収
スペクトル(クロロホルム中溶液法):図4に示す。 (8)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500 メガヘ
ルツ、重クロロホルム中):図1に示す。 (9)炭素13核磁気共鳴スペクトル(125 メガヘ
ルツ、重クロロホルム中):図2に示す。 【0006】CF−24の製造 1)概要 化合物CF−24は現在のところ微生物の培養によって
のみ得られているが、類縁化合物の合成化学的修飾によ
って製造することも、あるいは全合成化学的に製造する
こともできよう。また、遺伝子工学的手法によることも
できよう。すなわち、化合物CF−24の産生に関与す
る遺伝子を適当な微生物に導入し、この様な形質転換微
生物を培養し、この培養物から得ることも可能であろう
。微生物の培養による場合の菌株としては、例えば、サ
ッカロスリックス属に属するCF−24生産能を有する
ものが使用される。具体的には、本発明者らの分離した
サッカロスリックスsp.2271−S3株がCF−2
4を生産することが本発明者らによって明らかにされて
いるが、その他の菌株については、抗生物質生産菌単離
の常法によって適当なものを自然界より分離することが
可能である。また、サッカロスリックスsp.2271
−S3株を含めてCF−24の生産菌を放射線照射その
他の変異処理に付して、CF−24の生産能を高める余
地も残されている。遺伝子工学的手法もまた可能である
ことは前記したところである 。2)2271−S3株 CF−24生産能を有するサッカロスリックス属の菌株
として本発明者らの見出している2271−S3株は、
下記の内容のものである。 (1)由来および寄託番号 2271−S3株は、埼玉県秩父郡横川町で採取した土
壌から分離されたものであり、平成3年4月10日に工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託されて、「微工研
条寄第3350号」(FERM BP−3350)の
番号を得ている。 (2)菌学的性状 2271−S3株の菌学的性状は以下の通りである。な
お、本菌株の“特徴づけ”は特許庁の「産業別審査基準
」記載の方法によった。 ■形態性状: 本菌株の基生菌糸は巾0.3〜0.8
μmで、分枝しながら長く伸長し、時には特徴的なジグ
ザグ状を呈し、短い桿状に分断する。気菌糸は主軸を長
く伸ばし、少くない分枝がレイス状に絡まり、全菌糸が
分節・分断して胞子鎖を形成する。胞子鎖は直状または
曲状で10から50以上の胞子から成り、成熟するとや
やジグザグ状を呈する。分節胞子は円筒形、巾0.3〜
0.5μm、長さ1.2〜1.7μm、平滑表面、非運
動性である。胞子のう、菌核、その他の特殊形態は観察
されなかった。 ■化学的性状: 本菌株は全菌体アミノ酸としてメゾ
・ジアミノピメリン酸、全菌体糖パターンとしてガラク
トース、マンノース、ラムノースを含み、細胞壁化学型
はIII C+ラムノース型である。主要メナキノンは
MK−9(H4 )、リン脂質パターンはホスホチジル
エタノールアミンを含むPII型である。 ■培養性状: 本菌株の培養性状は表1に示す。集落
の菌叢色は白色系列または灰色系列、裏面色は特徴のな
い不鮮明色または暗褐色、メラニン様色素・その他の拡
散性色素の産生は認められなかった。 ■生理的性状: 本菌株の生理的性状は表2に示す。 本菌株は中温性で、利用診断糖はD−フラクトースを除
く全部を利用する。 3)分類的位置 以上の“特徴づけ”の結果に基づき、Bergey’s
Manual ofSystematic Bact
eriology, Vol. 4. により本菌株の
分類的位置を検索した。本菌株の属レベルの特徴を要約
すると、ノカルディオフォームの形態を示し、細胞壁化
学型はIII C+ラムノース型、主要メナキノンはM
K−9(H4 )、リン脂質パターンはPII型である
。これらの特徴をもつ属はSaccharothrix
のみである。よって、本菌株2271−S3はSac
charothrix 属に位置される。従って、本菌
株をSaccharothrix sp. 2271−
S3株と呼称する。 【0007】 表 1 培養性状 培 地 集落表面の
菌叢色 集落の裏面色
シュクロース・ 白色系列(a)
淡黄色(2ca〜2ea )
硝酸塩寒天
グルコース・アス
灰色系列(b〜c) 茶味灰色(2
ec〜2ig) パラギン寒天
グリセリ
ン・アス 灰色系列(b〜c)
茶味灰色(2ec〜2ig) パラギン寒天
後に暗褐灰色(2nl) 無機
塩・スターチ寒天 白色系列(a)
淡黄色(2ca) から
茶味白色(3ca)
チロシン寒天 白色系列
(a) 淡黄色(2ca〜3ea
)後に
淡
黄味褐色(2ic) 栄養寒天
気菌糸なし
淡黄色(2ca〜2db) イー
スト・麦芽寒天 灰色系列(c〜f 〜10fe
) 淡黄色(2ca)から淡黄味
橙色(3ea) ,後に暗褐色
オートミール寒天 灰色系列(c〜b)
淡黄色(2ca〜2ea)
・培地中への拡散性色素の産生は認められなかっ
た。 ・( )内はカラー・ハーモニー・マニュアル(
コンテナー・コーポレーショ ン・オブ・アメリ
カ、1950)の色標コード。 【0008】 表 2 生理的性状 生育温度範囲
25〜37℃
最適温度
27〜30℃ メラニン
様色素 チロシン寒天
−
ペプトン・イースト鉄寒天
− トリプトン・イースト・ブ
ロス − スターチ
の加水分解
+ ゼラチンの液化
+
脱脂粉乳のペプトン化
+ 脱脂粉乳の凝固
− 硝酸塩の還元
+
炭素源の同化 D−グルコース
+
L−アラビノース
+ D−キシロース
+
D−フラクトース
− シ
ュクロース
+ L−ラムノース
+ ラフィノース
+
i−イノシトール
+ D−マンニット
+ 【0009】培養/CF−24の生産 化合物CF−24は、サッカロスリックス属に属するC
F−24生産菌を適当な培地で好気的に培養し、その培
養物から目的物を採取することにより製造することがで
きる。培地は、CF−24生産菌が利用し得る任意の栄
養源を含有するもので有り得る。具体的には、例えば炭
素源としてグルコース、シュークロース、マルトース、
スターチおよび油脂類などが使用でき、窒素源として大
豆粉、綿実粕、乾燥酵母、酵母エキスおよびコーンステ
ィープリカーなどの有機物並びにアンモニウム塩または
硝酸塩、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムお
よび塩化アンモニウムなどの無機物が利用できる。また
、必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化カリウム、燐酸
塩、重金属塩など無機塩類を添加することができる。 発酵中の発泡を抑制するために、常法に従って適当な消
泡剤、例えばシリコーン油を添加することもできる。培
養方法としては、一般に行なわれている抗生物質の生産
方法と同じく、好気的液体培地培養法が最も適している
。培養温度は、20〜37℃が適当であるが、25〜3
0℃が好ましい。この方法でCF−24の生産量は、振
盪培養、通気攪拌培養ともに通常、培養3〜4日間で最
高に達する。このようにして、CF−24の蓄積された
培養物が得られる。培養物中では、CF−24はその一
部は培養槇液中に存在するが、その大部分は菌体中に存
在する。このような培養物からCF−24を採取するに
は、合目的的な任意の方法が利用可能である。その一つ
の方法は、抽出の原理に基づくものであって、具体的に
は、培養槇液中のCF−24についてはこれを水不混和
性のCF−24用溶媒(前記CF−24の物理化学的性
状の項参照)、例えば酢酸エチルなどで抽出する方法、
あるいは菌体内のCF−24については槇過、遠心分離
などで得た菌体集体をメタノール、エタノール、アセト
ンなどで処理して回収する方法などがある。菌体を分離
せずに培養物そのままを上記の抽出操作に付すこともで
きる。適当な溶媒を用いた向流分配法も抽出の範疇に入
れることができる。培養物からCF−24を採取する他
の一つの方法は、吸着の原理に基づくものであって、既
に液状となっているCF−24含有物、例えば培養槇液
あるいは上記のようにして抽出操作を行なうことにより
得られる抽出液を対象として、適当な吸着剤、例えばシ
リカゲル、活性炭、「ダイヤイオンHP−20」(三菱
化成社製)などを用いて目的のCF−24を吸着させ、
その後、適当な溶媒にて溶離させることによってCF−
24を得ることができる。このようにして得られたCF
−24溶液を減圧濃縮乾固すれば、CF−24粗標品が
得られる。このようにして得られたCF−24の粗標品
を更に精製するためには、上記の抽出法および吸着法に
ゲル槇過法、高速液体クロマトグラフィーなどを必要に
応じて組合せて必要回数行なえばよい。例えば、シリカ
ゲルなどの吸着剤、「セファデックスLH−20」(フ
ァルマシア社製)などのゲル槇過剤を用いたカラムクロ
マトグラフィー、「YMCパック」(山村科学社製)な
どを用いた高速液体クロマトグラフィーおよび向流分配
法を適宜組合せて実施することができる。具体的には、
例えば、CF−24粗標品を「セファデックスLH−2
0」カラムに付し、クロロホルム−メタノール(1:1
)混合液で活性画分を溶出させ、濃縮乾固するとCF−
24の純品が得られる。 【0010】CF−24の用途 本発明による化合物CF−24は、抗腫瘍活性を有する
という点で有用である。 (1)生物活性 CF−24は腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制活性を示し
た。例えば、ヒトの腫瘍細胞であるKB細胞またはコル
ヒチン耐性KB細胞を1×105 /mlとなるように
10%熱非働化牛胎児血清を含むMEM培地に調製し、
種々の濃度のCF−24とともに37℃で、24時間培
養した後のIC50値は、それぞれ6.0μg/mlで
あった。 また、コルヒチン耐性KB細胞に対するコルヒチン存在
下でのCF−24の細胞増殖抑制活性を上記と同様に測
定した時のIC50値は1.0μg/ml以下であった
。このことからCF−24は、単独においても、また、
コルヒチンと相乗的に作用してより強い腫瘍細胞増殖抑
制を示すことが明らかとなった。上記のように、本発明
のCF−24は抗腫瘍活性を示すことが明らかにされた
。従って、本発明のCF−24は抗腫瘍剤として使用す
ることができる。 (2)抗腫瘍剤 このように、本発明によるCF−24はヒトの腫瘍、特
に悪性腫瘍に対して抗腫瘍性を示すことが明らかにされ
た。従って、本発明化合物は、抗腫瘍剤もしくは腫瘍治
療剤として使用することができる。抗腫瘍剤としての本
発明化合物は、合目的的な任意の投与経路で、また、採
用投与経路によって決る剤型で投与することができる。 薬剤としては、製薬上許容される担体あるいは希釈剤で
希釈された形態が普通である。抗腫瘍剤としての本発明
化合物を実際に投与する場合には、これらを製薬上許容
される溶剤に溶解して注射する方法が代表的なものの一
つとして挙げられる。具体的には、腹腔内注射、皮下注
射、静脈または動脈への血管内注射および注射による局
所投与などの方法がある。本発明化合物の投与量は、動
物試験の結果および種々の状況を勘案して、連続的また
は間欠的に投与した時に総投与量が一定量を越えないよ
うに定められる。具体的な投与量は、投与方法、患者ま
たは被処理動物の状況、例えば年齢、体重、性別、感受
性、食餌、投与時間、併用する薬剤、患者またはその病
気の程度に応じて変化することは言うまでも無く、また
、一定の条件のもとにおける適量と投与回数は、上記指
針を基にして専門医の適量決定試験によって決定されな
ければならない。具体的には、成人1日当り0.01〜
1g程度である。 【0011】 【発明の効果】本発明による新規化合物CF−24は、
優れた抗腫瘍作用を有している。本発明化合物がこのよ
うな生理的作用を有しているという特性は当業者にとっ
て思いがけなかったことと解される。 【0012】〔実験例〕 【実施例】以下の実験例は、本発明を更に詳しく説明す
るためのものであり、これによって本発明は限定される
ものではない。 (1)培養 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水に
溶解して、pH6.2に調整したものである。 スターチ 25g 大豆粉 15g乾燥酵母
2g炭酸カルシウム 4
g 50リットル容ジャーファーメンターに上記培地30リ
ットルを調製、殺菌したものへ、サッカロスリックスs
p.2271−S3株を接種し、27℃にて3日間、通
気攪拌培養を行なった。 (2)CF−24の採取 上記の条件で培養後、培養液(30リットル)を遠心分
離し、菌体を5リットルのアセトンで抽出した。抽出液
を濃縮後、500mlの酢酸エチルで3回抽出し、濃縮
乾固した。これをシリカゲル(和光純薬社製「ワコーゲ
ルC200」)のカラムに吸着させ、クロロホルム−メ
タノール(150:1)混合液で溶出した。活性フラク
ションを濃縮乾固した後、これを調製用薄層クロマトグ
ラフィー(メルク社製「シリカゲル60F254 TL
Cプレート」使用)に付した。クロロホルム−メタノー
ル(19:1)混合液で展開した後、活性画分をかき取
り、これより、メタノールでCF−24を抽出した。抽
出液を逆相SEP−PAK(ウォーターズ・アソシエー
ツ社製「C18カートリッジ」)に付し、メタノール−
水(87:13)混合液で溶出した後、濃縮乾固してC
F−24の純品5mgを得た。
詳しくは抗腫瘍性を有する新規化合物CF−24に関す
る。 【0002】 【従来の技術】抗腫瘍物質に関しては、既に多数のもの
が医薬として実用化されている。一般に、化学物質の生
理活性はその化学構造に依存するところが大きいため、
抗腫瘍性を有する新規な化合物に対しては不断の希求が
あると言えよう。 【0003】〔発明の概要〕 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の希求
に応えるものである。すなわち、本発明は、抗腫瘍性を
有する新規化合物を提供することを目的とするものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、次式(I)で
示される化合物が抗腫瘍性を有することを見出すことに
より上記目的を達成した。すなわち、本発明による新規
化合物CF−24は次式(I)で示されるものである。 【化2】 本発明は、また、この物質の使用に関する。すなわち、
本発明による抗腫瘍剤は、上記式(I)で示される化合
物CF−24を有効成分として含むものである。本発明
は、更にまた、この物質の製造法に関する。すなわち、
本発明による上記式(I)で示されるCF−24の製造
法は、サッカロスリックス属に属しCF−24の生産能
を有する菌株を適当な培地で培養し、その培養物より化
合物CF−24を得ること、を特徴とするものである。 【0005】〔発明の具体的説明〕新規化合物CF−2
4 1)化学構造 本発明による新規化合物CF−24は、前記の式(I)
で示される化学構造を有する。この化学構造は、次のよ
うにして決定されたものである。CF−24のプロトン
核磁気共鳴スペクトル(図1)および炭素13核磁気共
鳴スペクトル(図2)の解析により、CF−24は、1
個の二重結合を有する14員環β−ケトマクロライド骨
格および3個のメチル基と3個の水酸基を有するアルキ
ル側鎖からなることが明らかとなった。スペクトルの更
に詳細な検討により、部分構造のつながりが、明らかと
なり、更に、マススペクトルより判明した分子量より、
CF−24の構造を式(I)のように決定した。 2)物理化学的性状 (1)外観:黄色油状 (2)溶解性:ベンゼン、クロロホルム、メタノール、
酢酸エチルに可溶。ヘキサン、水に不溶。 (3)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254
」使用): クロロホルム−メタノール(19:1) 0.75ヘ
キサン−酢酸エチル(12:3) 0.71
(4)FAB−マススペクトル(m/z):(M+H)
+ 483 (5)元素分析:C 69.65%、H 10.4
5%、O 19.90%(計算値:C 69.67
%、H 10.44%,O 19.89%;C28
H50O6)(6)紫外吸収スペクトル λmax
nm(ε):図3に示す。 メタノール中:207(6370) 0.01規定塩酸−メタノール中:207(6370)
0.01規定水酸化ナトリウム−メタノール中:207
(20000 ),276(5450)(7)赤外吸収
スペクトル(クロロホルム中溶液法):図4に示す。 (8)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500 メガヘ
ルツ、重クロロホルム中):図1に示す。 (9)炭素13核磁気共鳴スペクトル(125 メガヘ
ルツ、重クロロホルム中):図2に示す。 【0006】CF−24の製造 1)概要 化合物CF−24は現在のところ微生物の培養によって
のみ得られているが、類縁化合物の合成化学的修飾によ
って製造することも、あるいは全合成化学的に製造する
こともできよう。また、遺伝子工学的手法によることも
できよう。すなわち、化合物CF−24の産生に関与す
る遺伝子を適当な微生物に導入し、この様な形質転換微
生物を培養し、この培養物から得ることも可能であろう
。微生物の培養による場合の菌株としては、例えば、サ
ッカロスリックス属に属するCF−24生産能を有する
ものが使用される。具体的には、本発明者らの分離した
サッカロスリックスsp.2271−S3株がCF−2
4を生産することが本発明者らによって明らかにされて
いるが、その他の菌株については、抗生物質生産菌単離
の常法によって適当なものを自然界より分離することが
可能である。また、サッカロスリックスsp.2271
−S3株を含めてCF−24の生産菌を放射線照射その
他の変異処理に付して、CF−24の生産能を高める余
地も残されている。遺伝子工学的手法もまた可能である
ことは前記したところである 。2)2271−S3株 CF−24生産能を有するサッカロスリックス属の菌株
として本発明者らの見出している2271−S3株は、
下記の内容のものである。 (1)由来および寄託番号 2271−S3株は、埼玉県秩父郡横川町で採取した土
壌から分離されたものであり、平成3年4月10日に工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託されて、「微工研
条寄第3350号」(FERM BP−3350)の
番号を得ている。 (2)菌学的性状 2271−S3株の菌学的性状は以下の通りである。な
お、本菌株の“特徴づけ”は特許庁の「産業別審査基準
」記載の方法によった。 ■形態性状: 本菌株の基生菌糸は巾0.3〜0.8
μmで、分枝しながら長く伸長し、時には特徴的なジグ
ザグ状を呈し、短い桿状に分断する。気菌糸は主軸を長
く伸ばし、少くない分枝がレイス状に絡まり、全菌糸が
分節・分断して胞子鎖を形成する。胞子鎖は直状または
曲状で10から50以上の胞子から成り、成熟するとや
やジグザグ状を呈する。分節胞子は円筒形、巾0.3〜
0.5μm、長さ1.2〜1.7μm、平滑表面、非運
動性である。胞子のう、菌核、その他の特殊形態は観察
されなかった。 ■化学的性状: 本菌株は全菌体アミノ酸としてメゾ
・ジアミノピメリン酸、全菌体糖パターンとしてガラク
トース、マンノース、ラムノースを含み、細胞壁化学型
はIII C+ラムノース型である。主要メナキノンは
MK−9(H4 )、リン脂質パターンはホスホチジル
エタノールアミンを含むPII型である。 ■培養性状: 本菌株の培養性状は表1に示す。集落
の菌叢色は白色系列または灰色系列、裏面色は特徴のな
い不鮮明色または暗褐色、メラニン様色素・その他の拡
散性色素の産生は認められなかった。 ■生理的性状: 本菌株の生理的性状は表2に示す。 本菌株は中温性で、利用診断糖はD−フラクトースを除
く全部を利用する。 3)分類的位置 以上の“特徴づけ”の結果に基づき、Bergey’s
Manual ofSystematic Bact
eriology, Vol. 4. により本菌株の
分類的位置を検索した。本菌株の属レベルの特徴を要約
すると、ノカルディオフォームの形態を示し、細胞壁化
学型はIII C+ラムノース型、主要メナキノンはM
K−9(H4 )、リン脂質パターンはPII型である
。これらの特徴をもつ属はSaccharothrix
のみである。よって、本菌株2271−S3はSac
charothrix 属に位置される。従って、本菌
株をSaccharothrix sp. 2271−
S3株と呼称する。 【0007】 表 1 培養性状 培 地 集落表面の
菌叢色 集落の裏面色
シュクロース・ 白色系列(a)
淡黄色(2ca〜2ea )
硝酸塩寒天
グルコース・アス
灰色系列(b〜c) 茶味灰色(2
ec〜2ig) パラギン寒天
グリセリ
ン・アス 灰色系列(b〜c)
茶味灰色(2ec〜2ig) パラギン寒天
後に暗褐灰色(2nl) 無機
塩・スターチ寒天 白色系列(a)
淡黄色(2ca) から
茶味白色(3ca)
チロシン寒天 白色系列
(a) 淡黄色(2ca〜3ea
)後に
淡
黄味褐色(2ic) 栄養寒天
気菌糸なし
淡黄色(2ca〜2db) イー
スト・麦芽寒天 灰色系列(c〜f 〜10fe
) 淡黄色(2ca)から淡黄味
橙色(3ea) ,後に暗褐色
オートミール寒天 灰色系列(c〜b)
淡黄色(2ca〜2ea)
・培地中への拡散性色素の産生は認められなかっ
た。 ・( )内はカラー・ハーモニー・マニュアル(
コンテナー・コーポレーショ ン・オブ・アメリ
カ、1950)の色標コード。 【0008】 表 2 生理的性状 生育温度範囲
25〜37℃
最適温度
27〜30℃ メラニン
様色素 チロシン寒天
−
ペプトン・イースト鉄寒天
− トリプトン・イースト・ブ
ロス − スターチ
の加水分解
+ ゼラチンの液化
+
脱脂粉乳のペプトン化
+ 脱脂粉乳の凝固
− 硝酸塩の還元
+
炭素源の同化 D−グルコース
+
L−アラビノース
+ D−キシロース
+
D−フラクトース
− シ
ュクロース
+ L−ラムノース
+ ラフィノース
+
i−イノシトール
+ D−マンニット
+ 【0009】培養/CF−24の生産 化合物CF−24は、サッカロスリックス属に属するC
F−24生産菌を適当な培地で好気的に培養し、その培
養物から目的物を採取することにより製造することがで
きる。培地は、CF−24生産菌が利用し得る任意の栄
養源を含有するもので有り得る。具体的には、例えば炭
素源としてグルコース、シュークロース、マルトース、
スターチおよび油脂類などが使用でき、窒素源として大
豆粉、綿実粕、乾燥酵母、酵母エキスおよびコーンステ
ィープリカーなどの有機物並びにアンモニウム塩または
硝酸塩、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウムお
よび塩化アンモニウムなどの無機物が利用できる。また
、必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化カリウム、燐酸
塩、重金属塩など無機塩類を添加することができる。 発酵中の発泡を抑制するために、常法に従って適当な消
泡剤、例えばシリコーン油を添加することもできる。培
養方法としては、一般に行なわれている抗生物質の生産
方法と同じく、好気的液体培地培養法が最も適している
。培養温度は、20〜37℃が適当であるが、25〜3
0℃が好ましい。この方法でCF−24の生産量は、振
盪培養、通気攪拌培養ともに通常、培養3〜4日間で最
高に達する。このようにして、CF−24の蓄積された
培養物が得られる。培養物中では、CF−24はその一
部は培養槇液中に存在するが、その大部分は菌体中に存
在する。このような培養物からCF−24を採取するに
は、合目的的な任意の方法が利用可能である。その一つ
の方法は、抽出の原理に基づくものであって、具体的に
は、培養槇液中のCF−24についてはこれを水不混和
性のCF−24用溶媒(前記CF−24の物理化学的性
状の項参照)、例えば酢酸エチルなどで抽出する方法、
あるいは菌体内のCF−24については槇過、遠心分離
などで得た菌体集体をメタノール、エタノール、アセト
ンなどで処理して回収する方法などがある。菌体を分離
せずに培養物そのままを上記の抽出操作に付すこともで
きる。適当な溶媒を用いた向流分配法も抽出の範疇に入
れることができる。培養物からCF−24を採取する他
の一つの方法は、吸着の原理に基づくものであって、既
に液状となっているCF−24含有物、例えば培養槇液
あるいは上記のようにして抽出操作を行なうことにより
得られる抽出液を対象として、適当な吸着剤、例えばシ
リカゲル、活性炭、「ダイヤイオンHP−20」(三菱
化成社製)などを用いて目的のCF−24を吸着させ、
その後、適当な溶媒にて溶離させることによってCF−
24を得ることができる。このようにして得られたCF
−24溶液を減圧濃縮乾固すれば、CF−24粗標品が
得られる。このようにして得られたCF−24の粗標品
を更に精製するためには、上記の抽出法および吸着法に
ゲル槇過法、高速液体クロマトグラフィーなどを必要に
応じて組合せて必要回数行なえばよい。例えば、シリカ
ゲルなどの吸着剤、「セファデックスLH−20」(フ
ァルマシア社製)などのゲル槇過剤を用いたカラムクロ
マトグラフィー、「YMCパック」(山村科学社製)な
どを用いた高速液体クロマトグラフィーおよび向流分配
法を適宜組合せて実施することができる。具体的には、
例えば、CF−24粗標品を「セファデックスLH−2
0」カラムに付し、クロロホルム−メタノール(1:1
)混合液で活性画分を溶出させ、濃縮乾固するとCF−
24の純品が得られる。 【0010】CF−24の用途 本発明による化合物CF−24は、抗腫瘍活性を有する
という点で有用である。 (1)生物活性 CF−24は腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制活性を示し
た。例えば、ヒトの腫瘍細胞であるKB細胞またはコル
ヒチン耐性KB細胞を1×105 /mlとなるように
10%熱非働化牛胎児血清を含むMEM培地に調製し、
種々の濃度のCF−24とともに37℃で、24時間培
養した後のIC50値は、それぞれ6.0μg/mlで
あった。 また、コルヒチン耐性KB細胞に対するコルヒチン存在
下でのCF−24の細胞増殖抑制活性を上記と同様に測
定した時のIC50値は1.0μg/ml以下であった
。このことからCF−24は、単独においても、また、
コルヒチンと相乗的に作用してより強い腫瘍細胞増殖抑
制を示すことが明らかとなった。上記のように、本発明
のCF−24は抗腫瘍活性を示すことが明らかにされた
。従って、本発明のCF−24は抗腫瘍剤として使用す
ることができる。 (2)抗腫瘍剤 このように、本発明によるCF−24はヒトの腫瘍、特
に悪性腫瘍に対して抗腫瘍性を示すことが明らかにされ
た。従って、本発明化合物は、抗腫瘍剤もしくは腫瘍治
療剤として使用することができる。抗腫瘍剤としての本
発明化合物は、合目的的な任意の投与経路で、また、採
用投与経路によって決る剤型で投与することができる。 薬剤としては、製薬上許容される担体あるいは希釈剤で
希釈された形態が普通である。抗腫瘍剤としての本発明
化合物を実際に投与する場合には、これらを製薬上許容
される溶剤に溶解して注射する方法が代表的なものの一
つとして挙げられる。具体的には、腹腔内注射、皮下注
射、静脈または動脈への血管内注射および注射による局
所投与などの方法がある。本発明化合物の投与量は、動
物試験の結果および種々の状況を勘案して、連続的また
は間欠的に投与した時に総投与量が一定量を越えないよ
うに定められる。具体的な投与量は、投与方法、患者ま
たは被処理動物の状況、例えば年齢、体重、性別、感受
性、食餌、投与時間、併用する薬剤、患者またはその病
気の程度に応じて変化することは言うまでも無く、また
、一定の条件のもとにおける適量と投与回数は、上記指
針を基にして専門医の適量決定試験によって決定されな
ければならない。具体的には、成人1日当り0.01〜
1g程度である。 【0011】 【発明の効果】本発明による新規化合物CF−24は、
優れた抗腫瘍作用を有している。本発明化合物がこのよ
うな生理的作用を有しているという特性は当業者にとっ
て思いがけなかったことと解される。 【0012】〔実験例〕 【実施例】以下の実験例は、本発明を更に詳しく説明す
るためのものであり、これによって本発明は限定される
ものではない。 (1)培養 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水に
溶解して、pH6.2に調整したものである。 スターチ 25g 大豆粉 15g乾燥酵母
2g炭酸カルシウム 4
g 50リットル容ジャーファーメンターに上記培地30リ
ットルを調製、殺菌したものへ、サッカロスリックスs
p.2271−S3株を接種し、27℃にて3日間、通
気攪拌培養を行なった。 (2)CF−24の採取 上記の条件で培養後、培養液(30リットル)を遠心分
離し、菌体を5リットルのアセトンで抽出した。抽出液
を濃縮後、500mlの酢酸エチルで3回抽出し、濃縮
乾固した。これをシリカゲル(和光純薬社製「ワコーゲ
ルC200」)のカラムに吸着させ、クロロホルム−メ
タノール(150:1)混合液で溶出した。活性フラク
ションを濃縮乾固した後、これを調製用薄層クロマトグ
ラフィー(メルク社製「シリカゲル60F254 TL
Cプレート」使用)に付した。クロロホルム−メタノー
ル(19:1)混合液で展開した後、活性画分をかき取
り、これより、メタノールでCF−24を抽出した。抽
出液を逆相SEP−PAK(ウォーターズ・アソシエー
ツ社製「C18カートリッジ」)に付し、メタノール−
水(87:13)混合液で溶出した後、濃縮乾固してC
F−24の純品5mgを得た。
【図1】CF−24の重クロロホルム中における500
メガヘルツプロトン核磁気共鳴スペクトルを模写したも
のである。
メガヘルツプロトン核磁気共鳴スペクトルを模写したも
のである。
【図2】CF−24の重クロロホルム中における125
メガヘルツ炭素13核磁気共鳴スペクトルを模写したも
のである。
メガヘルツ炭素13核磁気共鳴スペクトルを模写したも
のである。
【図3】CF−24のメタノール中(実線)、0.01
規定塩酸−メタノール中(実線)及び0.01規定水酸
化ナトリウム−メタノール中(点線)での紫外吸収スペ
クトルを模写したものである。
規定塩酸−メタノール中(実線)及び0.01規定水酸
化ナトリウム−メタノール中(点線)での紫外吸収スペ
クトルを模写したものである。
【図4】CF−24のクロロホルム中溶液法による赤外
吸収スペクトルを模写したものである。
吸収スペクトルを模写したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】次式(I)で示される化合物CF−24。 【化1】
- 【請求項2】請求項1に記載の化合物CF−24を有効
成分として含む抗腫瘍剤。 - 【請求項3】サッカロスリックス属に属しCF−24の
生産能を有する菌株を適当な培地で培養し、その培養物
より化合物CF−24を得ることを特徴とする、請求項
1に記載の化合物CF−24の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11090891A JPH04316573A (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 新規化合物cf‐24、その使用および製造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11090891A JPH04316573A (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 新規化合物cf‐24、その使用および製造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04316573A true JPH04316573A (ja) | 1992-11-06 |
Family
ID=14547703
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11090891A Pending JPH04316573A (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 新規化合物cf‐24、その使用および製造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04316573A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008500035A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | アンスティテュ ナシオナル ポリテクニク ドゥ トゥールーズ | 新規なサッカロスリックス株およびそれに由来する抗生物質、すなわち、ムタクチマイシンおよびアルドガマイシン |
-
1991
- 1991-04-16 JP JP11090891A patent/JPH04316573A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008500035A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | アンスティテュ ナシオナル ポリテクニク ドゥ トゥールーズ | 新規なサッカロスリックス株およびそれに由来する抗生物質、すなわち、ムタクチマイシンおよびアルドガマイシン |
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