JPH05331092A - ビフェニル誘導体及びそれを含有する強誘電性液晶組成物 - Google Patents

ビフェニル誘導体及びそれを含有する強誘電性液晶組成物

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JPH05331092A
JPH05331092A JP4138641A JP13864192A JPH05331092A JP H05331092 A JPH05331092 A JP H05331092A JP 4138641 A JP4138641 A JP 4138641A JP 13864192 A JP13864192 A JP 13864192A JP H05331092 A JPH05331092 A JP H05331092A
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JP
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liquid crystal
phase
compound
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crystal composition
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JP4138641A
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English (en)
Inventor
Masashi Osawa
政志 大沢
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Kayoko Nakamura
佳代子 中村
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (R1:炭素原子数6〜12の直鎖状アルキル基、m:
2〜8、n:1〜4)で表わされる化合物のラセミ体、
及びそれを含有する強誘電性液晶組成物。 【効果】 非常に低い温度域から広い温度範囲で強誘電
性を示し、低粘性であるので、高速応答性の液晶組成物
が得られ、液晶表示素子の材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的表示材料とし
て有用な強誘電性液晶材料に関し、更に詳しくは、従来
の液晶材料と比較して配向性、応答性等に優れ、液晶表
示素子の材料として有用な化合物及び該化合物を含有す
る強誘電性液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、広く用いられている液晶表示素子
は、主にネマチック液晶を利用したTN(ツイスティッ
ド・ネマチック)型、あるいはSTN(スーパー・ツイ
スティッド・ネマチック)型と呼ばれるものであり、多
くの利点を有しているものの、その応答性はCRT等の
発光型の表示方式と比較すると格段に遅いという大きな
欠点を有し、その応用に大きな制限があった。その他の
液晶表示方式も多方面から検討されているが、その応答
性の改善は余りなされていないのが実状である。
【0003】ところが、最近見いだされた強誘電性キラ
ルスメクチック液晶を利用した液晶表示素子において
は、従来のTN型などの表示素子の100倍以上の高速
応答が可能となった。更に双安定性を有するため、電源
を切っても表示の記憶(メモリー効果)が得られること
が明らかになった。このため、大画面高解像度ディスプ
レイ、薄型テレビ、光シャッター、プリンターヘッド等
への利用可能性が大きく、現在、その実用化に向けて活
発に開発研究がなされている。
【0004】強誘電性液晶の液晶相は、チルト系のキラ
ルスメクチック相に属するが、その中でも最も低粘性の
キラルスメクチックC(以下、SC*と省略する。)相
が実用上望ましい。既に数多くのSC*相を示す液晶化
合物(以下、SC*化合物と省略する。)が合成され、
検討されているが、強誘電性液晶表示用光スイッチング
素子として用いるのに、十分な性質を有するものは未だ
知られていない。よって、他の液晶化合物と混合してS
C*相を示す液晶組成物(以下、SC*液晶組成物と省略
する。)として用いられている。このようなSC*液晶
組成物の検討は活発に行われており、現在では、キラル
でないスメクチックC(以下、SCと省略する。)相を
示す母体液晶(以下、SC母体液晶と省略する。)に、
光学活性化合物から成るキラルドーパントを添加する方
法が一般的である。これによって高速応答性、良好な配
向性、広い作動温度範囲等の特性はかなり改善された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在のところ、SC母
体液晶を構成するSC相を示す化合物(以下、SC化合
物と省略する。)は、例えば、一般式(A)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Ra及びRbはアルキル基、アルコ
キシル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキ
シ基又はアルコキシカルボニルオキシ基を表わし、互い
に同一であっても異なっていてもよい。)で表わされる
安息香酸フェニル誘導体、あるいは一般式(B)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Ra及びRbは前記一般式(A)に
おけると同じ意味を表わす。)で表わされるフェニルピ
リミジン誘導体が主に用いられている。これらのうち、
一般式(A)で表わされる化合物は、分子内にエステル
結合が存在するため、その粘性は比較的高く、これを主
成分とするSC母体液晶を用いた液晶表示素子におい
て、充分な高速応答を得ることは困難であった。
【0010】一方、一般式(B)で表わされる化合物
は、Ra及びRbの少なくとも一方がアルキル基である場
合には比較的低粘性であって、特にRaが直鎖状アルキ
ル基であり、Rbが直鎖状アルコキシル基である一般式
(C)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Rc及びRdは直鎖状アルキル基を
表わし、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされる化合物は、SC母体液晶の構成成分とし
て、現在汎用されている。
【0013】しかしながら、この一般式(C)で表わさ
れる化合物には、融点が比較的高いという問題点があっ
た。一般的に、液晶材料には低融点が要求されるが、強
誘電性液晶においてはセル中で一度結晶化すると、もと
の配向状態に復帰することはかなり困難であるため、そ
の融点を降下させることは特に重要である。
【0014】液晶材料における融点降下は通常、多成分
の液晶化合物の混合により達成されるが、一般式(C)
の化合物を混合した場合の融点降下は大きくなく、一般
式(C)の化合物をいくら多成分混合しても、その融点
を、例えば、氷点下にまで下げることは相当困難であ
る。従って、一般式(C)の化合物を主成分として、低
温域から高温域まで広い温度範囲を有するSC母体液晶
を得ることは容易ではなかった。
【0015】低融点のSC母体液晶を得る手段として、
特開平1−185390号公報には、一般式(B)のフ
ェニルピリミジン系化合物に、一般式(D)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Re及びRfは直鎖状アルキル基を
表わし、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるフェニルピリジン誘導体を添加する方法が
報告されている。
【0018】しかしながら、この一般式(D)で表わさ
れる化合物は、SC相の低温域により高次のスメクチッ
ク(スメクチックF、スメクチックH、以下それぞれS
F、SHと省略する。)相を有しているために、液晶組
成物に多量に添加することができず、また少量の添加で
は液晶組成物の融点降下は必ずしも充分とは言えなかっ
た。
【0019】本発明が解決しようとする課題は、低粘性
で、液晶組成物に少量添加した場合でも融点降下が大き
い化合物を提供することであり、また、この化合物及び
光学活性化合物から成るキラルドーパントを含有し、広
い温度範囲で高速応答が可能な強誘電性液晶組成物を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、一般式(I)
【0021】
【化7】
【0022】(式中、R1は炭素原子数6〜12の直鎖
状アルキル基を表わすが、好ましくは炭素原子数7〜1
0の直鎖状アルキル基を表わし、mは2〜8の整数を表
わすが、好ましくは4〜6の整数を表わし、nは1〜4
の整数を表わすが、好ましくは1又は2を表わす。)で
表わされる化合物のラセミ体を提供する。
【0023】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
のラセミ体は、例えば、以下のようにして容易に製造す
ることができる。即ち、一般式(III)
【0024】
【化8】
【0025】(式中、R1は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされるフェノール誘導体を塩
基存在下に、一般式(IV)
【0026】
【化9】
【0027】(式中、m及びnは一般式(I)における
と同じ意味を表わし、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はp−
トルエンスルホニル(トシル)基等の脱離基を表わ
す。)で表わされる化合物のラセミ体と反応させること
により得ることができる。
【0028】ここで、一般式(III)で表わされるフ
ェノール誘導体は、例えば、以下のようにして得ること
ができる。即ち、市販の1−ブロモ−3−フルオロ−4
−フェニルベンゼンをグリニヤール化合物とし、銅塩等
の存在下にアルキル化することにより、一般式(V)
【0029】
【化10】
【0030】(式中、R1は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされる1−アルキル−3−フ
ルオロ−4−フェニルベンゼンを得ることができる。あ
るいは、グリニヤール化合物をアシル化した後に還元す
るか、アルデヒドと反応させて得られる1−(1−ヒド
ロキシアルキル)−3−フルオロ−4−フェニルベンゼ
ンをトシル化した後、水素化アルミニウムリチウムで還
元するか、あるいはアルデヒドと反応させた後に酸化し
てアシル体とし、更に還元しても得ることができる。次
に、一般式(V)の化合物をアセチル化し、過酸で酸化
し、必要に応じて加水分解することにより、一般式(I
II)で表わされるフェノール誘導体を得ることができ
る。
【0031】一方、一般式(IV)で表わされる化合物
は、対応する一般式(VI)
【0032】
【化11】
【0033】(式中、m及びnは一般式(I)における
と同じ意味を表わす。)で表わされるアルコール誘導体
のラセミ体を、ハロゲン化又はトシル化することにより
容易に得ることができる。
【0034】ここで、一般式(VI)で表わされるアル
コール誘導体は、そのm及びnに応じて、市販の化合物
を原料として容易に合成することができる。
【0035】即ち、n=1及びn=2の場合には、市販
の2−メチルブタノール及び2−メチルペンタノールを
原料として、通常の炭素鎖伸長反応を行うことにより、
mが2〜8である各化合物を得ることができる。
【0036】n=3の場合には、市販の2−ブロモヘキ
サンをグリニャール化合物として、次いでホルムアルデ
ヒドと反応させるか、あるいは二酸化炭素と反応させた
後に還元してアルコール(2−メチルヘキサノール)と
する。これを原料として同様に炭素鎖伸長反応を行い、
mが2〜8である各化合物を得ることができる。
【0037】以下、n=4の場合も2−ブロモヘプタン
を用いて同様にして製造することができる。
【0038】斯くして一般式(I)で表わされる化合物
が得られるが、これらに属する個々の具体的な化合物
は、融点等の相転移温度、赤外吸収スペクトル(I
R)、核磁気吸収スペクトル(NMR)等によって、そ
の構造を確認することができる。その代表的なものの例
を、下記第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(表中、Crは結晶相を、SAはスメクチ
ックA相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表わし、
( )はその相が降温時にのみ現れるモノトロピックな
相であることを表わし、相転移温度は、その左側の相と
右側の相との間の転移温度を表わし、例えば、Cr 19.4
Iは結晶相と等方性液体相間の転移温度が19.4℃で
あることを表わす。以下同様。)
【0041】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
の構造的な特徴の一つは、アルコキシル側鎖中に分岐メ
チル基を有し、かつラセミ体である点にある。同じ骨格
を有し、側鎖が直鎖状アルキル基である式(E−1)の
化合物の相転移温度を以下に示す。
【0042】
【化12】
【0043】相転移温度(℃) Cr34.3 (SC17.8 SA27.2) N3
7.2 I (上記中、Nはネマチック相を表わす。)
【0044】一般式(I)で表わされる化合物のうち、
第1表のNo.1の化合物と式(E−1)の化合物を比
較しても、その温度範囲等において優れた点はないよう
に思われる。しかしながら、本発明の一般式(I)の化
合物の優れた効果は、後述の実施例にも示したが、以下
の例からも明らかである。
【0045】
【化13】
【0046】(上記中、「%」は「重量%」を意味す
る。)から成るSC母体液晶(H−A)を調製した。こ
の母体液晶は、融点が12℃であり、56.5℃までS
C相を、65.5℃までSA相を、70.5℃までN相
を示した。
【0047】このSC母体液晶(H−A)80重量%及
びNo.1の化合物20重量%から成る液晶組成物(H
−1)を調製したところ、融点は−4.5℃まで降下
し、44.5℃までSC相を、53℃までSA相を、5
9℃までN相を示した。
【0048】それに対し、No.1の化合物に代えて、
式(E−1)の化合物を同量(20重量%)用いた液晶
組成物(HR−1)を調製したところ、47.5℃まで
SC相を、56.5℃までSA相を、63.5℃までN
相を示したが、その融点は−0.5℃までしか降下しな
かった。
【0049】一般式(I)の化合物の構造的な特徴の一
つは、フッ素を含有するビフェニル骨格を有する点にあ
る。本発明者らは既に特開平3−176446号公報に
おいて、一般式(I)の化合物と同様の側鎖を有し、類
似のフッ素を含有するビフェニル骨格を有する一般式
(F)
【0050】
【化14】
【0051】(式中、R1、m及びnは一般式(I)と
同じ意味を表わす。)で表わされる化合物が、低粘性で
あり、SC相を示し得ることを報告した。この一般式
(F)の化合物と本発明の一般式(I)の化合物は、ビ
フェニル骨格に対するフッ素原子の置換位置が異なって
いるのみであるが、本発明の一般式(I)の化合物のよ
うに、液晶組成物への添加により、組成物の融点を大き
く降下させる効果は確認されていない。しかも、この一
般式(F)の化合物は液晶組成物のN相(あるいはキラ
ルネマチック相、以下N*相とする)を消失させやすい
傾向を有するという問題点も存在している。
【0052】現在の配向方法では、等方性液体(I)相
からの冷却時に、N*相次いでSA相を経てSC*相に相
転移する、即ち(I−N*−SA−SC*)の相系列を有
することが必要とされているので、上記のような傾向を
有する一般式(F)の化合物は液晶組成物中に非常に少
量しか添加することができなかった。
【0053】本発明の一般式(I)の化合物は、一般式
(F)の化合物におけるフッ素の置換位置を変えたこと
により、N相(あるいはN*相)を消失させる傾向がな
くなり、配向性に優れた組成物を得ることができる優れ
た化合物である。
【0054】本発明は、また、一般式(I)で表わされ
る化合物のラセミ体を含有する液晶組成物を提供する。
本発明の液晶組成物は、(1)一般式(I)で表わされ
る化合物のラセミ体を少なくとも1種を含有するSC母
体液晶及び(2)光学活性化合物から成るキラルドーパ
ントを含有するSC*液晶組成物であり、融点が低く、
広い温度範囲で使用可能な、低粘性の液晶組成物であ
る。
【0055】上述のように、本発明の一般式(I)で表
わされる化合物のラセミ体は、そのものが低粘性であ
り、液晶組成物への添加による融点降下が大きく、SC
相は示さないが、添加によって液晶組成物のSC相温度
域を大きく降下させることはないので、上記のような優
れた特性を示す液晶組成物を容易に調製することができ
る。
【0056】このような優れた特性を充分に示すために
は、本発明の一般式(I)で表わされる化合物のラセミ
体を、SC母体液晶中に3重量%以上含有することが好
ましい。ただし、あまり多量に添加するとSC相の温度
域が低くなりすぎるので、その含有量は3〜30重量%
の範囲であることが好ましい。
【0057】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
とともに母体液晶の構成成分として用いるのに適当なS
C化合物としては、一般式(II)
【0058】
【化15】
【0059】(式中、R3は炭素原子数6〜12の直鎖
状アルキル基を表わし、R4は炭素原子数6〜12の直
鎖状又は分岐状アルキル基、又は直鎖状アルケニル基を
表わす。)で表わされる化合物が特に好適である。
【0060】本発明は第2の液晶組成物として、(1)
一般式(I)で表わされる化合物のラセミ体を少なく
とも1種及び一般式(II)で表わされる化合物の少
なくとも1種を含有し、SC相を示す母体液晶及び
(2)光学活性化合物から成るキラルドーパントを含有
する強誘電性SC*液晶組成物を提供する。
【0061】ここで、一般式(II)で表わされる化合
物の代表的なものの例を、第2表及び第3表に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】(上記中、SAはスメクチックA相を表わ
す。) この一般式(II)で表わされる化合物及び本発明の一
般式(I)で表わされる化合物のラセミ体を含有するS
C*液晶組成物もまた、融点が低く、広い温度範囲で使
用可能で、低粘性の液晶組成物である。
【0065】本発明の第2の液晶組成物における一般式
(I)の化合物の含有量は、SC母体液晶中に3〜30
重量%の範囲で含有することが好ましく、一般式(I
I)の化合物の含有量は10〜90重量%の範囲である
ことが好ましい。
【0066】上記組成物において、SC母体液晶として
一般式(I)及び一般式(II)の化合物に加えて、S
C相を示す2環化合物として、例えば、下記一般式(V
IIa)〜(VIId)で表わされる化合物
【0067】
【化16】
【0068】(式中、R3及びR4は一般式(II)にお
けると同じ意味を表わし、R5及びR6はそれぞれ独立的
に、アルキル基又はアルコキシル基を表わし、p及びq
はそれぞれ独立的に、0又は1を表わす。)等の化合物
を用いることもでき、更に少量であれば一般式(A)の
化合物も用いることが可能である。
【0069】また、応答性を改善するためには、下記一
般式(VIIIa)〜(VIIId)等の減粘液晶を用
いることができる。
【0070】
【化17】
【0071】(式中、R7及びR8はそれぞれ独立的に、
直鎖状アルキル基を表わし、シクロヘキサン環はトラン
ス配置である。) 更に、その温度範囲を高温域にまで拡大する目的には、
下記一般式(IXa)〜(IXg)等の高温液晶も用い
ることができる。
【0072】
【化18】
【0073】(式中、R9及びR10はそれぞれ独立的
に、アルキル基又はアルコキシル基を表わすが、少なく
とも一方はアルキル基を表わし、好ましくはともにアル
キル基を表わす。)
【0074】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明の主旨及び適用範囲はこれらの実施例に
よって制限されるものではない。
【0075】本実施例において、相転移温度の測定は温
度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計
(DSC)を併用して行った。また、化合物の構造は核
磁気共鳴スペクトル(NMR)により確認した。なお、
NMRにおけるCDCl3は溶媒を表わし、sは一重線
を、dは二重線を、tは三重線を、mは多重線を表わ
す。また、組成物中における「%」は「重量%」を表わ
すものとする。
【0076】(実施例1) 2−フルオロ−1−[4−
(6−メチルノニルオキシ)フェニル]−4−ノニルベ
ンゼン(No.1の化合物)の合成
【0077】
【化19】
【0078】(1−a) 2−フルオロ−4−(1−ヒ
ドロキシノニル)−1−フェニルベンゼンの合成 削り状金属マグネシウム0.93gを乾燥テトラヒドロ
フラン(THF)10mlに懸濁した。これに、THF
80mlに溶解した1−ブロモ−3−フルオロ−4−フ
ェニルベンゼン8.0gを60℃で、20分間で滴下し
た。更に1時間60℃に加熱攪拌した後、室温に戻し
た。次に、ノナノール5.1gをTHF10mlに溶解
し、室温で10分間で滴下した。60℃で3時間攪拌し
た後、水、次いで稀塩酸を加え弱酸性とした。酢酸エチ
ルで抽出し、有機層を水、次いで飽和食塩水で洗滌し
て、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。減圧下に溶媒
を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)を用い
て精製して、2−フルオロ−4−(1−ヒドロキシノニ
ル)−1−フェニルベンゼンの白色結晶7.5gを得
た。
【0079】(1−b) 2−フルオロ−4−ノナノイ
ル−1−フェニルベンゼンの合成 上記(1−a)で得られた2−フルオロ−4−(1−ヒ
ドロキシノニル)−1−フェニルベンゼン7.5gをア
セトン150mlに溶解した。これに室温で硫酸6ml
及び水30mlに溶解した三酸化クロム5.5gを20
分間で滴下した。メタノールを加えて過剰の三酸化クロ
ムを還元した後、水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、
炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、水、次いで飽和食塩水
で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水、乾燥した。減圧
下に溶媒を溜去して得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/
1)を用いて精製して、2−フルオロ−4−ノナノイル
−1−フェニルベンゼンの白色結晶7.0gを得た。
【0080】また、NMR及びIRで測定した結果は、
以下の通りであった。 NMR(CDCl3):δ=0.85(t,3H),
1.0〜2.0(m,12H),2.90(t,2
H),7.20〜7.87(m,7H)
【0081】(1−c) 2−フルオロ−4−ノニル−
1−フェニルベンゼンの合成 上記(1−b)で得られた2−フルオロ−4−ノナノイ
ル−1−フェニルベンゼン7.0gのトリフルオロ酢酸
35ml溶液に、5℃で8.3gのトリエチルシランを
滴下した。更に室温で1時間攪拌した。ヘキサン、水各
50mlを加え、有機層を炭酸水素ナトリウム飽和水溶
液、水、次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウ
ムで脱水乾燥した。減圧下に溶媒を留去して得られた粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン)を用いて精製して、2−フルオロ−4−ノニル−1
−フェニルベンゼンの白色結晶6.6gを得た。
【0082】(1−d) 1−(4−アセチルフェニ
ル)−2−フルオロ−4−ノニルベンゼンの合成 上記(1−c)で得られた2−フルオロ−4−ノニル−
1−フェニルベンゼン6.6g及び、無水塩化アルミニ
ウム3.6gをジクロロメタン50mlに溶解した。こ
れに塩化アセチル1.8gを10分間で滴下した。更に
室温で3時間攪拌後、氷水中にあけた。ジクロロメタン
で抽出し、同様に後処理して、1−(4−アセチルフェ
ニル)−2−フルオロ−4−ノニルベンゼンの白色結晶
6.8gを得た。
【0083】(1−e) 2−フルオロ−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−ノニルベンゼンの合成 上記(1−d)で得られた1−(4−アセチルフェニ
ル)−2−フルオロ−4−ノニルベンゼンの白色結晶
6.8gを蟻酸120mlに溶解した。これに5℃で3
0%過酸化水素水16mlを30分間で滴下し、更に4
0℃で4時間攪拌した。水にあけ、亜硫酸水素ナトリウ
ムを加えて過剰の過酸化物を分解し、ヘキサンで抽出し
た。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗滌後、溶媒を溜
去した。残渣をエタノール80mlに溶解し、水酸化カ
リウム4gを水10mlに溶解して加え、2時間加熱還
流した。稀塩酸を加えて中和し、減圧下エタノールを溜
去し、酢酸エチルを加え、水及び飽和食塩水で洗滌し、
無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。減圧下に溶媒を溜
去して得られた粗生成物をヘキサンから再結晶して精製
して、2−フルオロ−1−(4−ヒドロキシフェニル)
−4−ノニルベンゼンの白色結晶3.3gを得た。
【0084】また、NMR及びIRで測定した結果は、
以下の通りであった。 NMR(CDCl3):δ=0.83(t,3H),
1.0〜1.8(m,14H),2.57(t,2
H),4.80(s,1H),6.67〜7.47
(m,7H)
【0085】(1−f) 2−フルオロ−1−[4−
(6−メチルノニルオキシ)フェニル]−4−ノニルベ
ンゼンの合成 上記(1−e)で得られた2−フルオロ−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−ノニルベンゼン500mg
を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに
溶解した。この溶液に室温でt−ブトキシカリウム18
0mgを加え、30分間攪拌した。この混合物に、臭化
6−メチルノニルのラセミ体352mgのDMF5ml
溶液を室温で5分間で滴下し、更に3時間攪拌した。反
応終了後、水及び酢酸エチルを加え、有機層を希塩酸、
水、次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、溶媒を留去して、粗生成物593mgを得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて精製
し、更にエタノールから再結晶させて精製して、2−フ
ルオロ−1−[4−(6−メチルノニルオキシ)フェニ
ル]−4−ノニルベンゼンの白色結晶475mgを得
た。この精製物の相転移温度は第1表に示した。
【0086】また、NMR及びIRで測定した結果は、
以下の通りであった。 NMR(CDCl3):δ=0.67〜1.0(m,9
H),1.0〜2.0(m,27H),2.57(t,
2H),3.87(t,2H),6.57〜7.53
(m,7H)
【0087】(実施例2) SC母体液晶の調製
【0088】
【化20】
【0089】(上記中、「%」は「重量%」を意味す
る。)から成るSC母体液晶(H−A)を調製した。こ
の液晶組成物は、融点が12℃であり、56.5℃まで
SC相を、65.5℃までSA相を、70.5℃までN
相を示した。
【0090】このSC母体液晶(H−A)90%及び実
施例1のNo.1の化合物のラセミ体10%から成るS
C母体液晶(H−2)を調製したところ、融点は5℃ま
で降下し、50.5℃までSC相を、59℃までSA相
を、64.5℃までN相を示した。
【0091】次にSC母体液晶(H−A)80%及び実
施例1のNo.1の化合物のラセミ体20%から成るS
C母体液晶(H−1)を調製したところ、融点は−4.
5℃まで降下し、44.5℃までSC相を、53℃まで
SA相を、59℃までN相を示した。
【0092】(比較例1)実施例2と同様にして、式
(E−1)
【0093】
【化21】
【0094】の化合物を10%及びSC母体液晶(H−
A)90%から成るSC母体液晶(HR−2)、式(E
−1)の化合物20%及びSC母体液晶(H−A)80
%から成るSC母体液晶(HR−1)を調製したとこ
ろ、その相転移温度は以下の通りであった。
【0095】相転移温度(℃) (HR−2):Cr6 SC51 61SA 67N
I (HR−1):Cr−0.5 SC47.5 SA5
6.5 N63.5 I いずれの場合もSC母体液晶(H−A)に比べて融点は
降下しているが、一般式(I)の化合物を添加した場合
程、顕著な降下ではない。
【0096】(実施例3) SC*液晶組成物の調製 実施例2で得られた母体液晶(H−1)95%及びキラ
ルドーパントとして式(P)
【0097】
【化22】
【0098】の光学活性化合物5%から成るSC*液晶
組成物(F−1)を調製した。この液晶組成物は44.
5℃以下でSC*相を、55℃以下でSA相を、57.
5℃以下でN*相を示し、その融点は−5℃以下と低い
ものであった。
【0099】次に、母体液晶(H−2)90%及び以下
の組成から成る式(Q)
【0100】
【化23】
【0101】のキラルドーパント10%から成るSC*
液晶組成物(F−2)を調製した。この液晶組成物は5
1.5℃以下でSC*相を、59℃以下でSA相を、6
2℃以下でN*相を示した。その融点は不明瞭であっ
た。
【0102】(比較例2)実施例3と同様にして、SC
母体液晶(HR−1)95%及び式(P)の光学活性化
合物5%から成るSC*液晶組成物(FR−1)を調製
した。
【0103】これと同様にして、SC母体液晶(HR−
2)90%及び式(Q)のキラルドーパント10%から
成るSC*液晶組成物(FR−2)を調製した。これら
の相転移温度は以下の通りであった。
【0104】相転移温度(℃) (FR−1):SC*46.5 SA59 N*62 I (FR−2):SC*52.5 SA60 N*64 I また、SC母体液晶(H−A)90%及び式(Q)のキ
ラルドーパント10%から成るSC*液晶組成物(FR
−3)を調製したところ、この相転移温度は以下の通り
であった。
【0105】相転移温度(℃) (FR−3):SC*57 SA64.5 N*67 I
【0106】(実施例4) 液晶表示素子の作製 まず、ITO蒸着ガラス板(電極面積70mm2)にポリ
イミド形成溶液を塗布し、ポリイミド被膜を形成した
(基板A)。同様にして、グラスファイバーのスペーサ
ーを混合した上記のポリイミド形成溶液を用いてスペー
サーを含んだポリイミド被膜を形成した(基板B)。基
板A及び基板Bをナイロン布でラビング処理を施した。
一方の基板に熱硬化型エポキシ接着剤を塗布して、基板
A及び基板Bをそのラビング方向が互いに平行かつ逆向
きになるように重ね合わせ、加熱硬化させ、セルを作製
した。
【0107】こうして得られたセルに、実施例3で得ら
れたSC*液晶組成物(F−1)を加熱して等方性液体
(I)相とした状態で注入し、次いで徐冷を行い、N*
相、SA相、ついでSC*相を配向させ、液晶表示素子
を得た。配向状態は非常に良好であった。このセルのセ
ル厚を測定したところ、約2.0μmであった。
【0108】このセルに電界強度10Vp-p/μmの矩
形波を印加してその電気光学的応答速度を測定したとこ
ろ、25℃で46μ秒と高速応答を確認できた。このと
きの自発分極は9.2nC/cm2、チルト角は20.
5゜であった。コントラストは非常に良好であった。
【0109】次に、SC*液晶組成物(F−2)を用い
て、同様にして液晶表示素子を作製しその電気光学的応
答速度を測定したところ、25℃で70μ秒と高速応答
を確認でき、そのコントラストは非常に良好であった。
【0110】(比較例3)実施例4と同様にして作製し
たセルに、比較例2で得られたSC*液晶組成物(FR
−1)、(FR−2)及び(FR−3)をそれぞれ用い
て、同様にして各液晶表示素子を作製した。
【0111】実施例5と同様にして測定した電気光学的
応答速度は、SC*液晶組成物(FR−1)では25℃
で52μ秒とSC*液晶組成物(F−1)に比べて遅く
なり、(FR−2)及び(FR−3)ではそれぞれ82
μ秒、83μ秒といずれも(F−2)に比べて遅くなっ
た。
【0112】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は低粘性であり、対応する側鎖が直鎖状の化合物と比
較して、母体液晶に添加した場合に融点を降下させる効
果が大きいので、低温域から高温域まで広い温度範囲を
有する低粘性の母体液晶を調製することができる。
【0113】また、これにキラルドーパントを添加した
強誘電性液晶組成物は、広い温度範囲でSC*相を示
し、室温で50μ秒以下という高速応答が可能である。
更に、配向性に優れ、良好なコントラストを得ることが
でき、表示用光スイッチング素子の材料として極めて有
用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数6〜12の直鎖状アルキル基
    を表わし、mは2〜8の整数を表わし、nは1〜4の整
    数を表わす。)で表わされる化合物のラセミ体。
  2. 【請求項2】 (1)請求項1記載の一般式(I)で表
    わされる化合物のラセミ体及び(2)光学活性化合物か
    ら成るキラルドーパントを含有する強誘電性液晶組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化2】 (式中、R3は炭素原子数6〜12の直鎖状アルキル基
    を表わし、R4は炭素原子数6〜12のアルキル基又は
    直鎖状アルケニル基を表わす。)で表わされる化合物を
    含有することを特徴とする請求項2記載の強誘電性液晶
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の強誘電性液晶組成
    物を構成要素とする液晶表示素子。
JP4138641A 1992-05-29 1992-05-29 ビフェニル誘導体及びそれを含有する強誘電性液晶組成物 Pending JPH05331092A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505669A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung 液晶媒体

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