JPH0447028B2 - - Google Patents
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- JPH0447028B2 JPH0447028B2 JP21049685A JP21049685A JPH0447028B2 JP H0447028 B2 JPH0447028 B2 JP H0447028B2 JP 21049685 A JP21049685 A JP 21049685A JP 21049685 A JP21049685 A JP 21049685A JP H0447028 B2 JPH0447028 B2 JP H0447028B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、金型、治工具類及び機械部品などの
鉄合金材料の表面にジルコニウム(Zr)の窒化
物あるいは炭窒化物層を形成せしめる表面処理方
法に関するものである。 〔従来の技術〕 鉄合金材料の表面にジルコニウムの炭化物、窒
化物または炭窒化物から成る表面層を被覆する
と、鉄合金材料の耐摩耗性、耐焼付性、耐酸化
性、耐食性などの諸性質が改善されることはよく
知られている。この表面層を被覆する方法につい
て、近年多くの提案がなされている。例えば、ジ
ルコニウムのハロゲン化物などを利用してプラズ
マCVD(化学的気相蒸着法)などにより鉄合金材
料表面にジルコニウムの炭窒化物から成る表面層
を形成しようとする方法が提案されている(例え
ば、特開昭55−2715号、特開昭55−164072号)。
これらの方法では、鉄のAc1変態点である約700
℃以下の温度域で処理するため、鉄合金材料の母
材に熱による歪みを与えることなく表面層を形成
することができるものの、形成された表面層のつ
きまわり性や密着性が良好なものを得ることは難
しい。また、処理工程が複雑で、装置が高価であ
る。また、水素中あるいは減圧中で実施しなけれ
ばならないので能率も悪い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、上記従来の問題点を解消して、きわ
めて簡単な装置で、能率よく、低温での加熱処理
により、母材に歪みを発生させることなく、鉄合
金材料に母材との密着性の優れたジルコニウムの
窒化物或いは炭窒化物から成る表面層を形成する
方法を提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、鉄合金材料の表面に鉄・窒素または
鉄・炭素・窒素の窒化物層を形成させる窒化処理
を施した後、該鉄合金材料と、ジルコニウム材料
と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化
物、ホウ弗化物、弗化物、酸化物、臭化物、ヨウ
化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸塩のうちの1種また
は2種以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩ま
たは金属ハロゲン化物の一方または双方から成る
処理剤とを共存せしめて、700℃以下において加
熱処理し、ジルコニウムを上記鉄合金材料表面に
拡散せしめることにより、鉄合金材料表面にジル
コニウムの窒化物あるいは炭窒化物から成る表面
層を形成せしめることを特徴とする鉄合金材料の
表面処理方法である。 本発明において、鉄合金材料はジルコニウムの
窒化物あるいは炭窒化物層を表面に形成する被処
理材である。該鉄合金材料としては、炭素を含む
もの例えば炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、焼結合金等で
もよく、また純鉄のような炭素を極くわずかしか
含まないものでもよい。また、鉄合金材料中の炭
素含有量が多ければ、それだけ形成されるジルコ
ニウムの炭窒化物層中の炭素量も増える。そのた
め形成される表面層の炭素量を増やす目的で、窒
化処理に先立つて、浸炭処理等により表面部の炭
素含有量を増加させてもよく、窒化処理中に浸炭
させてもよい。なお、工業用純鉄を被処理材とす
る場合には、母材中に含有される極く微量の炭素
がジルコニウムの炭窒化物層に入る。 窒化処理とは、鉄合金材料の表面に窒素Nを拡
散させ、窒化物層を形成するものである。この窒
化物層は、鉄と窒素とが反応した鉄の窒化物ある
いは鉄と窒素と母材中の炭素とが反応した鉄の炭
窒化物から成る。なお、該窒化物層の直下には窒
素の鉄への固溶体層(拡散層)が形成されてい
る。そして、この鉄合金材料をジルコニウム材料
と共に加熱処理することにより窒化物層にジルコ
ニウムが拡散し、ジルコニウムと上記窒化物層中
の鉄との置換反応が起こる。この際、窒化物層が
鉄の炭窒化物層の場合にはジルコニウムの炭窒化
物から成る表面層が形成され、また窒化物層が鉄
の窒化物層の場合にはジルコニウムの窒化物から
成る表面層が形成される。該窒化処理した鉄合金
材料に形成させ得る表面層の最大厚さは、窒化物
層の層厚さと同じであり、従つて表面層の厚さは
窒化処理によつて規定される。 窒化処理の方法としては、ガス窒化、ガス軟窒
化、塩浴軟窒化、グロー放電窒化など如何なる方
法でもよい。窒化物層の窒化濃度は高い方が望ま
しく、また窒化物層厚さは深い方が望ましいが、
最も望ましいのは窒化物層厚さが3〜15μmの範
囲である。窒化物層厚さが浅すぎると形成される
ジルコニウムの窒化物あるい炭窒化物層の厚さが
薄くなり、一方深すぎると鉄合金材料の靭性が低
下するおそれがある。 鉄合金材料に上記窒化処理を施した後、該鉄合
金材料とジルコニウム材料とを共存させて加熱処
理する。 この加熱処理は、鉄合金材料の表面にジルコニ
ウムを拡散させて、その窒化物あるいは炭窒化物
から成る表面層を形成するものである。 上記ジルコニウム材料とは、鉄合金材料の表面
に拡散させるジルコニウムを供給するものであ
り、該元素を含む金属あるいはジルコニウム化合
物等を用いる。該金属としては、ジルコニウム金
属やフエロジルコニウム等の合金が挙げられる。
上記ジルコニウム化合物としては、ZrCl4,
Na2ZrF6,ZrO2等の塩化物、弗化物、酸化物等
が挙げられる。しかして、これらジルコニウム材
料は、これらのうち1種または2種以上を用いる
が、フエロジルコニウムを用いるのが最も実用的
である。 また、前記処理剤は、ジルコニウムが鉄合金材
料の表面に拡散する媒介となる働きを有してい
る。該処理剤としては、アルカル金属またはアル
カリ土類金属の塩化物、弗化物、ホウ弗化物、酸
化物、臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸
塩のうちの1種または2種以上から成るアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の化合物、あるいは
ハロゲン化アンモニウム塩または金属ハロゲン化
物の一方または双方から成るものであり、加熱処
理方法によつて適宜選択して使用する。 例えば、上記アルカリ金属またはアルカリ土類
金属の化合物としては、NaCl、CaCl2、LiCl、
NaF、KF、LiF、KBF4、Na2CO3、LiCO3、
NaNO3、Na2O等が挙げられ、これらのうちの
1種または2種以上を使用する。また、ハロゲン
化アンモニウム塩としては、NH4Cl、NH4Br、
NH4I、NH4F等が挙げられ、金属ハロゲン化物
としては、CrI2、CrBr3、TiF4、VCl3、FeCl3、
TiBr4等が挙げられ、これらのうちの1種または
2種以上を使用する。なおTiやCrを含む化合物
を使用する場合には、ジルコニウム(Zr)と同
時にTi、Crが含まれた表面層が形成される可能
性がある。 また、処理剤としてZrCl4等のジルコニウムの
ハロゲン化物を使用する場合、前記ジルコニウム
材料として兼用することもできる。 加熱処理方法としては、処理温度においてこれ
ら処理剤が溶融状態にあるか固体状態にあるかに
よつて、溶融塩浸漬法、溶融塩電解法、粉末法等
がある。また、該粉末法には、埋設法、ペースト
法、非接触法、流動層法がある。 以下、これらにつき説明する。 上記溶融塩浸漬法とは、前記処理剤を溶融して
溶融浴を形成し、該溶融浴にジルコニウム材料と
鉄合金材料とを浸漬するものである。この方法で
用いる処理剤は、前記処理剤のうちのアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の塩化物、弗化物、ホ
ウ弗化物、炭酸塩、硝酸塩、酸化物、硼酸塩の1
種または2種以上、あるいは加熱処理温度以下の
温度で溶融し蒸発しない金属ハロゲン化物を使用
する。なお、溶融状態を良好にするため、NaCl
とCaCl2との組合わせのように2種類以上の上記
化合物を使用するのが望ましい。更に溶融浴の粘
性を調節するなどの目的のためにAl2O3,ZrO2等
酸化物やNaCN等のシアン化合物等を添加しても
よい。 上記溶融浴にジルコニウム材料を浸漬するの
は、溶融浴中にジルコニウムを溶入させるためで
ある。ジルコニウム材料を浸漬する手段として
は、該材料を粉末状(好ましくは200メツシユ以
下)または薄板状で溶融浴に添加する方法、ある
いは棒状または板状の該材料を陽極として溶融浴
中に浸漬して電解しジルコニウムを陽極溶解させ
る方法等がある。上記陽極溶解によりジルコニウ
ムを溶入する場合には、ジルコニウムが迅速に溶
入して作業能率を向上させることができ、しかも
未溶解のジルコニウム材料が浴底に堆積すること
はないという点で有利である。なお、この場合の
陰極としては溶融浴の容器または他に挿入した導
電性物質を使用する。陽極溶解するときの陽極電
流密度は、これを大きくすれば溶入速度は大きく
なるが、電解しなくても溶入することから考えて
も、比較的低い電流密度で充分である。実用上は
0.1〜0.8A/cm2が適当である。 浴中に溶入したジルコニウムは、鉄合金材料の
前記窒化処理により形成された窒化物層表面に拡
散して、ジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物
層を形成する。 なお、溶融浴の容器としては黒鉛や鋼などが用
いられるが、実用上は鋼で充分である。 また、前記溶融塩電解法とは、処理剤を溶融せ
しめた浴にジルコニウム材料を浸漬しジルコニウ
ムを溶入せしめた状態で、該溶融浴に鉄合金材料
を陰極として浸漬し、電解処理を行うものであ
る。なおこの場合、陽極として浴の容器または別
に挿入した導電性物質を用いる。 処理剤としては、上記溶融塩浸漬法と同様なも
のを使用し、該処理剤を溶融した浴にジルコニウ
ム材料を浸漬してジルコニウムを溶入する手段も
前記溶融塩浸漬法と同様な方法でよい。また処理
剤の溶融浴にジルコニウム材料を陽極、鉄合金材
料を陰極として浸漬し電解処理を行うこともでき
る。この場合、ジルコニウムの陽極溶解と表面層
の形成とを同時に行うことができるというメリツ
トがある。 また、鉄合金材料を浸漬して電解処理を行う陰
極電流密度は2A/cm2以下、実用的には0.8〜
0.05A/cm2が適当である。 なお、上記溶融塩浸漬法、溶融塩電解法とも大
気雰囲気あるいは保護ガス(N2,Ar等)中いず
れにても処理が可能である。 次に、前記粉末法とは、前記処理剤とジルコニ
ウム材料との混合粉末及び鉄合金材料を共存さ
せ、加熱するものである。 該粉末法において、処理剤とジルコニウム材料
との混合粉末及び鉄合金材料を共存させる方法と
しては次のものがある。即ち、埋設法と一般に言
われている鉄合金材料を上記混合粉末中に埋めこ
む方法、ペースト法と一般に言われている鉄合金
材料の表面に上記混合粉末を被覆する方法、非接
触法と一般に言われている一定の空間内に鉄合金
材料と上記混合粉末とを非接触状態で配置する方
法、及び流動層法と一般に言われている上記混合
粉末を流動状態として流動層を形成し該流動層に
鉄合金材料を挿入する方法がある。 上記粉末法で用いる処理剤は、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の塩化物、弗化物、臭化
物、ヨウ化物、ホウ弗化物のうちの1種または2
種以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩または
金属ハロゲン化物の一方または双方から成るもの
である。なお、粉末法の中でも流動層の場合に
は、上記金属ハロゲン化物は、加熱処理温度以下
の温度で昇華または蒸発するもの(FeCl3,
VCl3,TiF4,VF3,TiBr4等)を使用する。これ
は、加熱処理温度以下の温度で昇華または蒸発し
ない金属ハロゲン化物を使用すると、処理剤から
発生しジルコニウムの拡散の働きに寄与するガス
の発生量が少なく生成する層の厚さが薄くなるた
めである。 処理剤とジルコニウム材料との配合割合は、ジ
ルコニウム材料に対して0.5〜20重量%(以下重
量%を%とする)の処理剤が含まれる範囲が望ま
しい。この範囲外であると連続的にジルコニウム
の窒化物あるいは炭窒素物から成る表面層を形成
することが困難になり、またこの範囲の中心に近
づくと、連続的な表面層形成が容易になる傾向に
ある。 また処理剤とジルコニウム材料との混合粉末の
粒度は、埋設法、ペースト法、非接触法を実施す
る場合JISNo.100のフルイ通過程度でよい。これに
より粗くとも細かくとも特に大きな影響はない。
また、流動層法を実施する場合60〜350メツシユ
の粒度の範囲のものが好ましい。60メツシユより
粗いと混合粉末を流動化させるために多量のガス
を必要とし、しかも表面層形成が進みにくい。逆
に350メツシユより細かくなると混合粉末が浮遊
しやすくなり、取り扱いが困難になる。 混合粉末には、上記処理剤とジルコニウム材料
以外に添加剤を加えることができる。たとえばペ
ースト法を実施する場合デキストリン、水ガラス
等の粘着剤を添加することができる。また、処理
剤の種類によつては加熱処理中に固化しやすい傾
向のものもある。この場合にはアルミナAl2O3等
の不活性粉末を添加することができる。更にジル
コニウム材料と処理剤の組合わせによつては表面
層形成効果の乏しい組合わせもある。かかる場合
には従来活性剤として公知のハロゲン化物を添加
し、表面層形成効果を高めることができる。これ
らの添加物の添加量は、目的に応じて任意に選択
することができる。 以下に、上記した粉末法の具体例である埋設
法、ペースト法、非接触法及び流動層法について
詳しく説明する。 埋設法では、一定の容器に処理剤とジルコニウ
ム材料との混合粉末を入れ、その粉末中に被処理
剤たる鉄合金材料を埋めこみ、大気下の加熱炉あ
るいは雰囲気炉に容器を入れ、容器ごと鉄合金材
料を加熱する方法である。なお、容器の開口部に
外気の侵入を防止するためアルミナ等の不活性粉
末あるいは鉄−ボロン粉末等の金属粉末の層を設
けることがある。 ペースト法とは、混合粉末に例えばデキストリ
ン水溶液、グリセリン、水ガラス、エチレングリ
コールとアルコール等の粘着剤を添加し、混合粉
末をペースト化して使用するものである。この混
合粉末のペーストは、鉄合金材料の表面に通常1
mm以上の厚さで被覆される。ペーストを被覆され
た鉄合金材料は、通常容器に入れられて加熱炉で
加熱される。雰囲気は大気中でよいが非酸化性雰
囲気下ではペーストの被覆層を薄くすることがで
きる。また、このペースト法では、ペーストの被
覆された表面部のみに表面層が形成されるため鉄
合金材料の任意の一部表面部のみに表面層を形成
することができる。 非接触法とは、一定の密閉空間中に鉄合金材料
と混合粉末を共存させるものである。具体的には
容器の開口部近くに混合粉末を配置して外気の侵
入を防止し、容器中の混合粉末と接触しない位置
に鉄合金材料を配置する方法で加熱処理を実施す
る。この方法は、鉄合金材料と混合粉末とが接触
していないための作業上の利点がある。 流動層法とは、流動層式炉を用いるものであ
り、混合粉末が流動中に固まりとなるのを防ぐた
めのアルミナ等の耐火物を上記混合粉末に添加し
た粉末と鉄合金材料とを上記炉中に配置し、更に
流動化ガスを導入して粉末が流動化した流動層状
態にするものである。この方法で加熱処理を実施
するときわめて平滑な表面層を得ることができ、
さらに流動層の温度分布が均一であるので、均一
な厚さの表面層を形成することができる。流動化
ガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガスや窒
素ガス等の非酸化性ガスを使用することができ
る。また流動化ガスの流速は流動層中で50cm/分
以上とするのが、表面層に粉末の付着がなく望ま
しい。ガス圧としては、取り扱い上0.5〜2Kg/
cm2の範囲がよい。 以上のような加熱処理の加熱温度は700℃以下
とする。700℃以下の温度域で処理することによ
り鉄合金材料の母材が歪を受けにくくなる。ま
た、その下限温度としては450℃とするのが望ま
しい。450℃より低温で加熱処理を施した場合、
ジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物から成る
表面層の形成速度は非常に遅い。実用上はダイス
鋼の高温焼戻し温度、構造用鋼の焼戻し温度の
500〜650℃が望ましい。 加熱処理の処理時間が長くなれば表面層中のジ
ルコニウムの含有量が増加する。このため処理時
間は所望とするジルコニウムの含有量により定ま
るが、1〜50時間の範囲で選ばれる。 また、形成する表面層の厚さは3〜15μm程度
が実用的である。 〔作用〕 本発明によるジルコニウムの窒化物あるいは炭
窒化物から成る表面層の形成機構は明確ではない
が、本発明者らがマイクロアナライザ分析や処理
時間と厚さの関係などから判断すると、以下のよ
うになつていると考えられる。なお、以下の説明
はジルコニウムの炭窒化物層を形成する機構につ
いてである(以下のm,n,o,pはそれぞれ数
字を表す)。 まず、被処理材である鉄合金材料に窒化処理を
施すことにより、外部から供給される窒素Nが鉄
合金材料の表面部の鉄Fe及び炭素Cと反応して
Fen(C,N)oの形で窒化物層が形成される。ま
た、この窒化物層の直下には、窒素の固溶体
(Fe−Nの形)も形成される。 その後、鉄合金材料に加熱処理を施すことによ
り、上記窒化物層に外部からのジルコニウム
(Zr)が拡散する。この拡散はFen(C,N)oのFe
とZrとが置換する反応であり、窒化物層は(Zr,
Fe)p(C,N)pに変化する。そしてFen(C,N)
o層がすべて(Zr,Fe)p(C,N)pに変化すると
それ以上(Zr,Fe)p(C,N)p層の成長はない。
なお、(Zr,Fe)p(C,N)p層においては表面ほ
どZrが多く、母材に近いほどFeが多い傾向にあ
る。従つて条件によつては表面部のFe量は著し
く小さく、Zrp(C,N)pと表示するのが妥当な場
合もある。 従つて、形成される表面層の厚さは最初の窒化
処理により形成される窒化物層の厚さと同じであ
る。そのため、窒化処理の条件によつて表面層の
最大層厚さを規定することができる。また、すべ
てのFen(C,N)o層が(Zr,Fe)p(C,N)pに変
化するまでの間は表面側に(Zr,Fe)p(C,N)
p層、母材側にFen(C,N)o層の存在する二層か
ら成る表面層が存在している。そしてこの表面層
の厚さは最初のFen(C,N)o層の厚さにほぼ等
しい。 また、ジルコニウムの窒化物から成る表面層を
形成する場合についても、表面層形成機構は上記
と同様である。 これは本発明方法が700℃以下という低温で加
熱処理を行つているためであり、このような機構
での、したがつてこのような処理時間−厚さ関係
を持つ表面層の形成はこれまで知られていない。
本発明方法では、実施例1の第1図に表されるよ
うに加熱処理を550℃で行つた場合(曲線A)の
表面層厚さ(Fen(C,N)o層の厚さと(Zr,Fe)
p(C,N)p層厚さの合計厚さ)は加熱処理時間
には影響されていない。それに対して1000℃のよ
うな高温で加熱処理を行つた場合(曲線S1)に
は加熱処理時間が長くなれば一般の拡散処理と同
じく表面層厚さも増加している。 なお実用上には鉄・炭素・窒素の窒化物層を全
部(Zr,Fe)p(C,N)p層に変えてしまう必要は
ない。2つの層の共存する状態でも、全部が
(Zr,Fe)p(C,N)p層に変わつた状態でもよい
(鉄・窒素の窒化物層をジルコニウムの窒化物か
ら成る表面層に変える場合についても同様)。 〔発明の効果〕 本発明によれば、鉄・窒素あるいは鉄・炭素・
窒素の窒化物層を形成後、前記特定の処理剤を用
い、700℃以下という低温においてジルコニウム
の拡散処理を行うので、低温において、鉄合金材
料にジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物から
成る優れた表面層を形成することができる。 また、低温で鉄合金材料を加熱するため、材料
の母材に歪みが発生しにくい。更に低温処理によ
る操作性が良好であり、多大のエネルギーを必要
としない。 また、本発明による層は拡散によつて形成され
るため、低温で処理するにもかかわらず、拡散反
応のないPVDによる炭化物層、窒化物層の場合
と異なり母材との密着性に優れ、緻密な表面層を
形成することができる。また、形成された層の厚
さは実用上十分なものである。 また、本発明のジルコニウムの窒化物または炭
窒化物から成る表面層を形成する方法で、窒化処
理を行わないでジルコニウムの炭化物層を形成す
る方法に比べて非常に短時間で層を形成すること
ができる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を説明する。なお%は重
量%を意味する。 実施例 1 直径6mm、長さ30mmのJIS・SKH51丸棒試片を
570℃の塩浴中に3時間浸漬して塩浴窒化処理を
施した。次にCaCl252モル%とNaCl48モル%と
の混合物の入つた耐熱鋼容器を大気中の電気炉に
て加熱して550℃の溶融塩浴を形成し、更に浴中
に−100メツシユのフエロジルコニウム(Fe−Zr
(Zr含有量80%)粉末を上記溶融塩浴に対して25
%添加した。この550℃の溶融塩浴に上記窒化処
理した試片を1〜25時間浸漬後、取り出して油冷
した。付着浴剤を洗滌除去後、断面を研磨して、
断面組織の観察により表面に形成された層の厚さ
を測定した。その結果を第1図の曲線Aに示す。
この曲線Aにおいて浸漬時間0時の厚さとは最初
の窒化処理により形成された窒化物層の厚さであ
り、1hr以降の厚さは該窒化物層とジルコニウム
の炭窒化物層との合計厚さ(全表面層の厚さ)で
ある(なお、ジルコニウムの炭窒化物層のみの厚
さを曲線Bに示す)。全表面層の厚さは、処理時
間が異なつてもほとんど同じであり、約5μmで
あつた。 なお、9時間浸漬処理して形成された表面層の
断面組織の顕微鏡写真(倍率400倍)を第2図に
示す。該表面層は表面の滑らかな層であり、しか
も層と母材との境界は複雑に入り組み、密着性に
優れた被覆層である。また、X線マイクロアナラ
イザーによる分析では第3図に示すように表面層
中にはZrとともにNとCとが認められた。表面
からの分析結果によると、約50%のZr量が存在
した。更にX線回折ではZrNに相当する回折線が
認められた。このことより形成された表面層は、
(Zr,Fe),(N,C)から成るジルコニウムの炭
窒化物層であることが確かめられた。 また、比較のため、上記と同じ処理で窒化され
たJIS・SKH51試片を、1000℃に加熱された上記
と同様な溶融塩浴に浸漬して、処理したところ、
第1図の曲線S1に示される厚さのジルコニウム
の炭窒化物層が形成された。この比較例で明らか
なように、浸漬時間が長くなるにつれて層厚さは
厚くなつているが、本発明では浸漬時間が長くな
つても全表面層厚さは厚くならない。従つて、本
発明の炭窒化物層の形成機構は比較例の高温処理
の場合の形成機構と異なつていることが明らかに
なつた。 実施例 2 実施例1と同様にしてJIS・S45C試片(直径7
mm、長さ50mm)を塩浴窒化処理した。次に実施例
1と同様の組成のCaCl2+NaClの溶融塩浴を調
整し、更にこの浴中にZrCl4粉末(−320メツシ
ユ)を上記溶融塩浴に対して15%添加した。この
溶融塩浴を500℃にして上記試片を浴に1〜16時
間浸漬し、その後浴中より取り出し油冷した。 形成された表面層は浸漬時間にかかわらずほと
んど同じ層厚さ、同じ組織の層が形成された。一
例として4時間の浸漬で処理された試片を調べた
ところ、第4図の表面層の断面組織の顕微鏡写真
(倍率400倍)に示すように層厚さ約6μmの表面
層が形成されていた。X線回折や第5図に示すX
線マイクロアナライザー分析の結果よりこの表面
層は、(Zr,Fe),(N,C)より成るジルコニウ
ムの炭窒化物層であることが確かめられた。 実施例 3 外径φ10mm、内径φ6mm、長さ25mmの円筒形
JIS・S48C試片を570℃、6時間でガス軟窒化処
理した。 次に、実施例1と同様の組成のCaCl2+NaCl
の溶融塩浴を調整し、更にこの浴中に上記溶融塩
浴に対して3%のAl2O3粉末(−320メツシユ)
と30%のフエロジルコニウム合金(Fe−Zr(Zr含
有量80%)粉末(−200メツシユ)を添加した。
この溶融塩浴を550℃にして上記試片を1,9,
25時間でそれぞれ浸漬し、その後浴中より取り出
し油冷した。 これら3種類の試片について真円度を測定した
ところ、すべてほとんど同じ真円度であり、試片
の上部と下部とも約5μmと小さかつた。なお比
較のため溶融塩浴への浸漬温度を850℃(浸漬時
間は4時間)にした場合の試片では真円度は約
20μmであり、本発明で処理した試片に比べて約
4倍も大きかつた。 本発明で処理(浸漬温度550℃、浸漬時間9時
間)した試片を切断して表面層を観察したところ
形成された表面層は厚さ約8μmであり、また、
X線マイクロアナライザーにより分析したところ
該層は、(Zr,Fe)(N,C)より成るジルコニ
ウムの炭窒化物層であることが確かめられた。 実施例 4 JIS・SKH51試片(直径6mm、長さ30mm)を
550℃、4時間の条件でイオン窒化処理した。 次に実施例1と同様の組成のCaCl2+NaClの
溶融塩浴を黒鉛容器中で調整し、更にこの浴の中
央に40mm×35mm×4mmのジルコニウム金属板を挿
入し、これを陽極、黒鉛溶器を陰極として、
0.7A/cm2の陽極電流密度で約20時間通電した。
このジルコニウムの陽極溶解処理によつてジルコ
ニウム金属板の重量減から計算して塩浴量全体に
対して約6%のジルコニウムが浴中に溶入され
た。この溶融円浴中に上記試片を550℃で8時間
浸漬した後、取り出し油冷した。 処理された試片を切断してX線マイクロアナラ
イザー分析で調べたところ、表面層中にはZrと
Nの他にCも認められた。また、X線回折結果で
はZrNの回折折線とよく一致したことから表面層
は、ジルコニウムの炭窒化物層であることが確か
められた。 実施例 5 直径約7mm×長さ50mmのJIS・S45Cの試片を
570℃、1時間塩浴窒化処理した。 次に、KF50モル%とLiF50モル%の混合物の
入つた黒鉛容器を大気中の電気炉にて600℃に加
熱して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に−100メ
ツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶融塩浴
に対して30%添加した。この600℃の浴に上記窒
化処理した試片を浸漬してこれを陰極、黒鉛容器
を陽極として陰極電流密度0.05A/cm2で8時間通
電して電解を行つた。 試片を浴から取り出し油冷して、形成された表
面層をX線マイクロアナライザーにより分析した
ところ、表面層は、(Zr,Fe)(C,N)より成
ることが確かめられた。また表面からの分析結果
では約65%のZrの他に、NとCが確認された。 実施例 6 実施例4と同様にして直径8mm×長さ35mmの工
業用純鉄試片(炭素含有量0.03%以下)をイオン
窒化処理した。 次に、実施例1と同様な組成のCaCl2+NaCl
の溶融塩浴を鋼容器内で調整し、更に浴中に−
200メツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶
融塩浴に対して30%添加した。この浴を600℃に
して、浴中に上記試片を8時間浸漬し、その後浴
から取り出し油冷した。 形成された表面層は、第6図の断面組織の顕微
鏡写真(倍率400倍)に示すうに層厚さがイオン
窒化処理した時の窒化物層の厚さと同じ約12μm
であつた。また、X線マイクロアナライザー分析
結果より表面層には約50%のZrの他NとCとが
認められ、該層は、ジルコニウムの炭窒化物層で
あることが確かめられた。 実施例 7 実施例1と同様にしてJIS・SKD11試片を塩浴
窒化処理した。 次に、Li2Co345%,K2CO325%,Na2CO330%
の混合物の入つた耐熱鋼容器を大気中の雰囲気炉
にて520℃に加熱して溶融塩浴を調整し、更にこ
の浴に−200メツシユのジルコニウム金属粉末を
溶融塩浴に対して30%添加した。この浴を十分に
撹拌した後、この520℃の浴に上記試片を5時間
浸漬保持した。 試片を浴から取り出し油冷して、形成された表
面層をX線マイクロアナライザーにより分析した
ところ、表面層は、(Zr,Fe)(C,N)より成
ることが確かめられた。また、該表面層は、第7
図の断面組織の顕微鏡写真(400倍)に示すよう
に、約5μmの厚さであつた。この層厚さは、最
初の塩浴窒化処理による窒化物層の厚さとほぼ同
じであつた。 実施例 8 直径8mm×長さ30mmのJIS・S45C試片を570℃,
150分の条件でガス軟窒化処理した。 次に、ステンレス鋼容器に入れた−100メツシ
ユのFe−Zr(Zr含有量70%)90%と硼フツ化カリ
ウム(KBF4)10%からなる混合粉末に上記試片
を埋設した。更に酸化防止のため混合粉末の上に
−100メツシユのフエロボロン粉末を3〜4mmの
厚さで被覆した。これを容器ごと大気炉で600℃、
16時間加熱した。容器を炉から取り出して空冷
後、粉末中から試片を取り出した。 試片に形成された表面層をX線マイクロアナラ
イザーで分析したところ、表面層中にZrとN,
Cとが認められ、表面からの分析結果では約20%
のZrが認められ、この層は、ジルコニウムの炭
窒化物層であることが確かめられた。 実施例 9 アルミナ(AL2O3−200メツシユ)40%、Fe−
Zr(Zr含有量70%)(−100メツシユ)55%、塩化
アンモニウム(NH4Cl,−80+100メツシユ)5
%から成る混合粉末を、エチルアルコールでエチ
ルセルロースを溶かした溶媒を用いてペースト状
にした。570℃、60時間の条件でガス軟窒化処理
したJIS・SK4試片(直径20mm,長さ10mm)に3
〜5mm厚さに上記ペーストを塗布した後、ステン
レス製容器中に装入し、アルゴン雰囲気中にて
600℃、16時間加熱した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、表面層は、ジルコニウムの炭
窒化物より成つていることが確かめられた。 実施例 10 Al2O3(−80メツシユ)60%、Fe−Zr(Zr含有量
70%)(−100メツシユ)38.8%、NH4Cl(−80メ
ツシユ)1.2%から成る混合粉末を流動層炉内に
入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス(炉内
での流速200cm/分、炉導入口での圧力1.5Kg/
cm2)で上記混合粉末を流動状態にした。この流動
層炉内に実施例1と同様に塩浴窒化処理した
JIS・SK4棒(直径7mm、長さ50mm)を装入し600
℃で16時間加熱処理した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、第8図に示すように表面層は
ZrとN,Cから成つており、表面分析では約20
%のZrが検出され、かつX線回折の結果ではZrN
回折線と一致したことから、層は、(Zr,Fe)
(C,N)であることが確かめられた。 実施例 11 直径7mm、長さ50mmのJIS・SKD61試片を570
℃、4時間の条件で塩浴窒化処理した。 次に、Al2O3(−80メツシユ)58.8%,Fe−Zr
(Zr含有量70%)(−100メツシユ)40%、NH4Cl
(−80メツシユ)1.2%から成る混合粉末を流動層
炉内に入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス
(流速200cm/分,圧力1.5Kg/cm2)で上記混合粉
末を流動状態とした。この流動層炉内に上記
SKD61試片を装入し、600℃で16時間保持して加
熱処理した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、表面層はZrとN,Cから成
り、表面からの分析では約20%のZrが検出され
た。X線回折の結果ではZrN回折線と一致したこ
とから、層は(Zr,Fe)(CON)であることが
確かめられた。 実施例 12 直径6.5mm、長さ40mmのJIS・SKH51試片を実
施例1と同様にして塩浴窒化処理した。 次に、CaCl252モル%とNaCl48モル%の混合
物を耐熱鋼容器に入れ、大気中の電気炉にて550
℃に加熱して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に−
200メツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶
融塩浴全量に対して25%添加した。この550℃の
浴に上記試片を8時間浸漬した後、取り出し油冷
した。 形成された表面層をX線回折で調べたところ、
ZrNに相当する回折線が認められ、表面層はジル
コニウムの炭窒化物層であることが確かめられ
た。 次に上記ジルコニウム炭窒化物被覆試片(試料
No.C)について、ガス浸炭焼入れされたJIS・
SCM415を相手材としてフアビリー試験機により
乾式,荷重400g,回転数300rpm,摩擦速度0.1
m/secの条件で摩擦試験を実施した。また比較
のため、上記の窒化処理も加熱処理も施していな
いJIS・SKH51試片(試料No.S2)と窒化処理のみ
施したSKH51試片(試料No.S3)についても摩擦
試験を実施した。 上記の摩擦試験の結果を表に示す。また、試料
No.S2,S3とも焼付傷が鮮明に発生していたのに
対して、試料No.Cでは、小さな損傷が認められた
にすぎなかつた。このことより、本発明により形
成した表面層は、耐摩耗性や耐焼付性の点で優れ
ていることが分かる。 【表】
鉄合金材料の表面にジルコニウム(Zr)の窒化
物あるいは炭窒化物層を形成せしめる表面処理方
法に関するものである。 〔従来の技術〕 鉄合金材料の表面にジルコニウムの炭化物、窒
化物または炭窒化物から成る表面層を被覆する
と、鉄合金材料の耐摩耗性、耐焼付性、耐酸化
性、耐食性などの諸性質が改善されることはよく
知られている。この表面層を被覆する方法につい
て、近年多くの提案がなされている。例えば、ジ
ルコニウムのハロゲン化物などを利用してプラズ
マCVD(化学的気相蒸着法)などにより鉄合金材
料表面にジルコニウムの炭窒化物から成る表面層
を形成しようとする方法が提案されている(例え
ば、特開昭55−2715号、特開昭55−164072号)。
これらの方法では、鉄のAc1変態点である約700
℃以下の温度域で処理するため、鉄合金材料の母
材に熱による歪みを与えることなく表面層を形成
することができるものの、形成された表面層のつ
きまわり性や密着性が良好なものを得ることは難
しい。また、処理工程が複雑で、装置が高価であ
る。また、水素中あるいは減圧中で実施しなけれ
ばならないので能率も悪い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、上記従来の問題点を解消して、きわ
めて簡単な装置で、能率よく、低温での加熱処理
により、母材に歪みを発生させることなく、鉄合
金材料に母材との密着性の優れたジルコニウムの
窒化物或いは炭窒化物から成る表面層を形成する
方法を提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、鉄合金材料の表面に鉄・窒素または
鉄・炭素・窒素の窒化物層を形成させる窒化処理
を施した後、該鉄合金材料と、ジルコニウム材料
と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化
物、ホウ弗化物、弗化物、酸化物、臭化物、ヨウ
化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸塩のうちの1種また
は2種以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩ま
たは金属ハロゲン化物の一方または双方から成る
処理剤とを共存せしめて、700℃以下において加
熱処理し、ジルコニウムを上記鉄合金材料表面に
拡散せしめることにより、鉄合金材料表面にジル
コニウムの窒化物あるいは炭窒化物から成る表面
層を形成せしめることを特徴とする鉄合金材料の
表面処理方法である。 本発明において、鉄合金材料はジルコニウムの
窒化物あるいは炭窒化物層を表面に形成する被処
理材である。該鉄合金材料としては、炭素を含む
もの例えば炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、焼結合金等で
もよく、また純鉄のような炭素を極くわずかしか
含まないものでもよい。また、鉄合金材料中の炭
素含有量が多ければ、それだけ形成されるジルコ
ニウムの炭窒化物層中の炭素量も増える。そのた
め形成される表面層の炭素量を増やす目的で、窒
化処理に先立つて、浸炭処理等により表面部の炭
素含有量を増加させてもよく、窒化処理中に浸炭
させてもよい。なお、工業用純鉄を被処理材とす
る場合には、母材中に含有される極く微量の炭素
がジルコニウムの炭窒化物層に入る。 窒化処理とは、鉄合金材料の表面に窒素Nを拡
散させ、窒化物層を形成するものである。この窒
化物層は、鉄と窒素とが反応した鉄の窒化物ある
いは鉄と窒素と母材中の炭素とが反応した鉄の炭
窒化物から成る。なお、該窒化物層の直下には窒
素の鉄への固溶体層(拡散層)が形成されてい
る。そして、この鉄合金材料をジルコニウム材料
と共に加熱処理することにより窒化物層にジルコ
ニウムが拡散し、ジルコニウムと上記窒化物層中
の鉄との置換反応が起こる。この際、窒化物層が
鉄の炭窒化物層の場合にはジルコニウムの炭窒化
物から成る表面層が形成され、また窒化物層が鉄
の窒化物層の場合にはジルコニウムの窒化物から
成る表面層が形成される。該窒化処理した鉄合金
材料に形成させ得る表面層の最大厚さは、窒化物
層の層厚さと同じであり、従つて表面層の厚さは
窒化処理によつて規定される。 窒化処理の方法としては、ガス窒化、ガス軟窒
化、塩浴軟窒化、グロー放電窒化など如何なる方
法でもよい。窒化物層の窒化濃度は高い方が望ま
しく、また窒化物層厚さは深い方が望ましいが、
最も望ましいのは窒化物層厚さが3〜15μmの範
囲である。窒化物層厚さが浅すぎると形成される
ジルコニウムの窒化物あるい炭窒化物層の厚さが
薄くなり、一方深すぎると鉄合金材料の靭性が低
下するおそれがある。 鉄合金材料に上記窒化処理を施した後、該鉄合
金材料とジルコニウム材料とを共存させて加熱処
理する。 この加熱処理は、鉄合金材料の表面にジルコニ
ウムを拡散させて、その窒化物あるいは炭窒化物
から成る表面層を形成するものである。 上記ジルコニウム材料とは、鉄合金材料の表面
に拡散させるジルコニウムを供給するものであ
り、該元素を含む金属あるいはジルコニウム化合
物等を用いる。該金属としては、ジルコニウム金
属やフエロジルコニウム等の合金が挙げられる。
上記ジルコニウム化合物としては、ZrCl4,
Na2ZrF6,ZrO2等の塩化物、弗化物、酸化物等
が挙げられる。しかして、これらジルコニウム材
料は、これらのうち1種または2種以上を用いる
が、フエロジルコニウムを用いるのが最も実用的
である。 また、前記処理剤は、ジルコニウムが鉄合金材
料の表面に拡散する媒介となる働きを有してい
る。該処理剤としては、アルカル金属またはアル
カリ土類金属の塩化物、弗化物、ホウ弗化物、酸
化物、臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、硝酸塩、硼酸
塩のうちの1種または2種以上から成るアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の化合物、あるいは
ハロゲン化アンモニウム塩または金属ハロゲン化
物の一方または双方から成るものであり、加熱処
理方法によつて適宜選択して使用する。 例えば、上記アルカリ金属またはアルカリ土類
金属の化合物としては、NaCl、CaCl2、LiCl、
NaF、KF、LiF、KBF4、Na2CO3、LiCO3、
NaNO3、Na2O等が挙げられ、これらのうちの
1種または2種以上を使用する。また、ハロゲン
化アンモニウム塩としては、NH4Cl、NH4Br、
NH4I、NH4F等が挙げられ、金属ハロゲン化物
としては、CrI2、CrBr3、TiF4、VCl3、FeCl3、
TiBr4等が挙げられ、これらのうちの1種または
2種以上を使用する。なおTiやCrを含む化合物
を使用する場合には、ジルコニウム(Zr)と同
時にTi、Crが含まれた表面層が形成される可能
性がある。 また、処理剤としてZrCl4等のジルコニウムの
ハロゲン化物を使用する場合、前記ジルコニウム
材料として兼用することもできる。 加熱処理方法としては、処理温度においてこれ
ら処理剤が溶融状態にあるか固体状態にあるかに
よつて、溶融塩浸漬法、溶融塩電解法、粉末法等
がある。また、該粉末法には、埋設法、ペースト
法、非接触法、流動層法がある。 以下、これらにつき説明する。 上記溶融塩浸漬法とは、前記処理剤を溶融して
溶融浴を形成し、該溶融浴にジルコニウム材料と
鉄合金材料とを浸漬するものである。この方法で
用いる処理剤は、前記処理剤のうちのアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の塩化物、弗化物、ホ
ウ弗化物、炭酸塩、硝酸塩、酸化物、硼酸塩の1
種または2種以上、あるいは加熱処理温度以下の
温度で溶融し蒸発しない金属ハロゲン化物を使用
する。なお、溶融状態を良好にするため、NaCl
とCaCl2との組合わせのように2種類以上の上記
化合物を使用するのが望ましい。更に溶融浴の粘
性を調節するなどの目的のためにAl2O3,ZrO2等
酸化物やNaCN等のシアン化合物等を添加しても
よい。 上記溶融浴にジルコニウム材料を浸漬するの
は、溶融浴中にジルコニウムを溶入させるためで
ある。ジルコニウム材料を浸漬する手段として
は、該材料を粉末状(好ましくは200メツシユ以
下)または薄板状で溶融浴に添加する方法、ある
いは棒状または板状の該材料を陽極として溶融浴
中に浸漬して電解しジルコニウムを陽極溶解させ
る方法等がある。上記陽極溶解によりジルコニウ
ムを溶入する場合には、ジルコニウムが迅速に溶
入して作業能率を向上させることができ、しかも
未溶解のジルコニウム材料が浴底に堆積すること
はないという点で有利である。なお、この場合の
陰極としては溶融浴の容器または他に挿入した導
電性物質を使用する。陽極溶解するときの陽極電
流密度は、これを大きくすれば溶入速度は大きく
なるが、電解しなくても溶入することから考えて
も、比較的低い電流密度で充分である。実用上は
0.1〜0.8A/cm2が適当である。 浴中に溶入したジルコニウムは、鉄合金材料の
前記窒化処理により形成された窒化物層表面に拡
散して、ジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物
層を形成する。 なお、溶融浴の容器としては黒鉛や鋼などが用
いられるが、実用上は鋼で充分である。 また、前記溶融塩電解法とは、処理剤を溶融せ
しめた浴にジルコニウム材料を浸漬しジルコニウ
ムを溶入せしめた状態で、該溶融浴に鉄合金材料
を陰極として浸漬し、電解処理を行うものであ
る。なおこの場合、陽極として浴の容器または別
に挿入した導電性物質を用いる。 処理剤としては、上記溶融塩浸漬法と同様なも
のを使用し、該処理剤を溶融した浴にジルコニウ
ム材料を浸漬してジルコニウムを溶入する手段も
前記溶融塩浸漬法と同様な方法でよい。また処理
剤の溶融浴にジルコニウム材料を陽極、鉄合金材
料を陰極として浸漬し電解処理を行うこともでき
る。この場合、ジルコニウムの陽極溶解と表面層
の形成とを同時に行うことができるというメリツ
トがある。 また、鉄合金材料を浸漬して電解処理を行う陰
極電流密度は2A/cm2以下、実用的には0.8〜
0.05A/cm2が適当である。 なお、上記溶融塩浸漬法、溶融塩電解法とも大
気雰囲気あるいは保護ガス(N2,Ar等)中いず
れにても処理が可能である。 次に、前記粉末法とは、前記処理剤とジルコニ
ウム材料との混合粉末及び鉄合金材料を共存さ
せ、加熱するものである。 該粉末法において、処理剤とジルコニウム材料
との混合粉末及び鉄合金材料を共存させる方法と
しては次のものがある。即ち、埋設法と一般に言
われている鉄合金材料を上記混合粉末中に埋めこ
む方法、ペースト法と一般に言われている鉄合金
材料の表面に上記混合粉末を被覆する方法、非接
触法と一般に言われている一定の空間内に鉄合金
材料と上記混合粉末とを非接触状態で配置する方
法、及び流動層法と一般に言われている上記混合
粉末を流動状態として流動層を形成し該流動層に
鉄合金材料を挿入する方法がある。 上記粉末法で用いる処理剤は、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の塩化物、弗化物、臭化
物、ヨウ化物、ホウ弗化物のうちの1種または2
種以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩または
金属ハロゲン化物の一方または双方から成るもの
である。なお、粉末法の中でも流動層の場合に
は、上記金属ハロゲン化物は、加熱処理温度以下
の温度で昇華または蒸発するもの(FeCl3,
VCl3,TiF4,VF3,TiBr4等)を使用する。これ
は、加熱処理温度以下の温度で昇華または蒸発し
ない金属ハロゲン化物を使用すると、処理剤から
発生しジルコニウムの拡散の働きに寄与するガス
の発生量が少なく生成する層の厚さが薄くなるた
めである。 処理剤とジルコニウム材料との配合割合は、ジ
ルコニウム材料に対して0.5〜20重量%(以下重
量%を%とする)の処理剤が含まれる範囲が望ま
しい。この範囲外であると連続的にジルコニウム
の窒化物あるいは炭窒素物から成る表面層を形成
することが困難になり、またこの範囲の中心に近
づくと、連続的な表面層形成が容易になる傾向に
ある。 また処理剤とジルコニウム材料との混合粉末の
粒度は、埋設法、ペースト法、非接触法を実施す
る場合JISNo.100のフルイ通過程度でよい。これに
より粗くとも細かくとも特に大きな影響はない。
また、流動層法を実施する場合60〜350メツシユ
の粒度の範囲のものが好ましい。60メツシユより
粗いと混合粉末を流動化させるために多量のガス
を必要とし、しかも表面層形成が進みにくい。逆
に350メツシユより細かくなると混合粉末が浮遊
しやすくなり、取り扱いが困難になる。 混合粉末には、上記処理剤とジルコニウム材料
以外に添加剤を加えることができる。たとえばペ
ースト法を実施する場合デキストリン、水ガラス
等の粘着剤を添加することができる。また、処理
剤の種類によつては加熱処理中に固化しやすい傾
向のものもある。この場合にはアルミナAl2O3等
の不活性粉末を添加することができる。更にジル
コニウム材料と処理剤の組合わせによつては表面
層形成効果の乏しい組合わせもある。かかる場合
には従来活性剤として公知のハロゲン化物を添加
し、表面層形成効果を高めることができる。これ
らの添加物の添加量は、目的に応じて任意に選択
することができる。 以下に、上記した粉末法の具体例である埋設
法、ペースト法、非接触法及び流動層法について
詳しく説明する。 埋設法では、一定の容器に処理剤とジルコニウ
ム材料との混合粉末を入れ、その粉末中に被処理
剤たる鉄合金材料を埋めこみ、大気下の加熱炉あ
るいは雰囲気炉に容器を入れ、容器ごと鉄合金材
料を加熱する方法である。なお、容器の開口部に
外気の侵入を防止するためアルミナ等の不活性粉
末あるいは鉄−ボロン粉末等の金属粉末の層を設
けることがある。 ペースト法とは、混合粉末に例えばデキストリ
ン水溶液、グリセリン、水ガラス、エチレングリ
コールとアルコール等の粘着剤を添加し、混合粉
末をペースト化して使用するものである。この混
合粉末のペーストは、鉄合金材料の表面に通常1
mm以上の厚さで被覆される。ペーストを被覆され
た鉄合金材料は、通常容器に入れられて加熱炉で
加熱される。雰囲気は大気中でよいが非酸化性雰
囲気下ではペーストの被覆層を薄くすることがで
きる。また、このペースト法では、ペーストの被
覆された表面部のみに表面層が形成されるため鉄
合金材料の任意の一部表面部のみに表面層を形成
することができる。 非接触法とは、一定の密閉空間中に鉄合金材料
と混合粉末を共存させるものである。具体的には
容器の開口部近くに混合粉末を配置して外気の侵
入を防止し、容器中の混合粉末と接触しない位置
に鉄合金材料を配置する方法で加熱処理を実施す
る。この方法は、鉄合金材料と混合粉末とが接触
していないための作業上の利点がある。 流動層法とは、流動層式炉を用いるものであ
り、混合粉末が流動中に固まりとなるのを防ぐた
めのアルミナ等の耐火物を上記混合粉末に添加し
た粉末と鉄合金材料とを上記炉中に配置し、更に
流動化ガスを導入して粉末が流動化した流動層状
態にするものである。この方法で加熱処理を実施
するときわめて平滑な表面層を得ることができ、
さらに流動層の温度分布が均一であるので、均一
な厚さの表面層を形成することができる。流動化
ガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガスや窒
素ガス等の非酸化性ガスを使用することができ
る。また流動化ガスの流速は流動層中で50cm/分
以上とするのが、表面層に粉末の付着がなく望ま
しい。ガス圧としては、取り扱い上0.5〜2Kg/
cm2の範囲がよい。 以上のような加熱処理の加熱温度は700℃以下
とする。700℃以下の温度域で処理することによ
り鉄合金材料の母材が歪を受けにくくなる。ま
た、その下限温度としては450℃とするのが望ま
しい。450℃より低温で加熱処理を施した場合、
ジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物から成る
表面層の形成速度は非常に遅い。実用上はダイス
鋼の高温焼戻し温度、構造用鋼の焼戻し温度の
500〜650℃が望ましい。 加熱処理の処理時間が長くなれば表面層中のジ
ルコニウムの含有量が増加する。このため処理時
間は所望とするジルコニウムの含有量により定ま
るが、1〜50時間の範囲で選ばれる。 また、形成する表面層の厚さは3〜15μm程度
が実用的である。 〔作用〕 本発明によるジルコニウムの窒化物あるいは炭
窒化物から成る表面層の形成機構は明確ではない
が、本発明者らがマイクロアナライザ分析や処理
時間と厚さの関係などから判断すると、以下のよ
うになつていると考えられる。なお、以下の説明
はジルコニウムの炭窒化物層を形成する機構につ
いてである(以下のm,n,o,pはそれぞれ数
字を表す)。 まず、被処理材である鉄合金材料に窒化処理を
施すことにより、外部から供給される窒素Nが鉄
合金材料の表面部の鉄Fe及び炭素Cと反応して
Fen(C,N)oの形で窒化物層が形成される。ま
た、この窒化物層の直下には、窒素の固溶体
(Fe−Nの形)も形成される。 その後、鉄合金材料に加熱処理を施すことによ
り、上記窒化物層に外部からのジルコニウム
(Zr)が拡散する。この拡散はFen(C,N)oのFe
とZrとが置換する反応であり、窒化物層は(Zr,
Fe)p(C,N)pに変化する。そしてFen(C,N)
o層がすべて(Zr,Fe)p(C,N)pに変化すると
それ以上(Zr,Fe)p(C,N)p層の成長はない。
なお、(Zr,Fe)p(C,N)p層においては表面ほ
どZrが多く、母材に近いほどFeが多い傾向にあ
る。従つて条件によつては表面部のFe量は著し
く小さく、Zrp(C,N)pと表示するのが妥当な場
合もある。 従つて、形成される表面層の厚さは最初の窒化
処理により形成される窒化物層の厚さと同じであ
る。そのため、窒化処理の条件によつて表面層の
最大層厚さを規定することができる。また、すべ
てのFen(C,N)o層が(Zr,Fe)p(C,N)pに変
化するまでの間は表面側に(Zr,Fe)p(C,N)
p層、母材側にFen(C,N)o層の存在する二層か
ら成る表面層が存在している。そしてこの表面層
の厚さは最初のFen(C,N)o層の厚さにほぼ等
しい。 また、ジルコニウムの窒化物から成る表面層を
形成する場合についても、表面層形成機構は上記
と同様である。 これは本発明方法が700℃以下という低温で加
熱処理を行つているためであり、このような機構
での、したがつてこのような処理時間−厚さ関係
を持つ表面層の形成はこれまで知られていない。
本発明方法では、実施例1の第1図に表されるよ
うに加熱処理を550℃で行つた場合(曲線A)の
表面層厚さ(Fen(C,N)o層の厚さと(Zr,Fe)
p(C,N)p層厚さの合計厚さ)は加熱処理時間
には影響されていない。それに対して1000℃のよ
うな高温で加熱処理を行つた場合(曲線S1)に
は加熱処理時間が長くなれば一般の拡散処理と同
じく表面層厚さも増加している。 なお実用上には鉄・炭素・窒素の窒化物層を全
部(Zr,Fe)p(C,N)p層に変えてしまう必要は
ない。2つの層の共存する状態でも、全部が
(Zr,Fe)p(C,N)p層に変わつた状態でもよい
(鉄・窒素の窒化物層をジルコニウムの窒化物か
ら成る表面層に変える場合についても同様)。 〔発明の効果〕 本発明によれば、鉄・窒素あるいは鉄・炭素・
窒素の窒化物層を形成後、前記特定の処理剤を用
い、700℃以下という低温においてジルコニウム
の拡散処理を行うので、低温において、鉄合金材
料にジルコニウムの窒化物あるいは炭窒化物から
成る優れた表面層を形成することができる。 また、低温で鉄合金材料を加熱するため、材料
の母材に歪みが発生しにくい。更に低温処理によ
る操作性が良好であり、多大のエネルギーを必要
としない。 また、本発明による層は拡散によつて形成され
るため、低温で処理するにもかかわらず、拡散反
応のないPVDによる炭化物層、窒化物層の場合
と異なり母材との密着性に優れ、緻密な表面層を
形成することができる。また、形成された層の厚
さは実用上十分なものである。 また、本発明のジルコニウムの窒化物または炭
窒化物から成る表面層を形成する方法で、窒化処
理を行わないでジルコニウムの炭化物層を形成す
る方法に比べて非常に短時間で層を形成すること
ができる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を説明する。なお%は重
量%を意味する。 実施例 1 直径6mm、長さ30mmのJIS・SKH51丸棒試片を
570℃の塩浴中に3時間浸漬して塩浴窒化処理を
施した。次にCaCl252モル%とNaCl48モル%と
の混合物の入つた耐熱鋼容器を大気中の電気炉に
て加熱して550℃の溶融塩浴を形成し、更に浴中
に−100メツシユのフエロジルコニウム(Fe−Zr
(Zr含有量80%)粉末を上記溶融塩浴に対して25
%添加した。この550℃の溶融塩浴に上記窒化処
理した試片を1〜25時間浸漬後、取り出して油冷
した。付着浴剤を洗滌除去後、断面を研磨して、
断面組織の観察により表面に形成された層の厚さ
を測定した。その結果を第1図の曲線Aに示す。
この曲線Aにおいて浸漬時間0時の厚さとは最初
の窒化処理により形成された窒化物層の厚さであ
り、1hr以降の厚さは該窒化物層とジルコニウム
の炭窒化物層との合計厚さ(全表面層の厚さ)で
ある(なお、ジルコニウムの炭窒化物層のみの厚
さを曲線Bに示す)。全表面層の厚さは、処理時
間が異なつてもほとんど同じであり、約5μmで
あつた。 なお、9時間浸漬処理して形成された表面層の
断面組織の顕微鏡写真(倍率400倍)を第2図に
示す。該表面層は表面の滑らかな層であり、しか
も層と母材との境界は複雑に入り組み、密着性に
優れた被覆層である。また、X線マイクロアナラ
イザーによる分析では第3図に示すように表面層
中にはZrとともにNとCとが認められた。表面
からの分析結果によると、約50%のZr量が存在
した。更にX線回折ではZrNに相当する回折線が
認められた。このことより形成された表面層は、
(Zr,Fe),(N,C)から成るジルコニウムの炭
窒化物層であることが確かめられた。 また、比較のため、上記と同じ処理で窒化され
たJIS・SKH51試片を、1000℃に加熱された上記
と同様な溶融塩浴に浸漬して、処理したところ、
第1図の曲線S1に示される厚さのジルコニウム
の炭窒化物層が形成された。この比較例で明らか
なように、浸漬時間が長くなるにつれて層厚さは
厚くなつているが、本発明では浸漬時間が長くな
つても全表面層厚さは厚くならない。従つて、本
発明の炭窒化物層の形成機構は比較例の高温処理
の場合の形成機構と異なつていることが明らかに
なつた。 実施例 2 実施例1と同様にしてJIS・S45C試片(直径7
mm、長さ50mm)を塩浴窒化処理した。次に実施例
1と同様の組成のCaCl2+NaClの溶融塩浴を調
整し、更にこの浴中にZrCl4粉末(−320メツシ
ユ)を上記溶融塩浴に対して15%添加した。この
溶融塩浴を500℃にして上記試片を浴に1〜16時
間浸漬し、その後浴中より取り出し油冷した。 形成された表面層は浸漬時間にかかわらずほと
んど同じ層厚さ、同じ組織の層が形成された。一
例として4時間の浸漬で処理された試片を調べた
ところ、第4図の表面層の断面組織の顕微鏡写真
(倍率400倍)に示すように層厚さ約6μmの表面
層が形成されていた。X線回折や第5図に示すX
線マイクロアナライザー分析の結果よりこの表面
層は、(Zr,Fe),(N,C)より成るジルコニウ
ムの炭窒化物層であることが確かめられた。 実施例 3 外径φ10mm、内径φ6mm、長さ25mmの円筒形
JIS・S48C試片を570℃、6時間でガス軟窒化処
理した。 次に、実施例1と同様の組成のCaCl2+NaCl
の溶融塩浴を調整し、更にこの浴中に上記溶融塩
浴に対して3%のAl2O3粉末(−320メツシユ)
と30%のフエロジルコニウム合金(Fe−Zr(Zr含
有量80%)粉末(−200メツシユ)を添加した。
この溶融塩浴を550℃にして上記試片を1,9,
25時間でそれぞれ浸漬し、その後浴中より取り出
し油冷した。 これら3種類の試片について真円度を測定した
ところ、すべてほとんど同じ真円度であり、試片
の上部と下部とも約5μmと小さかつた。なお比
較のため溶融塩浴への浸漬温度を850℃(浸漬時
間は4時間)にした場合の試片では真円度は約
20μmであり、本発明で処理した試片に比べて約
4倍も大きかつた。 本発明で処理(浸漬温度550℃、浸漬時間9時
間)した試片を切断して表面層を観察したところ
形成された表面層は厚さ約8μmであり、また、
X線マイクロアナライザーにより分析したところ
該層は、(Zr,Fe)(N,C)より成るジルコニ
ウムの炭窒化物層であることが確かめられた。 実施例 4 JIS・SKH51試片(直径6mm、長さ30mm)を
550℃、4時間の条件でイオン窒化処理した。 次に実施例1と同様の組成のCaCl2+NaClの
溶融塩浴を黒鉛容器中で調整し、更にこの浴の中
央に40mm×35mm×4mmのジルコニウム金属板を挿
入し、これを陽極、黒鉛溶器を陰極として、
0.7A/cm2の陽極電流密度で約20時間通電した。
このジルコニウムの陽極溶解処理によつてジルコ
ニウム金属板の重量減から計算して塩浴量全体に
対して約6%のジルコニウムが浴中に溶入され
た。この溶融円浴中に上記試片を550℃で8時間
浸漬した後、取り出し油冷した。 処理された試片を切断してX線マイクロアナラ
イザー分析で調べたところ、表面層中にはZrと
Nの他にCも認められた。また、X線回折結果で
はZrNの回折折線とよく一致したことから表面層
は、ジルコニウムの炭窒化物層であることが確か
められた。 実施例 5 直径約7mm×長さ50mmのJIS・S45Cの試片を
570℃、1時間塩浴窒化処理した。 次に、KF50モル%とLiF50モル%の混合物の
入つた黒鉛容器を大気中の電気炉にて600℃に加
熱して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に−100メ
ツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶融塩浴
に対して30%添加した。この600℃の浴に上記窒
化処理した試片を浸漬してこれを陰極、黒鉛容器
を陽極として陰極電流密度0.05A/cm2で8時間通
電して電解を行つた。 試片を浴から取り出し油冷して、形成された表
面層をX線マイクロアナライザーにより分析した
ところ、表面層は、(Zr,Fe)(C,N)より成
ることが確かめられた。また表面からの分析結果
では約65%のZrの他に、NとCが確認された。 実施例 6 実施例4と同様にして直径8mm×長さ35mmの工
業用純鉄試片(炭素含有量0.03%以下)をイオン
窒化処理した。 次に、実施例1と同様な組成のCaCl2+NaCl
の溶融塩浴を鋼容器内で調整し、更に浴中に−
200メツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶
融塩浴に対して30%添加した。この浴を600℃に
して、浴中に上記試片を8時間浸漬し、その後浴
から取り出し油冷した。 形成された表面層は、第6図の断面組織の顕微
鏡写真(倍率400倍)に示すうに層厚さがイオン
窒化処理した時の窒化物層の厚さと同じ約12μm
であつた。また、X線マイクロアナライザー分析
結果より表面層には約50%のZrの他NとCとが
認められ、該層は、ジルコニウムの炭窒化物層で
あることが確かめられた。 実施例 7 実施例1と同様にしてJIS・SKD11試片を塩浴
窒化処理した。 次に、Li2Co345%,K2CO325%,Na2CO330%
の混合物の入つた耐熱鋼容器を大気中の雰囲気炉
にて520℃に加熱して溶融塩浴を調整し、更にこ
の浴に−200メツシユのジルコニウム金属粉末を
溶融塩浴に対して30%添加した。この浴を十分に
撹拌した後、この520℃の浴に上記試片を5時間
浸漬保持した。 試片を浴から取り出し油冷して、形成された表
面層をX線マイクロアナライザーにより分析した
ところ、表面層は、(Zr,Fe)(C,N)より成
ることが確かめられた。また、該表面層は、第7
図の断面組織の顕微鏡写真(400倍)に示すよう
に、約5μmの厚さであつた。この層厚さは、最
初の塩浴窒化処理による窒化物層の厚さとほぼ同
じであつた。 実施例 8 直径8mm×長さ30mmのJIS・S45C試片を570℃,
150分の条件でガス軟窒化処理した。 次に、ステンレス鋼容器に入れた−100メツシ
ユのFe−Zr(Zr含有量70%)90%と硼フツ化カリ
ウム(KBF4)10%からなる混合粉末に上記試片
を埋設した。更に酸化防止のため混合粉末の上に
−100メツシユのフエロボロン粉末を3〜4mmの
厚さで被覆した。これを容器ごと大気炉で600℃、
16時間加熱した。容器を炉から取り出して空冷
後、粉末中から試片を取り出した。 試片に形成された表面層をX線マイクロアナラ
イザーで分析したところ、表面層中にZrとN,
Cとが認められ、表面からの分析結果では約20%
のZrが認められ、この層は、ジルコニウムの炭
窒化物層であることが確かめられた。 実施例 9 アルミナ(AL2O3−200メツシユ)40%、Fe−
Zr(Zr含有量70%)(−100メツシユ)55%、塩化
アンモニウム(NH4Cl,−80+100メツシユ)5
%から成る混合粉末を、エチルアルコールでエチ
ルセルロースを溶かした溶媒を用いてペースト状
にした。570℃、60時間の条件でガス軟窒化処理
したJIS・SK4試片(直径20mm,長さ10mm)に3
〜5mm厚さに上記ペーストを塗布した後、ステン
レス製容器中に装入し、アルゴン雰囲気中にて
600℃、16時間加熱した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、表面層は、ジルコニウムの炭
窒化物より成つていることが確かめられた。 実施例 10 Al2O3(−80メツシユ)60%、Fe−Zr(Zr含有量
70%)(−100メツシユ)38.8%、NH4Cl(−80メ
ツシユ)1.2%から成る混合粉末を流動層炉内に
入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス(炉内
での流速200cm/分、炉導入口での圧力1.5Kg/
cm2)で上記混合粉末を流動状態にした。この流動
層炉内に実施例1と同様に塩浴窒化処理した
JIS・SK4棒(直径7mm、長さ50mm)を装入し600
℃で16時間加熱処理した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、第8図に示すように表面層は
ZrとN,Cから成つており、表面分析では約20
%のZrが検出され、かつX線回折の結果ではZrN
回折線と一致したことから、層は、(Zr,Fe)
(C,N)であることが確かめられた。 実施例 11 直径7mm、長さ50mmのJIS・SKD61試片を570
℃、4時間の条件で塩浴窒化処理した。 次に、Al2O3(−80メツシユ)58.8%,Fe−Zr
(Zr含有量70%)(−100メツシユ)40%、NH4Cl
(−80メツシユ)1.2%から成る混合粉末を流動層
炉内に入れ、炉の下部より導入したアルゴンガス
(流速200cm/分,圧力1.5Kg/cm2)で上記混合粉
末を流動状態とした。この流動層炉内に上記
SKD61試片を装入し、600℃で16時間保持して加
熱処理した。 形成された表面層をX線マイクロアナライザー
で分析したところ、表面層はZrとN,Cから成
り、表面からの分析では約20%のZrが検出され
た。X線回折の結果ではZrN回折線と一致したこ
とから、層は(Zr,Fe)(CON)であることが
確かめられた。 実施例 12 直径6.5mm、長さ40mmのJIS・SKH51試片を実
施例1と同様にして塩浴窒化処理した。 次に、CaCl252モル%とNaCl48モル%の混合
物を耐熱鋼容器に入れ、大気中の電気炉にて550
℃に加熱して溶融塩浴を調整し、更にこの浴に−
200メツシユのFe−Zr(Zr含有量80%)粉末を溶
融塩浴全量に対して25%添加した。この550℃の
浴に上記試片を8時間浸漬した後、取り出し油冷
した。 形成された表面層をX線回折で調べたところ、
ZrNに相当する回折線が認められ、表面層はジル
コニウムの炭窒化物層であることが確かめられ
た。 次に上記ジルコニウム炭窒化物被覆試片(試料
No.C)について、ガス浸炭焼入れされたJIS・
SCM415を相手材としてフアビリー試験機により
乾式,荷重400g,回転数300rpm,摩擦速度0.1
m/secの条件で摩擦試験を実施した。また比較
のため、上記の窒化処理も加熱処理も施していな
いJIS・SKH51試片(試料No.S2)と窒化処理のみ
施したSKH51試片(試料No.S3)についても摩擦
試験を実施した。 上記の摩擦試験の結果を表に示す。また、試料
No.S2,S3とも焼付傷が鮮明に発生していたのに
対して、試料No.Cでは、小さな損傷が認められた
にすぎなかつた。このことより、本発明により形
成した表面層は、耐摩耗性や耐焼付性の点で優れ
ていることが分かる。 【表】
第1図は実施例1において形成された表面層の
層厚さの浸漬時間に対する変化を示す図、第2
図,第4図,第6図,第7図はそれぞれ実施例
1,2,6,7において本発明の処理により形成
された表面層の断面組織を示す顕微鏡写真(400
倍)、第3図、第5図、第8図はそれぞれ実施例
1,2,10において本発明により処理された鉄合
金材料の表面部のX線マイクロアナライザー分析
結果を示す図である。
層厚さの浸漬時間に対する変化を示す図、第2
図,第4図,第6図,第7図はそれぞれ実施例
1,2,6,7において本発明の処理により形成
された表面層の断面組織を示す顕微鏡写真(400
倍)、第3図、第5図、第8図はそれぞれ実施例
1,2,10において本発明により処理された鉄合
金材料の表面部のX線マイクロアナライザー分析
結果を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉄合金材料の表面に鉄・窒素または鉄・炭
素・窒素の窒化物層を形成させる窒化処理を施し
た後、該鉄合金材料と、ジルコニウム材料と、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、弗
化物、ホウ弗化物、酸化物、臭化物、ヨウ化物、
炭酸塩、硝酸塩、硼酸塩のうちの1種または2種
以上あるいはハロゲン化アンモニウム塩または金
属ハロゲン化物の一方または双方から成る処理剤
とを共存せしめて、700℃以下において加熱処理
し、ジルコニウムを上記鉄合金材料表面に拡散せ
しめることにより、鉄合金材料表面にジルコニウ
ムの窒化物あるいは炭窒化物から成る表面層を形
成せしめることを特徴とする鉄合金材料の表面処
理方法。 2 上記ジルコニウム材料は、ジルコニウム金
属、ジルコニウム合金、ジルコニウム化合物の1
種または2種以上から成る特許請求の範囲第1項
記載の鉄合金材料の表面処理方法。 3 上記加熱処理は、上記処理剤を溶融せしめた
溶融浴中にジルコニウム材料と鉄合金材料とを浸
漬することにより行う特許請求の範囲第1項記載
の鉄合金材料の表面処理方法。 4 上記加熱処理は、上記処理剤を溶融せしめる
と共に、ジルコニウム材料を浸漬した溶融浴中で
鉄合金材料を陰極とし、電解処理により行う特許
請求の範囲第1項記載の鉄合金材料の表面処理方
法。 5 上記加熱処理は、上記処理剤とジルコニウム
材料との混合粉末中に鉄合金材料を埋設すること
により行う特許請求の範囲第1項記載の鉄合金材
料の表面処理方法。 6 上記加熱処理は、上記処理剤とジルコニウム
材料との混合粉末のペーストを鉄合金材料に塗布
した状態において行う特許請求の範囲第1項記載
の鉄合金材料の表面処理方法。 7、上記加熱処理は、上記処理剤とジルコニウム
材料との混合粉末と鉄合金材料とを一定空間内に
非接触状態で配置することにより行う特許請求の
範囲第1項記載の鉄合金材料の表面処理方法。 8 上記加熱処理は、上記処理剤とジルコニウム
材料との混合粉末を流動状態にしてその中に鉄合
金材料を入れることにより行う特許請求の範囲第
1項記載の鉄合金材料の表面処理方法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21049685A JPS6270562A (ja) | 1985-09-24 | 1985-09-24 | 鉄合金材料の表面処理方法 |
| AU59620/86A AU582000B2 (en) | 1985-06-17 | 1986-06-09 | Treating the surface of iron alloy materials |
| EP86903588A EP0264448B1 (en) | 1985-06-17 | 1986-06-09 | Method of treating the surface of iron alloy materials |
| US07/023,862 US4765847A (en) | 1985-06-17 | 1986-06-09 | Method of treating the surface of iron alloy materials |
| DE8686903588T DE3668913D1 (de) | 1985-06-17 | 1986-06-09 | Verfahren zur behandlung der oberflaeche von eisenlegierungsmaterialien. |
| PCT/JP1986/000287 WO1986007614A1 (en) | 1985-06-17 | 1986-06-09 | Method of treating the surface of iron alloy materials |
| CA000511632A CA1247468A (en) | 1985-06-17 | 1986-06-16 | Method of treating the surface of iron alloy materials |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21049685A JPS6270562A (ja) | 1985-09-24 | 1985-09-24 | 鉄合金材料の表面処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6270562A JPS6270562A (ja) | 1987-04-01 |
| JPH0447028B2 true JPH0447028B2 (ja) | 1992-07-31 |
Family
ID=16590315
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21049685A Granted JPS6270562A (ja) | 1985-06-17 | 1985-09-24 | 鉄合金材料の表面処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6270562A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5953940B2 (ja) | 2012-05-29 | 2016-07-20 | トヨタ自動車株式会社 | 表面処理方法および塗型剤の製造方法 |
-
1985
- 1985-09-24 JP JP21049685A patent/JPS6270562A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6270562A (ja) | 1987-04-01 |
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