JPH0455159B2 - - Google Patents
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- JPH0455159B2 JPH0455159B2 JP12523085A JP12523085A JPH0455159B2 JP H0455159 B2 JPH0455159 B2 JP H0455159B2 JP 12523085 A JP12523085 A JP 12523085A JP 12523085 A JP12523085 A JP 12523085A JP H0455159 B2 JPH0455159 B2 JP H0455159B2
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Landscapes
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
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- Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、改良された窒化ホウ素るつぼとその
製法に関し、特に分子線エピタキシー(MBE)
や、液体封止チヨクラルスキー(LEC)法など
で用いるための金属及び化学物溶融用のるつぼと
その製法に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 熱分解窒化ホウ素(PBN)は高純度・高品質
の窒化ホウ素(BN)として化合物半導体や特殊
合金の製造などの巾広い分野で用いられている材
料である。特にGaAsなどの化合物半導体の製造
においては、PBNのすぐれた耐食性と高純度が
最大限有効に発揮されており、不純物が少く電気
特性の優れた化合物半導体単結晶を育成する上で
不可欠な材料となつている。たとえば、GaAs単
結晶育成においてPBNは、LEC法におけるるつ
ぼとして、またHB法(水平ブリツジマン法)に
おけるボートとしてそれぞれ用いられている。ま
た、GaAs単結晶ウエハー上にGa1-XAlXAsなど
の混晶化合物半導体をエピタキシヤル成長させる
一方法である分子線エピタキシー法における金属
溶融用容器(るつぼ)としてもPBNがほぼ独占
的に用いられている。 PBNは、たとえば米国特許第3152006号明細書
で開示されているように、三塩化ホウ素(BCl3)
のようなハロゲン化ホウ素とアンモニアを気体状
原料とし、温度1450℃〜2300℃、圧力50Tprr未満
の条件下で、適当な基材表面上にBNを析出させ
るいわゆる化学気相蒸着法(CVD法)により合
成される。基材材料とCVD条件を適切に選べば、
析出したPBN膜を基材から分離し、自立型PBN
物品を得ることができる。このようにして得られ
るPBNは膜の成長方向に対し垂直な方向に六方
晶BNのC面が高度に配向した構造をしており、
各種物性に著しい異方性を有している。機械的性
質においては、PBN膜の平面方向では良好な強
度を有するが、膜成長方向の強度はあまり強くな
く、このため膜成長方向に薄膜状に剥離しやすい
という性質を持つ。しかし、このようなPBNの
剥離しやすいという性質は、PBN製るつぼを繰
り返し使用する際の寿命を縮める大きな原因とな
つていた。以下にLEC法用るつぼ、MBE用るつ
ぼで従来発生していた問題点を説明する。 GaAsやInPなどの化合物半導体単結晶棒は、
PBNのるつぼ内でこれら化合物もしくはその原
料を溶融し、その上部を高純度B2O3の融液で封
止した状態で化合物の種結晶をるつぼ内の化合物
融液に付け、融液から徐々に化合物単結晶棒を引
き上げるLEC法により巾広く生産されている。
単結晶の引き上げを完了したるつぼは室温まで冷
却され、再度の使用のため、冷却固化してるつぼ
内壁に付着した封止剤のB2O3を除去する作業が
必要となるが、B2O3除去の際にPBN層の一部が
B2O3に付着したままるつぼ内壁から剥離すると
いう現象が頻繁に発生する。PBN層の剥離がる
つぼ内面全域で均一に起きることは極めて稀で、
多くの場合るつぼ内面のある一部だけが剥離し、
しかも剥離する部分の厚さも不均一である。はな
はだしい場合には局所的剥離がるつぼ外壁面にま
でおよびるつぼの破損に至る。また剥離がそれ程
深くない場合でも、剥離部をそのままにして再使
用すると、積層構造となつているBN層の層間が
融液と接触するために、融液中の微量不純物が層
間に濃縮されて再度の使用時に不純物を放出した
り、B2O3除去時に新たな剥離を起こしたりする
ので好ましくなく、従つて剥離が発生した場合に
は、その剥離部の一番深い部分にあわせて剥離が
起きなかつた部分までも取り除く必要がある。こ
の作業の際に新たな深い剥離部が導入される場合
もある。このため一度の剥離によつてはるつぼの
破損には至らないまでも、るつぼ肉厚が結晶育成
ごとに薄くなつて行き、数回〜十回程度でるつぼ
の寿命が尽きてしまつていた。 またMBE用るつぼとしてPBNを用い、特にア
ルミニウムのようにPBNとの濡れが良い金属な
どを溶融する場合、MBE装置を停止する際には
るつぼの冷却を伴うが、この時るつぼとその内部
の金属との間の熱膨張係数の差が著しいため、る
つぼは苛酷な応力にさらされる。特に溶融金属が
るつぼに良く濡れるために冷却固化した金属は非
常に強固にるつぼ内壁に付着しており、このため
しばしばるつぼの破損にまで至ることがあつた。 このような問題を解決する方法として、構造全
体を支えるための肉厚の最外壁と、これに弱く接
合した肉薄の中間壁と内壁からなる多層壁構造る
つぼが提案(特公昭56−17428号公報、特公昭55
−44154号公報)され市販されている。このよう
な多層壁構造るつぼはMBEなどの金属溶融用る
つぼとして一定の成果を上げているが、たとえば
米国ユニオン・カーバイド社のテクニカル・イン
フオメーシヨンにも明記されているように、最内
壁が破損してしまうとるつぼ内の金属が内壁外側
にしみ出して行くため、次回から使用できなくな
つてしまつていた。また、従来の多層壁構造るつ
ぼは、各壁を析出形成する度に、一たん析出反応
を中断し、温度を下げた後、再度温度を析出温度
に戻して析出反応を再開するという方法で製造さ
れており、製造上非常に手間がかかり、かつ時間
を要するという欠点があつた。 本願発明者らは従来のPBNるつぼのこのよう
な欠点を解決するために、るつぼの構造とその製
造方法について検討を加えた結果、BNるつぼを
ある特定範囲の厚さからなる多数の個別壁で構成
することにより従来のPBNの欠点が著しく改善
されることを見出すと共に、多重壁構造PBNる
つぼを容易に製造できる方法を完成したものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、以下を要旨とするものである。 (1) 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつてお
り、かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmであること
を特徴とする多重壁構造からなる窒化ホウ素る
つぼ。 (2) 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつてお
り、かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmである窒化
ホウ素るつぼを、ハロゲン化ホウ素ガスとアン
モニアガスを原料とする化学気相成長法により
製造する際に、第1の壁を1時間あたり10〜
150μmの成長速度で、また、これに隣接する第
2の壁を第1の壁の1.5〜5倍の成長速度で、
それぞれ交互に繰り返しながら形成させていく
ことを特徴とする多重壁構造からなる窒化ホウ
素るつぼの製法。 以下、さらに詳しく本発明について説明する。 第1発明の多重壁構造るつぼは、個別壁の厚み
が5〜100μmの範囲でなければならない。個別壁
の厚みが5μm以下であると個々の壁の間での区分
が明確でなくなり、多重壁構造の効果が得られな
い。また個別壁の厚みが100μmをこえると壁間の
応力により自発的なラミネーシヨン現象が壁間で
起こり、不純物のトラツプなど好ましくない結果
を招く。るつぼ全体は、上記の個別壁が少くとも
5層以上互いに結合、望ましくは互いに弱く結合
して構成される。5層未満ではるつぼ全体の厚み
が薄く、十分な強度が得られない。なお、るつぼ
構成壁の層数は個々の壁の厚みと所望のるつぼ全
体厚みとから定まる。るつぼ全体の壁厚は0.5〜
3mmとする必要がある。0.5mm未満では全体の強
度が不足し、また3mmをこえると内部応力の増大
により自発的なラミネーシヨンの発生を招くこと
になる。 本発明のこのような多重壁構造るつぼを用いる
と、従来のPBNるつぼよりも著しく寿命が延長
される。まず、LEC法用るつぼとして用いた場
合の挙動を説明する。本発明のるつぼは多数の
BN壁が互いに結合しているので、LEC法による
結晶育成後にB2O3を除去する際にBN層の剥離が
起きるとしても、剥離がBNるつぼ作製時に意図
的に好ましく導入された結合力の弱い壁間部分で
選択的に開始され、しかも剥離の伝播が剥離が開
始された壁間にのみ起こるので、従来のPBNる
つぼに認められていたような、伝播しながら同時
に剥離膜厚が増加するという剥離の深化拡大現象
は起こらない。しかも、個々のBN層の厚みを5
〜100μmにすると、理由は未だ良く判明していな
いが、互いに結合した多数のBN層のうち常にる
つぼの最内壁側にある層から剥離して行くことが
見出された。従つてB2O3除去時に発生する剥離
が、常にるつぼ最内壁層で起こり、かつ、剥離が
深くなることなく部分剥離層を除去できるので、
るつぼの寿命が従来のものよりも大巾に伸び、し
かもるつぼ間での寿命のバラツキが少ないという
特徴を有している。 またMBEなど金属溶融用に本発明のるつぼを
用いると、多重壁のうち最内壁のBNは冷却時に
金属と固着しるつぼ内側への引張り応力を受ける
が、その厚みが最大でも100μmと薄いため極めて
柔軟で、しかもその外側の壁とは弱く結合してい
るので、金属が付着した最内壁は破損することな
く、外側の壁からわずかに離れ金属とともに収縮
する。また仮りに最内壁が破損し、溶融金属が壁
間にしみ出したとしてもその外側に最内壁と同様
の特性を有する多数のBN壁が存在するので、従
来とは異なり更に使用を続けることができる。こ
のように本発明のBNるつぼを用いると従来より
も多くの繰り返し使用が可能となる。 次に、第2発明について説明する。この発明
は、多重壁構造BNるつぼのうち、とくにPBNる
つぼの製法に関するものである。まず、多重壁構
造のPBNるつぼを形成する個別的な壁は、三塩
化ホウ素などのハロゲン化ホウ素ガスとアンモニ
アガスとを原料とするCVD法により形成される
が、その時の圧力は0.5〜5Torrの範囲内に、ま
た温度は1850〜1950℃の範囲内にするのが望まし
い。圧力が0.5Torr未満ではPBNの分解が活発に
なり、また5TorrをこえるとBNの微粒子が副生
しPBN膜中に取り込まれて組織の均一性が損な
われ好ましくない。温度が1850℃未満では生成す
る。PBNの強度が低く、るつぼとしての実用強
度が不足する。また1950℃をこえると、基材の黒
鉛とPENとの間で反応が起こり、PBNのB4C化
とPBN中のカーボン不純物量の増大という好ま
しくない結果を招く。最も好ましい圧力、温度条
件は0.75〜3Torr、1900〜1940℃である。このよ
うな条件で形成される個別の壁同志を互いに弱く
結合させるためには、隣接する壁と壁とを互いに
異つた膜成長速度(蒸着速度)で形成する必要が
あるが、この際第1の壁は1時間あたり10〜
150μmの成長速度で、またこれに隣接する第2の
壁は第1の壁の1.5〜5倍の成長速度で形成する
サイクルを繰り返して行う。 第1の壁と第2の壁の成長速度に1.5〜5倍の
差を与える理由は、成長速度が1.5倍未満の差で
あると2つの壁の間の結合力が、単一の一定した
成長速度で形成した連続的な膜の場合とあまり変
わらないため、多重壁構造とする本発明の目的が
達成されず、また成長速度に5倍をこえる差を与
えると2つの壁の間の結合力が弱くなりすぎてる
つぼに自発的ラミネーシヨンが発生してしまうか
らである。また壁の成長速度は最高でも毎時
750μm以下でなければない。これは、毎時750μm
をこえる成長速度で形成されたPBN膜の機械的
強度は著しく低くなるためである。このため第2
の壁に対し、その1/1.5〜1/5の成長速度で形成さ
れる第1の壁の成長速度は必然的に毎時150μm以
下となる。また、第1の壁は、少くとも毎時
10μm以上の成長速度で形成することが好ましい。
これは1個のるつぼを完成させるのに要する時間
が不必要に長くなるのを避けるためである。品質
的に良好で、しかも生産性の点からも好ましい条
件としては、たとえば第1の壁を毎時50〜
150μm、第2の壁を毎時75〜250μmの成長速度で
形成する方法があげられる。 1個のるつぼを作製するためには、上述の第1
及び第2の壁を交互に繰り返し形成する必要があ
るが、第1から第2の、及び第2から第1の壁へ
と変化する際に、膜形成を一時的に中断する必要
は全くなく、連続的に変化させて良いので従来の
るつぼと同等の時間でるつぼを製造することがで
きる。 膜の成長速度を第1の壁と第2の壁とでそれぞ
れ変える方法としては、通常のCVD法において
成長速度に影響するとされている各種の要因を所
定時間ごとに変化させることがあげられる。即
ち、CVD反応室内に導入される原料ガスの濃度、
基材上を流れるガスの流速などの要因を変化させ
れば良いのであつて、たとえば導入するガスの組
成、流量、CVD反応室内の圧力などを所定時間
ごとに繰り返し変化させて行けば良い。 〔実施例〕 実施例 1〜5 5cm巾×60cm長×1cm厚の黒鉛板8枚を使い、
直径20cmの黒鉛板(底板)の上面に8角形の断面
を有する反応室を形成した。底板の中央にはガス
導入のため直径5cmの孔をあけ、原料ガス導入管
として予めPBN被覆した黒鉛パイプ2本(外径
5cm及び2.5cm)を同軸になるよう接続し、反応
室上部から直径5cm、長さ6cmの黒鉛基材を吊り
下げた。この反応室全体を高温抵抗加熱真空炉内
に装入し、原料ガス導入管の黒鉛パイプの内外管
には各々BCl3、NH3ガスを供給できるよう、ス
テンレス製ガス配管を接続した。 炉を10-3Torr台に排気しながら、1900℃にま
で加熱し1Torrの圧力下、表に示す条件で全体壁
厚1mmの様々のPBNるつぼを形成した。成長速
度は原料ガスの濃度をかえて行つた。得られたる
つぼについて、LEC法による単結晶育成を想定
した寿命テストを次の方法により実施した。 即ち、るつぼ内に50gのB2O3を入れ、N2雰囲
気中で1280℃に加熱してB2O3を溶融した後室温
まで冷却する。るつぼ内壁に付着したB2O3は、
るつぼ全体をメタノール中に浸し、20〜40分間超
音波洗浄することにより取り除かれるが、この
際、B2O3の冷却収縮時にB2O3に付着していた
PBNるつぼ内壁面の一部が剥がれる。これをる
つぼが破損するまで繰り返した。各々のるつぼの
破損までの回数は表に示した。同様のテストを市
販るつぼ(比較例5)についても行つた。
製法に関し、特に分子線エピタキシー(MBE)
や、液体封止チヨクラルスキー(LEC)法など
で用いるための金属及び化学物溶融用のるつぼと
その製法に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 熱分解窒化ホウ素(PBN)は高純度・高品質
の窒化ホウ素(BN)として化合物半導体や特殊
合金の製造などの巾広い分野で用いられている材
料である。特にGaAsなどの化合物半導体の製造
においては、PBNのすぐれた耐食性と高純度が
最大限有効に発揮されており、不純物が少く電気
特性の優れた化合物半導体単結晶を育成する上で
不可欠な材料となつている。たとえば、GaAs単
結晶育成においてPBNは、LEC法におけるるつ
ぼとして、またHB法(水平ブリツジマン法)に
おけるボートとしてそれぞれ用いられている。ま
た、GaAs単結晶ウエハー上にGa1-XAlXAsなど
の混晶化合物半導体をエピタキシヤル成長させる
一方法である分子線エピタキシー法における金属
溶融用容器(るつぼ)としてもPBNがほぼ独占
的に用いられている。 PBNは、たとえば米国特許第3152006号明細書
で開示されているように、三塩化ホウ素(BCl3)
のようなハロゲン化ホウ素とアンモニアを気体状
原料とし、温度1450℃〜2300℃、圧力50Tprr未満
の条件下で、適当な基材表面上にBNを析出させ
るいわゆる化学気相蒸着法(CVD法)により合
成される。基材材料とCVD条件を適切に選べば、
析出したPBN膜を基材から分離し、自立型PBN
物品を得ることができる。このようにして得られ
るPBNは膜の成長方向に対し垂直な方向に六方
晶BNのC面が高度に配向した構造をしており、
各種物性に著しい異方性を有している。機械的性
質においては、PBN膜の平面方向では良好な強
度を有するが、膜成長方向の強度はあまり強くな
く、このため膜成長方向に薄膜状に剥離しやすい
という性質を持つ。しかし、このようなPBNの
剥離しやすいという性質は、PBN製るつぼを繰
り返し使用する際の寿命を縮める大きな原因とな
つていた。以下にLEC法用るつぼ、MBE用るつ
ぼで従来発生していた問題点を説明する。 GaAsやInPなどの化合物半導体単結晶棒は、
PBNのるつぼ内でこれら化合物もしくはその原
料を溶融し、その上部を高純度B2O3の融液で封
止した状態で化合物の種結晶をるつぼ内の化合物
融液に付け、融液から徐々に化合物単結晶棒を引
き上げるLEC法により巾広く生産されている。
単結晶の引き上げを完了したるつぼは室温まで冷
却され、再度の使用のため、冷却固化してるつぼ
内壁に付着した封止剤のB2O3を除去する作業が
必要となるが、B2O3除去の際にPBN層の一部が
B2O3に付着したままるつぼ内壁から剥離すると
いう現象が頻繁に発生する。PBN層の剥離がる
つぼ内面全域で均一に起きることは極めて稀で、
多くの場合るつぼ内面のある一部だけが剥離し、
しかも剥離する部分の厚さも不均一である。はな
はだしい場合には局所的剥離がるつぼ外壁面にま
でおよびるつぼの破損に至る。また剥離がそれ程
深くない場合でも、剥離部をそのままにして再使
用すると、積層構造となつているBN層の層間が
融液と接触するために、融液中の微量不純物が層
間に濃縮されて再度の使用時に不純物を放出した
り、B2O3除去時に新たな剥離を起こしたりする
ので好ましくなく、従つて剥離が発生した場合に
は、その剥離部の一番深い部分にあわせて剥離が
起きなかつた部分までも取り除く必要がある。こ
の作業の際に新たな深い剥離部が導入される場合
もある。このため一度の剥離によつてはるつぼの
破損には至らないまでも、るつぼ肉厚が結晶育成
ごとに薄くなつて行き、数回〜十回程度でるつぼ
の寿命が尽きてしまつていた。 またMBE用るつぼとしてPBNを用い、特にア
ルミニウムのようにPBNとの濡れが良い金属な
どを溶融する場合、MBE装置を停止する際には
るつぼの冷却を伴うが、この時るつぼとその内部
の金属との間の熱膨張係数の差が著しいため、る
つぼは苛酷な応力にさらされる。特に溶融金属が
るつぼに良く濡れるために冷却固化した金属は非
常に強固にるつぼ内壁に付着しており、このため
しばしばるつぼの破損にまで至ることがあつた。 このような問題を解決する方法として、構造全
体を支えるための肉厚の最外壁と、これに弱く接
合した肉薄の中間壁と内壁からなる多層壁構造る
つぼが提案(特公昭56−17428号公報、特公昭55
−44154号公報)され市販されている。このよう
な多層壁構造るつぼはMBEなどの金属溶融用る
つぼとして一定の成果を上げているが、たとえば
米国ユニオン・カーバイド社のテクニカル・イン
フオメーシヨンにも明記されているように、最内
壁が破損してしまうとるつぼ内の金属が内壁外側
にしみ出して行くため、次回から使用できなくな
つてしまつていた。また、従来の多層壁構造るつ
ぼは、各壁を析出形成する度に、一たん析出反応
を中断し、温度を下げた後、再度温度を析出温度
に戻して析出反応を再開するという方法で製造さ
れており、製造上非常に手間がかかり、かつ時間
を要するという欠点があつた。 本願発明者らは従来のPBNるつぼのこのよう
な欠点を解決するために、るつぼの構造とその製
造方法について検討を加えた結果、BNるつぼを
ある特定範囲の厚さからなる多数の個別壁で構成
することにより従来のPBNの欠点が著しく改善
されることを見出すと共に、多重壁構造PBNる
つぼを容易に製造できる方法を完成したものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、以下を要旨とするものである。 (1) 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつてお
り、かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmであること
を特徴とする多重壁構造からなる窒化ホウ素る
つぼ。 (2) 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつてお
り、かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmである窒化
ホウ素るつぼを、ハロゲン化ホウ素ガスとアン
モニアガスを原料とする化学気相成長法により
製造する際に、第1の壁を1時間あたり10〜
150μmの成長速度で、また、これに隣接する第
2の壁を第1の壁の1.5〜5倍の成長速度で、
それぞれ交互に繰り返しながら形成させていく
ことを特徴とする多重壁構造からなる窒化ホウ
素るつぼの製法。 以下、さらに詳しく本発明について説明する。 第1発明の多重壁構造るつぼは、個別壁の厚み
が5〜100μmの範囲でなければならない。個別壁
の厚みが5μm以下であると個々の壁の間での区分
が明確でなくなり、多重壁構造の効果が得られな
い。また個別壁の厚みが100μmをこえると壁間の
応力により自発的なラミネーシヨン現象が壁間で
起こり、不純物のトラツプなど好ましくない結果
を招く。るつぼ全体は、上記の個別壁が少くとも
5層以上互いに結合、望ましくは互いに弱く結合
して構成される。5層未満ではるつぼ全体の厚み
が薄く、十分な強度が得られない。なお、るつぼ
構成壁の層数は個々の壁の厚みと所望のるつぼ全
体厚みとから定まる。るつぼ全体の壁厚は0.5〜
3mmとする必要がある。0.5mm未満では全体の強
度が不足し、また3mmをこえると内部応力の増大
により自発的なラミネーシヨンの発生を招くこと
になる。 本発明のこのような多重壁構造るつぼを用いる
と、従来のPBNるつぼよりも著しく寿命が延長
される。まず、LEC法用るつぼとして用いた場
合の挙動を説明する。本発明のるつぼは多数の
BN壁が互いに結合しているので、LEC法による
結晶育成後にB2O3を除去する際にBN層の剥離が
起きるとしても、剥離がBNるつぼ作製時に意図
的に好ましく導入された結合力の弱い壁間部分で
選択的に開始され、しかも剥離の伝播が剥離が開
始された壁間にのみ起こるので、従来のPBNる
つぼに認められていたような、伝播しながら同時
に剥離膜厚が増加するという剥離の深化拡大現象
は起こらない。しかも、個々のBN層の厚みを5
〜100μmにすると、理由は未だ良く判明していな
いが、互いに結合した多数のBN層のうち常にる
つぼの最内壁側にある層から剥離して行くことが
見出された。従つてB2O3除去時に発生する剥離
が、常にるつぼ最内壁層で起こり、かつ、剥離が
深くなることなく部分剥離層を除去できるので、
るつぼの寿命が従来のものよりも大巾に伸び、し
かもるつぼ間での寿命のバラツキが少ないという
特徴を有している。 またMBEなど金属溶融用に本発明のるつぼを
用いると、多重壁のうち最内壁のBNは冷却時に
金属と固着しるつぼ内側への引張り応力を受ける
が、その厚みが最大でも100μmと薄いため極めて
柔軟で、しかもその外側の壁とは弱く結合してい
るので、金属が付着した最内壁は破損することな
く、外側の壁からわずかに離れ金属とともに収縮
する。また仮りに最内壁が破損し、溶融金属が壁
間にしみ出したとしてもその外側に最内壁と同様
の特性を有する多数のBN壁が存在するので、従
来とは異なり更に使用を続けることができる。こ
のように本発明のBNるつぼを用いると従来より
も多くの繰り返し使用が可能となる。 次に、第2発明について説明する。この発明
は、多重壁構造BNるつぼのうち、とくにPBNる
つぼの製法に関するものである。まず、多重壁構
造のPBNるつぼを形成する個別的な壁は、三塩
化ホウ素などのハロゲン化ホウ素ガスとアンモニ
アガスとを原料とするCVD法により形成される
が、その時の圧力は0.5〜5Torrの範囲内に、ま
た温度は1850〜1950℃の範囲内にするのが望まし
い。圧力が0.5Torr未満ではPBNの分解が活発に
なり、また5TorrをこえるとBNの微粒子が副生
しPBN膜中に取り込まれて組織の均一性が損な
われ好ましくない。温度が1850℃未満では生成す
る。PBNの強度が低く、るつぼとしての実用強
度が不足する。また1950℃をこえると、基材の黒
鉛とPENとの間で反応が起こり、PBNのB4C化
とPBN中のカーボン不純物量の増大という好ま
しくない結果を招く。最も好ましい圧力、温度条
件は0.75〜3Torr、1900〜1940℃である。このよ
うな条件で形成される個別の壁同志を互いに弱く
結合させるためには、隣接する壁と壁とを互いに
異つた膜成長速度(蒸着速度)で形成する必要が
あるが、この際第1の壁は1時間あたり10〜
150μmの成長速度で、またこれに隣接する第2の
壁は第1の壁の1.5〜5倍の成長速度で形成する
サイクルを繰り返して行う。 第1の壁と第2の壁の成長速度に1.5〜5倍の
差を与える理由は、成長速度が1.5倍未満の差で
あると2つの壁の間の結合力が、単一の一定した
成長速度で形成した連続的な膜の場合とあまり変
わらないため、多重壁構造とする本発明の目的が
達成されず、また成長速度に5倍をこえる差を与
えると2つの壁の間の結合力が弱くなりすぎてる
つぼに自発的ラミネーシヨンが発生してしまうか
らである。また壁の成長速度は最高でも毎時
750μm以下でなければない。これは、毎時750μm
をこえる成長速度で形成されたPBN膜の機械的
強度は著しく低くなるためである。このため第2
の壁に対し、その1/1.5〜1/5の成長速度で形成さ
れる第1の壁の成長速度は必然的に毎時150μm以
下となる。また、第1の壁は、少くとも毎時
10μm以上の成長速度で形成することが好ましい。
これは1個のるつぼを完成させるのに要する時間
が不必要に長くなるのを避けるためである。品質
的に良好で、しかも生産性の点からも好ましい条
件としては、たとえば第1の壁を毎時50〜
150μm、第2の壁を毎時75〜250μmの成長速度で
形成する方法があげられる。 1個のるつぼを作製するためには、上述の第1
及び第2の壁を交互に繰り返し形成する必要があ
るが、第1から第2の、及び第2から第1の壁へ
と変化する際に、膜形成を一時的に中断する必要
は全くなく、連続的に変化させて良いので従来の
るつぼと同等の時間でるつぼを製造することがで
きる。 膜の成長速度を第1の壁と第2の壁とでそれぞ
れ変える方法としては、通常のCVD法において
成長速度に影響するとされている各種の要因を所
定時間ごとに変化させることがあげられる。即
ち、CVD反応室内に導入される原料ガスの濃度、
基材上を流れるガスの流速などの要因を変化させ
れば良いのであつて、たとえば導入するガスの組
成、流量、CVD反応室内の圧力などを所定時間
ごとに繰り返し変化させて行けば良い。 〔実施例〕 実施例 1〜5 5cm巾×60cm長×1cm厚の黒鉛板8枚を使い、
直径20cmの黒鉛板(底板)の上面に8角形の断面
を有する反応室を形成した。底板の中央にはガス
導入のため直径5cmの孔をあけ、原料ガス導入管
として予めPBN被覆した黒鉛パイプ2本(外径
5cm及び2.5cm)を同軸になるよう接続し、反応
室上部から直径5cm、長さ6cmの黒鉛基材を吊り
下げた。この反応室全体を高温抵抗加熱真空炉内
に装入し、原料ガス導入管の黒鉛パイプの内外管
には各々BCl3、NH3ガスを供給できるよう、ス
テンレス製ガス配管を接続した。 炉を10-3Torr台に排気しながら、1900℃にま
で加熱し1Torrの圧力下、表に示す条件で全体壁
厚1mmの様々のPBNるつぼを形成した。成長速
度は原料ガスの濃度をかえて行つた。得られたる
つぼについて、LEC法による単結晶育成を想定
した寿命テストを次の方法により実施した。 即ち、るつぼ内に50gのB2O3を入れ、N2雰囲
気中で1280℃に加熱してB2O3を溶融した後室温
まで冷却する。るつぼ内壁に付着したB2O3は、
るつぼ全体をメタノール中に浸し、20〜40分間超
音波洗浄することにより取り除かれるが、この
際、B2O3の冷却収縮時にB2O3に付着していた
PBNるつぼ内壁面の一部が剥がれる。これをる
つぼが破損するまで繰り返した。各々のるつぼの
破損までの回数は表に示した。同様のテストを市
販るつぼ(比較例5)についても行つた。
【表】
本発明のるつぼを用いることにより、MBE法
やLEC法におけるるつぼ寿命が延長できるので、
化合物半導体の製造コストが低減できる。 また本発明の製造方法は、蒸着の中断操作がな
いので効率良く高性能るつぼを製造することがで
きる。
やLEC法におけるるつぼ寿命が延長できるので、
化合物半導体の製造コストが低減できる。 また本発明の製造方法は、蒸着の中断操作がな
いので効率良く高性能るつぼを製造することがで
きる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつており、
かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmであることを特徴
とする多重壁構造からなる窒化ホウ素るつぼ。 2 1層の厚みが5〜100μmである個別的な壁が
少なくとも5層以上互いに結合してなつており、
かつ、全体の壁厚が0.5〜3mmである窒化ホウ素
るつぼを、ハロゲン化ホウ素ガスとアンモニアガ
スを原料とする化学気相成長法により製造する際
に、第1の壁を1時間あたり10〜150μmの成長速
度で、また、これに隣接する第2の壁を第1の壁
の1.5〜5倍の成長速度で、それぞれ交互に繰り
返しながら形成させていくことを特徴とする多重
壁構造からなる窒化ホウ素るつぼの製法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12523085A JPS61285382A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 窒化ホウ素るつぼ及びその製法 |
| US06/866,823 US4773852A (en) | 1985-06-11 | 1986-05-22 | Pyrolytic boron nitride crucible and method for producing the same |
| EP86107961A EP0206120B1 (en) | 1985-06-11 | 1986-06-11 | Pyrolytic boron nitride crucible and method for producing the same |
| DE8686107961T DE3668162D1 (de) | 1985-06-11 | 1986-06-11 | Tiegel aus pyrolytischem bornitrid und verfahren zu seiner herstellung. |
| US07/319,902 US4913652A (en) | 1985-06-11 | 1989-03-03 | Pyrolytic boron nitride crucible and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12523085A JPS61285382A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 窒化ホウ素るつぼ及びその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61285382A JPS61285382A (ja) | 1986-12-16 |
| JPH0455159B2 true JPH0455159B2 (ja) | 1992-09-02 |
Family
ID=14905038
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12523085A Granted JPS61285382A (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 窒化ホウ素るつぼ及びその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61285382A (ja) |
-
1985
- 1985-06-11 JP JP12523085A patent/JPS61285382A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61285382A (ja) | 1986-12-16 |
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