JPH0522657B2 - - Google Patents

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JPH0522657B2
JPH0522657B2 JP62076307A JP7630787A JPH0522657B2 JP H0522657 B2 JPH0522657 B2 JP H0522657B2 JP 62076307 A JP62076307 A JP 62076307A JP 7630787 A JP7630787 A JP 7630787A JP H0522657 B2 JPH0522657 B2 JP H0522657B2
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Masashi Tada
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、膜積層側可視光反射率を低下させ、
かつ可視光透過率を任意の値に設定できる熱線反
射ガラス、特に膜積層側からの可視光反射率が20
%以下の低反射性の熱線反射ガラスに関するもの
である。
[従来の技術] 建築用窓ガラスは、近年意匠性と快適性のため
に開口部が拡大する傾向にある。それに伴い、太
陽光の侵入量が多くなり、室内の冷房負荷が大き
くなつてきた。この負荷を減少させるために熱線
反射ガラスを用いることが多くなつている。熱線
反射ガラスとしては、金属単体、各種窒化物膜、
炭化物膜、酸化物膜、及びそれらのある組合せが
知られているが、熱線反射性能に対応して、可視
光反射率も高くなつている。たとえば、クロムの
半透明膜をガラスにコーテイングすることにより
熱線反射性能を持たせた場合、可視光も反射し、
かつガラス基板両側で同程度の反射が生じる。し
たがつて従来の熱線反射膜は熱線反射性能の向上
とともにガラス基板両側で反射が高くなり、夜間
室内にいるものからは、ガラスがミラー状にな
り、室内の物が反射して映るという欠点を持つて
いた。
又、窒化チタンは耐久性と熱線反射性能が高く
熱線反射ガラス用の熱線反射性膜として適してい
るがこれを単層膜を用いた場合でも、熱線反射性
能を向上させるためには、窒化チタン膜厚を増加
させるという必要があるが、可視光反射率も同時
に上昇し、さらに内部応力が大きくなるので耐久
性も低下するという欠点があつた。
[発明の解決しようとする問題点] 従来の熱線反射ガラスとして知られているクロ
ム単体、窒化チタン単層膜等では、熱線反射性能
の向上とともに、室内側(膜側)で可視光反射率
が高く、例えば30%以上となり夜間太陽光がない
場合には、室内灯の光により、室内の物体が熱線
反射ガラスにより反射し、居住性が悪くなるとい
う欠点を持つていた。また、熱線反射性能は、膜
厚を厚くすることで達せられるが、同時に、膜の
内部応力が増加し、耐久性が低下するという欠点
を持つていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされた
ものであり、ガラス基板上に形成する熱線反射膜
の膜構成を3層とし、基板側から金属膜、窒化
膜、酸化膜を順次積層することにより、熱線反射
性能を維持したまま、膜側可視光平均反射率を20
%以下に低下させることができ、かつ、耐久性の
向上がはかられるようにしたものである。
本発明の熱線反射ガラスの構成は、第1図に示
す様にガラス基板11の上に基板11側から金属
膜12、窒化物膜13及び酸化物膜14の3層が
積層されてなつている。なお、本発明の特徴は上
記した3層構成にあるものであるが場合によつて
は、かかる3層膜の光学性能に実質的な影響を及
ぼさない範囲で、この3層膜の上層として、ある
いは下層として1層ないし複数層の各種機能を有
する膜を形成してもよい。
本発明において使用されるガラス基板として
は、各種ガラスからなる基板が使用されるが通常
はソーダライム・シリケートガラスからなる普通
板ガラスやフロート板ガラスであり、無色透明で
あつても着色透明であつてもよい。
第1層としての金属膜にはCr,Ti,Zr,Hf,
Ta,Ni,Mo,Nb,W,Si又はこれらの合金、
又はステンレス(SUS)からなるものである。
その厚さはそれぞれの材料、又は要求される可視
光透過率、熱線反射性能等にもよるが通常20Å〜
100Åの範囲が適当である。中でも、クロムやス
テンレスはガラス基板及び第2層の窒化膜との密
着性が良好で、かつ耐久性の高い膜が得られるの
で最適である。ステンレス膜を使用すればコスト
ダウンを図ることができる。
第2層としての窒化物膜は、熱線反射性能と膜
の固さを保つ役割を持つものであり、その膜材料
としてはTi,Zr,Ta,Hf,Crの窒化物、あるい
はこれらの複合窒化物が用いられる。その膜厚と
しては、要求される熱線反射性能、可視光透過率
にもよるが通常200Å〜550Åの範囲が適当であ
る。中でも窒化物膜としては製膜の容易さ、耐久
性、熱反性能などの点から窒化チタン又は窒化ジ
ルコニウムが最適である。
第3層としての酸化物膜は、熱線反射性能の耐
久性を向上させる保護膜として、かつ可視光反射
率を20%以下に下げる膜として働きをするもので
あり、その膜材料としては、Ti,Cr,Zr,Si,
Al,Hf,Ta,Nbなどの酸化物あるいはこれら
の複合酸化物が用いられる。その膜厚としては、
充分な保護機能と可視光の反射率低減作用が発揮
される様に100Å〜500Åの膜厚が最適であ。中で
も酸化物膜としては製膜の容易さ、耐久性、反射
防止性能などの点から酸化チタンが最適である。
この酸化物膜の厚さを変えることで、低反射率化
する程度を、例えば、10〜20%の範囲で変えるこ
とが可能である。次に本発明の代表的な熱線反射
膜構成のいくつかについて例示する。
(1) 酸化チタン/窒化チタン/クロム/ガラス板
厚さ(120Å)(510Å)(100Å)(3mm) (2) 酸化チタン/窒化チタン/ステンレス/ガラ
ス板厚さ(150Å)(550Å)(80Å)(3mm) (3) 酸化チタン/窒化チタン/ステンレス/ガラ
ス板厚さ(450Å)(250Å)(20Å)(3mm) 本発明において、金属膜、窒化物膜及び酸化物
膜を形成する方法としては、スパツタリング法、
真空蒸着法、イオンプレーテイング法などの物理
蒸着法が採用される。中でも、窒化物膜は成膜速
度、膜質の安定性の理由により反応性スパツタリ
ングの方法が最適である。
[作用] 本発明の構成は、各層の膜厚を特定の範囲内と
し、主に上述のような役割を持たせたことによ
り、熱線反射性能を維持しつつ、可視光反射率を
低減し、さらに耐久性を向上させたことを特徴と
する。また、この場合に第2層の窒化物膜、第3
層の酸化物膜層の厚さ及び材料を変えることで、
膜側表面の可視光反射率を変えずに、分光特性を
変えることが出来、見た目に好ましい色合を与え
ることにより、より高付加価値にすることが可能
である。
[実施例] 以下に本発明の実施例について説明する。
実施例 1 板厚3mmの30cm角のフロートガラス基板(ソー
ダライムシリケートガラス)を用意し、これを充
分に洗浄し、乾燥させた後、RFマグネトロンス
パツター装置の真空室に入れ、真空室内を1×
10-5Torrまで減圧した後、アルゴンガスを導入
し、2×10-3Torrとし、このアルゴン雰囲気中
でCrをターゲツトとして2KVのターゲツト電圧
でRFスパツターを行なつて上記ガラス板上に第
1層としての20ű5%の膜厚のCr膜を形成し
た。次いでこの真空室内を1×10-5Torrまで減
圧した後、N2ガスを導入し2×10-3Torrとし、
このN2ガス雰囲気中でTiをターゲツトとして
3KVのターゲツト電圧でRFスパツターを行なつ
て上記クロム膜上に第2層として230ű5%の
膜厚の窒化チタン膜を形成した。その後、この真
空室内を1×10-5Torrまで減圧した後、O2ガス
を導入し、2×10-3Torrとし、このO2ガス雰囲
気中でTiをターゲツトとして3KVのターゲツト
電圧でRFスパツターを行なつて上記窒化チタン
膜上に第3層として500ű5%の膜厚の酸化チ
タン膜を形成した。なお、クロム膜、窒化チタン
膜、酸化チタン膜の製膜時、ガラス基板の加熱は
行なわなかつた。この様にして得られた3層膜の
形成された熱線反射ガラスの可視光平均透過率は
40%、可視光平均反射率は9%で、その分光特性
(波長に対する反射率の特性)を測定した結果を
第2図の曲線A(可視光反射率曲線)に示す。
なお、第2図の曲線B(可視光反射率曲線)は、
同上の方法により80Å厚のクロム膜、480Å厚の
窒化チタン膜、140Å厚の酸化チタン膜を順次同
上のガラス基板に形成した熱線反射ガラスの分光
特性を測定したものである。
上記した熱線反射膜の各種の実測した屈折率を
もとに計算機シユミレーシヨンにより、各層の膜
厚を計算しても可視光透過率は10%〜40%まで任
意の値にすることが可能であることが認められ
る。第3層の酸化物膜は膜面側からの入射光に対
して保護膜としての役割とともに、可視光反射低
下の役割ももつているため、この膜厚を変化させ
ることにより、可視光反射率を必要に応じて10%
〜20%の範囲にすることができる。
実施例 2 板厚3mmの30cm角のフロートガラス基板(ソー
ダライムシリケートガラス)を用意し、これを充
分に洗浄し、乾燥させた後、RFマグネトロンス
パツター装置の真空室に入れ、真空室内を1×
10-5Torrまで減圧した後、アルゴンガスを導入
し、2×10-3Torrとし、このアルゴン雰囲気中
でSUSをターゲツトとして2.4KVのターゲツト電
圧でRFスパツターを行なつて上記ガラス板上に
第1層としての20ű5%の膜厚のステンレス膜
を形成した。次いでこの真空室内を1×
10-5Torrまで減圧した後、N2ガスを導入し2×
10-3Torrとし、このN2ガス雰囲気中でTiをター
ゲツトとして3KVのターゲツト電圧でRFスパツ
ターを行なつて上記ステンレス膜上に第2層とし
て250ű5%の膜厚の窒化チタン膜を形成した。
その後、この真空室内を1×10-5Torrまで減圧
した後、O2ガスを導入し2×10-3Torrとし、こ
のO2ガス雰囲気中でTiをターゲツトとして3KV
のターゲツト電圧でRFスパツターを行なつて上
記窒化チタン膜上に第3層として450ű5%の
膜厚の酸化チタン膜を形成した。なお、ステンレ
ス膜、窒化チタン膜、酸化チタン膜の製膜時、ガ
ラス基板の加熱は行なわなかつた。
この様にして得られた3層膜の形成された熱線
反射ガラスの可視光平均透過率は10%、可視光平
均反射率は13%で、その分光特性(波長に対する
反射率の特性)を測定した結果を第2図の曲線C
(可視光反射率曲線)に示す。
なお、第2図の曲線D(可視光反射率曲線)は、
同上の方法により80Å厚のステンレス膜、500Å
厚の窒化チタン膜、150Å厚の酸化チタン膜を順
次同上のガラス基板に形成した熱線反射ガラスの
分光特性を測定したものである。
比較例 1 板厚3mmの30cm角のフロートガラス基板(ソー
ダライムシリケートガラス)を用意し、これを充
分に洗浄し、乾燥させた後、RFマグネトロンス
パツター装置の真空室に入れ、真空室内を1×
10-5Torrまで減圧した後、Arガスを導入し、2
×10-3Torrとし、このArガス雰囲気中でCrをタ
ーゲツトとして2KVのターゲツト電圧でRFスパ
ツターを行なつて上記ガラス基板上に150ű5
%の膜厚のクロム膜を形成した。なお、クロム膜
の製膜時、ガラス基板の加熱は行なわなかつた。
この様にして得られた単層熱線反射膜の形成さ
れた熱線反射ガラスの分光特性(波長に対する反
射率の特性)を測定した結果を第3図の曲線E
(可視光反射率曲線)に示す。
なお、第3図の曲線F(可視光反射率曲線)は、
同上の方法により80Å厚のクロム膜を同上のガラ
ス基板に形成した熱線反射ガラスの分光特性を測
定したものである。
比較例 2 板厚3mmの30cm角のフロートガラス基板(ソー
ダライムシリケートガラス)を用意し、これを充
分に洗浄し、乾燥させた後、RFマグネトロンス
パツター装置の真空室に入れ、真空室内を1×
10-5Torrまで減圧した後、N2ガスを導入し、2
×10-3Torrとし、このN2ガス雰囲気中でTiをタ
ーゲツトとして3KVのターゲツト電圧でRFスパ
ツターを行なつて上記ガラス基板上に750ű5
%の膜厚の窒化チタン膜を形成した。なお、窒化
チタン膜の製膜時、ガラス基板の加熱は行なわな
かつた。
この様にして得られた単層熱線反射の形成され
た熱線反射ガラスの分光特性(波長に対する反射
率の特性)を測定した結果を第3図の曲線G(可
視光反射率曲線)に示す。
なお、第3図の曲線H(可視光反射率曲線)は、
同上の方法により180Å厚の窒化チタン膜を同上
のガラス基板に形成した熱線反射ガラスの分光特
性を測定したものである。
上記した実施例及び比較例から認められる様
に、同程度の可視光透過率を持つ従来の熱線反射
ガラスでは、たとえば比較例1に示した様にクロ
ムからなる半透明金属膜を用いた場合、曲線E,
Fに示すように、熱線反射特性はやや低く、可視
光反射率が高いことが判る。この場合には、昼間
の可視光反射も高いが、夜間ではミラー化による
反射がきわめて高くなり、目ざわりとなる。ま
た、比較例2に関する第3図の曲線G,Hに示す
ように、窒化チタン単層膜の場合でも近赤外域か
ら可視光側になるに従つて、ゆるやかに下がつて
いるが、まだ高めであり、夜間のミラー化が生
じ、室内側では不快感を与えることになる。これ
に対し、本発明の熱線反射ガラスは第2図に示す
分光特性で明らかなように、350〜750nmの可視
域での室内側反射率が小さく、夜間のミラー化が
十分抑制されている。また、この構成では、金属
膜厚を主として調整することにより、可視光透過
率を任意に変えることが可能となる。
[発明の効果] 本発明によれば、フロートガラス基板上に金属
膜、窒化物膜、酸化物膜を順次、積層する構成に
より、室内側の可視光反射率を10〜20%の範囲に
抑制し、夜間の窓ガラスのミラー化を低減させ、
居住性を改善することができる。更に、本発明に
よれば、金属膜の厚さを主として変化させること
により、熱線反射性能を損なうことなく用途、目
的に応じて、任意の可視光透過率にすることが可
能となる。更に、最表面に酸化物膜を積層する構
成により、耐久性を向上することが可能となる。
11……ガラス基板、12……金属膜、13…
…窒化物膜、14……酸化物膜。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱線反射ガラス断面図であ
る。第2図は、本発明の実施例1,2の熱線反射
ガラスの分光特性を示す図面である。第3図は、
比較例1,2の熱線反射ガラスの分光特性を示す
図面である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ガラス基板表面に基板側から順に金属膜、窒
    化物膜及び酸化物膜が積層して形成されてなる熱
    線反射ガラスであつて、上記金属膜は20Å以上
    100Å以下、窒化物膜は200Å以上550Å以下、酸
    化物膜は100Å以上500Å以下の各範囲内で、かか
    る熱線反射ガラスの膜側表面の可視光反射率が20
    %以下となる膜厚で形成されており、かつ、金属
    膜の材質がCr,Ti,Zr,Hf,Ta,Ni,Mo,
    Nb,W,Si、及びこれらの合金、並びにステン
    レスの群から選ばれたものであることを特徴とす
    る熱線反射ガラス。 2 窒化物膜の材質がTi,Zr,Ta,Hf,Crの窒
    化物及びこれらの複合窒化物の群から選ばれたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の熱線反射ガラス。 3 酸化物膜の材質がTi,Cr,Zr,Si,Al,
    Hf,Ta,Nbの酸化物及びこれらの複合酸化物
    の群から選ばれたものであることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の熱線反射ガラス。 4 ガラス基板表面にクロム膜、窒化チタン膜及
    び酸化チタン膜が順次積層して形成されてなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱線
    反射ガラス。 5 ガラス基板表面にステンレス膜、窒化チタン
    膜及び酸化チタン膜が順次積層して形成されてな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    熱線反射ガラス。
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