JPH0512347U - アンチスキツドブレーキ装置 - Google Patents
アンチスキツドブレーキ装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アンチスキッド制御時の所望の緩増圧特性の
確保と、通常ブレーキ時の優れた応答性の確保の両立。 【構成】 マスターシリンダ1から主ブレーキ回路Aと
還流回路Bの合流部に至る通路aの途中に、メイン通路
18とオリフィス通路19を有し還流回路Bの液圧が設
定値以上に高まるとメイン通路18側を閉じる弁装置1
3を介装し、還流回路Bの液圧が増大するアンチスキッ
ド制御時にだけオリフィス28のしぼり作用が得られる
ようにする。
確保と、通常ブレーキ時の優れた応答性の確保の両立。 【構成】 マスターシリンダ1から主ブレーキ回路Aと
還流回路Bの合流部に至る通路aの途中に、メイン通路
18とオリフィス通路19を有し還流回路Bの液圧が設
定値以上に高まるとメイン通路18側を閉じる弁装置1
3を介装し、還流回路Bの液圧が増大するアンチスキッ
ド制御時にだけオリフィス28のしぼり作用が得られる
ようにする。
Description
【0001】
本考案は自動車の急制動時における車両の方向安定性と、制動距離の短縮を目 的として使用されるアンチスキッドブレーキ装置に関する。
【0002】
一般に、この種のアンチスキッドブレーキ装置は、急制動時等において車輪が スキッドに向かうと、ホイールシリンダ内の液圧の保持、減圧、保持、再増圧と いった動作を繰り返し、車輪が最適なスリップ率を保つように制御している。
【0003】 ここで、従来のアンチスキッドブレーキ装置の一例を図13によって説明する 。尚、同図は、左右の車輪を独立して制御する前輪側のブレーキ回路(図中右側 の回路)と、左右の車輪を同時に制御する後輪側のブレーキ回路(図中左側の回 路)を示したものであるが、前輪側も後輪側も基本的な回路構成は同様であるた め、以下では、後輪側のブレーキ回路についてだけ説明し、前輪側については後 輪側と共通部分に同一符号を付すだけとする。
【0004】 Aは、通常ブレーキ時にマスターシリンダ1からホイールシリンダ2にブレー キ液を供給する主ブレーキ回路であり、Bは、アンチスキッド制御時にホイール シリンダ2のブレーキ液を還流させる還流回路である。主ブレーキ回路Aと還流 回路Bは互いに並列に接続され、各回路A,Bのホイールシリンダ2よりの合流 部近傍には回路A,Bを開閉するための電磁バルブ3,4が介装されている。ま た、還流回路Bにはリザーバ5とポンプ6が介装されていて、アンチスキッド制 御の減圧時に、ホイールシリンダ2のブレーキ液がリザーバ5に流入し、その後 の再増圧に備えてポンプ6によってマスターシリンダ1側に戻されるようになっ ている。さらに、主ブレーキ回路A側の電磁バルブ3にはオリフィス7が設けら れていて、アンチスキッド制御時の緩増圧特性がこのオリフィス7によって確保 されるようになっている。
【0005】 このアンチスキッドブレーキ装置は以上のような構成であるため、図示しない コントロールユニットによるアンチスキッド制御が開始されると、適宜電磁バル ブ3,4に指令信号が送られてホイールシリンダ2の液圧の保持、減圧、保持、 再増圧といった動作が繰り返され、適度なスリップ率を保ったブレーキングが行 われる。
【0006】 尚、この類似構造は、例えば特公昭61−16657号公報や特開昭56−8 2650号公報等に示されている。
【0007】
しかし、上述した従来のアンチスキッドブレーキ装置においては、電磁バルブ 3に設けたオリフィス7によって緩増圧特性を得るようになっているため、図1 3の状態のような通常ブレーキ時にもオリフィス7が作用することとなり、通常 ブレーキ時の応答性を低下させないためのオリフィス7の設定が難しいという不 具合がある。
【0008】 そこで本考案は、アンチスキッド制御時の所望の緩増圧特性の確保と、通常ブ レーキ時の優れた応答性の確保の両立を容易に実現化することが出来るアンチス キッドブレーキ装置を提供しようとするものである。
【0009】
本考案は上述した課題を解決するための一つの手段として、通常ブレーキ時に マスターシリンダからホイールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回路 と、アンチスキッド制御時にホイールシリンダのブレーキ液を還流させる還流回 路とを備え、車輪のスキッド状態に応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れ を制御するアンチスキッドブレーキ装置において、マスターシリンダから前記2 回路の合流部に至る通路の途中に、メイン通路とオリフィス通路を有し、前記還 流回路の液圧が設定値以上に高まると前記メイン通路を閉じる弁装置を介装する ようにした。
【0010】 また、別の手段として、通常ブレーキ時にマスターシリンダからホイールシリ ンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回路と、アンチスキッド制御時にホイー ルシリンダのブレーキ液を還流させる還流回路とを備え、車輪のスキッド状態に 応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れを制御するアンチスキッドブレーキ 装置において、マスターシリンダから前記2回路の合流部に至る通路の途中に、 マスターシリンダの液圧が2回路の合流部の液圧に対して釣り合い状態から微増 したときに主ブレーキ回路の流れに絞り作用を為す絞り手段と、マスターシリン ダの液圧が設定値以下のときに前記絞り手段を解除状態に維持する絞り解除手段 とを設けるようにした。
【0011】 そして、さらに別の手段として、通常ブレーキ時にマスターシリンダからホイ ールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回路と、アンチスキッド制御時 にホイールシリンダのブレーキ液を還流させる還流回路とを備え、車輪のスキッ ド状態に応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れを制御するアンチスキッド ブレーキ装置において、マスターシリンダから前記2回路の合流部に至る通路の 途中に、マスターシリンダの液圧が2回路の合流部の液圧に対して釣り合い状態 から微増したときに主ブレーキ回路の流れに絞り作用を為す絞り手段と、マスタ ーシリンダの液圧とホイールシリンダの液圧の差が設定値以下のときに前記絞り 手段を解除状態に維持する絞り解除手段とを設けるようにした。
【0012】
一つ目の手段の場合、アンチスキッド制御が開始されて還流回路の液圧が設定 値以上に高まると、弁装置がメイン通路側を閉じ、ブレーキ液がオリフィス通路 側だけを通過するようになり、これによって緩増圧特性が得られるようになる。 また、通常ブレーキ時には還流回路の液圧が設定値以下であるため、ブレーキ液 は主にメイン通路を通過するようになる。
【0013】 二つ目の手段の場合、アンチスキッド制御時には、マスターシリンダの液圧が 設定値よりも大きくなっているため、絞り解除手段は作動しない。このため、ア ンチスキッド制御の保持や減圧の状態でマスターシリンダの液圧と2回路の合流 部の液圧が釣り合った後、アンチスキッド制御の再増圧によってマスターシリン ダの液圧が2回路の合流部の液圧に対して微増すると、絞り手段による絞り作用 が働き、緩増圧特性が得られるようになる。また、通常ブレーキのブレーキング 開始時には、マスターシリンダの液圧が設定値以下であるために絞り解除手段が 作用し、絞り手段による絞り作用は働かない。そして、この後ホイールシリンダ の液圧がマスターシリンダの液圧と同圧になるまではマスターシリンダの液圧と 2回路の合流部の液圧が釣り合わないため、絞り手段による絞り作用は働かない 。
【0014】 三つ目の手段の場合、アンチスキッド制御の減圧やその後の保持の状態では、 減圧時にホイールシリンダの液圧が還流回路に逃げる結果としてマスターシリン ダの液圧とホイールシリンダの液圧の差が設定値よりも大きくなっているため、 絞り解除手段は作動しない。このため、アンチスキッド制御の減圧や保持の状態 でマスターシリンダの液圧と2回路の合流部の液圧が釣り合った後、アンチスキ ッド制御の再増圧によってマスターシリンダの液圧が2回路の合流部の液圧に対 して微増すると、絞り手段よる絞り作用が働き、緩増圧特性が得られるようにな る。また、通常ブレーキのブレーキング開始時には、マスターシリンダの液圧と ホイールシリンダの液圧の差が設定値以下であるために絞り解除手段が作用し、 絞り手段による絞り作用は働かない。そして、この後ホイールシリンダの液圧が マスターシリンダの液圧と同圧になるまではマスターシリンダの液圧と2回路の 合流部の液圧は釣り合わないため、絞り手段よる絞り作用は働かない。
【0015】
次に、本考案の実施例について説明する。
【0016】 まず、請求項1に対応する実施例を図1〜図4に基づいて説明する。尚、図3 は前輪側のブレーキ回路を、図4は後輪側のブレーキ回路を示すものであるが、 両ブレーキ回路とも左右の車輪を独立して制御するか、同時に制御するかだけが 異なり、他の基本的な構成は同様であるため、以下では図4に示す後輪側のブレ ーキ回路についてだけ説明し、図3に示す前輪側のブレーキ回路については後輪 側と同一部分に同一符号を付すだけとする。
【0017】 図4において、Aは、通常ブレーキ時にマスターシリンダ1からホイールシリ ンダ2にブレーキ液を供給する主ブレーキ回路、Bは、アンチスキッド制御時に ホイールシリンダ2のブレーキ液を還流させる還流回路、Cは、ブレーキペダル 8を戻した際にホイールシリンダ2のブレーキ液を主ブレーキ回路Aと共にマス ターシリンダ1に戻すバイパス回路である。還流回路Bとバイパス回路Cは主ブ レーキ回路Aに対して並列に接続され、主ブレーキ回路Aと還流回路Bのホイー ルシリンダ2側の合流部近傍には各回路A,Bを開閉するための電磁バルブ3, 4が介装され、バイパス回路Cにはマスターシリンダ1方向に向かうブレーキ液 の流れだけを許容するチェック弁9が介装されている。また、還流回路Bには、 アンチスキッド制御の減圧時にホイールシリンダ2のブレーキ液が流入するリザ ーバ5と、このブレーキ液をマスターシリンダ1方向に送り出して再増圧に備え るためのポンプ6が介装されている。尚、同図中Mはポンプ6を回転させるモー タ、10はポンプ6の前後に介装されたチェック弁、11は車輪Wの回転を検出 するセンサー、12はこのセンサー11の検出信号を受けて電磁バルブ3,4や モータMに指令信号を発するコントロールユニットである。
【0018】 また、マスターシリンダ1から、主ブレーキ回路Aと還流回路Bの(マスター シリンダ1側の)合流部に至る通路aには、本考案の要部をなす弁装置13が介 装されている。この弁装置13は、図1,図2に示すようにケーシング14にマ スターシリンダ側ポート15と、ホイールシリンダ側ポート16と、還流回路側 ポート17と、バイパス回路側ポート57とを備え、マスターシリンダ1からホ イールシリンダ2にブレーキ液を供給する場合にはブレーキ液がポート15から ポート16へと流れ、逆にホイールシリンダ2からマスターシリンダ1にブレー キ液が戻される場合にはブレーキ液がポート16からポート15、或は、ポート 57からポート15へと流れるようになっている。
【0019】 ケーシング14には、メイン通路18とオリフィス通路19を備えた弁本体2 0が摺動自在に収容され、この弁本体20の摺動位置によって主要通路が通路1 8と19のいずれかに切り換えられるようになっている。また、ケーシング14 の内部は弁本体20によって2室に画成されていて、一方の部屋にはマスターシ リンダ側ポート15が連通すると共に弁本体20を他側に付勢するスプリング2 1が収容され、他方の部屋(圧力導入室22と呼ぶ。)には還流回路側ポート1 7が連通している。尚、23は、弁本体20の移動位置を規制して圧力導入室2 2を確保するストッパである。弁本体20の外周面には一対の環状溝24,25 が形成され、さらにこの環状溝24,25の間は弁本体20の一般部よりも僅か に径が小さく形成されてケーシング14の内周面との間で環状オリフィス26を 構成している。一方の環状溝24はメイン通路18と連通すると共にケーシング 14のバイパス回路側ポート57と常時連通し、他方の環状溝25はオリフィス 通路19と連通している。オリフィス通路19には所定径のオリフィス28が設 けられている他にマスターシリンダ1方向へのブレーキ液の流れを阻止しホイー ルシリンダ2方向への流れを許容するチェック弁27が設けられている。
【0020】 このような構成であるため、この実施例のアンチスキッドブレーキ装置は以下 のように動作する。
【0021】 (1)通常ブレーキ時 アンチスキッド制御が開始されておらず、圧力導入室22にポンプ6による還 流回路Bの液圧が導入されないため、弁本体20は、図1に示すようにスプリン グ21の力によって左側方向に変位している。これにより、マスターシリンダ側 ポート15とホイールシリンダ側ポート16はメイン通路18によって連通する こととなる。弁本体20のメイン通路18にはオリフィス等が特に設けられてい ないため、ブレーキペダル8を踏み込んだ際のマスターシリンダ1の液圧は主ブ レーキ回路Aを通して応答性良くホイールシリンダ2に伝達されるようになる。
【0022】 (2)アンチスキッド制御時 アンチスキッド制御の開始と同時にポンプ6が作動するようになり、これによ って還流回路B内の液圧が設定値以上になると、圧力導入室22の液圧がスプリ ング21の力に打ち勝って弁本体20を図2に示すように右側方向に変位させる 。こうして弁本体20が右側方向に変位すると、マスターシリンダ側ポート15 とホイールシリンダ側ポート16は主にオリフィス通路19によって連通するこ ととなる。即ち、この状態においてオリフィス通路19は直接ホイールシリンダ 側ポート16と連通し、メイン通路18は環状オリフィス26を介してホイール シリンダ側ポート16と連通することとなる。
【0023】 ここで、電磁バルブ3,4が共に閉じて所謂保持の状態になると、ポンプ6の 液圧が通路aを通してマスターシリンダ1方向に作用しようとするが、弁装置1 3のホイールシリンダ側ポート16からマスターシリンダ側ポート15に抜けよ うとするブレーキ液は環状オリフィス26を通らざるを得ない(このとき、チェ ック弁27があるために、ブレーキ液はオリフィス通路19を通過することが出 来ない。)ため、実際にはマスターシリンダ1側にほとんど作用しなくなる。こ のため、ブレーキペダル8のキックバック等の問題は起こらなくなる。
【0024】 また、上記保持の状態から電磁バルブ3が開いて所謂再増圧の状態になると、 ブレーキ液がホイールシリンダ2に再び流れ込み始めるのに伴ってマスターシリ ンダ1側から主ブレーキ回路Aにブレーキ液が僅かに流れ込むようになるが、マ スターシリンダ側ポート15からホイールシリンダ側ポート16に抜けようとす るブレーキ液は、オリフィス28、或は、環状オリフィス26を通らざるを得な い(オリフィス通路19を通過しようとするブレーキ液は必ずオリフィス28を 通過し、メイン通路18を通過しようとするブレーキ液は必ず環状オリフィス2 6を通過する。)ため、このオリフィス28と環状オリフィス26とによって所 望の緩増圧特性が得られるようになり、また、運転者はブレーキペダル8の踏み 込みに際してポンプ6の液圧によるペダルリアクションを受けなくなる。
【0025】 尚、この実施例においては、弁装置13の内部に環状オリフィス26を設け、 これによってポンプ6の脈圧を緩和するようにしているため、脈圧緩和のために 還流回路Bにアキュムレータ等を介装するのに比較すると製造コストが低下する 。
【0026】 つづいて、請求項2に対応する実施例を図5〜図8に基づいて説明する。尚、 図1〜図4に示した上記実施例と同一部分には同一符号を用い、重複する部分の 説明は省略するものとする。
【0027】 図8に示すように、この実施例のアンチスキッドブレーキ装置は、マスターシ リンダ1から主ブレーキ回路Aと還流回路Bの合流部に至る通路aの途中に弁装 置33を介装している。
【0028】 弁装置33は、図5〜図7に示すようにケーシング34にマスターシリンダ側 ポート35と、回路側ポート36と、大気ポート37とを備えると共に、その内 部に第1プランジャ38と第2プランジャ39が摺動自在に収容されている。第 1プランジャ38はポート35と37の間に設けられ、ケーシング34の内部を 、マスターシリンダ1側の液圧が導入される第1液圧室40と、大気が導入され る大気室41とに画成している。これに対し第2プランジャ39はポート35と 36の間に設けられ、ケーシング34の内部を、前記第1液圧室40と、第2液 圧室42とに画成している。大気室41にはスプリング43が、第2液圧室42 にはスプリング44が夫々内装されており、大気室41側のスプリング43は第 2液圧室42側のスプリング44よりもばね反力が大きくなるように設定され、 第1液圧室40の圧力が設定値に達しない状態で第1プランジャ38が第2プラ ンジャ39を図中右側方向に押圧するようになっている。尚、45は、第2プラ ンジャ39の図中右側方向の変位を規制するストッパであり、46は、前記回路 側ポート36が第2プランジャ39の側面に所定幅をもって臨むようにケーシン グ34の内周面に形成された環状溝である。
【0029】 第2プランジャ39の第1液圧室40側の外周面にはテーパ状の切欠き47が 形成されている。この切欠き47は、第2プランジャ39が図中右側に位置され ているときにだけ第1液圧室40と環状溝46とを連通させるように形成されて いる。第2プランジャ39には環状溝46と第2液圧室42とを連通させる通路 48と、環状溝46と第1液圧室40とを連通させる通路49が形成されており 、通路48の途中には液体の通過時に絞り作用を為すオリフィス50が形成され ている。また、通路49には環状溝46から第1液圧室40方向への(戻り方向 の)ブレーキ液の流れだけを許容するチェック弁51が設けられている。
【0030】 さらに、第1プランジャ38の第2プランジャ39と当接する端面には切欠き 通路52が形成され、第1プランジャ38と第2プランジャ39が互いに当接し た状態においても通路49と第1液圧室40がこの切欠き通路52を通して連通 するようになっている。尚、この実施例の場合、第2プランジャ39、スプリン グ44、第1液圧室40、第2液圧室42が請求項2の考案における絞り手段を 構成し、第1プランジャ38、スプリング43、第1液圧室40、大気室41が 絞り解除手段を構成している。
【0031】 このような構成であるため、この実施例のアンチスキッドブレーキ装置は以下 のように動作する。
【0032】 (1)通常ブレーキ時 ブレーキペダル8が踏み込まれない状態においては、第1液圧室40に液圧が 作用していないため、図5に示すように、第1プランジャ38はスプリング43 に押圧され、また、第2プランジャ39はこの第1プランジャ38に押圧され、 両者共に図中右側方向に位置している。この状態において、第1液圧室40と環 状溝46は切欠き47によって連通している。つまり、オリフィス50による絞 り作用が働かない状態に維持されている。
【0033】 この状態からブレーキペダル8が踏み込まれると、マスターシリンダ1の液圧 が第1液圧室40に導入され、第1プランジャ38はこの液圧によって押圧され 、図6に示すようにスプリング43の弾発力に抗して左側方向に位置されるよう になる。このとき、マスターシリンダ1側の液圧と2回路A、Bの合流部の液圧 に差が生じる(マスターシリンダ1側の方が大きい。)ため、この後、ブレーキ 液は、第1プランジャ38を図6の状態に維持したまま、第1液圧室40から切 欠き47を通って環状溝46に抜けるようになる。そして、このブレーキ液は回 路側ポート36から主ブレーキ回路Aを通ってホイールシリンダ2に供給される 。また、ブレーキング後期(ブレーキペダル8を踏んでからしばらく経った後。 )においては、マスターシリンダ1側の液圧と2回路A、Bの合流部の液圧に差 がなくなるため、第2プランジャ39の第1液圧室40側の端面に作用する液圧 と第2液圧室42側の端面に作用する液圧が釣り合い、第2プランジャ39がス プリング44の力によって図7に示すように左側方向に移動し、切欠き47によ る第1液圧室40と環状溝46の連通が遮断されるようになる。
【0034】 また、この状態からブレーキペダル8が戻されると、ホイールシリンダ2側の ブレーキ液は環状溝46からチェック弁51を開き通路49を経て第1液圧室4 0に抜け、また、第2プランジャ39が図中右側方向に移動した後には環状溝4 6から切欠き47を経て第1液圧室40に抜け、第1液圧室40からマスターシ リンダ1に戻される。
【0035】 (2)アンチスキッド制御時 アンチスキッド制御の保持や減圧の状態においては、電磁バルブ3が主ブレー キ回路Aを閉じるため、弁装置33を挟んでマスターシリンダ1側と2回路A、 Bの合流部側の液圧が釣り合った状態となっていて、しかも、マスターシリンダ 1の液圧がスプリング43の弾発力に打ち勝つだけの充分に大きな値となってい る。このため、弁装置33の内部において第1,第2プランジャ38,39は図 7に示すように共に左方向に移動した状態、つまり、オリフィス50による絞り 作用が働く状態となっている。
【0036】 そして、この状態からアンチスキッド制御の再増圧が開始されると、電磁バル ブ3が主ブレーキ回路Aを開いて2回路A、Bのブレーキ液がホイールシリンダ 2に流れ込むため、弁装置33のマスターシリンダ側ポート35と回路側ポート 36の間に僅かな圧力差が生じる。すると、ブレーキペダル8の踏み込み量が増 加してマスターシリンダ1側から2回路A、Bの合流部にブレーキ液が流入する ようになるが、このとき、第1液圧室40のブレーキ液は環状溝46に供給され ず、これに代わってマスターシリンダ1からの液圧によって第2プランジャ39 が図中右方向に移動するにしたがい、第2液圧室42のブレーキ液がオリフィス 50、通路48を経て環状溝46に供給される。このとき、環状溝46に流入す るブレーキ液がオリフィス50を通過するため、このオリフィス50によるしぼ り作用が得られるようになる。
【0037】 このアンチスキッドブレーキ装置の場合、アンチスキッド制御時にだけオリフ ィス50によるしぼり作用が得られるため、アンチスキッド制御時の所望の緩増 圧特性の確保と、通常ブレーキ時の優れた応答性の確保が可能になる。
【0038】 さらにつづいて、請求項3に対応する実施例を図9〜図12に基づいて説明す る。尚、図5〜図8に示した上記実施例と同一部分には同一符号を用い、重複す る部分の説明は省略するものとする。
【0039】 図12に示すように、この実施例のアンチスキッドブレーキ装置は、マスター シリンダ1から主ブレーキ回路Aと還流回路Bの合流部に至る通路aの途中に弁 装置53を介装している。
【0040】 弁装置53は、上記実施例の弁装置33(図5〜図7参照。)と基本的な構成 はほぼ同様であるが、上記弁装置33ではケーシング34の一端側に大気ポート 37を設けて、第1プランジャ38の一方の端面にスプリング43の弾発力と大 気圧が作用するようにしていたのに対し、ケーシング34の一端側にホイールシ リンダ2の液圧を導入するパイロットポート58を設けて、第1プランジャ38 の一方の端面にスプリング43の弾発力とホイールシリンダ2の液圧が作用する ようにした点が異なっている。したがって、上記弁装置33の場合には、マスタ ーシリンダ1の液圧と2回路A、Bの合流部の液圧が釣り合い、かつ、マスター シリンダ1の液圧の絶対値がスプリング43の弾発力に打ち勝つだけの大きさで あるときに、第1プランジャ38と第2プランジャ39が図中左方向に移動した が、この弁装置53の場合には、マスターシリンダ1の液圧と2回路A、Bの合 流部の液圧が釣り合い、かつ、マスターシリンダ1の液圧とホイールシリンダ2 の液圧の差がスプリング43の弾発力に打ち勝つだけの大きさであるときに、第 1プランジャ38と第2プランジャ39が図中左方向に移動するようになってい る。尚、図中54は、第1プランジャ38によってケーシング34の一端側に画 成された第3液圧室であり、Dは、ホイールシリンダ2とパイロットポート58 を接続するパイロット通路である。尚、この実施例においては、第2プランジャ 39、スプリング44、第1液圧室40、第2液圧室42が請求項3の考案にお ける絞り手段を構成し、第1プランジャ38、スプリング43、第1液圧室40 、第3液圧室54が絞り解除手段を構成している。
【0041】 このような構成であるため、この実施例のアンチスキッドブレーキ装置は以下 のように動作する。
【0042】 (1)通常ブレーキ時 ブレーキペダル8が踏み込まれない状態においては、図9に示すように、第1 プランジャ38と第2プランジャ39は図中右側方向に位置し、第1液圧室40 と環状溝46は切欠き47によって連通している。
【0043】 この状態からブレーキペダル8が踏み込まれると、マスターシリンダ1と2回 路A、Bの液圧の差と、マスターシリンダ1とホイールシリンダ2の液圧の差が 共に大きくなるため、第1プランジャ38が図10に示すようにスプリング43 の弾発力とホイールシリンダ2の液圧に抗して左方向に移動すると共に、マスタ ーシリンダ側ポート35から第1液圧室40に流入したブレーキ液が切欠き47 を通って環状溝46に抜け、さらに回路側ポート36から主ブレーキ回路Aを通 ってホイールシリンダ2に供給される。そして、ブレーキング後期には、マスタ ーシリンダ1の液圧とホイールシリンダ2の液圧の差が無くなるため、第1プラ ンジャ38が図9に示すように再び右側方向に戻されるようになる。
【0044】 また、この状態からブレーキペダル8が戻されると、ホイールシリンダ2側の ブレーキ液は環状溝46から通路49と切欠き47を通って第1液圧室40に抜 け、第1液圧室40からマスターシリンダ1に戻される。
【0045】 (2)アンチスキッド制御時 アンチスキッド制御の減圧時には、ホイールシリンダ2のブレーキ液が還流回 路B側に流れてマスターシリンダ1の液圧とホイールシリンダ2の液圧の差がス プリング43の弾発力に打ち勝つだけの大きさになるために、弁装置53の第1 プランジャ38は図11に示すように左方向に移動し、また、このとき、電磁バ ルブ3が主ブレーキ回路Aを閉じてマスターシリンダ1と2回路A、Bの合流部 の液圧が釣り合っているために、第2プランジャ39はスプリング44の力によ って左方向に移動する。このため、弁装置53は、切欠き47による第1液圧室 40と環状溝46の連通が遮断され、オリフィス50による絞り作用が働く状態 となる。
【0046】 そして、この状態からアンチスキッド制御の再増圧が開始されると、電磁バル ブ3が主ブレーキ回路Aを開いて、主ブレーキ回路Aのブレーキ液がホイールシ リンダ2に流れ込むため、弁装置53のマスターシリンダ側ポート35と回路側 ポート36の間に僅かな圧力差が生じる。すると、ブレーキペダル8の踏み込み 量の増大に伴って第2プランジャ39が図中右方向に移動し、その結果、第2液 圧室42のブレーキ液が通路48のオリフィス50を通過して環状溝46に流入 する。そして、環状溝46に流入したブレーキ液は回路側ポート36を経て主ブ レーキ回路Aに供給される。このようにアンチスキッド制御の再増圧時には、ブ レーキ液がオリフィス50を通過するため、オリフィス50による絞り作用が得 られる。
【0047】 以上のように、このアンチスキッドブレーキ装置の場合にも、アンチスキッド 制御時にだけオリフィス50による絞り作用が得られるため、アンチスキッド制 御時の所望の緩増圧特性の確保と、通常ブレーキ時の優れた応答性の確保が可能 になる。また、特にこのアンチスキッドブレーキ装置の場合、第1プランジャ3 8が図中左方向に移動する際に、第3液圧室54の容積が減少する分のブレーキ 液がパイロットポート58とパイロット通路Dを通してホイールシリンダ2に供 給されるため、ブレーキペダル8の踏み込みに対するホイールシリンダ2の応答 性が良いという利点もある。
【0048】
以上のように本考案の請求項1に対応するものは、マスターシリンダから主ブ レーキ回路と還流回路の合流部に至る通路の途中に、メイン通路とオリフィス通 路を有し、還流回路の液圧が設定値以上に高まるとメイン通路側を閉じる弁装置 を介装したため、還流回路の液圧が増大するアンチスキッド制御時にだけオリフ ィス通路のしぼり作用が得られるようになる。
【0049】 また、本考案の請求項2に対応するものは、マスターシリンダから主ブレーキ 回路と還流回路の合流部に至る通路の途中に、マスターシリンダの液圧が2回路 の合流部の液圧に対して釣り合い状態から微増したときに主ブレーキ回路の流れ に絞り作用を為す絞り手段と、マスターシリンダの液圧が設定値以下のときに絞 り手段を解除状態に維持する絞り解除手段とを設けるようにしたため、アンチス キッド制御の保持或は減圧の状態から再増圧の状態に変化した場合にだけオリフ ィス通路のしぼり作用が得られるようになる。
【0050】 さらに、本考案の請求項3に対応するものは、マスターシリンダの液圧が2回 路の合流部の液圧に対して釣り合い状態から微増したときに主ブレーキ回路の流 れに絞り作用を為す絞り手段と、マスターシリンダの液圧とホイールシリンダの 液圧の差が設定値以下のときに絞り手段を解除状態に維持する絞り解除手段とを 設けるようにしたため、アンチスキッド制御の減圧、或は、その後の保持の状態 から再増圧の状態に変化した場合にだけオリフィスの絞り作用が得られるように なる。
【0051】 このため、本考案は請求項1,2、3のいずれのものもアンチスキッド制御時 の確実な緩増圧特性の確保と通常ブレーキ時の優れた応答性の確保の両立が可能 になる。
【図1】本考案の請求項1に対応する実施例を示す断面
図。
図。
【図2】同実施例を示す断面図。
【図3】同実施例を示す回路図。
【図4】同実施例を示す回路図。
【図5】本考案の請求項2に対応する実施例を示す断面
図。
図。
【図6】同実施例を示す断面図。
【図7】同実施例を示す断面図。
【図8】同実施例を示す回路図。
【図9】本考案の請求項3に対応する実施例を示す断面
図
図
【図10】同実施例を示す断面図。
【図11】同実施例を示す断面図。
【図12】同実施例を示す回路図。
【図13】従来の技術を示す回路図。
1…マスターシリンダ、 2…ホイールシリンダ、 13…弁装置、 18…メイン通路、 19…オリフィス通路、 A…主ブレーキ回路、 B…還流回路、 a…通路、 38…第1プランジャ(絞り解除手段)、 39…第2プランジャ(絞り手段)、 40…第1液圧室(絞り手段、絞り解除手段)、 41…大気室(絞り解除手段)、 42…第2液圧室(絞り手段)、 43…スプリング(絞り解除手段)、 44…スプリング(絞り手段)、 54…第3液圧室(絞り解除手段)。
Claims (3)
- 【請求項1】 通常ブレーキ時にマスターシリンダから
ホイールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回
路と、アンチスキッド制御時にホイールシリンダのブレ
ーキ液を還流させる還流回路とを備え、車輪のスキッド
状態に応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れを制
御するアンチスキッドブレーキ装置において、マスター
シリンダから前記2回路の合流部に至る通路の途中に、
メイン通路とオリフィス通路を有し、前記還流回路の液
圧が設定値以上に高まると前記メイン通路を閉じる弁装
置を介装したことを特徴とするアンチスキッドブレーキ
装置。 - 【請求項2】 通常ブレーキ時にマスターシリンダから
ホイールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回
路と、アンチスキッド制御時にホイールシリンダのブレ
ーキ液を還流させる還流回路とを備え、車輪のスキッド
状態に応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れを制
御するアンチスキッドブレーキ装置において、マスター
シリンダから前記2回路の合流部に至る通路の途中に、
マスターシリンダの液圧が2回路の合流部の液圧に対し
て釣り合い状態から微増したときに主ブレーキ回路の流
れに絞り作用を為す絞り手段と、マスターシリンダの液
圧が設定値以下のときに前記絞り手段を解除状態に維持
する絞り解除手段とを設けたことを特徴とするアンチス
キッドブレーキ装置。 - 【請求項3】 通常ブレーキ時にマスターシリンダから
ホイールシリンダにブレーキ液を供給する主ブレーキ回
路と、アンチスキッド制御時にホイールシリンダのブレ
ーキ液を還流させる還流回路とを備え、車輪のスキッド
状態に応じて前記主ブレーキ回路と還流回路の流れを制
御するアンチスキッドブレーキ装置において、マスター
シリンダから前記2回路の合流部に至る通路の途中に、
マスターシリンダの液圧が2回路の合流部の液圧に対し
て釣り合い状態から微増したときに主ブレーキ回路の流
れに絞り作用を為す絞り手段と、マスターシリンダの液
圧とホイールシリンダの液圧の差が設定値以下のときに
前記絞り手段を解除状態に維持する絞り解除手段とを設
けたことを特徴とするアンチスキッドブレーキ装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992036380U JP2590386Y2 (ja) | 1991-05-31 | 1992-05-29 | アンチスキッドブレーキ装置 |
| US08/068,673 US5374113A (en) | 1992-05-29 | 1993-05-28 | Anti-skid brake control system |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4048291 | 1991-05-31 | ||
| JP3-40482 | 1991-05-31 | ||
| JP1992036380U JP2590386Y2 (ja) | 1991-05-31 | 1992-05-29 | アンチスキッドブレーキ装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0512347U true JPH0512347U (ja) | 1993-02-19 |
| JP2590386Y2 JP2590386Y2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=26375423
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1992036380U Expired - Lifetime JP2590386Y2 (ja) | 1991-05-31 | 1992-05-29 | アンチスキッドブレーキ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2590386Y2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS49110991U (ja) * | 1973-01-19 | 1974-09-21 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62286868A (ja) * | 1986-06-06 | 1987-12-12 | Tokico Ltd | スキツド防止装置 |
| JPH01168552A (ja) * | 1987-12-24 | 1989-07-04 | Atsugi Motor Parts Co Ltd | アンチスキッドブレーキ装置 |
| JPH0295956A (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アンチロック用モジュレータ |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP1992036380U patent/JP2590386Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62286868A (ja) * | 1986-06-06 | 1987-12-12 | Tokico Ltd | スキツド防止装置 |
| JPH01168552A (ja) * | 1987-12-24 | 1989-07-04 | Atsugi Motor Parts Co Ltd | アンチスキッドブレーキ装置 |
| JPH0295956A (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | アンチロック用モジュレータ |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS49110991U (ja) * | 1973-01-19 | 1974-09-21 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2590386Y2 (ja) | 1999-02-10 |
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