JPH05290322A - 浮上式磁気ヘッド - Google Patents

浮上式磁気ヘッド

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JPH05290322A
JPH05290322A JP11309192A JP11309192A JPH05290322A JP H05290322 A JPH05290322 A JP H05290322A JP 11309192 A JP11309192 A JP 11309192A JP 11309192 A JP11309192 A JP 11309192A JP H05290322 A JPH05290322 A JP H05290322A
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silicon oxide
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秀治 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮上式磁気ヘッドの磁気記録媒体対後面側に
磁気ギャップとモ−ルドガラスの界面近傍に発生するマ
イクロクラックの進展を防止する。 【構成】 一対のコア片21,21’の双方のコア片の
磁気ギャップ突合せ面に形成された金属磁性薄膜25,
25’と磁気ギャップとを有する両膜構造の磁気ヘッド
コアが、非磁性のスライダ−のエアベアリングに設けら
れたスリット内に、モ−ルドガラスにより固定されたコ
ンポジット型の浮上式磁気ヘッドであって、磁気記録媒
体対向面側の非磁性材で構成された磁気ギャップは、ト
ラック幅中央部からトラック幅端部の近傍には、酸化珪
素膜23,23’を有する非磁性層を、トラック幅端部
からその近傍には、実質的に酸化珪素膜を有しない非磁
性のガラス質の応力緩和相24,24’を有する浮上式
磁気ヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク装置に使用
されるコンポジット型の浮上式磁気ヘッドに関するもの
で、特には、熱膨張係数の大きい金属磁性薄膜、また
は、金属磁性薄膜と非磁性膜との積層膜で磁気回路を構
成し、熱膨張係数の小さい酸化珪素膜を有する磁気記録
媒体対向面側の磁気ギャップのトラック幅端部からその
近傍にかけて、応力緩和相を有する磁気ヘッドコアを用
いたコンポジット型の浮上式磁気ヘッドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】3.5や2.5インチ以下の小型磁気デ
ィスクの面記録密度は、60メガビット/in2前後か
ら100メガビット/in2と高密度化し、更には、2
00〜250メガビット/in2になると予測されてい
る。面記録密度100メガビット/in2クラスでは、2
5,000FCI前後の磁化反転密度、2400TPI前後のトラック
記録密度、33,000BPI前後の線記録密度が、200〜2
50メガビット/in2になると、磁化反転密度は50,00
0〜57,000FCI前後、トラック密度は3,000〜3,300TPI前
後、線記録密度は67,000〜76,000BPI前後が必要とされ
ている。そのために、前記高密度記録化に対処するため
に、使用される磁気ヘッドコアは、トラック幅は10μ
m以下が好ましく、特に200〜250メガビット/i
n2クラスでは、3〜8μm前後まで狭トラック化する
ことが望ましく、また、磁気ギャップ長も0.5μm以
下にすることが望ましい。このような高密度記録の磁気
ディスク装置にされる浮上式磁気ヘッドのひとつに、A
TC等非磁性のスライダ−の端面にリソグラフィ技術を
用いて電磁変換部を形成した薄膜磁気ヘッドがあるが、
量産性、信頼性の点で問題があり、小型磁気ディスク装
置への搭載は未だ本格的には普及していないのが現状で
ある。一方、CaTiO3等の非磁性材料をスライダ−
とし、Mn−Zn単結晶フェライトで形成した磁気ヘッ
ドコアに、Fe−Al−Si系金属磁性薄膜を成膜し、
スライダ−のスリットに保持したコンポジット型の浮上
式磁気ヘッドは、従来、薄膜磁気ヘッドの領域とされて
いた250メガビット/in2の高密度記録に対応できる
ことが本発明者等の検討により確認できた。図9と図1
0は高周波、高密度記録の磁気ディスク装置に使用され
るコンポジット型の浮上式磁気ヘッドと、その電磁変換
部を構成する磁気ヘッドコアの基本構成を示す斜視図で
ある。図9において、91は浮上型磁気ヘッド、92は
CaTiO3等の非磁性材料で構成したスライダ−であ
る。磁気ヘッドコア93はエアベアリング96に形成さ
れたスリット94にモ−ルドガラス95により固定保持
されている。図10は両膜構造の磁気ヘッドコアの一例
を示す斜視図である。同図において、102、102’
は磁気ヘッドコア101を構成する高透磁率の一対のM
n−Zn単結晶フェライトコア片、または、(MnO.
NiO)等の非磁性基板材を用いたコア片、103、1
03’はその双方のコア片の対向面に成膜された高い飽
和磁束密度を有する金属磁性薄膜である。104は一対
のコア片を接合する磁気ギャップとなる非磁性層、10
5は接合を補強するボンディングガラスである。また、
高密度記録化のために高周波帶域が高くなり、従来、問
題ではなかったレベルのインダクタンスでも、記録再生
時の周波数と共振し、ノイズの増加を招いて磁気ヘッド
特性が低下するという新たな問題が生じてきている。こ
のような問題に対処するために、(MnO.NiO)等
の非磁性基板材でコア片を構成し、金属磁性薄膜と非磁
性膜の積層膜で磁気回路を構成した磁気ヘッドコアをス
ライダ−のスリットに保持したコンポジット型の浮上式
磁気ヘッドも検討されている。図11、図12はその一
例を示すものである。磁気ヘッドコアの構成は図11を
例にとり説明すると、111、111’のコア片にセラ
ミックス等の非磁性基板材を用い、非磁性基板の側面に
成膜した112’の金属磁性薄膜、または、金属磁性薄
膜と非磁性膜の積層膜を前記非磁性のコア片111、1
11’で挾持した構成となっている。そして、高精度が
要求される狭トラック化に対処するために、金属磁性薄
膜や積層膜にトラック絞り加工112を施して、エアベ
アリングのスリットに埋設し、モ−ルドガラスにより固
着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】面記録密度の高密度化
のために、トラック記録密度と線記録密度が高くなり、
それに対処するために、磁気ヘッドも狭トラック化と小
磁気ギャップ長化と共に、公称寸法に対しての厳しい寸
法精度が要求されている。磁気ギャップをガラス質のみ
の非磁性材で構成すると、ガラス質と金属磁性薄膜との
反応層や劣化層が発生し易く、磁気ギャップ長の精度を
正確に確保することが困難である。そのために高精度の
磁気ギャップを構成するために、ギャップ長規制膜とし
てSiO2のスパッタ膜を採用する方法が用いられてい
る。特開平H2−94108号公報には、単結晶フェラ
イトで構成したVTR用の磁気ヘッドのフロントギャッ
プをSiO2膜で、特開平1−253803号公報に
は、双方のコア片の磁気ギャップ突き合わせ面に金属磁
性薄膜を形成し、SiO2 膜−接合ガラス膜−SiO2
膜で磁気ギャップを構成した磁気ディスク装置用の浮上
式磁気ヘッドが開示されている。酸化珪素膜は金属磁性
薄膜との反応が起こりにくく、高精度の磁気ギャップを
形成するのには好適であるが、成膜される金属磁性薄膜
との熱膨張係数の差がおおきいために、磁気ヘッドコア
をスライダ−のスリットにモ−ルドガラスで固定する工
程で、双方の熱膨張係数の差により応力が生じモ−ルド
ガラスと酸化珪素膜との界面近傍にマイクロクラックが
発生し、特にモ−ルドガラスに発生したマイクロクラッ
クはそれが進展して磁気ヘッド特性を損なうという課題
がある。図5はMn−Zn単結晶フェライト、または、
(MnO.NiO)等の非磁性基板材コア片として用
い、双方のコア片の磁気ギャップ突合せ面に金属磁性薄
膜を成膜し、酸化珪素膜膜−糊ガラス膜−酸化珪素膜の
磁気ギャップを有する磁気ヘッドコアのギャップ近傍の
各部材の熱膨張係数とトラック幅方向の厚さを示した図
である。尚、同図における2点鎖線は、後述する本発明
の磁気ギャップ部の応力緩和相を示すものである。この
磁気ギャップ近傍を構成する各部材の400〜550℃
近辺から常温における熱膨張係数は、同図に示すように 単結晶フェライトコア:100〜125×10-7/℃ 非磁性基板材:110〜145×10-7/℃ Fe−Al−Si合金系薄膜:140〜150×10-7
/℃ (Co系のアモルファス薄膜:110〜120×10-7
/℃) モ−ルドガラスと糊ガラス膜:90〜110×10-7/
℃ 酸化珪素膜:3〜5×10-7/℃ 前後となっており、各部材間の熱膨張係数の違いを考慮
してクラックや、金属磁性薄膜等の剥離の発生を防止し
ている。しかしながら、高精度の磁気ギャップ長を形成
するために用いる酸化珪素膜の熱膨張係数は、特にFe
−Al−Si系合金薄膜等の140〜150×10-7/
℃と比較して5×10-7/℃と非常に小さく、且つ、膜
厚も金属磁性薄膜の2μm前後に比較して、磁気ギャッ
プ長を小さくするために、0.2μm程度と1/10の
膜厚になっている。また、モ−ルドガラスの熱膨張係数
も90〜110×10-7/℃と酸化珪素膜のそれに比較
して大きな値となっている。このような各部材の大きな
熱膨張係数の違いによって、スライダ−のスリットに埋
設した磁気ヘッドコアをモ−ルドガラスで固着する工程
で、磁気記録対向面側の磁気ギャップ近傍の各部材に
は、引張応力や圧縮応力が作用する。特に磁気ギャップ
近傍のモ−ルドガラスには、大きな引張応力が作用し発
生したマイクロクラックが進展して磁気ヘッド特性を損
なうという課題がある。本発明は、磁気ヘッドコアの磁
気記録媒体対向面側の磁気ギャップ近傍の、特に酸化珪
素膜と金属磁性薄膜やモ−ルドガラスとの熱膨張係数の
違いによる影響を少なくして、高精度でマイクロクラッ
クの進展しない磁気ギャップを有する磁気ヘッドコアを
用いたコンポジット型の浮上式磁気ヘッドを提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の一つは、磁気ヘ
ッドコアを構成する一対のコア片を対向して配置し、双
方のコア片の磁気ギャップ突合せ面に形成した金属磁性
薄膜と磁気ギャップとを有する両膜構造の磁気ヘッドコ
アを、非磁性のスライダ−のエアベアリングに設けたス
リット内に、モ−ルドガラスにより固定したコンポジッ
ト型の浮上式磁気ヘッドの上記課題を解決するものであ
って、磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構成した磁気
ギャップは、トラック幅中央部からトラック幅端部近傍
には、酸化珪素膜を有する非磁性層を、トラック幅端部
からその近傍には、実質的に酸化珪素膜を有しない非磁
性のガラス質の応力緩和相を有するものである。その応
力緩和相のトラック幅端部からの深さLは、トラック幅
をTw、ギャップ長をGlとしたときに、実質的に 0.4×Gl(μm)≦L≦0.2×Tw(μm) の範囲にあることが望ましく、トラック幅Twが10μ
m以下、ギャップ長Glが0.5μm以下の磁気ヘッド
コアを用いた浮上式磁気ヘッドには特に効果がある。そ
の磁気ヘッドコアは、少なくとも磁気記録媒体対向面側
にMn−Zn単結晶フェライトコア片を用いた一対の磁
性コア片や、非磁性基板材を用いた一対の非磁性コア片
の双方のコア片の磁気ギャップ突合せ面にアモルファス
合金やFe−Al−Si系合金金属磁性薄膜を成膜した
ものである。また、本発明は非磁性のコア片の側面に成
膜した金属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜と非磁性膜
との積層膜と磁気ギャップとを有する磁気ヘッドコア
を、非磁性のスライダ−のエアベアリングのスリット内
に、モ−ルドガラスにより固定したコンポジット型の浮
上式磁気ヘッドであって、磁気記録媒体対向面側の非磁
性材で構成した磁気ギャップは、トラック幅中央部から
トラック幅端部近傍には、酸化珪素膜を有する非磁性層
を、少なくとも一方のトラック幅端部からその近傍に
は、実質的に酸化珪素膜を有しない非磁性のガラス質の
応力緩和相を有する浮上式磁気ヘッドである。その応力
緩和相のトラック幅端部からの深さLは、トラック幅を
Tw、ギャップ長をGlとしたときに、実質的に 0.4×Gl(μm)≦L≦0.2×Tw(μm) の範囲にあることが望ましく、トラック幅Twが10μ
m以下、ギャップ長Glが0.5μm以下の磁気ヘッド
コアを用いた浮上式磁気ヘッドにはより効果がある。そ
の磁気ヘッドコアは非磁性のコア片の側面に成膜した金
属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜と非磁性膜との積層
膜を複数のコア片の側面で挾持するか、非磁性のコア片
の側面に成膜した金属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜
と非磁性膜との積層膜の他の一方の側面に非磁性の保護
膜を形成したコンポジット型の浮上式磁気ヘッドであ
る。。そして、磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構成
した磁気ギャップは、トラック幅中央部からトラック幅
端部近傍にかけての酸化珪素膜と、トラック幅端部から
その近傍にかけての実質的に酸化珪素膜を含まないガラ
ス質の応力緩和相との複合、または、トラック幅中央部
からトラック幅端部近傍にかけての酸化珪素膜と糊ガラ
ス膜と酸化珪素膜との3相で構成された非磁性層と、ト
ラック幅端部からその近傍にかけての実質的に酸化珪素
膜を含まないガラス質の応力緩和相との複合構造を有し
ている。
【0005】
【作用】図6は本発明の、図7は従来の浮上式磁気ヘッ
ド記録媒体対向面側の磁気ギャップ近傍の応力発生状況
と応力分布状態を示す図である。図7(a)は応力発生
状況を示すものである。従来の浮上式磁気ヘッドでは、
磁気ギャップのトラック幅部から略円形状に拡がった圧
縮応力と引張応力とがほほ釣り合った応力が0の線があ
り、その外側には圧縮応力が、内側には引張応力が作用
すると考えられる。図示するように、応力緩和相がない
ために熱膨張係数の小さい酸化珪素膜の影響を受けてモ
−ルドガラスに引張応力が作用し、それに起因するマイ
クロクラックの発生可能領域がギャップ外のモ−ルドガ
ラス部に存在し、且つクラック発生領域の面積も大きい
と考えられる。同図(b)に示すB−B’線上の応力分
布を推定すると、モ−ルドガラスの応力は圧縮応力から
引張応力に代わり、磁気ギャップに近づくに従ってその
引張応力が大きくなり、ガラスの破壊靭性値を越える可
能性が大きくなる。モ−ルドガラスに働く応力が破壊靭
性値を越えると、マイクロクラックが発生する。従来の
浮上型磁気ヘッドでは、前述したように応力緩和相がな
いために、マイクロクラックの発生領域が殆ど磁気ギャ
ップ近傍のモ−ルドガラス部となるために、マイクロク
ラックは進展し易く、信頼性上極めて好ましくない図6
(a)は本発明の浮上式磁気ヘッドの応力発生状況を示
すものである。本磁気ヘッドでは、モ−ルドガラスと酸
化珪素膜と糊ガラス膜とが反応し、酸化珪素膜が存在し
ない応力緩和相が磁気ギャップ内に入り込んでいる。応
力発生状況を推定すると、応力緩和相はより熱膨張係数
の大きい金属磁性薄膜の影響を受け、磁気ギャップ内の
トラック幅部からモ−ルドガラス部に拡がる圧縮応力と
引張応力とがほほ釣り合った応力が0の線があり、その
外側には圧縮応力が、内側には引張応力が作用すると考
えられる。図示するように、応力緩和相のために、酸化
珪素膜と金属磁性薄膜とモ−ルドガラスとの熱膨張係数
が大きく異なることに起因するマイクロクラックの発生
可能領域が磁気ギャップ内の応力緩和相に存在し、且つ
クラック発生領域の面積も小さいと考えられる。同図
(b)に示すA−A’線上の応力分布推定すると、従来
の磁気ヘッドと同様に、モ−ルドガラスの応力は圧縮応
力から引張応力に代わり、磁気ギャップに近づくに従っ
てその引張応力が大きくなり、ガラスの破壊靭性値を越
える可能性が大きい領域が応力緩和相に発生する。応力
緩和相に働く引張応力が破壊靭性値を越えると、マイク
ロクラックが発生する可能性がある。しかしながら本発
明の浮上型磁気ヘッドでは、前述したように磁気ギャッ
内に応力緩和相があり、その中にマイクロクラック発生
可能領域生じるために、金属磁性薄膜に拘束され、且
つ、作用する引張応力も小さいためにマイクロクラック
は進展しにくいものと考えられる。このように、本発明
の浮上式磁気ヘッドは、スライダ−に組み込んだ後の磁
気ヘッドコアの、特に磁気ギャップのトラック幅側の端
部から0.4×Gl(μm)〜0.2×Tw(μm)の範囲
を、実質的に酸化珪素膜を含まない、酸化珪素膜、糊ガ
ラス膜、モ−ルドガラスが混在した非磁性層とすること
により、溶融したモ−ルドガラスが固化する際に、酸化
珪素膜と磁気ギャップ近傍のモ−ルドガラスを構成する
他の要素との熱膨張係数の違いにより生ずる引張応力が
緩和され、マイクロクラックの進展の発生が抑制できる
と考えられる。尚、磁気ギャップの実質的に酸化珪素膜
を含まない非磁性層を、トラック幅側端部から0.4×
Gl(μm)〜0.2×Tw(μm)の深さの範囲に規定し
たのは、後述する実施例でも示しているが次の理由から
である。0.4×Glμm以下であると応力緩和の効果
が小さく、且つ、マイクロクラックの発生領域がモ−ル
ドガラスにも生じ、マイクロクラックの進展の防止がで
きない。0.2×Twμm以上になると磁気ギャップ長
を精度良く形成する目的で成膜した酸化珪素膜の部分が
少なくなって、実質的に酸化珪素膜を含まないガラス質
の非磁性層が多くなり、逆に正確な磁気ギャップ長が形
成出来なくなるためである。また、この0.4×Gl
(μm)〜0.2×Tw(μm)という深さは、磁気ギ
ャップ長Glが0.5μm以下、トラック幅Twが10
ミクロン以下磁気ヘッドコアに適用するとより効果的で
ある。
【0006】
【実施例】以下、実施例を参照しながら本発明について
さらに詳細に説明する。直径76mm、厚さ2mmのF
e−Al−Si合金タ−ゲットを用い、平板状、及び、
凹断面形状のMn−Zn単結晶フェライト基板の双方の
磁気ギャップ対向面に、マグネトロンスパッタ法によ
り、厚さ2μmのFe−Al−Si系の金属磁性薄膜を
成膜した。スパッタリングは下記の条件で行った。 RFパワ− 350W タ−ゲット基板間距離 70mm 基板温度 300℃ 到達真空度 5×10-4Pa ガス圧力 7×10-1Pa 次に、Fe−Al−Si系の金属磁性薄膜上に酸化珪素
膜を形成し、基板同志をガラス膜で溶着し、ボンディン
グガラスで接着の補強を行なった。その溶着体を切断し
て、ラップ仕上げ、トラック切欠き加工を行ない、磁気
ヘッドコアとした。次に図4に示すように磁気ヘッドコ
ア41を、非磁性スライダ−42のエアベアリング43
に形成されたスリット44に埋設し、モ−ルドガラス4
6を溶融して固着後、記録媒体対向面等の仕上げ加工を
行ない、基本構成が図9と同じコンポジット型の浮上式
磁気ヘッドを作製した。尚、磁気ギャップ深さは5μ
m、ギャップ長は0.5、0.4、0.3μm、トラッ
ク幅は10、7、5μmとした。ボンディングガラスは
PbO−SiO2−B2O3−Na2O系、モ−ルドガラス
はPbO−SiO2−Al2O3−B2O3O系を用いた。
酸化珪素膜を含まない非磁性の応力緩和相深さLとクラ
ック発生状況、磁気ギャップ長精度との関係を検討する
ために、ボンディング温度は600℃±10℃とし、モ
−ルディング温度に関しては500℃±50℃の範囲で
条件を変えて行なった。また、Mn−Zn単結晶フェラ
イトの組成はMnO:27モル%、ZnO:18モル
%、残部実質的にFe2O3のものを用いた。
【0007】図2は上記工程により得られた両膜構造の
磁気ギャップ近傍を示す図である。同図において、21
はMn−Zn単結晶フェライトコア片、22は糊ガラス
膜、23は酸化珪素膜、24は非磁性の応力緩和相、2
5はFe-Al-Si系の金属磁性薄膜、26はモ−ルド
ガラス、Lはトラック幅端部からの応力緩和相の底部の
位置である。ギャップ長0.5μm〜0.3μmの時の
酸化珪素膜の厚さは0.2μm〜0.12μm、糊ガラ
ス膜は0.1〜0.05μmとした。この構造の磁気ヘ
ッドコアのLとクラック発生状況、磁気ギャップ長精度
との関係を表1に示す。
【表1】 表1に示すように、酸化珪素膜を含まない非磁性の応力
緩和相の深さLが0.4×Gl(μm)を越え0.2×
Tw(μm)未満であれば、マイクロクラックの進展も
なく、磁気ギャップの精度も確保できる。実施例1、2
は上記条件を満たすが深さLが0.2μmと小さいため
に、ややマイクロクラックの進展がみられ、実施例11
ではLが1μmとトラック幅に比較して大きいためにギ
ャップ精度に多少のバラツキが見られたが実用上支障の
ない水準である。尚、図8に本発明の磁気ヘッドの磁気
記録対向面側の磁気ギャップの金属組織顕微鏡写真を示
す。磁ギャップのトラック幅端部からその近傍にかけて
単相の組織、応力緩和相があることが認められる。この
応力緩和相の形状は図2や図3に示すように、トラック
幅中央部方向にU状に、逆にトラック幅端部方向にU状
にしても、また、殆ど平行にしてもその効果に変わりは
ない。また、図3に示す糊ガラス膜を使用せず酸化珪素
膜のみで磁気ギャップを構成した構造の磁気ヘッドコア
や、図11、図12に示すコアを非磁性基板で構成した
磁気ヘッドコアを用いた浮上式磁気ヘッドでも、同様に
酸化珪素膜を含まない非磁性層の深さLが0.4×Gl
(μm)以上、0.2×Tw(μm)以下であればクラ
ックの発生が少なく、精度の高い磁気ギャップ長さが得
られることが判った。
【0008】
【発明の効果】本発明の浮上式磁気ヘッドは、磁気ギャ
ップを形成する非磁性層のトラック幅端部とその近傍の
モ−ルドガラスへの応力集中を緩和することにより、マ
イクロクラックの進展を防止し、高精度の磁気ギャップ
長が得られることにより磁気ヘッド特性を向上すること
ができる。
【009】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンポジット型の浮上式型磁気ヘッド
の電磁変換部を示す斜視図である。
【図2】本発明の金属磁性薄膜を成膜した両膜の磁気ヘ
ッドコアの磁気ギャップ部の図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の金属磁性薄膜を成膜した両膜構造の浮
上式磁気ヘッドの酸化珪素膜でギャップ長を規定した磁
気ギャップ部の拡大図である。
【図4】磁気ヘッドコアをスライダ−のスリットに埋設
し、モ−ルドガラスで固着する状態を示す斜視図であ
る。
【図5】スライダ−のスリットにモ−ルドガラスで固定
された磁気ヘッドコアの磁気ギャップ部の各部材の熱膨
張係数と各部材の厚さを示す図である。
【図6】本発明の応力緩和相を有する浮上式磁気ヘッド
の磁気ギャップ近傍の応力分布を示す図である。
【図7】従来の浮上式磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍の
応力分布を示す図である。
【図8】本発明の磁気ヘッドの磁気ギャップのトラック
幅端部近傍における応力緩和相を示す金属組織顕微鏡写
真である。
【図9】基本的構成のコンポジット型浮上式複合型磁気
ヘッドの斜視図である。
【図10】基本的構成の片膜構造の複合型磁気ヘッドコ
ア一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の一例である積層膜を有する両絞りの
トラック磁気ヘッドコアを示す斜視図とその磁気ギャッ
プ近傍を示す図である。
【図12】本発明の一例である積層膜を有する片絞りの
トラックの磁気ヘッドコアを示す斜視図とその磁気ギャ
ップ近傍を示す図である。
【符号の説明】
11 コンポジット型浮上式磁気ヘッド 12 スライダ− 13 磁気ヘッドコア 14 スリット 15 モ−ルドガラス 16 エアベアリング 21 コア片 22 糊ガラス膜 23 酸化珪素膜 24 酸化珪素膜を含まない非磁性の応力緩和相 25 金属磁性薄膜 31 Mn−Zn単結晶フェライトコア片 32 酸化珪素膜 33 酸化珪素膜 34 酸化珪素膜を含まない非磁性層 35 金属磁性薄膜 111 非磁性コア片 112 積層膜 113 酸化珪素膜 114 糊ガラス膜 116 酸化珪素膜を含まない非磁性の応力緩和相 Gl ギャップ長 Tw トラック幅 L 酸化珪素膜を含まない非磁性層トラック幅側の端部
からの深さ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドコアを構成する一対のコア片
    が対向して配置され、前記一対のコア片の双方のコア片
    の磁気ギャップ突合せ面に形成された金属磁性薄膜と磁
    気ギャップとを有する両膜構造の磁気ヘッドコアが、非
    磁性のスライダ−のエアベアリングに設けられたスリッ
    ト内に、モ−ルドガラスにより固定されたコンポジット
    型の浮上式磁気ヘッドであって、 磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構成された磁気ギャ
    ップは、 トラック幅中央部からトラック幅端部の近傍には、酸化
    珪素膜を有する非磁性層を、 トラック幅端部からその近傍には、実質的に酸化珪素膜
    を有しない非磁性のガラス質の応力緩和相を有すること
    を特徴とする浮上式磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記応力緩和相のトラック幅端部からの
    深さLは、トラック幅をTw、ギャップ長をGlとした
    ときに、実質的に 0.4×Gl(μm)≦L≦0.2×Tw(μm) の範囲にある請求項1記載の浮上式磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気ヘッドコアのトラック幅Twが
    10μm以下、ギャップ長Glが0.5μm以下である
    請求項1、または、2に記載の浮上式磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁気ヘッドコアは、少なくとも磁気
    記録媒体対向面側に、Mn−Zn単結晶フェライトを用
    いた一対の磁性コア片と、 その一対の磁性コア片の双方のコア片の磁気ギャップ突
    合せ面に成膜された金属磁性薄膜とを有する請求項1な
    いし3の何れかに記載のコンポジット型の浮上式磁気ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記磁気ヘッドコアは、一対の非磁性コ
    ア片と、 その一対の非磁性コア片の双方のコア片の磁気ギャップ
    突合せ面に成膜された金属磁性薄膜とを有する請求項1
    ないし3の何れかに記載のコンポジット型の浮上式磁気
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 非磁性のコア片の側面に成膜された、金
    属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜と非磁性膜との積層
    膜と磁気ギャップとを有する磁気ヘッドコアが、非磁性
    のスライダ−のエアベアリングに設けられたスリット内
    に、モ−ルドガラスにより固定されたコンポジット型の
    浮上式磁気ヘッドであって、 磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構成された磁気ギャ
    ップは、 トラック幅中央部からトラック幅端部近傍には、酸化珪
    素膜を有する非磁性層を、 少なくとも一方のトラック幅端部からその近傍には、実
    質的に酸化珪素膜を有しない非磁性のガラス質の応力緩
    和相を有することを特徴とする浮上式磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記応力緩和相のトラック幅端部からの
    深さLは、トラック幅をTw、ギャップ長をGlとした
    ときに、実質的に 0.4×Gl(μm)≦L≦0.2×Tw(μm) の範囲にある請求項6記載の浮上式磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁気ヘッドコアのトラック幅Twが
    10μm以下、ギャップ長Glが0.5μm以下である
    請求項1、または、2に記載の浮上式磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 非磁性のコア片の側面に成膜された、金
    属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜と非磁性膜との積層
    膜は、複数のコア片の側面で挾持されている請求項6な
    いし8の何れかに記載のコンポジット型の浮上式磁気ヘ
    ッド。
  10. 【請求項10】 非磁性のコア片の側面に成膜された、
    金属磁性薄膜、または、金属磁性薄膜と非磁性膜との積
    層膜の他の一方の側面に非磁性の保護膜が形成されてい
    る請求項6ないし8の何れかにに記載のコンポジット型
    の浮上式磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構
    成された磁気ギャップは、トラック幅中央部からトラッ
    ク幅端部近傍にかけての酸化珪素膜と、 トラック幅端部からその近傍にかけての実質的に酸化珪
    素膜を含まないガラス質の応力緩和相との複合構造であ
    る請求項1ないし10の何れかに記載のコンポジット型
    の浮上式磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体対向面側の非磁性材で構
    成された磁気ギャップは、トラック幅中央部からトラッ
    ク幅端部近傍にかけての酸化珪素膜と糊ガラス膜と酸化
    珪素膜との3相で構成された非磁性層と、トラック幅端
    部からその近傍にかけての実質的に酸化珪素膜を含まな
    いガラス質の応力緩和相との複合構造である請求項1な
    いし10の何れかに記載のコンポジット型の浮上式磁気
    ヘッド。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61214111A (ja) * 1985-03-19 1986-09-24 Sanyo Electric Co Ltd 磁気ヘツドにおけるギヤツプスペ−サ形成方法
JPS6238518A (ja) * 1985-08-13 1987-02-19 Hitachi Metals Ltd 複合型磁気ヘツド
JPH03278306A (ja) * 1990-03-26 1991-12-10 Nikko Kyodo Co Ltd 浮上型磁気ヘッド

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