JPH05117391A - 含フツ素ポリアリーレンチオエーテルの製造法 - Google Patents

含フツ素ポリアリーレンチオエーテルの製造法

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JPH05117391A
JPH05117391A JP3311725A JP31172591A JPH05117391A JP H05117391 A JPH05117391 A JP H05117391A JP 3311725 A JP3311725 A JP 3311725A JP 31172591 A JP31172591 A JP 31172591A JP H05117391 A JPH05117391 A JP H05117391A
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JP
Japan
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group
acid
polyarylene thioether
polymerization
oxidative polymerization
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JP3311725A
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English (en)
Inventor
Hiroki Kamiya
浩樹 神谷
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】きわめて温和な反応条件で、特に架橋度の著し
く低い実質的に直鎖状で主鎖にフルオロカーボン鎖を含
むポリアリーレンチオエーテルを提供する。 【構成】一般式[1](ただし、R1 〜R8 はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアル
コキシ基を表す。R1 〜R8 は互いに同じ種類であって
も異なった種類であってもよい。Aは水素原子、置換ま
たは非置換のフェノキシ基あるいはチオフェノキシ基を
表す。nは1以上の整数を表す。)で表される化合物の
少なくとも1種とイオウ源とを、酸化重合する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主鎖にフルオロカー
ボン鎖を含むポリアリーレンチオエーテルの製造法に関
し、さらに詳しく言うと、ポリ(ジフェニルフルオロカ
ーボン)チオエーテルなどの主鎖にフルオロカーボン鎖
を含むポリアリーレンチオエーテルを、温和な重合条件
下、安価に得ることができる簡便なポリアリーレンチオ
エーテルの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリフェニレンチオエーテルは、
耐熱性、機械特性などに優れた樹脂として知られてお
り、ジハロゲノ芳香族化合物をアルカリ金属硫化物と、
極性溶媒中で高温高圧下で縮重合反応させることにより
製造されている。また、含フッ素ポリマーは、耐油、耐
薬品性、電気特性などに優れた樹脂として知られてお
り、一般的に含フッ素不飽和化合物のラジカル重合によ
り合成されている。これら両者の構造を主鎖中に合わせ
持つポリマーは、耐熱性、耐薬品性、機械特性、電気特
性など両者の特性を兼ね備えたポリマーであると期待さ
れる。しかしながら、両者ポリマーはその合成方法がま
ったく異なるため、所望のポリマーを得ることは、困難
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、前記問題点を
解消し、ポリフルオロカーボンとポリアリーレンチオエ
ーテルの長所を合わせ持つ耐油性、可塑性、耐薬品性、
耐熱性が高く電気的特性、機械的特性、化学的特性等に
優れた主鎖にフルオロカーボン鎖を含むポリアリーレン
チオエーテル、特に架橋ポリマーの副生が少なく実質的
に直鎖状のポリフェノキシフェニレンスルフィドおよび
ポリフルオロメチレン構造を有する重合体、ポリフェニ
レンエーテルおよびポリフルオロメチレン構造を有する
重合体を、簡便に、かつ温和な重合条件で、安価に得る
ことができる工業上著しく有利な製造法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは前記問題点を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、出発原料としてジフ
ェニルパーフルオロカーボン、ビス(フェノキシフェニ
ル)パーフルオロカーボンなどの芳香環を持つフッ素化
合物とイオウ源を用い、一段階で重合させるという方法
が、この発明を達成させるのに極めて有効であることを
見いだした。
【0005】この発明の要旨は、次の通りである。一般
式[1](ただし、式[1]中、R1 〜R8 はそれぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアル
コキシ基を表す。R1 〜R8 は互いに同じ種類であって
も異なった種類であってもよい。Aは水素原子、置換ま
たは非置換のフェノキシ基あるいはチオフェノキシ基を
表す。nは1以上の整数を表す。)で表される化合物の
少なくとも1種とイオウ源とを、酸と酸化剤との存在下
に酸化重合することを特徴とするポリアリーレンチオエ
ーテルの製造法。
【0006】
【化3】
【0007】具体的には、上記ポリアリーレンチオエー
テルの製造法において、(1)酸化重合を酸と酸化剤の
存在下に行う方法、(2)酸化重合を酸、酸素および酸
化重合触媒の存在下に行う方法、および(3)酸化重合
をフリーデルクラフツ触媒の存在下に行う方法を提供す
るものである。
【0008】前記一般式[1]中のR1 〜R8 につい
て、更に詳しく説明すると以下の通りである。すなわ
ち、前記R1 〜R8 のそれぞれの具体例を例示すると、
例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル
基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
などのアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、などのア
ルコキシ基を挙げることができる。これらの中でも、水
素原子、メチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアル
キル基、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜4の
アルコキシ基が好ましく、特に水素原子、メチル基、エ
チル基、メトキシ基などが好ましい。
【0009】前記一般式[1]におけるAについて詳し
く説明すると、Aは水素原子、フェノキシ基、チオフェ
ノキシ基であり、フェノキシ基、チオフェノキシ基につ
いてはメチル基、エチル基等の低級アルキル基、メトキ
シ基等の低級アルコキシ基など置換基を有していても差
し支えない。フェノキシ基、チオフェノキシ基が置換基
を有するときは、少なくとも一つの置換されていない水
素原子を有することが好ましく、この水素はパラ位にあ
ることが好ましい。特に、Aがフェノキシ基またはチオ
フェノキシ基であるものが重合性に優れるため好まし
い。
【0010】前記一般式[1]におけるnについて詳し
く説明すると、nは1以上の整数であれば制限はない
が、nが極端に大きいと溶媒への溶解性が低下するた
め、1<n<100程度が好ましい。
【0011】また、前記一般式[1]で表される化合物
は、一般式[2](ただし、nは1以上の整数) I(CF2n I [2] で表されるヨウ素化合物と一般式[3](ただし、R1
〜R4 は一般式[1]のR1 〜R8 と同様の基である。
また、R1 〜R4 は互いに同じ種類であっても異なった
種類であってもよい。Aも一般式[1]のAと同様の基
である。Xは臭素またはヨウ素原子を表す。)で表され
る化合物とを銅の存在下に混合反応させることで容易に
合成できる。
【0012】
【化4】
【0013】なお、この発明の方法においては、前記一
般式[1]で表される化合物中の1種のみを重合せしめ
て単独重合体のポリアリーレンチオエーテルを得ること
ができるだけでなく、前記一般式[1]で表される化合
物の中の複数種を共重合せしめて様々な種類、構造のポ
リアリーレンチオエーテル(共重合体または単独重合体
・共重合体の混合物もしくは組成物)を得ることができ
る。
【0014】ここで、ジフェニルスルフィドまたは/お
よびジフェニルエーテルと適当量存在させ、共重合を実
施することにより任意のフッ素含量の重合体を得ること
も可能である。
【0015】本発明においては、前記一般式[1]で表
される化合物の少なくとも1種とイオウ源とを酸化重合
することによって、通常一般式[4](ただし、Bは、
Aの構造から芳香核上の水素を1つ除いた残基。mは1
以上の整数を表す。)で表される主鎖構造を有するポリ
アリーレンチオエーテル、特に架橋度の著しく低い直鎖
状ポリアリーレンチオエーテルを得ることができる。
【0016】
【化5】
【0017】また、ジフェニルエーテルまたはジフェニ
ルスルフィドと前記一般式[1]で表される化合物と共
重合せしめた場合、通常一般式[5]または[6](た
だし、Bは、Aの構造から芳香核上の水素を1つ除いた
残基。r、p、qはそれぞれ1以上の整数を表す。)で
表されるポリアリーレンチオエーテルを得ることができ
る。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】ここで、いわゆるホモポリマーを得ること
を目的とした場合には、反応原料として、前記一般式
[1]で表される化合物の1種を単独で用いればよい。
【0021】このような酸化重合によりポリアリーレン
チオエーテルを得た後、これを加熱することにより、さ
らに高重合度の高純度ポリアリーレンチオエーテルを得
ることができる。
【0022】本発明によるポリアリーレンチオエーテル
の製造法は、ポリアリーレンチオエーテルを合成反応す
る第1段階と、第1段階により合成されたポリアリーレ
ンチオエーテルを高重合度化するための加熱反応の第2
段階とに分けることができるが、前記一般式[1]で表
される化合物を酸化重合する第1段階での収率および純
度が高く、第2段階での反応の効率も高いため、ホーキ
ンス法に比べ、反応時間が短縮され、反応温度を低下さ
せて高収率でポリアリーレンチオエーテルを得ることが
できる。すなわち、本発明によれば、安価な原料から、
容易に収率よく、高重合度ポリアリーレンチオエーテル
を得ることが可能である。
【0023】第2段階の反応は、第1段階で得られたポ
リアリーレンチオエーテルを通常、加熱することにより
行う。高沸点の溶媒の存在は制限を受けないが、無溶媒
下での反応が好ましい。この反応は、空気中で加熱すれ
ば進行する。加熱温度は、ポリアリーレンチオエーテル
の種類によって異なるため、規定できないが、ラジカル
を発生する温度があれば制限を受けない。反応時間もポ
リアリーレンチオエーテル共重合体の濃度、反応温度に
影響される。これにより、高重合度、高純度ポリアリー
レンチオエーテルを得ることができる。
【0024】前記一般式[1]で表される化合物として
は、例えば、ジフェニルジフルオロメタン、1,2−ジ
フェニルテトラフルオロエタン、1,3−ジフェニルパ
ーフルオロプロパン、1,4−ジフェニルパーフルオロ
ブタン、1,5−ジフェニルパーフルオロペンタン、
1,6−ジフェニルパーフルオロヘキサン、1,7−ジ
フェニルパーフルオロヘプタン、1,8−ジフェニルパ
ーフルオロオクタン、1,9−ジフェニルパーフルオロ
ノナン、1,10−ジフェニルパーフルオロデカンなど
を挙げることができる。
【0025】さらに、前記一般式[1]で表される化合
物として、1,2−ビス(3,5−ジメチルフェニル)
−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,3−ビ
ス(3,5−ジメチルフェニル)−パーフルオロプロパ
ン、1,4−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−パー
フルオロブタン、1,5−ビス(3,5−ジメチルフェ
ニル)−パーフルオロペンタン、1,6−ビス(3,5
−ジメチルフェニル)−パーフルオロヘキサン、1,7
−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−パーフルオロヘ
プタン、1,8−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−
パーフルオロオクタン、1,9−ビス(3,5−ジメチ
ルフェニル)−パーフルオロノナン、1,10−ビス
(3,5−ジメチルフェニル)−パーフルオロデカンな
ども例示される。
【0026】さらに、前記一般式[1]で表される化合
物として、1,4−ビス(2,5−ジメチルフェニル)
−パーフルオロブタン、1,6−ビス(2,5−ジメト
キシフェニル)−パーフルオロヘキサン、1,6−ビス
(4−フェノキシフェニル)−パーフルオロヘキサン、
1,6−ビス(4−チオフェノキシフェニル)−パーフ
ルオロヘキサンなども例示される。
【0027】この発明の方法に用いるイオウ源として
は、酸化重合条件下に、芳香核に求電子的に反応し、芳
香核間にスルフィド結合を生成できる化合物が採用され
る。例えば、イオウ、ハロゲン化イオウなどが挙げら
れ、特に、二塩化ジスルフィド、イオウが好ましい。
【0028】前記(1)の方法の酸化剤としては、イオ
ウ源を酸化することのできる能力を有し、かつ、重合反
応の進行を阻害しないものであれば特に制限はない。
【0029】そのようなものの具体例として、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、テト
ラクロロ−p−ベンゾキノン、テトラブロモ−p−ベン
ゾキノン、1,4−ジフェノキノン、テトラメチルジフ
ェノキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノ
エチレン、塩化チオニル等の有機酸化剤;過安息香酸、
m−クロロ過安息香酸、過酸化ベンゾイル等の有機過酸
化物;四酢酸鉛、三酢酸タリウム、セリウム(4価)ア
セチルアセトナト、五酸化バナジウム等を挙げることが
できる。これらのうちでも特に2,3−ジクロロ−5,
6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−
ベンゾキノン、テトラブロモ−p−ベンゾキノンなどの
キノン類または五酸化バナジウムが好適である。
【0030】なお、これらの酸化剤は1種単独で用いて
もよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0031】上記の酸化剤の量[A]は、使用する反応
原料、溶媒の種類、酸化剤の種類などにより異なるので
一様に規定することはできないが、通常、一般式[1]
で表される化合物の量[B]またはイオウ源の量[C]
のうち、少ないモル数の化合物に対する比[A]/
[B]または[C](モル比)にして0.1〜50、好
ましくは0.5〜5である。
【0032】この値が0.1未満であると、重合速度が
遅くなり、ポリマーの収率の低下も見れられる。一方、
50を超えるとそれに見合った効果がみられなくなる。
【0033】前記(2)の方法の酸化重合触媒として
は、周期表5族(5A族)、6族(6A族)の金属の錯
体または塩が適切であり、配位子、対イオンに制限はな
く、中でもアセチルアセトン、ポルフィリンなどとの錯
体が好ましい。
【0034】これら5族、6族の金属の錯体を例示する
と、例えば、バナジルアセチルアセトナト、バナジルテ
トラフェニルポルフィリン、バナジウムアセチルアセト
ナトなどのバナジウム化合物、酸化モリブデンアセチル
アセトナト、酸化モリブデン(4価)などのモリブデン
化合物などである。なかでも特に好適なものとして、バ
ナジルアセチルアセトナト、バナジウムアセチルアセト
ナト、バナジルテトラフェニルポルフィリンが挙げられ
る。
【0035】また、これらの化合物等の前記酸化重合触
媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合もしくは複
合するなど組み合わせて用いてもよい。
【0036】上記の酸化重合触媒を使用する方法(2)
の重合は、例えば窒素雰囲気下等の酸素の全く存在しな
い系では進行せず、酸素の存在が必要である。従って通
常、酸素分圧が高いほど好ましいが、大気圧下であれば
充分であり、さらに減圧下であってもある程度酸素が存
在すれば反応は進行する。
【0037】一方、酸化剤を使用する方法(1)の重合
は、酸化剤によって直接イオウ源が酸化されるため、酸
素は不要である。しかしこの場合でも酸素はあっても差
し支えない。
【0038】上記の重合反応に使用する前記酸化重合触
媒の量[D]は、一般式[1]で表される化合物の量
[B]またはイオウ源の量[C]のうち、少ないモル数
の化合物に対する比[D]/[B]または[C](モル
比)にして0.00001〜5であり、好ましくは0.
001〜0.1である。
【0039】この値が0.00001未満であると重合
速度が遅くなる。一方、5を超えると触媒のコストが高
くなり経済上不利になる。
【0040】前記方法(1)または(2)における酸
は、重合活性種の失活を抑制するためのものであり、プ
ロトン酸、もしくはプロトン供与性物質の共存により一
部がプロトン酸に変化する物質であり、公知の有機酸、
無機酸またはそれらの混合物もしくは複合体である。
【0041】具体的には、例えば、塩酸、臭化水素酸、
青酸などの非酸素酸;硫酸、リン酸、塩素酸、臭素酸、
硝酸、炭酸、ホウ酸、モリブデン酸、イソポリ酸、ヘテ
ロポリ酸などの無機オキソ酸;硫酸水素ナトリウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、プロトン残留ヘテロポリ酸塩;
モノメチル硫酸、トリフルオロメチル硫酸等の硫酸の部
分塩もしくは部分エステル;塩化アンモニウム、リン酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヘテロポリ酸アンモ
ニウムなどの溶媒に溶解したり、分解によってプロトン
酸として作用しうる化合物;酢酸、プロピオン酸、ブタ
ン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸などの1価、もし
くは多価のカルボン酸;モノクロロ酢酸、ジクロロ酢
酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢
酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸;
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸など
の1価、もしくは多価のスルホン酸;ベンゼンジスルホ
ン酸ナトリウムなどの多価のスルホン酸の部分金属塩な
どを挙げることができる。
【0042】これらの中でも、非揮発性で安定性の高い
強酸性プロトン酸が好ましく、特に硫酸、トリフルオロ
酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが好ましい。
【0043】これら酸は、1種単独で用いてもよいし2
種以上混合もしくは複合して組み合わせてもよい。
【0044】また、酸の使用割合は、酸の種類、組成、
反応原料や溶媒の種類、系中の水分等の不純物の濃度、
反応温度など他の条件によって異なるので一様に規定で
きないが、前記重合反応が開始される濃度で、かつ、分
解反応等の目的とする重合反応以外の副反応が抑制され
る濃度であればよい。
【0045】また、方法(2)の酸化重合触媒を用いる
場合は、方法(1)の場合と異なり、重合の進行と共に
水の発生を伴うため、脱水剤存在下で重合を行うことが
望ましい。通常、好適に使用することのできる脱水剤と
して、無水酸、例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢
酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸などを挙げるこ
とができる。このほか、重合反応に影響を与えないもの
であれば制限はなく、無水硫酸ナトリウム、塩化カルシ
ウム等を用いてもよい。
【0046】また、脱水剤の使用割合は、酸の種類、組
成、反応原料や溶媒の種類、系中の水分等の不純物の濃
度、反応温度など他の条件によって異なるので一様に規
定できないが、前記重合反応が開始される濃度で、か
つ、分解反応等の目的とする重合反応以外の副反応が抑
制される濃度であればよい。
【0047】前記(3)の方法のフリーデルクラフツ触
媒とは、フリーデルクラフツ反応を促進する触媒であ
り、周知のものを使用することができる。具体的には、
特に五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、四塩化チタ
ン、鉄、シリカゲル、アルミナ、五酸化二リン等が挙げ
られる。これらの中でも特に五塩化アンチモンが好適で
ある。
【0048】上記のフリーデルクラフツ触媒の量[E]
は、使用する反応原料、溶媒の種類、フリーデルクラフ
ツ触媒の種類などにより異なるので一様に規定すること
はできないが、通常、一般式[1]で表される化合物の
量[B]またはイオウ源の量[C]のうち、少ないモル
数の化合物に対する比[E]/[B]または[C](モ
ル比)にして0.00001〜50、好ましくは0.0
01〜5である。
【0049】この値が0.00001未満であると、重
合速度が遅くなり、ポリマーの収率の低下も見れられ
る。一方、50を超えるとそれに見合った効果がみられ
なくなる。
【0050】本発明における重合は、溶媒の非存在下に
おいても行い得るが、通常、溶媒の存在下に行うことが
望ましい。この溶媒としては、重合活性を実質的に消失
させないものであれば使用可能であるが、通常、用いる
反応原料および酸を溶解できるものが望ましい。
【0051】通常、好適に使用できる溶媒としては、例
えば、ニトロメタン、ジクロロメタン、ジブロモエタ
ン、テトラクロロエタン、ニトロベンゼンなどを挙げる
ことができ、このほか一般にフリーデルクラフツ反応や
カチオン重合等に使用される溶媒も適宜に選択して好適
に使用することができる。
【0052】なお、これらの溶媒は、1種単独で用いて
も2種以上混合して用いてもよく、あるいは必要により
不活性溶媒などと適宜混合して用いてもよい。また、反
応原料が液状の場合は、溶媒を使用しなくても良い。
【0053】反応原料濃度、すなわち、一般式[1]で
表される化合物およびイオウ源の合計の濃度は、特に制
限されない。通常、例えば、10-4mol/l以上の範
囲とするのが好適である。
【0054】水の存在は、重合速度を増加させたり、一
方、重合活性を低下させたり、重合に対して様々な形で
影響を与えるが、水の濃度がある濃度以上になると、通
常、重合活性が著しく低下することがあるので、その濃
度を許容範囲内となるように設定して行うのが好まし
い。この水の許容濃度範囲は、使用する酸や溶媒の種類
などによって異なるので一様に規定できない。
【0055】前記重合に際しての反応温度は、使用する
酸や反応原料の種類によって一様ではないが、通常、−
25〜250℃であり、好ましくは0〜150℃であ
る。
【0056】反応圧力および酸素分圧としては、特に制
限はなく、通常、常圧もしくは反応系の自圧で好適に行
うことができる。もっとも、必要により、重合反応に支
障にない希釈ガスなどとの混合ガスを用いて加圧下に行
うこともできる。
【0057】反応時間は、用いる酸、反応原料の種類や
その使用割合、反応温度、酸素分圧、触媒の使用割合、
溶媒等の条件によって著しく異なるが、通常、0.5〜
100時間であり、好ましくは2〜50時間である。
【0058】前記重合反応系を構成するにあたって、前
記酸化剤、酸化重合触媒、またはフリーデルクラフツ触
媒、前記一般式[1]で表される化合物とイオウ源およ
び前記溶媒の配合に順序、方法については特に制限はな
く、それぞれを同時にあるいは種々の順序、様式で段階
的に配合することも可能である。
【0059】重合は、均一系、または不均一の多相系、
もしくはスラリー系で行ってもよい。
【0060】反応方式としては、特に制限はなく、連続
式、半連続式、回分式のいずれの方法を用いてもよい。
回分式を用いる場合には、反応系を撹拌して行うことが
望ましい。
【0061】以上のような方法によって、反応後、溶液
中に目的とするポリアリーレンチオエーテルを得ること
ができる。
【0062】重合後の処理は、公知の方法に準じて行う
ことができる。重合を溶液重合で行った場合の、後処理
の1例を挙げれば、以下の通りである。
【0063】すなわち、重合反応が完結もしくは必要な
程度に進行したならば、反応混合物を水、メタノールな
どの低級アルコールあるいはこれらの混合液などの貧溶
媒と接触させて、触媒を失活させるとともに、生成物の
ポリマーを沈殿せしめる。この際、必要により、塩基性
物質等の重合停止剤を併用してもよい。
【0064】後処理法において、必ずしも、貧溶媒また
は塩基性物質と接触させる必要はなく、重合途中で重合
溶媒中に析出するポリマーであるならば、重合を継続し
ながらポリマーを分離し乾燥できる。
【0065】この沈澱したポリマーは、通常のろ過など
の分離操作によって、液体から分離する。この分離した
ポリマーは、必要に応じて、アルカリ水溶液などの洗浄
液によって洗浄もしくは中和・洗浄し、さらに必要に応
じて、適当な溶媒と再沈液とを用いて溶解・再沈・分離
・メタノール洗浄などの操作を必要なだけ繰り返したの
ち、乾燥し、種々の純度に精製したポリマーとして回収
することができる。
【0066】なお、上記溶解・再沈に用いる溶媒として
は、ポリマーを効率よく溶解するという点などから、例
えば、N−メチルピロリドンなどが好適に用いられる。
【0067】また、上記再沈液、洗浄液としては、通
常、例えば、水、メタノール、二硫化炭素あるいはこれ
らの混合液など、特にメタノールなどが好適に使用でき
る。
【0068】一方、ポリマーから分離された混合液中の
未反応原料、副生低分子化合物、溶媒などは、通常の蒸
留操作によって精製・回収され、繰り返し反応系あるい
は後処理工程に、あるいは他の様々な用途に有効に利用
することができる。
【0069】本発明によって得られた含フッ素ポリフェ
ニレンチオエーテルは、耐油性、可塑性、耐熱性、耐薬
品性に優れ、剛性、強度、耐衝撃性、耐摩耗性などの種
々の機械的特性に優れる。また主鎖中のフルオロカーボ
ン鎖の長さを選択することにより粘性、弾性をも発現さ
せることができる。さらに、本重合法では、金属塩等の
不純物が少ないため、耐絶縁性等の電気特性に著しく優
れている。ポリマーの構造が実質的に直鎖上であるなど
の理由によって、加工性にも優れたエンジニアリングプ
ラスチックであり、電子、電気分野、機械分野、塗料関
係、自動車、化学関係などの様々の分野・関係の機器部
品、素材などとして好適に用いることができる。
【0070】
【実施例】
実施例1 窒素雰囲気下、1,6−ジフェニルパーフルオロヘキサ
ン9.08g、二塩化ジスルフィド1.35gをジクロ
ロメタン100mlに溶解し、2,3−ジクロロ−5,
6−ジシアノ−p−ベンゾキノン2.27g、トリフル
オロメタンスルホン酸0.15gと混合し、室温下40
時間撹拌した。反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下
すると白色の沈殿が得られた。沈殿をろ過し未反応物、
触媒と分離して、洗浄、乾燥し、重合体2.15gを得
た。
【0071】得られた重合体の分析結果は次の通りであ
る。 IRスペクトル νC=C ;1400,1480,1580cm-1 νC-F ;1100cm-1 δC-H ;825cm-1 融点 230℃ 重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算(溶媒
N−メチルピロリドン);以下同じ) 0.7×104
【0072】実施例2 酸素雰囲気下、1,6−(ビスフェノキシフェニル)パ
ーフルオロヘキサン6.38g、ジフェニルスルフィド
1.86g、二塩化ジスルフィド1.35gをテトラク
ロロエタン100mlに溶解し、バナジルアセチルアセ
トナト0.27g、トリフルオロメタンスルホン酸0.
15g、無水トリフルオロ酢酸10.5gを混合し、室
温下で40時間反応させた。所定の生成により精製して
重合体6.81gを得た。
【0073】得られた重合体の分析結果は次の通りであ
る。 IRスペクトル νC=C ;1390,1480,1580cm-1 νC-F ;1090cm-1 δC-H ;815cm-1 融点 146℃ 重量平均分子量 1.9×104
【0074】実施例3 窒素雰囲気下、1,4−ビス(フェノキシフェニル)パ
ーフルオロブタン10.76g、二塩化ジスルフィド
1.35gをジクロロメタン100ml中に溶解し、
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノ
ン2.27g、トリフルオロメタンスルホン酸0.15
gと混合し、室温下20時間反応させた。所定の精製
後、融点113℃の重合体11.31gを得た。この重
合体を空気中250℃で10時間反応させ、前記の通り
精製した後、融点245℃のポリマー10.96gを得
た。
【0075】実施例4 窒素雰囲気下、1,6−ビス(フェノキシフェニル)−
パーフルオロヘキサン12.76g、二塩化ジスルフィ
ド1.35gをニトロベンゼン60mlに溶解し、五塩
化アンチモン2.99gのニトロベンゼン溶液40ml
を滴下混合した。室温下40時間反応させた後、所定の
精製を行い、重合体12.80gを得た。
【0076】IRスペクトル νC=C ;1480,1580cm-1 νC-F ;1100,1120,1170cm-1 νC-O ;1240cm-1 δC-H ;830,870cm-1 融点 147℃ 重量平均分子量 2.8×104
【0077】
【発明の効果】本発明は、反応条件がきわめて温和であ
り、製造法が簡便である。特に架橋度の著しく低い実質
的に直鎖状で主鎖にフルオロカーボン鎖を含むポリアリ
ーレンチオエーテルの提供に有利なものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1](ただし、R1 〜R8 はそれ
    ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基または
    アルコキシ基を表す。R1 〜R8 は互いに同じ種類であ
    っても異なった種類であってもよい。Aは水素原子、置
    換または非置換のフェノキシ基あるいはチオフェノキシ
    基を表す。nは1以上の整数を表す。)で表される化合
    物の少なくとも1種とイオウ源とを、酸化重合すること
    を特徴とするポリアリーレンチオエーテルの製造法。 【化1】
  2. 【請求項2】一般式[1](ただし、R1 〜R8 はそれ
    ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基または
    アルコキシ基を表す。R1 〜R8 は互いに同じ種類であ
    っても異なった種類であってもよい。Aは水素原子、置
    換または非置換のフェノキシ基あるいはチオフェノキシ
    基を表す。nは1以上の整数を表す。)で表される化合
    物の少なくとも1種とジフェニルスルフィドまたは/お
    よびジフェニルエーテルをイオウ源存在下、酸化重合す
    るポリアリーレンチオエーテルの製造法。 【化2】
  3. 【請求項3】酸化重合を、酸と酸化剤の存在下に酸化重
    合することを特徴とする請求項1または2のポリアリー
    レンチオエーテルの製造法。
  4. 【請求項4】酸化剤が、キノン類または五酸化バナジウ
    ムである請求項3のポリアリーレンチオエーテルの製造
    法。
  5. 【請求項5】酸、酸素および酸化重合触媒の存在下に酸
    化重合することを特徴とする請求項1または2のポリア
    リーレンチオエーテルの製造法。
  6. 【請求項6】酸化重合触媒が、周期表5族(5A族)ま
    たは6族(6A族)金属の錯体である請求項5のポリア
    リーレンチオエーテルの製造法。
  7. 【請求項7】酸化重合を、フリーデルクラフツ触媒の存
    在下に酸化重合することを特徴とする請求項1または2
    のポリアリーレンチオエーテルの製造法。
  8. 【請求項8】フリーデルクラフツ触媒が、五塩化アンチ
    モンである請求項7のポリアリーレンチオエーテルの製
    造法。
  9. 【請求項9】イオウ源がハロゲン化イオウ化合物である
    請求項1〜9のいずれかのポリアリーレンチオエーテル
    の製造法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかの製造法により
    得たポリアリーレンチオエーテルを加熱することにより
    さらに高い重合度を持つポリアリーレンチオエーテルを
    得る方法。
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