JPH0549659B2 - - Google Patents
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- JPH0549659B2 JPH0549659B2 JP2782884A JP2782884A JPH0549659B2 JP H0549659 B2 JPH0549659 B2 JP H0549659B2 JP 2782884 A JP2782884 A JP 2782884A JP 2782884 A JP2782884 A JP 2782884A JP H0549659 B2 JPH0549659 B2 JP H0549659B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は式〔〕
で表わされるエリスロ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンの製造法に関する。 更に詳しくは一般式〔〕 (式中、R1およびR2は一方がメチル基を、他方
が水素原子を意味するか、R1およびR2はいずれ
もメチル基を意味するか、またはR1とR2がいつ
しよになつてメチレン基を意味する。) で表わされるラセミまたは光学活性−エリスロ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体をルイス酸で処理すること
により式〔〕 で表わされるエリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンとし、
これがラセミ体である場合には必要に応じてさら
に、シンコニジン、キニジン、ノルエフエドリ
ン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノー
ルから選ばれる光学活性なアミンの一つを作用さ
せて光学分割操作を行うことにより光学活性体を
得、このようにして得られるラセミまたは光学活
性−エリスロ−N−フタロイル−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリンを脱フタロイル化
反応に付すことにより前記式〔〕で表わされる
ラセミまたは光学活性−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリンを製造する方法
に関する。 本発明方法により得ることができるラセミおよ
び光学活性−エリスロ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリン〔〕は抗高血圧活性(特
開昭50−49252号公報)を有することが知られて
いる。 従来、ラセミまたは光学活性−スレオあるいは
エリスロ−DOPS(DOPS:3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン)の製造方法としては、
一般式〔〕 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を示す。) で表わされるアルデヒド誘導体を出発原料とする
方法が知られている。 すなわち、上記一般式〔〕で表わされる化合
物、例えばバニリン、ベラトリルアルデヒドまた
はピペロナールの出発原料として用い、カテコー
ル部分の保護基であるメチル基またはメチレン基
を除去することによつて式〔〕 で表わされるプロトカテキユアルデヒドを得た
後、改めてカテコール部分をエトキシカルボニル
基またはベンジル基で保護して式〔〕 〔式中、R3はエトキシカルボニル基またはベン
ジル基を意味する。〕 で表わされるベンズアルデヒド誘導体とし、この
ベンズアルデヒド誘導体をグリシンまたはグリシ
ン誘導体と縮合させて、スレオおよびエリスロ−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体の混合物を得、必要に応じスレオ、エリスロ
の分離、光学分割操作を経て保護基を除去するこ
とにより、ラセミまたは光学活性−DOPSを製造
するという方法が用いられている。〔Chem.Ber.、
52、1724(1919);J.Chem.Soc.、658(1947);
Chem.Ber.、87、892(1954);J.Am.Chem.Soc.、
76、1322(1954);Helv.Chim.Acta.、58、147
(1975)〕 このような従来法では、カテコール部分の保護
基を変更するという煩雑な操作が必要であつた。 かかる情況下に本発明者らは、バニリン、ベラ
トリルアルデヒド、ピペロナールなどのメチル基
またはメチレン基を除去することなく、そのまま
保護基として用いて得られる前記一般式〔〕で
表わされるエリスロ−N−フタロイル−DOPS誘
導体から、前記式〔〕で表わされるエリスロ−
DOPSを効率よく製造できることを見出し、本発
明を完成した。 すなわち、本発明は 一般式〔〕 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を示
す。) で表わされるエリスロ−DOPS誘導体をフタロ
イル化剤と反応させることにより、前記一般式
〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロイル
−DOPS誘導体が収率よく得られる、 一般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体をルイス酸で処理する
と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イミド
基が同一分子内に存在するにもかかわらず、カ
テコール部分のメチル基またはメチル基だけが
除去できる、 一般式〔〕で表わされるラセミまたは光学
活性−エリスロ−N−フタロイル−DOPSをヒ
ドラジンと処理すると、対応するラセミまたは
光学活性−エリスロ−DOPSが収率よく得られ
る。 一般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体のラセミ体、および一
般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロ
イル−DOPSのラセミ体は、工業的に利用可能
な光学活性アミンを光学分割剤に用いて光学分
割することができ、対応する化合物を各々光学
活性体(D体またはL体)として得ることがで
きる、 という知見を得、完成されたものである。 かかる本発明は、ラメシまたは光学活性−エリ
スロ−DOPSの工業的かつ経済的な製造方法を提
供するものである。 以下に本発明をさらに詳細に説明する。 前記一般式〔〕で表わされるエリスロ−
DOPS誘導体は、例えば特開昭58−216146号公報
に記載の方法またはそのような公知法に準じた方
法に従つて製造することができ、これを無水フタ
ル酸、N−エトキシカルボニルフタルイミド等の
フタロイル化剤で処理することにより、前記一般
式〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロイル
−DOPS誘導体のラセミ体を得ることができる。 エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕の光学活性体は、ラセミ体にストリキニー
ネ、シンコニジン、2−アミノ−1,1−ジフエ
ニルプロパノールなどの光学活性アミンを作用さ
せてD−およびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体のアミン塩とし、溶解度の差を利用
してD−エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導
体のアミン塩とL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体のアミン塩とに分別し、しかる後に
それぞれの塩に酸を作用させることにより得るこ
とができる。 ラセミまたは光学活性エリスロ−N−フタロイ
ル−DOPS誘導体〔〕から対応するエリスロ−
N−フタロイル−DOPS〔〕を得るという方法
は今まで全く知られていない。 一般的にカテコール部分にメチル基又はメチル
基をもつ化合物からメチル基、メチレン基を除き
カテコール基とする方法については種々知られて
はいるが、同時にアミノ基やカルボキシル基を有
する化合物の例として3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)アラニンあるいはこれのN−ア
セチル誘導体を赤リンの存在下、ヨウ化水素酸と
無水酢酸により処理し、3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)アラニンを得た例(Chem.
Pharm.Bull.、10、693(1962))、2−メチル−3
−(3,4−ジメトキシフエニル)アラニンを
47.5%臭化水素酸にて還流下処理し2−メチル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)アラニン
を得た例(J.Amer.Chem.Soc.、77、700(1955))
が知られているが、これらの条件は本発明方法の
カテコール部分の脱メチル基反応または脱メチレ
ン基反応には適用できなかつた。 一方、本発明者らはスレオーDOPSの経済的製
造方法を種々検討し、スレオ−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリン、あるいはその
N−カルボベンゾキシ誘導体をルイス酸で処理し
メチレン基を除くという方法(特開昭58−121258
号公報、特開昭58−183664号公報)を見出した。 本発明者らは上述の知見を参考にエリスロ−
DOPSの経済的製造方法として、メトキシ基また
はメチレンジオキシ基の他にヒドロキシル基、イ
ミド基、カルボキシル基を有するラセミまたは光
学活性エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕から対応するラセミまたは光学活性エリス
ロ−N−フタロイル−DOPS〔〕への変換が、
ルイス酸により緩和な条件下処理することで効率
的に進行することを見出した。この反応ではルイ
ス酸の他にメルカプタン類またはアルカリ金属ヨ
ウ化物を加えることが好ましい。 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕は光学活性アミンを用いた光学分割操作に
より光学活性(D及びL)−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS〔〕とすることができる。 即ち、ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS〔〕に、シンコニジン、キニジン、ノル
エフエドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニル
プロパノールなどの光学活性なアミンを作用させ
てDおよびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とし、溶解度の差を利用して、
D−エリスロ−N−フタロイル−DOPSのアミン
塩とL−エリスロ−N−フタロイル−DOPSのア
ミン塩とに分別し、しかる後にそれぞれの塩に酸
を作用させることにより光学活性−エリスロ−N
−フタロイル−DOPSを製造することができる。 エリスロ−N−フタロイル−DOPS〔〕から
エリスロ−DOPS〔〕を製造する方法は、通常
の、ヒドラジン等を用いる脱フタロイル化反応に
て実施すれば良い。 上述したことをまとめて反応工程式で示すと次
のようになる。 【表】 ↓ ↓
〓〓 (ラセミ体) 〓〓 (光学活性体)
以下に各工程について説明する。 (1) A工程及びB工程 A工程及びB工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 エリスロ−DOPS誘導体〔〕を無水フタル
酸、N−カルボエトキシフタルイミド等のフタ
ロイル化剤と反応させることによりエリスロ−
N−フタロイル−DOPS誘導体〔〕を得るこ
とができる。この反応では、一般的にα−アミ
ノ酸のアミノ基をフタロイル化するときに用い
らるモル比、溶媒、反応温度、反応時間等の反
応条件を用いて実施すればよい。 (2) C工程 この工程はラセミ−エリスロ−N−フタロイ
ルDOPS誘導体〔〕を光学分割操作に付し、
光学活性(D及びL)−エリスロ−N−フタロ
イル−DOPS誘導体〔〕を得る工程である。 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
誘導体〔〕をストリキニーネ、シンコニジ
ン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノ
ールなどの光学活性アミンを用いて適当な溶媒
中で反応させてDおよびL−エリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体と光学活性アミンとの
塩とし、溶解度の差を利用してD−エリスロ−
N−フタロイル−DOPS誘導体の光学活性アミ
ン塩と、L−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体の光学活性アミン塩とに分別し、
しかる後にそれぞれの塩に酸を作用させて塩を
分解する方法で行なわれる。 塩を形成し分別する温度としては0〜80℃で
行うことができるが、溶媒の沸点付近まで加温
した後0〜30℃まで冷却することもできる。塩
を形成する時間は数分間で充分であるが、数時
間をかけてもよく特に制限はない。 光学活性アミンはラセミ−エリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体〔〕に対し0.5〜1
倍モル用いて実施することができる。 上記塩の形成、分別に用いる溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニ
トリル、水及びこれらの混合溶媒を挙げること
ができる。 得られた光学活性−エリスロ−N−フタロイ
ル−DOPS誘導体〔〕の光学活性アミンとの
塩に酸性水溶液を加えることにより塩を分解
し、有機溶媒により抽出することにより光学活
性−エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕を得ることができる。 この酸性水溶液の酸としては塩酸、硫酸、リ
ン酸等の鉱酸が挙げられ、その使用量は塩に対
し1〜10倍モル用いることができる。 抽出に用いる有機溶媒としては、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロ
メタン、ジエチルエーテル等を挙げることがで
きる。 (3) D工程及びE工程 D工程及びE工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 ラセミまたは光学活性−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS誘導体〔〕を適当な溶媒中ル
イス酸で処理すると、対応するラセミまたは光
学活性−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕が得られる。 ルイス酸としては塩化アルミニウム、臭化ア
ルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化
ホウ素、臭化ホウ素等を挙げることができ、又
ルイス酸とジメチルスルフイドとのコンプレツ
クスをルイス酸として用いてもよい。ルイス酸
はエリスロ−DOPS誘導体〔〕に対し1〜20
倍モル、通常は2〜10倍モル使用することによ
り実施することができる。好ましい結果を得る
ために反応液にルイス酸の他に、メチルメルカ
プタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプ
タン、オクチールメルカプタン、ドデカニルメ
ルカプタン、オクタデカニルメルカプタン等の
炭素数1〜20のメルカプタン類またはヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨ
ウ化物をルイス酸に対し1〜5倍モル加えても
よい。 反応溶媒としては反応の進行を妨げる溶媒以
外は何を用いても良いが、例えばジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ニト
ロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等の
ニトロ化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン等のアセトン系溶媒、ピリジン等、
またはこれらの混合溶媒を挙げることができ
る。 反応温度は−40〜80℃の範囲で実施すること
ができるが、−10〜30℃で実施するのが好まし
い。 反応は10分から4時間の範囲で完結するが反
応時間が長くなつても良い。 (4) F工程 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕に、シンコニジン、キニジン、ノルエフ
エドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプ
ロパノールなどの光学活性なアミンを作用させ
DおよびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とし、溶解度の差を利用し
て、D−エリスロ−N−フタロイル−DOPSの
アミン塩とL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とに分別し、しかる後にそれ
ぞれの塩に酸を作用させることにより光学活性
−エリスロ−N−フタロイル−DOPS〔〕を
製造することができる。 この光学分割における条件は光学分割剤とし
て用いる光学活性なアミン以外はラセミ−エリ
スロ−N−フタロイル−DOPS誘導体〔〕の
光学分割にて用いたモル比、溶媒、温度、時間
及び塩分解条件と同様の条件を用い実施すれば
よい。 (5) G工程及びH工程 G工程及びH工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 ラセミまたは光学活性−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS〔〕をヒドラジンと反応させ
ることにより対応するラセミまたは光学活性−
エリスロ−DOPSを得ることができる。 ヒドラジンは無水物、水和物いずれも用いる
ことができ、エリスロ−N−フタロイル−
DOPS〔〕に対し1〜20倍モル、通常は2〜
5倍モル用いて実施すればよい。溶媒としては
水、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール系溶媒、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲ
ン化アルキル系溶媒及びこれらの混合溶媒を用
いることができる。反応は室温でも進行する
が、反応を加速する為に溶媒の沸点まで加温し
ても良い。 ところで、本発明方法に含まれる化合物の内、
式〔〕および〔〕で示される化合物はすべて
新規であり、本発明者らにより初めて合成され、
DOPS合成中間体としての有用性が示されたもの
である。 また、前記一般式〔〕で表わされるエリスロ
−DOPS誘導体の光学活性体は、例えば、化合物
〔〕のラセミ体をカルボベンゾキシクロリドと
反応して、N−カルボベンゾキシ体を得、次に光
学分割し、接触還元を行なうことにより得ること
ができる。 以下に実施例を挙げ、本発明方法をさらに具体
的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定さ
れるものではない。 参考例 1 ラセミ−エリスロ−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン20g、無水炭酸ナトリウ
ム11.31gを水200mlに溶解し、この溶液にN−カ
ルボエトキシフタルイミド27.28gを5℃以下で
加えた。 この混合物を室温で3時間撹拌した後濃塩酸を
加え弱酸性とし酢酸エチルにて抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
し溶媒を減圧留去した。 得られた残渣をメタノール80mlにて結晶化し、
結晶を取することによりラセミ−エリスロ−N
−フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリンを得た。 29.63g、mp117〜20℃ 元素分析(C18H13O7N・CH3OHに対する) 計算値:C58.94%、H4.49%、N3.62% 実測値:C58.76%、H4.41%、N3.60% 実施例 1 上記参考例1で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリン24.5g、n−オクチルメルカ
プタン71.3g、乾燥ジクロロメタン740mlの溶
液を−10〜0℃に冷却し、無水塩化アルミニウ
ム65.0gを加え−10〜0℃にて4時間撹拌し
た。この混合物を5%シユウ酸水430ml中に20
℃以下で滴下、その後30〜40℃として30分間撹
拌した。さらに室温として30分間撹拌して析出
した結晶を取し、ラセミ−エリスロ−N−フ
タロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニ
ル)セリン20.6g〔mp93〜95℃〕を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3400、1700、
1610、1510、1400、1380、1190、1110、1010 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン20.6gをエタノール200mlに溶解しこの
溶液に抱水ヒドラジン4.5gを加え2時間加熱
還流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1と
し、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母液
を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜
5.6に調整し、溶媒を留去した。得られた残渣
を水140mlに加熱溶解させ、0〜5℃にて15時
間放置後析出した結晶を取することによりラ
セミ−エリスロ−3−(3,4−ジヒドロキシ
フエニル)セリン8.33g〔mp215〜218℃〕を
得た。 元素分析(C9H11O5N・H2Oに対する) 計算値:C46.75%、H5.67%、N6.06% 実測値:C46.84%、H5.78%、N6.06% 実施例 2 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン0.25gをメタノール40mlに溶解させ、シンコ
ニジン0.19gを加え溶解させた。室温にて48時
間放置後析出した結晶を取し、L−エリスロ
−N−フタロイル−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン・シンコニジン塩0.12
g(mp230〜232℃、〔α〕20 D−41.8°(c=1、
DMSO))を得た。この塩の一部をN−塩酸10
mlに加え酢酸エチル20mlで2回抽出し酢酸エチ
ル層を無水芒硝で乾燥後酢酸エチルを留去する
ことにより油状のL−エリスロ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−メチレンジオキシフエニル)
セリン(〔α〕20 D−4.5°(c=1、CHCl3))を得
た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン0.25gをエタノール20mlに溶解させ、ストリ
キニーネ0.216gを加え溶解させた。室温にて
15時間放置後析出した結晶を取しL−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−メチレン
ジオキシフエニル)セリン・ストリキニーネ塩
0.08g〔mp144〜148℃、〔α〕20 D−1.8°(c=1.0、
CHCl3)〕を得た。この塩の一部を上記−
と同様に分解すると油状のL−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリン〔〔α〕20 D−2.3°(c=1、
CHCl3)〕を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン22.0gをエタノール200mlに溶解後、S−2
−アミノ−1,1−ジフエニル−1−プロパノ
ール12.9gを加え、溶解させた。この溶液を室
温にて15時間放置後析出晶を取しL−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−メチレン
ジオキシフエニル)セリン・S−2−アミノ−
1,1−ジフエニル−1−プロパノール塩
12.51g〔mp118〜119℃〕を得た。〔α〕30 D−
135.4°(c=1、クロロホルム) 上記で得た塩12.0gをエタノール96mlにて再
結晶して塩10.98g(mp118〜119℃、〔α〕30 D−
137.6°(c=1、CHCl3))を得た。 元素分析(C33H30N2O8.C2H5OHに対する) 計算値:C66.87%、H5.77%、N4.46%、 計算値:C66.91%、H5.85%、N4.44%、 上記で得た塩7.70gに1N−塩酸水50ml及び
酢酸エチル50mlを加え、室温にて30分間撹拌し
分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去
するとL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリン
4.35g〔〔α〕25 D−172.5°(c=1、CHCl3)〕を油
状物として得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3500、1700、
1600、1240、1160、1090、1020、910 上記−で得たL−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−メチレンジオキシフエニ
ル)セリン4.35g、n−オクチルメルカプタン
7.5g、乾燥ジクロロメタン60mlの溶液を−10
〜0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム6.85g
を加え、−10〜0℃にて4時間撹拌した。 この混合物を5%シユウ酸水90ml中に20℃以
下で滴下、その後30〜40℃として30分間撹拌し
た。さらに室温として30分間撹拌後静置し、水
層とジクロロエタン層に分液した。 水層を酢酸エチル40mlにて抽出し、酢酸エチ
ル抽出液を飽和食塩水で洗浄後硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。得られた洗液の溶媒を減圧留
去するとL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン2.27
g(〔α〕26 D−154.7°(c=1、メタノール))の
油状物を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3500、1700、
1605、1510、1270、1160、1110、1030、930 上記で得たL−エリスロ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン2.06gをエタノール20mlに溶解し、この溶液
に抱水ヒドラジン0.45gを加え2時間加熱還流
した。この反応液を室温下濃塩酸にてPH=1.0
とし30分撹拌後、不溶物を去し、過母液を
30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜5.6
に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水4.4gに加熱溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりL−エリスロ−3−(3,4−ジ
ヒドロキシフエニル)セリン1.12g(〔α〕21 D+
51.6°(c=1、N−HCl)、mp190〜193℃(分
解))を得た。 元素分析(C9H11O5N・2 1/6H2Oに対する) 計算値:C43.04%、H6.11%、N5.54% 実測値:C43.00%、H6.08%、N5.57% 実施例 3 − 実施例1、と同様の反応で得たラセミ
−エリスロ−N−フタロイル−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリン0.245gをエタ
ノール10mlに溶解させ、キニジン0.209gを加
え溶解させた。室温にて15時間放置後析出した
結晶を取し、L−エリスロ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン・キニジン塩0.085g〔mp230〜240℃、〔α〕
25 D+69.0°(c=1、DMSO)〕を得た。この塩の
一部を実施例−2、−と同様に分解すると
油状のL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
(〔α〕26 D−3.0°(c=1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをエタノール10mlに溶解させ、シンコ
ニジン0.190gを加え溶解させた。室温にて5
時間放置後析出した結晶を取し、L−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリン・シンコニジン塩0.088
g〔mp235〜40℃(分解)〔α〕26 D−20.2°(c=
1、DMSO)〕を得た。この塩の一部を実施例
−2、−と同様に分解すると油状のL−エ
リスロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフエニル)セリン(〔α〕26 D+12.7°(c
=1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをエタノール5mlに溶解させ、S−2
−アミノ−1,1−ジフエニル−1−プロパノ
ール0.147gを加え溶解させた。室温にて5時
間放置後析出した結晶を取し、L−エリスロ
−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキ
シフエニル)セリン・S−2−アミノ−1,1
−ジフエニル−1−プロパノール塩0.050g
〔mp300℃以上、〔α〕26 D+13.1°(c=1、
DMSO)〕を得た。この塩の一部を実施例−
2、−と同様に分解すると油状のL−エリ
スロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン(〔α〕26 D−1.1°(c=
1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをイソプロピルアルコール10mlに溶解
させ、ノルエフエドリン0.098gを加え、溶解
させた。0〜5℃にて15時間放置後析出した結
晶を取しL−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン・
ノルエフエドリン塩0.086g〔mp300℃以上、
〔α〕26 D+3.4°(c=1、CHCl3)〕を得た。この
塩の一部を実施例−2、−と同様に分解す
ると、油状のL−エリスロ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
(〔α〕25 D+20.1°(c=1、CHCl3))を得た。 参考例 2 ラセミ−スレオ/エリスロ−3−(3,4−
ジメトキシフエニル)セリン(スレオ/エリス
ロ=4/6)217.2gと酢酸54.3gを水1630ml
に加え、これより再結晶してラセミ−エリスロ
−3−(3,4−ジメトキシフエニル)セリン
18.2g〔mp183〜5℃)を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3200、1600、
1515、1410、1315、1255、1230、1130、1020 NMR:δTMS CF3COOD(ppm) 3.93(s、6H)、 4.78(d、1H、J=5Hz)、 5.17(d、1H、J=5Hz)、 7.07(s、3H) 上記で得たラセミ−エリスロ−3−(3,
4−ジメトキシフエニル)セリン5.0g、無水
炭酸ナトリウム2.3gを水50mlに溶解し、この
溶液にN−カルボエトキシフタルイミド5.13g
を5℃以下で加えた。 この混合物を室温で3時間撹拌した後水200
mlを加えた。さらに濃塩酸を加え弱酸性とした
後酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩
水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を
減圧留去すると油状のラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニ
ル)セリン5.34gを得た。 NMR:δTMS CDCl3(ppm) 3.75(s、6H)、 5.05(d、1H、J=9Hz)、 5.52(d、1H、J=9Hz)、 6.67〜6.83(m、3H)、 7.68(m、4H) 実施例 4 上記参考例2で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニ
ル)セリン5.0gとn−オクチルメルカプタン
14.3g、乾燥ジクロロメタン150mlの混合物中
に5℃以下にて無水塩化アルミニウム14.4gを
加え0〜10℃にて4時間撹拌した。この混合物
を5%シユウ酸水100ml中に20℃以下で滴下、
その後30〜40℃として30分間撹拌した。さらに
室温として30分間撹拌して析出した結晶を取
し、ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン4.40
g(mp93−95℃)を得た。 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン2.06gをメタノール20mlに溶解しこの溶
液に抱水ヒドラジン0.45gを加え2時間加熱還
流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1と
し、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母液
を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜
5.6に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水13mlに加熱、溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりラセミ−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリン0.83g
(mp215〜218℃)を得た。 参考例 3 ラセミ−スレオ/エリスロ−3−(4−ヒド
ロキシ−3−メトキシフエニル)セリン、5.0
g(スレオ/エリスロ≒3/2)、無水炭酸ナ
トリウム2.8gを水50mlに溶解し、この溶液に
N−カルボエトキシフタルイミド6.75gを5℃
以下で加えた。この混合物を室温で3時間撹拌
した後濃塩酸を加え弱酸性とした後で、酢酸エ
チル500mlで3回抽出した。この酢酸エチル層
は無水芒硝で乾燥後、酢酸エチルを留去すると
ラセミ−スレオ/エリスロ−N−フタロイル−
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフエニル)
セリン12.1gを油状物として得た。 この一部をシリカゲルクロマトで分離・精製
する事によつてラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフ
エニル)セリンを油状物として得た。 NMR:δTMS CDCl3(ppm) 3.6(s、3H)、4.7(d、1H)、 5.28(d、1H)、 6.4〜6.8(m、3H)、 7.8(s、5H) 実施例 5 上記参考例3で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(4−ヒドロキシ−3−メト
キシフエニル)セリン0.5gとn−オクチルメ
ルカプタン1.43g、乾燥ジクロロメタン15mlの
混合物中に5℃以下にて無水塩化アルミニウム
1.44gを加え0〜10℃にて4時間撹拌した。こ
の混合物を5%シユウ酸水10ml中に20℃以下で
滴下し、その後30〜40℃として30分間撹拌し
た。さらに室温として30分間撹拌して析出した
結晶を取し、ラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン0.44g(mp93−95℃)を得た。 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン0.206gをメタノール4mlに溶解しこの
溶液に抱水ヒドラジン0.045gを加え2時間加
熱還流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1
とし、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母
液を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5
〜5.6に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水1.3mlに加熱溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりラセミ−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリン0.08g
(mp215〜218℃)を得た。
キシフエニル)セリンの製造法に関する。 更に詳しくは一般式〔〕 (式中、R1およびR2は一方がメチル基を、他方
が水素原子を意味するか、R1およびR2はいずれ
もメチル基を意味するか、またはR1とR2がいつ
しよになつてメチレン基を意味する。) で表わされるラセミまたは光学活性−エリスロ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体をルイス酸で処理すること
により式〔〕 で表わされるエリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンとし、
これがラセミ体である場合には必要に応じてさら
に、シンコニジン、キニジン、ノルエフエドリ
ン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノー
ルから選ばれる光学活性なアミンの一つを作用さ
せて光学分割操作を行うことにより光学活性体を
得、このようにして得られるラセミまたは光学活
性−エリスロ−N−フタロイル−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリンを脱フタロイル化
反応に付すことにより前記式〔〕で表わされる
ラセミまたは光学活性−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリンを製造する方法
に関する。 本発明方法により得ることができるラセミおよ
び光学活性−エリスロ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリン〔〕は抗高血圧活性(特
開昭50−49252号公報)を有することが知られて
いる。 従来、ラセミまたは光学活性−スレオあるいは
エリスロ−DOPS(DOPS:3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン)の製造方法としては、
一般式〔〕 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を示す。) で表わされるアルデヒド誘導体を出発原料とする
方法が知られている。 すなわち、上記一般式〔〕で表わされる化合
物、例えばバニリン、ベラトリルアルデヒドまた
はピペロナールの出発原料として用い、カテコー
ル部分の保護基であるメチル基またはメチレン基
を除去することによつて式〔〕 で表わされるプロトカテキユアルデヒドを得た
後、改めてカテコール部分をエトキシカルボニル
基またはベンジル基で保護して式〔〕 〔式中、R3はエトキシカルボニル基またはベン
ジル基を意味する。〕 で表わされるベンズアルデヒド誘導体とし、この
ベンズアルデヒド誘導体をグリシンまたはグリシ
ン誘導体と縮合させて、スレオおよびエリスロ−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン誘
導体の混合物を得、必要に応じスレオ、エリスロ
の分離、光学分割操作を経て保護基を除去するこ
とにより、ラセミまたは光学活性−DOPSを製造
するという方法が用いられている。〔Chem.Ber.、
52、1724(1919);J.Chem.Soc.、658(1947);
Chem.Ber.、87、892(1954);J.Am.Chem.Soc.、
76、1322(1954);Helv.Chim.Acta.、58、147
(1975)〕 このような従来法では、カテコール部分の保護
基を変更するという煩雑な操作が必要であつた。 かかる情況下に本発明者らは、バニリン、ベラ
トリルアルデヒド、ピペロナールなどのメチル基
またはメチレン基を除去することなく、そのまま
保護基として用いて得られる前記一般式〔〕で
表わされるエリスロ−N−フタロイル−DOPS誘
導体から、前記式〔〕で表わされるエリスロ−
DOPSを効率よく製造できることを見出し、本発
明を完成した。 すなわち、本発明は 一般式〔〕 (式中、R1およびR2は前記と同じ意味を示
す。) で表わされるエリスロ−DOPS誘導体をフタロ
イル化剤と反応させることにより、前記一般式
〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロイル
−DOPS誘導体が収率よく得られる、 一般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体をルイス酸で処理する
と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イミド
基が同一分子内に存在するにもかかわらず、カ
テコール部分のメチル基またはメチル基だけが
除去できる、 一般式〔〕で表わされるラセミまたは光学
活性−エリスロ−N−フタロイル−DOPSをヒ
ドラジンと処理すると、対応するラセミまたは
光学活性−エリスロ−DOPSが収率よく得られ
る。 一般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体のラセミ体、および一
般式〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロ
イル−DOPSのラセミ体は、工業的に利用可能
な光学活性アミンを光学分割剤に用いて光学分
割することができ、対応する化合物を各々光学
活性体(D体またはL体)として得ることがで
きる、 という知見を得、完成されたものである。 かかる本発明は、ラメシまたは光学活性−エリ
スロ−DOPSの工業的かつ経済的な製造方法を提
供するものである。 以下に本発明をさらに詳細に説明する。 前記一般式〔〕で表わされるエリスロ−
DOPS誘導体は、例えば特開昭58−216146号公報
に記載の方法またはそのような公知法に準じた方
法に従つて製造することができ、これを無水フタ
ル酸、N−エトキシカルボニルフタルイミド等の
フタロイル化剤で処理することにより、前記一般
式〔〕で表わされるエリスロ−N−フタロイル
−DOPS誘導体のラセミ体を得ることができる。 エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕の光学活性体は、ラセミ体にストリキニー
ネ、シンコニジン、2−アミノ−1,1−ジフエ
ニルプロパノールなどの光学活性アミンを作用さ
せてD−およびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体のアミン塩とし、溶解度の差を利用
してD−エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導
体のアミン塩とL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体のアミン塩とに分別し、しかる後に
それぞれの塩に酸を作用させることにより得るこ
とができる。 ラセミまたは光学活性エリスロ−N−フタロイ
ル−DOPS誘導体〔〕から対応するエリスロ−
N−フタロイル−DOPS〔〕を得るという方法
は今まで全く知られていない。 一般的にカテコール部分にメチル基又はメチル
基をもつ化合物からメチル基、メチレン基を除き
カテコール基とする方法については種々知られて
はいるが、同時にアミノ基やカルボキシル基を有
する化合物の例として3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)アラニンあるいはこれのN−ア
セチル誘導体を赤リンの存在下、ヨウ化水素酸と
無水酢酸により処理し、3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)アラニンを得た例(Chem.
Pharm.Bull.、10、693(1962))、2−メチル−3
−(3,4−ジメトキシフエニル)アラニンを
47.5%臭化水素酸にて還流下処理し2−メチル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)アラニン
を得た例(J.Amer.Chem.Soc.、77、700(1955))
が知られているが、これらの条件は本発明方法の
カテコール部分の脱メチル基反応または脱メチレ
ン基反応には適用できなかつた。 一方、本発明者らはスレオーDOPSの経済的製
造方法を種々検討し、スレオ−3−(3,4−メ
チレンジオキシフエニル)セリン、あるいはその
N−カルボベンゾキシ誘導体をルイス酸で処理し
メチレン基を除くという方法(特開昭58−121258
号公報、特開昭58−183664号公報)を見出した。 本発明者らは上述の知見を参考にエリスロ−
DOPSの経済的製造方法として、メトキシ基また
はメチレンジオキシ基の他にヒドロキシル基、イ
ミド基、カルボキシル基を有するラセミまたは光
学活性エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕から対応するラセミまたは光学活性エリス
ロ−N−フタロイル−DOPS〔〕への変換が、
ルイス酸により緩和な条件下処理することで効率
的に進行することを見出した。この反応ではルイ
ス酸の他にメルカプタン類またはアルカリ金属ヨ
ウ化物を加えることが好ましい。 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕は光学活性アミンを用いた光学分割操作に
より光学活性(D及びL)−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS〔〕とすることができる。 即ち、ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS〔〕に、シンコニジン、キニジン、ノル
エフエドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニル
プロパノールなどの光学活性なアミンを作用させ
てDおよびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とし、溶解度の差を利用して、
D−エリスロ−N−フタロイル−DOPSのアミン
塩とL−エリスロ−N−フタロイル−DOPSのア
ミン塩とに分別し、しかる後にそれぞれの塩に酸
を作用させることにより光学活性−エリスロ−N
−フタロイル−DOPSを製造することができる。 エリスロ−N−フタロイル−DOPS〔〕から
エリスロ−DOPS〔〕を製造する方法は、通常
の、ヒドラジン等を用いる脱フタロイル化反応に
て実施すれば良い。 上述したことをまとめて反応工程式で示すと次
のようになる。 【表】 ↓ ↓
〓〓 (ラセミ体) 〓〓 (光学活性体)
以下に各工程について説明する。 (1) A工程及びB工程 A工程及びB工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 エリスロ−DOPS誘導体〔〕を無水フタル
酸、N−カルボエトキシフタルイミド等のフタ
ロイル化剤と反応させることによりエリスロ−
N−フタロイル−DOPS誘導体〔〕を得るこ
とができる。この反応では、一般的にα−アミ
ノ酸のアミノ基をフタロイル化するときに用い
らるモル比、溶媒、反応温度、反応時間等の反
応条件を用いて実施すればよい。 (2) C工程 この工程はラセミ−エリスロ−N−フタロイ
ルDOPS誘導体〔〕を光学分割操作に付し、
光学活性(D及びL)−エリスロ−N−フタロ
イル−DOPS誘導体〔〕を得る工程である。 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
誘導体〔〕をストリキニーネ、シンコニジ
ン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノ
ールなどの光学活性アミンを用いて適当な溶媒
中で反応させてDおよびL−エリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体と光学活性アミンとの
塩とし、溶解度の差を利用してD−エリスロ−
N−フタロイル−DOPS誘導体の光学活性アミ
ン塩と、L−エリスロ−N−フタロイル−
DOPS誘導体の光学活性アミン塩とに分別し、
しかる後にそれぞれの塩に酸を作用させて塩を
分解する方法で行なわれる。 塩を形成し分別する温度としては0〜80℃で
行うことができるが、溶媒の沸点付近まで加温
した後0〜30℃まで冷却することもできる。塩
を形成する時間は数分間で充分であるが、数時
間をかけてもよく特に制限はない。 光学活性アミンはラセミ−エリスロ−N−フ
タロイル−DOPS誘導体〔〕に対し0.5〜1
倍モル用いて実施することができる。 上記塩の形成、分別に用いる溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニ
トリル、水及びこれらの混合溶媒を挙げること
ができる。 得られた光学活性−エリスロ−N−フタロイ
ル−DOPS誘導体〔〕の光学活性アミンとの
塩に酸性水溶液を加えることにより塩を分解
し、有機溶媒により抽出することにより光学活
性−エリスロ−N−フタロイル−DOPS誘導体
〔〕を得ることができる。 この酸性水溶液の酸としては塩酸、硫酸、リ
ン酸等の鉱酸が挙げられ、その使用量は塩に対
し1〜10倍モル用いることができる。 抽出に用いる有機溶媒としては、酢酸エチ
ル、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロ
メタン、ジエチルエーテル等を挙げることがで
きる。 (3) D工程及びE工程 D工程及びE工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 ラセミまたは光学活性−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS誘導体〔〕を適当な溶媒中ル
イス酸で処理すると、対応するラセミまたは光
学活性−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕が得られる。 ルイス酸としては塩化アルミニウム、臭化ア
ルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化
ホウ素、臭化ホウ素等を挙げることができ、又
ルイス酸とジメチルスルフイドとのコンプレツ
クスをルイス酸として用いてもよい。ルイス酸
はエリスロ−DOPS誘導体〔〕に対し1〜20
倍モル、通常は2〜10倍モル使用することによ
り実施することができる。好ましい結果を得る
ために反応液にルイス酸の他に、メチルメルカ
プタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプ
タン、オクチールメルカプタン、ドデカニルメ
ルカプタン、オクタデカニルメルカプタン等の
炭素数1〜20のメルカプタン類またはヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨ
ウ化物をルイス酸に対し1〜5倍モル加えても
よい。 反応溶媒としては反応の進行を妨げる溶媒以
外は何を用いても良いが、例えばジクロロメタ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ニト
ロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等の
ニトロ化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン等のアセトン系溶媒、ピリジン等、
またはこれらの混合溶媒を挙げることができ
る。 反応温度は−40〜80℃の範囲で実施すること
ができるが、−10〜30℃で実施するのが好まし
い。 反応は10分から4時間の範囲で完結するが反
応時間が長くなつても良い。 (4) F工程 ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−DOPS
〔〕に、シンコニジン、キニジン、ノルエフ
エドリン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプ
ロパノールなどの光学活性なアミンを作用させ
DおよびL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とし、溶解度の差を利用し
て、D−エリスロ−N−フタロイル−DOPSの
アミン塩とL−エリスロ−N−フタロイル−
DOPSのアミン塩とに分別し、しかる後にそれ
ぞれの塩に酸を作用させることにより光学活性
−エリスロ−N−フタロイル−DOPS〔〕を
製造することができる。 この光学分割における条件は光学分割剤とし
て用いる光学活性なアミン以外はラセミ−エリ
スロ−N−フタロイル−DOPS誘導体〔〕の
光学分割にて用いたモル比、溶媒、温度、時間
及び塩分解条件と同様の条件を用い実施すれば
よい。 (5) G工程及びH工程 G工程及びH工程は原料化合物がラセミ体で
あるか、光学活性体であるかの違いであり反応
は全く同じである。 ラセミまたは光学活性−エリスロ−N−フタ
ロイル−DOPS〔〕をヒドラジンと反応させ
ることにより対応するラセミまたは光学活性−
エリスロ−DOPSを得ることができる。 ヒドラジンは無水物、水和物いずれも用いる
ことができ、エリスロ−N−フタロイル−
DOPS〔〕に対し1〜20倍モル、通常は2〜
5倍モル用いて実施すればよい。溶媒としては
水、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール系溶媒、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲ
ン化アルキル系溶媒及びこれらの混合溶媒を用
いることができる。反応は室温でも進行する
が、反応を加速する為に溶媒の沸点まで加温し
ても良い。 ところで、本発明方法に含まれる化合物の内、
式〔〕および〔〕で示される化合物はすべて
新規であり、本発明者らにより初めて合成され、
DOPS合成中間体としての有用性が示されたもの
である。 また、前記一般式〔〕で表わされるエリスロ
−DOPS誘導体の光学活性体は、例えば、化合物
〔〕のラセミ体をカルボベンゾキシクロリドと
反応して、N−カルボベンゾキシ体を得、次に光
学分割し、接触還元を行なうことにより得ること
ができる。 以下に実施例を挙げ、本発明方法をさらに具体
的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定さ
れるものではない。 参考例 1 ラセミ−エリスロ−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン20g、無水炭酸ナトリウ
ム11.31gを水200mlに溶解し、この溶液にN−カ
ルボエトキシフタルイミド27.28gを5℃以下で
加えた。 この混合物を室温で3時間撹拌した後濃塩酸を
加え弱酸性とし酢酸エチルにて抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥
し溶媒を減圧留去した。 得られた残渣をメタノール80mlにて結晶化し、
結晶を取することによりラセミ−エリスロ−N
−フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリンを得た。 29.63g、mp117〜20℃ 元素分析(C18H13O7N・CH3OHに対する) 計算値:C58.94%、H4.49%、N3.62% 実測値:C58.76%、H4.41%、N3.60% 実施例 1 上記参考例1で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリン24.5g、n−オクチルメルカ
プタン71.3g、乾燥ジクロロメタン740mlの溶
液を−10〜0℃に冷却し、無水塩化アルミニウ
ム65.0gを加え−10〜0℃にて4時間撹拌し
た。この混合物を5%シユウ酸水430ml中に20
℃以下で滴下、その後30〜40℃として30分間撹
拌した。さらに室温として30分間撹拌して析出
した結晶を取し、ラセミ−エリスロ−N−フ
タロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニ
ル)セリン20.6g〔mp93〜95℃〕を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3400、1700、
1610、1510、1400、1380、1190、1110、1010 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン20.6gをエタノール200mlに溶解しこの
溶液に抱水ヒドラジン4.5gを加え2時間加熱
還流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1と
し、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母液
を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜
5.6に調整し、溶媒を留去した。得られた残渣
を水140mlに加熱溶解させ、0〜5℃にて15時
間放置後析出した結晶を取することによりラ
セミ−エリスロ−3−(3,4−ジヒドロキシ
フエニル)セリン8.33g〔mp215〜218℃〕を
得た。 元素分析(C9H11O5N・H2Oに対する) 計算値:C46.75%、H5.67%、N6.06% 実測値:C46.84%、H5.78%、N6.06% 実施例 2 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン0.25gをメタノール40mlに溶解させ、シンコ
ニジン0.19gを加え溶解させた。室温にて48時
間放置後析出した結晶を取し、L−エリスロ
−N−フタロイル−3−(3,4−メチレンジ
オキシフエニル)セリン・シンコニジン塩0.12
g(mp230〜232℃、〔α〕20 D−41.8°(c=1、
DMSO))を得た。この塩の一部をN−塩酸10
mlに加え酢酸エチル20mlで2回抽出し酢酸エチ
ル層を無水芒硝で乾燥後酢酸エチルを留去する
ことにより油状のL−エリスロ−N−フタロイ
ル−3−(3,4−メチレンジオキシフエニル)
セリン(〔α〕20 D−4.5°(c=1、CHCl3))を得
た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン0.25gをエタノール20mlに溶解させ、ストリ
キニーネ0.216gを加え溶解させた。室温にて
15時間放置後析出した結晶を取しL−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−メチレン
ジオキシフエニル)セリン・ストリキニーネ塩
0.08g〔mp144〜148℃、〔α〕20 D−1.8°(c=1.0、
CHCl3)〕を得た。この塩の一部を上記−
と同様に分解すると油状のL−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−メチレンジオキシ
フエニル)セリン〔〔α〕20 D−2.3°(c=1、
CHCl3)〕を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリ
ン22.0gをエタノール200mlに溶解後、S−2
−アミノ−1,1−ジフエニル−1−プロパノ
ール12.9gを加え、溶解させた。この溶液を室
温にて15時間放置後析出晶を取しL−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−メチレン
ジオキシフエニル)セリン・S−2−アミノ−
1,1−ジフエニル−1−プロパノール塩
12.51g〔mp118〜119℃〕を得た。〔α〕30 D−
135.4°(c=1、クロロホルム) 上記で得た塩12.0gをエタノール96mlにて再
結晶して塩10.98g(mp118〜119℃、〔α〕30 D−
137.6°(c=1、CHCl3))を得た。 元素分析(C33H30N2O8.C2H5OHに対する) 計算値:C66.87%、H5.77%、N4.46%、 計算値:C66.91%、H5.85%、N4.44%、 上記で得た塩7.70gに1N−塩酸水50ml及び
酢酸エチル50mlを加え、室温にて30分間撹拌し
分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去
するとL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−メチレンジオキシフエニル)セリン
4.35g〔〔α〕25 D−172.5°(c=1、CHCl3)〕を油
状物として得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3500、1700、
1600、1240、1160、1090、1020、910 上記−で得たL−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−メチレンジオキシフエニ
ル)セリン4.35g、n−オクチルメルカプタン
7.5g、乾燥ジクロロメタン60mlの溶液を−10
〜0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム6.85g
を加え、−10〜0℃にて4時間撹拌した。 この混合物を5%シユウ酸水90ml中に20℃以
下で滴下、その後30〜40℃として30分間撹拌し
た。さらに室温として30分間撹拌後静置し、水
層とジクロロエタン層に分液した。 水層を酢酸エチル40mlにて抽出し、酢酸エチ
ル抽出液を飽和食塩水で洗浄後硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。得られた洗液の溶媒を減圧留
去するとL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン2.27
g(〔α〕26 D−154.7°(c=1、メタノール))の
油状物を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3500、1700、
1605、1510、1270、1160、1110、1030、930 上記で得たL−エリスロ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン2.06gをエタノール20mlに溶解し、この溶液
に抱水ヒドラジン0.45gを加え2時間加熱還流
した。この反応液を室温下濃塩酸にてPH=1.0
とし30分撹拌後、不溶物を去し、過母液を
30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜5.6
に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水4.4gに加熱溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりL−エリスロ−3−(3,4−ジ
ヒドロキシフエニル)セリン1.12g(〔α〕21 D+
51.6°(c=1、N−HCl)、mp190〜193℃(分
解))を得た。 元素分析(C9H11O5N・2 1/6H2Oに対する) 計算値:C43.04%、H6.11%、N5.54% 実測値:C43.00%、H6.08%、N5.57% 実施例 3 − 実施例1、と同様の反応で得たラセミ
−エリスロ−N−フタロイル−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリン0.245gをエタ
ノール10mlに溶解させ、キニジン0.209gを加
え溶解させた。室温にて15時間放置後析出した
結晶を取し、L−エリスロ−N−フタロイル
−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリ
ン・キニジン塩0.085g〔mp230〜240℃、〔α〕
25 D+69.0°(c=1、DMSO)〕を得た。この塩の
一部を実施例−2、−と同様に分解すると
油状のL−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
(〔α〕26 D−3.0°(c=1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをエタノール10mlに溶解させ、シンコ
ニジン0.190gを加え溶解させた。室温にて5
時間放置後析出した結晶を取し、L−エリス
ロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリン・シンコニジン塩0.088
g〔mp235〜40℃(分解)〔α〕26 D−20.2°(c=
1、DMSO)〕を得た。この塩の一部を実施例
−2、−と同様に分解すると油状のL−エ
リスロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフエニル)セリン(〔α〕26 D+12.7°(c
=1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをエタノール5mlに溶解させ、S−2
−アミノ−1,1−ジフエニル−1−プロパノ
ール0.147gを加え溶解させた。室温にて5時
間放置後析出した結晶を取し、L−エリスロ
−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキ
シフエニル)セリン・S−2−アミノ−1,1
−ジフエニル−1−プロパノール塩0.050g
〔mp300℃以上、〔α〕26 D+13.1°(c=1、
DMSO)〕を得た。この塩の一部を実施例−
2、−と同様に分解すると油状のL−エリ
スロ−N−フタロイル−3−(3,4−ジヒド
ロキシフエニル)セリン(〔α〕26 D−1.1°(c=
1、CHCl3))を得た。 − ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
0.245gをイソプロピルアルコール10mlに溶解
させ、ノルエフエドリン0.098gを加え、溶解
させた。0〜5℃にて15時間放置後析出した結
晶を取しL−エリスロ−N−フタロイル−3
−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン・
ノルエフエドリン塩0.086g〔mp300℃以上、
〔α〕26 D+3.4°(c=1、CHCl3)〕を得た。この
塩の一部を実施例−2、−と同様に分解す
ると、油状のL−エリスロ−N−フタロイル−
3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン
(〔α〕25 D+20.1°(c=1、CHCl3))を得た。 参考例 2 ラセミ−スレオ/エリスロ−3−(3,4−
ジメトキシフエニル)セリン(スレオ/エリス
ロ=4/6)217.2gと酢酸54.3gを水1630ml
に加え、これより再結晶してラセミ−エリスロ
−3−(3,4−ジメトキシフエニル)セリン
18.2g〔mp183〜5℃)を得た。 IR:流動パラフイン(cm-1)3200、1600、
1515、1410、1315、1255、1230、1130、1020 NMR:δTMS CF3COOD(ppm) 3.93(s、6H)、 4.78(d、1H、J=5Hz)、 5.17(d、1H、J=5Hz)、 7.07(s、3H) 上記で得たラセミ−エリスロ−3−(3,
4−ジメトキシフエニル)セリン5.0g、無水
炭酸ナトリウム2.3gを水50mlに溶解し、この
溶液にN−カルボエトキシフタルイミド5.13g
を5℃以下で加えた。 この混合物を室温で3時間撹拌した後水200
mlを加えた。さらに濃塩酸を加え弱酸性とした
後酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩
水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を
減圧留去すると油状のラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニ
ル)セリン5.34gを得た。 NMR:δTMS CDCl3(ppm) 3.75(s、6H)、 5.05(d、1H、J=9Hz)、 5.52(d、1H、J=9Hz)、 6.67〜6.83(m、3H)、 7.68(m、4H) 実施例 4 上記参考例2で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(3,4−ジメトキシフエニ
ル)セリン5.0gとn−オクチルメルカプタン
14.3g、乾燥ジクロロメタン150mlの混合物中
に5℃以下にて無水塩化アルミニウム14.4gを
加え0〜10℃にて4時間撹拌した。この混合物
を5%シユウ酸水100ml中に20℃以下で滴下、
その後30〜40℃として30分間撹拌した。さらに
室温として30分間撹拌して析出した結晶を取
し、ラセミ−エリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリン4.40
g(mp93−95℃)を得た。 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン2.06gをメタノール20mlに溶解しこの溶
液に抱水ヒドラジン0.45gを加え2時間加熱還
流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1と
し、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母液
を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5〜
5.6に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水13mlに加熱、溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりラセミ−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリン0.83g
(mp215〜218℃)を得た。 参考例 3 ラセミ−スレオ/エリスロ−3−(4−ヒド
ロキシ−3−メトキシフエニル)セリン、5.0
g(スレオ/エリスロ≒3/2)、無水炭酸ナ
トリウム2.8gを水50mlに溶解し、この溶液に
N−カルボエトキシフタルイミド6.75gを5℃
以下で加えた。この混合物を室温で3時間撹拌
した後濃塩酸を加え弱酸性とした後で、酢酸エ
チル500mlで3回抽出した。この酢酸エチル層
は無水芒硝で乾燥後、酢酸エチルを留去すると
ラセミ−スレオ/エリスロ−N−フタロイル−
3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフエニル)
セリン12.1gを油状物として得た。 この一部をシリカゲルクロマトで分離・精製
する事によつてラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフ
エニル)セリンを油状物として得た。 NMR:δTMS CDCl3(ppm) 3.6(s、3H)、4.7(d、1H)、 5.28(d、1H)、 6.4〜6.8(m、3H)、 7.8(s、5H) 実施例 5 上記参考例3で得たラセミ−エリスロ−N−
フタロイル−3−(4−ヒドロキシ−3−メト
キシフエニル)セリン0.5gとn−オクチルメ
ルカプタン1.43g、乾燥ジクロロメタン15mlの
混合物中に5℃以下にて無水塩化アルミニウム
1.44gを加え0〜10℃にて4時間撹拌した。こ
の混合物を5%シユウ酸水10ml中に20℃以下で
滴下し、その後30〜40℃として30分間撹拌し
た。さらに室温として30分間撹拌して析出した
結晶を取し、ラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン0.44g(mp93−95℃)を得た。 上記で得たラセミ−エリスロ−N−フタロ
イル−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)
セリン0.206gをメタノール4mlに溶解しこの
溶液に抱水ヒドラジン0.045gを加え2時間加
熱還流した。この反応液に濃塩酸を加えPH≒1
とし、30分間撹拌後、不溶物を去し、過母
液を30%水酸化ナトリウム水溶液にてPH≒5.5
〜5.6に調整し、溶媒を留去した。 得られた残渣を水1.3mlに加熱溶解させ、0
〜5℃にて15時間放置後析出した結晶を取す
ることによりラセミ−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)セリン0.08g
(mp215〜218℃)を得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 式 で表わされるエリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンを脱フ
タロイル化反応に付すことを特徴とする式 で表わされるエリスロ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンの製造法。 2 一般式 (式中、R1およびR2は一方がメチル基を、他方
が水素原子を意味するか、R1およびR2はいずれ
もメチル基を意味するか、またはR1とR2がいつ
しよになつてメチレン基を意味する。) で表わされるラセミまたは光学活性−エリスロ−
N−フタロイル−3−(3,4−ジヒドロキシフ
エニル)セリン誘導体をルイス酸で処理すること
により式 で表わされるエリスロ−N−フタロイル−3−
(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンとし、
これがラセミ体である場合には必要に応じてさら
に、シンコニジン、キニジン、ノルエフエドリ
ン、2−アミノ−1,1−ジフエニルプロパノー
ルから選ばれる光学活性なアミンの一つを作用さ
せて光学分割操作を行うことにより光学活性体を
得、このようにして得られるラセミまたは光学活
性−エリスロ−N−フタロイル−3−(3,4−
ジヒドロキシフエニル)セリンを脱フタロイル化
反応に付すことを特徴とする式 で表わされるエリスロ−3−(3,4−ジヒドロ
キシフエニル)セリンの製造法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2782884A JPS60169452A (ja) | 1984-02-15 | 1984-02-15 | エリスロ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製造法 |
| CA000454819A CA1223602A (en) | 1983-05-25 | 1984-05-22 | Process for producing 3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine |
| ES532710A ES8601100A1 (es) | 1983-05-25 | 1984-05-23 | Un procedimiento para producir 3-(3, 4-dihidroxifenil) serina |
| EP84303513A EP0128684B1 (en) | 1983-05-25 | 1984-05-24 | Process for producing 3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine |
| AT84303513T ATE31917T1 (de) | 1983-05-25 | 1984-05-24 | Verfahren zur herstellung von 3-(3,4dihydroxyphenyl)-serinen. |
| DE8484303513T DE3468679D1 (en) | 1983-05-25 | 1984-05-24 | Process for producing 3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine |
| US06/614,246 US4562263A (en) | 1983-05-25 | 1984-05-25 | Process for producing 3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2782884A JPS60169452A (ja) | 1984-02-15 | 1984-02-15 | エリスロ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60169452A JPS60169452A (ja) | 1985-09-02 |
| JPH0549659B2 true JPH0549659B2 (ja) | 1993-07-26 |
Family
ID=12231806
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2782884A Granted JPS60169452A (ja) | 1983-05-25 | 1984-02-15 | エリスロ−3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)セリンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60169452A (ja) |
-
1984
- 1984-02-15 JP JP2782884A patent/JPS60169452A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60169452A (ja) | 1985-09-02 |
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