JPH0440449B2 - - Google Patents

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JPH0440449B2
JPH0440449B2 JP60273373A JP27337385A JPH0440449B2 JP H0440449 B2 JPH0440449 B2 JP H0440449B2 JP 60273373 A JP60273373 A JP 60273373A JP 27337385 A JP27337385 A JP 27337385A JP H0440449 B2 JPH0440449 B2 JP H0440449B2
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JP
Japan
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polycapramide
fiber
yarn
strength
degree
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JP60273373A
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JPS62133116A (ja
Inventor
Takuji Sato
Masaharu Yamamoto
Isoo Saito
Kotaro Fujioka
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication of JPH0440449B2 publication Critical patent/JPH0440449B2/ja
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は高強力、高弾力率ポリカプラミド系繊
維およびその製造方法に関するものであり、特に
タイヤコードにした際の加硫後の強力保持率が高
く、均一性に優れたポリカプラミド系繊維であつ
て、かつそれを効率高く製造する方法に関する。 [従来の技術] ポリアミド系繊維は高強力で、耐疲労性や耐衝
撃性に優れているため、各種産業用途、例えばタ
イヤコード、搬送用ベルト等のゴム補強用コー
ド、およびシートベルト、縫糸、漁網、各種カバ
ーシート等に用いられている。 しかしポリカプラミド繊維は寸法安定性に欠
け、かつ初期モデユラスが低く、特にゴム加硫後
の補強低下が著しいといつた欠点があるため用途
が限定されていた。 そこでこうした欠点を克服するためにこれまで
数々の提案がなされてきた。例えば、特開昭57−
191337号公報にみられるごとく、紡糸速度を2000
〜4500m/minで高速紡糸し、得られた未延伸糸
を最大倍率の少なくとも85%以上で延伸した後、
ゴム補強用ナイロン6コードとする方法が提案さ
れている。この方法によつて寸法安定性および加
硫時の強力低下が改善されたポリカプラミド繊維
が得られている。 また特開昭59−144608号公報のように、紡糸速
度を2000m/min未満とした後連続的に延伸し
て、4000m/mim以下で巻取る方法が提案され
ている。 更に特開昭58−54018号公報では低収縮率で耐
疲労性の優れたポリカプラミド繊維およびその製
造方法を提案した。この公報はナイロン6を高速
紡糸し、次いで直接延伸する直接紡糸延伸法をご
く一般的に教示している。 [発明が解決しようとする問題点] 特開昭57−191337号公報の示す方法では加硫後
強力の改善はみられるものの、該繊維の原糸強度
は高々8,5g/dと従来の産業用繊維に比べ低
いレベルものでしかなかつた。単に紡速を上げた
だけでは、ゴム補強用の糸条のようにフイラメン
ト数が150filを越える場合、糸条の冷却が糸条間
干渉によりフイラメント斑が生じ、ひいては延伸
糸切れが生じやすく、高強力な繊維が得られなく
なるためである。 また特開昭59−144608号公報のような方法によ
つて高耐久性の繊維は得られるものの、ゴム加硫
した後のコード強力は決して高いものではない。
また該繊維の原糸強度は高々9.4g/dと従来の
産業用繊維に比べ低いレベルものでしかなかつ
た。 特開昭58−54018号公報で既に提案されたポリ
カプラミド繊維は低収縮率で耐疲労性に優れてい
るものの原糸の強度レベルはやはり高々9.1g/
d程度と低いレベルのものでしかなかつた。 即ち、本発明の課題は、ナイロン6繊維の有す
る構造的欠陥の発生に起因する、ゴム加硫時など
の急激な温度変化後の強力低下が抑えられてお
り、かつ繊維として寸法安定性に優れ、耐疲労性
に優れているといつた産業用繊維として有用な特
性を具有しているのみならず、均一性が高い、こ
れまでにない高強力なナイロン6繊維を提供する
ことにある。 [問題点を解決するための手段] 本発明者は鋭意検討を行なつた結果、下記の発
明に到つたものである。すなわち、 (1) 繰り返し構造単位が95モル%以上のε−カプ
ラミド系ポリマからなり、硫酸相対粘度3.0以
上の高重合度を有し、かつ1種又は2種以上の
銅塩および/あるいは前記銅塩以外の無機ある
いは有機の酸化防止剤を含むポリカプラミド系
繊維であつて、下記特性を同時に有するポリカ
プラミド系繊維。 Tm≧188(℃) fc≧0.93 0.83≧≧0.7 2≧γ≧0.3(%) ここで、Tmは繊維をアセチレン処理した後
γ線照射によりその非晶部を架線凍結し、それ
をDSCによつて測定した融点。fcはX線で測定
した結晶配向度。は蛍光偏光法で測定した非
晶配向度。γはX線で測定したγ型結晶混在
率。 (2) 強度T/D、伸度E、初期引張抵抗度Miが
下記式を同時に満足することを特徴とする上記
1項記載のポリカプラミド系繊維。 T/D≧10(g/d) 18≧E≧10(%) Mi≧25(g/d) (3) 150℃における乾収率(ΔS)が 6≧ΔS≧3(%) の範囲の値であることを特徴とする上記1項記
載のポリカプラミド系繊維。 (4) 密度ρが ρ≧1.145(g/c.c.) の範囲の値であることを特徴とする上記1項記
載のポリカプラミド系繊維。 (5) 複屈折率Δnが Δn≧0.057 の範囲の値であることを特徴とする上記1項記
載のポリカプラミド系繊維。 (6) 繰り返し構造単位が95モル%以上のε−カプ
ラミド系ポリマからなり、硫酸相対粘度3.0以
上の高重合度を有し、かつ1種又は2種以上の
銅塩および/あるいは前記銅塩以外の無機ある
いは有機の酸化防止剤を含むポリカプラミド系
ポリマを溶解紡糸して5000m/min以上で巻取
る直接紡糸延伸方法を実施するにあたり、溶融
紡出糸条を口金下の少なくとも10cmの雰囲気が
該ポリカプラミドの(融点+30℃)以上の温度
に加熱された筒で囲まれたゾーンを通過させた
後急冷し、次いで下記式を満足した張力下で
非水系油剤を付与し、2000m/min以上の速度
で引取り、引続き2段以上の熱延伸を下記式
を満たしながら行なうことを特徴とする、下記
〜式の特性を同時に有するポリカプラミド
系繊維の製造方法。 5≧T/(n×V1.4×d0.2×10-5≧1 …… 0.17≧(ηr1−ηr2)/ηr1≧0.05 …… ここで、Tは給油時の紡糸張力(g重)、nは
繊維のフイラメント数、Vは引取りロール速度
(m/min)、dは給油時の単糸繊度(デニール)、
ηr1は引取りロール上の糸条の硫酸相対粘度、ηr2
は最終巻取り後の糸条の硫酸相対粘度を示す。 Tm≧188(℃) …… fc≧0.93 …… 0.83≧≧0.7 …… 2≧γ≧0.3(%) …… ここで、Tmは繊維をアセチレン処理した後γ
線照射によりその非晶部を架橋凍結し、それを
DSCによつて測定した融点。fcはX線で測定した
結晶配向度。は蛍光偏光法で測定した非晶配向
度。γはX線で測定したγ型結晶混在率。 [作用] 本発明に用いるポリカプラミド系ポリマは分子
鎖の繰り返し構造単位が95モル%以上がε−カプ
ラミドであつて、共重合成分を5モル%未満含有
していてもよい。共重合成分としては、例えばポ
リヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレ
ンセバカミド、ポリヘキサメチメンイソフタラミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリキ
シリレンフタラミド等がある。共重合成分を5モ
ル%以上含有した場合は、結晶性が低下し、寸法
安定性が低下するため好ましくない。 ポリカプラミド系ポリマとしてはオストワルド
粘度計を使用して25℃、ポリマ濃度1重量%で測
定した硫酸相対粘度が3.0以上である必要がある。
更には3.2以上の高重合度のポリマが好ましい。
この値が3.0未満であると繊維の分子鎖が短すぎ
て、目的とする高強力な繊維は得られない。 又熱、光、酸素等に対する耐久性を十分付与す
るためにポリマに酸化防止剤を添加する必要があ
る。この添加剤がない場合、製糸および高次加工
工程において熱、光、酸素等による劣化が進行し
て、耐久性が大幅に低下する。酸化防止剤として
は銅塩、例えば酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二
銅、臭化第一銅、臭化第二銅、沃化第一銅、フタ
ル酸銅、ステアリン酸銅、及び各種銅塩と有機化
合物との錯塩、例えば8−オキシキノリン銅、2
−メルカプトベンゾイミダゾールの銅錯塩、好ま
しくは沃化第一銅、酢酸銅、2−メルカプトベン
ゾイミダゾールの沃化第一銅錯塩等や、アルカリ
又はアルカリ土金属のハロゲン化物、例えば沃化
カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、沃化ナ
トリウム、臭化ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カル
シウム等や、有機ハロゲン化物、例えばペンタヨ
ードベンゼン、ヘキサブロムベンゼン、テトラヨ
ードテレフタル酸、沃化メチレン、トリブチルエ
チルアンモニウムアイオダイド等や、無機及び有
機リン化合物、例えばピロリン酸ソーダ、亜リン
酸ソーダ、トリフエニルホスフアイト、9,10−
ジハイドロ−10−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシベンジル)−9−オキサーパーフオス
フアフエナンスレン−10−オキサイド等、及びフ
エノール系抗酸化剤、例えばテトラキス−[メチ
レン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフエニル)−プロピオネート]−メタン、
1,3,5−トリ−メチル−2,4,6,−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)
−プロピオネート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルベンジルリン酸ジエチルエステル等
や、アミン系抗酸化剤、例えばN,N′−ジ−β
−ナフチル−p−フエニレンジアミン、2−メル
カプトベンゾイミダゾール、フエニル−β−ナフ
チルアミン、N,N′−ジフエニル−p−フエニ
レンジアミン、ジフエニルアミンとアリルケトン
との縮合反応物、好ましくは沃化カリウム、2−
メルカプトベンゾイミダゾール等がある。 酸化防止剤はポリカプラミドの重合工程あるい
はチツプ化後にチツプに混合して含有させること
ができる。その含有量は、銅塩においては銅とし
て10〜300ppm、好ましくは30〜150ppm、他の酸
化防止剤では0.01〜1%、好ましくは0.03〜0.5%
の範囲である。この値が銅として10ppmあるいは
他の酸化防止剤で0.01%未満であると、繊維の耐
熱・光・候性は低下する。またこの値が300ppm
あるいは1%を越えると、均一性が損なわれるな
どによつて繊維の強力が低下する。 本発明では、繊維をアセチレン処理した後γ線
照射によりその非晶部を架橋凍結し、それを
DSCによつて測定した融点が188℃以上である必
要がある。更には190℃以上が好ましい。この値
は繊維の有する本来の融点と考えられ、この値が
高いということは結晶の完全性が高いと考えられ
る。結晶の完全性が高いと加硫工程などの熱刺激
に対する構造変化は少なく、熱刺激後の熱刺激前
に対する強力保持率は高くなる。またこの値が
188℃未満の場合、結晶の完全性は低く、繊維の
強力保持率は低下する。 また結晶配向度fcは0.93以上である必要があ
る。この結晶配向度の高いことが繊維の高強力を
得るのに必要条件である。この値が0.93未満の場
合、結晶の配向性は低く、繊維の強力は低下す
る。 次に非晶配向度は0.7〜0.83にしなければな
らない。この値が0.7未満の場合、タイモレキユ
ールの配向性が悪く、繊維の高強力は得られず、
耐疲労性も低下する。またこの値が0.83を越える
時は、繊維の収縮が大きくなり、寸法安定性が悪
化する。 更にγ型結晶混在率(γ)が0.3〜2%である
必要がある。この値が0.3%未満の場合、繊維の
均一性が低下して好ましくない。またこの値が2
%を越える場合、結晶安定性が低く、加硫工程な
どの熱刺激に対する構造変化が大きくなり、強力
保持率は低くなる。 本発明にかかるポリカプラミド系繊維は下記す
るような特別かつ新規な方法により得られる。要
約すればその方法は、紡出した糸条をポリカプラ
ミドの(融点+30℃)以上の温度に加熱された筒
で囲まれたゾーンを通過させた後、急冷固化し、
次いで特定の紡糸張力下で非水系油剤を付与し、
直接紡糸延伸するにあたり、引取りロール上の糸
条の硫酸相対粘度と最終巻取り後の糸条の硫酸相
対粘度とが特定の式を満たしながら、多段熱延伸
し、高速で巻取ることをポイントとする。 紡糸工程の詳細について、第1図(本発明の一
実施態様を示す工程図)に基づいて説明する。 紡糸口金1から紡出した糸条Yを口金下の少な
くとも10cmの雰囲気が該ポリカプラミドの融点以
上に加熱された筒2で囲まれたゾーンを通過させ
た後、冷却装置3で急冷固化し、給油装置4によ
つて非水系油剤を付与せしめ、2000m/min以上
の回転する引取りローラ5で引き取る。次いで引
続き、加熱した延伸ロール6,7,8を周回せし
めることで多段熱延伸し、5500m/min以上の速
度でリラツクスロール9でリラツクスして巻取機
10に巻き取る。 ここで重要な点は下記の,式を同時に満た
しながら給油し、引取り、直接紡糸延伸すること
である。 5≧T/(n×V1.4×d0.2×10-5)≧1…… 0.17≧(ηr1−ηr2)/ηr1≧0.05 …… ここで、Tは給油等の紡糸張力(g重)、nは
繊維のフイラメント数、Vは引取りロール速度
(m/min)、dは給油時の単糸繊度(デニール)、
ηr1は引取りロール上の糸条の硫酸相対粘度、ηr2
は最終巻取り後の糸条の硫酸相対粘度を示す。 更に詳述する。 紡糸口金1から紡出した糸条Yを、口金下の少
なくとも10cmの雰囲気が該ポリカプラミドの(融
点+30℃)以上の温度に加熱された筒2で囲まれ
たゾーンを通過せしめる際、口金下面温度は270
〜320℃、好ましくは280〜310℃である必要があ
る。270℃以下ではポリマ粘性が高すぎて、ポリ
マ流動斑ひいては糸斑となり、本発明の目的とす
る高強力糸は得られない。また320℃以上では口
金面におけるポリマ曲がりやドリツプ現象がお
き、製糸性が悪化する。 また口金直下の雰囲気温度を該ポリカプラミド
の(融点+30℃)以上の温度に制御することは糸
の均一性を保つ上で重要である。すなわち、口金
下の少なくとも10cmの雰囲気を該ポリカプラミド
の融点以上に保つことでマルチフイラメント間の
分子配向斑をなくし、後での延伸における均一性
をも高めることなる。口金直下の雰囲気温度を該
ポリカプラミドの融点以上に制御するには上気し
た口金面のみを加熱するだけでなく、口金直下に
少なくとも10cmの加熱された筒を設ける必要があ
る。温度としては250℃以上、好ましくは270〜
350℃とする。ゾーンの長さが10cm未満、その温
度が250℃未満の場合は、糸の均一性は悪く、本
発明の目的は達成できない。 冷却装置3の形式としてはユニフロー方式、環
状自然吸引方式、環状吸出し方式等の方法がある
が、特に限定されるものではない。 給油装置4の形式としてはロール方式、ガイド
方式等があるが、均一に油剤を付与でき、接触抵
抗の少ないガイド給油方式の方が好ましい。また
油剤としては、延伸時点で不均一の要因の一つで
ある吸湿結晶化が抑えられる非水系油剤を付与す
る必要がある。水系油剤を付与すると均一性が損
なわれ、目的とする高強力繊維が得られない。 給油時点の張力(Tg重)はn×V1.4×d0.2×
10-5〜5×n×V1.4×d0.2×10-5である必要があ
る。[ここで、nは繊維のフイラメント数、Vは
引取りロール速度(m/min)、dは給油時の単
糸繊度(デニール)]この値がn×V1.4×d0.2×
10-5未満の場合、糸条の冷却斑が起き、強度低下
となる。この値が5×n×V1.4×d0.2×10-5を越
える場合、擦過や空気抵抗斑がおき、やはり強度
低下する。 給油時点の張力を調整する方法としては、給油
装置の口金面からの垂直距離を変更したり、ガイ
ドに接触する角度を調整したり、付与する油剤の
粘性抵抗を調整したり、マルチフイラメントの集
束状態をガイドや冷却風等により制御するなど
様々な方法がある。 引取りロール5としては1対の梨地表面ロール
のネルソンロールに多周回せしめても良いし、あ
るいは1個の鏡面表面ロールに半周回せしめても
良い。この引取りロールの温度は120℃以下通常
90℃以下の温度で加熱しても良いし、無加熱で常
温のままでも良い。 延伸方法は引取りロール5で引き取つた後引続
き、多段熱延伸する直接紡糸延伸法を用いる。 糸条を引き取つた後、吸湿により繊維構造が変
化しやすい未延伸糸状態での保管を経ていないの
で、糸条の均一性が高く、高強力な繊維が得られ
る。総合延伸倍率は3倍以下で、多段に延伸し、
引取りロール上の糸条の硫酸相対粘度ηr1と最終
巻取り後の糸条の硫酸相対粘度ηr2とが 0.17≧(ηr1−ηr2)/ηr1≧0.05 の式を満たすようにする必要がある。 (ηr1−ηr2)/ηr1が0.05未満の場合、延伸が不
十分であつて、高強度は得られない。また(ηr1
−ηr2)/ηr1が0.17をこえる場合、分子鎖切断が
多すぎて、高強力とはならない。 本発明の延伸法の一例を述べる。 1DR(第1ドローロール)6は80〜180℃、
2DR(第2ドローロール)7は150〜210℃、3DR
(第3ドローロール)8は該ポリカプラミドの融
点以下で通常150〜210℃として、各ロール温度は
前段ロール温度と同じ、あるいはそれ以上である
必要がある。最終に配置したRR(張力調整ロー
ル)9は210℃以下とする。 糸条は引取りロール5と1DR6との間で1.1〜
2.0倍、1DR6と2DR7との間で1.1〜2.0倍、2DR
7と3DR8との間で1.1〜2.0倍で延伸され、3DR
8とRR9との間では0.9〜1.0の範囲で収縮され
る。 なおロール間にエアあるいはスチームのジエツ
ト流を噴射する装置を設け、糸条の延伸点を固定
することができる。特に倍率の高い引取りロール
5〜1DR6間、1DR〜2DR7間が好ましい。 [実施例] 次に実施例に基づいて説明する。なお本発明の
特性の測定法は以下の通りである。 架橋凍結法融点Tm: ポリカプラミド繊維をガラス製の容器に入れ、
10-2mmHg程度の真空にした後、アセチレンガ
スを約600mmHg封入し、室温でγ線を照射す
る。線源は60Coで、線量は5×104rad/hr、全照
射量は0〜20Mradであつた。処理した繊維はそ
の非晶部が架橋凍結されるため、試料固有の不完
全結晶の融点が測定可能となる。その融点は
Perkin−Elmer社製のDSC−IB型で測定した。
試料条件は、昇温速度10℃/min、試料量4.0mg、
感度4mcal/secフルスケールで行なつた。 (十時、川口、熱測定、12(1),2−20,
1985) 結晶配向度fc: 理学電機(株)製広角X線散乱装置D−3F型
を用いて、CuKαを線源として測定した。 結晶部の配向関数をfcとして(200)赤道線干
渉のデバイ環上に沿つた強度分布曲線の半価幅
H°から次式により算出した。 fc=(180°−H°)/180° 非晶配向度: 試料を蛍光剤“Whitex RP”[住友化学(株)
製]の0.2重量%水溶液に20℃で2時間浸漬し、
次いで十分洗浄した後風乾して測定試料とした。
日本分光(株)FOM−1偏光光度計を用い、偏
光蛍光の相対強度を測定し、次式によりを求め
た。 =1−B/A 但し、A:繊維軸方向の偏光蛍光の相対強度 B:繊維軸と直角方向の相対強度 γ型結晶混在率γ: 理学電機(株)製広角X線散乱装置D−3F型
を用いてCuKαを線源として測定した。 8cm長40mgで1mm幅の繊維束を試料として、試
料を固定し、スキヤン速度1°/minで子午線
(020)干渉ピーク強度を測定する。2θ=9°〜14°
を直線で結びその積分強度を求め、あらかじめα
型標準試料とγ型標準試料の重量混合比で作成し
た検量線より算出する。 α型標準試料は、比較例1のサンプルを金型に
1/20g/dの張力下で固定し、155℃の蒸気釜で
15分間処理したもの。γ型標準試料は、比較例1
のサンプルを沃素−沃化カリ液(沃素508g、沃
化カリ66.4g/蒸溜水400ml)中で70時間浸漬し
て沃素を吸着させ、チオ硫酸ソーダ溶液で脱沃素
したもの。 引張り強度T/D、残留伸度E、初期引張抵
抗度Mi: JIS−L1017の定義による。試料をカセ状にと
り、20℃65%RHの温調室で24時間放置後、“テ
ンシロン”UTM−4L型引張試験機[東洋ボール
ドウイン(株)製]を用い、試長25cm、引張速度30
cm/minで荷重−伸長曲線を描くことにより測定
した。 乾熱収縮率ΔS: 試料をカセ状にとり、20℃65%RHの温調室で
24時間以上放置した後、試料の0.1g/dに相当
する荷重をかけて測定した長さl0の試料を、無張
力状態で150℃のオーブン中に放置した後、オー
ブンから取り出して、上記温調室で4時間放置
し、再び上記荷重をかけて測定した長さl1から次
式により算出した。 ΔS=[(l0−l1)/l0]×100(%) 密度ρ: 四塩化炭素−トルエンの混合比を連続的に変え
た密度勾配液を作り、紫山科学器械製作所製の直
読式密度測定装置を使用して密度勾配管法で測定
した。 複屈折Δn: 白色光を光源として、日本工学工業(株)製POH
型偏光顕微鏡を用いて、通常のベレツクコンペン
セータ法により求めた。 中間伸度: 前記における荷重−伸長曲線において、下記
式で定めた強力を示す時の伸度をいう。 4.5×延伸糸繊度/840Kg 実施例 1 酢酸銅0.015重量%、沃化カリウム0.1重量%お
よび2−メルカプトベンゾイミダゾール0.1重量
%を含むηr=3.65のナイロン6チツプをエクスト
ルーダ紡糸機で紡出した。吐出量は巻取糸の全糸
繊度が850Dとなるように調整した。また口金は
孔径0.3mmφ、孔数306holeのものを用い、ポリマ
温度は285℃とした。濾過には7μカツトの不織布
フイルタを用いた。口金下25cmの雰囲気を295℃
に保つた加熱筒中を通過させ、次いで5cm長さの
ユニフローチムニーを通過させ急冷した。チムニ
ー風は20℃30m/minの条件をとつた。 その後2段に配置したガイド給油装置で非水系
油剤を糸条に対して2重量%付与した。1段目の
給油装置の口金面からの距離ならびにガイド接触
角を変更することにより紡糸張力を調整した。次
に糸条は所定の速度で回転する引取りロールで引
き取つた後、連続して延伸ロール(1DR)との
間でストレツチし、次に1DRと2DR、2DRと
3DRとの間でぞれぞれ延伸し、3DRとRRとの間
ではリラツクスを行なつた巻取つた。 製糸条件を第1表に、得られた糸特性を第2表
に示した。 第1,2表から明らかなように、非晶配向度
が0.7未満の場合、タイ分子の配向性が悪く、高
強力は得られない。またこの値が0.8を越える時
は、タイ分子切断が起り、かえつて強度は低くな
る。またγ型結晶混在率(γ)が0.3%未満の場
合、繊維の均一性が低下し、繊維の高強力が得に
くい。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 2 実施例−1で得た延伸糸を2本合糸しながら、
それぞれ320T/mの撚数で下撚および上撚をか
けて、生コードとした。次いでリツラー社製デイ
ツピング機によつて接着剤付与処理をした。
RFL溶液に浸漬し、付着量5%となるように溶
液濃度および液切り装置を調整した。 乾燥ゾーンは130℃で90秒間定長で通過させ、
熱処理ゾーンは200℃、36秒間、1g/dの張力
のストレツチをかけつつ通過させた。ノーマルゾ
ーンは195℃で36秒間、0.7g/dの張力で弛緩を
与えて通過させた。 処理したコードをゴム加硫を行ない、残留強力
を測定した。 測定条件は以下のようにした。デイツプコード
を無荷重状態で24本/インチの密度で平行に並
べ、これを厚さ0.3mmのシート状未加硫ゴムの間
にはさみ、型にいれて160,170,180℃に維持し
たヒートプレスで30分間加硫接着させた。加硫後
ヒートプレスから型を取り出して水冷し、試験片
を型から室温で取り出した。48時間放置した後、
コードをむしり取り、強力を測定した。 デイツプコードおよび加硫後コードの特性を第
3表に示す。 なおコード特性の測定方法は次の通りである。 (1) 乾熱収縮率(処理コード) 処理温度を177℃とした以外は前記した原糸と
同じ方法で測定した。 (2) 中間伸度(処理コード) 前記測定したT/D,E,Miと同様に、処理
コードの荷重−伸長曲線において、4.5×コード
繊度/(840×2)Kgの強力を示す時の伸度を求
め、中間伸度とした。 (3) 強力利用率=処理コード強力/(原糸強力 ×2)×100(%) (4) GY疲労寿命 JIS法L−1017 3,2,2,1−(1)Aによ
りグツドイヤー・マロリーチユーブ・フアテイー
ギユー・テストを行なつた。 第3表から明らかなように、架橋凍結法融点
(Tm)が188℃未満の場合、結晶の完全性は低
く、繊維の強力保持率は低下する。この値が高い
と結晶の完全性は高く、加硫工程などの熱刺激に
対する構造変化は少なくなり、強力保持率は高く
なつている。更にγ型結晶混在率(γ)がこの値
が2%を越える場合、結晶安定性が低く、加硫工
程などの熱刺激に対する構造変化が大きくなり、
強力保持率は低くなる。 本発明例2および比較例1,5の繊維につい
て、高次加工に伴う強力変化を第3図に示した。
これからも本発明の繊維は原糸強力が高く、かつ
加硫後強力も高いことが明らかである。
【表】
【表】 [発明の効果] 本発明の繊維のもたらす効果について下記す
る。 (1) 繊維強度が10g/d以上を達成できるので、
各種産業用途、例えばタイヤコード、搬送用ベ
ルト等のゴム補強用コード、およびシートベル
ト、縫糸、漁網、各種カバーシート等に用いる
ことにより、それらの強靱性、耐久性向上につ
ながる。 (2) デイツプコードの中間伸度+乾収率が19%以
下と低いので、寸法安定性に優れ、かつ初期モ
デユラスが高いため、これまでポリカプラミド
系繊維が用いられなかつた用途に提供すること
ができる。 (3) 特にタイヤコードにした際の加硫後の強力保
持率が極めて高く、かつ均一性に優れているの
で、これまでにない高強力タイヤコードが得ら
れ、従つて、従来と同一強力のスダレ反に使用
する場合、使用繊維重量を軽減することがで
き、軽量なタイヤとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明法の紡糸工程の一実施態様を
示す概略正面図である。第2図は、本発明法の他
の実施態様を示す概略正面図である。第3図は繊
維の高次加工に伴う強度変化を示すグラフであ
る。 Y……紡出糸条、1……紡糸口金、2……加熱
筒、3……冷却装置、4……給油装置、5……引
取りローラ、6,7,8……延伸ロール、9……
リラツクスロール、10……巻取機。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繰り返し構造単位が95モル%以上のε−カプ
    ラミド系ポリマからなり、硫酸相対粘度3.0以上
    の高重合度を有し、かつ1種又は2種以上の銅塩
    および/あるいは前記銅塩以外の無機あるいは有
    機の酸化防止剤を含むポリカプラミド系繊維であ
    つて、下記特性を同時に有するポリカプラミド系
    繊維。 Tm≧188(℃) fc≧0.93 0.83≧≧0.7 2≧γ≧0.3(%) ここで、Tmは繊維をアセチレン処理した後γ
    線照射によりその非晶部を架橋凍結し、それを
    DSCによつて測定した融点。fcはX線で測定した
    結晶配向度。は蛍光編光法で測定した非晶配向
    度。γはX線で測定したγ型結晶混在率。 2 強度T/D、伸度E、初期引張抵抗度Miが
    下記式を同時に満足することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のポリカプラミド系繊維。 T/D≧10(g/d) 18≧E≧10(%) Mi≧25(g/d) 3 150℃における乾収率ΔSが 6≧ΔS≧3(%) の範囲の値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリカプラミド系繊維。 4 密度ρが ρ≧1.145(g/c.c.) の範囲の値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリカプラミド系繊維。 5 複屈折率Δnが Δn≧0.057 の範囲の値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のポリカプラミド系繊維。 6 繰り返し構造単位が95モル%以上のε−カプ
    ラミド系ポリマからなり、硫酸相対粘度3.0以上
    の高重合度を有し、かつ1種又は2種以上の銅塩
    および/あるいは前記銅塩以外の無機あるいは有
    機の酸化防止剤を含むポリカプラミド系ポリマを
    溶融紡糸して5000m/min以上で巻取る直接紡糸
    延伸方法を実施するにあたり、溶融紡出糸条を口
    金下の少なくとも10cmの雰囲気が該ポリカプラミ
    ドの(融点+30℃)以上の温度に加熱された筒で
    囲まれたゾーンを通過させた後急冷し、次いで下
    記式を満足した張力下で非水系油剤を付与し、
    2000m/min以上の速度で引取り、引続き2段以
    上の熱延伸を下記式を満たしながら行なうこと
    を特徴とする、下記〜式の特性を同時に有す
    るポリカプラミド系繊維の製造方法。 5≧T/(N×V1.4×d0.2×10-5≧1 …… 0.17≧(ηr1−ηr2)/ηr1≧0.05 …… ここで、Tは給油時の紡糸張力(g重)、nは
    繊維のフイラメント数、Vは引取りロール速度
    (m/min)、dは給油時の単糸繊度(デニール)、
    ηr1は引取りロール上の糸条の硫酸相対粘度、ηr2
    は最終巻取り後の糸条の硫酸相対粘度を示す。 Tm≧188(℃) …… fc≧0.93 …… 0.83≧−≧0.7 …… 2≧γ≧0.3(%) …… ここで、Tmは繊維をアセチレン処理した後γ
    線照射によりその非晶部を架橋凍結し、それを
    DSCによつて測定した融点。fcはX線で測定した
    結晶配向度。は蛍光偏光法で測定した非晶配向
    度。γはX線で測定したγ型結晶混在率。
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