JPH053791A - リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフアチジルコリン及びリゾホスフアチジルエタノールアミンの製造方法 - Google Patents
リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフアチジルコリン及びリゾホスフアチジルエタノールアミンの製造方法Info
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- JPH053791A JPH053791A JP18013791A JP18013791A JPH053791A JP H053791 A JPH053791 A JP H053791A JP 18013791 A JP18013791 A JP 18013791A JP 18013791 A JP18013791 A JP 18013791A JP H053791 A JPH053791 A JP H053791A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶血作用等の種々の生理活性作用を有し、血
小板活性化因子の合成需要中間体にもなりえるリノール
酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン
及びリゾホスファチジルエタノールアミンを微生物を用
いて製造する方法を提供する。 【構成】 ホーマ属に属する菌体、例えばホーマ・フミ
コラMer−WF8035(FERM P−1231
1)を栄養培地で培養し、得られた菌体からリノール酸
を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン及
び/又はリゾホスファチジルエタノールアミンを単離精
製する、リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホス
ファチジルコリン及び/又はホスファチジルエタノール
アミンの製造方法。
小板活性化因子の合成需要中間体にもなりえるリノール
酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン
及びリゾホスファチジルエタノールアミンを微生物を用
いて製造する方法を提供する。 【構成】 ホーマ属に属する菌体、例えばホーマ・フミ
コラMer−WF8035(FERM P−1231
1)を栄養培地で培養し、得られた菌体からリノール酸
を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン及
び/又はリゾホスファチジルエタノールアミンを単離精
製する、リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホス
ファチジルコリン及び/又はホスファチジルエタノール
アミンの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホーマ属に属する菌株
によるリノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフ
ァチジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミ
ンの製造方法に関するものである。
によるリノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフ
ァチジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミ
ンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複合脂質であるリン脂質は、成分として
ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸等、又、
微量成分としてリゾホスファチジルエタノールアミン、
リゾホスファチジルコリンが知られている。しかし、こ
れら種々のリン脂質は、相互に分離することが難しく、
従って、それぞれ単独で使用されることは非常に少な
い。
ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸等、又、
微量成分としてリゾホスファチジルエタノールアミン、
リゾホスファチジルコリンが知られている。しかし、こ
れら種々のリン脂質は、相互に分離することが難しく、
従って、それぞれ単独で使用されることは非常に少な
い。
【0003】しかし、リン脂質は、リポソームを構成す
る際に有用であること、又、生体膜上などで多くの生理
的役割を果たしていることから、医薬品としての使用が
期待されている。
る際に有用であること、又、生体膜上などで多くの生理
的役割を果たしていることから、医薬品としての使用が
期待されている。
【0004】一方、リノール酸を唯一の構成脂肪酸とす
るリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルエ
タノールアミンは、強い溶血作用、種々の酵素の活性化
及び不活性化等の生理活性作用、又、天然の界面活性剤
としての利用が知られている。〔細胞融合誘導能;A.R.
Pool et al, Nature(London) ,227 , 810(1970) 、酵素
の活性化;A.Martonosi et al, J.Biol.Chem. , 243, 6
1(1968) 、天然の界面活性剤;H.Komai et al, Bioche
m.Biophys.Res.Commun., 53, 82(1973)〕
るリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルエ
タノールアミンは、強い溶血作用、種々の酵素の活性化
及び不活性化等の生理活性作用、又、天然の界面活性剤
としての利用が知られている。〔細胞融合誘導能;A.R.
Pool et al, Nature(London) ,227 , 810(1970) 、酵素
の活性化;A.Martonosi et al, J.Biol.Chem. , 243, 6
1(1968) 、天然の界面活性剤;H.Komai et al, Bioche
m.Biophys.Res.Commun., 53, 82(1973)〕
【0005】現在、リゾホスファチジルコリン及びリゾ
ホスファチジルエタノールアミンの製造には、ホスファ
チジルコリンに蛇毒ホスホリパーゼを作用させる酵素的
加水分解法が知られている〔生化学実験講座 3(脂質
の化学)、日本生化学会編(井上圭三)、東京化学同人
(1974)〕。しかし、この製法では、リゾホスファ
チジルコリン等は種々の構成脂肪酸の混合物として得ら
れる。リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフ
ァチジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミ
ンの製造方法としては、1,2−イソプロピリデングリ
セリンを出発原料とする合成法(合成が煩雑なグリセリ
ルホスホリルコリンを出発原料とする合成方法)のみが
報告されている。この合成法は、多工程を要するもので
ある〔特開平1−311088号公報参照〕。
ホスファチジルエタノールアミンの製造には、ホスファ
チジルコリンに蛇毒ホスホリパーゼを作用させる酵素的
加水分解法が知られている〔生化学実験講座 3(脂質
の化学)、日本生化学会編(井上圭三)、東京化学同人
(1974)〕。しかし、この製法では、リゾホスファ
チジルコリン等は種々の構成脂肪酸の混合物として得ら
れる。リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフ
ァチジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミ
ンの製造方法としては、1,2−イソプロピリデングリ
セリンを出発原料とする合成法(合成が煩雑なグリセリ
ルホスホリルコリンを出発原料とする合成方法)のみが
報告されている。この合成法は、多工程を要するもので
ある〔特開平1−311088号公報参照〕。
【0006】これまでのところ、微生物を用いてリノー
ル酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリ
ン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを製造する
方法は、知られていない。
ル酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコリ
ン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを製造する
方法は、知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リノ
ール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコ
リン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを効率的
に製造できる新規な方法を提供することである。
ール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコ
リン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを効率的
に製造できる新規な方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、同化しう
る炭素、窒素、及び無機塩類供給源を含む培地で、リノ
ール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコ
リン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを生成す
る微生物の検索を行った。その結果、ホーマ属の微生物
が、リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファ
チジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミン
を生成することを発見し、本発明を完成するに至った。
る炭素、窒素、及び無機塩類供給源を含む培地で、リノ
ール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジルコ
リン及びリゾホスファチジルエタノールアミンを生成す
る微生物の検索を行った。その結果、ホーマ属の微生物
が、リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファ
チジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミン
を生成することを発見し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明は、同化しうる炭素、窒素、及び無
機塩類供給源を含む培地で、ホーマ属に属する菌株を液
中で好気的に培養することにより得られた菌体から、リ
ノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジル
コリン及び/又はリゾホスファジルエタノールアミンを
採取することを特徴とするリゾホスファチジルコリン及
び/又はリゾホスファチジルエタノールアミンの製造方
法に関するものである。
機塩類供給源を含む培地で、ホーマ属に属する菌株を液
中で好気的に培養することにより得られた菌体から、リ
ノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファチジル
コリン及び/又はリゾホスファジルエタノールアミンを
採取することを特徴とするリゾホスファチジルコリン及
び/又はリゾホスファチジルエタノールアミンの製造方
法に関するものである。
【0010】本発明のリノール酸を唯一の構成脂肪酸と
するリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジル
エタノールアミンを生産する微生物は、ホーマ属に属す
る微生物である。その一例として本発明者らが土壌から
新たに分離したホーマ・フミコラMer-WF8035がある。ホ
ーマ・フミコラMer-WF8035は以下の菌学的性質を有す
る。
するリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジル
エタノールアミンを生産する微生物は、ホーマ属に属す
る微生物である。その一例として本発明者らが土壌から
新たに分離したホーマ・フミコラMer-WF8035がある。ホ
ーマ・フミコラMer-WF8035は以下の菌学的性質を有す
る。
【0011】1.各種培地における生育形態
培養はすべて、26℃で実施し、寒天平板培地上での生
育形態を観察した。 (1)ツァペック寒天培地 生育は大変速く、26℃、7日間の培養でコロニーの直
径は、82mmである。コロニーは、放射状で2種類の形
態を示し、綿毛状に気中菌糸の良く生育した部分(20
−80%を占める)と、気中菌糸は少なく、柄子殻(Py
cnidium )を多く形成する部分とに分かれる。コロニー
表面の色は気中菌糸の多い部分では薄黄色であり、柄子
殻形成部分では暗い黄茶色である。厚膜胞子(Clamydos
pore)、有性生殖器官の形成はない。
育形態を観察した。 (1)ツァペック寒天培地 生育は大変速く、26℃、7日間の培養でコロニーの直
径は、82mmである。コロニーは、放射状で2種類の形
態を示し、綿毛状に気中菌糸の良く生育した部分(20
−80%を占める)と、気中菌糸は少なく、柄子殻(Py
cnidium )を多く形成する部分とに分かれる。コロニー
表面の色は気中菌糸の多い部分では薄黄色であり、柄子
殻形成部分では暗い黄茶色である。厚膜胞子(Clamydos
pore)、有性生殖器官の形成はない。
【0012】(2)オートミール寒天培地
生育は大変速く、26℃、7日間の培養で、コロニーの
直径は、85mmである。コロニーはツァペック寒天培地
と同様で、綿毛状に気中菌糸を形成する部分と柄子殻を
多数着性して気中菌糸の少ない部分(70−80%を占
める)の2種類のコロニーが放射状に生育する形態を示
し、柄子殻を多数形成している。気中菌糸のコロニー表
面は明るい茶灰色であり、柄子殻形成コロニーの表面は
暗い黄茶色を呈する。厚膜胞子の形成や有性生殖器官の
形成はない。
直径は、85mmである。コロニーはツァペック寒天培地
と同様で、綿毛状に気中菌糸を形成する部分と柄子殻を
多数着性して気中菌糸の少ない部分(70−80%を占
める)の2種類のコロニーが放射状に生育する形態を示
し、柄子殻を多数形成している。気中菌糸のコロニー表
面は明るい茶灰色であり、柄子殻形成コロニーの表面は
暗い黄茶色を呈する。厚膜胞子の形成や有性生殖器官の
形成はない。
【0013】2.形態的形状
オートミール寒天培地上で、多数の暗い茶色をした柄子
殻を培地中あるいは培地の表面近くに形成する柄子殻は
上部に乳首状突起を持った球形−半球形で、直径50−
15μmの大きさである。分生子(Conidia )は柄子殻
の内壁に着生する分生子柄(Conidiophore)から多数形
成され、柄子殻の中に充満し、熟成すると乳首状突起部
が破れて、多数の分生子を噴出する。分生子は1細胞性
の表面が平滑な楕円形であり、大きさは5.0-11.0μm ×
3.5-4.5 μmである。
殻を培地中あるいは培地の表面近くに形成する柄子殻は
上部に乳首状突起を持った球形−半球形で、直径50−
15μmの大きさである。分生子(Conidia )は柄子殻
の内壁に着生する分生子柄(Conidiophore)から多数形
成され、柄子殻の中に充満し、熟成すると乳首状突起部
が破れて、多数の分生子を噴出する。分生子は1細胞性
の表面が平滑な楕円形であり、大きさは5.0-11.0μm ×
3.5-4.5 μmである。
【0014】以上の形態的性状から、柄子殻を形成し有
性生殖器官がないことから、不完全菌類(Fungi Imperf
ecti)に属する菌であり、柄子殻を形成することからス
フェロプシド目(Sphaeropsidales)に属する菌であっ
た。柄子殻の形態、分生子の大きさなどからホーマ属
(Phoma)の菌であり、ジェー、シー、ギルマン(J.C.Gi
lman)の「ア・マニュアル・オブ・ソイル・ファンジ」
(A Manual of soil Fungi;1957)を参考に既知菌種を
検索したところ、ホーマ・フミコラ(Phoma humicola)
の性状と一致した。従って、本菌をホーマ・フミコラMe
r-WF8035(Phoma humicola Mer-WF8035)と同定し、工業
技術院、微生物工業技術研究所にFERM P-12311として寄
託した。
性生殖器官がないことから、不完全菌類(Fungi Imperf
ecti)に属する菌であり、柄子殻を形成することからス
フェロプシド目(Sphaeropsidales)に属する菌であっ
た。柄子殻の形態、分生子の大きさなどからホーマ属
(Phoma)の菌であり、ジェー、シー、ギルマン(J.C.Gi
lman)の「ア・マニュアル・オブ・ソイル・ファンジ」
(A Manual of soil Fungi;1957)を参考に既知菌種を
検索したところ、ホーマ・フミコラ(Phoma humicola)
の性状と一致した。従って、本菌をホーマ・フミコラMe
r-WF8035(Phoma humicola Mer-WF8035)と同定し、工業
技術院、微生物工業技術研究所にFERM P-12311として寄
託した。
【0015】本発明の製造方法には、上記菌株に限ら
ず、ホーマ属に属するリゾホスファチジルコリン及び/
又はリゾホスファチジルエタノールアミンを生産する能
力を有する菌株のいずれを用いることもできる。
ず、ホーマ属に属するリゾホスファチジルコリン及び/
又はリゾホスファチジルエタノールアミンを生産する能
力を有する菌株のいずれを用いることもできる。
【0016】培養法は原則的には糸状菌(カビ)の培養
法に準ずるが、通常は液体培養による深部培養法が最適
である。培養に用いられる培地としては当該菌が利用で
きる栄養源を含む培地であれば良い。栄養源としては従
来からカビの培養に利用されている公知のものが使用で
きる。例えば炭素源としてグルコース、ガラクトース、
マルトース、デキストリン、澱粉、水飴、大豆油、など
単独または組合せて用いることができる。無機及び有機
窒素源としては、塩化アンモニウム、尿素、硫酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ソーダ、ペプトン、肉
エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーンスティープリカ
ー、大豆絞りかす、オートミール、カザミノ酸、バクト
ソイトンなど単独及び組合せて用いることができる。そ
の他必要に応じて、食塩、硫酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、リン酸塩、などの無機塩を加えることができ
る。また本菌の生育や目的生成物であるリゾホスファチ
ジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミンの生
産を促進する有機物質、たとえばビタミン類、アミノ酸
類、及び微量金属塩を加えることができる。また必要に
応じてアデカノール(旭電化工業)、やシリコンなどの
消泡剤を添加できる。
法に準ずるが、通常は液体培養による深部培養法が最適
である。培養に用いられる培地としては当該菌が利用で
きる栄養源を含む培地であれば良い。栄養源としては従
来からカビの培養に利用されている公知のものが使用で
きる。例えば炭素源としてグルコース、ガラクトース、
マルトース、デキストリン、澱粉、水飴、大豆油、など
単独または組合せて用いることができる。無機及び有機
窒素源としては、塩化アンモニウム、尿素、硫酸アンモ
ニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ソーダ、ペプトン、肉
エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーンスティープリカ
ー、大豆絞りかす、オートミール、カザミノ酸、バクト
ソイトンなど単独及び組合せて用いることができる。そ
の他必要に応じて、食塩、硫酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、リン酸塩、などの無機塩を加えることができ
る。また本菌の生育や目的生成物であるリゾホスファチ
ジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミンの生
産を促進する有機物質、たとえばビタミン類、アミノ酸
類、及び微量金属塩を加えることができる。また必要に
応じてアデカノール(旭電化工業)、やシリコンなどの
消泡剤を添加できる。
【0017】培養温度は20〜35℃とし、培地のpH
は中性〜やや酸性付近とすることが望ましい。液体培養
では通常3〜5日間培養を行うと、リゾホスファチジル
コリン、リゾホスファチジルエタノールアミンが菌体中
に蓄積される。但し、上記培養条件は、使用する微生物
の種類や特性、外部条件等に応じて適宜変更できる。培
養菌体中の生成量が最大に達した時、培養を止め、菌体
を濾過し、次いで菌体中より、目的物質を精製単離す
る。
は中性〜やや酸性付近とすることが望ましい。液体培養
では通常3〜5日間培養を行うと、リゾホスファチジル
コリン、リゾホスファチジルエタノールアミンが菌体中
に蓄積される。但し、上記培養条件は、使用する微生物
の種類や特性、外部条件等に応じて適宜変更できる。培
養菌体中の生成量が最大に達した時、培養を止め、菌体
を濾過し、次いで菌体中より、目的物質を精製単離す
る。
【0018】目的生成物であるリノール酸を唯一の構成
脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン及びリゾホスフ
ァチジルエタノールアミンの採取は、上記リゾホスファ
チジルコリン等を公知の分離手段、例えば抽出法により
菌体から分離し、さらに公知の精製法により単離精製す
ることにより行われる。抽出法は、アルコールを用いて
行うことが好ましい。アルコール溶媒としては、通常、
メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコ
ールが用いられるが、メタノールもしくはエタノールの
使用が望ましい。抽出処理は、培養液より濾過法あるい
は、遠心分離法によって得られた湿潤した菌体に、アル
コールを重量比で5〜15の割合で、好ましくは9〜1
2の割合で加え、室温で攪拌機を用いて攪拌することに
より効果的に行うことができる。抽出時間は2〜4時間
とすることが適当である。こうして得られた菌体からの
アルコール抽出液は、濾過法あるいは遠心分離法により
菌体固形分から分離される。
脂肪酸とするリゾホスファチジルコリン及びリゾホスフ
ァチジルエタノールアミンの採取は、上記リゾホスファ
チジルコリン等を公知の分離手段、例えば抽出法により
菌体から分離し、さらに公知の精製法により単離精製す
ることにより行われる。抽出法は、アルコールを用いて
行うことが好ましい。アルコール溶媒としては、通常、
メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコ
ールが用いられるが、メタノールもしくはエタノールの
使用が望ましい。抽出処理は、培養液より濾過法あるい
は、遠心分離法によって得られた湿潤した菌体に、アル
コールを重量比で5〜15の割合で、好ましくは9〜1
2の割合で加え、室温で攪拌機を用いて攪拌することに
より効果的に行うことができる。抽出時間は2〜4時間
とすることが適当である。こうして得られた菌体からの
アルコール抽出液は、濾過法あるいは遠心分離法により
菌体固形分から分離される。
【0019】このアルコール抽出液は、濃縮後、アルコ
ールを除いた水溶液についてnーブタノール抽出などを
行い、目的とする脂質を有機溶媒層に抽出する。次いで
抽出液を更に、例えばシリカゲルカラム、セファデック
スLHー20カラム(ファルマシア社製)を用いたクロ
マトグラフィーなとに付して、リゾホスファチジルコリ
ン及びリゾホスファチジルエタノールアミンをそれぞれ
単離精製する。吸着樹脂、活性炭素による吸着法、イオ
ン交換樹脂による方法、セファデックス、バイオゲルな
どによる分子ふるいカラム法、シリカゲルのカラムクロ
マトグラフィーなどの方法を適宜組合せて用いることも
できる。
ールを除いた水溶液についてnーブタノール抽出などを
行い、目的とする脂質を有機溶媒層に抽出する。次いで
抽出液を更に、例えばシリカゲルカラム、セファデック
スLHー20カラム(ファルマシア社製)を用いたクロ
マトグラフィーなとに付して、リゾホスファチジルコリ
ン及びリゾホスファチジルエタノールアミンをそれぞれ
単離精製する。吸着樹脂、活性炭素による吸着法、イオ
ン交換樹脂による方法、セファデックス、バイオゲルな
どによる分子ふるいカラム法、シリカゲルのカラムクロ
マトグラフィーなどの方法を適宜組合せて用いることも
できる。
【0020】尚、目的生成物であるリゾホスファチジル
コリンとリゾホスファチジルエタノールアミンは、それ
ぞれを単離しても、又は場合により、両者の混合物とし
て分離することもできる。
コリンとリゾホスファチジルエタノールアミンは、それ
ぞれを単離しても、又は場合により、両者の混合物とし
て分離することもできる。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法により、溶血作用等の種々
の生理活性作用を有し、又、血小板活性化因子の合成重
要中間体になりうるリノール酸を唯一の構成脂肪酸とす
るリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルエ
タノールアミンをそれぞれ提供することが出来る。
の生理活性作用を有し、又、血小板活性化因子の合成重
要中間体になりうるリノール酸を唯一の構成脂肪酸とす
るリゾホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルエ
タノールアミンをそれぞれ提供することが出来る。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。なお、培地におけるパーセントは特に断りの
ない限り重量/容量%を示す。
説明する。なお、培地におけるパーセントは特に断りの
ない限り重量/容量%を示す。
【0023】実施例1
Mer−WF8035株(FERM P- 12311 )の斜面寒天培
養(ポテト デキストロース寒天培地)から1白金耳を
100mlの種培地(馬鈴薯デンプン 2%,グルコー
ス1%、大豆粉2%、リン酸1カリウム 0.1%,硫
酸マグネシウム0.05%、pH無調整)を入れた50
0ml容三角フラスコに接種し、28℃で3日間振盪培
養して種培養液を得た。この種培養液100mlを上記
と同じ組成の培地5Lを含む10L容ジャーファーメン
ター(2基)に接種した。培養は、28℃で、88時間
通気攪拌培養(通気量:5L/分、攪拌:300rp
m)を行った。
養(ポテト デキストロース寒天培地)から1白金耳を
100mlの種培地(馬鈴薯デンプン 2%,グルコー
ス1%、大豆粉2%、リン酸1カリウム 0.1%,硫
酸マグネシウム0.05%、pH無調整)を入れた50
0ml容三角フラスコに接種し、28℃で3日間振盪培
養して種培養液を得た。この種培養液100mlを上記
と同じ組成の培地5Lを含む10L容ジャーファーメン
ター(2基)に接種した。培養は、28℃で、88時間
通気攪拌培養(通気量:5L/分、攪拌:300rp
m)を行った。
【0024】培養終了後、約10Lの培養液を濾過し、
菌体固形分を得た。この菌体にメタノール10Lを加
え、室温で攪拌機を用いて4時間攪拌して脂質の抽出を
行った。菌体のメタノール抽出液は、減圧下で濃縮して
メタノールを留去した後、得られた水溶液約400ml
をブタノール400mlで2回抽出して、リゾホスファ
チジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミン
をブタノール層に抽出した。
菌体固形分を得た。この菌体にメタノール10Lを加
え、室温で攪拌機を用いて4時間攪拌して脂質の抽出を
行った。菌体のメタノール抽出液は、減圧下で濃縮して
メタノールを留去した後、得られた水溶液約400ml
をブタノール400mlで2回抽出して、リゾホスファ
チジルコリン及びリゾホスファチジルエタノールアミン
をブタノール層に抽出した。
【0025】ブタノール抽出液800mlを減圧下に濃
縮して約80mlとし、あらかじめメタノールで充填し
たセファデックスLH−20(ファルマシア社製)カラ
ム(4.5cm径×45cm)に40mlずつ2回に分
けて付し、それぞれをメタノールで展開した。溶出液を
10mlずつ分取し、各フラクションの溶血反応により
リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノ
ールアミンを含む分画を検出した。その結果、フラクシ
ョン20─26にリゾホスファチジルコリン、リゾホス
ファチジルエタノールアミンの溶出を確認し、これらの
フラクションを集め、減圧下に濃縮乾固した。
縮して約80mlとし、あらかじめメタノールで充填し
たセファデックスLH−20(ファルマシア社製)カラ
ム(4.5cm径×45cm)に40mlずつ2回に分
けて付し、それぞれをメタノールで展開した。溶出液を
10mlずつ分取し、各フラクションの溶血反応により
リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノ
ールアミンを含む分画を検出した。その結果、フラクシ
ョン20─26にリゾホスファチジルコリン、リゾホス
ファチジルエタノールアミンの溶出を確認し、これらの
フラクションを集め、減圧下に濃縮乾固した。
【0026】つぎに、乾固物をクロロホルム:メタノー
ル混液(1:2)5mlに溶かし、予め同一混合溶液ク
ロロホルム:メタノール(1:2)で充填したシリカゲ
ル(ワコーゲルCー200、和光純薬工業社製)カラム
(2.0cm径×40cm)に付し、同溶液で溶出を行
った。10gずつ分画しフラクション9─14にリゾホ
スファチジルエタノールアミンをフラクション15─2
3にリゾホスファチジルコリンが溶出された。検出は先
の溶血反応とシリカゲル薄層クロマトグラフ(メルク社
製;Art.5715、展開溶媒;クロロホルム:メタ
ノール=1:1)で行った。リゾホスファチジルエタノ
ールアミンとリゾホスファチジルコリンの各溶出区分を
集め、減圧下に濃縮乾固して再びセファデックスLH−
20カラムにかけた。リゾホスファチジルエタノールア
ミンの場合は、乾固物をクロロホルム:メタノール混液
(1:2)で充填したセファデックスLH−20カラム
(1.1cm径×90cm)に付し、同混液で展開し
た。リゾホスファチジルコリンの場合は乾固物をメタノ
ールで充填したセファデクスLH−20カラム(1.1
cm径×90cm)に付し、メタノールで展開した。各
溶出フラクションはシリカゲルTLC分析により検出を
行い、それぞれの溶出フラクションを集め、減圧下に濃
縮、乾固してリゾホスファチジルエタノールアミン15
0mg、リゾホスファチジルコリン166mgをそれぞれ得
た。
ル混液(1:2)5mlに溶かし、予め同一混合溶液ク
ロロホルム:メタノール(1:2)で充填したシリカゲ
ル(ワコーゲルCー200、和光純薬工業社製)カラム
(2.0cm径×40cm)に付し、同溶液で溶出を行
った。10gずつ分画しフラクション9─14にリゾホ
スファチジルエタノールアミンをフラクション15─2
3にリゾホスファチジルコリンが溶出された。検出は先
の溶血反応とシリカゲル薄層クロマトグラフ(メルク社
製;Art.5715、展開溶媒;クロロホルム:メタ
ノール=1:1)で行った。リゾホスファチジルエタノ
ールアミンとリゾホスファチジルコリンの各溶出区分を
集め、減圧下に濃縮乾固して再びセファデックスLH−
20カラムにかけた。リゾホスファチジルエタノールア
ミンの場合は、乾固物をクロロホルム:メタノール混液
(1:2)で充填したセファデックスLH−20カラム
(1.1cm径×90cm)に付し、同混液で展開し
た。リゾホスファチジルコリンの場合は乾固物をメタノ
ールで充填したセファデクスLH−20カラム(1.1
cm径×90cm)に付し、メタノールで展開した。各
溶出フラクションはシリカゲルTLC分析により検出を
行い、それぞれの溶出フラクションを集め、減圧下に濃
縮、乾固してリゾホスファチジルエタノールアミン15
0mg、リゾホスファチジルコリン166mgをそれぞれ得
た。
【0027】かくして得られたリノール酸を唯一の構成
脂肪酸とするリゾホスファチジルコリンのNMR、FA
B−MSデータは、Biochemistry,26, 2797(1987)に記
載のデータと一致した。又、リノール酸を唯一の構成脂
肪酸とするリゾホスファチジルエタノールアミンは、機
器分析(NMR、FAB−MS)による構造解析から同
定した〔D.Dessort et al, Anal. Biochem., 142(1), 4
3(1984)]。
脂肪酸とするリゾホスファチジルコリンのNMR、FA
B−MSデータは、Biochemistry,26, 2797(1987)に記
載のデータと一致した。又、リノール酸を唯一の構成脂
肪酸とするリゾホスファチジルエタノールアミンは、機
器分析(NMR、FAB−MS)による構造解析から同
定した〔D.Dessort et al, Anal. Biochem., 142(1), 4
3(1984)]。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C12R 1:645)
(72)発明者 渡辺 吉雄
神奈川県藤沢市藤が岡2−22−3
(72)発明者 吉岡 武男
神奈川県綾瀬市上土棚1959 グリーンハイ
ツ3−3102
(72)発明者 熊本 俊彦
神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡1−9−12
(72)発明者 西田 浩史
神奈川県横須賀市津久井568 グリーンハ
イツ11−3−503
(72)発明者 岡本 六郎
神奈川県藤沢市花の木2−18
Claims (2)
- 【請求項1】 ホーマ属に属する菌株を栄養培地で培養
し、得られた菌体からリノール酸を唯一の構成脂肪酸と
するリゾホスファチジルコリンを採取することを特徴と
するリノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスファ
チジルコリンの製造方法。 - 【請求項2】 ホーマ属に属する菌株を栄養培地で培養
し、得られた菌体からリノール酸を唯一の構成脂肪酸と
するリゾホスファチジルエタノールアミンを採取するこ
とを特徴とするリノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリ
ゾホスファチジルエタノールアミンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18013791A JPH053791A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフアチジルコリン及びリゾホスフアチジルエタノールアミンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18013791A JPH053791A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフアチジルコリン及びリゾホスフアチジルエタノールアミンの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH053791A true JPH053791A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=16078058
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18013791A Pending JPH053791A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | リノール酸を唯一の構成脂肪酸とするリゾホスフアチジルコリン及びリゾホスフアチジルエタノールアミンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH053791A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001040496A1 (en) * | 1999-11-30 | 2001-06-07 | Doosan Corporation | A method for preparing lysophosphatidylethanolamine |
| JP2003093086A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-02 | Taiyo Kagaku Co Ltd | アレルゲン低減リゾリン脂質の製造方法 |
-
1991
- 1991-06-25 JP JP18013791A patent/JPH053791A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001040496A1 (en) * | 1999-11-30 | 2001-06-07 | Doosan Corporation | A method for preparing lysophosphatidylethanolamine |
| US6773902B1 (en) | 1999-11-30 | 2004-08-10 | Doosan Corporation | Method for preparing lysophosphatidylethanolamine |
| JP2003093086A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-02 | Taiyo Kagaku Co Ltd | アレルゲン低減リゾリン脂質の製造方法 |
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